JP4218839B2 - 情報記録媒体用ガラス基板及びそれを用いた磁気情報記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、情報記録媒体用ガラス基板およびそれを用いた磁気情報記録媒体に関する。さらに詳しくは、本発明は、耐擦傷性に優れ、かつ軽量で、破壊靭性の大きな情報記録媒体用ガラス基板、および該情報記録媒体用ガラス基板を用いた、ハードディスクに代表される磁気情報記録媒体に関するものである。
従来、磁気情報記録媒体用基板材料としては、アルミニウム、ガラス、セラミックスなどが用いられてきた。現在、サイズや用途に応じて主にアルミニウムとガラスが実用化されている。その中でガラス基板は、表面欠陥が少なく、平滑性や表面硬度が優れているため、その使用範囲が年々拡大してきている。磁気情報記録媒体用基板として用いられるガラスとしては、イオン交換法による化学強化ガラス、結晶化ガラスなどが知られている。化学強化ガラスとしては、例えば、特許文献1には、重量%表示で、SiO2:50〜65%、Al23:0.5〜14%、R2O(但しRはアルカリ金属イオン):10〜32%、ZnO:1〜15%、B23:1.1〜14%を含むガラスをアルカリイオンによるイオン交換法によってガラス基板の表面に圧縮応力層を形成し化学強化された磁気ディスク用ガラス基板が開示されている。また、結晶化ガラスとしては、例えば、特許文献2には、重量%表示で、SiO2:65〜83%、Li2O:8〜13%、K2O:0〜7%、MgO:0.5〜5%、ZnO:0〜5%、PbO:0〜5%、ただし、MgO+ZnO+PbO:0.5〜5%、P25:1〜4%、Al23:0〜7%、As23+Sb23:0〜2%を含み、主結晶として微細なLi2O・2SiO2結晶粒子を含む磁気ディスク用結晶化ガラス基板が開示されている。
しかしながら、近年ハードディスクに代表される磁気ディスクなどの情報記録装置には記録の高密度化、データの書きこみや読み取りの高速化が求められているため、ディスク回転の高速化が必要とされている。現在のディスクの回転速度は7200rpm程度ではあるが、将来的には15000rpmあるいはそれ以上に高速化することが予想される。特に大量のデータを処理するサーバー用ハードディスクドライブにはこの要求がさらに強くなると思われる。しかしながら、記録媒体の回転数を高めると、記録媒体にたわみが生じ共振が大きくなり、記録媒体の表面が磁気ヘッドと衝突して読み取りエラーや磁気ヘッドがクラッシュする危険性が高くなる。したがって、現状の記録媒体では磁気ヘッドと記録媒体の距離(浮上距離)をある程度以下に小さくすることができないので、磁気記録装置の記録密度増加の阻害要因となりつつある。この記録媒体のたわみと共振の問題は高弾性率基板材料の使用により解決される。
しかしながら、これまで一般に使用されてきたアルミニウム基板は、弾性率が72GPa程度で、ガラス基板は80〜100GPa程度であって高速回転化にはまだ対応できないため、基板を厚くしてハードディスクの高速回転化に対応しようとする動きがでてきている。基板の厚み増は重量増を伴うので高速回転化の消耗電力が大きくなる。したがって、密度の大きいアルミニウム合金(2.76g/cm3)より軽い基板材料が市場から求められる。また、アルミニウム基板はガラスより表面硬度が遥かに低く塑性変形が起き易いため、高速回転基板と磁気ヘッドの衝突で記録媒体の表面が凹んでしまうおそれがある。一方、ガラス基板は、弾性率と表面硬度及び表面平滑性ともにアルミニウム基板よりも優れているが、アルミニウム基板より脆いため傷つきやすく、製造工程において形成されるわずかな傷の存在が破損につながる。例えば、磁気ディスク基板としてガラスを用いる場合、円形加工、芯抜き、内外円周面加工など多くの加工処理が必要となる。これらの加工処理中にやはりガラスエッジ部などに破壊基点となりうる傷が多数発生し、製造工程においてのみならずスピンドルへの装着その他取り扱い時においても形成されるわずかな傷が基板破損につながる。特に磁気ディスク回転の高速化にともなってこの問題がより重要となる。これらの問題を解決するため、密度が小さくかつ傷つきにくい基板ガラス、またはガラスの破壊進行に対する抵抗力すなわち破壊靭性が高い基板ガラスを提供することが必要となる。
特開平1−239036号公報 米国特許第5391522号明細書
本発明は、このような事情のもとで、高速回転化や高記録密度化動向に対応することのできる、密度が小さく、かつ耐擦傷性に優れ、傷が付きにくい上、破壊進行に対する抵抗力、すなわち破壊靭性の大きな情報記録媒体用ガラス基板、およびそれを用いた磁気情報記録媒体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、水中および/または乾燥雰囲気において測定された脆さ指標値がある値以下のガラス基板、あるいは特定の組成のガラスからなるガラス基板が、情報記録媒体用ガラス基板として、その目的に適合し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)水中における脆さ指標値が12μm-1/2以下であることを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板(以下、情報記録媒体用ガラス基板Iと称す。)、
(2)露点が−5℃以下の雰囲気における脆さ指標値が7μm-1/2以下であることを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板(以下、情報記録媒体用ガラス基板IIと称す。)、
(3)水中における脆さ指標値が12μm-1/2以下であり、かつ露点が−5℃以下の雰囲気における脆さ指標値が7μm-1/2以下であることを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板(以下、情報記録媒体用ガラス基板IIIと称す。)、
(4)モル%で、SiO2と、B23および/またはAl23とを合計量で65%より多く含むと共に、RO(RはMg、Ca、Zn、SrおよびBaの中から選ばれる少なくとも1種)0〜20%、R'2O(R'はLi、NaおよびKの中から選ばれる少なくとも1種)0〜28%、TiO2 0〜10%およびZrO2 0〜10%を含み、かつ上記成分の合計含有量が95%以上であるガラスからなる上記(1)、(2)または(3)に記載の情報記録媒体用ガラス基板、
(5)モル%で、SiO2 40〜75%、B23および/またはAl23 2〜45%およびR'2O(R'はLi、NaおよびKの中から選ばれる少なくとも1種)0〜40%を含み、かつSiO2とB23とAl23とR'2Oとの合計含有量が90%以上であるガラスからなることを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板(以下、情報記録媒体用ガラス基板IVと称す。)、
(6)水中における脆さ指標値が12μm-1/2以下である上記(5)に記載の情報記録媒体用ガラス基板、
(7)露点が−5℃以下の雰囲気における脆さ指標値が7μm-1/2以下である上記(5)または(6)に記載の情報記録媒体用ガラス基板、
(8)ヤング率が70GPa以上である上記(1)ないし(7)のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板、
(9)剛性率が20GPa以上である上記(1)ないし(8)のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板、
(10)液相温度以上の温度領域において、粘度が1Pa・s以上である領域を有するガラスからなる上記(1)ないし(9)のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板、
(11)熱膨張係数が、100〜300℃の温度において、60×10-7/℃以上であるガラスからなる上記(1)ないし(10)のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板、
(12)化学強化層を有さない上記(1)ないし(11)のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板、
(13)化学強化層を有する上記(1)ないし(11)のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板、および
(14)上記(1)ないし(13)のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板上に、少なくとも磁気記録層を有することを特徴とする磁気情報記録媒体、
を提供するものである。
本発明の情報記録媒体用ガラス基板は、耐擦傷性に優れ、かつ軽量で破壊進行に対する抵抗力、すなわち破壊靭性が大きく、従来の情報記録媒体用ガラス基板に比べて磁気ディスクなどの生産加工中の破損や情報記録媒体としての使用中の破損が大幅に低減できる。さらに、ガラスとしても、市販のガラス基板と同程度または低いコストで大量生産できるため、安価な次世代磁気記録媒体用ガラス基板として大きく期待できる。
本発明の情報記録媒体用ガラス基板には、四つの態様、すなわち情報記録媒体用ガラス基板I〜IVがある。
本発明の情報記録媒体用ガラス基板Iは、水中における脆さ指標値が12μm-1/2以下のガラス基板である。この水中における脆さ指標値は、その値が低いほど、脆くないガラス基板となる。該水中における脆さ指標値は、好ましくは10.5μm-1/2以下、より好ましくは9μm-1/2以下、さらに好ましくは8μm-1/2以下である。水中における脆さ指標値がこのような値であることにより、研磨液に浸った状態で行われるガラス基板の研磨加工時や、研磨液、洗浄液でぬれている状態のガラス基板のハンドリング時の破壊が起こりにくくなる。
本発明の情報記録媒体用ガラス基板IIは、露点が−5℃以下の雰囲気における脆さ指標値が7μm-1/2以下のガラス基板である。該指標値は、好ましくは6μm-1/2以下、より好ましくは5μm-1/2以下、さらに好ましくは4μm-1/2以下である。露点が−5℃以下の雰囲気、すなわち乾燥雰囲気における脆さ指標値がこのような値であることにより、乾燥雰囲気において、情報記録媒体用ガラス基板をハンドリングする際や、該ガラス基板を用いた情報記録媒体の使用時に破壊が起こりにくい。
本発明の情報記録媒体用ガラス基板IIIは、水中における脆さ指標値が12μm-1/2以下であり、かつ露点が−5℃以下の雰囲気における脆さ指標値が7μm-1/2以下のガラス基板である。上記水中における脆さ指標値は、好ましくは10.5μm-1/2以下、より好ましくは9μm-1/2以下、さらに好ましくは8μm-1/2以下であり、上記露点−5℃以下の雰囲気における脆さ指標値は、好ましくは6μm-1/2以下、より好ましくは5μm-1/2以下、さらに好ましくは4μm-1/2以下である。このガラス基板IIIは、前記ガラス基板IおよびIIの両方の性質を備えており、いかなる環境下に使用したり、ハンドリングしても、破壊が起こりにくい。
本発明においては、前記ガラス基板の脆さ指標値として、B.R.Lawnらによって提案された脆さ指標値Bを採用する[「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)」第62巻、第347〜350ページ(1979年)]。ここで、脆さ指標値Bは、ガラスのビッカース硬度値Hvと破壊靭性値Kcから、式
B=Hv/Kc
から定義される。
ガラスのビッカース硬度値Hvと破壊靭性値Kcは、ビッカース硬度計の鋭いダイヤモンド圧子をガラスに押し込む方法により測定するこができる。すなわち、ガラスの硬度はビッカース圧子を押しこんだときにガラスの表面に残る圧子の圧痕の大きさより次式で求められる。
Figure 0004218839
ここで、Pはビッカース圧子の押しこみ荷重であり、aはビッカース圧痕の対角線長である。一方、ガラスの破壊靭性Kcはビッカース圧子を押しこんだときにガラスの表面に残る圧子の圧痕の大きさと圧痕の隅から発生するクラックの長さより次式で求められる。
Figure 0004218839
ここで、Eはガラスのヤング率、Cは圧痕の隅から発生するクラックの長さである。Kcを正しく求めるための必要条件はC/a比が2.5以上に大きくなることである。
ガラスの脆さ指標値Bは、上記で求めたHvおよびKcから、B=Hv/Kcで算出されるが、本発明においては、後述の比較例と比較するために、該比較例を記載する特開平10−158028号公報に示した方法、すなわち
Figure 0004218839
により算出した値を採用する。
特開平10−158028号公報に示した計算式を用いた脆さの値とHv/Kc式で評価した脆さの値との差は殆ど5%以下であるので、特開平10−158028号公報に示した式を用いても正しく評価できる。実際には特開平10−158028号公報に示した計算式はLawnらのHv/Kc計算式をベースにして導出されたもので、基本概念が同じである。
水中における脆さ指標値は、試料表面に純水の水滴を落とし、30秒後にその水滴の上からビッカース圧子を押し込み圧痕およびクラックを導入する。その後すぐに試料を純水中に浸漬し24時間後に取り出し水を拭き取り、直ちに、圧痕、クラックの大きさを測定して算出した値である。また、露点が−5℃以下の雰囲気における脆さ指標値は、乾燥窒素雰囲気下で、試料周辺の露点を測定し、該露点が−5℃以下であることを確認しながら、ビッカース圧子を押し込み圧痕およびクラックを導入し、それらの大きさを測定して算出した値である。
本発明の情報記録媒体用ガラス基板I、II及びIIIは、前述のような脆さ指標値を有することから、傷が付きにくい上、従来のガラスと同等な化学強化も可能であるため、製造工程における破損や、製品として使用中の破損を大幅に減少させることができる。
このようなガラス基板I〜IIIとしては、ガラス組成として、モル%で、SiO2と、B23および/またはAl23とを合計量で65%より多く含むと共に、RO(RはMg、Ca、Zn、SrおよびBaの中から選ばれる少なくとも1種)0〜20%、R'2O(R'はLi、NaおよびKの中から選ばれる少なくとも1種)0〜28%、TiO2 0〜10%およびZrO2 0〜10%を含み、かつ上記成分の合計含有量が95%以上であるガラスからなるものを挙げることができる。
このガラス組成において、SiO2と、B23および/またはAl23との合計含有量は、好ましくは65モル%より多く90モル%以下、より好ましくは70〜90モル%、さらに好ましくは70〜85モル%の範囲である。また、SiO2の含有量は、好ましくは40〜75モル%、より好ましくは50〜70モル%であり、Al23の含有量は、好ましくは0〜25モル%、より好ましくは1〜20モル%、さらに好ましくは2〜15モル%である。B23の含有量は、好ましくは0〜25モル%、より好ましくは1〜25モル%、さらに好ましくは2〜20モル%である。前記ROの含有量は、好ましくは15モル%以下、より好ましくは12モル%以下である。また、MgOの含有量は、好ましくは15モル%以下、より好ましくは12モル%以下であり、CaOの含有量は、好ましくは10モル%以下、より好ましくは8モル%以下である。ZnOの含有量は、好ましくは10モル%以下、より好ましくは8モル%以下であり、SrOの含有量は、好ましくは10モル%以下、より好ましくは8モル%以下である。BaOの含有量は、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下である。このROとしては、MgOが好ましい。
R'2Oの含有量は、好ましくは25モル%以下、より好ましくは10〜25モル%である。また、Li2Oの含有量は、好ましくは20モル%以下、より好ましくは18モル%以下、さらに好ましくは5〜15モル%であり、Na2Oの含有量は、好ましくは20モル%以下、より好ましくは15モル%以下、さらに好ましくは1〜10モル%である。K2Oの含有量は、好ましくは15モル%以下、より好ましくは10モル%以下、さらに好ましくは0〜8モル%である。また、SiO2とB23とAl23とROとR'2Oとの合計含有量は、好ましくは85モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上である。
さらに、TiO2の含有量は、好ましくは0〜7モル%、より好ましくは0〜5モル%であり、ZrO2の含有量は、好ましくは0〜8モル%、より好ましくは0〜6モル%である。また、SiO2とB23とAl23とROとR'2OとTiO2とZrO2との合計含有量は、好ましくは95モル%以上、より好ましくは98モル%以上である。さらに、B23とAl23のモル比(B23/Al23)は0.5〜1.5の範囲が好ましく、より好ましくは0.8〜1.2の範囲である。
以上の成分の組み合わせとしては、例えばモル%で、SiO2 40〜75%、B23 1〜25%、Al23 1〜20%(ただし、SiO2とB23とAl23との合計含有量が65%を超える。)、MgO 0〜15%、ZnO 0〜10%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%(ただし、MgOとCaOとZnOとSrOとBaOの合計含有量が20%未満である。)、Li2O 0〜20%、Na2O 0〜20%、K2O 0〜15%(ただし、Li2OとNa2OとK2Oとの合計含有量が28%未満である。)、TiO2 0〜10%およびZrO2 0〜10%を含み、かつ上記成分の合計含有量が95%以上であるガラス挙げることができる。
SiO2はガラスの網目構造を形成する主成分であり、その含有量は、40モル%未満では、ガラスの耐久性が悪化し、ガラスが失透しやすくなる。一方、75モル%を超えると、高温粘性が高くなり、ガラスが溶けにくくなる。したがって、SiO2の含有率は40〜75モル%の範囲が好ましく、特に50〜70モル%の範囲が好ましい。
23は本発明の重要な成分である。SiO2の代わりにB23を導入すると、ガラスの脆さが大幅に低下し、比重も低くなる上、高温粘性も低下してガラスの溶解性が大きく改善される。しかし、その導入量が25モル%を超えて多くなると、ガラスの耐久性が悪化し、分相しやすくなるので良質なガラスが作れなくなる場合がある。一方、その導入量が1モル%未満では脆さが悪化し、高温粘性も高くなるので、低コストの量産化ができなくなるおそれがある。したがって、B23の含有量は1〜25モル%が好ましく、特に2〜20モル%の範囲が好ましい。
Al23はガラスに耐熱性や耐久性及び低脆性を寄与する成分としても、SiO2とともにガラス構造の安定化及びその剛性度を高める成分としても非常に重要である。しかし、その含有率が1モル%未満ではガラスからのアルカリの溶出を抑える効果が小さく、耐久性のよいガラスを作りにくいし、20モル%を超えて導入すると、ガラスの高温溶融性が悪化するので、その含有率は1〜20モル%の範囲が好ましく、より好ましくは2〜15モル%の範囲である。
MgO、CaO、ZnO、SrO及びBaOはガラスの溶解時の粘性を下げ、溶融性や量産性を高めるために導入された成分である。合計含有量が20モル%以上では脆さが高くなるのでガラスが傷つきやすくなり、比重も失透温度も高くなる傾向がある。ガラスの溶解性と低脆性の両方を考慮してMgO、CaO、ZnO、SrO及びBaOの含有量は、MgOが0〜15モル%、好ましくは0〜12モル%、ZnOが0〜10モル%、好ましくは0〜8モル%、CaOが0〜10モル%、好ましくは0〜8モル%、SrOが0〜10モル%、好ましくは0〜8モル%、BaOが0〜10モル%、好ましくは0〜5モル%の範囲であり、それらの合計含有量は好ましくは20モル%未満、より好ましくは15モル%以下である。
Li2O、Na2O、K2Oはガラスの溶解時の粘性を下げ、溶解を促進するとともに、ガラスの脆さを低くする非常に有用な成分である。しかし、その導入量が28%以上になると、化学的耐久性が悪化するだけでなく、アルカリがガラス表面に多く析出するようになるため、磁性膜を侵食してしまう恐れがあるので、Li2O、Na2O、K2Oの含有量を、Li2Oが0〜20モル%、好ましくは0〜18モル%、Na2Oが0〜20モル%、好ましくは0〜15モル%、K2Oが0〜15モル%、好ましくは0〜10モル%とすると共に、それらの合計含有量を好ましくは28モル%未満、より好ましくは25モル%以下に抑える。
SiO2とB23とAl23との合計含有量は、好ましくは70〜90モル%、より好ましくは80〜90モル%の範囲であり、ROとR'2Oとの合計含有量は、好ましくは5〜35モル%、より好ましくは10〜30モル%、さらに好ましくは10〜25モル%、特に好ましくは10〜22モル%である。
ZrO2、TiO2はガラスの化学的耐久性を向上させ、剛性度を高めるために導入される成分である。少量のZrO2及びTiO2をガラスに添加すると、ガラスの耐久性も弾性率も脆さも改善されるが、比重が急増するし、より多く導入するとガラスの失透傾向が強くなる。したがって、ZrO2とTiO2の含有量がそれぞれ0〜10モル%、好ましくは0〜7モル%および0〜10モル%、好ましくは0〜8モル%に制限される。
また、上記成分の合計含有量は95モル%以上である。
このガラスには、上記成分以外に、ガラスの溶解性、清澄性、成形性などを改善するため、As23、Sb23、F、Cl、SO3を合計で2モル%以下に導入することが可能である。また、ガラスの耐久性や弾性率を向上させるため、Y23、La23などの希土類金属酸化物などその他の酸化物を5モル%以下の割合で添加できる。
さらに、モル%で、SiO2 55〜75%、B23 0〜20%、Al23 1〜20%(ただし、SiO2とB23とAl23との合計含有量が65%以上)、MgO 0〜15%、ZnO 0〜10%、CaO 0〜10%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%(ただし、MgOとCaOとZnOとSrOとBaOの合計含有量(ROの含有量)が20%以下)、Li2O 0〜20%、Na2O 0〜20%、K2O 0〜6%(ただし、Li2OとNa2OとK2Oとの合計含有量(R'2O含有量)が28%以下)、TiO2 0〜10%およびZrO2 0〜10%を含み、かつ上記成分の合計含有量が95%以上のガラスも挙げることができる。
本発明の情報記録媒体用ガラス基板IVは、モル%でSiO2 40〜75%、B23および/またはAl23 2〜45%およびR'2O(R'はLi、NaおよびKの中から選ばれる少なくとも1種)0〜40%を含み、かつSiO2とB23とAl23とR'2Oとの合計含有量が90%以上であるガラスからなるものである。
このガラス組成において、SiO2の含有量は50〜70モル%が好ましく、B23の含有量は、好ましくは0〜25モル%、より好ましくは1〜25モル%、さらに好ましくは2〜20モル%であり、Al23の含有量は、好ましくは0〜25モル%、より好ましくは1〜20モル%、さらに好ましくは2〜15モル%である。SiO2とB23とAl23との合計含有量は、好ましくは65〜90モル%、より好ましくは70〜90モル%、さらに好ましくは70〜85モル%である。R'2O含有量は、好ましくは0〜28モル%(ただし、ROが0モル%の場合は0を除く)、より好ましくは25モル%以下、さらに好ましくは10〜25モル%である。Li2Oの含有量は、好ましくは20モル%以下、より好ましくは18モル%以下、さらに好ましくは5〜15モル%であり、Na2Oの含有量は、好ましくは20モル%以下、より好ましくは15モル%以下、さらに好ましくは1〜10モル%であり、K2Oの含有量は、好ましくは15モル%以下、より好ましくは10モル%以下、さらに好ましくは0〜8モル%である。さらに、ROの含有量は、好ましくは15モル%以下、より好ましくは12モル%以下である。また、MgOの含有量は、好ましくは15モル%以下、より好ましくは12モル%以下であり、CaOの含有量は、好ましくは10モル%以下、より好ましくは8モル%以下である。ZnOの含有量は、好ましくは10モル%以下、より好ましくは8モル%以下であり、SrOの含有量は、好ましくは10モル%以下、より好ましくは8モル%以下である。BaOの含有量は、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下である。ROとしては、特にMgOが好ましい。
ROとR'2Oとの合計含有量は、好ましくは5〜35モル%、より好ましくは10〜30モル%、さらに好ましくは10〜25モル%、特に好ましくは10〜22モル%である。さらに、TiO2 0〜10モル%を含むことができ、好ましいTiO2の含有量は0〜7モル%である。またZrO2 0〜10モル%を含むことができ、好ましいZrO2含有量は0〜7モル%である。
このガラス基板IVは、水中における脆さ指標値を12μm-1/2以下、好ましくは10.5μm-1/2以下、より好ましくは9μm-1/2以下、さらに好ましくは8μm-1/2以下とすることができる。また、露点が−5℃以下の雰囲気における脆さ指標値を7μm-1/2以下、好ましくは6μm-1/2以下、より好ましくは5μm-1/2以下、さらに好ましくは4μm-1/2以下とすることができる。
本発明の情報記録媒体用ガラス基板I〜IVにおいては、ヤング率を70GPa以上、好ましくは75GPa以上、より好ましくは85GPa以上とすることができる。
薄肉のガラス基板を含む情報記録媒体を高速回転させた際に当該ガラス基板が共振等によって変形するのを防止する上からは、ガラス基板のヤング率を高めることが好ましい。例えばヤング率が70GPa以上のガラスからなる、直径3.5インチ、厚さ0.635mmのガラス基板を用いて作製した磁気ディスクを10000rpmで回転させた際に、当該磁気ディスクと記録再生ヘッドとのフライングハイトを概ね1μm以下で安定に確保することができる。
また、水中における脆さ指標値の低いガラス基板において、さらにヤング率が70GPa以上であることにより、ガラス基板を研磨液に浸った状態で研削、研磨する際の割れや、研磨液や洗浄液でぬれた状態のガラス基板をハンドリングする際の破壊が格段に起こりにくくなる。
さらに、水中および/または乾燥雰囲気中における脆さ指標値の低いガラス基板において、さらにヤング率が70GPa以上であることにより、ガラス基板が回転や荷重によりたわみにくいため、ガラス基板の研磨加工時や情報記録媒体使用時、特に情報記録媒体が高速回転する際の破壊がさらに起こりにくくなる。
また、本発明のガラス基板I〜IVにおいては、剛性率を20GPa以上、好ましくは25GPa以上、より好ましくは30GPa以上とすることができる。
薄肉のガラス基板を含む情報記録媒体を高速回転させた際に当該ガラス基板が共振等によって変形するのを防止する上からは、ガラス基板の剛性率を高めることが好ましい。例えば剛性率が20GPa以上のガラスからなる、直径3.5インチ、厚さ0.635mmのガラス基板を用いて作製した磁気ディスクを10000rpmで回転させた際に、当該磁気ディスクと記録再生ヘッドとのフライングハイトを概ね1μm以下で安定に確保することができる。
また、水中における脆さ指標値の低いガラス基板において、さらに剛性率が20GPa以上であることにより、ガラス基板を研磨液に浸った状態で研削、研磨する際の割れや、研磨液や洗浄液でぬれた状態のガラス基板をハンドリングする際の破壊が格段に起こりにくくなる。
さらに、水中および/または乾燥雰囲気中における脆さ指標値の低いガラス基板において、さらに剛性率が20GPa以上であることにより、ガラス基板が回転や荷重によりたわみにくいため、ガラス基板の研磨加工時や情報記録媒体使用時、特に情報記録媒体が高速回転する際の破壊がさらに起こりにくくなる。
また、本発明のガラス基板I〜IVにおいて、比弾性率(ヤング率をその密度で除した値)が27×106N・m/kg以上とすることができる。
この比弾性率が27×106N・m/kg以上では、情報記録媒体の高速回転時のたわみを2μm以下にすることができ、その結果として、フライングハイトを1μm以下で安定に確保することできる。また、高速回転時のたわみが少ないことにより、脆さ指標値の小さいガラス基板では、破壊がさらに起こりにくくなる。この比弾性率は30×106N・m/kg以上であることがより好ましい。
また、本発明のガラス基板I〜IVにおいては、密度を2.65g/cm3以下、好ましくは2.50g/cm3以下とすることもできる。
さらに、本発明のガラス基板I〜IVにおいては、破壊靭性値を0.75MPa/m1/2以上、好ましくは0.80MPa/m1/2以上、より好ましくは0.83MPa/m1/2以上である。破壊靭性値が0.75MPa/m1/2以上であるとガラス基板加工時や、情報記録媒体の使用時における破壊が起こりにくくなる。
本発明の情報記録媒体用ガラス基板I〜IVにおいては、液相温度以上の温度領域において、粘度が1Pa・s以上である領域を有するガラスからなるものが好ましい。
情報記録媒体用ガラス基板を得るためには、その製造工程で実質的に失透しないようにする必要があり、そのためには少なくとも原料の溶解、溶解したガラスの成形型への供給を液相温度以上で行う必要がある。
このため、本発明のガラス基板I〜IVにおいては材料ガラスの液相温度を1350℃以下とすることが好ましく、1250℃以下であることがより好ましく、1150℃以下であることが特に好ましい。
ここで、溶融ガラスを成形型へ供給する際の粘度が1Pa・s未満であると、溶融ガラスの流量の制御が困難になるばかりか、プレス成形により薄肉で平坦な情報記録媒体用ガラス基板を得ることが困難となる。
なお、本発明のガラス基板I〜IVは、液相温度以上の温度領域において粘度が3Pa・s以上である領域を有するガラスからなるものが、より好ましい。
本発明のガラス基板I〜IVにおいては、材料ガラスの転移点を470〜640℃とすることができる。ガラス転移点が高すぎるとプレス成形できる温度領域が狭くなり、薄肉のガラス基板をプレス成形しにくくなるし、一方、ガラス転移点が低すぎるとガラス基板に記録層などの磁性膜を形成する際または形成した後に、磁気特性の向上などの目的で行う加熱処理温度の範囲が狭くなる。好ましい転移点は470〜620℃の範囲である。
本発明の情報記録媒体用ガラス基板I〜IVにおいては、熱膨張係数が、100〜300℃の温度において、60×10-7/℃以上であるガラスからなるものが好ましい。
磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の情報記録媒体へ情報を記録する際、あるいは、当該情報記録媒体に記録されている情報を再生する際には、当該情報記録媒体は情報処理装置内に設けられているドライブモータのスピンドルにクランプによって固定された状態で回転するが、この際、情報記録媒体の熱膨張係数と前記のクランプの熱膨張係数とが著しく異なっていると、次のような問題が生じる。
すなわち、情報記録媒体を回転させる際には、ドライブモータの発熱等によって、情報記録媒体、スピンドル、クランプ等の温度が例えば90℃程度まで急激に昇温するが、情報記録媒体の熱膨張係数と前記のクランプの熱膨張係数とが著しく異なっていると、前記の昇温によって情報記録媒体とクランプとの間で緩みが生じたり、情報記録媒体に歪みや撓みが生じ、その結果として、情報記録媒体におけるデータ記録箇所(トラック)の位置が変化して、情報の記録あるいは再生にエラーが生じやすくなる。このような問題は、特に、3.5インチのような大きな基板で問題になる。
したがって、本発明のガラス基板I〜IVの熱膨張係数は前記のクランプの熱膨張係数にできるだけ近似していることが好ましい。前記のクランプは一般にステンレス合金によって作製されているので、本発明のガラス基板I〜IVの100〜300℃における熱膨張係数は、60×10-7/℃以上であるのが好ましく、より好ましくは70×10-7/℃以上、さらに好ましくは70×10-7/℃〜120×10-7/℃、特に好ましくは80×10-7/℃〜100×10-7/℃である。
本発明の情報記録媒体用ガラス基板I〜IVは、化学強化層を有していないものであってもよいし、所望により、公知の化学強化処理を行い、化学強化層を設けたものであってもよい。化学強化処理を行う場合には、前述のガラス組成の範囲の中から、化学強化処理に適した組成を選択するのがよい。
化学強化処理は、イオン交換法によって行うことができる。このイオン交換法は、Naイオン、Kイオンを含有する溶融塩を用いて行われ、化学強化ガラスが得られる。Naイオン、Kイオンを含む処理溶融塩としては、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム及びその混合溶融塩を用いるのが好ましいが、硝酸塩に限定されるものではなく、硫酸塩、重硫酸塩、炭酸塩、ハロゲン化物などを用いてもよい。前述のように、本発明で用いるガラスは、低脆さ高破壊靭性を有し、イオン交換により曲げ強度も高くなるので、得られた化学強化ガラスは優れた破壊耐性を有する。
本発明の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法としては特に制限はなく、各種の方法を用いることができる。例えば、高温溶融法すなわち所定の割合のガラス原料を空気中か不活性ガス雰囲気で溶解し、バブリングや攪拌などによってガラスの均質化を行い、周知のプレス法、ダウンドロー法及びフロート法により板ガラスに成形され、その後、円形加工、芯抜き、内外円周加工、研削、研磨などが施され、所望のサイズ、形状の情報記録媒体用基板とされる。なお、研磨では研磨材やダイヤモンドペレットによりラップイング及び酸化セリウムなどの研磨材によるポリシング加工を行うことで、表面精度を例えば0.1〜0.6nmの範囲にすることができる。
本発明の磁気情報記録媒体は、前述の本発明の情報記録媒体用ガラス基板I〜IV上に、少なくとも磁気記録層を有するものであり、該磁気情報記録媒体の構成としては、例えば前記ガラス基板上に、順次下地層、磁気記録層、保護層、潤滑層を順次設けた構成を挙げることができる。
ここで、磁気記録層としては、例えばCo−Cr系、Co−Cr−Pt系、Co−Ni−Cr系、Co−Ni−Pt系、Co−Ni−Cr−Pt系及びCo−Cr−Ta系などを用いることができる。下地層としては、例えばNi層、Ni−P層、Cr層などを用いることができ、保護層としては、例えばカーボン膜などを用いることができ、潤滑層としては、例えばパーフルオロポリエーテル系などの潤滑材を使用することができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で得られたガラスの物性は、以下に示す方法に従って測定した。
(1)ヤング率
20×20×100mmの試料を作製し、5MHzの超音波が前記の試料中を伝播する際の縦波速度(Vl)と横波速度(Vs)とをシングアラウンド式音速測定装置(超音波工業社製のUVM−2)を用いて測定した後、次式によって求めた。
ヤング率=(4G2−3G・Vl2・ρ)/(G−Vl2・ρ)
G=Vs2・ρ
ρ:試料の密度(g/cm3
(2)剛性率
上記(1)のヤング率測定時にGとして剛性率を求めることができる。
(3)液相温度
試料を白金製の容器に入れて傾斜温度炉内に30分間放置した後、試料の表面および内部における結晶の有無を光学顕微鏡を用いて観察した。そして、結晶が析出しない最低温度を液相温度とした。
(4)ガラス転移点(Tg)、屈服点(Td)
5mmφ×20mmの試料について、リガク社製の熱機械分析装置(TMA8140)を用いて+4℃/分の昇温速度で測定した。なお、標準試料としてはSiO2を用いた。
(5)熱膨張係数
100〜300℃における平均熱膨張係数を意味し、ガラス転移点の測定時に一緒に測定した。
(6)脆さ指標値
(株)明石製作所の微小硬度計(MVK-E)を用いて、2mm厚の板状に加工した試料に対して表1〜表15中に示した押し込み荷重でビッカース圧子を押し込み、試料に圧痕及びクラックを導入した。
押し込み荷重は、プロバビリティーが60以上となるような値にすることが、正確な脆さ指標値、ビッカース硬度、破壊靭性等を測定するうえで好ましく、70以上となるような値がより好ましく、80以上となるような値がさらに好ましい。
測定されたビッカース圧痕の対角線長a、ビッカース圧子を押し込んだときに試料表面に生じる、ビッカース圧痕の隅から発生するクラックの長さCを測定した。
以上の測定値より、前記数式(1)〜(3)を用いて、ビッカース硬度Hv、破壊靭性Kc、脆さ指標値Bを求めた。
なお、水中における脆さ指標値B、ビッカース硬度Hv、破壊靭性Kc等を求めるためには、試料表面に純粋の水滴を落とし、30秒後にその水滴の上からビッカース圧子を試料に押し込み圧痕及びクラックを導入する。
また、露点が−5℃以下の雰囲気における脆さ指標値B、ビッカース硬度Hv、破壊靭性Kc等を求めるためには、乾燥窒素雰囲気下で、試料周辺の露点が−5℃以下であることを確認しながら、試料にビッカース圧子を押し込み、圧痕及びクラックを導入する。
なお、表1〜表14中のプロバビリティとは、圧痕の4つの各頂点から生じるクラックの各頂点当たりの発生確率のことである。
実施例1〜81
表1〜表14に示す組成のガラスが得られるように、出発原料としてSiO2、Al23、Al(OH)3、B23、HBO3、MgO、Mg(OH)2、MgCO3、CaCO3、SrCO3、BaCO3、ZnO、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、TiO2、及びZrO2などを用いて300〜1500g秤量し、十分に混合して調合バッチと成し、これを白金坩堝に入れ、1400〜1600℃の温度で空気中約3〜8時間ガラスの溶解を行った。溶融後、ガラス融液を40×40×20mmカーボン金型に流し、ガラスの転移点温度まで放冷してから直ちにアニール炉に入れ、1時間保持した後、炉内で室温まで放冷した。得られたガラスは顕微鏡で観察できるほどの結晶が析出しなかった。
このようにして得られたガラスを加工して、各物性評価用のサンプルを作製し、物性評価を行った。その結果を表1〜表14に示す。
Figure 0004218839
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比較例1〜3
特開平10−158028号公報に記載されているガラスについて、その物性を表15に示した。
Figure 0004218839
実施例82
実施例1〜81で得られたガラスを用い、(1)粗ラッピング工程(粗研削工程)、(2)形状加工工程、(3)精ラッピング工程(精研削工程)、(4)端面鏡面加工工程、(5)第1研磨工程、(6)第2研磨工程、(7)検査工程及び(8)磁気ディスク製造工程を順次行うことにより、情報記録媒体用ガラス基板を作製し、さらに磁気ディスクを製造した。
なお、上記(4)端面鏡面加工工程から(6)第2研磨工程までの研磨装置に使用する研磨液の水は、純水を使用した。
(1)粗ラッピング工程
まず、溶融ガラスから上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスにより直径96mmφ、厚さ1.5mmの円盤状のガラス基板を得た。なお、この場合、ダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスから研削砥石で切り出して円盤状のガラス基板を得てもよい。
次いで、ガラス基板に寸法精度及び形状精度を向上させるためラッピング工程を行った。このラッピング工程は両面ラッピング装置を用い、粒度#400の砥粒を用いて行なった。具体的には、はじめに粒度#400のアルミナ砥粒を用い、荷重を980N程度に設定して、サンギアとインターナルギアを回転させることによって、キャリア内に収納したガラス基板の両面を面精度0〜1μm、表面粗さ(Rmax)6μm程度にラッピングした。
(2)形状加工工程
次に、円筒状の砥石を用いてガラス基板の中央部分に孔を空けると共に、外周端面の研削をして直径を95mmφとした後、外周端面および内周端面に所定の面取り加工を施した。この際のガラス基板端面の表面粗さは、Rmaxで4μm程度であった。
(3)精ラッピング工程
次に、砥粒の粒度を#1000に変え、ガラス基板表面をラッピングすることにより、表面粗さをRmaxで2μm程度、Raで0.2μm程度とした。上記ラッピング工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、水の各洗浄槽(超音波印加)に順次浸漬して、超音波洗浄を行なった。
(4)端面鏡面加工工程
次いで、ブラシ研磨により、ガラス基板を回転させながらガラス基板の端面(内周、外周)の表面の粗さを、Rmaxで1μm、Raで0.3μm程度に研磨した。そして、上記端面鏡面加工を終えたガラス基板の表面を水洗浄した。
(5)第1研磨工程
次に、上述したラッピング工程で残留した傷や歪みを除去するため第1研磨工程を両面研磨装置を用いて行なった。両面研磨装置においては、研磨パッドが貼り付けられた上下定盤の間にキャリアにより保持したガラス基板を密着させ、このキャリアをサンギアとインターナルギアとに噛合させ、上記ガラス基板を上下定盤によって挟圧する。その後、研磨パッドとガラス基板の研磨面との間に研磨液を供給して回転させることによって、ガラス基板が定盤上で自転しながら公転して両面を同時に研磨加工するものである。以下、実施例で使用する両面研磨装置としては同一装置を用いた。
具体的には、ポリシャとして硬質ポリシャ(硬質発泡ウレタン)を用い、研磨工程を実施した。研磨条件は、研磨液として酸化セリウム(平均粒径1.3μm)+純水とし、荷重:9.8mN/mm2、研磨時間:15分とした。上記第1研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、イソプロピルアルコール(IPA)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
(6)第2研磨工程
次に第1研磨工程で使用したものと同じタイプの両面研磨装置を用い、ポリシャを軟質ポリシャ(スウェードパット)に変えて、第2研磨工程を実施した。この第2研磨工程は、上述した第1研磨工程で得られた平坦な表面を維持しつつ、例えば表面粗さRaを1.0〜0.3μm程度以下まで低減させることを目的とするものである。研磨条件は、研磨液として酸化セリウム(平均粒径0.8μm)+純水とし、荷重:9.8mN/mm2、研磨時間を5分とした。上記第2研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
本実施例のガラス基板は、化学強化層を有さないが、前記研磨工程中や工程と工程のハンドリング時においてガラス基板が破壊しなかった。
(7)検査工程
次に、上記乾燥を終えたガラス基板表面の目視検査及び光の反射・散乱・透過を利用した精密検査を実施した。その結果、ガラス基板表面に傷等の欠陥は発見されなかった。
また、上記工程を経て得られたガラス基板の主表面の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)にて測定したところ、Rmax=2.13nm、Ra=0.20nmと超平滑な表面を持つ磁気ディスク用ガラス基板を得た。
(8)磁気ディスク製造工程
上記工程を経て得られた磁気ディスク用ガラス基板の両主表面に、インライン型スパッタリング装置を用いて、NiAlシード層、CrV下地層、CoPtCrB磁性層、水素化カーボン保護層を順次成膜し、さらにディップ法によりパーフルオロポリエーテル潤滑層を成膜して磁気ディスクを得た。得られた磁気ディスクについて、タッチダウンハイト試験を実施したところ、タッチダウンハイトが5nmと良好な値を示した。また、ロードアンロード試験(10万回)を行なってもヘッドがクラッシュすることがなかった。
実施例83
実施例82における前記(6)第2研磨工程と前記(7)の検査工程の間に下記化学強化工程を行ったこと以外は、実施例82と同様に磁気ディスクの製造を行った。
化学強化工程は硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの混合物を含む化学強化液を用意し、この化学強化溶液を380℃に加熱し、上記洗浄・乾燥済みのガラス基板を約4時間浸漬して化学強化処理を行ない、化学強化を終えたガラス基板を硫酸、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
得られたガラス基板について、0.4mmの薄片を切り出し、偏光顕微鏡を使用して測定したところ、化学強化層が形成されていることが確認された。本実施例のガラス基板は、前記研磨工程中や工程と工程のハンドリング時においてガラス基板が破壊しなかった。
得られた磁気ディスクについて、タッチダウンハイト試験を実施したところ、タッチダウンハイトが5nmと良好な値を示した。また、ロードアンロード試験(10万回)を行なってもヘッドがクラッシュすることがなかった。
本発明の情報記録媒体用ガラス基板は、密度が小さく、かつ耐擦傷性に優れ、傷が付きにくい上、破壊進行に対する抵抗力、すなわち破壊靭性の大きいため、磁気情報記録媒体として好適に用いることができる。

Claims (15)

  1. モル%で、SiO2 40〜75%、Al 2 3 2〜15%、B 2 3 0〜25%、RO(RはMg、Ca、Zn、SrおよびBaの中から選ばれる少なくとも1種)12%以下、R'2O(R'はLi、NaおよびKの中から選ばれる少なくとも1種)1025、TiO 2 0〜7%、ZrO 2 0〜7%、R’ 2 OとしてLi 2 O 10〜18%、Na 2 O 1〜15%およびK 2 O 0〜8%を含み、かつSiO2 とAl23とB23ROとR’2Oとの合計含有量が90%以上、ROとR’ 2 Oとの合計含有量が10〜25%であるガラスからなることを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板。
  2. ROとしてMgOを含むガラスからなる請求項1に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
  3. ROとしてMgOを1モル%以上含むガラスからなる請求項2に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
  4. ROを5モル%以下含むガラスからなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
  5. Na 2 Oを1〜5モル%含むガラスからなる請求項1、2、4のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
  6. SiO 2 を60〜75モル%含むガラスからなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
  7. SiO 2 を60〜75モル%、Na 2 Oを1〜5モル%、ROを5モル%以下含むガラスからなる請求項2に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
  8. SiO 2 を60〜75モル%、ROを5モル%以下含むガラスからなる請求項3に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
  9. ヤング率が70GPa以上である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
  10. 剛性率が20GPa以上である請求項1ないし9のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
  11. 液相温度以上の温度領域において、粘度が1Pa・s以上である領域を有するガラスからなる請求項1ないし10のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
  12. 熱膨張係数が、100〜300℃の温度において、60×10-7/℃以上であるガラスからなる請求項1ないし11のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
  13. 化学強化層を有さない請求項1ないし12のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
  14. 化学強化層を有する請求項1ないし12のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
  15. 請求項1ないし14のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板上に、少なくとも磁気記録層を有することを特徴とする磁気情報記録媒体。
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