JP3113828B2 - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 - Google Patents
磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法Info
- Publication number
- JP3113828B2 JP3113828B2 JP08359287A JP35928796A JP3113828B2 JP 3113828 B2 JP3113828 B2 JP 3113828B2 JP 08359287 A JP08359287 A JP 08359287A JP 35928796 A JP35928796 A JP 35928796A JP 3113828 B2 JP3113828 B2 JP 3113828B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass substrate
- magnetic disk
- glass
- organic solvent
- magnetic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
- Magnetic Record Carriers (AREA)
- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
Description
どに用いられる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及
び磁気ディスクの製造方法等に関する。
ルミニウム基板が多く用いられていたが、磁気ディスク
の小型化、薄板化や磁気ヘッドの低浮上化の要請に伴
い、アルミニウム基板に比べ小型化、薄板化が容易で平
坦度が高く磁気ヘッドの低浮上化等が容易であるため、
ガラス基板を用いる割合も増えてきている。
基板として用いる場合には、耐衝撃性や耐振動性を向上
させ衝撃や振動によって基板が破損するのを防止する目
的で、ガラス基板の表面に低温イオン交換法による化学
強化処理を施すのが一般的である。
常、洗浄処理される。従来、化学強化処理後の磁気ディ
スク用ガラス基板の洗浄は、例えば、特開平2−285
508号公報に記載されているように、アルカリ性洗浄
剤、純水、有機溶剤等を用いて行われている。
伴って、磁気ディスクと磁気ヘッドとの距離(スペーシ
ング)は、益々狭い値が要求されてきている。したがっ
て、磁気ディスク表面の突起の原因となるガラス基板上
の異物の完全なる除去が急務の課題となっている。
前あるいは形成後に生ずるガラス表面の変質(やけ等)
は、洗浄による表面清浄性や外部雰囲気にもよるが、ガ
ラス基板表層のイオン種及びその濃度とも密接に関連
し、磁気ディスクの使用環境下における耐候性や寿命ひ
いては磁気ディスクの信頼性に影響を及ぼす。
た従来の洗浄処理だけでは、一定の洗浄効果が得られる
ものの、特に、化学強化処理液からガラス基板を引き上
げた後に洗浄したとしても、ガラス表面のやけ等の変質
を高いレべルで防止するには十分でなかった。
ものであり、アルカリイオンの溶出を抑制しガラス表面
の変質を高いレベルで防止できる磁気ディスク用ガラス
基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法の提供を目
的とする。
に本発明らは研究を重ねた結果、アルカリイオンの溶出
を抑制しガラス表面の変質を高いレベルで防止するため
には、加熱された水溶性の有機溶媒(グリセリン、ポリ
エチレングリコールなど)でガラス表面を処理すると効
果的であることを見出し本発明を完成するに至った。加
熱された水溶性の有機溶媒でガラス表面を処理するとガ
ラス表面の変質を高いレベルで防止できる理由は、ガラ
ス表面が、Si−O−Naの非架橋状態から、Si−O
−NaのNa+がヒドロニウムイオンとイオン交換され
て水和状態になり、その後、加熱脱水によってシラノー
ル基が形成され、そのシラノール基が脱水されてガラス
表面でSi−O−Siの架橋化がなされるためであると
考えられる。
方法は、加熱した化学強化処理液にガラス基板を浸漬
し、ガラス基板表層のイオンを化学強化処理液中のイオ
ンでイオン交換してガラス基板を化学強化する工程と、
化学強化処理後のガラス基板の表面を、加熱された水溶
性の有機溶媒で処理する工程とを含む構成としてある。
の製造方法は、上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方
法において、水溶性の有機溶媒が、グリセリン、又は、
ポリエチレングリコールである構成、水溶性の有機溶媒
の加熱温度が、ガラス基板表面近傍のアルカリイオンの
溶出を抑制しうる温度である構成、水溶性の有機溶媒の
加熱温度が、80℃〜240℃である構成、水溶性の有
機溶媒の加熱温度が、120℃〜240℃である構成、
加熱された酸による処理時間が、1分〜1時間である構
成、あるいは、磁気ディスク用ガラス基板が、磁気抵抗
型ヘッドで再生される磁気ディスクに使用されるガラス
基板である構成としてある。
は、上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を用いて
得られた磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁
性層を形成する構成としてある。
たガラス基板を加熱された水溶性の有機溶媒で処理して
いるので、アルカリイオンの溶出を抑制しガラス表面の
変質を高いレベルで防止できる。
止できる磁気ディスク用ガラス基板を使用しているの
で、耐候性及び寿命に優れ高い信頼性を有する磁気ディ
スクを製造できる。
方法においては、まず、加熱した化学強化処理液にガラ
ス基板を浸漬し、ガラス基板表層のイオンを化学強化処
理液中のイオンでイオン交換してガラス基板を化学強化
する。
オン交換法、高温型イオン交換法、表面結晶化法、ガラ
ス表面の脱アルカリ法などが知られているが、ガラス転
移点(ガラスの軟化)の観点から、低温型イオン交換法
を用いることが好ましい。
(Tg)以下の温度域で、ガラス中のアルカリイオン
を、それよりもイオン半径の大きいアルカリイオンと置
換し、イオン交換部の容積増加によってガラス表層に強
い圧縮応力を発生させてガラス表面を強化する方法であ
る。
(KNO3)、硝酸ナトリウム(NaNO3)、炭酸カリ
ウム(K2CO3)などの溶融塩や、これらの塩を混合し
たもの(例えば、KNO3+NaNO3、KNO3+K2C
O3など)の溶融塩、あるいは、これらの塩にCu、A
g、Rb、Csなどのイオンの塩を混合したものの溶融
塩等が挙げられる。
50℃〜650℃、特に350℃〜500℃、さらには
350℃〜450℃であることが好ましい。
から、1時間〜20時間程度とすることが好ましい。
さは、耐衝撃性や耐振動性を高めるという観点から、6
0〜300μm程度とすることが好ましい。
に、ガラス基板の割れやひびを防止するため、ガラス基
板を200〜350℃に予熱しておくことが好ましい。
面で保持して化学強化を行うことが好ましい。これは、
ガラス基板の表面全体を化学強化するためである。
処理液からガラス基板を引き上げ、熱歪みの発生を抑え
ることができるように所定温度まで徐冷することが好ま
しい。このように徐冷することにより、熱歪みによるダ
メージを回避できる。
100℃/分、特に5℃/分〜60℃/分、さらには1
0℃/分〜50℃/分であることが好ましい。
ス基板表面に析出する溶融塩の結晶化を阻止する処理を
施すことが好ましい。このような処理を施すことによっ
て、析出する溶融塩が脆弱となり、後述する加熱された
水溶性の有機溶媒による処理工程や洗浄工程において溶
融塩の除去が容易となる。
の表面を、加熱された水溶性の有機溶媒で処理すること
を特徴とする。
び濃度等を制御することによって、アルカリイオンの溶
出を抑制しガラス表面の変質を高いレベルで防止しうる
表面状態とする。なお、水溶性の有機溶媒は、水溶性で
あるため有機溶媒の除去のための洗浄が容易であり、排
液の心配がなく、耐食性のある設備が不要である。
よって、ガラス表面の変質(やけ等)を高いレべルで防
止できる理由は完全には明らかではないが、ガラス表面
が、Si−O−Naの非架橋状態から、Si−O−Na
のNa+がヒドロニウムイオンとイオン交換されて水和
状態になり、その後、加熱脱水によってシラノール基が
形成され、そのシラノール基が脱水されてガラス表面で
Si−O−Siの架橋化がなされるためであると考えら
れる。
は、ガラス基板表面近傍のアルカリイオンの溶出を抑制
しうる温度であればよい。水溶性の有機溶媒の加熱温度
は、有機溶媒の種類やその沸点などによって異なり一概
に言えないが、例えば、80℃〜240℃程度の温度が
好ましく、120℃〜240℃程度がさらに好ましい。
低いとガラス表面でSi−O−Siの架橋化がなされな
いためガラス表面が変質しやすく、また、300℃を超
えるとガラス基板中のKイオンが基板内部に移動するた
め、ガラス基板の強度が低下する。
温度が100℃超えると、ガラス基板表面の変質防止能
力が飛躍的に向上する。また、析出溶融塩の除去にも効
果がある。
間は、1分〜1時間程度が好ましい。
セリン、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。ポ
リエチレングリコールとしては、分子量が数十から数百
程度のものが好ましい。
は、例えば、加熱した水溶性の有機溶媒にガラス基板を
浸漬して行う。この場合、超音波を印加しつつ処理を行
ってもよい。浸漬するガラス基板は十分に乾燥し、水分
等を除去しておくことが好ましい。
は、同一又は異なる水溶性の有機溶媒の処理層を複数設
け、ガラス基板を順次浸漬して行なってもよい。この場
合、水溶性の有機溶媒の温度や濃度を異ならしめても良
い。
る処理の後に、加熱された酸(例えば100℃超の熱濃
硫酸、硫酸、リン酸など)による処理や、市販の洗浄剤
(中性洗剤、界面活性剤、アルカリ性洗浄剤など)によ
る洗浄、スクラブ洗浄、純水洗浄、溶剤洗浄、溶剤蒸気
乾燥、遠心分離乾燥等の公知の洗浄処理を行っても良
い。また、各洗浄では、加熱や超音波印加を行ってもよ
い。
波数型のもの、あるいは、一定の周波数で発振する固定
周波数型のもののいずれであってもよい。周波数は低い
ほど洗浄効果は高いが、ガラス基板に与えるダメージも
大きくなるので、これらのことを考慮して決定する。
るシミが発生しにくい。蒸気乾燥に用いる溶剤として
は、イソプロピルアルコール、フロン、アセトン、メタ
ノール、エタノールなどが挙げられる。
ラス基板であれば特に制限されない。また、ガラス基板
のサイズ、厚さ等は特に制限されない。
ミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダア
ルミノケイ酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、
ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケー
トガラスなどが挙げられる。なお、アルミノシリケート
ガラスは、酸処理による影響が少なく、耐衝撃性や耐振
動性に優れるため特に好ましい。
O2:62〜75重量%、Al2O3:5〜15重量%、
Li2O:4〜10重量%、Na2O:4〜12重量%、
ZrO2:5.5〜15重量%を主成分として含有する
とともに、Na2O/ZrO2の重量比が0.5〜2.
0、Al2O3/ZrO2の重量比が0.4〜2.5であ
る化学強化用ガラス、あるいは、SiO2:62〜75
重量%、Al2O3:5〜15重量%、B2O3:0.5〜
5重量%、Li2O:4〜10重量%、Na2O:4〜1
2重量%、MgO:0.5〜5重量%、CaO:0.5
〜5重量%、Sb2O3:0.01〜1.0重量%を主成
分として含有する化学強化用ガラス等が好ましい。
ガラス基板表面の突起をなくすためには、モル%表示
で、SiO2を57〜74%、ZnO2を0〜2.8%、
Al2O3を3〜15%、LiO2を7〜16%、Na2O
を4〜14%含有する化学強化用ガラス等を使用するこ
とが好ましい。
スは、化学強化することによって、圧縮応力、引張応
力、圧縮応力層の深さの三者をバランス良く制御できる
とともに、抗折強度や、耐熱性に優れ、高温環境下であ
ってもNa等の析出がほとんどないとともに平坦性を維
持し、ヌープ硬度にも優れる。
製造方法は、光磁気ディスク用のガラス基板や、異常突
起物や微細なキズ及びガラス基板の変質を嫌う光メモリ
ディスクなどの電子光学用ディスク基板の処理及び表面
改質処理方法としても利用できる。
ついて説明する。
した磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を用いて得ら
れた磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁性層
を形成することを特徴とする。
板を使用しているので、磁気ディスクとしても高品質で
ある。すなわち、従来に比べはるかに表面状態の良いガ
ラス基板を使用することによって、磁気ディスクとした
場合にヤケ等による異物に起因するベッドクラッシュを
起こすことがなく、磁性層等の膜にキズに起因する欠陥
が発生しエラーの原因となるということもない。
止できる磁気ディスク用ガラス基板を使用しているの
で、耐候性及び寿命に優れ高い信頼性を有する磁気ディ
スクを製造できる。
ラス基板上に、下地層、磁性層、凹凸形成層、保護層、
潤滑層等を必要に応じ順次積層して製造する。
応じて適宜選択される。下地層としては、例えば、C
r、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Alなどの非磁性
金属から選ばれる少なくとも一種以上の材料からなる下
地層等が挙げられる。Coを主成分とする磁性層の場合
には、磁気特性向上等の観点から、Cr単体やCr合金
であることが好ましい。また、下地層は単層とは限ら
ず、同一又は異種の層を積層した複数層構造とすること
もできる。例えば、Cr/Cr、Cr/CrMo、Cr
/CrV、CrV/CrV、Al/Cr/CrMo、A
l/Cr/Cr等の多層下地層等が挙げられる。
oを主成分とするCoPt、CoCr、CoNi、Co
NiCr、CoCrTa、CoPtCr、CoNiP
t、CoNiCrPt、CoNiCrTa、CoCrP
tTa、CoCrPtSiOなどの磁性薄膜が挙げられ
る。また、磁性層を非磁性膜(例えば、Cr、CrM
o、CrVなど)で分割してノイズの低減を図った多層
構成(例えば、CoPtCr/CrMo/CoPtC
r、CoCrTaPt/CrMo/CoCrTaPtな
ど)としもよい。
ほか、例えば、フェライト系、鉄−希土類系や、SiO
2、BNなどからなる非磁性膜中にFe、Co、CoF
e、CoNiPt等の磁性粒子が分散された構造のグラ
ニュラーなどが挙げられる。磁性層は、内面型、垂直型
のいずれであってもよい。
目的で設けられる。凹凸形成層の形成方法や材料等は特
に制限されない。また、凹凸形成層の形成位置も特に制
限されない。
ディスク装置用の磁気記録媒体の場合、媒体表面に凹凸
形成層の凹凸に起因した凹凸を形成し、この媒体表面の
凹凸によって、磁気ヘッドと磁気記録媒体との吸着を防
止し、CSS耐久性を向上させる目的で形成される。
の磁気記録媒体の場合には、磁気ヘッドや磁気記録媒体
の損傷を避けるため媒体表面はできるだけ平坦であるこ
とが好ましいので、凹凸形成層を設ける必要はない。
0オングストロームであることが好ましい。より好まし
い範囲は、Ra=10〜30オングストロームである。
磁気記録媒体表面が平坦に近いため、磁気ヘッドと磁気
記録媒体とが吸着し、磁気ヘッドや磁気記録媒体が傷つ
いてしまったり、吸着によるヘッドクラッシュを起こし
致命的な損傷を受けるので好ましくない。また、Raが
50オングストロームを越える場合、グライドハイトが
大きくなり記録密度の低下を招くので好ましくない。
れており、特に制限されない。凹凸形成層の材質として
は、Al、Ti、Cr、Ag、Nb、Ta、Bi、S
i、Zr、Cu、Ce、Au、Sn、Pd、Sb、G
e、Mg、In、W、Pb等の金属やそれらの合金、又
はそれら金属や合金の酸化物、窒化物、炭化物を使用す
ることができる。形成が容易である等の観点からは、A
l単体やAl合金、酸化Al(Al2O3など)、窒化A
l(AlNなど)といったAlを主成分とする金属であ
ることが望ましい。
してもよく、離散的に分布した島状突起で構成してもよ
い。この島状突起の高さは、100〜500オングスト
ロームであることが好ましく、100〜300オングス
トロームであることがより好ましい。
(突起)の高さは、凹凸形成層の材質及びその組成、熱
処理条件等によって制御できる。
よるテクスチャー加工、化学的エッチングによるテクス
チャー加工、エネルギービーム照射によるテクスチャー
加工などが挙げられ、それらの方法を組み合わせること
もできる。
金膜、カーボン膜、ジルコニア膜、シリカ膜等が挙げら
れる。これらの保護膜は、下地層、磁性層等とともにイ
ンライン型又は静置対向型スパッタリング装置で連続し
て形成できる。また、これらの保護膜は、単層であって
もよく、あるいは、同一又は異種の膜からなる多層構成
としてもよい。
えて、他の保護層を形成してもよい。例えば、上記保護
層の代わりに、テトラアルコキシランをアルコール系の
溶媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散し
て塗布し、さらに焼成して酸化ケイ素(SiO2)膜を
形成してもよい。この場合、保護層と凹凸形成層の両方
の機能を果たす。
いるが、一般的には、パーフルオロポリエーテル(PF
PE)等からなる液体潤滑剤を、媒体表面にディッピン
グ法(浸漬法)、スピンコート法、スプレイ法等によっ
て塗布し、必要に応じ加熱処理を行って形成する。
的に説明する。
板の製造方法は、大別すると(1)研削、研磨工程、
(2)化学強化工程、(3)冷却工程、(4)加熱した
水溶性の有機溶媒による処理工程に分けられる。
らなるシートガラスを形成する。アルミノシリケイトガ
ラスとしては、モル%表示で、SiO2を57〜74
%、ZnO2を0〜2.8%、Al2O3を3〜15%、
LiO2を7〜16%、Na2Oを4〜14%主成分とし
て含有する化学強化用ガラスを使用した。
ら円盤状にガラスを切り出す。次に、砂かけによって表
面と裏面を研削する。そして円盤状にガラス基板の中央
部を穿孔し、砥石で穿孔された内周面と外周面を研磨し
て外径寸法及び内径寸法を定めるとともに、内周面と外
周面の面取りを行う。そして、研磨工程の最後として表
面及び裏面に精密研磨を施して仕上げる。このようにし
て円盤状ガラス基板を得た。
後、化学強化を施した。化学強化は、硝酸カリウム(6
0%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した化学強化
処理液を用意し、この化学強化処理液を400℃に加熱
し、300℃に予熱された洗浄済みのガラス基板を約3
時間浸漬して行った。この浸漬の際に、ガラス基板の表
面全体が化学強化されるようにするため、複数のガラス
基板が端面で保持されるようにホルダーに収納した状態
で行った。
ることによって、ガラス基板表層のリチウムイオン、ナ
トリウムイオンは、化学強化処理液中のナトリウムイオ
ン、カリウムイオンにそれぞれ置換されガラス基板は強
化される。ガラス基板の表層に形成された圧縮応力層の
厚さは、約100〜200μmであった。
で順次徐冷する。まず、化学強化処理液からガラス基板
を引き上げ、300℃に加熱されている第一徐冷室に移
送し、この中で約10分間保持して300℃にガラス基
板を徐冷する。ついで、第一徐冷室から200℃に加熱
されている第二徐冷室にガラス基板を移送し、300℃
から200℃までガラス基板を徐冷する。このように二
段階に分けて徐冷することにより、熱歪みによるダメー
ジからガラス基板を開放できる。次に、上記徐冷を終え
たガラス基板を、20℃の水槽に浸漬して急冷し約20
分間維持した。
理工程 上記冷却工程を終えたガラス基板を、約120℃に加熱
したグリセリンに30分間浸漬して加熱した水溶性の有
機溶媒による処理を行い、ガラス表面の変質防止処理を
行った。
剤、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、
IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して洗浄し
た。なお、各洗浄槽には超音波(周波数40kHz)を
印加した。
用ガラス基板の表面を、顕微鏡で検査したところ、5μ
m以上のアルカリ溶出によるヤケは発見されなかった。
これに対して、加熱された水溶性の有機溶媒による処理
を行わないものは5μm以上ヤケが数十〜数百個認めら
れた。
環境試験を120時間実施したところ、やけ等のガラス
基板表面の変質は認められなかった。
の両面に、インライン式のスパッタリング装置を用い
て、Cr下地層、CrMo下地層、CoPtCr磁性
層、C保護層を順次成膜して磁気ディスクを得た。
び寿命を調べるたたところ、ガラス基板表面の変質に起
因する磁性膜等の劣化や欠陥は認められなかった。
イドテストを実施したところ、ヒット(ヘッドが磁気デ
ィスク表面の突起にかすること)やクラッシュ(ヘッド
が磁気ディスク表面の突起に衝突すること)は認められ
なかった。また、磁性層等の膜に欠陥が発生していない
ことも確認できた。
理を行ったこと以外は実施例1と同様にして、磁気ディ
スク用ガラス基板及び磁気ディスクを得た。
た。
を行ったこと以外は実施例1と同様にして、磁気ディス
ク用ガラス基板及び磁気ディスクを得た。
た。
コール(分子量600)に10分間浸漬して処理を行っ
たこと以外は実施例1と同様にして、磁気ディスク用ガ
ラス基板及び磁気ディスクを得た。
られた。
れた酸による処理を行ったこと以外は実施例1〜4と同
様にして、磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスク
を得た。
られた。また、析出溶融塩も認められなかった。
に、Al(膜厚50オングストローム)/Cr(100
0オングストローム)/CrMo(100オングストロ
ーム)からなる下地層、CoPtCr(120オングス
トローム)/CrMo(50オングストローム)/Co
PtCr(120オングストローム)からなる磁性層、
Cr(50オングストローム)保護層をインライン型ス
パッタ装置で形成した。
ングストローム)を分散した有機ケイ素化合物溶液(水
とIPAとテトラエトキシシランとの混合液)に浸し、
焼成することによってSiO2からなる保護層を形成
し、さらに、この保護層上をパーフロロポリエーテルか
らなる潤滑剤でディップ処理して潤滑層を形成して、M
Rヘッド用磁気ディスクを得た。
ラス基板表面の変質に起因する磁性膜等の劣化や欠陥は
認められなかった。
ライドテストを実施したところ、ヒットやクラッシュは
認められなかった。また、磁性層等の膜に欠陥が発生し
ていないことも確認できた。
Taとしたこと以外は実施例7と同様にして薄膜ヘッド
用磁気ディスクを得た。
様のことが確認された。
こと以外は実施例1と同様にして、磁気ディスク用ガラ
ス基板及び磁気ディスクを得た。
例1と同様に顕微鏡検査したところ、5μm以上ヤケが
数十〜数百個認められた。また、得られた磁気ディスク
についてその耐候性及び寿命を調べたところ、ガラス基
板表面の変質に起因する磁性膜等の劣化や欠陥が認めら
れた。さらに、得られた磁気ディスクについてグライド
テストを実施したところ、ヒットやクラッシュが認めら
れた。
したが、本発明は必ずしも上記実施例に限定されるもの
ではない。
度、種類、浸漬時間等は実施例のものに限定されず要求
品質レベル等に応じ適宜変更して実施できる。
ク用ガラス基板の製造方法によれば、化学強化処理後
に、ガラス基板を加熱された水溶性の有機溶媒で処理し
ているので、アルカリイオンの溶出を抑制しガラス表面
の変質を高いレベルで防止できる。
で防止できる磁気ディスク用ガラス基板を使用すること
で、耐候性及び寿命に優れ高い信頼性を有する磁気ディ
スクを製造できる。
Claims (10)
- 【請求項1】 加熱した化学強化処理液にガラス基板を
浸漬し、ガラス基板表層のイオンを化学強化処理液中の
イオンでイオン交換してガラス基板を化学強化する工程
と、 化学強化処理後のガラス基板の表面を、加熱された水溶
性の有機溶媒で処理する工程とを含むことを特徴とする
磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 【請求項2】 水溶性の有機溶媒が、グリセリン、又
は、ポリエチレングリコールであることを特徴とする請
求項1記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 【請求項3】 水溶性の有機溶媒の加熱温度が、ガラス
基板表面近傍のアルカリイオンの溶出を抑制しうる温度
であることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気ディ
スク用ガラス基板の製造方法。 - 【請求項4】 水溶性の有機溶媒の加熱温度が、80℃
〜240℃であることを特徴とする請求項1〜3のいず
れか一項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方
法。 - 【請求項5】 水溶性の有機溶媒の加熱温度が、120
℃〜240℃であることを特徴とする請求項1〜4のい
ずれか一項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方
法。 - 【請求項6】 加熱された酸による処理時間が、1分〜
1時間であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
一項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 【請求項7】 磁気ディスク用ガラス基板であって、ガ
ラス表面が、Si−O−Naの非架橋状態から、Si−
O−NaのNa + がヒドロニウムイオンとイオン交換さ
れて水和状態になり、その後、加熱脱水によってシラノ
ール基が形成され、そのシラノール基が脱水されて、ガ
ラス表面でSi−O−Siの架橋化がなされた状態にあ
ることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板。 - 【請求項8】 磁気ディスク用ガラス基板であって、ガ
ラス基板表面を、Si−O−Naの非架橋状態から、S
i−O−Siの架橋化がなされた状態とした ことを特徴
とする磁気ディスク用ガラス基板。 - 【請求項9】 磁気ディスク用ガラス基板が、磁気抵抗
型ヘッドで再生される磁気ディスクに使用されるガラス
基板であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一
項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか一項に記載の
磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を用いて得られた
磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁性層を形
成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08359287A JP3113828B2 (ja) | 1996-12-29 | 1996-12-29 | 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 |
US08/999,480 US6134918A (en) | 1996-12-29 | 1997-12-29 | Method of fabricating glass substrate for magnetic disk and method of fabricating magnetic disk |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08359287A JP3113828B2 (ja) | 1996-12-29 | 1996-12-29 | 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10194789A JPH10194789A (ja) | 1998-07-28 |
JP3113828B2 true JP3113828B2 (ja) | 2000-12-04 |
Family
ID=18463733
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08359287A Expired - Fee Related JP3113828B2 (ja) | 1996-12-29 | 1996-12-29 | 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3113828B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101867157B1 (ko) * | 2016-06-13 | 2018-06-12 | 최춘해 | 방진마스크 |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11302032A (ja) * | 1998-04-17 | 1999-11-02 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | ガラス組成物およびそれを用いた情報記録媒体用基板 |
JP2003030828A (ja) * | 2001-07-18 | 2003-01-31 | Fuji Electric Co Ltd | 情報記録媒体用基板の製造方法、情報記録媒体用基板及び情報記録媒体 |
CN101356134B (zh) | 2006-03-24 | 2011-12-07 | Hoya株式会社 | 磁盘用玻璃衬底的制造方法以及磁盘的制造方法 |
JP5046103B2 (ja) | 2007-09-06 | 2012-10-10 | 富士電機株式会社 | ガラス基板の製造方法 |
JP5365522B2 (ja) * | 2008-07-03 | 2013-12-11 | 旭硝子株式会社 | ガラス基板の研磨方法及び製造方法 |
CN112608033A (zh) * | 2020-09-12 | 2021-04-06 | 重庆鑫景特种玻璃有限公司 | 一种化学强化微晶玻璃及强化方法 |
-
1996
- 1996-12-29 JP JP08359287A patent/JP3113828B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101867157B1 (ko) * | 2016-06-13 | 2018-06-12 | 최춘해 | 방진마스크 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10194789A (ja) | 1998-07-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6134918A (en) | Method of fabricating glass substrate for magnetic disk and method of fabricating magnetic disk | |
JP3995902B2 (ja) | 情報記録媒体用ガラス基板及びそれを用いた磁気情報記録媒体 | |
US6544893B2 (en) | Method of manufacturing a glass substrate for an information recording medium, and method of manufacturing an information recording medium | |
JP5326941B2 (ja) | ガラス表面の微細加工方法 | |
JP3512702B2 (ja) | 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、及び情報記録媒体の製造方法 | |
JP3023429B2 (ja) | 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、及び情報記録媒体の製造方法 | |
JP4218839B2 (ja) | 情報記録媒体用ガラス基板及びそれを用いた磁気情報記録媒体 | |
JP3113828B2 (ja) | 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 | |
WO2006106627A1 (ja) | 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 | |
JP3254157B2 (ja) | 記録媒体用ガラス基板、及び該基板を用いた記録媒体 | |
JP2008090898A (ja) | 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法および情報記録媒体の製造方法 | |
JP2998949B2 (ja) | 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 | |
JP2998953B2 (ja) | 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 | |
JP3078281B2 (ja) | 情報記録媒体用基板の製造方法及び情報記録媒体 | |
JP2951571B2 (ja) | 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 | |
JP3512703B2 (ja) | 磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法、及び磁気記録媒体の製造方法 | |
US20010040150A1 (en) | Glass substrate for information-recording medium and manufacturing method of the glass substrate | |
JP3025654B2 (ja) | 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、及び情報記録媒体の製造方法 | |
JP2998952B2 (ja) | 記録媒体用ガラス基板及び記録媒体の製造方法 | |
JP4942305B2 (ja) | 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 | |
JPH1125454A (ja) | 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、及び情報記録媒体の製造方法 | |
US6312841B1 (en) | Substrate for information recording medium and method of producing it, and information recording medium comprising the substrate | |
JP2003036522A (ja) | 磁気記録媒体用ガラス基板、磁気記録媒体及びそれらの製造方法 | |
JP3534220B2 (ja) | 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、及び情報記録媒体の製造方法 | |
JPH11180738A (ja) | 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法及び情報記録媒体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080922 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080922 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090922 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090922 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100922 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100922 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110922 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120922 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130922 Year of fee payment: 13 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |