JP2008308405A - ガラス物品およびそれを用いた磁気記録媒体用ガラス基板 - Google Patents

ガラス物品およびそれを用いた磁気記録媒体用ガラス基板 Download PDF

Info

Publication number
JP2008308405A
JP2008308405A JP2008205041A JP2008205041A JP2008308405A JP 2008308405 A JP2008308405 A JP 2008308405A JP 2008205041 A JP2008205041 A JP 2008205041A JP 2008205041 A JP2008205041 A JP 2008205041A JP 2008308405 A JP2008308405 A JP 2008308405A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
glass article
temperature
thermal expansion
sro
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008205041A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichi Kishimoto
正一 岸本
Akihiro Koyama
昭浩 小山
Hiroyuki Tanaka
弘之 田中
Nobuyuki Yamamoto
信行 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Hoya Corp
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp, Nippon Sheet Glass Co Ltd filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2008205041A priority Critical patent/JP2008308405A/ja
Publication of JP2008308405A publication Critical patent/JP2008308405A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Glass Compositions (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

【課題】低温での熱膨張係数が大きく、酸性洗浄液などによる洗浄によって、傷などの欠点のない清浄な表面を容易に得ることができ、かつ安価で容易に大量に製造できるガラスを提供する。
【解決手段】Li2Oを含むアルミノシリケートガラス物品であって、酸性液に対する溶解速度が、0.1質量%、50℃のフッ酸水溶液中に浸漬したときのエッチング速度で規定して30nm/分~60nm/分、-50℃〜70℃における平均線熱膨張係数が70×10-7/℃以上、および作業温度T4℃と液相温度TL℃との関係がT4-TL≧-100℃であり、その組成がモル%で示して、SiO2:60〜70,Al2O3:4〜15,Li2O:5〜15,Na2O:8〜20,K2O:0〜2,MgO:0.1〜5,CaO:1〜8,SrO:0〜3,BaO:0〜2,TiO2:0〜3,ZrO2:0〜3,R2O(=Li2O+Na2O+K2O):18〜35,RO(=MgO+CaO+SrO+BaO):1.5〜10,その他:0〜3,の成分からなることを特徴とするガラス物品。
【選択図】なし

Description

本発明は、ハードディスクや光磁気ディスク等の磁気記録媒体用基板、あるいは電気・電子部品用基板、光学部品および光学部品用基板に適し、低温時においても大きな熱膨張係数を持ち、フロート製法によって容易に製造することができるガラス物品に関する。さらに、酸性洗浄液により清浄なガラス表面を容易に得ることができるガラス物品に関する。
近年、情報のデジタル化が進み、小形かつ大容量の記憶媒体の要求が、極めて大きくなってきている。この要求を満たすためには、記録の高密度化を図ることが不可欠である。現在、記憶容量・装置の寸法・コストなどのバランスのとれている記憶媒体が、ガラス製基板を用いたハードディスク装置(HDD装置)であり、これまでのコンピュータだけではなく、今後はビデオ、カメラ、テレビなど民生用電気製品にも、多量に使われようとしている。このハードディスクにおいて記録の高密度化を実現するには、基板については基板表面の平坦度を高める必要があるとともに、容易に多量に生産できることが必要である。
こうした要請に対して、特開2000−357318号公報には、大量生産に適した情報記録媒体基板用ガラスが開示されている。この公報に開示の基板用ガラスは、ヤング率が85GPa以上であり、耐候性に優れ、フロート製法など連続成形法を用いて生産するのに適している、とされている。
一方、ガラス基板を用いたハードディスクでは、基板がガラス製であるのに対し、他の機構部品にはステンレスなどの金属製のものが用いられている。ガラスと金属とでは、熱膨張係数に差があり、従来ハードディスクの基板として用いられてきたガラス基板は、概して金属より熱膨張係数が小さく、特に−50℃〜70℃の低温域(機器が使用される室温度を中心とする温度域)での熱膨張係数の差が著しかった。このような熱膨張係数の違いがあると、温度が変化した際の膨張・収縮の挙動が基板と他の金属機構部品と異なり、記録や読み出しを行う磁気ヘッドと記録ビットの相対位置精度の維持が困難になる。
熱膨張係数が金属のそれと比較的近い材料として、結晶化ガラスからなる基板が開示されている。例えば、特開平11−16142号公報、特開平11−16143号公報、特開平11−16151号公報に開示されている結晶化ガラスは、二ケイ酸リチウム、α−クォーツ、およびその固溶体、α−クリストバライト、およびその固溶体を析出させ、金属に近い熱膨張係数を有するようにしている。また、特開平9−301732号公報には、基板用ガラスとして、熱膨張係数が大きいガラスが開示されている。
特開2000−357318号公報 特開平11−16142号公報 特開平11−16143号公報 特開平11−16151号公報 特開平9−301732号公報
ところが、前記の従来の技術には以下のような問題点があった。特開2000−357318号公報に記載の基板用ガラスは、熱膨張係数に関する開示がなく、ハードディスクを構成する他の部品との熱膨張係数の差に起因する不具合が起こり得る。また、アルカリ酸化物(R2O=Li2O+Na2O+K2O)の含有量が少ないため化学強化性に劣り(圧縮層をガラス表面から深くまで形成できない、表面圧縮応力値を大きくできない)、イオン交換処理を行なっても機械的強度が低いという欠点がある。さらに、アルカリ酸化物の含有量が少ない上にSiO2とAl23の含有量の合計が大きいため、ガラス融液の粘性が高く、熔融温度(粘度が102ポイズになる温度T2)が高くなりがちであり、熔融に高温度を必要とし、燃料コストの高騰やガラス熔融設備に著しい劣化を招いたり、あるいは、ガラス融液の均一性が悪く、その結果得られる基板用ガラスも均一性に劣る、という問題点がある。このため製造されたガラス板の反りやうねりなど劣る、という看過できない欠点がある。
上記特開平11−16142号公報、特開平11−16143号公報、特開平11−16151号公報に記載の結晶化ガラスは、もとのガラスを製造した後で熱処理を行うことによって、結晶を析出させる処理が必要である。例えば、特開平11−16143号公報では、原ガラスを450℃〜550℃で1時間〜12時間熱処理し、さらに600℃〜800℃で1時間〜12時間熱処理した後、研磨を行う方法を採用している。すなわち、原ガラスが得られてから研磨を行うまでに、熱処理工程を必要とするのである。このことは、製造コストを低くするために大きな阻害要因となる。さらに、熱処理によって結晶を析出させることができるガラスは、そうでないガラス(最終的に非晶質ガラスとして用いられるガラス)に比べて結晶が析出しやすい、つまり失透しやすいガラスであり、例えばフロート法などの連続製造方法を用いてガラスを製造する際に、不用意に失透するなど大きな欠点がある。
また、特開平9−301732号公報に記載の基板用ガラスは、50℃〜350℃の温度範囲での熱膨張係数は75×10-7/℃以上と大きいものの、−50℃〜70℃の低温時の熱膨張係数は何ら開示されていない。さらに、この基板用ガラスは、Li2O成分を含まないため化学強化性に劣り、イオン交換処理を行なっても強度が低いという欠点がある。
本発明は、従来技術に存在する上記の問題点に着目してなされたものである。すなわち、その目的とするところは、低温(室温度付近)での熱膨張係数が大きく、酸性洗浄液などによる洗浄によって、傷などの欠点のない清浄な表面を容易に得ることができ、かつ安価で容易に大量に製造できるガラスを提供することにある。さらには、磁気記録装置を構成する他の金属部品との熱膨張係数におけるマッチングを良好に保つことができる基板を安価に提供することにある。
本発明は、上記従来技術が有する問題点を解決し、高密度記録に適した基板とするための技術的課題を達成するためになされたものであり、アルミノシリケートガラス系における組成に関する精力的な研究の結果、各成分のバランスを巧みにとることによって、低温において大きな熱膨張係数を有し、またフッ酸に対する適度のエッチング速度を有するガラスを提供するものである。さらに大規模にガラス板を製造することができるフロート製法で熔融、板状の成形を技術的困難性なく製造することのできるガラス物品を提供するものである。
本発明は、Li2Oを含むアルミノシリケートガラス物品であって、酸性液に対する溶解速度が、0.1質量%、50℃のフッ酸水溶液中に浸漬したときのエッチング速度で規定して、30nm/分〜60nm/分、−50℃〜70℃における平均線熱膨張係数が70×10-7/℃以上、および作業温度T4℃と液相温度TL℃との関係がT4−TL≧−100℃であり、その組成がモル%で示して、
SiO2 60〜70,
Al23 4〜15,
Li2O 5〜15,
Na2O 8〜20,
2O 0〜2,
MgO 0.1〜5,
CaO 1〜8,
SrO 0〜3,
BaO 0〜2,
TiO2 0〜3,
ZrO2 0〜3,
2O(=Li2O+Na2O+K2O) 18〜35,
RO(=MgO+CaO+SrO+BaO) 1.5〜10,
その他 0〜3,
の成分からなることを特徴とするガラス物品である。
なお、作業温度T4は、ガラス融液の粘度が、104ポイズになる温度のことである。また、液相温度TLは、ガラス粒を温度勾配炉で加熱したとき、結晶が観察される最高温度のことである。
また本発明は、前記ガラス物品であって、−50℃〜70℃における平均線熱膨張係数が80×10-7/℃〜110×10-7/℃であるガラス物品である。
また本発明は、前記ガラス物品であって、作業温度T4℃と液相温度TL℃との関係がT4−TL≧0℃であるガラス物品である。
また本発明は、前記ガラス物品であって、−50℃〜70℃における平均線熱膨張係数が80×10-7/℃〜110×10-7/℃、および作業温度T4℃と液相温度TL℃との関係がT4−TL≧0℃であるガラス物品である。
また本発明は、前記ガラス物品であって、前記酸性液に対する溶解速度が、30nm/分〜50nm/分であるガラス物品である。
また本発明は、前記ガラス物品であって、その組成がモル%で示して、
SiO2 60〜68,
Al23 4〜10,
Li2O 7〜15,
Na2O 8〜20,
2O 0〜2,
MgO 0.1〜5,
CaO 1〜8,
SrO 0〜3,
BaO 0〜2,
TiO2 0〜3,
ZrO2 0〜3,
2O(=Li2O+Na2O+K2O) 18〜35,
RO(=MgO+CaO+SrO+BaO) 1.5〜10,
その他 0〜3,
の成分からなることを特徴とするガラス物品である。
また本発明は、前記ガラス物品であって、その組成がモル%で示して、
SiO2 60〜67,
Al23 4〜8,
Li2O 10〜15,
Na2O 10〜20,
2O 0〜2,
MgO 0.1〜5,
CaO 1〜8,
SrO 0〜3,
BaO 0〜2,
TiO2 0〜3,
ZrO2 0〜3,
2O(=Li2O+Na2O+K2O) 20〜28,
RO(=MgO+CaO+SrO+BaO) 2〜10,
その他 0〜3,
の成分からなることを特徴とするガラス物品である。
また本発明は、前記ガラス物品であって、そのガラスは熔融状態から熔融錫浴上に導かれて板状に成形されたことを特徴とするガラス物品である。
また本発明は、前記ガラス物品が、カリウムイオンもしくはナトリウムイオン、またはその両者を含む熔融塩中に漬けられて、前記のイオンとガラス中のアルカリイオンとのイオン交換により、表面に圧縮層が形成されたことを特徴とする強化ガラス物品である。
また本発明は、前記ガラス物品の表面を研磨して得られる磁気記録媒体用ガラス基板である。
本発明のガラス物品は、Li2Oを含むアルミノシリケートガラス物品であって、酸性液に対する溶解速度が、0.1質量%、50℃のフッ酸水溶液中に浸漬したときのエッチング速度で規定して、30nm/分〜60nm/分、−50℃〜70℃における平均線熱膨張係数が70×10-7/℃以上、および作業温度T4℃と液相温度TL℃との関係がT4−TL≧−100℃であり、その組成がモル%で示して、
SiO2 60〜70,
Al23 4〜15,
Li2O 5〜15,
Na2O 8〜20,
2O 0〜2,
MgO 0.1〜5,
CaO 1〜8,
SrO 0〜3,
BaO 0〜2,
TiO2 0〜3,
ZrO2 0〜3,
2O(=Li2O+Na2O+K2O) 18〜35,
RO(=MgO+CaO+SrO+BaO)1.5〜10,
その他 0〜3,
の成分からなることを特徴とするガラス物品であるので、ガラス表面を溶解除去する能力を有する酸性液でガラス表面の洗浄を行うと、その表面を劣化させることなく清浄にすることができる。また、本発明のガラス物品を磁気記録媒体用ガラス基板として金属機構部品により保持して記録装置としたとき、本発明のガラス物品の線熱膨張係数と金属機構部品の線熱膨張係数との差が小さいので、記録装置の使用環境の温度が変化しても、記録の読み出しを行うヘッドと記録ビットの相対的位置精度が維持でき、それにより信頼性の高い記録装置とすることができる。さらに本発明のガラスは、熔融状態から熔融錫浴上に導いて板状に成形するフロート製法に適した温度特性を有しているので、工業的に製造することができる。
加えて、本発明のガラス物品は、各アルカリ成分の含有量および合計量が所定量に選ばれることにより、イオン交換法による強化処理により表面から内部方向の深くまで圧縮応力層が形成される。これにより、信頼性の高い機械的強度を有するガラスとすることができる。
本発明のガラス物品の表面を研磨し、酸性液で洗浄して得られる磁気記録媒体用ガラス基板を用いた記録装置は、記録媒体の機械的強度が大きく、かつ、使用環境の温度変化に対して記録の読み出し動作を安定して行うことができる。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、特に注釈が無い限り、ガラス組成はモル%で示す。本発明のガラス物品の組成範囲の限定理由を説明する。
(熱膨張係数)
熱膨張係数の限定理由は以下の通りである。ガラス製の基板を磁気記録媒体用基板として用いる場合、正常な情報の読み書きを行うためには、記録媒体に記録された情報の位置(ビット位置)と、読み書きヘッドの相対位置は、精密に維持されることが必要不可欠である。記録密度の高密度化に伴い、そのビット位置と読み書きヘッドとの相対位置には、より精密な寸法精度が要求される。このため、記録媒体用基板とその他の部品との熱膨張係数の差によって生じるビット位置とヘッドの相対位置の変化が無視できなくなってきており、それらの材料の熱膨張係数の差を小さくすることが必要となってきている。
機構構成部品に用いられる材料(主に金属)の熱膨張係数は、−50℃〜70℃の温度範囲において90〜100×10-7/℃のものが多く、それゆえ記録媒体用ガラス基板の熱膨張係数も70×10-7/℃以上として、その差を小さくとも30×10-7/℃以下とすることが、温度変化に対して安定して用いられる磁気記録装置に必要である。上記の観点からガラス基板の熱膨張係数は80×10-7/℃であることがより好ましい。またガラスの膨張係数が金属機構部品のそれより大きい場合は、同様の理由で110×10-7/℃以下とするのが好ましい。このように、ガラス基板とそのガラス基板をその軸中心において固定保持する金属機構部品との熱膨張係数を所定範囲内にすることにより、熱膨張係数の差を起因とする不具合をおこす可能性が小さくなる。
(エッチングレート)
酸性液に対する溶解速度の限定理由は以下の通りである。ガラス物品から磁気記録媒体用基板を製造するためには、該基板として定められた大きさおよび厚みに加工する必要があり、しかもその表面(とりわけ両方の平面)は、極めて高度な平滑性と清浄性を持たせる必要がある。
この基板の製造工程には、切断、研削、研磨、洗浄工程の順で加工がなされ、所要の寸法と表面形状を実現する。特に洗浄工程においては、純水などによって研磨加工されたガラス物品の表面に残っている不要物を洗い流すことが必須である。それには酸性洗浄液を用いることが好ましい。なぜなら、酸性洗浄液は、不要物を洗い流す効果に加え、ガラス物品の表面をごくわずかな量だけ溶解することによって、極めて清浄性の高い表面を得ることができるからである。しかし、洗浄時にガラス物品の表面が溶解されすぎると、表面粗さが荒くなったり、平滑性に劣ったり、表面が変質したりしてしまい、基板として用いることができなくなる。
酸性液に対するガラス物品の溶解速度は、0.1質量%、50℃のフッ酸水溶液中に浸漬したときのエッチング速度(エッチングレート)で規定して、30nm/分〜60nm/分の範囲とする。ガラス表面の不要物は、ガラスの主表面および端面を研磨するときに用いられる研磨粒子、各工程中の水などに含まれる不純物が、ガラスがとりわけ乾燥したときに固着する不純物、さらにガラス粉末などがある。前記エッチングレートが10nm/分未満であるとガラス表面の清浄度を上げる効果が小さく、一方100nmを越えるとガラスの表面が荒れた状態になり、平滑な表面が得られない。
ガラスのフッ酸に対するエッチングレートは、ガラス表面の清浄度をより確実にする観点から30nm/分以上とし、さらに50nm/分以上とするのが好ましい。一方、ガラス表面に生じる凹凸を抑制する観点から60nm/分以下とし、さらに50nm/分以下とするのが好ましい。フッ酸に対するエッチングレートを上記の範囲内とすることにより、極めて平滑で清浄性の高い表面を備えた磁気記録媒体用基板を実現することができる。
(R2O)
本発明のガラス物品においては、熱膨張係数は全アルカリ成分R2O=Li2O+Na2O+K2Oを増やすに従い、大きくなる傾向が最も強い。したがって、−50℃〜70℃での熱膨張係数を70×10-7/℃以上にするために、全アルカリ成分R2Oは18%以上とし、20%以上であることがさらに好ましい。一方、アルカリ成分の添加はガラスの網目構造を切断するので、ガラス物品の粘性を下げる働きがある。ガラス物品の粘性の低下は、作業温度、液相温度ともに低減させる優れた効果があるが、過度にアルカリ成分を添加すると、液相温度が逆に上昇する傾向がある。
フロート製法によって熔解ガラスをガラス物品に成形するためには、成形過程において失透が発生しないことが必要であるため、作業温度T4−液相温度TLの差が−100℃以上であることが必要であり、0℃より大きいことが好ましい。このことから、本発明のガラス物品においては、全アルカリ成分R2Oは35%以下であることが必要で、28%以下であることが好ましい。
(Li2O)
本発明において、Li2Oは、必須成分であり、
1)カリウムを含む熔融塩、またはカリウムとナトリウムを含む混合塩の用いるイオン交換処理において、処理塩浴中のカリウムイオンまたはナトリウムイオンと交換され、ガラス表面層に厚い圧縮層を与える、
2)ガラス物品の熱膨張係数を増大させる、
3)ガラスの熔解温度を下げて熔解性を高める、
4)ガラスの液相温度を下げ、ガラス融液からガラス物品への成形を容易にする、
という作用を持つ。Li2Oの含有量が5%以上であれば、イオン交換処理において浴中のイオンと充分に交換され、イオン交換処理されたガラス物品に高い強度を持たせることができる。より好ましくは7%以上であり、さらに好ましくは10%以上である。
一方、Li2Oの含有量は15%以下とする。Li2Oの含有量が20%を越えて増加すると全アルカリ成分R2Oも増加してガラスが失透しやすくなるが、15%以下とすることでガラスが失透しにくくなる。
(Na2O)
Na2Oは、必須成分であり、
1)ガラス物品の熱膨張係数を増大させる効果がLi2Oと比べて大きい、
2)ガラスの熔解温度を下げて熔解性を高める、
3)ガラスの液相温度を下げてガラス物品への成形を容易にする、
4)イオン交換処理において処理浴中のカリウムイオンと交換される、
という作用を持つ。Na2Oの含有量は8%以上とし、10%以上であることがさらに好ましい。Na2Oを8%以上含むことにより、ガラス物品は−50℃〜70℃の温度範囲において、70×10-7/℃以上の熱膨張係数を持つガラスとする上で、ガラスの各成分の含有量の選択範囲が広がり、10%以上では各成分の選択範囲がより広がる点で好ましい。
一方、Na2Oの含有量の上限は20%とする。Na2Oの含有量が25%を越えて増加すると、全アルカリ成分R2Oも増加し、結果としてガラスが失透しやすくなるが、20%以下であれば失透性が改善されるからである。
(K2O)
2Oは、任意の成分であって、
1)ガラス物品の熱膨張係数を増大させる効果がLi2OやNa2Oと比べて極めて大きい、
2)ガラス熔解温度を下げて熔解性を高める、
3)ガラス液相温度を下げ、ガラス物品への成形を容易にする、
4)作業温度を上げ、ガラス物品への成形を容易にする、
という作用を持つ。しかし、多量に含有されるとカリウムイオン含有熔融塩によるイオン交換処理を阻害し、ガラスの強化処理が困難になる。
したがって、K2Oの含有量は2%以下とする。
(SiO2
SiO2はガラスを構成する主要成分であり、必須の成分である。SiO2の含有量の増加は、ガラス物品の高温粘性を上げる働きがあり、作業温度と液相温度の差を大きくし、ガラス原料バッチからガラスへのガラス化を容易にする。しかし、SiO2の含有量が過多であると、ガラス物品の高温粘性が高くなりすぎ、熔解性が低下する。また、SiO2含有量の増加は同時に熱膨張係数を減少させるので、その両者からSiO2の好ましい含有量が決められる。本発明のガラス物品においては、SiO2の含有量の範囲は60%〜70%である。また、68%以下とするのが好ましく、さらに67%以下とするのが好ましい。
(Al23
Al23は、必須成分である。Al23には、
1)イオン交換処理によりガラス表面層に形成される圧縮応力層の厚みを増大させる、
2)ガラス物品の耐水性を向上させる、
という作用を有する。一方、Al23の過剰量の含有は、ガラスの高温粘性が高くなり、熔解性が悪化する、ガラス物品の液相温度を高くするので、作業温度と液相温度の差が小さくなり、これによりガラス物品への成形が困難になる。また、ガラス物品のエッチング速度が大きくなるので、ガラスの表面の劣化を引き起こす。したがって、本発明のガラス物品においては、Al23の含有量は4%以上とする。一方Al23の含有量は、上記の理由から15%以下とし、10%以下とするのがより好ましく、8%以下とするのがさらに好ましい。
(RO)
2価金属酸化物成分RO(=MgO+CaO+SrO+BaO)は、ガラス物品の熔解性をよくする成分である。しかし、過多に添加すると液相温度が高くなりすぎ、ガラス物品の成形が困難になる。したがって、2価金属酸化物成分RO(=MgO+CaO+SrO+BaO)は、1.5%〜10%とし、さらに2〜10%が好ましい。
(MgO)
MgOは、必須成分である。2価金属酸化物成分ROのうち、MgOは熔解性を高める効果に加えて、特に化学強化処理におけるイオン交換反応を促進する働きが顕著である。2価金属酸化物成分ROのうち、MgOはイオン交換を促進するために、0.1%以上含有させることでその効果を発揮する。しかし、MgOはROの他の成分、例えばCaO、SrO、BaOと比べて熱膨張係数を大きくする効果に乏しく、10%を越えて多量に含有させると、熱膨張係数が小さくなってしまうので好ましくない。本発明のガラス物品においては、MgOは5%以下とする。
(CaO)
CaOは、必須成分である。CaOは熔解性を高める効果に加えて、熱膨張係数を大きくする働きが顕著である。CaOの含有量が1%以上で、これらの効果が充分に現れる。一方、15%を越えると液相温度が上がり、ガラス物品の成形が困難になるので、8%以下とする。
(SrO)
SrOは、任意成分である。SrOは、
1)ガラスの熱膨張係数を大きくし、その効果はROの中で最も大きい、
2)ガラスの液相温度を低下させることができる、
3)ガラス物品の熔解性を高めることができる、
という働きを有する。しかし、SrOはガラス物品の密度を大きくすると共に、他の成分と比べて高価である点で好ましくない。SrOは、ガラス物品に含有させることが好ましいが、その含有率は3%以下とする。
(BaO)
BaOは以下の優れた効果を持つ成分である。
1)ガラスの熱膨張係数を大きくし、その効果はROの中でSrOに次いで大きい、
2)ガラスの液相温度を大きく低下させることができる、
3)ガラス物品の熔解性を高めることができる、
という働きをする。しかし、BaOはSrOよりもガラス物品の密度を大きくしてしまう、イオン交換処理によるイオン交換を阻害し、処理後の強度の向上に寄与しない、などの不都合な性質を有するので、多量に添加することは好ましくない。したがって、BaOの含有率は、2%以下とする。
(その他)
また、これら上記の成分以外に、その他の成分を合計で3%を上限として添加することができる。その他の成分としては、例えば、ガラス融液の耐候性の向上を目的とするTiO2や,着色、溶解時の清澄などを目的とする例えば、Sb23,SO3,SnO2,Fe23,CoO等を挙げることができる。
なお、本発明のガラス物品では、高温における粘性を低くすることができるため、有毒
物であるAs23、環境を汚染する可能性のあるClやFを清澄剤に用いることなく、均
質で泡のないガラス融液を得ることができ、実質的に本発明のガラス物品からこれらの物
質を除去することができる。
ここで限定された組成のガラス融液は、各成分の適切な含有割合によって、連続製造方法、特に熔融ガラスを錫浴上に導いて板状に成形するフロート製法によって容易に、大量のガラス物品を製造することができる。そして得られるガラスは、低温時においても大きな熱膨張係数を持っている。
さらにLi2OおよびNa2Oを含み、ガラスの歪点以下の温度でカリウムイオンもしくはナトリウムイオン、またはその両者を含む熔融塩に浸漬することにより、容易にこれらの成分がより大きなイオン半径を有する成分(イオン)と交換し、表面に圧縮応力を深くまで発生させて、ガラスの破壊強度を一層高めることができる。
(実施例)
以下に、実施例および比較例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
(ガラスの作成)
表1の組成になるように、通常のガラス原料であるケイ砂、スポジュメン、アルミナ、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ドロマイト、石灰石、チタニア、ジルコンサンド、酸化鉄などを用いてガラス原料バッチを調合した。このバッチを白金ルツボで1550℃に加熱して熔融し、そのまま4時間保持した後に、熔融ガラスを鉄板上に流し出した。鉄板上に流し出した熔融ガラスは、固化後直ちに600℃に設定した電気炉に入れた。30分後、電気炉の電源を切り、室温まで放冷して徐冷することによりガラスを得た。
(物性測定)
ガラスの高温粘性は白金球引き上げ式自動粘度測定装置を用いて測定し、ガラス融液の粘度が、102ポイズになる温度として熔融温度T2および104ポイズになる温度として作業温度T4を求めた。
ガラスの密度およびエッチング速度は以下のようにして測定した。ガラスを5×40×30mmの大きさに切断し、各面を鏡面研磨して板状サンプルを作製した。先にアルキメデス法により、板状サンプルの密度を測定した。続いて、純水で洗浄してから鏡面にした面の一部にマスキングを施し、濃度が質量%表示で0.1%、温度50℃のフッ酸に2.5分間浸漬し、水洗した後にマスキングを除去し、マスキングを施していた部分と施していなかった部分との境界の段差を表面凸凹計で測定し、得られたエッチング段差からエッチング速度を算出した。さらに、直径5mm、長さ15mmの円柱状のサンプルを作成し、通常の熱膨張計を用いて転移温度、屈伏点ならびに−50℃〜70℃および50〜350℃の平均線膨張係数を求めた。
液相温度は以下のように測定した。ガラスをメノウ製乳鉢で粉砕し、目の開きが2380μmの篩を通過し、1000μmの篩に留まったガラス粒を篩い分け、そのガラス粒をエタノール中で超音波洗浄し、乾燥させて液相温度測定用試料とした。この試料の25gを秤量して幅12mm、長さ200mmの白金ボートに移し、温度勾配炉中に2時間保持して取り出した後、ガラス中に生成した結晶(失透)を光学顕微鏡で観察し、結晶が観測された最高温度を液相温度とした。
イオン交換特性は、ガラスを5×40×30mmに切断し、各面を鏡面研磨して作製した板状サンプルを、KNO3:NaNO3=8:2に混合し、温度380℃の熔融塩に4時間浸漬した後、5×20×30mmの大きさに切断し、切断面を研磨した。このサンプルについてX線マイクロアナリシス分析装置を用いて線分析手法により、カリウムイオンおよびナトリウムイオンのガラス表面からの浸入深さを測定した。これらの測定値を表1に併せて記載する。
(実施例2〜実施例12)
各実施例毎に表に示すガラス組成となるようにガラス原料バッチの配合割合を変えて、実施例1と同様にしてガラスサンプルを作製した。各実施例の組成を表1に示す。また、実施例1と同様にして、各実施例毎に板状サンプルおよび円柱状サンプルを作成し、その物性を測定した。測定の結果を表1に併せて記載する。
Figure 2008308405
(基板の製造および性能測定)
磁気記録媒体用のガラス基板は以下のようにして製造した。フロート製法による製板装置を持つガラス熔融窯に、実施例1と同じ組成になるように調合したバッチを連続的に投入し、最高温度1500℃〜1550℃に加熱して熔融した。この熔融ガラスを清澄槽を経て熔融錫浴(フロートバス)上に流し込み、所定の板厚に成形した後、連続徐冷窯を経て徐冷後、切断した。
得られたガラスを外径95mm、内径25mmのドーナツ状に切り出し、内周面と外周面に面取り加工および端面研磨を施した。つぎに、平均粒径が5μm〜10μmの酸化セリウム遊離砥粒を用いて粗研磨し、さらに平均粒径がさらに細かい酸化セリウム遊離砥粒を用いて厚さ0.8mmにガラス板の表面を精密研磨した。研磨の方法および装置は、公知の技術および装置を用いた。研磨後のドーナツ状ガラスは、続いて硝酸カリウム:硝酸ナトリウム=8:2(質量比)に混合した温度380℃の熔融塩に4時間浸漬して、イオン交換による強化処理を行なった。
イオン交換処理後のドーナツ状ガラスを、希フッ酸および純水で洗浄したのち、その表面を原子間力顕微鏡(AFM)で測定したところ、その表面平均粗さRaは、約0.4nmであることがわかった。さらに、この基板上に下地膜としてクロム膜を、記録膜としてコバルト−クロム−タンタル系の磁性膜を、保護膜としてカーボン膜を、それぞれスパッタリング法で順次形成させた。そして、この保護膜の表面上にパーフルオロカーボン系の有機性溶剤からなる潤滑膜を塗布した。このようにして得た磁気記録媒体を、密閉型のハードディスクドライブに公知の方法で装着し、166.7回転毎秒(10,000rpm)および200回転毎秒(12,000rpm)で稼働させながら、温度を−50℃と70℃の間を繰り返し往復させたが、読み書き時のエラーの発生やヘッドクラッシュ等の問題を生じることはなかった。
(比較例1〜比較例4)
比較例1〜比較例4のガラス組成を表2に示す。いずれのガラスも本発明の請求範囲に含まれない組成である。特に比較例1は、特開2000−357318号公報の実施例1として開示されている組成であり、該公報のガラスのうち最もその特徴を有しているものと思われる。比較例2は、同じく特開2000−357318号公報の実施例20の組成であり、開示されている実施例のうち、本発明のガラス物品に最も組成が近いと考えられるものである。また、比較例3は、特開平9−301732号公報の実施例1の組成である。比較例4は、建築の窓ガラス用のソーダライムガラス組成である。
Figure 2008308405
表2に示した組成となるように、実施例と同様の方法で試料ガラスを作製した。但し、比較例1は、調合したバッチを白金ルツボを用いて1600℃で16時間保持し、鉄板上に流し出した。このガラスを電気炉中、650℃で30分保持した後、炉の電源を切り、室温まで放冷して試料ガラスとした。これらの試料ガラスを用いて、実施例と同様に密度、弾性率(ヤング率)、液相温度を測定または算出し、表2にその結果を示した。
比較例1のガラスは、−50℃〜70℃の温度範囲での熱膨張係数が非常に小さいことがわかった。このように熱膨張係数の小さいガラスを磁気記録媒体基板に用いた磁気記録装置では、温度変化が生じた際に基板とそれを保持する金属機構部品との熱膨張係数の差により、記録再生ヘッドと記録ビットの相対位置精度の維持が困難になることが予想される。
比較例2のガラスもまた、−50℃〜70℃の温度範囲での熱膨張係数が本発明のガラス物品のそれと比較して非常に小さいことがわかり、比較例1と同様の困難が予想される。
比較例1および比較例2のガラスが、本発明のガラス物品にかかる実施例と明瞭に異なる点は、アルカリ酸化物の含有量の総量R2Oであり、−50℃〜70℃における平均線熱膨張係数を70×10-7/℃以上にするためには、本発明の如くR2Oは18%以上とする。
比較例1および比較例4のガラスは、フッ酸に対する溶解速度が小さすぎ、ガラス表面を清浄にすることができなかった。浸漬液のフッ酸の濃度や液温度を高めることで、溶解速度は速くなるが、液を高温にするとフッ酸などの揮発により濃度が変動したりしやすくなったり、揮発した酸が製造作業の従事者の健康や地球環境に悪影響を与えたりする危険性がある。また、濃度を高めることは、液の化学的な危険性が増すと同時に、薬液が多量に必要になるため、大きなコストアップ要因になり、好ましくない。
一方、比較例2のガラスは、フッ酸に対する溶解速度が大きすぎ、表面が過大に溶解し
てしまい、スリガラス状に白濁してしまった。つまり、表面の平均粗さが過大になってし
まった。この場合、溶解速度を遅くするために浸漬液の濃度を下げることが考えられるが
、酸に対する溶解速度の速いガラスは、本質的に酸に弱く、部分的な溶解が起こる可能性
が高く、そのような対策をしても、優れた平滑性と高い清浄度を併せ有するガラスの表面
を得ることは困難であった。
さらに、比較例1〜比較例4のガラスはイオン交換層の厚みが20μm以下で、イオン交換が実質的に行われていなかった。特に比較例3のガラスは、イオン交換層の厚みが1μm以下で、イオン交換が全く行われていなかった。これらのガラスは、イオン交換処理を施しても、ガラス物品の強度を高めることができないので、磁気記録媒体用の基板として用いた場合、破損の危険性が実施例のサンプルに比較して高くなる可能性がある、と考えられる。
本発明のガラス物品では、ガラス表面を溶解除去する能力を有する酸性液でガラス表面の洗浄を行うと、その表面を劣化させることなく清浄にすることができる。また、本発明のガラス物品を磁気記録媒体用ガラス基板として金属機構部品により保持して記録装置としたとき、本発明のガラス物品の線熱膨張係数と金属機構部品の線熱膨張係数との差が小さいので、記録装置の使用環境の温度が変化しても、記録の読み出しを行うヘッドと記録ビットの相対的位置精度が維持でき、それにより信頼性の高い記録装置とすることができる。さらに本発明のガラスは、熔融状態から熔融錫浴上に導いて板状に成形するフロート製法に適した温度特性を有しているので、工業的に製造することができる。
加えて、本発明のガラス物品は、各アルカリ成分の含有量および合計量が所定量に選ばれることにより、イオン交換法による強化処理により表面から内部方向の深くまで圧縮応力層が形成される。これにより、信頼性の高い機械的強度を有するガラスとすることができる。
本発明のガラス物品の表面を研磨し、酸性液で洗浄して得られる磁気記録媒体用ガラス基板を用いた記録装置は、記録媒体の機械的強度が大きく、かつ、使用環境の温度変化に対して記録の読み出し動作を安定して行うことができる。

Claims (10)

  1. Li2Oを含むアルミノシリケートガラス物品であって、酸性液に対する溶解速度が、0.1質量%、50℃のフッ酸水溶液中に浸漬したときのエッチング速度で規定して、30nm/分〜60nm/分、−50℃〜70℃における平均線熱膨張係数が70×10-7/℃以上、および作業温度T4℃と液相温度TL℃との関係がT4−TL≧−100℃であり、その組成がモル%で示して、
    SiO2 60〜70,
    Al23 4〜15,
    Li2O 5〜15,
    Na2O 8〜20,
    2O 0〜2,
    MgO 0.1〜5,
    CaO 1〜8,
    SrO 0〜3,
    BaO 0〜2,
    TiO2 0〜3,
    ZrO2 0〜3,
    2O(=Li2O+Na2O+K2O) 18〜35,
    RO(=MgO+CaO+SrO+BaO) 1.5〜10,
    その他 0〜3,
    の成分からなることを特徴とするガラス物品。
  2. 請求項1に記載のガラス物品であって、−50℃〜70℃における平均線熱膨張係数が80×10-7/℃〜110×10-7/℃であるガラス物品。
  3. 請求項1に記載のガラス物品であって、作業温度T4℃と液相温度TL℃との関係がT4−TL≧0℃であるガラス物品。
  4. 請求項1に記載のガラス物品であって、−50℃〜70℃における平均線熱膨張係数が80×10-7/℃〜110×10-7/℃、および作業温度T4℃と液相温度TL℃との関係がT4−TL≧0℃であるガラス物品。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のガラス物品であって、前記酸性液に対する溶解速度が、30nm/分〜50nm/分であるガラス物品。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のガラス物品であって、その組成がモル%で示して、
    SiO2 60〜68,
    Al23 4〜10,
    Li2O 7〜15,
    Na2O 8〜20,
    2O 0〜2,
    MgO 0.1〜5,
    CaO 1〜8,
    SrO 0〜3,
    BaO 0〜2,
    TiO2 0〜3,
    ZrO2 0〜3,
    2O(=Li2O+Na2O+K2O) 18〜35,
    RO(=MgO+CaO+SrO+BaO) 1.5〜10,
    その他 0〜3,
    の成分からなることを特徴とするガラス物品。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のガラス物品であって、その組成がモル%で示して、
    SiO2 60〜67,
    Al23 4〜8,
    Li2O 10〜15,
    Na2O 10〜20,
    2O 0〜2,
    MgO 0.1〜5,
    CaO 1〜8,
    SrO 0〜3,
    BaO 0〜2,
    TiO2 0〜3,
    ZrO2 0〜3,
    2O(=Li2O+Na2O+K2O) 20〜28,
    RO(=MgO+CaO+SrO+BaO) 2〜10,
    その他 0〜3,
    の成分からなることを特徴とするガラス物品。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のガラス物品であって、そのガラスは熔融状態から熔融錫浴上に導かれて板状に成形されたことを特徴とするガラス物品。
  9. 請求項8に記載のガラス物品が、カリウムイオンもしくはナトリウムイオン、またはその両者を含む溶融塩中に漬けられて、前記のイオンとガラス中のアルカリイオンとのイオン交換により、表面に圧縮層が形成されたことを特徴とする強化ガラス物品。
  10. 請求項8または9に記載のガラス物品の表面を研磨して得られる磁気記録媒体用ガラス基板。
JP2008205041A 2008-08-08 2008-08-08 ガラス物品およびそれを用いた磁気記録媒体用ガラス基板 Withdrawn JP2008308405A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008205041A JP2008308405A (ja) 2008-08-08 2008-08-08 ガラス物品およびそれを用いた磁気記録媒体用ガラス基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008205041A JP2008308405A (ja) 2008-08-08 2008-08-08 ガラス物品およびそれを用いた磁気記録媒体用ガラス基板

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001161115A Division JP4785274B2 (ja) 2001-05-29 2001-05-29 ガラス物品およびそれを用いた磁気記録媒体用ガラス基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008308405A true JP2008308405A (ja) 2008-12-25

Family

ID=40236333

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008205041A Withdrawn JP2008308405A (ja) 2008-08-08 2008-08-08 ガラス物品およびそれを用いた磁気記録媒体用ガラス基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008308405A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4785274B2 (ja) ガラス物品およびそれを用いた磁気記録媒体用ガラス基板
US8883330B2 (en) Glass for chemical strengthening, substrate for information recording media and information recording media
JP4752966B2 (ja) データ記憶媒体用ガラス基板の製造方法及びガラス基板
US9236075B2 (en) Crystallized glass and crystallized glass substrate for information recording medium
JP4086211B2 (ja) ガラス組成物およびその製造方法
JP5375608B2 (ja) データ記憶媒体基板用ガラス、データ記憶媒体用ガラス基板および磁気ディスク
JP3995902B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板及びそれを用いた磁気情報記録媒体
JP4446683B2 (ja) 磁気記録媒体用ガラス基板
JP3187321B2 (ja) 化学強化用ガラス組成物および化学強化ガラス物品
JPH1111974A (ja) 磁気記録媒体用ガラス基板
JP4760975B2 (ja) データ記憶媒体用ガラス基板の製造方法及びガラス基板
JP2001026460A (ja) 情報記録媒体用ガラス基板、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法及び情報記録媒体
JP2008273779A (ja) 結晶化ガラス
JP4656863B2 (ja) ジルコニウムを含むガラス組成物、化学強化ガラス物品、磁気記録媒体用ガラス基板、およびガラス板の製造方法
JPH11302032A (ja) ガラス組成物およびそれを用いた情報記録媒体用基板
JP2005314159A (ja) 情報記録媒体用ガラス基板およびその製造方法並びに情報記録媒体およびその製造方法
JP4923556B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板
JPWO2004041740A1 (ja) 情報記録媒体用基板ならびに情報記録媒体およびその製造方法
JP4218839B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板及びそれを用いた磁気情報記録媒体
CN108137380B (zh) 数据存储介质基板用玻璃、数据存储介质用玻璃基板以及磁盘
JP2001019466A (ja) 磁気ディスク用ガラス基板
JP7165655B2 (ja) 情報記録媒体基板用ガラス、情報記録媒体基板、情報記録媒体および記録再生装置用ガラススペーサ
CN100373462C (zh) 信息记录介质用衬底和信息记录介质及其制造方法
JP4930838B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板および情報記録媒体
JP3702360B2 (ja) 化学強化用のガラス素板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110511

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20110712

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110712