JPH0977565A - ガラスセラミックス成形体の製造方法 - Google Patents

ガラスセラミックス成形体の製造方法

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JPH0977565A
JPH0977565A JP7232335A JP23233595A JPH0977565A JP H0977565 A JPH0977565 A JP H0977565A JP 7232335 A JP7232335 A JP 7232335A JP 23233595 A JP23233595 A JP 23233595A JP H0977565 A JPH0977565 A JP H0977565A
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glass
temperature
magnetic disk
molded body
phase
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JP7232335A
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Tomio Suzuki
富雄 鈴木
Fuminori Takeya
文則 竹矢
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NGK Insulators Ltd
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NGK Insulators Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B32/00Thermal after-treatment of glass products not provided for in groups C03B19/00, C03B25/00 - C03B31/00 or C03B37/00, e.g. crystallisation, eliminating gas inclusions or other impurities; Hot-pressing vitrified, non-porous, shaped glass products
    • C03B32/02Thermal crystallisation, e.g. for crystallising glass bodies into glass-ceramic articles

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】直径1.5μm以上の気泡を1平方センチメー
トル内に1個以下に制限する必要があるような、高度の
無欠陥のガラスセラミックス成形体を、短時間で製造す
る。 【構成】非晶質の原ガラスからなる成形体をホットアイ
ソスタティックプレスすることによって結晶化させてガ
ラスセラミックス成形体を得る。好ましくは、ホットア
イソスタティックスプレス時の圧力を300kg/cm
2 〜2000kg/cm2 とする。このガラスセラミッ
クス成形体は、磁気ディスク用基板、磁気ヘッドスライ
ダー、電子回路基板等の材料として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク用基板等
に好適なガラスセラミックス成形体の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】コンピューター等の磁気記憶装置の主要
構成要素は、磁気記録媒体と磁気記録再生用の磁気ヘッ
ドである。磁気記録媒体としてはフレキシブルディスク
とハードディスクとが知られているが、このうちハード
ディスク用の基板の材料としては、主としてアルミニウ
ム合金が使用されてきている。しかし、最近、ハードデ
ィスクドライブの小型化に伴って、磁気ヘッドの浮上量
が顕著に減少してきている。これに伴い、磁気ディスク
の表面の平滑性について、きわめて高い精度が要求され
てきている。
【0003】一般に、磁気ディスクの表面の凹凸の最大
高さは、磁気ヘッドの浮上量の半分以下とする必要があ
る。例えば、浮上量が75nmのハードディスクドライ
ブでは、ディスクの表面の凹凸の最大高さは38nm以
下でなければならない。特に、最近では、磁気ディスク
用基板のリードライトゾーンにおける中心線平均表面粗
さRaを、20オングストローム以下とすることが求め
られている。しかし、アルミニウム合金基板の場合に
は、硬度が低いことから、高精度の砥粒および工作機械
を使用して研磨加工を行っても、この研磨面が塑性変形
するので、ある程度以上高精度の平坦面を製造すること
は困難である。たとえ、アルミニウム合金基板の表面に
ニッケル─リンめっきを施しても、上記のようなレベル
の平滑面を形成することはできない。
【0004】更に、ハードディスクドライブの小型化、
薄型化が進展するのにつれて、磁気ディスク用基板の厚
さを小さくすることも、要求が強くなっている。しか
し、アルミニウム合金は、強度、剛性が低いので、ハー
ドディスクドライブの仕様から要求される所定の強度を
保持しつつ、ディスクを薄くすることは困難である。特
に、磁気ディスク用基板の厚さを0.5mm以下に加工
すると、基板の強度の不足から、基板が反ったり、高速
回転時や装置の起動時に、基板の面のぶれが発生するの
で、問題がある。
【0005】上記の問題を解決するために、磁気ディス
ク用基板の材料として、ガラス、カーボン、セラミック
スといった非金属材料が注目されてきており、ガラス製
の磁気ディスク用基板が、一部では実用化されている。
しかし、ガラスは、強度がやはり低いことから、HDD
用の磁気ディスク用基板として使用するには、信頼性が
十分ではない。化学強化ガラスも知られているが、これ
を磁気ディスク用基板として使用すると、基板中に含有
されるアルカリ金属イオンが溶出し、磁性膜を腐食する
ことがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このため、本発明者
は、磁気ディスク用基板の材質として、ガラスセラミッ
クスを使用することを検討した。ガラスセラミックスに
おいては、含有されるアルカリ金属イオンのほとんどが
結晶相中に存在しており、ガラスマトリックス中には微
量しか存在しないために、アルカリ金属成分が溶出して
磁性膜を腐食するという問題は生じない。また、ガラス
セラミックスの方が、化学強化ガラスよりも、硬度や曲
げ強度のバラツキがないので、この信頼性が一層優れて
いるし、特に磁気ディスク用基板の厚さを0.5mm以
下と薄くするにはきわめて好ましい。
【0007】しかし、最近、固定磁気ディスクドライブ
においては、急速な記録密度の向上に伴い、記録トラッ
クの幅が狭くなってきている。また、磁気ヘッドスライ
ダーや各種の回路基板においても、基板の表面に形成さ
れるパターンの幅が微細化する傾向がある。上記の固定
磁気ディスクドライブにおいては、磁気デイスク上に記
録されたデータから発生する磁場は非常に弱い。このよ
うな状況の下では、トラックの中に欠陥が存在している
と、その欠陥の存在箇所では、発生する磁場が不十分と
なり、データを再生することができなくなる。一般に、
正しい記録、再生が行われるためには、欠陥の大きさ
は、トラック幅の30%以下でなければならない。
【0008】磁気ディスク基板において、このトラック
中の欠陥となるもののほとんどが、ガラス中に存在する
気泡であり、気泡の直径が1.5μm以上であると、固
定磁気ディスクの記録・再生特性が低下し、エラーの発
生の原因となる。磁気ディスク用基板を構成するガラス
中に気泡が生成する原因は、以下のように考えられる。
各種原料は、各種金属の炭酸塩、硝酸塩、水酸化物の形
で秤量され、混合される。これらの各種原料を加熱し、
溶融させる段階で、各化合物が分解し、NOx、C
2 、O2 等の各種ガスが発生する。また、原料粉末中
に含まれるガスや、原料が溶融するときに包み込んでし
まったガス等が気泡の原因となる。従来は、これらの気
泡を、次のような方法で溶融液の表面に浮上させて除去
していた。
【0009】(1)原料の溶融最高温度を高くして、溶
融液の粘性を低下させ、気泡の浮上速度を速くする。 (2)最高温度での保持時間を長くする。 (3)原料中にAs2 3 、Sb2 3 等の清澄剤を添
加する。 (4)溶融液を攪拌し、溶融液に溶解した過飽和のガス
を除去する。 更に、浮上の期待できない微細な気泡については、ガラ
スを成形する温度まで下げる段階で、気泡内の内圧によ
って、各成分を溶融液中に溶解させ、消滅させる工程を
行っていた。
【0010】しかし、最近は、ガラスに求められる気泡
の存在率(以下、気孔率と呼ぶ)は、例えば、磁気ディ
スク用基板においては、直径1.5μm以上の気泡が1
平方センチメートル内に1個以下と非常に高品質になっ
ている。このため、上記した従来の方法では、この基準
を達成することはきわめて困難になってきている。
【0011】本発明の課題は、磁気ディスク用基板のよ
うに、直径1.5μm以上の気泡を1平方センチメート
ル内に1個以下に制限する必要があるような、高度の無
欠陥の素材を製造できるようにすることである。
【0012】また、本発明の課題は、上記のような高度
の無欠陥のガラスセラミックスを、短時間で製造できる
ようにすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、非晶質の原ガ
ラスからなる成形体をホットアイソスタティックスプレ
スすることによって結晶化させてガラスセラミックス成
形体を得ることを特徴とする、ガラスセラミックス成形
体の製造方法に係るものである。
【0014】本発明においては、固体状(粘度10ポイ
ズ以下)の非晶質のガラス成形体をホットアイソスタテ
ィックプレス法によって処理し、この際同時に非晶質ガ
ラス成形体の結晶化処理を行う。このように、非晶質の
ガラス成形体の結晶化をホットアイソスタティックプレ
ス法によって行うことによって、従来達成できなかった
水準の、極めて気孔率の小さい、かつ1.5μmを越え
る大きな気孔のないガラスセラミックス成形体を製造す
ることに成功した。
【0015】この際の圧力は、300kg/cm2 〜2
000kg/cm2 の範囲内とすることが、1.5μm
以上の気孔の個数を1個/cm2 以下とするために、特
に好ましい。この際の圧力を大きくすることによって、
結晶化時の物質の拡散速度を大きくすることができるの
で、結果的に、気孔の大きさを極限的な水準にまで小さ
くすることができ、かつ物質移動の促進によって、結晶
化の速度を顕著に増大させることができる。この観点か
ら、500kg/cm2 以上とすることが一層好まし
い。
【0016】一方、2000kg/cm2 を越える圧力
を加えるためには、複雑な構造を備えた設備を必要とす
るし、一度に処理できるガラスの量が少なくなってくる
ので、量産の観点からは2000kg/cm2 以下とす
ることが好ましい。
【0017】
【発明の実施形態】本発明において特に好適に使用でき
るガラスセラミックスの組成および製造方法について説
明する。具体的には、SiO2 :65〜85重量%、L
2 O:8〜15重量%、Al2 3 :5〜8重量%、
2 5 :1〜5重量%(より好ましくは、SiO2
74〜79wt%,Li2 O:9〜14wt%,Al2
3 :5〜8wt%,P2 5 :1〜3wt%)を含有
する組成の原ガラスを、820〜950℃の熱処理温度
まで加熱して、ガラスセラミックスを製造する。この熱
処理を、前記したようにホットアイソスタティックプレ
ス法によって実施する。
【0018】ここでAl2 3 は、β−スポジュウメン
およびβ−スポジュウメン固溶体を形成するために必要
な成分であり、またガラスセラミックスの結晶相の安定
性を向上させるために必要である。これが5重量%未満
であると、結晶相にβスポジュウメンが生成しなくなる
と共に、SiO2 組成の結晶相の量が2%を越えるよう
になり、この結果、研磨加工に長い時間を必要とする様
になってくる。
【0019】SiO2 は、ニケイ酸リチウム相等の結晶
相を得るために必要不可欠な基本的成分であるが、この
量が65重量%未満であると、所望の結晶相の析出が困
難となり、85%を越えると、ガラスの溶融が困難にな
る。
【0020】上記組成の原ガラスを上記温度範囲で結晶
化させることによって、好ましくは30〜60重量%の
ニケイ酸リチウム相と、1〜25重量%のβ−スポジュ
ウメンおよびβ−スポジュウメン固溶体相とを生成さ
せ、かつその比率を1.0以上とすることができる。更
に、ガラスセラミックスの強度を最も高い状態とし、か
つ、その成形体の中心線平均表面粗さを20オングスト
ローム以下とするためには、結晶化温度を820℃〜9
20℃の範囲とすることが特に好ましく、820℃〜9
00℃とすることが一層好ましい。
【0021】原ガラスを熱処理する際に、この熱処理温
度(結晶化温度)が700℃〜750℃程度であると、
Li2 O・SiO2 相、Li2 O・2SiO2 相が30
〜50%生じ、SiO2 組成の結晶相も若干生ずる。こ
のとき、温度が高くなるほど、Li2 O・SiO2
と、Li2 O・2SiO2 相が共に増加していく。
【0022】これが800℃程度にまで上昇すると、L
2 O・SiO2 相は急激に消滅し、Li2 O・2Si
2 相やSiO2 組成の結晶相が急激に増加していく。
この結果、ガラス成形体を研磨する際に、研磨面の中心
線平均表面粗さが増大し、または研磨加工に必要な時間
が顕著に増加した。
【0023】ところが、820℃になると、SiO2
成の結晶相が消滅した。これと共に、Li2 O・2Si
2 相が増大していた。これと同時にβ−スポジュウメ
ン相が急激に生成することが分かった。即ち、この温度
領域で、初めてAl2 3 成分の結晶化が進行し、β−
スポジュウメン相(Li2 O・Al2 3・4Si
2 )またはβ−スポジュウメン固溶体が生成したこと
を意味している。なお、前記の(Li2 O・Al2 3
・4SiO2 )の組成に至る前の段階では、結晶構造は
類似しているが、結晶相内のLi2 O,Al2 3 ,S
iO2 の比率が正確にはこの割合に至ってはいないの
で、これをβ−スポジュウメン固溶体と称している。
【0024】そして、820℃〜920℃の範囲内にお
いては、二ケイ酸リチウム相、β−スポジュウメン相ま
たはβ−スポジュウメン固溶体共に徐々に増加してい
く。また、この範囲内においては平均結晶粒径が1.0
μm以下であり、基板の強度を極めて高く保持すること
ができた。これが950℃を越えると、結晶相には大き
な変化はないが、ガラスセラミックス中の平均結晶粒径
が1.0μmを越えて増加してくるために、強度に低下
傾向が見られはじめるようになり、かつ中心線平均粗さ
が増加する傾向があった。
【0025】また、β−スポジュウメン相が、もとのニ
ケイ酸リチウム相と比較して増加しすぎると、問題があ
ることが判明した。即ち、ニケイ酸リチウム相/(β−
スポジュウメン相およびβ−スポジュウメン固溶体:合
計値)の重量比が1.0未満となるまで、β−スポジュ
ウメン粒子の生成が進行すると、磁気ディスク用基板と
しての機械的強度が減少しかつ、中心線平均粗さが増加
した。
【0026】この意味から、上記の重量比率を1.0以
上とすることが好ましいことも分かった。さらに上記の
重量比率を1.3以上とすることが、機械的強度と中心
線平均粗さの点でより好ましいことがわかった。
【0027】また、原ガラスにおけるAl2 3 成分が
8重量%を越えると、このようにβ−スポジュウメン粒
子の生成量が過多になり、磁気ディスク用基板の強度が
低下し、かつ中心線平均粗さが増加した。従って、Al
2 3 の量は8重量%以下とすることが必要である。
【0028】本発明の製造方法に従って、上記の組成の
原ガラスを加熱する際には、少なくとも500℃以上の
温度領域での温度上昇速度を50〜300℃/時間に制
御することによって、結晶核の生成を進行させることが
好ましい。また、少なくとも500℃〜580℃の温度
領域内で1〜4時間保持することによって結晶核の生成
を進行させることが好ましい。この後で前記のホットア
イソスタティックプレス処理を行って、結晶化を促進さ
せる。
【0029】上記態様のガラスセラミックス成形体中に
は、他の成分を含有させることができる。まず、P2
5 以外の核形成剤として、TiO2 、ZrO2 、SnO
2 等の金属酸化物または白金等の金属、フッ化物を、単
独で、または2種以上混合して、含有することができ
る。また、K2 Oを0〜7重量%含有させることができ
る。これは、ガラスの溶融、成形温度を低下させるのと
共に、成形時のガラスの失透を抑制する効果がある。こ
の作用を発揮させるには、この含有量を2重量%以上と
することが更に好ましい。また、この含有量が7重量%
を越えると、ガラスセラミックスの強度が低下する傾向
がある。
【0030】As2 3 とSb2 3 との一方または双
方を、合計で0〜2重量%含有させることもできる。こ
れらは、ガラス溶融の際の清澄剤である。その他、B2
3 成分を0〜3重量%、CaO成分を0〜3重量%、
SrOを0〜3重量%、BaOを0〜3重量%含有させ
ることができる。MgO成分は、実質的に含有しないこ
とが好ましい。
【0031】本発明の対象となるガラス成形体は、磁気
ディスク用基板、磁気ヘッドコアスライダーのような磁
気記録部材の材料として、特に有用である。しかし、こ
の他に、電子回路基板の材料のように、1.5μm以上
の欠陥を嫌う材料として好適に使用できる。
【0032】原ガラスを製造する際には、上記の各金属
原子を含有する各原料を、上記の重量比率に該当するよ
うに混合し、この混合物を溶融させる。この原料として
は、各金属原子の酸化物、炭酸塩、硝酸塩、リン酸塩、
水酸化物を例示することができる。
【0033】本発明を磁気ディスク用基板に対して適用
した場合には、この磁気ディスク用基板には、リードラ
イトゾーンと別に、ランディングゾーンを設けることが
できる。ランディングゾーンの中心線平均表面粗さ(R
a)は、3nm〜50nmとすることが好ましい。これ
を3nm以上とすることによって、ヘッドスティックの
防止や磁気ヘッドと磁気ディスクとの摩擦低減の作用が
顕著になる。また、これが50nmを越えると、磁気ヘ
ッドスライダーの浮上量が安定せず、信号のノイズが増
大してくる。
【0034】また、ランディングゾーンの内側にスペー
サー積み重ね部を設けると共に、このスペーサー積み重
ね部の中心線平均表面粗さを3nm以下とすることが好
ましい。磁気ディスク用基板の主面上には、下地処理
層、磁性膜、保護膜等を形成することができ、更に保護
膜上に潤滑剤を塗布することができる。
【0035】本発明によって製造したガラスセラミック
ス成形体を、砥粒によって精密研磨加工する際には、い
わゆるラッピング、ポリッシング等、公知の精密研磨加
工方法を採用できる。
【0036】
【実施例】(比較例1) SiO2 76.1重量%、Li2 O11.8重量%、A
2 3 7.1重量%、K2 O2.8重量%、P2 5
2.0重量%、Sb2 3 0.2重量%の組成比率とな
るように、各金属の酸化物を秤量し、混合し、この混合
物を1350℃で溶融させた。この溶融液を、鋳鉄板の
上に流した直後に、この上に別の鋳鉄板を載せ、0.5
kg/cm2 の圧力を加えて上から押さえ、厚さ2.5
mm、直径70mmの透明な、非晶質のガラス成形体を
得た。このガラス成形体の転移点は520℃であった。
【0037】アルミナ製の匣鉢内にアルミナ微粉末を収
容し、この微粉末の中に上記のガラス成形体を埋めた状
態で、下記の熱処理を施し、ガラスセラミックス成形体
を製造した。即ち、室温から520℃まで5℃/分で温
度上昇させ、520℃で1時間保持し、結晶核を生成さ
せた。この後、1℃/分で850℃まで温度上昇させ、
850℃で9時間保持し、結晶化させた。
【0038】このガラスセラミックス成形体から、40
mm×40mm×1mmの角板形状の試料を切り出し、
この試料の両側の主面を酸化セリウムによってポリッシ
ュ仕上げした。ポリッシュ仕上げした各主面に対して、
1000倍の光学顕微鏡によって合計10cm2 にわた
る面積を観察し、気泡の個数を計測した。この結果、直
径2〜10μmの気泡を30個観測した。
【0039】また、この成形体を構成するガラスセラミ
ックスの結晶化率は75%であった。また、この成形体
から3×4×40mmの寸法の試料を切り出し、4点曲
げ強度を測定したところ、388MPaであった。
【0040】(実施例1)比較例1と同様にして、同様
の組成比率を有する非晶質のガラス成形体を得た。アル
ミナ製の匣鉢内にアルミナ微粉末を収容し、この微粉末
の中に上記のガラス成形体を埋めた。この匣鉢をホット
アイソスタティックプレス装置内に設置した。室温から
520℃まで5℃/分で温度上昇させ、520℃で1時
間保持し、結晶核を生成させた。この後、1℃/分で8
50℃まで温度上昇させ、850℃で1時間保持し、結
晶化させた。この後、5℃/分で520℃まで温度降下
させた。この間、300kg/cm2 の圧力を維持し続
けた。520℃に温度降下させた後に、圧力を大気圧に
戻した。
【0041】得られたガラスセラミックス成形体につい
て、比較例1と同様にして、合計10cm2 にわたる面
積を観察したところ、直径2〜10μmの気泡を2個観
測した。この成形体を構成するガラスセラミックスの結
晶化率は70%であった。また、この成形体から3×4
×40mmの寸法の試料を切り出し、4点曲げ強度を測
定したところ、309MPaであった。
【0042】(実施例2)実施例1において、ホットア
イソスタティックプレス時の圧力を500kg/cm2
とした。得られたガラスセラミックス成形体について、
比較例1と同様にして、合計10cm2 にわたる面積を
観察したところ、直径2〜10μmの気泡を0個観測し
た。また、結晶化率は72%であり、4点曲げ強度は3
35MPaであった。
【0043】(実施例3)実施例1において、ホットア
イソスタティックプレス時の圧力を1000kg/cm
2 とした。得られたガラスセラミックス成形体につい
て、比較例1と同様にして、合計10cm2 にわたる面
積を観察したところ、直径2〜10μmの気泡を0個観
測した。また、結晶化率は75%であり、4点曲げ強度
は380MPaであった。
【0044】(比較例2)比較例1で製造したガラスセ
ラミックス成形体を使用した。アルミナ製の匣鉢内にア
ルミナ微粉末を収容し、この微粉末の中に、比較例1の
ガラスセラミックス成形体を埋めた。この匣鉢をホット
アイソスタティックプレス装置内に設置した。大気圧下
で、室温から520℃まで5℃/分で温度上昇させ、5
20℃に到達した時点で、窒素ガスを導入し、1000
kg/cm2 の圧力を加えた。この圧力を維持したま
ま、1℃/分で800℃まで温度上昇させ、800℃で
4時間保持した。この後、5℃/分で520℃まで温度
降下させた。この間、1000kg/cm2 の圧力を維
持し続けた。520℃に温度降下させた後に、圧力を大
気圧に戻した。
【0045】得られたガラスセラミックス成形体につい
て、比較例1と同様にして、合計10cm2 にわたる面
積を観察したところ、直径2〜10μmの気泡を29個
観測した。この成形体を構成するガラスセラミックスの
結晶化率は76%であった。また、4点曲げ強度は、3
90MPaであった。このように、結晶化の進行した後
のガラスセラミックス成形体をホットアイソスタティッ
クプレス処理しても、その気泡の消滅は促進されないこ
とがわかった。
【0046】(比較例3)比較例1と同様の非晶質のガ
ラス成形体を製造した。アルミナ製の匣鉢内にアルミナ
微粉末を収容し、この微粉末の中に上記のガラス成形体
を埋めた状態で、下記の熱処理を施し、ガラスセラミッ
クス成形体を製造した。即ち、室温から520℃まで5
℃/分で温度上昇させ、520℃で1時間保持し、結晶
核を生成させた。この後、1℃/分で850℃まで温度
上昇させ、850℃で1時間保持し、結晶化させた。
【0047】このガラスセラミックス成形体について、
比較例1と同様にして気泡を観察したところ、直径2〜
10μmの気泡を30個観測した。また、この成形体を
構成するガラスセラミックスの結晶化率は53%であっ
た。また、この成形体から3×4×40mmの寸法の試
料を切り出し、4点曲げ強度を測定したところ、203
MPaであった。このように、未だ結晶化が不十分であ
った。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、直
径1.5μm以上の気泡を1平方センチメートル内に1
個以下有しているような、高度の無欠陥のガラスセラミ
ックス成形体を製造できる。また、上記のような高度の
無欠陥のガラスセラミックスを、短時間で製造できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非晶質の原ガラスからなる成形体をホット
    アイソスタティックプレスすることによって結晶化させ
    てガラスセラミックス成形体を得ることを特徴とする、
    ガラスセラミックス成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記ホットアイソスタティックスプレス時
    の圧力を300kg/cm2 〜2000kg/cm2
    することを特徴とする、請求項1記載のガラスセラミッ
    クス成形体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11292556A (ja) * 1998-02-10 1999-10-26 Agency Of Ind Science & Technol 低脆性ガラスおよびその製造方法
JP2003046033A (ja) * 2001-07-27 2003-02-14 Kyocera Corp 配線基板

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