JP4074027B2 - 結晶化ガラスからなる情報記録媒体用基板及び情報記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の情報記録媒体に用いられる基板用に適した結晶化ガラス、この結晶化ガラスからなる情報記録媒体用基板および該情報記録媒体用基板を用いた情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピューターなどの磁気記憶装置の主要構成要素は、磁気記録媒体と磁気記録再生用の磁気ヘッドである。磁気記録媒体としてはフレキシブルディスクとハードディスクとが知られている。このうちハードディスク用の基板材料としては主としてアルミニウム合金が使用されてきている。最近、ノートパソコン用ハードディスクドライブの小型化や磁気記録の高密度化にともなって磁気ヘッドの浮上量が顕著に減少してきている。これに伴い、磁気ディスク基板の表面平滑性について、きわめて高い精度が要求されてきている。しかし、アルミニウム合金の場合には、硬度が低いことから高精度の研磨材及び工作機器を使用して研磨加工を行っても、この研磨面が塑性変形するので、ある程度以上高精度の平坦面を製造することは困難である。たとえアルミニウム合金の表面にニッケル−リンめっきを施しても、表面粗さRaを5オングストローム以下にすることはできない。さらに、ハードディスクドライブの小型化・薄型化が進展するのにつれて、磁気ディスク用基板の厚みを小さくすることも強く要求されている。しかし、アルミニウム合金は、強度、剛性が低いので、ハードディスクドライブの仕様から要求される所定の強度を保持しつつ、ディスクを薄くすることは困難である。
【0003】
そこで、高強度、高剛性、高耐衝撃性、高表面平滑性を必要とされる磁気ディスク用ガラス基板が登場してきた。このうち、基板表面をイオン交換法で強化した化学強化ガラス基板や、結晶化処理を施した結晶化基板などがよく知られている。
イオン交換強化ガラス基板としては、例えば、特開平1−239036号公報に開示のガラスが知られている。このイオン交換強化ガラス基板は、重量%表示で、SiO2:50−65%、Al2O3:0.5−14%、R2O(ただしRはアルカリ金属イオン):10−32、ZnO:1−15%、B2O3:1.1−14%を含むガラスをアルカリイオンによるイオン交換法によってガラス基板の表面に圧縮応力層形成し強化された磁気ディスク用ガラス基板が開示されている。
【0004】
また、結晶化ガラスとしては、例えば、特許第2516553号公報に記載のものがある。この結晶化ガラスは、重量%表示で、SiO2:65−83%、Li2O:8−13%、K2O:0−7%、MgO:0.5−5.5%、ZnO:0−5%、PbO:0−5%(ただしMgO+ZnO+ PbO:0.5−5%)P2O5:1−4%、Al2O3:0−7%、As2O3+Sb2O3:0−2%を含み、主結晶として微細なLi2O・2SiO2結晶粒子を含む磁気ディスク用結晶化ガラスである。
さらに、特開平7−291660号公報にも、結晶化ガラスが開示されている。この結晶化ガラスは、重量百分率で、SiO2 38%〜50%、Al2O3 18%〜30%、MgO 10%〜20%、ただし、重量比で、Al2O3/MgO=1.2〜2.3、B2O3 0%〜5%、CaO 0%〜5%、BaO 0%〜5%、SrO 0%〜5%、ZnO 0.5%〜7.5%、TiO2 4%〜15%、ZrO2 0%〜5%、As2O3および/またはSb2O3 0%〜2%、の組成から成るガラスを溶融し、成形した後、熱処理することにより得られ、主結晶として、コージェライト系結晶を含有することを特徴とするコージェライト系結晶化ガラスである。さらに、この結晶化ガラスからなる磁気ディスク用基板も開示されている。
【0005】
また、特開平9−77531号公報にも結晶化ガラスが開示されている。この結晶化ガラスは、ヤング率が約14×106 から約24×106 psi(96〜165GPa)までの範囲にあり、破壊靱性が1.0 MPa・m1/2 より大きいガラスセラミック製品であって、ケイ質を多く含む残存ガラスマトリックス相中に均一に分散している均一な大きさの尖晶石型結晶から主になる結晶相集成体から構成され、酸化物基準の重量パーセントで表して、35−60%のSiO2 と、20−35%のAl2O3と、0−25%のMgOと、0−25%のZnOと、0−20%のTiO2 と、0−10%のZrO2と、0−2%のLi2Oと、0−8%のNiOとから実質的になり、MgO+ZnOの合計が少なくとも約10%であり、BaO、CaO、PbO、SrO、P2O5、B2O3、およびGa2O3からなる群より選択される5%までの任意の成分と、Na2O、K2O、Rb2O、およびCs2Oからなる群より選択される、0−5%のR2Oと、0−8%の遷移金属酸化物とを含んでもよく、Al2O3が約25%未満の量しか含まれない場合には、TiO2 +ZrO2 +NiOの合計量が5%以上である組成を有するガラスセラミックであり、このガラスセラミックからなる磁気ディスク用基板も開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近のハードディスクの小型化、薄型化、記録の高密度化に伴って、磁気ヘッドの低浮上化及びディスク回転の高速化が急速に進み、そのため、ディスク基板材料の強度やヤング率、表面平滑性などが一層厳しく要求されてきている。特に最近パソコン及びサーバー用3.5インチハードディスク情報記録の高密度化によって基板材料の表面平滑性及び表面平坦性が厳しく要求され、またデータ処理の高速化に対応してディスクの回転数を10000rpm以上にする必要があるため、基板材料の剛性度に対する要求が一層厳しくなってきており、従来のアルミ基板の限界がすでにはっきりとなっている。今後、ハードディスクの高容量化、高速回転化の需要が必然であるかぎり、磁気記録媒体用基板材料としては高ヤング率、高強度、優れた表面平坦性、耐衝撃性などが強く要求されつつあるに間違いない。
高ヤング率の必要性は、次のような事実に基づき説明することができる。即ち、最近、HDDの小型化、高容量化、高速化に伴って、将来の磁気記録媒体陽基板の厚みは恐らく現在3.5インチの0.8mmから0.635mmへと、2.5インチの0.635mmから0.43mmさらに0.38mmへと薄くなり、基板の回転速度も現在の最高速度の10000rpmから14000rpmへと高速回転化すると予測されている。このような磁気記録媒体用基板は薄くなればなるほど、基板のたわみやうねりや反りが生じしやくなり、また高速回転すればするほど基板の受ける応力(回転によって生じる風圧に基づくディスクに働く力)が大きくなることが予想できる。力学の理論に基づけば、単位面積当たりPの荷重を受けている円板のたわみWは以下のように表される。
【0007】
【数1】
【0008】
但し、aは円板の外円径、hは基板の厚み、Eは円板材料のヤング率である。静止状態においては、円板に加わる力は重力のみであり、たわみは、円板材料の比重をdとすると、
【0009】
【数2】
【0010】
と表される。ここでGは円板材料の比弾性率(=ヤング率/比重)である。
一方、円板の回転状態においては、重力成分は遠心力成分をバランスして無視できると考えた場合、円板に加わる力は回転に基づく風圧としてよい、風圧は円板回転速度の関数であり、一般的にその2乗に比例すると言われている。従って、円板が高速回転するときのたわみは以下のように表される。
【0011】
【数3】
【0012】
この結果ら、高速回転化基板のたわみを押さえるためにはヤング率の高い基板材料が必要となることがわかる。本発明者らの計算によると2.5インチ基板の厚みを0.635mmから0.43mmに、3.5インチ基板の厚みを0.8mmから0.635mmに薄くすると基板材料の比弾性率は少なくとも37MNm/kg以上であることが要求される。また、3.5インチハイエンド基板の回転速度を現在の7200rpmから将来の10000rpmに高速化すれば、70Gpa程度のヤング率をもつアルミ基板で対応できなくなり、少なくとも110Gpa以上のヤング率を有する新しい基板材料が必要とされる。基板材料の比弾性率またはヤング率が高ければ高いほど基板の剛性度が高くなるだけでなく、基板の耐衝撃性も強度もともに大きくなるので、高い比弾性率及び大きなヤング率を持つガラス材料がHDDの市場から強く要求されている。
【0013】
しかしながら、前述の特開平1−239036公報に開示されているような化学強化ガラスは、ヤング率が約80Gpa程度であり、今後のハードディスクの厳しい要求に対応できなくなるのは明らかである。これまでのイオン交換強化基板ガラスはイオン交換のため多量のアルカリイオンをガラスに導入しており、そのためほとんどの強化ガラスのヤング率が低く(90Gpa)。さらに、剛性度も低いので、3.5インチのハイエンドディスク基板や薄型化ディスク基板に対応できない。また、イオン交換による化学強化を施したガラスには多量のアルカリ成分含まれる。そのため、高温、多湿環境下において長時間使用すると磁気膜のピンホール部または磁気膜の周辺部など磁気膜が薄い部分またはガラスが露出した部分からアルカリイオンが析出し、これが引き金となって磁気膜が腐食或いは変質するなどの欠点もある。さらに磁気記録媒体の製造過程においては、ガラス基板上に磁気層を設けた後に、磁気層の保磁力などの特性を向上させるために所定の熱処理を施される場合がある。しかし、上記従来のイオン交換強化ガラスではガラスの転移温度がせいぜい500℃程度であり、耐熱性に乏しいので、高保磁力が得られないという問題もある。
【0014】
また、前述の特許第2516553号公報に開示されているような従来の結晶化ガラスは、ヤング率や耐熱性の点では、上記の化学強化ガラス基板より少々優れている。しかし、表面粗さが10オングストローム以上であり、表面平滑性が乏しく、磁気ヘッドの低浮上化に限界がある。そのため、磁気記録の高密度化に対応できないという問題がある。さらに、ヤング率もせいぜい90-100Gpa程度であり、3.5インチハイエンドディスク基板や薄型化ディスク基板に対応することもできない。
また、前述の特開平7−291660号公報に開示されている結晶化ガラスは、ヤング率がせいぜい100〜130GPaであり、十分とは言えない。さらに、中心線平均粗さ(Ra)が8オングストローム程度の表面平滑性しか有さず、平滑性に劣る。加えて、ガラスの液相温度も1400℃程度と高く、製造しにくいという欠点がある。
さらに、前述の特開平9−77531号公報に開示されている結晶化ガラスは、その主結晶がスピネルであるため、非常に研磨しにくいという欠点がある。さらには、ガラスの液相温度が1400℃以上と高く、高温溶融及び高温成形し難いという欠点もある。
【0015】
そこで、本発明の目的は、将来の磁気磁気記録媒体用基板の薄型化、高強度、高耐熱性、高対衝撃性などの要求を考慮して、ヤング率、強度及び耐熱性が高く、表面平滑性や表面均質性に優れ、かつガラスの液相温度が比較的低く安価に製造できる、磁気ディスク等の情報記録媒体用基板に適した結晶化ガラスを提供することにある。
さらに本発明の目的は、上記結晶化ガラスからなる、ヤング率、強度及び耐熱性が高く、表面平滑性や表面均質性に優れ、かつガラスの液相温度が比較的低く安価に製造できる、磁気ディスク等の情報記録媒体用の基板及びこの基板を用いた磁気ディスク等の情報記録媒体を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らが種々検討した結果、TiO2成分を核形成剤としたSiO2−Al2O3−MgO系ガラスにおいて、モル比(Al2O3/MgO)を0.5未満とすることで、140Gpa以上の高いヤング率及び良好な表面平滑性を有し、液相温度が比較的低い情報記録媒体用基板に適した結晶化ガラスが得られることを見出して、本発明に至った。本発明は、SiO2:35−65モル%、Al2O3:5−25モル%、MgO:10−40モル%、TiO2:5−15モル%を含有し、かつモル比(Al2O3/MgO)が0.5未満である組成を有し、かつ主結晶相が 2MgO ・ 2Al 2 O 3 ・ 5SiO 2 、 MgO ・ Al 2 O 3 ・ 3SiO 2 、及び MgO ・ Al 2 O 3 ・ 4SiO 2 からなる群から選ばれる1種又は2種以上の組成を有する準安定な石英固溶体並びにエンスタタイトであることを特徴とする情報記録媒体用結晶化ガラス基板に関する。さらに本発明は、上記本発明の結晶化ガラスからなる情報記録媒体用基板上に形成された記録層を有することを特徴とする情報記録媒体に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】
結晶化ガラス
本発明の結晶化ガラスにおけるガラスを構成する各成分について以下に説明する。
【0018】
SiO2はガラスの網目構造の形成物であり、主な析出結晶である2MgO・2Al2O3・5SiO2、MgO・Al2O3・3SiO2、及びMgO・Al2O3・4SiO2のような準安定な石英固溶体及びMgO・SiO2の組成を有するエンスタタイト及び(Mg・Al)SiO3の組成を有するエンスタタイト固溶体の構成成分でもある。SiO2の含有量が35%未満では溶解したガラスが非常に不安定なので、高温成形ができなくなるおそれがあるうえ、上記のような結晶も析出し難しくなる。また、SiO2の含有量が35%より少なくなると、残存ガラスマトリックス相の化学耐久性が悪化したり、耐熱性も悪化する傾向がある。一方、SiO2の含有量が65%を超えると、主結晶相として準安定な石英固溶体やエンスタタイトが析出しにくくなり、ガラスのヤング率が急激に小さくなる傾向がある。そのため、SiO2の含有量は、析出結晶種及びその析出量、化学耐久性、耐熱性及び成形・生産性を考慮すると、35−65%の範囲である。より好ましい物性を有する結晶化ガラスが得られるという観点から、SiO2の含有量は、好ましくは、40−60%の範囲である。
【0019】
Al2O3はガラスの中間酸化物であり、主な結晶種である:2MgO・2Al2O3・5SiO2、MgO・Al2O3・3SiO2、及びMgO・Al2O3・4SiO2等の準安定な石英固溶体結晶の構成成分である。Al2O3の導入は準安定な石英固溶体結晶の析出を促進し、ガラス表面硬度の向上に寄与する。しかし、Al2O3の含有量が 5%未満では上記のような高ヤング率結晶が析出しにくくなり、ガラスマトリックス相の化学耐久性も低下し、基板材料に要求される強度が得られにくくなる傾向がある。一方、Al2O3の含有量が25モル%を超えると、主結晶相としてのエンスタタイトの析出がしにくくなるとともに、溶融温度が高くなってガラスが溶けにくくなるうえ、失透しやすくなって容易に成形しにくくなる傾向がある。従って、ガラスの溶解性、高温度成形性、析出結晶種などを考慮して、Al2O3の含有量は5−25%の範囲、好ましくは7−22%の範囲とすることが適当である。
【0020】
MgOはガラスの修飾成分であり、MgO・SiO2の組成を有するエンスタタイト及び(Mg・Al)SiO3の組成を有するエンスタタイト固溶体の結晶や準安定な石英固溶体の結晶構造をもち、2MgO・2Al2O3・5SiO2、MgO・Al2O3・3SiO2、及びMgO・Al2O3・4SiO2のような組成を有する結晶種の主成分でもある。MgOの含有量が10%未満では上記のような結晶が析出しにくく、ガラスの失透傾向及び溶融温度が高く、かつガラス成形の作業温度幅が狭くなるけいこうがある。一方、MgOの含有量が40モル%を超えると、ガラスの高温粘性が急激に低くなって熱的に不安定となり、生産性も悪化し、ヤング率や耐久性も低下する傾向がある。そこで、MgOの含有量は、ガラスの生産性、化学耐久性、高温粘性及び強度などを考慮すると、10−40%の範囲であること、好ましくは12−38%の範囲であることが適当である。
【0021】
但し、モル比(Al2O3/MgO)は0.5未満となるように、MgO及びAl2O3の含有量は調整する。モル比(Al2O3/MgO)が、0.5以上になると、結晶化ガラスのヤング率が急激に低下する傾向があるからである。Al2O3/MgO<0.5とすることで、150GPa以上の高ヤング率を有する結晶化ガラスを得ることもできる。好ましくはAl2O3/MgO<0.45である。但し、Al2O3/MgOのモル比を小さくし過ぎると、ガラスの高温粘性が低下する傾向があるのでAl2O3/MgO比は0.2以上、好ましくは0.25以上であることが適当である。
【0022】
TiO2はMgO・SiO2の組成を有するエンスタタイト及び(Mg・Al)SiO3の組成を有するエンスタタイト固溶体の結晶、または準安定な石英固溶体の結晶構造をもつ2MgO・2Al2O3・5SiO2、MgO・Al2O3・3SiO2、及びMgO・Al2O3・4SiO2結晶相析出の核生成剤でる。さらに、TiO2は、SiO2の含有量が少ない場合に、ガラスの失透を抑える効果も有する。但し、TiO2の含有量が5%未満の場合、主結晶の核生成剤としての効果が充分に得られず、ガラスが表面結晶化してしまい、均質な結晶化ガラスの作製が難しくなる傾向がある。一方、TiO2の含有量が15%を超えると、ガラスの高温粘性が低くなりすぎて分相したり、失透したりするので、ガラスの生産性が極端に悪化する傾向がある。そのため、ガラスの生産性、化学耐久性、高温粘性、結晶核生成などを考慮すると、TiO2の含有量は5−15%の範囲であること、好ましくは5.5−14%の範囲であることが適当である。
【0023】
本発明の結晶化ガラスにおいて、Y2O3は必須の成分ではないが、後述の実施例で示すように、例えば、2%のY2O3を導入することによって結晶化ガラスのヤング率を10Gpa程度増大でき、かつ液相温度を50−100℃程度低減することができる。即ち、少量のY2O3の導入によってガラスの特性や生産性を格段に向上させることができ、Y2O3の含有量が0.8%以上であれば、Y2O3の効果が得られる。但し、Y2O3は前述のガラスに含まれる主結晶の成長を抑える力をもつ。そのため、Y2O3の含有量が多過ぎると、ガラスを結晶化させる目的で行われる熱処理において、表面結晶化が起り易く、目的とする結晶化ガラスが作れなくなる傾向がある。このような観点からY2O3の含有量は、10%以下とすることが適当である。特に、Y2O3の含有量は、8%以下であることが好ましい。
【0024】
上記以外の成分としては、結晶化ガラスの所望の特性を損なわない範囲で、Li2O、Na2O、K2O、CaO、SrO、BaO、ZnO、NiOなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属の酸化物成分の一種又は二種以上を0−10モル%、 B2O3、P2O5、R2O3(R:Yを除く希土類金属イオン)、ZrO2、CeO2、N2O5(N:Nb、Ta)を0−5モル%含有させることができる。
また、ガラスの均質化を図るために脱泡剤としてAs2O3及び/又はSb2O3を含有させることもできる。ガラスの組成により変化するの高温粘性に応じて、適当量のAs2O3やSb2O3或いはAs2O3+Sb2O3をガラスに添加することで、より均質なガラスが得られる。但し、脱泡剤の添加量が多過ぎると、ガラスの比重が上昇してヤング率を低下させる傾向があり、また溶解用白金るつぼと反応してるつぼにダメージを与える場合もある。そこで、脱泡剤の添加量は2%以下、好ましくは1.5%以下とすることが適当である。
以上の基本成分の他に原料中の不純物、例えばガラスの清澄剤となるCl、F、SO3等を本発明の結晶化ガラスの特性を損ねることのない、それぞれ1%以下であれば含有させることができる。
【0025】
本発明の結晶化ガラスにおける主結晶相は、例えば、MgO・SiO2及び(Mg・Al)SiO3の組成を有するエンスタタイト(エンスタタイト固溶体を含む)、並びに2MgO・2Al2O3・5SiO2、MgO・Al2O3・3SiO2、及びMgO・Al2O3・4SiO2からなる群から選ばれる1種又は2種以上の組成を有する準安定なクオーツ(石英固溶体)であることができる。石英固溶体としては、特にβ−石英固溶体を挙げることが出来る。また、エンスタタイトには、クリノエンスタタイト、プロトエンスタタイト及びエンスタタイトが包含される。さらに上記の結晶のほかスピネル、ムライト、2MgO・SiO2、MgO・SiO2などその他の結晶を含むこともできる。さらに、本発明の結晶化ガラスに含まれる結晶のサイズの平均値は、3μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましく、0.5μm以下であることがさらに好ましい。結晶サイズの平均値は1μmを超えると、ガラスの機械強度を低下させるだけでなく、研磨加工時に結晶の欠落を引き起こしてガラスの表面粗度を悪化させるおそれがある。
【0026】
結晶化ガラス及び基板の製造方法
本発明の結晶化ガラス及び基板は、公知のガラスの製造方法を用いて製造することができる。例えば、高温溶融法、即ち所定の割合のガラス原料を空気中または不活性ガス雰囲気で溶解し、バブリングや脱泡剤の添加や撹拌などによってガラスの均質化を行い、周知のプレス法やダウンドーロ成形などの方法により板ガラスに成形し、その後、研削、研磨などの加工を施こすことで、所望のサイズ、形状のガラス成形品を得ることができる。最終製品が基板である場合、基板の形状等を考慮したガラス成形品とすることができる。
【0027】
得られたガラス成形品は、結晶化のための熱処理方法を施される。
熱処理方法には特に制限はなく、結晶化促進剤の含有量やガラスの転移温度、結晶化ピーク温度などに応じて適宜選択することができる。但し、初期の段階で比較的低温度(例えば、700〜850℃)で熱処理して多数の結晶核を発せしめ、その後、温度を850〜1150℃に上げて結晶を成長させることが、結晶を微細化するという観点からは好ましい。本発明の結晶化ガラスの製造に際しては、熱処理のスケジュール又はガラス組成を順次に変えることにより、析出結晶サイズや結晶量を制御することができ、それにより結晶化ガラスの特性を大幅に調整することができる。また、本発明においては、同じヤング率や同じ結晶粒子の大きさまたは同じ結晶化均質性を有する結晶化ガラスを作製するための結晶核生成熱処理及び結晶成長熱処理の許容温度範囲は30℃以上の温度幅をもつので、結晶化の製造工程を容易に制御することができる。
【0028】
さらに、本発明においては、熱処理によりMgO・SiO2の組成を有するエンスタタイト及び(Mg・Al)SiO3の組成を有するエンスタタイト固溶体や石英固溶体の結晶構造をもち、例えば、2MgO・2Al2O3・5SiO2、MgO・Al2O3・3SiO2、及びMgO・Al2O3・4SiO2ような組成を有する結晶の内少なくとも一種以上が主結晶として析出する熱処理条件とすることが適当である。尚、これらの主結晶のほか、2MgO・SiO2、スピネル、ムライトなどのその他の結晶が析出してもよいが、主結晶相としてはエンスタタイトや準安定なクオーツ(石英固溶体)が析出する条件を設定することが好ましい。そのような条件としては、結晶化処理温度をできるだけ低く抑える。例えば、1150℃以下にすることが適当である。また、核生成処理温度をガラスの転移温度より30〜60℃高い温度に設定することが適当である。
【0029】
熱処理を終えた結晶化ガラスの成形品は、必要により研磨することができ、研磨方法については特に制限がない。例えば、合成ダイヤモンド、炭化珪素、酸化アルミニウム、炭化ホウ素などの合成砥粒や、天然ダイヤモンド、酸化セリウムなどの天然砥粒を用いて、公知の方法により研磨することができる。
本発明の本発明の結晶化ガラスからなる情報記録媒体用基板は、上記方法において、成形品を基板形状とすることで得ることができる。
本発明の結晶化ガラスから基板は、AFMで測定した平均粗さRaで20オングストローム以下の表面平滑性を有することが好ましい。特に本発明の結晶化ガラスを磁気ディスク基板に用いる場合、表面の平均粗さRaは、磁気ディスクの記録密度に大きく影響する。表面粗さが20オングストロームを超えると、高記録密度化を達成しにくくなる。本発明の結晶化ガラスから基板の表面粗さは磁気ディスクの高記録密度化を考慮すると、15オングストローム以下であることがより好ましく、10オングストローム以下であることがさらに好ましい。
【0030】
2MgO・2Al2O3・5SiO2、MgO・Al2O3・3SiO2、及びMgO・Al2O3・4SiO2から選ばれる少なくとも1種の石英固溶体結晶を主結晶として含む本発明の結晶化ガラスからなる基板は、高強度、高硬度、高ヤング率であり、かつ化学的耐久性や耐熱性が優れることから、磁気ディスク基板として有用である。さらに、本発明の結晶化ガラスは、無アルカリ、又は低アルカリであるため、磁気ディスク基板とした場合でも、磁気膜と基板とのコロージョンを大いに低減することができ、磁気膜を最善に保つことができる。
本発明の結晶化ガラスからなる磁気ディスク基板は、磁気ディスク基板として必要な表面平滑性、平坦性、強度、硬度、化学耐久性、耐熱性などをすべて満足することができる。また、従来の結晶化ガラス(Li2O−SiO2結晶化ガラス)に比べ、約2倍程度のヤング率をもつので、ディスクの高速回転化によるたわみをより小さく抑えることができ、高TPIハードディスクの実現のため基板材料として好適である。
本発明の結晶化ガラスは、耐熱性、表面平滑性、化学耐久性、光学的性質及び機械的強度に優れているので、磁気ディスク等の情報記録媒体用基板や光磁気ディスク用のガラス基板や光ディスクなどの電子光学用ガラス基板、次世代LCDとして気体される低温多結晶シリコン液晶表示装置用の耐熱性基板、或いは電気、電子部品用のガラス基板として好適に使用できる。
【0031】
磁気ディスクの説明
本発明の情報記録媒体は、本発明の基板と、該基板上に形成された記録層とを有することを特徴とする。以下、本発明の結晶化ガラスからなる基板の主表面に、少なくとも磁性層を形成した磁気ディスク(ハードディスク)ものについて説明する。
磁性層以外の層としては、機能面から、下地層、保護層、潤滑層、凹凸制御層などが挙げられ、必要に応じて形成される。これらの各層の形成には各種薄膜形成技術が利用される。磁性層の材料は特に制限されない。磁性層としては、例えば、Co系の他、フェライト系、鉄−希土類系などが挙げられる。磁性層は、水平磁気記録、垂直磁気記録のいずれの磁性層でもよい。
磁性層としては、具体的には、例えば、Coを主成分とするCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、CoCrTa、CoPtCrやCoNiCrPt、CoNiCrTa、CoCrPtTa、CoCrPtSiO などの磁性薄膜が挙げられる。また、磁性層を非磁性層で分割してノイズ低減を図った多層構成としてもよい。
【0032】
磁性層における下地層は、磁性層に応じて選択される。下地層としては、例えば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Alなどの非磁性金属から選ばれる少なくとも一種以上の材料、又はそれらの金属の酸化物、窒化物、炭化物等からなる下地層等が挙げられる。Coを主成分とする磁性層の場合には、磁気特性向上の観点からCr単体やCr合金であることが好ましい。下地層は単層とは限らず、同一又は異種の層を積層した複数層構造とすることもできる。例えば、Al/Cr/CrMo、Al/Cr/Cr等の多層下地層等が挙げられる。
また、基板と磁性層の間又は磁性層の上部に、磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着することを防止するための凹凸制御層を設けてもよい。この凹凸制御層を設けることによって、磁気ディスクの表面粗さは適度に調整されるので、磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着することがなくなり、信頼性の高い磁気ディスクが得られる。凹凸制御層の材料及び形成方法は多種知られており、特に制限されない。例えば、凹凸制御層の材料としては、Al、Ag、Ti、Nb、Ta、Bi、Si、Zr、Cr、Cu、Au、Sn、Pd、Sb、Ge、Mgなどから選ばれる少なくとも一種以上の金属、又はそれらの合金、あるいは、それらの酸化物、窒化物、炭化物等からなる下地層等が挙げられる。形成が容易であるという観点からは、Al単体やAl合金、酸化Al、窒化AlといったAlを主成分とする金属であることが望ましい。
【0033】
また、ヘッドスティクションを考慮すると、凹凸形成層の表面粗さは、Rmax=50〜300オングストロームであることが好ましい。より好ましい範囲は、Rmax=100〜200オングストロームである。Rmaxが50オングストローム未満の場合、磁気ディスク表面が平坦に近いため、磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着し、磁気ヘッドや磁気ディスクが吸着し、磁気ヘッドや磁気ディスクが傷ついてしまったり、吸着によるヘッドクラッシュを起こすので好ましくない。また、Rmaxが300オングストロームを超える場合、グライド高さ(グライドハイト)が大きくなり記録密度の低下を招くので好ましくない。
尚、凹凸制御層を設けずに、ガラス基板表面に、エッチング処理やレーザー光の照射等の手段で凹凸を付け、テクスチャリング処理を施してもよい。
【0034】
保護層としては、例えば、Cr膜、Cr合金膜、炭素膜、ジルコニア膜、シリカ膜等が挙げられる。これらの保護膜は、下地層、磁性層等とともにインライン型スパッタ装置等で連続して形成できる。また、これらの保護膜は、単層としてもよく、あるいは、同一又は異種の膜からなる多層構成としてもよい。
上記保護層上に、あるいは上記保護膜に替えて、他の保護層を形成してもよい。例えば、上記保護層上にテトラアルコキシランをアルコール系の溶媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散して塗布し、さらに焼成して酸化ケイ素(SiO2)膜を形成してもよい。この場合、保護膜と凹凸制御層の両方の機能を果たす。
潤滑層としては多種多様な提案がなされているが、一般的には、液体潤滑剤であるパーフルオロポリエーテルをフレオン系などの溶媒で希釈し、媒体表面にディッピング法、スピンコート法、スプレイ法によって塗布し、必要に応じて加熱処理を行って形成する。
【0035】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明の詳細を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1及び2には実施例1−18のガラス組成をモル%で示した。これらのガラスを溶解する際の出発原料としては、SiO2、Al2O3、Al(OH)3、MgO、CaCO3、Y2O3、TiO2、ZrO2、Li2CO3などを用いて表1及び2に示した所定の割合に250−300g秤量し、十分に混合して調合バッチと成し、これを白金るつぼに入れ、1550℃で攪拌しながら空気中4−5時間ガラスの溶解を行った。熔融後、ガラス融液をサイズ180x15x25mmのカーボンの金型に流し、ガラスの転移点温度まで放冷してから直ちにアニール炉に入れ、ガラスの転移温度範囲で約1時間アニールして炉内で室温まで放冷した。得られたガラスは顕微鏡で観察できる結晶が析出しなかった。
【0036】
180x15x25mmサイズのガラスを100x10x10mm、10x10x20mm、10x1x20mmに研磨した後、熱処理炉に入れ、表1及び2に示した第一次熱処理温度まで1−5℃/分の昇温速度で昇温し、当該温度で2−10時間程度保温し第一次熱処理を行い、第一次熱処理を終えた後直ちに第一次熱処理温度から表1及び2に示した第二次熱処理温度までに2−10℃/分の昇温速度で昇温し、1−5時間程度保温した後、炉内で室温まで冷却することによって結晶化ガラスを作製した。得られた結晶化ガラスをさらに長さを95mmに研磨してヤング率、比重の測定サンプルとした。ヤング率の測定は95x10x10mmのサンプルを用いて超音波法で行われた。測定で得られたデータをガラスの組成と共に表1及び2に示した。
比較のため、特開平1−239036号に開示されたイオン交換ガラス基板と米国特許第2516553号に記載されたガラス基板とをそれぞれ比較例1及び2として、表3に組成と特性を記載する。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
表1及び2に示す結果から明らかなように、実施例1−18の本発明の結晶化ガラスはヤング率(140GPa以上)や比弾性率(40-60MNm/kgの範囲)などの強度特性が大きい。そのため、これらのガラスを磁気記録媒体等の情報記録媒体用基板として使用した場合、このガラス基板が高速回転しても、基板に反りやブレが生じにくく、より基板の薄型化にも対応できることが分かる。さらに、これらの結晶化ガラスの表面粗度(Ra)は、例えば、合成ダイヤモンド、炭化珪素、酸化カルシウム、酸化鉄、酸化セリウムなどの研磨剤を用いる通常の光学ガラスの研磨法で5オングストローム以下に研磨することができる。そのため、平坦性に優れた基板を得ることができ、磁気ヘッドの低浮上化を図ることを目的とする磁気記録媒体用ガラス基板として有用である。
【0041】
図1及び2に実施例5で得られた結晶化ガラスの原子間力顕微鏡の写真を示す。写真に示したように、酸化セリウムを用いた通常の光学ガラスの研磨法で実施例5の結晶化ガラスの表面平滑性を4.5オングストローム以下に研磨することができる。
また、実施例1の液相温度を測定したところ、1292℃であり、成形が容易であることがわかる。
これに対し、比較例1の化学強化ガラス基板は、表面平滑性及び平坦性に優れているものの、耐熱性及びヤング率などの強度特性で本発明の結晶化ガラスに比べかなり劣る。従って、磁気記録媒体を製造する際、高い保磁力を得るために行う磁気層に対する熱処理が十分できず、高保磁力を有する磁気記録媒体が得られないし、また、比較例1のガラスには多量のアルカリを含有するため、磁気膜と基板とのコロージョンが生じやすく、磁気膜にダメージを与えるおそれがある。また、比較例2の結晶化ガラス基板は、ヤング率や比弾性率及び平滑性の点で本発明のガラスに比べ劣る。特に基板の平滑性が大きな結晶粒子の存在によって損なわれるので、高密度記録化を図ることが難しい。
【0042】
【発明の効果】
本発明の結晶化ガラスは、容易に成形することができ、110GPa以上の大きなヤング率及び900℃以上の高い耐熱性を有し、優れた表面平滑性(表面粗さRa<20オングストローム)をもち、かつ硬度や強度の大きい基板材料として用いられる他、電子部品用材料としても好適に使用することができる。
また、本発明の結晶化ガラスからなる基板は、当該材料の耐熱性が優れるため、磁気膜の特性向上に必要な熱処理を基板の変形無しに施すことができ、平坦性が優れるため、磁気ヘッドの低浮上化、即ち高密度記録化が達成でき、ヤング率や比弾性率及び強度が大きいので、磁気ディスクの薄型化及び高速回転化を達成できると共に磁気ディスクの破損も避けられるという利点を有する。
さらに本発明の結晶化ガラスは、比較的安定に得ることができ、工業的規模での生産が容易であるため、安価な次世代磁気記録媒体用基板ガラスとして大きく期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例5で得られた結晶化ガラスの原子間力顕微鏡の写真を示す。
【図2】実施例5で得られた結晶化ガラスの原子間力顕微鏡の写真を示す。
Claims (8)
- SiO2:35−65モル%、Al2O3:5−25モル%、MgO:10−40モル%、TiO2:5−15モル%を含有し、かつモル比(Al2O3/MgO)が0.5未満である組成を有し、かつ主結晶相が2MgO ・ 2Al 2 O 3 ・ 5SiO 2 、 MgO ・ Al 2 O 3 ・ 3SiO 2 、及び MgO ・ Al 2 O 3 ・ 4SiO 2 からなる群から選ばれる1種又は2種以上の組成を有する準安定な石英固溶体並びにエンスタタイトであることを特徴とする情報記録媒体用結晶化ガラス基板(但し、酸化物基準の重量パーセントで表して、TiO2+ZrO2の合計が9%以上であるように、40-65%のSiO2、10-40%のAl2O3、5-25%のMgO、0.5-4%のLi2O、5-15%のTiO2、および0-6%のZrO2から実質的になる組成を有する結晶化ガラス基板および主結晶相がコージェライトまたはコージェライト固溶体である結晶化ガラス基板を除く)。
- Y2O3を0−10モル%含有することを特徴とする請求項1に記載の基板。
- 表面平均粗さRaが20オングストローム以下である請求項1〜2のいずれか1項に記載の基板。
- 前記結晶化ガラスのヤング率が140GPa以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板。
- 前記結晶化ガラスに含まれる結晶サイズの平均値が1μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板。
- 情報記録媒体が磁気ディスクである請求項1〜5のいずれか1項に記載の基板。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の基板と、該基板上に形成された記録層とを有することを特徴とする情報記録媒体。
- 記録層が磁気記録層である請求項7に記載の情報記録媒体。
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