JPH1116151A - 情報記憶媒体用ガラスセラミック基板 - Google Patents

情報記憶媒体用ガラスセラミック基板

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JPH1116151A
JPH1116151A JP10108571A JP10857198A JPH1116151A JP H1116151 A JPH1116151 A JP H1116151A JP 10108571 A JP10108571 A JP 10108571A JP 10857198 A JP10857198 A JP 10857198A JP H1116151 A JPH1116151 A JP H1116151A
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glass ceramic
ceramic substrate
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glass
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JP10108571A
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Naoyuki Gotou
後藤直雪
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Ohara Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ランディング領域においては、磁気ヘッドの
安定浮上を可能とし、データ領域(ランプローディング
方式も含む)においては、高記録密度化に対応した低浮
上化もしくは接触状態での磁気信号の入出力を可能にす
る良好な表面特性を兼ね備えた、磁気情報記憶媒体用ガ
ラスセラミック基板を提供する 【解決手段】 主結晶相が、二珪酸リチウム(Li2
・2SiO2),α−クォーツ(α−SiO2),α−ク
ォーツ固溶体(α−SiO2固溶体),α−クリストバ
ライト(α−SiO2)および、α−クリストバライト
固溶体(α−SiO2固溶体)の中から選ばれる少なく
とも1種以上であり、−50〜+70℃における熱膨張
係数が+65〜+130×10-7/℃であり、研磨加工
後の表面粗さ(Ra)が3〜9Åであることを特徴とす
る、情報記憶媒体用ガラスセラミック基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報記憶装置に用
いられる磁気情報記憶媒体用基板であり、特にニアコン
タクトレコーディングやコンタクトレコーディング方式
に好適な超平滑な基板表面を有し、もう一方のCSS
(コンタクト・スタート・ストップ)方式においては、
磁気ディスクと磁気ヘッドの吸着防止のためのランディ
ング領域の表面特性が良好な、磁気ディスク等の情報記
憶媒体用ガラスセラミックス基板およびこの磁気情報記
憶媒体用基板に成膜プロセスを施し形成される磁気情報
記憶媒体に関するものである。尚、本明細書において
「磁気情報記憶媒体」とは、パーソナルコンピュータの
ハードディスクとして使用される、固定型ハードディス
ク,リムーバル型ハードディスク,カード型ハードディ
スク,デジタルビデオカメラ,デジタルカメラにおいて
使用可能な磁気情報記憶媒体等のディスク状磁気情報記
憶媒体を意味する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータのマルチ
メディア化やデジタルビデオカメラ,デジタルカメラ等
の普及によって、動画や音声等の大きなデータが扱われ
るようになり、大容量の磁気情報記憶装置の需要が大き
く伸びてきている。そのため磁気情報記憶媒体は、記録
密度を大きくするために、ビットおよびトラック密度を
増加させ、ビットセルのサイズを縮小化する必要があ
る。そして磁気ヘッドは、ビットセルの縮少化に伴っ
て、磁気情報記憶媒体表面により近接した状態で作動す
るようになる。このように磁気ヘッドが磁気情報記憶媒
体基板に対し、低浮上状態(ニアコンタクト)または接
触状態(コンタクト)にて作動する場合、磁気情報記憶
装置の起動・停止技術として、磁気情報記憶媒体基板
の特定部分(主に磁気情報記憶媒体内外径側の未記憶
部)に磁気ヘッド吸着防止処理(テクスチャ加工)を施
した、専らCSS(コンタクト・スタート・ストップ)
を行うためのランディング領域を設ける方式、磁気情
報記憶媒体が停止中は、磁気ヘッドは磁気情報記憶媒体
の外径の外の場所で待機し、ディスク起動の際は、磁気
情報記憶媒体が回転後に、磁気ヘッドが磁気情報記憶媒
体上にローディングされ、次いで静かに媒体上にヘッド
が降ろされ、停止の際は、磁気情報記憶媒体が回転して
いる状態で磁気ヘッドを上昇させ、次いで磁気情報記憶
媒体の外径の外の場所にローディングするという、ラン
プローディング方式がある。
【0003】のCSS方式では、磁気ヘッドと磁気情
報記憶媒体の両者の接触面が必要以上に鏡面であると、
静止時に吸着が発生し、静止摩擦係数の増大に伴う回転
始動の不円滑,磁気情報記憶媒体表面の損傷等の問題が
発生する。これに対し、のランプローディング方式で
は、ディスク起動・停止時は、磁気ヘッドは磁気情報記
憶媒体の外径外のところにあり、ディスク起動中におい
てのみ、磁気ヘッドを磁気情報記憶媒体上にローディン
グする。この方式は磁気ヘッドをローディングさせるた
めの精密な動作制御等が必要となるが、CSS方式で必
要であったランディング領域が不要となるため、ランデ
ィング領域に専有されていた部分をデータ領域とするこ
とができ、その分記録容量を増加させることができ、さ
らにディスク起動時の磁気情報記憶媒体表面の損傷とい
う問題も解消されるという長所がある。
【0004】以上のように、磁気情報記憶媒体は、記憶
容量の増大に伴い、磁気ヘッドの低浮上化あるいは接触
状態による磁気信号の入出力と、磁気ヘッド−磁気情報
記憶媒体間の吸着防止という、相反する要求に対し、2
方式が検討されているが、いずれの場合も、データ領域
の表面特性は従来以上に平滑性が高いものでなくてはな
らず、したがって、基板にも同様に従来以上の平滑な表
面が求められている。更にこれらの記憶媒体について
は、現在の固定型磁気情報記憶装置に対して、リムーバ
ル方式やカード方式等の磁気情報記憶装置が検討・実用
段階にありデジタルビデオカメラ・デジタルカメラ等の
用途展開も始まりつつあり、その強度等への条件も含め
て、基板に求められる特性はより高度になっている。
【0005】従来、磁気ディスク基板材には、アルミニ
ウム合金が使用されているが、アルミニウム合金基板で
は、種々の材料欠陥の影響により、研磨工程における基
板表面の突起またはスポット状の凹凸を生じ、平滑性の
点で十分でない。またアルミニウム合金は軟かい材料で
あるため、変形が生じやすく薄形化に対応することがむ
ずかしく、更にヘッドの接触による変形傷を生じメディ
アを損傷させてしまう等、今日の高密度記録化の要求に
十分対応できない。
【0006】また、アルミニウム合金基板の問題点を解
消する材料として化学強化ガラスのソーダライムガラス
(SiO2−CaO−Na2O)とアルミノシリケートガ
ラス(SiO2−Al23−Na2O)が知られている
が、この場合、 研磨は化学強化後に行なわれ、ディスクの薄板化にお
ける強化層の不安定要素が高い。 基板には始動/停止(CSS)特性向上のための基板
表面に凹凸を作るテクスチャを行うが、機械的または熱
的(レーザ加工)な処理等は、化学強化層の歪によりク
ラック等を発生してしまうため、ケミカルエッチング法
や成膜粒界成長法を行う必要があり製品の低コスト安定
生産性が難しい欠点がある。 ガラス中にNa2O成分を必須成分として含有するた
め、成膜特性が悪化し、Na2O溶出防止のための全面
バリアコート処理が必要となり、製品の低コスト安定生
産性が難しい欠点がある。
【0007】アルミニウム合金基板や化学強化ガラス基
板に対して、いくつかの結晶化ガラスが知られている。
例えば、特開平6−329440号公報記載のSiO2
−Li2O−MgO−P25系結晶化ガラスは、主結晶
相として二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2)および
α−クォーツ(α−SiO2)を有し、α−クォーツ
(α−SiO2)の球状粒子サイズをコントロールする
事で、従来のメカニカルテクスチャ,ケミカルテクスチ
ャを不用とし、研磨して成る表面粗度(Ra)を15〜
50Åの範囲で制御を可能とした、基板表面全面テクス
チャ材として非常に優れた材料であるが、目標とする表
面粗度(Ra)が3〜9Åと、急速に進む記録容量向上
に合せた低浮上化に十分対応することができない。ま
た、後述のランディング領域に対する議論がまったくな
されていない。
【0008】特開平7−169048号公報には、磁気
ディスク用基板表面に記録領域とランディング領域を形
成したことを特徴とした、SiO2−Li2O系ガラスに
感光性金属のAu,Agを含有する感光性結晶化ガラス
が開示されているが、この結晶化ガラスの主結晶相は、
珪酸リチウム(Li2O・SiO2)および/または二珪
酸リチウム(Li2O・2SiO2)から成り、特に珪酸
リチウム(Li2O・SiO2)は一般的に化学的耐久性
が悪く実用上の問題が大きい。更にランディング領域の
形成に当たっては、基板の一部分(ランディング領域)
を結晶化し、HF6%溶液によるケミカルエッチングを
行っているが、ディスク基板に対し未結晶化部と結晶化
部を与える事は、熱的,機械的にも不安定要素が高くな
る。またHFによるケミカルエッチングに関してもHF
溶液の揮発等の問題により、濃度コントロールが難しく
量産性が悪い。
【0009】特開平9−35234号公報には、SiO
2−Al23−Li2O系ガラスにおいて、主結晶相が二
珪酸リチウム(Li2O・2SiO2)とβ−スポジュウ
メン(Li2O・Al23・4SiO2)からなる磁気デ
ィスク用基板が開示されているが、この結晶化ガラスの
主結晶相は、負の熱膨張特性(結果として基板は低膨張
特性となる)を有するβ−スポジューメン(Li2O・
Al23・4SiO2)であり、α−石英(α−Si
2)やα−クリストバライト(α−SiO2)結晶等S
iO2系の正の熱膨張特性(結果として基板は高膨張特
性となる)を有する結晶の析出を規制したものである。
この結晶化ガラスは、磁気ディスクとしての研磨して成
る中心線平均表面粗さは、20Å以下であるが、実施例
で開示される中心線平均表面粗さは12〜17Åと、上
記要求に対してはまだ粗く、記憶容量向上に伴う磁気ヘ
ッドの低浮上化に十分対応することができない。またβ
−スポジュウメンの析出に必要不可欠なAl23成分が
5%以上含有しており、かつ主結晶とする負の熱膨張特
性を有する結晶を析出させた材料は、情報記憶媒体装置
の構成部品との熱膨張率差に関して悪影響を与える事は
明白である。加えて結晶化熱処理温度に関しても820
〜920℃と高温を必要とし、低コスト,量産性を妨げ
るものである。
【0010】国際公開番号WO97/01164は、上
記特開平9−35234号公報を含み、新たに上記組成
系のAl23成分の下限を下げ、結晶化熱処理を低温化
(680〜770℃)した、磁気ディスク用結晶化ガラ
スが開示されているが、その改善効果は不十分であり、
実施例中で開示されるすべての結晶化ガラスの結晶相
は、やはり負の熱膨張特性を有する、β−ユークリプタ
イト(Li2O・Al23・2SiO2)を析出させるも
のであり、情報記憶媒体装置の構成部品との熱膨張率差
に関して悪影響を与えてしまう。尚、これらの公報では
MgO成分を実質的に含有しないことを特徴としてい
る。
【0011】磁気ディスク基板表面へのランディング領
域およびデータ領域の形成に関して、いくつかの技術が
知られている。例えば特開平6−290452号公報に
は、カーボン基板に対し波長523nmのパルスレーザ
によるランディング領域形成方法が開示されているが、
この場合、 カーボン基板は、高圧プレスおよび高温焼成2600
℃により成形体を得るため、低コスト化および量産性を
妨げている。 カーボン基板は、表面硬度が高く端面加工や表面精密
研磨が困難であり、低コスト化および量産性を妨げてい
る。 ランディング領域の形成方法は、パルスレーザによる
カーボンの酸化および気化を利用するものであるが、熱
酸化反応が激しい材料であるため加工形状が不安定で再
現性に問題がある。
【0012】また、特開平7−65359公報には、パ
ルスレーザによるアルミニウム合金基板のランディング
領域形成方法が開示されているが、いずれも前記記載の
アルミニウム合金基板の問題点はもちろんの事、アルミ
ニウム合金基板のレーザによる加工は、レーザ照射後の
加工面が金属特有の溶融部の酸化および飛沫が残り欠陥
となってしまうため、実用上問題である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術に見られる諸欠点を解消しつつ、磁気ヘッドの
起動・停止(コンタクト・スタート・ストップ)部が存
在するランディング領域においては、磁気ヘッドの安定
浮上を可能とし、更にデータ領域(ランプローディング
方式も含む)においては、高記録密度化に対応したデー
タ領域での低浮上化もしくは接触状態での磁気信号の入
出力を可能にするという、従来にない良好な表面特性を
兼ね備えた、磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板
およびその製造方法ならびにこのガラスセラミック基板
上に磁気媒体他の被膜を形成してなる磁気情報記憶媒体
を提供することにある。
【0014】
【課題を解消するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意試験研究を重ねた結果、SiO2
Li2O−K2O−MgO−ZnO−P25−Al23
ZrO2系のガラスにおいて、その主結晶相が、α−ク
ォーツ(α−SiO2),α−クォーツ固溶体(α−S
iO2固溶体),α−クリストバライト(α−Si
2),α−クリストバライト固溶体(α−SiO2固溶
体)の中から選ばれる少なくとも一種以上および二珪酸
リチウム(Li2O・2SiO2)であり、特定範囲の熱
膨張係数を有し、結晶粒子はいずれも微細な球状粒子形
態から成り、研磨して成る表面特性がより平滑性に優
れ、更にCO2レーザ加工による加工特性に優れている
点で磁気情報記憶媒体基板表面のランディング領域およ
びデータ領域の形成にも一段と有利な、磁気情報記憶媒
体用ガラスセラミックが得られることを見い出し、本発
明に至った。
【0015】すなわち、請求項1に記載の発明は、主結
晶相が、α−クォーツ(α−SiO2),α−クォーツ
固溶体(α−SiO2固溶体),α−クリストバライト
(α−SiO2)およびα−クリストバライト固溶体
(α−SiO2固溶体)の中から選ばれる少なくとも1
種以上と二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2)であ
り、−50〜+70℃における熱膨張係数が+65〜+
130×10-7/℃であり、研磨加工後の表面粗さ(R
a)が3〜9Åであることを特徴とする、情報記憶媒体
用ガラスセラミック基板であり、請求項2に記載の発明
は、Na2O,PbOを実質的に含まないことを特徴と
する、請求項1に記載の情報記憶媒体用ガラスセラミッ
ク基板であり、請求項3に記載の発明は、二珪酸リチウ
ムの結晶粒子は球状粒子形態を有しており、その粒子径
は0.05〜0.30μmの範囲内であり、α−クォー
ツおよびα−クォーツ固溶体の結晶粒子は、複数の粒子
が凝集した球状粒子形態を有しており、その粒子径は
0.10〜1.00μmの範囲内であり、α−クリスト
バライトおよびα−クリストバライト固溶体の結晶粒子
は球状粒子形態を有しており、その粒子径は0.10〜
0.50μmの範囲内であることを特徴とする請求項1
または2に記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック
基板であり、請求項4に記載の発明は、ガラスセラミッ
クは重量百分率で、 SiO2 70 〜80% Li2O 9 〜12% K2O 2 〜 5% MgO 0.5〜 5% ZnO 0.2〜 3% 但し、MgO+ZnO 1.2〜 5% P25 1.5〜 3% ZrO2 0.5〜 5% Al23 2 〜 5% Sb23+As23 0 〜 2% の範囲の各成分を含有することを特徴とする、請求項1
〜3のいずれかに記載の情報記憶媒体用ガラスセラミッ
ク基板であり、請求項5に記載の発明は、前記範囲の各
成分を含有する原ガラスを核形成のために450〜55
0℃の核形成温度で1〜10時間の範囲で熱処理し、更
に、結晶成長のために680〜800℃の結晶化温度で
1〜12時間の範囲で熱処理した後、表面を3〜9Åの
表面粗さ(Ra)に研磨して得られることを特徴とす
る、請求項1〜4のいずれかに記載の磁気情報記憶媒体
用ガラスセラミック基板であり、請求項6に記載の発明
は、データ領域とランディング領域を有する情報記憶媒
体用ガラスセラミックス基板において、該ランディング
領域はCO2レーザ照射により形成された無数の凹凸ま
たは突起を有することを特徴とする、請求項1〜5のい
ずれかに記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基
板であり、請求項7に記載の発明は、ランディング領域
に、CO2レーザによる無数の凹凸または突起を形成
し、その凹凸または突起の高さが50〜300Å,表面
粗度(Ra)が10〜50Å、その凹凸または突起の間
隔が10〜200μmであることを特徴とする、請求項
1〜6のいずれかに記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセ
ラミック基板であり、請求項8に記載の発明は、請求項
1〜7のいずれかに記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセ
ラミック基板上に磁性膜および必要に応じて下地層,保
護層,潤滑膜を形成してなる磁気ディスクである。
【0016】本発明のガラスセラミック基板の主結晶相
とその粒径・粒子形態,熱膨張率,表面特性,組成,熱
処理条件,テクスチャ後の表面等を限定した理由を以下
に述べる。尚、組成は同様酸化物基準で表示する。
【0017】まず、主結晶相についてであるが、α−ク
ォーツ(α−SiO2),α−クォーツ固溶体(α−S
iO2固溶体),α−クリストバライト(α−SiO2
およびα−クリストバライト固溶体(α−SiO2固溶
体)の中から選ばれる少なくとも一種以上および二珪酸
リチウム(Li2O・2SiO2)とすべきである。これ
は、主結晶相が熱膨張率,機械的強度,結晶形態および
これに起因する表面特性を左右する重要なファクターで
あり、前述の高密度記録用基板として求められる各種特
性を実現するためには、これらが主結晶相でなければな
らない。
【0018】次に熱膨張率についてであるが、記録密度
の向上に伴って、磁気ヘッドと媒体のポジショニングに
高精度を要するため、媒体基板やディスクの各構成部品
には高い寸法精度が要求される。このためこれら構成部
品との熱膨張係数の差の影響も無視できなくなるので、
これらの熱膨張係数差を極力少なくしなければならな
い。特に小型の磁気情報記憶媒体に使用される構成部品
の熱膨張率は、+90〜+100×10-7/℃程度のも
のが良く用いられており、基板もこの程度の熱膨張係数
が必要とされるが、ドライブの設計によってはこの範囲
からはずれた熱膨張係数(+70前後〜+125前後×
10-7/℃)を有する材料を構成部品に用いる場合があ
る。以上のような理由により、本発明の結晶系で強度と
の兼ね合いを図りながら、用いる構成部品の材質に広く
対応しうるよう、熱膨張係数は−50〜+70℃の範囲
において、+65〜+130×10-7/℃であるべきで
ある。
【0019】次に基板にNa2O,PbOを実質的に含
まない理由についてであるが、磁性膜の高精度化,微細
化において、材料中のNa2Oは問題となる成分であ
る。これはNaイオンが磁性膜粒子の異常成長や配向性
の低下を著しくもたらすものであるため、この成分が基
板中に存在すると、成膜中に磁性膜内に拡散して磁気特
性の低下をもたらすからである。また、PbOについて
は、環境上好ましくない成分であるので、使用は極力避
けるべきである。
【0020】次に基板の表面特性についてであるが、C
SS方式におけるランディング領域(磁気ヘッドの始動
・停止部)の表面状態は、その凹凸または突起が50Å
以下では、静止時に生じる接触抵抗の増大により、ヘッ
ドと媒体基板の吸着が発生し、ディスク起動時に磁気媒
体もしくはヘッド破損を生じる危険性が著しく高くな
る。一方、表面状態の凹凸または突起が300Å以上の
粗い表面では、ディスク起動後にヘッドクラッシュ等を
発生するため、ランディング領域の表面状態が50〜3
00Åの高さである必要があり、その凹凸または突起の
間隔が10〜200μmに制御され、その表面粗度(R
a)が10〜50Åに制御された表面状態であることが
要求される。
【0021】また、磁気情報記憶媒体の面記録密度向上
に伴い、ヘッドの浮上高さが0.025μm以下と低減
の方向にあり、ディスク表面のデータ領域は、この浮上
高さを可能にする表面粗度(Ra)が3〜9Åである事
が要求される。ランプローディング方式では媒体の全面
がデータ領域となるうるので、この場合はテクスチャ加
工せず、全領域の表面粗度(Ra)が3〜9Åである事
が要求される。
【0022】次にこれら析出結晶の粒子形態と粒径につ
いてであるが、上記のような平滑性(データ領域で3〜
9Å)を有するガラスセラミックス基板を得るために
は、その結晶粒子と形態が重要な因子となる。上記各結
晶の結晶粒径より大きくても小さくても、所望の表面粗
度は得られない。また、形態についても球状であるため
に、これらが研磨後の表面に露出し、滑らかでバリ等の
発生がない、良好な表面を実現している。
【0023】次に原ガラスの組成範囲を上記の様に限定
した理由について以下に述べる。すなわち、SiO2
分は、原ガラスの熱処理により、主結晶相として析出す
る二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2),α−クォー
ツ(α−SiO2),α−クォーツ固溶体(α−SiO2
固溶体),α−クリストバライト(α−SiO2),α
−クリストバライト固溶体(α−SiO2固溶体)結晶
を生成するきわめて重要な成分であるが、その量が70
%未満では、得られたガラスセラミックの析出結晶が不
安定で組織が粗大化しやすく、また、80%を超えると
原ガラスの溶融・成形性が困難になる。
【0024】Li2O成分は、原ガラスの熱処理によ
り、主結晶相として析出する二珪酸リチウム(Li2
・2SiO2)結晶を生成するきわめて重要な成分であ
るが、その量が9%未満では、上記結晶の析出が困難と
なると同時に、原ガラスの溶融が困難となり、また、1
2%を超えると得られる結晶が不安定で組織が粗大化し
やすいうえ化学的耐久性が悪化する。
【0025】K2O成分は、ガラスの溶融性を向上させ
ると同時に析出結晶の粗大化を防止する成分であるが、
その量が2%未満では上記効果が得られず、また、5%
を超えると析出結晶の粗大化,結晶相変化および化学的
耐久性が悪化し、さらに成膜時に媒体への拡散が多くな
り、媒体の異常成長や配向性の低下を招く危険性が高く
なる。
【0026】MgO、ZnO成分は、本発明の主結晶相
としての二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2),α−
クォーツ(α−SiO2),α−クォーツ固溶体(α−
SiO2固溶体),α−クリストバライト(α−Si
2),α−クリストバライト固溶体(α−SiO2固溶
体)の各結晶粒子を球状粒子形態に析出させることを見
い出した重要な成分であるが、それぞれMgO成分は
0.5%未満、ZnO成分は0.2%未満、これらの合
計量が1.2%未満では上記効果が得られず、また、M
gO成分、ZnO成分がそれぞれ5%,3%を超え合計
量が5%を超えると所望の結晶が析出し難くなる。
【0027】P25成分は本発明において、ガラスの結
晶核形成剤として不可欠であるが、その量が1.5%未
満では結晶核形成が不十分で析出結晶相を粗大化させて
しまい、また3%を超えると原ガラスの乳白失透による
量産性が悪化する。
【0028】ZrO2成分はP25成分と同様にガラス
の結晶核形成剤として機能する上に、析出結晶の微細化
と材料の機械的強度向上および化学的耐久性の向上に顕
著な効果を有する極めて重要な成分であるが、その量が
0.5%未満では、上記効果が得られず、また、5%を
超えると原ガラスの溶融が困難となると同時にZrSi
4等の溶け残りが発生してしまう。
【0029】Al23成分は、ガラスセラミックの化学
的耐久性および硬度を向上させる成分であるが、その量
が2%未満では上記効果が得られず、また5%を超える
と溶融性,失透性が悪化し、析出結晶相が低膨張結晶の
β−スポジュメン(Li2O・Al23・4SiO2)に
相変化してしまう。β−スポジュメン(Li2O・Al2
3・4SiO2)およびβ−クリストバライト(β−S
iO2)の析出は材料の熱膨張係数を著しく低下させる
ため、これらの結晶の析出は避ける必要がある。
【0030】Sb23および成分はガラス溶融の際の清
澄剤として添加しうるが、その量は1%以下で充分であ
る。
【0031】他にも、基板材料は結晶異方性,異物,不
純物等の欠陥がなく組織が緻密で均質、微細である事
や、高速回転やヘッドの接触およびリムーバル記憶装置
のような携帯型使用に十分耐え得る機械的強度,高ヤン
グ率,表面硬度を有する事が求められ、本願のガラスセ
ラミックス基板はこれらの条件を全て満足しているもの
である。
【0032】つぎに本発明にかかる磁気情報記憶媒体用
ガラスセラミック基板を製造するには、上記の組成を有
するガラスを溶解し、熱間成形および/または冷間加工
を行った後450〜550℃の範囲の温度で1〜12時
間熱処理して結晶核を形成し、続いて680〜800℃
の範囲の温度で約1〜12時間熱処理して結晶化を行
う。
【0033】こうして熱処理により結晶化されたガラス
セラミックの主結晶相は、α−クォーツ(α−Si
2),α−クォーツ固溶体(α−SiO2固溶体),α
−クリストバライト(α−SiO2),α−クリストバ
ライト固溶体(α−SiO2固溶体)の中から選ばれる
少なくとも1種以上および二珪酸リチウム(Li2O・
2SiO2)であって、二珪酸リチウムの結晶粒子は球
状粒子構造を有し、その大きさは0.05〜0.30μ
mの範囲内の径を有しており、また、α−クリストバラ
イト,α−クリストバライト固溶体の結晶粒子は球状粒
子構造を有し、その大きさは0.10〜0.50μmの
範囲内の径を有している。また、α−クォーツ,α−ク
ォーツ固溶体の結晶粒子は複数の粒子が凝集した球状粒
子構造を有し、その大きさは0.10〜1.00μmの
範囲内の径を有している。
【0034】次にこの熱処理結晶化したガラスセラミッ
クを常法によりラッピングした後ポリシングすることに
より、表面粗度(Ra)が3〜9Åの範囲内の磁気ディ
スク基板材が得られる。
【0035】さらに、これらの基板は、ランディング領
域への凹凸または突起の形成のため、CO2レーザを用
いランディング領域への照射を行う。レーザ照射後のラ
ンディング領域には、50〜300Åの凹凸または突起
が25〜250μmの間隔で、表面粗度が10〜50Å
の範囲で形成される。図1において、ガラスセラミック
基板1は中心にある円形穴5を囲むランディング領域3
とその外側のデータ領域2を有する。なお、4はリング
である。図2において、ランディング領域に形成された
凹凸の形状を示す。図3において、ランディング領域に
形成された突起の形状を示す。図4において、ランディ
ング領域に形成される凹凸または突起の間隔を示す。図
5において、ランディング領域に形成される凹凸または
突起の高さを示す。
【0036】一般に知られる材料の表面改質(切断,溶
接,微細加工)に用いられるレーザは、Arレーザ,C
2レーザ,エキシマレーザ,LD励起固体レーザに大
きく分類する事ができるが、特に本発明におけるガラス
セラミックのレーザ加工については、Arレーザ,エキ
シマレーザは加工表面の形状および飛沫による表面欠陥
を発生させてしまうため、CO2レーザに限定されるこ
とが判った。
【0037】CO2レーザによりランディング領域を形
成するには、研磨されたガラスセラミック基板をスピン
ドルによりクランプした状態で回転させながらパルスレ
ーザを基板表面に垂直に一定間隔で照射しランディング
領域の凹凸または突起を形成する。
【0038】このパルスレーザの照射については、CO
2レーザのスポット径が約10〜50μmにてガラスセ
ラミック組成に合わせレーザ出力、レーザパルス幅等の
諸条件を制御して行う。
【0039】CO2レーザ照射による基板表面の凹凸ま
たは突起の形成に影響する諸条件は、レーザ出力,
レーザパルス長,レーザスポット径すなわち基板表面
の照射面積等が主なものであるが、レーザ照射を受ける
側の基板材質においては、特に、レーザ照射(ヒートア
ップ)によるガラスの溶融点(Melting Point)や、析
出結晶の溶融点が影響するものである。例えば結晶を析
出していない一般的なガラス基板においては、表1に示
すようにガラスセラミックに比べその溶融点が低く、レ
ーザ照射を受けた場合、溶融部が非常に不安定で、凹凸
または突起形状をコントロールすることが難しい。また
レーザ照射部と未照射部において熱的原因による歪みや
マイクロクラックが生じ、基板の強度を著しく低下させ
てしまう。またガラスセラミック基板においては、析出
結晶の種類により溶融点の差が非常に大きい、本発明の
ガラスセラミックはガラス基板に比べ溶融点が高温であ
り、レーザ照射後の凹凸または突起形状が安定するもの
である。これに対して、一般にMgO−Al23−Si
2系,ZnO−Al23−SiO2系,Li2O−Al2
3−SiO2系等のガラスセラミックは、表1に示すよ
うに本発明のガラスセラミックに比べ溶融点が高温であ
るために、レーザを高出力で加工する必要があると同時
に、目標とする凹凸または突起形成の制御が困難とな
る。
【0040】
【発明の実施の形態】次に本発明の好適な実施例につい
て説明する。表1は各ガラスまたはガラスセラミックス
を製造する際の、原料を溶融する温度の一覧である。表
2〜5は本発明の磁気ディスク用ガラスセラミック基板
の実施組成例(No.1〜10)および比較組成例として
従来のLi2O−SiO2系ガラスセラミック2種(比較
例1:特開昭62−72547号公報記載のもの,比較
例2:特開平9−35234号公報記載のもの)につい
て、これらのガラスセラミックの核形成温度,結晶化温
度,結晶相,結晶粒子径,結晶粒子形態,データ領域の
研磨して成る表面粗度(Ra),ランディング領域のC
2レーザ照射により得られた凹凸または突起の高さと
表面粗度Raの値を共に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】本発明の上記実施例のガラスは、いずれも
酸化物,炭酸塩,硝酸塩等の原料を混合し、これを通常
の溶解装置を用いて約1350〜1450℃の温度で溶
解し、攪拌均質化した後ディスク状に成形して、冷却し
ガラス成形体を得た。その後これを450〜550℃で
約1〜12時間熱処理して結晶核形成後、680〜80
0℃で約1〜12時間熱処理結晶化して、所望のガラス
セラミックを得た。ついで上記ガラスセラミックを平均
粒径5〜30μmの砥粒にて約10〜60分ラッピング
し、その後平均粒径0.5〜2μmの酸化セリュームに
て約30〜60分間研磨し仕上げた。さらに研磨された
ガラスセラミックは、CO2レーザの照射系を固定し、
ガラスセラミックディスク基板を回転させ、パルスレー
ザを照射しランディング領域への凹凸または突起を形成
した。
【0047】このCO2レーザの照射は、レーザ出力,
レーザビーム径,焦点距離,レーザパルス幅等の諸条件
をガラスセラミックの組成に合わせ制御することによっ
て行った。
【0048】さらにランディング領域を形成したガラス
セラミックディスクは、光学表面粗さ解析装置Zygo
を用い、データ領域の表面粗度(Ra)、ランディング
領域の凹凸または突起の高さと表面粗度Raを求めた。
【0049】本発明の実施例および比較例の結晶形態を
図6,図7に示し、また本発明の実施例および公知のア
ルミノシリケイト系強化ガラスのレーザ照射後の表面状
態を図8,図9に示す。図6は本発明の実施例(No.
2)のガラスセラミックのHFエッチング後の粒子構造
を示す走査型電子顕微鏡写真、図7は従来のガラスセラ
ミック(比較例1)のHFエッチング後の粒子構造を示
す走査型電子顕微鏡写真、図8は本発明の実施例(No.
3)のガラスセラミックのCO2レーザを照射した後の
走査型電子顕微鏡写真、図9はアルミノシリケイト系強
化ガラスのCO2レーザを照射した後の走査電子顕微鏡
写真である。
【0050】表2〜5および図6,図7に示されるとお
り、本発明と従来のLi2O−SiO2系ガラスセラミッ
クの比較例とでは、結晶相の二珪酸リチウム(Li2
25)の結晶粒子径および結晶形態が全く異なり、本
発明のガラスセラミックは、α−クォーツ,α−クォー
ツ固溶体,α−クリストバライトおよびα−クリストバ
ライト固溶体の中から選ばれる少なくとも1種以上およ
び二珪酸リチウム(Li2Si25)が、球状形態(α
−クォーツについては凝集球状形態)で、かつ結晶粒径
が微細であった。
【0051】これに対し、比較例1のガラスセラミック
は二珪酸リチウム(Li2Si25)が針状形態でかつ
結晶粒子径が1.0μm以上で大きなものである。これ
は、より平滑性を求められる状況において、研磨して成
る表面粗度や結晶粒子の脱落から発生する欠陥に影響を
及ぼすものであり、比較例1,2のガラスセラミックは
12Å以下という平滑性の特に優れた表面を得ることが
困難であった。また比較例2のガラスセラミックスは、
その主結晶相中にβ−クリストバライトが含まれ、熱膨
張係数(×10-7/℃)は、61と低膨張となってお
り、磁気情報記憶媒体用装置の各構成部材との熱膨張率
差が大きいものであった。
【0052】図8,図9に示すレーザ加工による表面状
態については、前記従来技術で記載した様に、従来のア
ルミニウム基板や化学強化ガラスで生じる欠点に対し、
本発明のガラスセラミックは、図8に示す通り均質で形
状の優れたレーザ加工が可能である。図9に示す化学強
化ガラス(SiO2−Al23−Na2O,K2Oイオン
交換)は、レーザによる加工が不安定で汚い表面状態で
あるのが明白である。これに関しては、本発明のガラス
セラミックはアモルファス状態のガラスに比べ耐熱性に
優れ、かつ強化ガラス特有の表面強化層と内部未強化層
との間の応力変化がなく、さらに本発明のガラスセラミ
ックの内部に析出している結晶相は、種々の外的作用に
よって生じるマイクロクラックの成長を防止する効果が
あり、これらの総合的効果によりレーザ照射に対する耐
久性を向上させているものと考えられる。
【0053】また上記の実施例により得られたガラスセ
ラミックス基板に、DCスパッタ法により、Cr中間層
(80nm),Co−Cr磁性層(50nm),SiC
保護膜(10nm)を成膜した。次いでパーフルオロポ
リエーテル系潤滑剤(5nm)を塗布して、情報磁気記
憶媒体を得た。これによって得られた情報磁気記憶媒体
は、その良好な表面粗度により、従来よりもヘッド浮上
高を低減することができ、またランプローディング方式
によって、ヘッドと媒体が接触状態での入出力を行って
も、ヘッド破損・媒体破損を生じることなく磁気信号の
入出力を行うことができた。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、上
記従来技術に見られる諸欠点を解消しつつ、ランディン
グ領域において磁気ヘッドの安定浮上を可能とすると共
に、高記録密度化に対応したデータ領域での低浮上化を
可能とする、二つの表面特性をも兼ね備えることのでき
る磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板およびこの
ガラスセラミック基板上に磁気媒体の被膜を形成してな
る磁気情報記憶媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るCSS方式の磁気情報記憶媒体用
ガラスセラミック基板の一実施形態の中心にある円形穴
を囲むランディング領域とデータ領域とを示す上面図で
ある。
【図2】同実施形態のランディング領域に形成される凹
凸の形状を示す断面図である。
【図3】同実施形態のランディング領域に形成される突
起の形状を示す断面図である。
【図4】同実施形態のランディング領域に形成される凹
凸または突起の間隔を示す断面図である。
【図5】同実施形態のランディング領域に形成される凹
凸または突起の高さを示す断面図である。
【図6】本発明のガラスセラミック(実施例2)のHF
エッチング後の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真で
ある。
【図7】従来のガラスセラミック(比較例1)のHFエ
ッチング後の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真であ
る。
【図8】本発明のガラスセラミック(実施例3)のCO
2レーザ照射後の凹凸を示す走査型電子顕微鏡写真であ
る。
【図9】従来のアルミノシリケイト系強化ガラスのCO
2レーザ照射後の凹凸を示す走査型電子顕微鏡写真であ
る。
【図10】磁気ヘッドの起動・停止をランディング領域
で行うランディングゾーン方式の磁気情報記憶装置を示
したものである。
【図11】磁気ヘッドの起動・停止を磁気情報記憶媒体
基板より外し行うランプローディング方式の磁気情報記
憶装置を示したものである。
【符号の説明】
1 ガラスセラミック基板 2 データ領域 3 ランディング領域 4 リング 5 円形穴 6 磁気情報記憶装置 7 磁気ヘッドアーム

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主結晶相が、α−クォーツ(α−SiO
    2),α−クォーツ固溶体(α−SiO2固溶体),α−
    クリストバライト(α−SiO2)およびα−クリスト
    バライト固溶体(α−SiO2固溶体)の中から選ばれ
    る少なくとも1種以上および二珪酸リチウム(Li2
    ・2SiO2)であり、−50〜+70℃における熱膨
    張係数が+65〜+130×10-7/℃であり、研磨加
    工後の表面粗さ(Ra)が3〜9Åであることを特徴と
    する、情報記憶媒体用ガラスセラミック基板。
  2. 【請求項2】 Na2O,PbOを実質的に含まないこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の情報記憶媒体用ガラ
    スセラミック基板。
  3. 【請求項3】 二珪酸リチウムの結晶粒子は球状粒子形
    態を有しており、その粒子径は0.05〜0.30μm
    の範囲内であり、α−クォーツおよびα−クォーツ固溶
    体の結晶粒子は、複数の粒子が凝集した球状粒子形態を
    有しており、その粒子径は0.10〜1.00μmの範
    囲内であり、α−クリストバライトおよびα−クリスト
    バライト固溶体の結晶粒子は球状粒子形態を有してお
    り、その粒子径は0.10〜0.50μmの範囲内であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気情報
    記憶媒体用ガラスセラミック基板。
  4. 【請求項4】 ガラスセラミックは重量百分率で、 SiO2 70 〜80% Li2O 9 〜12% K2O 2 〜 5% MgO 0.5〜 5% ZnO 0.2〜 3% 但し、MgO+ZnO 1.2〜 5% P25 1.5〜 3% ZrO2 0.5〜 5% Al23 2 〜 5% Sb23+As23 0 〜 2% の範囲の各成分を含有することを特徴とする、請求項1
    〜3のいずれかに記載の情報記憶媒体用ガラスセラミッ
    ク基板。
  5. 【請求項5】 前記範囲の各成分を含有する原ガラスを
    核形成のために450℃〜550℃の核形成温度で1〜
    10時間の範囲で熱処理し、更に、結晶成長のために6
    80〜800℃の結晶化温度で1〜12時間の範囲で熱
    処理した後、表面を3〜9Åの表面粗さ(Ra)に研磨
    して得られることを特徴とする、請求項1〜4のいずれ
    かに記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板。
  6. 【請求項6】 データ領域とランディング領域を有する
    情報記憶媒体用ガラスセラミックス基板において、該ラ
    ンディング領域はCO2レーザ照射により形成された無
    数の凹凸または突起を有することを特徴とする、請求項
    1〜5のいずれかに記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセ
    ラミック基板。
  7. 【請求項7】 ランディング領域に、CO2レーザによ
    る無数の凹凸または突起を形成し、その凹凸または突起
    の高さが50〜300Å,表面粗度(Ra)が10〜5
    0Å,その凹凸または突起の間隔が10〜200μmで
    あることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載
    の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の磁気情
    報記憶媒体用ガラスセラミック基板上に磁性膜および必
    要に応じて下地層,中間層,保護層,潤滑層等を形成し
    てなる磁気ディスク。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001019489A (ja) * 1998-03-23 2001-01-23 Ohara Inc ガラスセラミックス
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