JP2001023155A - 磁気ディスク用基板、磁気ディスクおよび磁気ディスク用基板の製造方法 - Google Patents

磁気ディスク用基板、磁気ディスクおよび磁気ディスク用基板の製造方法

Info

Publication number
JP2001023155A
JP2001023155A JP11195872A JP19587299A JP2001023155A JP 2001023155 A JP2001023155 A JP 2001023155A JP 11195872 A JP11195872 A JP 11195872A JP 19587299 A JP19587299 A JP 19587299A JP 2001023155 A JP2001023155 A JP 2001023155A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic disk
alkali metal
substrate
disk substrate
glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11195872A
Other languages
English (en)
Inventor
Fuminori Takeya
文則 竹矢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP11195872A priority Critical patent/JP2001023155A/ja
Priority to CN 00120467 priority patent/CN1280356A/zh
Publication of JP2001023155A publication Critical patent/JP2001023155A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】少なくとも一種のアルカリ金属が含有されてい
るガラス製の磁気ディスク用基板において、アルカリ金
属イオンの磁性膜、保護膜などへの移動による突起物の
生成を防止し、基板の主面のRaを5オングストローム
以下とする。 【解決手段】基板の外周側の端面と主面との間に面取り
部が形成されており、端面および面取り部において、ア
ルカリ金属イオンの不溶化処理とアルカリ金属含有量の
低減処理との少なくとも一方が施されており、主面が不
溶化処理または低減処理後にポリッシュ加工されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク用基
板、これを用いた磁気ディスクおよび磁気ディスク用基
板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスクドライブの記録密
度の向上が急激に進んでいる。記録密度を高くするため
には、磁気記録媒体(メディア)に記録された信号のト
ラック幅を狭くし、あるいは、ドット長を短くする必要
がる。これは、メディア表面に記録された磁場が、非常
に弱くなってきていることを意味している。この記録密
度向上の背景には、弱い信号でも読み出せる、感度の高
い、磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッド)や巨大磁気抵
抗効果型ヘッド(GMRヘッド)に代表される磁気ヘッ
ド技術の改良がある。また、トラック幅やビット長を小
さくしても大きな磁場を残せるような、磁気特性の高い
磁性膜を形成する技術に代表されるメディアの改良があ
る。更に、弱い信号を読み書きするために、ハードディ
スクドライブ動作時の、磁気ヘッドとメディアとの距離
(ヘッド浮上量)を小さくすることも、不可欠な技術と
なっている。
【0003】ヘッド浮上量を小さくするためには、メデ
ィア表面の平滑性(突起物がないこと)が重要である。
特にMRヘッド、GMRヘッドにおいては、その特性か
ら、メディア表面の突起物に触れることによって生じる
瞬間的な温度上昇によって、信号を読み取ることができ
なくなる(サーマル・アスピリティー)現象が知られて
おり、サーマル・アスピリティーに対する対策として、
メディア表面の平滑性が重視されている。例えば、最近
では、ヘッド浮上量50nm、メディア表面の突起物の
最大高さ25nmのスペックのハードディスクドライブ
が使用され始めてきている。
【0004】このような平滑なメディア表面を実現する
ために、近年では、メディア用の磁気ディスク用基板に
は、アルミニウム合金に代って、化学強化ガラスや結晶
化ガラス等のガラスが使用されている。アルミニウム合
金は、研磨加工等の機械的処理の過程において、その材
料特性から塑性変形を伴うので、先に述べたような平滑
性を得ることは困難である。それに対して、ガラスは表
面の硬度が高く、研磨加工等の処理を施しても塑性変形
を伴わないため、平滑な面を得やすいのである。これら
の理由から、記録密度の高いハードディスクドライブに
は、メディア用の磁気ディスク用基板にガラスを使用し
たハードディスクドライブが増加しつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ガラス製の磁
気デスク用基板には、次の問題がある。
【0006】即ち、磁気ディスク用基板の表面には、ス
パッタリング法やCVD法によって、下地膜、磁性膜、
保護膜等、複数層の膜が積層されている。これらの膜の
うち、磁性膜より上に積層された膜、例えば保護膜の厚
さは、それ自体が磁気ヘッドと磁性膜とを遠ざける距離
となっている。保護膜の厚さは、従来、15nm程度で
あったが、この距離が前記例示のヘッド浮上量50nm
に加算されることになるので、実質的なヘッド−磁性膜
間の距離を65nm(50nmの1.3倍)に増大させ
ている。最近では、実質的なヘッド−磁性膜間の距離を
小さくして記録密度を改善する動きがあり、保護膜の厚
さを、5〜10nmに薄くする傾向がある。
【0007】一方、磁気ディスク用基板に使用されてい
るガラスのうち、強化ガラスにはNaやK、結晶化ガラ
スにはLi等、アルカリ金属が含まれている。これらの
金属イオンは、そのイオン半径が小さいことから移動し
易く、特に高温高湿下では移動し易い。前記のように、
保護膜の厚さを薄くしたメディアでは、そのメカニズム
は明確になっていないが、メディアの表面に移動してき
たアルカリ金属イオンが、周囲の物質と反応して、水酸
化物や炭酸塩等、さまざまな化合物を形成し、メディア
表面に突起物を形成することによって、浮上中のヘッド
と衝突し、ヘッドクラッシュを起こす可能性が否定でき
ない。また、磁性膜を腐食することにより、磁性膜の特
性を劣化させ、記録・再生時にエラーを発生したり、こ
の結果としてヘッドクラッシュを起こす可能性が指摘さ
れている。更に、これらのアルカリ金属イオンがヘッド
側に付着することにより、磁気ヘッド素子自体を腐食す
る可能性や、ヘッドクラッシュを起こす可能性も指摘さ
れている。
【0008】これらの課題に対して、本発明者らは、特
開平8−335312号公報の中で、磁気ディスク用基
板を温水や弱酸性水溶液中で処理することにより、磁気
ディスク用基板の表面のアルカリ金属イオン濃度を低下
させる処理を開示した。また、磁気ディスク用基板を加
熱処理することにより、同様の効果が得られることを開
示した。
【0009】しかし、当時のハードディスクドライブで
は、ヘッド浮上量が75nmであったので、磁気ディス
ク用基板に求められていた中心線平均表面粗さ(Ra)
は20オングストロームであった。これに対して、最近
求められている平均表面粗さ(Ra)は、上記したヘッ
ド浮上量の減少に伴い、5オングストローム以下になっ
てきている。特開平8−335312号公報で開示した
方法では、磁気ディスク用基板の主面の平均表面粗さを
5オングストローム以下に維持することが困難であるこ
とがわかってきた。
【0010】これと共に、前述したように、アルカリ金
属イオンの移動によって生ずる突起物を防止することは
困難である。
【0011】本発明の課題は、少なくとも一種のアルカ
リ金属が含有されているガラス製の磁気ディスク用基板
において、アルカリ金属イオンの磁性膜、保護膜などへ
の移動による突起物の生成を防止しつつ、磁気ディスク
用基板の主面の中心線平均表面粗さRaを5オングスト
ローム以下とできるようにすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも一
種のアルカリ金属が含有されているガラス製の磁気ディ
スク用基板であって、磁気ディスク用基板の外周側の端
面と主面との間に面取り部が形成されており、端面およ
び面取り部において、アルカリ金属イオンの不溶化処理
とアルカリ金属含有量の低減処理との少なくとも一方の
処理が施されており、主面が不溶化処理または低減処理
後にポリッシュ加工されていることを特徴とする。
【0013】また、本発明は、前記磁気ディスク用基板
と、この磁気ディスク用基板上に設けられている磁性膜
とを備えていることを特徴とする、磁気ディスクに係る
ものである。
【0014】また、本発明は、ガラス製の磁気ディスク
用基板を製造する方法であって、原料ガラスを溶融して
溶融ガラスを得、溶融ガラスを成型して板状ガラスを
得、板状ガラスに内径孔を形成し、次いで板状ガラスの
主面を研磨または研削加工することによって板状ガラス
の厚さを調節して基板材を得、次いで基板材の内径孔に
面する内周側端面と外周側の端面とをそれぞれ面取り加
工することによって面取り部を形成し、内周側端面およ
び外周側端面を鏡面にポリッシュ加工し、次いで基板材
の主面、内周側の端面、外周側の端面および各面取り部
にアルカリ金属イオンの不溶化処理とアルカリ金属の含
有量の低減処理との少なくとも一方の処理を施し、次い
で基板材の主面を鏡面にポリッシュ加工して磁気ディス
ク用基板を得ることを特徴とする。
【0015】本発明者は、先に述べたアルカリ金属イオ
ンの移動に起因すると考える突起物を解析している中
で、図1に示すように、この突起物2の発生位置が、す
べてメディア1の外周部のみであることを発見した。た
だし、4A、4Bは主面であり、6は内周側の端面であ
る。
【0016】本発明者は、この原因を探索した結果、次
の発見に到達した。即ち、図2に拡大して示す磁気ディ
スク用基板5におけるように、主面4A、4Bと外周側
端面3aとの間に面取り部3b、3cを形成する。そし
て、前記した突起物をよく観察すると、面取り部3b、
3c上に突出し、主面4A側にまで延びることで、問題
を起こすことが分かった。こうした磁気ディスク用基板
の面取り部の近傍以外では、アルカリ金属イオンの移動
に起因すると見られる突起物は観測されなかった。
【0017】この原因は、磁気ディスク用基板の外周側
端面の形態の特異性にあるものと思われる。即ち、磁気
ディスク用基板5の外周側端面3aおよび内周側の端面
6は、図2に示すように面取り加工した後、酸化セリウ
ム等のスラリーを用いて鏡面にポリッシュ加工される。
しかし、実際に仕上がった面の品質を観察したところ、
内周側端面の方が外周側端面よりも優れていることが分
かった。外周側の端面には、内周側端面に比べて、欠け
やピット等が多く観察された。これらの欠けやビットな
どのポリッシュ後に残留する欠陥が、機構は明らかでは
ないが、磁気記録媒体においてアルカリ金属の移動を引
き起し、突起物を生成させる起点となるものと考えられ
る。
【0018】磁気ディスク用基板を構成するガラスは特
に限定されない。例えば、Li2 O−Al23 −Si
2 系のガラス、特に結晶化ガラスが特に好ましい。こ
の系のガラスにおいては、特に好適には、その主結晶層
が、ニケイ酸リチウム(Li2 O・2SiO2 )相と、
β−スポジュウメン(Li2 O・Al2 3 ・4SiO
2 )相またはβ−スポジュウメン固溶体相によって占め
られており、かつSiO2 結晶相の占める割合が2重量
%以下である。
【0019】こうした結晶化ガラスからなる基板を製造
するためには、SiO2:65〜85重量%、Li2
O:8〜12重量%、Al23 :2〜8重量%、P2
5 :1〜3重量%を含有する組成の原ガラスを製造す
る。好ましくは、このガラス原料を、500〜600℃
で1〜5時間熱処理することにより、結晶核を形成し、
次いで650〜800℃で1〜5時間熱処理することに
より、結晶化ガラスを製造する。こうして得られた結晶
化ガラスからは、図3の工程を経ることによって中心線
平均表面粗さ5オングストローム以下の平滑性を有する
磁気ディスク用基板を得ることができる。
【0020】なお、この系の結晶化ガラス中には、他の
成分を含有させることができる。まず、P25 以外の
核形成剤として、TiO2 、ZrO2 、SnO2等の金
属酸化物または白金等の金属、フッ化物を、単独で、ま
たは2種以上混合して、含有することができる。また、
2 Oを0〜7重量%含有させることができる。これ
は、ガラスの溶融、成形温度を低下させるのと共に、成
形時のガラスの失透を抑制する効果がある。この作用を
発揮させるには、この含有量を2重量%以上とすること
が更に好ましい。また、この含有量が7重量%を越える
と、ガラスセラミックスの強度が低下する傾向がある。
As23 とSb23 との一方または双方を、合計で
0〜2重量%含有させることもできる。これらは、ガラ
ス溶融の際の清澄剤である。
【0021】その他、B23 成分を0〜3重量%、C
aO成分を0〜3重量%、SrOを0〜3重量%、Ba
Oを0〜3重量%含有させることができる。
【0022】ガラス製磁気ディスク用基板の製造工程の
一例を、図3に示す。
【0023】原料ガラスを溶融して溶融ガラスを得、こ
の溶融ガラスを成形して板状ガラスを得、好ましくは板
状ガラスを結晶化させる。この板状ガラスに内径孔を形
成し、次いで板状ガラスの主面を粗ラップ加工および精
密ラップ加工し、板状ガラスの厚さを調節して基板材を
得る。次いで、この基板材の内径孔に面する内周側端面
と外周側の端面とをそれぞれ面取り加工することによっ
て面取り部を形成し、内周側端面および外周側端面を鏡
面にポリッシュ加工する。
【0024】次いで、基板材の主面、内周側の端面およ
び外周側の端面にアルカリ金属イオンの不溶化処理とア
ルカリ金属の含有量の低減処理との少なくとも一方を施
し、次いで基板材の主面を鏡面に最終的なポリッシュ加
工2を施して磁気ディスク用基板を得る。主面ポリッシ
ュ加工1は、前記不溶化処理とアルカリ金属の含有量の
低減処理の前に行ってよく、後に行ってもよい。
【0025】アルカリ金属イオンの不溶化処理には、2
00〜550℃の温度範囲内での熱処理が好適に使用さ
れている。また、含有するアルカリ金属イオンよりもイ
オン半径の大きいアルカリ金属イオンでのイオン交換も
使用することができる。
【0026】また、アルカリ金属の含有量を低減する処
理としては、基板材を60℃以上の純水中に浸漬でき
る。また、基板材を弱酸の水溶液または酸性イオン水に
浸漬することができる。
【0027】更に、不溶化処理や、アルカリ金属含有量
の低減処理によって、基板表面の不特定位置に、平均表
面粗さの数値によっては評価できない突起物やへこみが
生じる懸念がある。このため、これらの処理は、主面の
最終的なポリッシュ加工よりも前に行うことが望まれ
る。
【0028】本発明によれば、アルカリ金属イオンの不
溶化処理、またはアルカリ金属の含有量を低減する処理
を施した後、主面に最終ポリッシュを施すため、磁気デ
ィスク用基板の表面は、中心線平均表面粗さ5オングス
トローム以下(更に好ましくは4.5オングストローム
以下、一層好ましくは4.0オングストローム以下)の
平滑性を得ることができる。これと共に、アルカリ金属
イオンの移動源となる外周側端面および面取り部におい
ては、アルカリ金属は、不溶化もしくは含有量を低減さ
せられた状態を維持しているので、メディア表面にアル
カリ金属イオンが移動して突起物を形成するのを効果的
に防ぐことができる。
【0029】
【実施例】(比較例) SiO2 :76.1重量%、Li2 O:9.9重量%、
Al23 :5.1重量%、K2 O:2.8重量%、Z
rO2 :4.0重量%、P25 :1.9重量%、Sb
23 :0.2重量%の組成を有するガラスを作製した
後、図3に示す工程に沿って磁気ディスク用基板を試作
した。ただし、不溶化処理やアルカリ金属の含有量低減
処理は行わなかった。主面ポリッシュ加工2における研
磨除去量は、両面合わせて1μm未満である。磁気ディ
スク用基板を、スパッタリング装置内に投入する前に、
基板の主面の中心線平均表面粗さを測定した結果、4.
0オングストロームであった。
【0030】この磁気ディスク用基板の主面に、スパッ
タリングにより、下地膜と磁性膜を形成し、その上にC
VD法によりダイヤモンドライクカーボン膜を形成し、
更にその上に潤滑剤をコーティングし、メディアを作製
した。スパッタリングによって形成した膜の合計厚さは
90nmであり、CVDで形成した膜の厚さは10nm
である。メディアを25枚作製した。各メディアを、温
度70℃、湿度80%の恒温恒湿槽中に240時間放置
した後、メディアの表面に発生する突起物の有無をハロ
ゲンランプの下で目視で観察した。
【0031】この結果、5枚のメディアにおいて、図1
に示すように、基板の外周エッジ部分上において、突起
物2がメディア表面に白く光って観察された。また、こ
の白色部分を飛行時間型2次イオン質量分析装置(TO
F−SIMS)で分析した結果、異常のない箇所に比べ
てリチウムイオン濃度が高いことがわかった。即ち、リ
チウムイオンの移動によって突起物2が生成しているこ
とが確認された。
【0032】(実施例1)比較例1と同様にして磁気デ
ィスク用基板を製造した。ただし、主面ポリッシュ加工
1と2との間に、基板を300℃で3時間熱処理した
(不溶化処理)。この結果、主面ポリッシュ加工2後の
基板主面のRaは4.0オングストロームであった。2
5枚の基板について上記と同様に腐食試験を行った結
果、いずれも突起物は観測されなかった。
【0033】(比較例2)比較例1と同様にして基板を
製造した。ただし、洗浄後に、基板を300℃で3時間
熱処理した(不溶化処理)。この結果、基板主面のRa
は6.0オングストロームであった。
【0034】(実施例2)比較例1と同様にして基板を
製造した。ただし、主面ポリッシュ加工1と2との間
に、基板を80℃の温純水中に4時間浸漬した(含有量
低減処理)。この結果、主面ポリッシュ加工2後の基板
主面のRaは4.0オングストロームであった。25枚
の基板について上記と同様に腐食試験を行った結果、い
ずれも突起物は観測されなかった。
【0035】(比較例3)比較例1と同様にして基板を
製造した。ただし、洗浄後に、基板を80℃の温純水中
に4時間浸漬した(含有量低減処理)。この結果、基板
主面のRaは6.3オングストロームであった。
【0036】(実施例3)比較例1と同様にして基板を
製造した。ただし、主面ポリッシュ加工1と2との間
に、基板を0.1Nの硝酸水溶液(80℃)中に4時間
浸漬した(含有量低減処理)。この結果、主面ポリッシ
ュ加工2後の基板主面のRaは4.0オングストローム
であった。25枚の基板について上記と同様に腐食試験
を行った結果、いずれも突起物は観測されなかった。
【0037】(比較例4)比較例1と同様にして基板を
製造した。ただし、洗浄後に、基板を0.1Nの硝酸水
溶液(80℃)中に4時間浸漬した(含有量低減処
理)。この結果、基板主面のRaは5.8オングストロ
ームであった。
【0038】これらの結果より、加熱による不溶化処理
や、水性媒体によるアルカリ金属含有量の低減処理を、
最終的な主面のポリッシュ加工2の前に施せば、ポリッ
シュ加工2による研磨によって、不溶化処理や含有量低
減処理を施していない場合と同じ平滑性が得られること
がわかる。
【0039】しかも、主面に対して不溶化処理や含有量
低減処理を施した後に、最終的に主面ポリッシュ加工2
を施し、主面を精密研磨して削除した場合であっても、
リチウムイオンの移動に起因して発生する突起物は観測
されなかった。
【0040】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
磁気ディスク用基板上に、スパッタリング法およびCV
D法で磁性膜等を形成して作製したメディアの高温高湿
下での信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メディア1を高温高湿下で腐食試験をしたとき
に、メディアの外周エッジ部分に突起物が生成した状態
を示す模式図である。
【図2】磁気ディスク用基板の外周エッジ部分を模式的
に示す、拡大部分断面図である。
【図3】結晶化ガラス製の磁気ディスク用基板の製造工
程フローの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 メディア 2 アルカリ金属イオンの移動に
よって生じた突起物 3a 基板の外周側の端面
3b、3c 面取り部 4A、4B 主面 6 内周側の端面

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一種のアルカリ金属が含有され
    ているガラス製の磁気ディスク用基板であって、前記磁
    気ディスク用基板の外周側の端面と主面との間に面取り
    部が形成されており、前記端面および前記面取り部にお
    いて、アルカリ金属イオンの不溶化処理とアルカリ金属
    含有量の低減処理との少なくとも一方の処理が施されて
    おり、前記主面が前記処理後にポリッシュ加工されてい
    ることを特徴とする、磁気ディスク用基板。
  2. 【請求項2】前記主面の中心線平均表面粗さが5オング
    ストローム以下であることを特徴とする、請求項1記載
    の磁気ディスク用基板。
  3. 【請求項3】前記アルカリ金属が、リチウム、ナトリウ
    ム、およびカリウムからなる群より選ばれた一種以上の
    アルカリ金属であることを特徴とする、請求項1または
    2記載の磁気ディスク用基板。
  4. 【請求項4】前記磁気ディスク用基板の前記端面および
    前記面取り部におけるアルカリ金属の含有量が、この磁
    気ディスク用基板全体のアルカリ金属含有量の平均値の
    1/2以下であることを特徴とする、請求項1−3のい
    ずれか一つの請求項に記載の磁気ディスク用基板。
  5. 【請求項5】前記ガラスが結晶化ガラスであることを特
    徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載
    の磁気ディスク用基板。
  6. 【請求項6】請求項1−5のいずれか一つの請求項に記
    載の磁気ディスク用基板と、この磁気ディスク用基板上
    に設けられている磁性膜とを備えていることを特徴とす
    る、磁気ディスク。
  7. 【請求項7】前記磁気ディスク用基板と前記磁性膜との
    間に下地層が設けられており、前記磁性膜の上に保護膜
    が設けられていることを特徴とする、請求項6記載の磁
    気ディスク。
  8. 【請求項8】ヘッド浮上量が50nm以下であるスペッ
    クのハードディスクドライブにおいて使用されることを
    特徴とする、請求項6または7記載の磁気ディスク。
  9. 【請求項9】ガラス製の磁気ディスク用基板を製造する
    方法であって、 原料ガラスを溶融して溶融ガラスを得、この溶融ガラス
    を成形して板状ガラスを得、この板状ガラスに内径孔を
    形成し、次いで前記板状ガラスの主面を研磨または研削
    加工することによって前記板状ガラスの厚さを調節して
    基板材を得、次いでこの基板材の前記内径孔に面する内
    周側端面と外周側の端面とをそれぞれ面取り加工するこ
    とによって各面取り部を形成し、前記内周側端面および
    前記外周側端面を鏡面にポリッシュ加工し、次いで前記
    基板材の主面、前記内周側の端面、前記外周側の端面お
    よび前記各面取り部にアルカリ金属イオンの不溶化処理
    とアルカリ金属の含有量の低減処理との少なくとも一方
    を施し、次いで前記基板材の主面に最終的なポリッシュ
    加工を施して磁気ディスク用基板を得ることを特徴とす
    る、磁気ディスク用基板の製造方法。
  10. 【請求項10】前記基板材を200〜550℃の温度範
    囲内で熱処理することによって、前記アルカリ金属イオ
    ンの不溶化処理を施すことを特徴とする、請求項9記載
    の磁気ディスク用基板の製造方法。
  11. 【請求項11】前記基板材を水性媒体中に浸漬すること
    によって、前記基板材の表面におけるアルカリ金属の含
    有量を、この基板材全体のアルカリ金属含有量の平均値
    の1/2以下にすることを特徴とする、請求項9記載の
    磁気ディスク用基板の製造方法。
JP11195872A 1999-07-09 1999-07-09 磁気ディスク用基板、磁気ディスクおよび磁気ディスク用基板の製造方法 Pending JP2001023155A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11195872A JP2001023155A (ja) 1999-07-09 1999-07-09 磁気ディスク用基板、磁気ディスクおよび磁気ディスク用基板の製造方法
CN 00120467 CN1280356A (zh) 1999-07-09 2000-07-10 磁盘用基板、磁盘及磁盘用基板的制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11195872A JP2001023155A (ja) 1999-07-09 1999-07-09 磁気ディスク用基板、磁気ディスクおよび磁気ディスク用基板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001023155A true JP2001023155A (ja) 2001-01-26

Family

ID=16348401

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11195872A Pending JP2001023155A (ja) 1999-07-09 1999-07-09 磁気ディスク用基板、磁気ディスクおよび磁気ディスク用基板の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2001023155A (ja)
CN (1) CN1280356A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006001400A1 (en) * 2004-06-25 2006-01-05 Showa Denko K.K. Magnetic recording medium substrate and manufacturing method therefor, magnetic recording medium, and magnetic recording device
WO2006022445A1 (en) * 2004-08-27 2006-03-02 Showa Denko K.K. Magnetic disk substrate and production method of magnetic disk

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100472610C (zh) * 2004-08-30 2009-03-25 Hoya株式会社 生产磁盘以及用于磁盘的玻璃基板的方法
WO2008035586A1 (fr) * 2006-09-19 2008-03-27 Hoya Corporation Procédé de production d'un substrat de verre pour un disque magnétique et procédé de fabrication d'un disque magnétique
JP7339607B2 (ja) * 2018-06-26 2023-09-06 日本電気硝子株式会社 ガラス板

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006001400A1 (en) * 2004-06-25 2006-01-05 Showa Denko K.K. Magnetic recording medium substrate and manufacturing method therefor, magnetic recording medium, and magnetic recording device
US7624594B2 (en) 2004-06-25 2009-12-01 Showa Denko K.K. Magnetic recording medium substrate and manufacturing method therefor, magnetic recording medium, and magnetic recording and reproducing device
WO2006022445A1 (en) * 2004-08-27 2006-03-02 Showa Denko K.K. Magnetic disk substrate and production method of magnetic disk
JP2006088314A (ja) * 2004-08-27 2006-04-06 Showa Denko Kk 磁気ディスク用基板および磁気ディスクの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN1280356A (zh) 2001-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3098220B2 (ja) 磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板
JP4185266B2 (ja) 情報記録媒体用基板の製造方法
JP3861063B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の処理方法および製造方法、並びに磁気ディスク
JP3995902B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板及びそれを用いた磁気情報記録媒体
US8728638B2 (en) Magnetic disk substrate, method for manufacturing the same, and magnetic disk
JP2886872B2 (ja) 磁気ディスク用基板および磁気ディスク
US9242888B2 (en) Manufacturing method of glass blank for magnetic disk, manufacturing method of glass substrate for magnetic disk, glass blank for magnetic disk, glass substrate for magnetic disk, and magnetic disk
JP2001039736A (ja) ガラスセラミックス
JP2004259402A (ja) 磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクの製造方法
JPH1116142A (ja) 磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板
WO2008062656A1 (fr) Substrat de verre pour un support d'enregistrement d'informations, procédé de fabrication du substrat de verre pour un support d'enregistrement d'informations, et support d'enregistrement d'informations
JP4218839B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板及びそれを用いた磁気情報記録媒体
JP2023106546A (ja) 磁気ディスク用基板、磁気ディスク及びハードディスクドライブ
JP3254157B2 (ja) 記録媒体用ガラス基板、及び該基板を用いた記録媒体
JP2001143246A (ja) 情報記録媒体用基板およびその製造方法、ならびにそれを用いた情報記録媒体および情報記録装置
JP2001023155A (ja) 磁気ディスク用基板、磁気ディスクおよび磁気ディスク用基板の製造方法
JP2000207733A (ja) 磁気ディスク、その製造方法およびそれを用いた磁気記録装置
JP2002288823A (ja) 情報記録媒体用基板の製造方法
WO2013046585A1 (ja) Hdd用ガラス基板の製造方法
JP2001056929A (ja) 磁気ディスク用基板、磁気ディスクおよび磁気ディスク用基板の製造方法
JP2009104703A (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP4434173B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法および磁気ディスクの製造方法
JP2008140499A (ja) 記録媒体用ガラス基板の製造方法、記録媒体用ガラス基板、記録媒体及び保持治具
JPH11322374A (ja) 磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法
JPH1116151A (ja) 情報記憶媒体用ガラスセラミック基板