JPH0692263B2 - 記録ディスク基板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
ィスク基板さらに詳しくは磁気等の高密度記録媒体を保
持するガラスディスク基板及びその製造方法に関する。
ディスクは、平滑な表面を有する基板上に高い飽和磁気
密度の記録媒体、例えばCo−Cr、Co−Ni等の金属磁性薄
膜を有している。しかし、表面が極めて平滑であるため
空気中の水分等の介在により磁気ヘッドと記録媒体が吸
着を起こし、その結果磁気ヘッドクラッシュを惹起する
という問題点(マイクロトライポロジー問題)がある。
この問題を解決するために、従来は、表面の摩擦係数を
低下させるため、例えばCo−Cr磁性薄膜の表面をわずか
に酸化させたり、基板表面に固体潤滑材料(例えばカー
ボン膜)や液体潤滑剤を設けたりしていた。又、ディス
ク基板表面をテープラップあるいは研摩によってテクス
チャリング処理(基板表面の表面粗度を高める処理)を
ほどこし基板表面の面粗度を悪くすることが行われてい
る。これはいわゆるメカニカルテクスチャリングといわ
れている。
の発生、不規則な凹凸などのため部分的なRa(表面粗
さ)差が大きく摺動中にディスク基板にキズが入り易い
欠点を有する。そして、そのため磁気ヘッドを磁気記録
媒体に充分に接近させることができず、高密度記録を実
現するに必要な磁気ヘッドの低浮上化を困難にしている
ばかりか耐CCS性でも問題がある。この問題を解決する
ための手段として、特願昭62−243074号に示すようにケ
ミカルテクスチャリング処理が有用であり、この処理を
経たディスク基板においては連続摺動による摩擦係数の
変化が極めて小さい。本発明は、ディスク基板として結
晶化ガラスを用い、エッチング処理によって基板表面上
に均一かつ規則的な凹凸を形成させるテクスチャリング
技術を開示するものであって、かつ上記問題点を解消し
たディスク基板及びその製造方法を提供するものであ
る。
板であって、基板表面は結晶化後研摩され、結晶層とア
モーファス層とのエッチング速度が異なるエッチング剤
によりエッチング処理された記録ディスク基板である。
ラスに熱処理又は感光処理ないしはそれらの双方の処理
を行い微細結晶を析出させた(一次結晶)後、所定の条
件で結晶化状態を調整する(二次結晶)。主たる結晶相
は、特願昭60−210954号に示すようにLi2O・2SiO2であ
り、ガラス組成によってはα−クリストバライト、β−
スポジウメン、Li2O・SiO2、ウイレマナイト、ガーナイ
ト等が含有されている。特にウイレマナイト、ガーナイ
トなどを含む場合は、それらは硬度の高い結晶であるの
で、ディスク基板に耐摩耗性を必要とする場合は好まし
い結果が得られる。結晶層は65〜90%が適切である。結
晶粒の粒径、それらの粒間距離はガラスの組成、結晶化
処理の条件によって制御する。結晶化処理された結晶化
ガラスは、その表面が研摩処理される(Ra15Å〜50
Å)。その表面の微細構造は微細かつ均質な結晶粒がア
モーファス層に規則正しく均一に二次元的に分布してい
る状態である。
ーファス層に対する溶解度が異なるエッチング剤を用
い、その表面をエッチング処理すると、例えばアモーフ
ァス層に対する溶解度がより大きいエッチング剤を用い
る場合は、その表面構造はアモーファス層に均質な結晶
粒が凸状形状をなして均一に分布している微細構造とな
る。凸状の結晶粒の高さすなわち結晶化ガラスの表面の
凹凸の深さはエッチング剤の濃度、処理温度、処理時間
等を適切に設定して制御することが可能である。結晶粒
はその硬度が大きいためガラス基板表面を硬度化する処
理は不要であるが、粒間距離が大きい場合は、粒間距離
を調整するため硬質材料(クロム金属、ビスマス金属、
シリコンカーバイド等)をコーティング処理(電解メッ
キ又はスパッタリング)するとよい。この場合、硬度材
料は表面の凹凸形状にならって膜成長を生ずるので二次
元的な凹凸の微細構造はそのまま維持されている。高密
度の記録媒体例えばCo−Cr、Co−Ni等の磁気記録媒体は
上記ディスク基板表面上にスパッタリング又はメッキに
より付着され、その上に保護膜をコーティングすること
により磁気記録体すなわち磁気ディスクが完成される。
必要に応じて表面の凹凸部分に液体潤滑剤を保持すると
よい。本発明の記録ディスク基板の表面は上記の微細構
造を有しているので、ディスク基板の回転によって基板
表面に空気の乱流(あらゆる方向からの空気の流入)が
生じ、それが磁気ヘッドに対し浮力抵抗となる。磁気ヘ
ッドは磁気ヘッドクラッシュを起こすことなく基板表面
との間隔を極めて小さく保つことが可能となる。
特開昭62−72547号に示されているガラス組成のうち、S
iO279.0、Li2O15.0、Al2O34.0、K2O2.0、P2O52.0、As2O
30.2のものを用い(各wt%)、最終(二次結晶)熱処理
温度900℃(90分)、線膨張係数α100℃〜300℃=116×
10-7(deg-1)である。Li2Oが16wt%以下の結晶化ガラ
ス組成が適切である。結晶化処理後の表面研摩はRa15Å
〜50Åに仕上げ、洗浄後末乾燥状態にて以下の各薬液に
浸漬してエッチング処理を行う。
(Vol%)にて混合調整したエッチング剤(容器はテフ
ロンキャリア)中に常温にて上記結晶化ガラスを浸漬
し、煮沸水中超音波洗浄(2〜10分)を行い、イソプロ
ピルアルコール又はフロン蒸気にて乾燥する。表面粗さ
Raは、エッチング時間1分から10分までの条件ではエッ
チング時間に対し比例して増加する。エッチング処理に
よりRaは5000Åまで可能であるが、実用的なディスク基
板としては、Ra=50Å〜2000Åまでが適切である。エッ
チング時間とRaとの関係の一部を第1図に、表面粗さの
測定図(エッチング時間2分間)を第2図に示す。第3
図はエッチング時間1分におけるディスク基板の表面の
粒子構造を示す。第1図に示すとおり、エッチング時間
とRaはリニアな関係を有しているので工程管理が極めて
簡易である。
水=1:2:7(Vol%)を用い、60℃で3〜30分浸漬した。
他の工程は上記(1)と同じである。本実施例において
は、Ra=50Å〜500Åの範囲まで調整が可能でありそれ
以上のRaを得るにはエッチング時間が長すぎるため実用
的でない。エッチング時間とRaとの関係を第4図に示
す。
化水素:水=1:2:12(Vol%)を用い、60〜70℃で2〜2
5分浸漬した。本実施例における実用的なRa値は、Ra=5
0Å〜1000Åの範囲である。
(1)と比較した場合マイルドな状態になっている。こ
の差は浸漬時間の差と考えられる。エッチング時間とRa
との関係を第5図に示す。
ンモン300g+過塩素酸200g+Conc過酸化水素2を混合
調整したものを用い、40℃で1〜25分浸漬した。Ra=50
Å〜1000Åである。エッチング時間とRaとの関係を第6
図に示す。本実施例の表面状態は上記(2)、(3)と
ほぼ同等である。本実施例のエッチング剤は磁気膜の除
去にも効果があり(20秒〜1分)、この場合、過酸化水
素は必ずしも必要ではない。
い、1分間浸漬した。この場合Ra=110Åである。本実
施例の表面粗さの測定図を第7図に示す。上記(1)〜
(4)と異なり、表面に深い傷が生じている。
均質な粒子が微細かつ均一に分布しており上記従来の問
題点を解消することが可能となった。さらにその粒子
径、粒子間距離、凹凸深さなどはガラス組成又はエッチ
ング条件を適宜設定することにより制御することが容易
であるので、工程管理、品質管理が容易であり量産に最
適である。
グ時間とRaとの関係を示す図、第2図・第7図は本実施
例の表面粗さの測定図、第3図は本実施例におけるディ
スク基板表面の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
Claims (4)
- 【請求項1】SiO2−Li2O−Al2O3系ガラスを含む基板で
あって、基板表面は結晶化後研磨され、結晶層とアモー
ファス層とのエッチング速度が異なるエッチング剤によ
りエッチング処理された表面凹凸の深さ50Å〜2000Åを
有する記録ディスク基板。 - 【請求項2】エッチング剤は過酸化水素を含む請求項
(1)記載の記録ディスク基板。 - 【請求項3】基板表面は硬質材料でコーティングされた
請求項(1)又は(2)記載の記録ディスク基板。 - 【請求項4】SiO2−Li2O−Al2O3系ガラスを含む基板を
結晶化処理して基板表面に結晶化ガラスを析出せしめ、
該基板表面を研磨した後、結晶層とアモーファス層との
エッチング速度が異なるエッチング剤によりエッチング
処理して表面凹凸の深さ50Å〜2000Åの記録ディスク基
板を製造する方法。
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