JPH0545163Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、コンバイン等のように走行装置上に
脱穀機と、該脱穀機により脱穀処理されバケツト
エレベータにより揚上される穀粒を収容するグレ
ンタンクを搭載した移動脱穀機の揚穀装置に関す
るものである。

(ロ) 従来の技術 従来、上記のように走行装置上に脱穀機と、該
脱穀機により脱穀処理され揚穀機により揚上され
る穀粒を収容するグレンタンクを搭載したコンバ
インは、例えば実開昭62−122542号公報等によつ
て開示されている。

しかし、この同公報に開示されるものにあつて
はその揚穀機はグレンタンク内に立設されて脱穀
機からの穀粒を揚上して上部からこのタンク内に
投出する構成になつている。それ故に投出される
穀粒はグレンタンクの隅々にまで行き届かず、し
かもタンク内で投出させるから上部には空間がで
きて充填率が低い等の欠点をもつている。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 このように従来の揚穀機にあつては、その揚穀
機の上部から投出される穀粒が一方向に向けて投
出されるためにグレンタンクの隅々にまで行き届
かず、しかもタンク内で投出させるから上部に空
間ができ充填率が低い等の欠点をもつているか
ら、本考案はこの従来の欠点とするところを解消
して、投出される穀粒をグレンタンクの隅々まで
行きわたらせるようにするとともに上部に空間が
できないようにして充填率を高くし、かつグレン
タンク内に立設するバケツトエレベータの保守点
検を容易にするを目的として考案されたものであ
る。

(ニ) 問題点を解決するための手段 そこで本考案は前記の目的を達成せんがため
に、次に記載する手段を講じたのである。すなわ
ち、 走行装置上に脱穀機と、該脱穀機により脱穀処
理されバケツトエレベータにより揚上される穀粒
を収容するグレンタンクを搭載した移動脱穀機に
おいて、該グレンタンク内に前記バケツトエレベ
ータを立設してグレンタンクの天板より上位でバ
ケツトエレベータの天井部位を開放するととも
に、この開放箇所の周りを凸状にした着脱自在の
天井カバーで囲みグレンタンク内への投入経路を
構成したのである。

(ホ) 作用 この構成にすると、脱穀機により脱穀処理され
た穀粒はバケツトエレベータによりグレンタンク
内を揚上され天井部位の開放された開放箇所から
バケツトの回行動作により勢よく投出され、その
投出される穀粒は天井カバーの内面にそつて案内
され投入経路からグレンタンク内に拡散して収容
されるのである。

そして天井カバーを取外すと、バケツトエレベ
ータの開放された天井部位は露出するようになつ
て、エレベータチエンの張り調整等の保守点検が
容易になる。

(ヘ) 実施例 以下本考案について実施例図により具体的に説
明する。この例図に示したものは刈取られた穀稈
の全量を脱穀機に供給して処理するコンバインを
示してあつて、このコンバインの概要を先ず第３
図と第４図を参照して記載すると、 Ａは機台７を支持する走行装置で、この機台７
上の左側には上下にスクリユー式扱胴８と揺動選
別体９等を配備して構成する脱穀機Ｂを搭載し、
その右側にはグレンタンク２を設置し、このグレ
ンタンク２の前方側に運転席１０を設け、前記脱
穀機Ｂとこの運転席１０の前方にフイーダハウス
１１を介して刈取部Ｃを連設して構成してあつ
て、立毛状態の穀稈は掻込リール１２で掻込まれ
て刈刃１３で刈取られ、刈取られた穀稈は掻込オ
ーガ１４からフイーダハウス１１内をチエンコン
ベヤ１５で脱穀機Ｂの扱室１６の始端がわに運ば
れスクリユー翼１７を周面に巻装した扱胴８で終
端がわに送られながら脱穀処理作用を受け、この
脱穀処理作用によつて脱粒された穀粒と藁屑類は
受網１８から漏下して下方の揺動選別体９上に落
下し、漏下しない長藁は終端がわから排塵フアン
１９によつて機外に排出されるようになり、揺動
選別体９上に落下した穀粒および藁屑類はその揺
動作用と送風フアン２０によつて起風され揺動選
別体９を下側から吹き抜ける選別風によつて風選
されて、穀粒は１番物取出樋２１に２番物は２番
物横送樋２２にそれぞれ落入し、１番物取出樋２
１に落入した穀粒は前記のグレンタンク２がわに
送られバケツトエレベータ１により揚上されてグ
レンタンク２内に収容され、２番物は揚穀筒２３
により前記の揺動選別体９の始端がわに返されて
再選別されるようになつている。

そして、前記のグレンタンク２内に収容された
穀粒はこのグレンタンク２内に設ける揚穀筒２４
で揚上されグレンタンク２の天板３上に装備され
る旋回自在の取出筒２５で適宜取出されるのであ
る。

次に、本考案の要部について記載する。

前記のバケツトエレベータ１はグレンタンク２
内の脱穀機Ｂがわ寄りに立設されて、エレベータ
チエン６に等間隔に取付けられ上昇下降するバケ
ツト５を内装し、そのバケツトエレベータ１の上
部はグレンタンク２の天板３に大きく開口する窓
２６から上方に突出させるとともにその天井部位
を開放し、この開放箇所Ｐを前記天板３より上位
に位置するように立設している。

４は台形の凸状にした天井カバーで、その下部
の周りを窓２６周りの天板３部分に数個のツマミ
ネジ２７によつて着脱自在にし、天井カバー４の
取付時は前記バケツトエレベータ１の開放箇所Ｐ
を囲みこの天井カバー４の内側周りに窓２６を通
してグレンタンク２内に通じる投入経路Ｒを形成
している。

２８は天井カバー４の内面に斜設された拡散板
である。

なお、天井カバー４は透明材で構成して常時透
視可能にするとともに、一側がわを天板３に枢着
して開放閉塞自在にしてもよい。

これによつて、１番物取出樋２１内をグレンタ
ンク２がわに送られる穀粒はバケツトエレベータ
１の下部に受継がれバケツト５によつて汲み上げ
られて上昇から下降に変る上部の回行動作でその
開放箇所Ｐから矢印イのように勢よく投出される
のである。そしてこの投出される穀粒は拡散板２
８によつて拡散されながら天井カバー４の内面に
そつて案内されるようになつて投入経路Ｒからグ
レンタンク２内に収容されるのである。

また、刈取脱穀作業の終了時等において、第１
図の仮想線に示すようにツマミネジ２７を弛めて
天井カバー４を取外すと、バケツトエレベータ１
の開放された天井部位は窓２６から突出して露出
するようになり、エレベータチエン６の張り具合
調整等の点検を行なうのである。

(ト) 考案の効果 本考案は以上述べたように、走行装置上に脱穀
機と、該脱穀機により脱穀処理されバケツトエレ
ベータにより揚上される穀粒を収容するグレンタ
ンクを搭載した移動脱穀機において、該グレンタ
ンク内に前記バケツトエレベータを立設してグレ
ンタンクの天板より上位でバケツトエレベータの
天井部位を開放するとともに、この開放箇所の周
りを凸状にした着脱自在の天井カバーで囲みグレ
ンタンク内への投入経路を構成したのであるか
ら、バケツトエレベータにより揚上される穀粒は
天井部位の開放された開放箇所からバケツトの回
行動作により勢よく投出され、その投出される穀
粒は天井カバーの内面にそつて案内され投入経路
を通つてグレンタンク内に拡散収容されるように
なつて、その拡散により穀粒をグレンタンクの
隅々にまで行きわたらせることができ、しかもグ
レンタンクの上部に空間が生じないから充填率の
高いものとなる。その上天井カバーを取外すと、
バケツトエレベータの開放された天井部位は露出
するからエレベータチエンの張り具合の調整等の
保守点検が容易に行なえるし、バケツトエレベー
タの投口は天井カバーで兼用されるからその構成
は簡潔なものになる等種々の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案による揚穀装置の実施例図を示し
たもので、その、第１図は要部を拡大して内部を
示す側面図、第２図は同要部の天井カバーを取外
して示した平面図、第３図はコンバイン全体の概
略側面図、第４図は同コンバインの平面図、であ
る。 Ａ……走行装置、Ｂ……脱穀機、３……天板、
１……バケツトエレベータ、２……グレンタン
ク、Ｐ……開放箇所、４……天井カバー、Ｒ……
投入経路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行装置Ａ上に脱穀機Ｂと、該脱穀機Ｂにより
   脱穀処理されバケツトエレベータ１により揚上さ
   れる穀粒を収容するグレンタンク２を搭載した移
   動脱穀機において、該グレンタンク２内に前記バ
   ケツトエレベータ１を立設してグレンタンク２の
   天板３より上位でバケツトエレベータ１の天井部
   位を開放するとともに、この開放箇所Ｐの周りを
   凸状にした着脱自在の天井カバー４で囲みグレン
   タンク２内への投入経路Ｒを構成したことを特徴
   とする移動脱穀機における揚穀装置。