JP3164212B2 - 磁気ディスク用ガラス基板の洗浄方法 - Google Patents

磁気ディスク用ガラス基板の洗浄方法

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JP3164212B2
JP3164212B2 JP23277098A JP23277098A JP3164212B2 JP 3164212 B2 JP3164212 B2 JP 3164212B2 JP 23277098 A JP23277098 A JP 23277098A JP 23277098 A JP23277098 A JP 23277098A JP 3164212 B2 JP3164212 B2 JP 3164212B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータの大規模
記憶媒体として用いられるハードディスクなどに使用さ
れる磁気ディスク用ガラス基板の表面改質方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気ディスク用基板として、アル
ミニウム合金を用い、その表面をNi−P(ニッケルリ
ン)メッキした基板が広く用いられてきたが、最近のハ
ードディスクドライブの小型化、高密度化及びこのため
の磁気ヘッドの低浮上化、耐衝撃性の向上等の必要性の
ため、ガラス基板の使用される割合が増えてきている。
【0003】磁気ディスク用ガラス基板は、ドライブの
回転による遠心力、磁気ヘッドとの衝突による衝撃力に
耐える等の特性が要求され、通常のガラスと異なる機械
的強度の大きなガラス基板が要求される。
【0004】上記のような要求に応えるため、ガラス基
板としてマトリクス中に微細な結晶体を分散して形成さ
せ、その歪みにより強度をもたせる構造を有する結晶化
ガラスを使用するか、または、ガラス基板を所定の形状
に加工後、その表面にイオン半径の大きなアルカリ金属
(例えば、K+)を熱拡散により浸透させ、ガラス基板
の表面にイオン半径の差による大きな圧縮応力を与える
ようにして、ガラス基板を強化したイオン強化型のガラ
ス基板が使用されている。
【0005】殊に近年では、MRヘッド(磁気抵抗ヘッ
ド)、GMRヘッド(高密度磁気抵抗ヘッド)を使用す
ることに伴うハードディスクの記憶を高密度化すること
に伴って、、前記磁気ヘッドがディスク基板の表面から
300オングストローム(以下、オングストロームを
[A]と記載する)を下回る程度の浮上量を確保できる
媒体の平滑性が要求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】(1)結晶化ガラスの
問題点 ところが、前記結晶化ガラスの結晶体の大きさは、μm
オーダーの大きさであるため、ガラス表面を研磨するに
際しては、前記マトリクス状の非晶体と結晶体の硬度
差、あるいは、その化学的性質の差により、本来平滑で
なければならない表面が、μmオーダーで変動するとい
う問題点が指摘されている。このことは、このようなガ
ラス基板を磁気ディスクに使用した場合には、前記MR
ヘッドあるいは前記GMRヘッド等のヘッドを接近させ
て浮上させる、いわゆる低浮上化が難しくなり、また、
前記ヘッドにおいては、上記磁気ディスクの高密度化に
伴い、狭い領域で記憶トラックを形成する、いわゆるト
ラックの挟トラック化において、その再生出力にいわゆ
るモジュレーション(調整節)が観測されるという問題
点を招来させている。このような問題点をさけて、上記
の結晶化ガラスを使用する磁気ディスクにおいて、ディ
スク基板表面に所定の平滑面精度を確保することが難し
くなってきている。このため、結晶化ガラス基板では、
研磨面にNi−Pをメッキして使用することが検討され
るようになった。結晶化ガラスの場合は、硬化処理後に
研磨されるため、一般的には研磨レートの大きなアルカ
リ性の研磨液が使用されるため、非晶質部分の表面、及
び、結晶体と非晶質部分の間隙にアルカリ成分が残る。
この残留アルカリ成分は、第1に、空気中の水分や炭酸
ガスと反応して、突起状のコロージョンを生じさせる、
第2に、メッキの密着性を悪化させるという問題があっ
た。
【0007】(2)アルカリイオン交換型強化ガラスの
問題点 現在は、磁気ディスクには、アルカリイオン交換型強化
ガラスが広く使用されるようになっている。ところが、
アルカリイオン交換型強化ガラスを使用したハードディ
スクにおいては、特に、前記のMR、GMRヘッドを使
用する場合のディスクのドライブ(駆動)においては、
記録密度の限界を緩和するため、媒体ノイズの関係から
ディスク基板表面の磁気記憶層を100[A]以下に薄
くするようにし、また、前記ヘッド自体の媒体によるス
ペースロスを低減させるため、その表面に形成される保
護膜も、従来、150[A]程度必要とされていたもの
を、50[A]程度まで薄く形成するようになってきて
いる。
【0008】特に、媒体ノイズについていえば、媒体ノ
イズが決定される要因は、ガラス基板の表面平滑性と、
磁性膜スパッタ付着工程中に吸着される水分が原因とさ
れる。すなわち、ガラス基板は媒体製造工程にはいる直
前に洗浄されるが、ガラス基板表面にアルカリ成分が存
在すると、水分を吸着しやすく、吸着された水分によ
り、媒体特性であるS/N比が悪くなる。さらには、ガ
ラス基板表面にアルカリ成分が存在すると、そのアルカ
リ成分がガラス基板表面に形成される磁性膜中に浸透
し、コロージョン(浸食/腐食)の原因となる。いくつ
かのアルカリ成分の内でも、特に、ナトリウムイオンが
存在すると、記憶媒体の膜形成に際し、また、形成後の
記憶媒体層の劣化を招来させる等最悪な状態を極めるこ
ととなる。
【0009】このため、従来、ガラス基板の最終製造工
程直前の洗浄においては、ガラスの化学処理強化直後に
硫酸リン酸液でガラス基板を洗浄し、その表面のアルカ
リ成分を除去することが提案されている(特開平9−2
2525号公報)。なお、表面粗度Raが10〜20
[A]程度のガラス基板を製造する場合には、対応する
ヘッドの浮上量が大きいため、上記のアルカリ成分の存
在、特に、Naイオンによるコロージョンの突起の存在
を考慮する必要はあまりないが、近年必要とされる表面
粗度Raが5[A]以下のガラス基板においては、より
細かな表面粗度を得るために、最終研磨工程が必要とさ
れる。ところが、この最終研磨工程を施した場合には、
表面に研磨による新らたな表面が露出するので、ガラス
基板表面に存在するアルカリ成分の濃度が下がることは
ない。また、ガラス基板に細かな割れであるミクロクラ
ックが存在する場合には、該研磨工程において、アルカ
リ性の研磨液等がそのミクロクラックに浸透して、これ
がため、結局、製品となったガラス基板の磁気ディスク
において、表面の媒体腐食の原因となるという問題があ
った。
【0010】そして、この最終研磨工程後の表面のアル
カリ成分を除去せんとして、その表面を通常の酸等を用
いて洗浄したとしても、置換速度が遅いので処理に時間
がかかり、また、アルカリ成分は除去できるが、酸を含
む液による処理でガラス表面が侵され、表面粗度が低下
するし、さらには、ガラス基板の表面に残留する酸成分
を除去するために、新たな洗浄工程を必要とする。そし
て、酸による洗浄を行った場合には、今度は、酸を主体
とする成分が表面に依然として残留し、あるいは、ガラ
ス基板のミクロクラックに浸透して、これらの表面残留
物やミクロクラックへの浸透物によって、磁気記録媒体
スパッタ時に、磁気記録媒体の膜中に混入し、前記同
様、前記媒体SN比を下げる結果となる。
【0011】本発明は、上記の従来技術の問題点を解消
せんとしてなされたものであり、その課題は、所定の表
面粗度を得るために最終研磨工程を行ったガラス基板の
表面を改質する方法において、コロージョン、メッキ付
着力の低下、膜形成後の記憶媒体層の劣化及びSN比の
低下などの原因となる基板表面のアルカリ成分を除去し
て、表面粗度の劣化を防止し、表面硬度を上げるととも
に、付着する磁性膜の配向性を改善することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するため、所定の表面粗度に仕上げる最終研磨工程
を行ったガラス基板を電気分解によるヒドロニウムイオ
ン(H3 + )を含む活性イオン水にて処理し、前記ガ
ラス基板の表面のアルカリ成分を除去するとともに、前
記ガラス基板の表面の硬度を上げ、安定なガラス表面を
形成することを特徴としている。
【0013】本発明方法は、ガラス基板が、ガラス基板
を所定寸法に加工し研磨した後、アルカリイオン塩浴中
で所定の時間イオン交換反応を行い、該ガラス基板の表
面に付着したアルカリ塩を通常の酸で溶かして除去し、
前記ガラス基板の表面粗度Raを5[A]以下になるま
で表面に最終研磨工程を行ったアルカリイオン交換型強
化ガラス基板と結晶化ガラス基板のいずれの場合も、同
様に適用することができる。
【0014】活性イオン水は、アノード電解イオン水、
とくにpH5〜6の水素イオン濃度を有するアノード電
解イオン水であることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の態様】(第一実施例) まず、アルカリイオン交換強化型ガラスとして、以下の
成分の酸化物を溶融しペレットを作る。 SiO2 61.8 wt% Al2 3 3.0 〃 B2 3 1.1 〃 Na2 O 9.0 〃 K2 O 9.0 〃 MgO 3.0 〃 ZnO 12.0 〃 TiO2 0.6 〃 As2 3 0.2 〃 Sb2 3 0.3 〃 次に、得られたペレットを熱間プレスにて、所定のサイ
ズに圧縮成形し気泡のないガラス素材基板を得る。そし
て、内外周加工及び粗研磨と精密研磨を経て所定の寸法
に加工する。
【0016】次いで、加工されたガラス素材基板は、硝
酸カリウム等を含む溶融塩中で、温度400度Cで3〜
5時間イオン交換反応を行い、ガラス素材基板表面に約
40μmの強化層を形成する。強化層を形成後、コロイ
ダルシリカ等の研磨剤を使用し、ガラス素材基板表面を
表面粗度Raが5[A]以下になるように研磨する。
【0017】前記ガラス素材基板を各種のイオン濃度を
有するアノード電解イオン水(以下、時として、「活性
イオン水」ともいう。)に、所定時間浸漬して洗浄し、
しかる後、純水で洗浄後、ガラス基板素材自体を回転さ
せ、スピン乾燥を行い、その後、半導体評価基準の一種
である80度C90%RH10日間耐食テストをし、そ
のガラス基板素材の表面粗度及び最大突起量を測定し
た。表1は、イオン水によるガラス基板処理状況を示
す。
【0018】
【表1】
【0019】表1において、符号Raは、初期の中心線
平均粗度を示し、粗さ曲線から、その中心線の方向に測
定長さの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線と
粗さ曲線との偏差の絶対値を算術平均した値であり、同
符号RPは、具体的には、測定した線上での、最大山高
さ及び最小谷深さとの差を示す、いわゆる、最大最小の
Peak to peakを示すものである。表1から
知り得るように、pH濃度4〜6程度のイオン濃度のア
ノード電解イオン水に浸漬し、洗浄しても、この洗浄に
より、ガラス基板の表面粗度を劣化させないことがわか
る。また、イオン処理したガラス基板を80度C90%
RH10日間耐食テストを実施し、ガラス基板表面の最
大表面突起を検証した。表2は、その検証結果である。
【0020】
【表2】
【0021】一般に、pHイオン濃度の高い状態で前記
アルカリイオン交換強化型ガラス基板の表面を処理する
と、ガラスマトリクスが破壊され、前記ガラス基板の表
面の腐食が促進されることとなるが、表2に示すよう
に、適度のpH濃度のアノード電解イオン水で、すなわ
ち、本実施の態様では、pH濃度(イオン濃度)が、5
〜6のアノード電解イオン水で、ガラス基板表面を洗浄
すると、ガラス基板のガラスマトリクスが破壊されるこ
となく、かつ、ガラス基板表面に存在するアルカリ金属
が除去され、この結果、むしろ、ガラス基板の耐食性が
向上することが知りうる。
【0022】さらに、このようなpH濃度5〜6程度の
イオン濃度のアノード電解イオン水に浸漬し、洗浄した
ガラス基板は、アルカリ表面濃度が低いため、吸着水が
少なく高密度磁気記録媒体として適している。そこで、
このような処理を行ったガラス基板と、未処理ガラス基
板を四重極質量分析計で脱ガス測定を実施して、ガラス
基板からのガス発生状況を検証した。この脱ガス測定に
は、通常の磁気ディスクスパッタ工程の前処理である純
水洗浄スピン乾燥したものを、真空中で加熱し、前記四
重極質量分析計にてガス分析をおこなった。その結果を
図1に示す。
【0023】図1は、磁気ディスク用ガラス基板のスパ
ッタ前に行われるアノード電解イオン水への洗浄(浸
漬)によって、前述した表面に存在する水分吸着の状態
を示すものであり、図1(a)は、イオン水での洗浄が
ない場合を、図1(b)は、pH5のアノード電解イオ
ン水にガラス基板を1分間浸漬して洗浄した場合のガス
発生状況を示すグラフ図である。図1(a)、(b)か
らも知り得るように、イオン水での洗浄がない場合に
は、温度450度C付近で大きくガス発生が見られるの
に対し、pH5のアノード電解イオン水にガラス基板を
1分間浸漬して洗浄した場合には、ガス発生が大きく抑
制されていることが知りうる。
【0024】なお、上記実施の態様においては、洗浄対
象として、コンピュータ記憶媒体たるハードディスクに
使用する磁気ディスク用ガラス基板の洗浄に使用した
が、これは、同様に、その製造工程で、アルカリイオン
の存在に研磨工程中にさらされる磁気ディスク用半導体
基板にも適用できる。
【0025】(第二実施例) 本願発明者らは、第一実施例のアルカリイオン交換強化
型ガラスをpH濃度5〜6程度のイオン濃度を有するア
ノード電解イオン水で浸漬して洗浄したガラス基板は、
その表面粗度が改善されるが、イオン濃度の変化又は浸
漬時間によっては、該ガラス基板の表面硬度を向上さ
せ、さらには、その耐衝撃性能に影響を及ぼすことを知
り得た。
【0026】すなわち、前記ガラス基板の製造の最終研
磨工程では、基板の表面粗度を向上させるため、一般的
に弱酸又はアルカリ成分を含む研磨液を使用するが、研
磨液及びガラス成分のアルカリが研磨の工程で発生する
珪酸成分と反応して、媒体ガラスの骨格であるSiーO
結合を破壊し、このため、表面硬度が著しく減少する。
これに対して、最終研磨工程で、イオン水に浸漬して洗
浄することによりアルカリ成分を除去すると、表面の脱
アルカリ処理と同時にヒドロニウムイオンと共存する活
性酸素によるSi−O結合の修復により、表面硬度が上
がり、表面粗度の劣化が防止され、耐コロージョン性が
向上する。
【0027】図2及び図3は、Blank(従来と同様
に硫酸4wt%で洗浄。イオン水処理無し)、pH6の
アノード電解イオン水(イオン水)へ1分から3分浸漬
させた場合及びpH3〜pH5のアノード電解イオン水
(イオン水)にそれぞれ1分間浸漬して洗浄した場合の
それぞれのガラス基板の表面層0.1μmの硬度及び1
μmまでのビッカース硬度を日本電気製HDD用薄膜硬
度計(MHAー400)にて測定したものである。図
中、−◆−は、ガラス基板をSiO2 (二酸化珪素)を
用いて研磨した場合(a)、−■−は、ガラス基板をC
e(セリウム)を用いて研磨した場合(b)を示したも
のである。そして、Test1として、pH6のイオン
水中に1分間、Test2として、pH6のイオン水中
に2分間、Test3として、pH6のイオン水中に3
分間、Test4として、pH5のイオン水中に1分
間、Test5として、pH4のイオン水中に1分間、
Test6として、pH3のイオン水中に1分間浸漬し
洗浄して、そのビッカース硬度を測定したものである。
なお、図2,3中、Test7として、イオン水等への
浸漬による洗浄を行わない処理なしをBlankとして
示した。
【0028】これらの図2、3が示すように、最終研磨
工程でアルカリ成分を含む研磨液を使用した場合には、
研磨液中のアルカリ成分と、研磨工程で発生する珪酸成
分とが反応して、ガラス基板の骨格であるSiーO結合
を破壊し、表面硬度が著しく低下することが知りうる。
弱酸等のアメカリ成分を含まない研磨液を用いる場合
も、ガラス基板がアルカリ成分を有する場合は、研磨液
に溶け出したアルカリ成分が同様の作用をして、表面硬
度が低下することが認められている。
【0029】次に、これらの処理を行った2.5インチ
のガラス基板について、その耐衝撃性を試験した。この
試験は、吉田精機製振り子式衝撃試験機PST−300
を用い、その衝撃振り子半径を300mm、作用時間を
1.0msec、試験ヘッドバネ圧を0.5grfとし
て、ハーフサイン波形を描くように測定した。すなわ
ち、300mm半径の振り子を水平状態から、振り子垂
直面にGを変えて4回落下させ、イオン水に浸漬して洗
浄したものと、洗浄をしない従来のものとに分けて行
い、その損傷具合を目視した。表3は、その損傷状況を
示したもので、○印は、耐衝撃性に優れたものを、×印
は、不的確なものを示す。
【0030】
【表3】
【0031】なお、上記洗浄をしない従来のガラス基板
の強化状況を表4に示す。表4は、サンプルA(ロット
番号970318)及びサンプルB(ロット番号970
722)について、最終研磨工程前後のサンプルA及び
サンプルBの表面応力(kg/mm2)及びその応力深
さ(μm)を示すものである。
【0032】
【表4】
【0033】上記の表4に示された測定結果が示すよう
に、最終研磨工程前では、サンプルAは、77−86k
g/mm2の表面応力を、サンプルBは、110−11
5kg/mm2の表面応力を呈し、それが、最終研磨工
程後では、サンプルAでは、65〜70kg/mm2の
表面応力となり、サンプルBでは、100kg/mm2
の表面応力を呈することが知りうる。そして、このとき
の応力深さ(μm)は、サンプルAについては、30−
33.8μm、サンプルBについては、29−30μm
であった。これらの図2及び図3に示すように、イオン
水への浸漬による洗浄を行ったガラス基板は、強化処理
条件を上げても、耐衝撃性能は、変化しないことを知り
得る。
【0034】また、図4、図5は、イオン水によりアル
カリ成分のコロージョンによるガラス基板表面の突起
が、優先的に溶かされ平坦になることを示す測定結果を
示すものである。上記同様、ランクテーラーホブソン社
製Tarystepにより、サンプル上を200μm間
隔で場所を変えて測定し、その最大値を示したものであ
る。図4,5のpH8はアノード水にアンモニアを添加
してpH調整したものである。pH8でもアノード水の
効果は見られる。
【0035】本願発明者らは、イオン水洗浄により、表
面粗度の改善について測定を試みた。すなわち、HDD
(ハードディスク)ガラス基板のイオン水洗浄による表
面粗度最大値(Rt)、中心線平均粗度(Ra)の変化
を測定した。
【0036】図4及び図5の処理無の結果が示すよう
に、ガラス基板の表面に硬度の低いアルカリ成分を含む
ゲル層が存在すると、このアルカリ成分は、空気中の炭
酸ガスと反応し、短時間のうちに、その表面に腐食によ
る突起物を生成し、表面粗度が劣化する。
【0037】この測定は、HDD用シリコンガラスと、
Znシリケート系ガラスについて、イオン水のpH濃度
を2〜8、処理なしに分け、ここに、前記HDD用シリ
コンガラスと、通常ガラスを前記pH濃度の異なるイオ
ン水(処理なしを含む)に、それぞれ1分間浸漬し、洗
浄して、その後、超純水に3分間浸漬し、洗浄して、室
温窒素ガスにてブロー乾燥を行って、その片面を4回測
定した。図4は、その表面粗度最大値(Rt)を、図5
は、同表面粗度(Ra)を示すものである。図4及び図
5において、−■−は、HDD用シリコンガラス基板
を、−◆−は、Znシリケート系ガラスの表面粗度最大
値(Rt)を示す。
【0038】なお、この測定は、ランクテーラーホブソ
ン社製Tarystep測定器を用い、サンプル上を2
00μm間隔で4回場所を変えて測定し、その最大値を
記録したものである。
【0039】図4、図5から明らかなように、イオン水
洗浄処理により、ガラス基板のアルカリ成分が除去され
ると同時にその表面のエッチングが行われるので、表面
粗度が改善されることを知りうる。特に、ガラス基板表
面に発生する突起は、アルカリ成分に富んだ炭酸塩から
なるため、イオン水はこれに選択的に作用し、突起のな
い場所よりも速やかに反応が促進され、アルカリ成分に
よるコロージョンに基づく、突起が優先的に除去され、
ガラス表面を平滑にし、表面粗度が向上することを知り
うる。すなわち、アノード電解イオン水の洗浄は、アル
カリ塩による腐食形成後の基板の洗浄にも有効である。
さらには、本願発明者らは、ガラス基板表面粗度が向上
し、かつ、アルカリ成分が除去されることにより、ガラ
ス表面のOH基が除去され、ガラスのSi−O骨格が修
復される。この結果、SiO2の強固で平滑な膜が形成
されるため、この膜上にスパッタ形成される磁性膜の配
向性の向上を測定した。
【0040】図6、図7に示したグラフは、ガラス基板
表面にスパッタされる磁性膜の下地のチタン結晶の配向
性能であるΔθ50を示すものである。ここで、Δθ5
0とは、回析線強度の1/2になる場所の角度幅をい
い、その幅が狭いほど、そこの場所の配向性が良好なこ
とを示す指標となるものである。
【0041】図6、図7は、上記のガラス表面のチタン
結晶(002)の配向をX線半値幅で示したグラフであ
る。これらのグラフは、理学電気製X線回析装置Cuタ
ーゲットシンチレーションカウンターを使用し、スパッ
タ膜圧700[A]、スパッタ圧0.2Paで、高分解
能RINT200広角ゴニオメータにアタッチメントA
SC−5を使用し、発散スリット1/2deg.、散乱
スリット1/2deg.、受光スリット0.15mm
で、全自動モノクロカウントメータを操作モードを連続
にして、スキャンスピード1.000°/min、スキ
ャンステップ0.010°、操作軸(θ)、走査範囲
5.000〜35.000°、2θ、固定角0.000
°にて測定したものである。
【0042】なお、図6は、従来と同様に硫酸4wt%
で洗浄処理したイオン水未洗浄処理のサンプル(サンプ
ル名S84ND−5 rocking)を測定したもの
であり、図7は、イオン水に浸漬して洗浄処理を行った
サンプル(A84SD7 rocking)を測定した
ものである。図6では、そのΔθ50が、5.83°で
あるのに対し、イオン水に浸漬して洗浄処理を行ったも
のは、図7に示すように、そのΔθ50が、4.38°
であり、その配向性能が高まったことを示している。
【0043】したがって、ガラス基板表面の下地膜の配
向性が揃う結果、その上にスパッタされる磁性膜の配向
性も高まることとなり、その結果、媒体ノイズを示すS
/N比において、約3〜5dbの向上が可能となる。
【0044】以上、第二実施例において示したとおり、
本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の表面改質方法
は、使用するイオン水のpH値を適宜選択することによ
り、そのアルカリ成分に富んだ炭酸塩による基板表面の
突起が反応除去され、表面粗度が一層向上する。さら
に、イオン濃度、洗浄(浸漬)時間を適宜選択すること
により、表面硬度が増加し、これをHDD基台に使用す
るときは、耐衝撃性能が向上する。
【0045】そして、事前にイオン水浸漬処理を行うこ
とにより、ガラス基板の表面粗度の劣化特性が改善さ
れ、この結果、その基板表面にスパッタされる下地膜、
磁性膜の配向性が向上し、また、スパッタ地のガス発生
も抑制されるので、その分、スパッタされる膜のΔθ5
0を小さくすることができ、この点からも磁性膜の表面
粗度が改善され、この結果、媒体ノイズに換算して、最
大5db程度のノイズ低減効果が可能となる。
【0046】(第三実施例) 本願発明者らは、非晶質ガラスを溶融し、成型し、結晶
化熱処理し、製造最終研磨して製造される、結晶質ガラ
ス部分が全体の10〜70%を占める結晶化ガラスをp
H濃度6程度のイオン濃度のアノード電解イオン水(以
下、時として、「イオン水」とも称する。)に浸漬し、
洗浄すると、メッキ付着性が向上し、さらには、アルカ
リ成分によるコロージョンに基づく突起の成長が抑制さ
れ、ガラス表面が平滑になり、表面粗度が向上すること
を知り得た。
【0047】すなわち、前記結晶化ガラス基板では、通
常、最終研磨工程でアルカリ性の研磨液が使用される
が、非晶質ガラス表面及び結晶体と非晶質ガラスの界面
にアルカリ成分が残り、メッキの付着性を悪化させ、ま
た、空気中の水分や炭酸ガスと反応して突起状のコロー
ジョンを生じるが、本発明方法により、最終研磨工程後
に上記のようにイオン水に浸漬してアルカリ成分を除去
することにより、耐食性及びメッキ付着力を向上させる
ことができる。
【0048】まず、結晶化ガラスとして、以下の成分を
溶解し、ペレットを作る。 SiO2 76.8 wt% Li2 O 15.0 〃 Al2 3 4.0 〃 K2 O 2.0 〃 P2 2 2.0 〃 As2 3 0.2 〃 次に、得られたペレットを900度C、90分の結晶化
熱処理し、コロイダルシリカ及びアルカリ性の研磨液
(NaOH)を使用し、表面粗度Raが5[A]で表面
粗度最大値Rtが47[A]の、所定寸法の円盤状結晶
化ガラス基板を得る。図8は、米国テンコール(Ten
cor)社製粗度測定装置(TencorP−1)に
て、最終研磨後結晶ガラス基板の表面粗度を測定したも
のである。基板を90度ずつ回転して、500μmに渡
って10[A]/秒のスピードで直線的に4回、スキャ
ンニングした結果のうちの1つであり、表面粗度Raが
5[A]、表面粗度最大値Rtが56[A]であること
を確認した。
【0049】前記ガラス基板を、pH6のイオン濃度を
有するアノード電解イオン水に3分間浸漬して洗浄し、
しかる後、純粋で洗浄し、ガラス基板自体を回転させ、
スピン乾燥を行い、その後、80度C90%RH10日
の耐食テストをし、ガラス基板の表面粗度を測定した。
また、比較のため、アノード電解イオン水を使用しない
通常の酸処理(硫酸4wt%)のガラス基板についても
80度C90%RH10日の耐食テストをし、ガラス基
板の表面粗度を測定した。
【0050】図9及び図10は、比較のため、イオン水
処理をしないガラス基板の表面粗度測定結果である。基
板を90度ずつ回転して、200μmに渡って2μm/
秒のスピードで直線的に4回、スキャンニングした結果
のうちの2つを示している。図9の結果では、表面粗度
Raが12[A]、表面粗度最大値Rtが202[A]
であり、図10の結果では、表面粗度Raが106
[A]、表面粗度最大値Rtが1161[A]であり、
耐食テスト前のガラス基板の表面粗度と比較して、突起
が形成されたことを知りうる。図11は、前記未処理ガ
ラス基板表面をスタイラスダイヤモンドで観察したAF
Mである(0.5r、15mg負荷)。巨大な突起が形
成されており、図9及び図10の結果が正しいことを知
りうる。これらの図9〜図11が示すように、最終研磨
工程で、アルカリ成分の研磨液を使用した場合には、晶
質ガラス表面及び結晶体と非晶質ガラスの界面に残った
アルカリ成分が空気中の水分や炭酸ガスと反応し、コロ
ージョンを生じて巨大な突起が形成されることが知りう
る。
【0051】図12は、前記アノード電解イオン水に3
分間浸漬して洗浄したガラス基板の表面粗度測定結果で
ある。基板を90度ずつ回転して、200μmに渡って
2μm/秒のスピードで直線的に4回、スキャンニング
した結果のうちの1つを示している。図12の結果で
は、表面粗度Raが15[A]、表面粗度最大値Rtが
164[A]である。この図が示すように、結晶化ガラ
ス基板をイオン水に浸漬し洗浄すると、基板表面のアル
カリ成分、特に、最終研磨工程でアルカリ成分の研磨液
を使用した場合の、非晶質ガラス表面及び結晶体と非晶
質ガラスの界面に残ったアルカリ成分が選択的に除去で
き、この結果、残ったアルカリ成分によるコロージョン
に基づく突起の形成が防止されて、ガラス基板表面が平
滑にされ、表面粗度が向上されることを知りうる。ここ
で、「選択的」の用語について説明する。ガラス内部で
はアルカリイオンは非常に動き易く電気的にNaプラス
イオンが一つ抜けた場合、ヒドロニュムイオンプラスを
入れて電気的にバランスをとれば、置換速度が通常の酸
よりも早く入れ替わる。ガラスを構成する成分であるS
i,Mg,Al,Zn等はヒドロニュムイオンとは置換
されないという意味で、選択的という用語を用いてい
る。
【0052】さらに本願発明者らは、ガラス表面にNi
−Pメッキをし、メッキの密着力を測定した。まず、前
記のようにして、表面粗度Raが5[A]、表面粗度最
大値Rtが56[A]の結晶化ガラスを得る。このガラ
ス基板を、pH6のイオン濃度を有するアノード電解イ
オン水に3分間浸漬して洗浄し、しかる後、純粋で洗浄
し、ガラス基板自体を回転させ、スピン乾燥を行う。そ
の後、ガラス表面をPt触媒で活性化した後、上村工業
製電解メッキ液にてNi−Pを2μmの厚さにメッキ
し、テープを使用して密着テストを行った。また比較の
ため、アノード電解イオン水への浸漬、洗浄未処理のガ
ラス基板について、ガラス表面をPt触媒で活性化した
後、Ni−Pを2μmの厚さにメッキし、テープを使用
して密着テストを行った。
【0053】その結果、イオン水で洗浄処理したガラス
基板では、未洗浄処理ガラス基板への密着力を100%
としたときに、150〜250%、平均値で2倍の密着
力を発揮した。この結果が示すように、結晶化ガラス基
板をイオン水に浸漬し洗浄すると、基板表面のアルカリ
成分、特に、最終研磨工程でアルカリ成分の研磨液を使
用した場合の、非晶質ガラス表面及び結晶体と非晶質ガ
ラスの界面に残ったアルカリ成分が選択的に除去でき、
これにより、ガラス表面へのメッキ付着力が向上される
ことを知りうる。使用するイオン濃度はガラス成分、イ
オン強化の条件により適宜変化させうる。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明によるガラス基板
の表面改質方法は、通常の酸と違って、活性なヒドロニ
ウムイオンを含むアノード電解イオン水で処理し、ガラ
ス基板表面のアルカリ成分を除去すると同時に、アノー
ド電解イオン水に含まれる活性酸素によりガラス表面の
Si−O骨格を修復させるようにしたため、ガラス基板
の表面硬度を上げて緻密なガラス表面を作り、内部から
のアルカリの浸出、外部環境よりの水、炭酸ガスの侵入
を防止して、腐食突起の成長を阻止する。その結果、緻
密な膜の上に付着される磁性膜の配向性が向上し、SN
比を向上させることができる。表面硬度の向上は、低浮
上媒体のヘッド衝撃から媒体を保護し、高密度記録の達
成を容易にする。
【0055】本発明は、ガラス中のアルカリ金属の拡散
は、ヒドロニウムイオンにより顕著に加速されるという
現象に着目し、ヒドロニウムイオンを多く含むアノード
電解イオン水を、イオン交換強化型磁気ディスク基板や
結晶化ガラス基板の洗浄に使用するものである。アノー
ド電解イオン水は、水の電気分解により得られるもので
あり、水の分子サイズが小さく、電気的に中性でないた
め、ヒドロニウムイオンは非常に活性であり、ガラス基
板表面のアルカリ金属成分と選択的に置換され、その結
果、ガラス基板の表面のアルカリ成分濃度を低減させる
ことができ、より特徴的には、前記アルカリ成分との置
換反応が通常の酸の10〜100倍の速度で行われるた
め、適度に使用するアノード電解イオン水の濃度を所望
のものとすることにより、ガラス基板の表面粗度を劣化
させることなく、ガラス基板表面のアルカリイオン濃度
のみを低減できるという顕著な効果がある。
【0056】また、アノード電解イオン水は、一般に、
分子サイズが小さくなるため、ガラス基板中のミクロク
ラックへの浸透性が良く、ミクロクラック中へも容易に
浸透するため、ミクロクラック中にアルカリ成分が存在
していたとしても、このミクロクラック中のアルカリ成
分を効率よく除去できる。さらには、ヒドロニウムイオ
ン以外の他の塩基イオン等は比較的少なくて済むため、
アノード電解イオン水での洗浄処理の後は、特別な酸や
アルカリを用いた洗剤を必要とせず、純水による洗浄の
みで足り、従来ならば必要とされる余分な洗浄工程を必
要としないという効果がある。
【0057】また、本発明に係るガラス基板の洗浄方法
は、使用するイオン水のpH値を適宜選択することによ
り、そのアルカリ成分に富んだ炭酸塩による基板表面の
突起の成長が抑制されるため、表面粗度が一層向上させ
ることができる。その結果、その磁気ディスク用ガラス
基板の場合は、その表面にスパッタされる下地膜、磁性
膜の配向性が向上し、また、スパッタ地のガス発生も抑
制されるので、その分、スパッタされる膜のΔθ50を
小さくすることができ、この点からも表面粗度が改善さ
れ、この結果、媒体ノイズに換算して、最大5db程度
のノイズ低減効果が可能となる。
【0058】さらに、磁気ディスク用結晶化ガラス基板
に対しては、イオン水で洗浄することにより、Ni−P
メッキの付着力を向上することができる。その結果、メ
ッキ層の脱離等による磁気ディスクの損傷の防止効果を
期待できる。
【0059】さらに、イオン濃度、浸漬時間を適宜選択
することにより、基板の表面硬度が増加し、これをHD
D基台に使用するとき、その耐衝撃性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ディスク用ガラス基板のスパッタ前に行わ
れるアノード電解イオン水に浸漬による水分吸着の状態
を示す図。
【図2】処理無し(Blank)、pH6のアノード電
解イオン水及びpH3〜pH5のアノード電解イオン水
(イオン水)にそれぞれ1分から3分浸漬させた場合の
ガラス基板の表面層硬度を押し込み法(押し込み深さ1
μm)により測定した結果を示す図。
【図3】処理無し(Blank)、pH6のアノード電
解イオン水及びpH3〜pH5のアノード電解イオン水
にそれぞれ1分から3分浸漬させた場合のガラス基板の
表面層硬度を押し込み法(押し込み深さ0.1μm)に
より測定した結果を示す図。
【図4】イオン水のアルカリ成分のコロージョンによ
り、ガラス基板表面の突起が、優先的に溶かされ平坦に
なることを示す測定結果を示す図。
【図5】イオン水のアルカリ成分のコロージョンによ
り、ガラス基板表面の突起が、優先的に溶かされ平坦に
なることを示す測定結果を示す図。
【図6】ガラス基板表面にスパッタされる下地膜、磁性
膜の膜表面のチタン結晶の配向性能であるΔθ50をグ
ラフに示す図(イオン水処理無し)。
【図7】ガラス基板表面にスパッタされる下地膜、磁性
膜の膜表面のチタン結晶の配向性能であるΔθ50をグ
ラフに示す図(イオン水処理有り)。
【図8】最終研磨後の結晶化ガラス基板の表面粗度を測
定した結果を示す図。
【図9】アルカリ成分のコロージョンにより、結晶化ガ
ラスの表面に突起が形成されたことを表す測定結果を示
す図(硫酸4wt%の通常処理)。
【図10】アルカリ成分のコロージョンにより、結晶化
ガラスの表面に突起が形成されたことを表す測定結果を
示す図(硫酸4wt%の通常処理)。
【図11】アルカリ成分のコロージョンにより、結晶化
ガラスの表面に形成された突起をAFMで観察した図。
【図12】アノード電解イオン水での洗浄処理により、
アルカリ成分が選択的に除去された結果、コロージョン
による突起が形成されなかったことを表す測定結果を示
す図。
【符号の説明】
Ra 中心線平均粗さ(表面粗度) Rp 中心線山高さ Rt 表面粗度最大値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−24350(JP,A) 特開 昭60−229234(JP,A) 特開 平9−22525(JP,A) 特開 平9−194887(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B08B 3/08 G11B 5/84

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の表面粗度に仕上げる最終研磨工程
    を行ったガラス基板を電気分解によるヒドロニウムイオ
    ンを含む活性イオン水にて処理して、前記ガラス基板の
    表面のアルカリ成分を除去すると同時に、前記活性イオ
    ン水に含まれる活性酸素によりガラス表面のSi−O骨
    格を修復させて、前記ガラス基板の表面硬度を上げ、安
    定なガラス表面を形成することを特徴とする磁気ディス
    ク用ガラス基板の表面改質方法。
  2. 【請求項2】 ガラス基板は、所定の寸法に加工し研磨
    した後、アルカリイオン塩浴中で所定時間イオン交換反
    応を行い、表面に付着したアルカリ塩を通常の酸で溶か
    して除去し、表面粗度Raを5オングストローム以下に
    なるまで表面に最終研磨工程を行ったアルカリイオン交
    換型強化ガラス基板であることを特徴とする請求項1に
    記載されたガラス基板の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 ガラス基板は、アルカリ性の研磨液にて
    最終研磨工程を行った結晶化ガラス基板であることを特
    徴とする請求項1に記載されたガラス基板の表面改質方
    法。
  4. 【請求項4】 活性イオン水は、pH5〜6の水素イオ
    ン濃度を有するアノード電解イオン水であることを特徴
    とする請求項1,2又は3に記載されたガラス基板の表
    面改質方法。
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