JP2743278B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2743278B2 JP1018976A JP1897689A JP2743278B2 JP 2743278 B2 JP2743278 B2 JP 2743278B2 JP 1018976 A JP1018976 A JP 1018976A JP 1897689 A JP1897689 A JP 1897689A JP 2743278 B2 JP2743278 B2 JP 2743278B2
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Description

【発明の詳細な説明】 イ.産業上の利用分野 本発明は磁気テープ、磁気シート、磁気ディスク等の
磁気記録媒体に関するものである。
ロ.従来技術 近年、磁気記録媒体一般において、特に高密度記録へ
の要求が高まり、種々の改良がなされている。
例えば、磁気記録層の表面の粗さを小さくすることに
より、磁気記録層表面と記録、再生用磁気ヘッドとの間
のスペーシングロスを小さくし、これによって特に短波
長記録の低下を防止し、優れた電磁変換特性を得る試み
がなされている。また、磁性層表面の粗さを適当に制御
する試みもなされている(特開昭61−168124号、特開昭
56−143522号、同56−143523号各公報等)。
しかし、単に磁性層の表面粗さを小さくするのみで
は、磁気ヘッドとの摺接時や、カセットデッキ内の走行
系等において、摩擦係数が大きくなり、テープがワカメ
状になったりエッジ折れが生じたり、またスティックス
リップによる巻き姿の乱れ、テープ鳴き、ジッターが生
じたりする。
更に、磁性層の表面粗さを適当に制御しようとする試
みも、これのみでは摺動ノイズの低減、繰り返し走行時
のS/N比劣化に対しては改善が見られない。
ハ.発明の目的 本発明の目的は、S/N比に優れ、繰り返し走行時にS/N
比の劣化が少なく、ヘッド摩耗が少なく、摺動ノイズの
低減、走行耐久性の改良が可能な磁気記録媒体を提供す
ることである。
ニ.発明の構成及びその作用効果 本発明は、基体上に磁性層を形成してなる磁気記録媒
体において、前記磁性層表面の中心線平均粗さ(Ra)が
0.004〜0.015μmであり、かつ、前記磁性層表面の粗さ
曲線の平均波長(Rλa)が1.2〜6.0μmであることを
特徴とする磁気記録媒体に係るものである。
Ra、Rλaについて 粗さ曲線の平均波長(以下、平均波長と呼ぶ)(Rλ
a)は、磁性層表面の粗さ曲線につき、それぞれの山と
谷の振幅と個々の位置の周波数を考慮して、所定の測定
長さ内においての山と谷との間隔の測定値をいう。
具体的には、磁性層表面が第1図に示すような断面曲
線を持つものとすると、この断面曲線は更に低周波成分
と粗さ成分(曲線)とに分けることができる。ビデオ用
磁気ヘッド等は磁性層表面のうねり(低周波成分)に対
してほぼ追従するので、磁気ヘッドと接触している極く
近傍(数10μm以下)の粗さ成分が性能に影響してい
る。従って、この粗さ成分を評価する必要がある。
粗さ成分は、振幅成分Rtと波長成分とに分けることが
できる。従来、粗さ成分の指標として用いられてきたの
は平均粗さRaであった。このRaは次式で表される。
しかし、本発明者が磁性層表面の粗さ成分と媒体の性
能との関係について更に深く検討を進めたところ、粗さ
成分の振幅の平均値であるRaを制御するのみでは不充分
であることが明らかとなってきた。特に、摺動ノイズの
低減、繰り返し走行時のS/N比低下の防止には充分でな
い。
ここに、本発明者は、磁性層表面の平均波長(Rλ
a)に新たに着目し、この平均波長を適切に制御するこ
とにより、媒体の性能を飛躍的に向上させることに成功
した。
即ち、平均波長Rλaは、粗さ成分の波長λの平均値
であって(第1図参照)、次式で表される。
ここに、θaは、f(x)の微分値、すなわち曲線の
傾きの平均値であって、平均傾斜と呼ばれている。従っ
て、平均波長Rλaは、振幅成分Raと傾斜成分θaとか
らなる。傾斜が大きいほど波長は小となり、傾斜が一定
であれば振幅が大きいほど波長は大となるわけである。
このように、平均波長Rλaは、単に振幅成分のみな
らず、曲線の傾斜をも総合的に評価するものである。
具体的には、本発明において、磁性層表面の平均粗さ
Raを0.015μm以下とし、かつ平均波長Rλaを1.2μm
以上としている。むろん、前述したように、本発明者の
知見に立てば、平均粗さRaのみの特定では粗さ曲線の形
状は特定されえず、平均波長Rλaを更に特定すること
により、最も良好な特性の得られる粗さ曲線を実現でき
るのである。
磁性層表面の中心線平均粗さRaは、0.004〜0.012μm
とすると更に好ましい。Raが0.015μmを越えると、電
磁変換特性が劣化し、0.004μmより下となると走行性
が劣化する傾向がある。
本発明の磁気記録媒体を製造するには、混練を分散工
程の前に行うことが必要である。具体的には、樹脂、強
磁性粉末、溶剤等を混練し、必要に応じて、この混練時
に、研摩剤、分散剤、カーボンブラック、潤滑剤等を加
えても良い。さらに、この混練物を希釈し、分散し、次
いで希釈、硬化剤添加、塗布、乾燥、配向、カレンダリ
ング、キュアー、断裁等の工程を必要に応じて行う。更
に、結合剤と強磁性粉末と溶剤と必要に応じて分散剤等
を混練して第一の混練物を製造し、また結合剤とカーボ
ンブラックと溶剤と必要に応じて分散剤等を混練して第
二の混練物を製造し、これら第一の混練物と第二の混練
物とを混練、また混合して第三の混練物を製造してもよ
い。また上記の第一、第二混練物を製造し、結合剤と研
摩剤と溶剤と必要に応じて分散剤等を混練し、第三の混
練物を製造して第一、第二、第三の混練物を混練または
混合して第四の混練物を製造しても良い。
このようにして、強磁性粉末の分散性を高め、磁性層
における充填性を高めることで、後のカレンダリング等
の表面平滑化処理後にも所定の表面平均粗さ、平均波長
を有する磁性層を形成できる。
更に、磁性層の結合剤として、特に混練時に用いる結
合剤として、後述する「陰性官能基を有する樹脂」や
「陰性官能基が分子内塩を形成しているポリウレタン」
を使用することが、強磁性粉末の分散性向上に一層効果
的であり、平均粗さ、平均波長を所定範囲内に制御する
のに一層好適である。
陰性官能基を有する塩化ビニル系樹脂について これは、塩化ビニルモノマー、陰性官能基を含有する
モノマー及び必要に応じて他の共重合性モノマーを共重
合することによって得ることができる。この共重合法は
既に公知であり、特開昭60−235814号、同60−238306
号、同60−238309号、同60−238371号等に記載されてい
る。
上記の共重合性樹脂にはエポキシ基含有モノマー及び
/又は水酸基含有モノマーを含有せしめてもよい。この
場合は磁気記録媒体の走行性が更に安定する。この水酸
基は、初めからモノマーとして供給されてもよいが、他
の共重合性モノマー(例えば酢酸ビンル等の脂肪酸ビニ
ル)を用いた共重合体の部分加水分解によって生成せし
めてもよい。
また共重合成分は種々選択することが可能であり、共
重合体の特性を最適に調整することができる。
アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチウ
ムがよく、特にカリウムが溶解性、反応性、収率の点で
好ましい。
スルホ基又はスルホ基のアルカリ金属塩を含有する共
重合性モノマーとしては、次のものが例示される。
CH2=CHSO3M CH2=CHCH2SO3M CH2=C(CH3)CH2SO3M CH2=CHCH2OCOCH(CH2COOR)SO3M CH2=CHCH2OCH2CH(OH)CH2SO3M CH2=C(CH3)COOC2H4SO3M CH2=CHCOOC4H8SO3M CH2=CHCONHC(CH3)2CH2SO3M ホスホ基、ホスホ基のアルカリ金属塩を含有するモノ
マーとしては、次のものが例示される。
CH2=CHCH2OCH2CH(OH)CH2-O-PO3MY1 CH2=CHCONHC(CH3)2CH2-O-PO3MY2 CH2=CHCH2O(CH2CH2O)mPO2MX2 上記に於いてMはアルカリ金属又は水素原子、Rは炭
素原子数1〜20個のアルキル基、Y1はM又は CH2=CHCH2OCH2CH(OH)CH2− Y2はM又は CH2=CHCONHC(CH3)2CH2−、 X1又はOM、X2は CH2=CHCH2O(CH2CH2O)m−、 又はOMである。またnは1〜100、mは1〜100の整数で
ある。
カルボキシル基、カルボキシル基のアルカリ金属塩含
有モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタアクリル
酸、マレイン酸又はこれらのアルカリ金属塩等が例示さ
れる。
上記モノマーは生成共重合体中の強酸根の量がSO3、S
O4、PO4、PO5等として0.1〜4.0重量%、好ましくは0.3
〜2.0重量%になるように使用される。
他に必要に応じて共重合させうる共重合性モノマーと
しては、公知の重合性モノマーがあり、例えば酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニルなどの種々のビニルエステル、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、スチレン、種々のアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、エチレン、プロピレン、イ
ソブテン、ブタジエン、イソプレン、ビニルエーテル、
アリールエーテル、アリールエステル、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、マレイン酸エステル等が例示さ
れる。
本発明に使用する上記共重合体は乳化重合、溶液重
合、懸濁重合、塊状重合等の重合法にり重合される。い
ずれの方法に於いても必要に応じて分子量調節剤、重合
開始剤、モノマーの分割添加あるいは連続添加などの公
知の技術が応用できる。
ところで、塩ビ系共重合体は以下の共重合成分からな
っていた。
しかし、ここでCH3CO−O−の基は、硬化剤等との架
橋反応には寄与しにくいものと考えられる。そこで、CH
3COに代えて、 等のエポキシ基を含有させるのが好ましい。例えば次の
ユニットをもつ共重合体が挙げられる。
(X:スルホ基、ホスホ基、カルボキシル基、又はこれら
のアルカリ金属塩を含んだモノマーユニット部分) 具体例としては、「400×110A」(日本ゼオン社
製)、「MR−110」(日本ゼオン社製)等が例示でき
る。
陰性官能基を含有するポリウレタンについて 陰性官能基としては、上記したものを例示できる。
このポリウレタンは、陰性官能基を含有するジカルボ
ン酸成分と陰性官能基を含有しないジカルボン酸と、ジ
オールとを用いて縮合させ、陰性官能基を含有するポリ
エステルポリオールを得、これとジイソシアネートとを
反応させることにより合成できる。また、ジオール成分
に陰性官能基を導入してもよい。
更に、ポリウレタンに高分子反応により陰性官能基を
導入するこもできる。
即ち、ポリウレタンと、例えば、 Cl-CH2−CH2−B B:陰性官能基等の分子中に陰性官
能基及び塩素を含有する化合物とを、脱塩酸反応により
縮合させる方法がある。
上記カルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸等の芳香族
ジカルボン酸;p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエ
トキシ)安息香酸等の芳香族オキシカルボン酸;コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、トリメリット
酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等のトリ及びテトラ
カルボン酸などが挙げられる。
これらの中でも、好ましいのはテレフタル酸、イソフ
タル酸、アジピン酸、セバシン酸である。
陰性官能基を含有するジカルボン酸成分としては、例
えば5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウム
スルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル
酸、2−カリウムスルホテレフタル酸などが挙げられ
る。
上記ジオール成分としては、例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリ
メチル−1,3−ネオペンタンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキシ
ド付加物、水素化ビスフェノールAのエチレンオキシド
付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられ
る。また、トリメチロールエタン、トリメチロールプロ
パン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどのトリ及
び/又はテトラオールを併用することもできる。
ポリウレタン樹脂を得るために使用される上記イソシ
アネート成分としては、例えば2,4−トリレンジイソシ
アネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェ
ニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシア
ネート、m−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
ト、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフェニレンジイソシ
アネート、4,4′−ジイソシアネート−ジフェニルエー
テル、1,3−ナフタレンジイソシアネート、p−キシリ
レンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネー
ト、1,3−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、1,4
−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、4,4′−ジ
イソシアネートジシクロヘキサン、4,4′−ジイソシア
ネートジシクロヘキシルメタン、イソホロンジイソシア
ネートなどが挙げられる。
具体例としては、「TIM−3005」(三洋化成社製)、
「UR−8300」、「UR−8600」(東洋紡社製)等が挙げら
れる。
なお、−SO3Na含有ポリエステルとして、「バイロン5
30」(東洋紡社製)が例示できる。
陰性官能基が分子内塩を形成しているポリウレタンにつ
いて 通常のポリウレタン合成法と同様に、ポリカーボネー
トポリオール、ポリエステルポリオール、ポリラクトン
ポリオール、ポリエーテルポリオール等の高分子量ポリ
オール(分子量500〜3000)と多官能の芳香族、脂肪族
イソシアネートを反応させて合成する。これによって、
ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタ
ン、ホスゲンやジフェニルカーボネートでカーボネート
化したポリカーボネートポリウレタンが合成される。
これらのポリウレタンは主として、ポリイソシアネー
トとポリオール及び必要に応じ他の共重合体との反応で
製造され、そして遊離イソシアネート基及び/又はヒド
ロキシル基を含有するウレタン樹脂またはウレタンプレ
ポリマーの形でも、あるいはこれらの反応性末端基を含
有しないもの(例えばウレタンエラストマーの形)であ
ってもよい。イソシアネート成分としては種々のジイソ
シアネート化合物、例えばヘキサメチレンジイソシアネ
ート(HMDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、水添化MDI(H12MDI)、トルエンジイソシアネート
(TDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、
トリジンジイソシアネート(TODI)、リジンジイソシア
ネートメチルエステル(LDI)、イソホロンジイソシア
ネート(IPDI)等が使用できる。また必要に応じて、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ブ
タンジオール等の低分子多官能アルコールを使用して、
分子量の調節、樹脂物性の調節等を行う。
分子内塩を形成している官能基は、イソシアネート成
分に導入することも考えられるが、ポリオール成分に導
入することもでき、更に、上記の低分子多官能アルコー
ル中に導入してもよい。
陰性官能基が分子内塩を形成しているポリエステルポ
リオールは、種々のジカルボン酸成分、多価アルコール
成分と、陰性官能基が分子内塩を形成しているジカルボ
ン酸成分及び/又は陰性官能基が分子内塩を形成してい
る多価アルコール成分を重縮合させることで合成でき
る。ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、セバシン酸、アジピン酸、二量化リノレイン
酸、マレイン酸等を例示できる。多価アルコール成分と
しては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
ブチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコ
ール類若しくはトリメチロールプロパン、ヘキサントリ
オール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメ
チロールエタン、ペンタエリスリトールなどの多価アル
コール類若しくはこれらのグリコール類及び多価アルコ
ール類の中から選ばれた任意の2種以上のものを例示で
きる。
陰性官能基が分子内塩を形成しているポリカーボネー
トポリオールは、一般に多価アルコールとジアルキルカ
ーボネート又はジアリルカーボネートとのエステル交換
法により合成されるか、又は多価アルコールとホスゲン
との縮合により得ることができる。
上記のポリエステルポリオール、ポリカーボネートポ
リオール(ポリカーボネートポリエステルポリオールを
含む。)を製造するに際して、下記の芳香族多価アルコ
ールを使用できる。また、上記のポリエステルポリオー
ル、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネート
とを反応させる際、下記の芳香族多価アルコールを使用
することができる。
芳香族多価アルコール: 〔Rは、−(CH2)2−、−CH(CH3)−CH2−CH2−を示
す。
Xは、−SO2−、−CO−、−C(CH3)2−、 −C(CH3)2−C6H4−C(CH3)2−を示す。〕 〔Rは、水素原子又は炭素数1〜3個のアルキル基を示
し、R′は、水素原子又は炭素数1〜7個のアルキル基
若しくはアリール基を示す。〕 これら芳香族多価アルコール成分を主鎖に有するポリ
ウレタンにおいては、これらの成分の含有量は、多価ア
ルコール成分全体の10mol%以上であることが好まし
い。
陰性官能基が分子内塩を形成しているラクトン系ポリ
エステルポリオールを製造するには、s−カプロラクタ
ム、α−メチル−1−カプロラクタム、s−メチル−s
−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム等のラクタム類
に上記官能基を導入すればよい。
陰性官能基が分子内塩を形成しているポリエーテルポ
リオールを製造するには、エチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイド、ブチレンオキサイド等に上記官能基を
導入すればよい。
分子内塩を形成している官能基としては、後述するベ
タイン基が例示できる。
一般的なポリエステルの合成法としては、脂肪族、芳
香族の多官能酸若しくはその誘導体を有する酸成分と、
脂肪族・芳香族の多官能アルコール成分との縮合反応に
より行われる。本発明の分子内両性塩基(ベタイン基
等)は、前記酸成分若しくは、アルコール成分のどちら
に含有されていても良く、また高分子反応として重合体
にベタイン基等を導入する方法でも良い。しかしながら
未反応成分や、導入率から考慮して、重合体単量体中に
該官能基を有している方が制御しやすい。
ベタイン基としては、スルホベタイン基、ホスホベタ
イン基、カルボキシベタイン基が例示できる。これらベ
タイン型官能基の一般式は、以下の様に表される。
(:ウレタン鎖中に含有されている状態。
X:SO3 −O−SO3 −COO −O−PO3 −OPO3 −OPO2H2
A:水素又は炭素数1〜60のアルキル基(例えばメチル
基、エチル基等)。
m:1〜10の整数。
B:−COO又はCONH。
R:炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基若しくはア
リール基。
n,m:1〜10の整数。
使用可能なベタイン基含有単量体としては以下に例示
する化合物が挙げられるが、本発明に使用されるポリウ
レタン樹脂がこれらの単量体を使用したものに限定され
ないことはいうまでもない。
前記陰性官能基が分子内塩を形成する単量体は、市販
の薬品としても入手できるが、下記の方法で容易に得ら
れる。
また、高分子反応として重合体にベタイン基等を導入
する反応について述べる。これは、重合反応により予め
所定の分子量まで鎖延長したポリウレタンの末端あるい
は側鎖に存在するOH基に対して、ベタイン基等を有する
化合物を反応させるものである。この場合、まず、水酸
基とベタイン基等とを有する化合物を合成し、これをジ
イソシアネート等の多官能イソシアネートと等モル反応
させ、ジイソシアネートの一方のNCO基と上記化合物中
の水酸基との反応物を得る。そして、ポリウレタンのOH
基と未反応のNCO基とを反応させれば、ベタイン基等の
導入されたポリウレタンが得られる。
上記した水酸基とベタイン基とを有する化合物として
は、例えば以下のものを例示できるが、これらに限られ
ない。
本発明のポリウレタン樹脂へのベタイン基等の導入量
は0.01〜1.0mmol/gであることが好ましく、より好まし
くは0.1〜0.5mmol/gの範囲である。上記極性基の導入量
が0.01mmol/g未満であると強磁性粉末の分散性に十分な
効果が認められ難くなる。また上記極性基の導入量が1.
0mmol/gを超えると、分子間あるいは分子内凝集が起こ
りやすくなって分散性に悪影響を及ぼすばかりか、溶媒
に対する選択性を生じ、通常の汎用溶媒が使えなくなっ
てしまうおそれもある。
また本発明によるポリウレタン樹脂の数平均分子量は
5000〜100000、より好ましくは10000〜80000の範囲であ
ることが好ましい。数平均分子量が5000未満であると樹
脂の塗膜形成能が不十分なものとなり易く、また数平均
分子量が100000を超えると塗料製造上、混合、移送、塗
布などの工程において問題を発生するおそれがある。
合成例(イ) N−メチルジエタノールアミン1モルとプロパンサル
トン1モルを温度120℃で3時間反応させて、スルホベ
タイン型多官能性単量体を得た。
次に、アジピン酸1.5モルと、1,4−ブタンジオール1.
7モル、上記スルホベタイン型酸塩基多官能性単量体0.0
6モルを仕込み、150〜200℃で約3時間かけて昇温し、
更に200℃で4時間反応し、3〜5mmHgで未反応の原料を
除き、酸価2以下まで反応した。得られた共重合ポリエ
ステルの分子量は、Mw2500であった。共重合ポリエステ
ル165gをメチルエチルケトン300部に溶解し、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート80部を加えて、80℃で2時間
反応し、1,4−ブタンジオール20部を加えて更に2時間
反応し、1,3−ブタンジオール4部を加えて1時間反応
した。得られたポリウレタンの分子量は、Mw=3.5万、M
n=2.2万であった。
他にも公知の結合剤を使用できる。
併用可能な結合剤としては、平均分子量が約10000〜2
00000のもので、例えばウレタン樹脂、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリ
ビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセ
テートブチレート、セルロースダイアセテート、セルロ
ーストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニト
ロセルロース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、ポ
リエステル樹脂、各種の合成ゴム系、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹
脂、シリコン樹脂、アクリル系反応樹脂、高分子量ポリ
エステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、
ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合
物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコール/
高分子量ジオール/イソシアネートの混合物、及びこれ
らの混合物等が例示される。
ポリウレタン(前記のものを含む)を塩化ビニル系樹
脂(前記陰性官能基含有のものを含む。)、エポキシ樹
脂(特にフェノキシ樹脂)、ポリエステル系樹脂又はニ
トロセルロース樹脂(以下、他の樹脂と称する。)と併
用してもよい。この場合、上記ウレタン樹脂と他の樹脂
との配合比としては、他の樹脂が90〜10重量部、より好
ましくは80〜20重量部であるのが望ましい。上記配合比
が90重量部を越えると塗膜が脆くなりすぎ塗膜の耐久性
が著しく劣化し、また支持体との接着性も悪くなる。ま
た上記配合比が10重量部未満であると、磁性粉の粉落ち
が起こり易くなる。
磁性層中にカーボンブラックを併有させると、走行性
向上、電磁変換特性向上の点で更に有利であり、分散性
も多少向上し、磁性層中の残留溶媒量もより少なくな
る。
こうしたカーボンブラックとして、遮光用カーボンブ
ラックを用いれば、光遮蔽の度合を更に高めることがで
きる。遮光用カーボンブラックとしては、例えばコロン
ビアカーボン社製のラーベン2000(比表面積190m2/g、
粒径18mμ)、2100、1170、1000、三菱化成(株)製の
#100、#75、#40、#35、#30等が使用可能である。
また、導電性カーボンブラックとしては、例えばコロ
ンビアカーボン社のコンダクテックス(Conductex)975
(BET値(以下BETと略)250m2/g、DBP吸油量(以下DBP
と略)170ml/100gr、粒径24mμ)、コンダクテックス90
0(BET125m2/g、粒径27mμ)、コンダクテックス40−22
0(粒径20mμm)、コンダクテックスSC(BET220m2/g、
DBP115ml/100gr、粒径20mμ)、キャボット社製のバル
カン(Cabot Vulcan)XC−72(比表面積254m2/g、粒径3
0mμ)、バルカンP(BET143m2/gr、DBP118ml/100gr、
粒径20mμ)、ラーベン1040、420、ブラックパールズ20
00(粒径15mμ)、三菱化成(株)製の#44等がある。
また、本発明で使用可能な他のカーボンブラックとし
ては、コロンビアン・カーボン社製のコンダクテックス
(Conductex)−SC.(BET220m2/g、DBP115ml/100g、粒
径20mμ)、キャボット社製のバルカン(Vulcan)9(B
ET140m2/g、DBP114ml/100g、粒径19mμ)、旭カーボン
社製の#80(BET117m2/g、DBP113ml/100g、粒径23m
μ)、電気化学社製のHS100(BET32m2/g、DBP180ml/100
g、粒径53mμ)、三菱化成社製の#22B(BET55m2/g、DB
P131ml/100g、粒径40mμ)、#20B(BET56m2/g、DBP115
ml/100g、粒径40mμ)、#3500(BET47m2/g、DBP187ml/
100g、粒径40mμ)、があり、その他にも、三菱化成社
製のCF−9、#4000、MA−600、キャボット社製のブラ
ック・パールズ(Black Pearls)L、モナーク(Monarc
k)800、ブラック・パールズ700、ブラック・パールズ1
000、ブラック・パールズ880、ブラック・パールズ90
0、ブラック・パールズ1300、ブラック・パールズ200
0、スターリング(Sterling)V、コロンビアン・カー
ボン社製のラーベン(Raven)410、ラーベン3200、ラー
ベン430、ラーベン450、ラーベン825、ラーベン1255、
ラーベン1035、ラーベン1000、ラーベン5000、ケッチェ
ンブラックFC等が挙げられる。
結合剤を含有する磁性塗料には更にポリイソシアネー
ト系硬化剤を添加することにより、耐久性を向上するこ
とができる。このようなポリイソシアネート系硬化剤と
しては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート
等の2官能イソシアネート、コロネートL(日本ポリウ
レタン工業(株)製)、デスモジュールL(バイエル社
製)等の3官能イソシアネート、または両末端にイソシ
アネート基を含有するウレタンプレポリマーなどの従来
から硬化剤として使用されているものや、また硬化剤と
して使用可能であるポリイソシアネートであればいずれ
も使用できる。また、そのポリイソシアネート系硬化剤
の量は全結合剤量の5〜80重量部用いる。
本発明の磁気記録媒体は、例えば第2図に示すよう
に、ポリエチレンテレフタレート等の非磁性支持体1上
に磁性層2を有し、必要あればこの磁性層2とは反対側
の面にBC層3が設けられている構成のものである。ま
た、第3図に示すように第2図の磁気記録媒体の磁性層
2上にオーバーコート層(OC層)4を設けてもよい。
また、第2図、第3図の磁気記録媒体は、磁性層2と
支持体1との間に下引き層(図示せず)を設けたもので
あってよく、或いは下引き層を設けなくても良い。また
支持体にコロナ放電処理を施しても良い。
磁性層2に用いられる磁性粉、特に強磁性粉として
は、γ−Fe2O3、Co含有γ−Fe2O3、Fe3O4、Co含有Fe3O4
等の酸化鉄磁性粉:Fe、Ni、Co、Fe−Al、Fe−Al−Ni、F
e−Al−Co、Fe−Al−Ni−Co、Fe−Ni−Co合金、Fe−Mn
−Zn合金、Fe−Ni−Zn合金、Fe−Co−Ni−Cr合金、Fe−
Co−Ni−P合金、Co−Ni合金等、Fe、Ni、Co等を主成分
とするメタル磁性粉:CrO2等各種の強磁性粉が挙げられ
る。磁性粉のBET値は35m2/g以上がよく、40〜80m2/gが
更によい。
磁性層2には、潤滑剤として、脂肪酸及び/又は脂肪
酸エステルを含有せしめることができる。これにより、
両者の各特長を発揮させながら、単独使用の場合に生ず
る欠陥を相殺し、潤滑効果を向上させ、静止画像耐久
性、走行安定性、S/N比等を高めることができる。この
場合、脂肪酸の添加量は、磁性粉100重量部に対して0.2
〜10重量部がよく、0.5〜8.0重量部が更によい。この範
囲を外れて脂肪酸が少なくなると磁性粉の分散性が低下
し、媒体の走行性も低下し易く、また多くなると脂肪酸
がしみ出したり、出力低下が生じ易くなる。また、脂肪
酸エステルの添加量は、磁性粉100重量部に対して0.1〜
10重量部がよく、0.2〜8.5重量部が更によい。この範囲
を外れてエステルが少なくなると走行性改善の効果が乏
しく、また多くなるとエステルがしみ出したり、出力低
下が生じ易くなる。
また、上記の効果をより良好に奏するうえで、脂肪酸
と脂肪酸エステルの重量比率は脂肪酸/脂肪酸エステル
=10/90〜90/10が好ましい。
脂肪酸は一塩基性であっても二塩基性であってもよ
い。炭素原子数6〜30、更には12〜22の脂肪酸が好まし
い。脂肪酸として、カプロン酸、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、イソステアリン酸、リノレン酸、リノール酸、
オレイン酸、エライジン酸、ベヘン酸、マロン酸、コハ
ク酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカンジカル
ボン酸、オクタンジカルボン酸等を例示できる。
脂肪酸エステルとして、オレイルオレート、オレイル
ステアレート、イソセチルステアレート、ジオレイルマ
レエート、ブチルステアレート、ブチルパルミテート、
ブチルミリステート、オクチルミリステート、オクチル
パルミテート、アミルステアレート、アミルパルミテー
ト、イソブチルオレエート、ステアリルステアレート、
ラウリルオレート、オクチルオレート、イソブチルオレ
ート、エチルオレート、イソトリデシルオレート、2−
エチルヘキシルステアレート、2−エチルヘキシルミリ
ステート、エチルステアレート、2−エチルヘキシルパ
ルミテート、イソプロピルパルミテート、イソプロピル
ミリステート、ブチルラウレート、セチル−2−エチル
ヘキサレート、ジオレイルアジペート、ジエチルアジペ
ート、ジイソブチルアジペート、ジイソデシルアジペー
ト等を例示できる。
また、上述した脂肪酸、脂肪酸エステル以外にも、他
の潤滑剤(例えばシリコーンオイル、カルボン酸変性、
エステル変性であってもよい)、グラファイト、フッ化
カーボン、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、脂
肪酸アミド、α−オレフィンオキサイド等)等を磁性層
に添加してよい。
また、非磁性研磨剤粒子も磁性層に添加可能である。
これには、例えば、α−アルミナ、酸化クロム、酸化チ
タン、α−酸化鉄、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ
素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化
マグネシウム、窒化ホウ素、炭化ホウ素等が使用され
る。これらの研摩剤の配合量は前記強磁性粉末100重量
部に対して通常1〜20重量部の範囲内にある。
また、磁性層には更に、グラファイト等の帯電防止
剤、粉レシチン、脂肪酸、リン酸エステル等の分散剤を
添加することができる。そして、更に、カーボンブラッ
クも併用することもできる。
また、バックコート層中に含有せしめる非磁性粒子
は、平均粒径を10mμ〜1000mμの範囲内とするとより好
ましい。上記範囲内であれば非磁性粒子が細かくなりす
ぎることもなく、添加効果が良好だからである。
非磁性粒子としては、カーボンブラック、酸化ケイ
素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロム、炭化
珪素、炭化カルシウム、酸化亜鉛、α−Fe2O3、タル
ク、カオリン、硫酸カルシウム、窒化ホウ素、フッ化亜
鉛、二酸化モリブデン、炭化カルシウム、硫酸バリウム
等からなるものが挙げられる。また、その他にも、有機
粉末、例えばベンゾグアナミン系樹脂、メラミン系樹
脂、フタロシアニン系顔料等も使用可能である。また、
これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を組み
合せて使用しても良い。
混練工程においては、各種の混練機が使用可能であ
る。例えばロールミルとニーダー等が例示される。
混練及び分散については、T.C.PATTON“Paint Flow a
nd Pigment Dispersion"(John Wiley & Sons社発行、
1964年)に述べられている。
ホ.実施例 以下、本発明を具体的な実施例につき説明する。以下
に示す成分、割合、操作順序等は、本発明の精神から逸
脱しない範囲において種々変更しうる。なお、下記の実
施例において「部」はすべて「重量部」を表わす。
〈ビデオテープの製造〉 まず、下記のようにして、実施例、比較例の各ビデオ
テープを作製した。
磁性層の形成 Co−被着γ−酸化鉄 100部 スルホ基及びエポキシ基含有 12部 塩化ビニル樹脂 熱可塑性ポリウレタン樹脂(後記) 8部 ラウリン酸 3部 α−アルミナ 10部 カーボン 7部 ブチルステアレート 1部 ポリイソシアネート化合物 6部 「コロネートL」 シクロヘキサノン 50部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 上記組成を有する磁性塗料を、混練→希釈→分散→希
釈→硬化剤添加の各工程により調製した(但し、混練工
程を省いた場合もある。)。
調製した磁性塗布液を14μmポリエステルベースフィ
ルム上に、乾燥膜厚4.0μmになるように、リバースロ
ールコーターによって塗布し乾燥した。これに更に表面
平滑化処理を施し、所定厚さの磁性層を有する幅広の磁
性フィルムを得た。
バックコート層の形成 以下に示す組成のバックコート層組成物をサンドミル
を用いて、充分に攪拌混合し、さらに、多官能イソシア
ネート(日本ポリウレタン社製コロネートL)を5部添
加した後、平均孔径1.5μmのフィルターで濾過してバ
ックコート層塗料を調製した。
カーボンブラック 〔コロンビアンカーボン社製コンダクテックス975〕 ・
・・11部 ウレタンエラストマー 〔グッドリッチ社製Estan5701〕 ・・・6部 ニトロセルロース 〔旭化成工業社製セルバBTH1/2〕 ・・・4部 メチルエチルケトン ・・・80部 トルエン ・・・60部 得られたバックコート層塗料を、乾燥膜厚が0.8μm
になるように前記で得られた磁性フィルムの裏面(磁
性層と反対面)に塗布し、乾燥した。
次いで、このフィルムを1/2インチ幅に裁断してビデ
オ用の磁気テープを作成した。
これにより、下記表−1に示す各種の平均粗さRa、平
均波長Rλaを有する各ビデオテープを作成した。
平均粗さRa、平均波長Rλaの制御は、表−1に示す
ように、磁性粉の大きさ、ポリエステルベースフィルム
の表面粗さ、表面平滑化処理時のカレンダーロール温
度、ニップ圧、及びカレンダー処理回数、さらに、ビデ
オテープ製造工程において混練工程の有無、分散時間、
使用される分散媒体の種類、使用される樹脂の種類等に
より行った。
樹脂A:スルホ基及びエポキシ基含有塩化ビニル樹脂 塩化ビニル成分 77wt% 硫酸根 0.8wt% エポキシ基 3.9wt% 水酸基 0.5wt% 樹脂B:熱可塑性ポリウレタン樹脂 (平均分子量30000) 樹脂C:スルホ基含有ポリウレタン樹脂 UR−8300(東洋紡社製) 樹脂D:スルホベタイン型変性基含有ポリウレタン (合成例(イ)) 数平均分子量 2.2万 Tg −20℃ 極性基濃度 0.04mmol/g 表−1に示す各試料につき、それぞれS/N比劣化、摺
動ノイズ、S/N比、ヘッド摩耗を測定し、結果を表−1
に示した。
S/N比劣化:シバソク社製ノイズメーターを使用し、基
準テープを比較例1のテープとし、100回走行後のS/N比
低下の大きさを比較例1のテープとの比較において求め
た。値が小さい程劣化が大きい。
摺動ノイズ :25℃、10%の環境条件の測定室においてH
R−S6000を用い、当社基準テープ「コニカHG−R」を1
時間走行させ、ヘッドを安定化した後、各サンプルの摺
動ノイズをスペクトラムアナライザーTR4171(タケダリ
ケン製)を用いて測定した。ノイズレベルは4MHzより8M
Hzまでの積分値より平均値を算出した。
S/N比 :シバソク製ノイズメーター(925C)を使用
し、基準テープを比較例1のテープとし、S/N比の差を
求めた。ハイパスフィルター10KHz、ローパスフィルタ
ー4MHzでノイズレベルを測定した。使用したVTRは松下N
V−8300である。
ヘッド摩耗 :テープ走行前のヘッドの突出量を微分干
渉顕微鏡を用いて測定し、さらにテープ走行100パス後
のヘッドの突出量を同様に測定し、その差をヘッド摩耗
量とした(μm)。
磁性層の平均表面粗さRa及び平均波長Rλa: 東京精密の表面粗さ計(サーフコム1500A)にて測定
した(カットオフは0.025mm)。
表−1に示すように、実施例の試料1〜6はいずれの
特性も優れているのに、比較例の試料1〜6はS/N比劣
化、摺動ノイズ、ヘッド摩耗に劣っている。
特に、Raが0.016以上ではS/N比が低い。
表−1のように、ポリウレタン樹脂を上記スルホベタ
イン型変性基含有ポリウレタン樹脂またはスルホ基含有
ポリウレタン樹脂に変えた。また、混練を行うことによ
り、磁性層の表面平均粗さRaは、0.008μmに固定し、
平均波長Rλaを第4図(表−1)に示すように変え、
それぞれについて摺動ノイズ及びS/N比劣化を測定し
た。この測定結果を第4図に示す。
第4図の結果によれば、平均波長Raが1.2μmよりも
小さくなると、S/N比、摺動ノイズ共に急激に劣化して
いる(グラフの勾配が大きくなっている)ことが解る。
以上の結果より、本発明に基づいたビデオテープは、
摺動ノイズ、S/N比劣化共に抑制できるものといえる。
【図面の簡単な説明】
第1図は磁性層の表面形状の解析方法を説明するための
概念図である。 第2図、第3図はそれぞれ磁気記録媒体の一例を示す部
分断面図である。 第4図は磁性層表面の平均波長とビデオテープ特性との
関係を示すグラフである。 なお、図面に示す符号において、 1……非磁性支持体 2……磁性層 3……バックコート層 である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 邦綱 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−281221(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に磁性層を形成してなる磁気記録媒
    体において、前記磁性層表面の中心線平均粗さ(Ra)が
    0.004〜0.015μmであり、かつ、前記磁性層表面の粗さ
    曲線の平均波長(Rλa)が1.2〜6.0μmであることを
    特徴とする磁気記録媒体。
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JPH07101507B2 (ja) * 1986-10-09 1995-11-01 旭硝子株式会社 磁気デイスク用基板と製造法
JP2554651B2 (ja) * 1987-05-13 1996-11-13 株式会社東芝 磁気記録媒体
JP2549163B2 (ja) * 1988-12-16 1996-10-30 株式会社東芝 スレーブ用磁気記録媒体およびその製造方法

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