JPH07101507B2 - 磁気デイスク用基板と製造法 - Google Patents

磁気デイスク用基板と製造法

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JPH07101507B2
JPH07101507B2 JP61294927A JP29492786A JPH07101507B2 JP H07101507 B2 JPH07101507 B2 JP H07101507B2 JP 61294927 A JP61294927 A JP 61294927A JP 29492786 A JP29492786 A JP 29492786A JP H07101507 B2 JPH07101507 B2 JP H07101507B2
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magnetic disk
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disk substrate
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孝之 小林
洋志 緒方
俊治 高草
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Asahi Glass Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐久性にすぐれた、磁気記録媒体に適した磁
気ディスク用基板と製造法に関するものである。
[従来の技術] 磁気ディスク用基板と、その上にスパッタ、メッキ、蒸
着等のプロセスにより形成した磁性膜及び保護膜からな
る構成体は、磁気記録媒体(以下、メディアと略称す
る)と呼ばれる。
磁気記憶装置は、このメディアと記録再生磁気ヘッド
(以下、ヘッドと略称する)を主構成部とし、操作開始
時にはヘッドとメディアは接触状態でセットしたあと、
前記のメディアに所要の回転を与えることにより、前記
ヘッドとメディア面との間に空気層分の空間を作り、こ
の状態で記録再生動作を行う。又操作終了時にはメディ
アの回転が止まり、この時ヘッドとメディアは操作開始
時と同様に接触状態に戻る。
このように、装置の起動時及び停止時にヘッドとメディ
アの間に生ずる接触摩擦力は、ヘッドおよびメディアを
消耗させ磁気特性の劣化原因となる(これをコンタクト
・スタート・ストップCSSと通称している)。又、多湿
雰囲気中でメディアを放置してメディア表面に水分が付
着している状態では、ヘッドとメディアの間に水分が入
り込み、吸着現象を引き起こす。したがってこの状態で
起動すると、ヘッドおよびメディアに大きな抵抗力を生
じ、ヘッドの損傷やメディアの破壊を招くことがある
(これをヘッド・スティックあるいはヘッド・クラッシ
ュと通称している)。一般にガラスは表面の平滑性に優
れ、硬く、変形抵抗が大きくかつ、表面欠陥が少ない等
の理由から高密度化に適した磁気ディスク用基板として
注目されている(特開昭49−122707号)。
しかしながら、上述した耐CSS性およびヘッドスティッ
ク性に対しては、ガラスは鏡面性が優れているが故に、
ガラス基板を用いたメディアは、他の平滑性の劣る基板
を用いたメディアに比べ、ヘッドとメディアの接触面積
が増大するため摩擦抵抗の増加や吸着力の増大を招くこ
とから問題があった。
このような欠点を解消するために、表面に機械的手段に
より微少な凹凸を形成させた基板を用いることにより、
ヘッドとメディアの間に生ずる摩擦力および吸着力を低
減させる方法が提案されている。
又、化学エッチングによりセラミックス基板表面に凹凸
を形成させる方法が特開昭60−38720号および特開昭60
−136035号に提案されている。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、磁気ディスク用ガラス基板のもつ上記した耐
CSS特性およびヘッドスティック性といった問題点を解
決せんとするものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は前述の問題点を解消すべく磁気的特性に悪影響
を与えることなく、耐CSS性やヘッドスティック性の向
上を目的としてなされたものであり、スパッタ、メッ
キ、蒸着等のプロセスにより磁性膜が形成される磁気デ
ィスク用基板であって、該基板として平坦性を損なわ
ず、表面に異方性がなく微少な凹凸を形成したガラスか
らなる磁気ディスク用基板において、高さが50〜700Å
の範囲にある前記凹凸の山が0.1〜10μmの範囲のピッ
チで形成されていることを特徴とする磁気ディスク用基
板を提供するものである。
また本発明は、平坦性を損なわず、表面に異方性がなく
微小な凹凸が形成され、高さが50〜700Åの範囲にある
前記凹凸の山が0.1〜10μmの範囲のピッチで形成され
ているガラスからなる磁気ディスク用基板の製造法であ
って、磁気ディクス用基板の表面の凹凸をフッ化カリウ
ムとフッ酸を含む水溶液を用い化学エッチングにより形
成することを特徴とする磁気ディスク用基板の製造法を
提供するものである。
本発明の磁気ディスク用基板を図面に従って説明する。
第1図は本発明の磁気ディスク用基板の平面図であり、
基板円板を形成する円の中心を原点として極座標(r、
θ)をとる。該基板としては通常のソーダライムシリケ
ートガラス、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、石英ガ
ラス、風冷または液冷等による物理強化ガラス、化学強
化ガラス或いは結晶化ガラス等を用いることができる。
第2図(a),(b)は本発明の一実施例として、基板
の主面に垂直なr方向断面とθ方向断面の表面凹凸の形
状を示した説明図である。基板の表面の凹凸はrおよび
θ方向で同様のプロフィールを有し、異方性が認められ
ない。第3図は、凹凸を形成した基板表面の断面の拡大
説明図である。以下「山の高さ」とは山と谷の落差Hを
示し、「山のピッチ」とは隣り合う山の先端の間隔Wを
表わすものとする。
凹凸の適正形状は、再生ノイズに悪影響を与えることな
くヘッドとメディアの摩擦軽減効果によりCSS特性を改
善できる理由から、山の高さは50〜700Åの範囲が適切
であるが特に200〜400Åの範囲とすることが望ましい。
山のピッチは0.1〜10μmの範囲にあることが適切であ
る。
なお、前記山の高さは基板の全面にわたって全ての山が
700Å以下であることが望ましいが、本発明の前記した
目的を達成するのに支障のない範囲において700Åを超
える高さの山が存在していてもかまわない。
なお、凹凸の形状と山のピッチは、触針式の表面粗さ計
を用い、半径2.5μmの触針を針荷重25mg、走査速度50
μm/分で基板表面を走査させて測定する。
ここで、表面凹凸を形成する以前のガラス板を、ガラス
基板あるいは素板と記すこととする。素板としては、通
常のソーダライムシリケートガラス、無アルカリガラ
ス、硼珪酸ガラス、石英ガラス、風冷または液冷等によ
る物理強化ガラス、化学強化ガラス、結晶性ガラス、あ
るいは結晶化ガラス等を用いることができる。
本発明の磁気ディスク基板としては、通常のソーダライ
ムシリケートガラス、無アルカリガラス、硼珪酸ガラ
ス、石英ガラス、風冷または液冷等による物理強化ガラ
ス、化学強化ガラス、あるいは結晶性ガラス等を用いる
ことができる。物理強化ガラスあるいは化学強化ガラス
からなる本発明の基板は、上記の如く素板としてそれぞ
れ物理強化ガラスあるいは化学強化ガラスを用いること
ができるが、また物理強化あるいは化学強化処理を施す
以前の前記物理強化ガラス、化学強化ガラス以外の素板
に表面凹凸を形成してから物理強化処理あるいは化学強
化処理を施したものであってもよい。
また、本発明の磁気ディスク用基板の製造法は、前記の
素板に化学エッチングを施すことにより、該素板表面に
凹凸を形成し、もって前記基板を製造する方法である。
本発明は、かかる凹凸の形成に用いる化学エッチング液
として、フッ化カリウム水溶液とフッ酸の混合液を提供
するものである。
上記フッ酸の濃度は、1〜20Nの範囲特に6〜14Nの範囲
とすることが再現性良く凹凸を形成できる理由から好ま
しい。上記フッ化カリウム水溶液の濃度は、1〜10Nの
範囲、好ましくは3〜7Nの範囲とすることが望ましい。
[作用] 本発明の磁気ディスク用基板を用いたメディアはヘッド
と接触する面においても適度の凹凸をもち、記録密度の
低下を招かず、磁気記録/再生にあたり信号のノイズを
増大させることなく、ヘッドとメディア間の接触面積を
減少させることによりヘッドとメディア間の摩擦を低減
させることによって、耐CSS性やヘッドスティック性を
改善できるものと考えられる。
また、本発明の磁気ディスク用基板の製造法において、
化学エッチング液の作用は明らかではないが、フッ酸と
フッ化カリウムから遊離したカリウムイオンがガラスか
ら溶出したSiと反応することにより生成したケイフッ化
物がガラス表面にポーラスな反応抑制層を形成するため
に溶出量の不均一性を生じ、凹凸が形成されるものと考
えられる。
[実施例] 実施例1 ソーダライムガラスの素板を中性洗剤で洗浄し、イオン
交換水で水洗の後乾燥した。この素板をフッ化カリウム
とフッ酸を含む水溶液を用いて化学エッチング処理し、
該素板表面に凹凸を形成し、磁気ディスク用基板を得
た。化学エッチング処理の条件と凹凸の形状を表1に示
す。この基板上にスパッタ法によりCo系磁性膜を形成
し、さらにその上にカーボン保護膜を形成した後、CSS
特性、ヘッドスティック性、S/N比およびミッシングパ
ルスを評価した。その結果を比較例1とともに表1に示
す。
実施例2 化学強化ガラスからなる素板を中性洗剤で洗浄し、イオ
ン交換水で水洗の後乾燥した。この素板を実施例1とほ
ぼ同様な方法で化学エッチング処理し、該素板表面に凹
凸を形成し、磁気ディスク用基板を得た。この基板上に
実施例1と同様な方法でCo系磁性膜と、その上にカーボ
ン保護膜を形成した後、諸特性を評価した。その結果を
比較例2とともに表1に示す。
実施例3 結晶化ガラスからなる素板を用い、実施例1と同様にし
て磁気ディスク用基板を作製、Co磁性膜とその上にカー
ボン保護膜を形成した後、諸特性を評価した。その結果
を比較例3とともに表1に示す。
[発明の効果] (1)本発明の、磁気ディスク用基板は、表面の適度の
凹凸によりメディアとヘッドの間の摩擦力を軽減し、耐
CSS性やヘッドスティック性が改善される効果を有す
る。さらに凹凸が微細であるために磁気特性に悪影響を
与えない (2)凹凸が異方性なく微細に形成されるので1ビット
当りの面積を縮小し高密度化を計る際に有利である。
(3)表面の凹凸はアンカー効果により磁性膜との密着
力を改善する効果を有し耐久性の向上に役立っている。
(4)本発明の磁気ディスク用基板の製造法は、化学エ
ッチングにより凹凸を形成するため基板の平坦性を著し
く損ったり強度低下を招くことがない。
【図面の簡単な説明】
第1図は磁気ディスク用基板の平面図、第2図(a)は
基板表面のr方向断面の説明図、(b)はθ方向断面の
説明図、また第3図は第2図(a),(b)の拡大図で
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スパッタ、メッキ、蒸着等のプロセスによ
    り磁性膜が形成される磁気ディスク用基板であって、該
    基板として平坦性を損なわず、表面に異方性がなく微少
    な凹凸を形成したガラスからなる磁気ディスク用基板に
    おいて、高さが50〜700Åの範囲にある前記凹凸の山が
    0.1〜10μmの範囲のピッチで形成されていることを特
    徴とする磁気ディスク用基板。
  2. 【請求項2】平坦性を損なわず、表面に異方性がなく微
    小な凹凸が形成され、高さが50〜700Åの範囲にある前
    記凹凸の山が0.1〜10μmの範囲のピッチで形成されて
    いるガラスからなる磁気ディスク用基板の製造法であっ
    て、磁気ディクス用基板の表面の凹凸をフッ化カリウム
    とフッ酸を含む水溶液を用い化学エッチングにより形成
    することを特徴とする磁気ディスク用基板の製造法。
  3. 【請求項3】前記フッ化カリウムとフッ酸を含む水溶液
    が、濃度が1〜10Nの範囲のフッ化カリウム水溶液と1
    〜20Nの範囲のフッ酸とを混合してなることを特徴とす
    る特許請求の範囲第2項記載の磁気ディスク用基板の製
    造法。
JP61294927A 1986-10-09 1986-12-12 磁気デイスク用基板と製造法 Expired - Lifetime JPH07101507B2 (ja)

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