JP3219701B2 - 磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板およびその製造方法 - Google Patents

磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報記憶装置に用
いられる磁気情報記憶媒体用基板、特に、コンタクトレ
コーディング法式に対応した、基板表面の改善された超
平滑性と、コンタクト・スタート・ストップ方式に対応
した磁気ディスクと磁気ヘッドの吸着を防止し、改善さ
れた表面特性を有するガラスセラミックからなる磁気デ
ィスク用基板等の磁気情報記憶媒体用基板およびこの磁
気情報記憶媒体用基板に成膜プロセスを施して形成され
る磁気情報記憶媒体ならびに磁気情報記憶媒体基板の製
造方法に関する。本明細書において「磁気情報記憶媒
体」とは、パーソナルコンピュータのハードディスクと
して使用される磁気ディスクやデジタルビデオカメラに
おいて使用可能な磁気情報記憶媒体等のディスク状磁気
情報記憶媒体を意味する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータのマルチメディ
ア化やデジタルビデオカメラ等のように動画や音声等の
データが扱われるようになり、大容量の情報記憶装置が
必要となっている。その結果磁気情報記憶媒体は、面記
録密度を大きくするために、ビットおよびトラック密度
を増加させ、ビットセルのサイズを縮少化する必要があ
る。それに対応し磁気ヘッドは、ビットセルの縮少化に
合せ磁気情報記憶媒体基板表面により近接して作動する
ようになる。このように磁気ヘッドが磁気情報記憶媒体
基板に対し低浮上状態または接触状態(コンタクト)に
て作動する場合磁気ヘッドの起動・停止時に磁気情報記
憶媒体基板と磁気ヘッドの吸着、それに伴なうヘッドク
ラッシュおよび磁性膜の損傷を発生してしまう。これら
の問題に対しては、磁気ヘッドの起動・停止技術として
磁気情報記憶媒体基板の特定部分(ディスク内径側の未
記録・書き込み部)に吸着防止を行い、磁気ヘッドの起
動・停止を行うランディングゾーン方式等の技術開発が
重要となってくる。現在の情報記憶装置において、磁気
ヘッドは、装置始動前は磁気情報記憶媒体基板に接触し
ており、装置始動時には磁気情報記憶媒体基板より浮上
するといった動作をくり返すCSS(コンタクト・スタ
ート・ストップ)方式を行っている。この時両者の接触
面が必要以上に鏡面であると吸着が発生し摩擦係数の増
大に伴なう回転始動の不円滑、磁気情報記憶媒体表面の
損傷等の問題が発生する。この様に磁気情報記憶媒体基
板は、記録容量の増大に伴う磁気ヘッドの低浮上化と磁
気ヘッドと磁気情報記憶媒体基板の吸着防止化と相反す
る要求が要望される。これらの相反する要望に対して
は、磁気情報記憶媒体基板の特定の領域に磁気ヘッドの
始動・停止部を制作するランディングゾーン技術の開発
が進めれれている。さらに現在の固定型情報記憶装置に
対して、リムーバブル記憶装置としてカード・ハード・
ディスク・ドライブのような情報記憶装置が検討・実用
化段階にありデジタルビデオカメラ等の用途展開も始ま
りつつある。この新しい技術に対して磁気情報記憶媒体
用基材には、次のような特性が要望される。すなわち、 (1)磁気情報記憶媒体のランディングゾーン方式にお
いて、ランディングゾーンにおけるCSS(コンタクト
・スタート・ストップ)特性においてランディング領域
(磁気ヘッドの始動・停止部、ランディングゾーン)の
表面状態は、その凹凸または突起が50Å以下の滑らか
な表面では、高速回転で起る接触抵抗の増大に伴うヘッ
ドとディスクの吸着が発生する一方、表面状態の凹凸ま
たは突起が300Å以上の粗い表面では、ヘッドクラッ
シュ等を発生するため、ランディング領域の表面状態の
凹凸または突起が50Å〜300Åの高さである必要が
あり、その凹凸または突起の間隔が10μm〜200μ
mに制御されるとともに表面粗度(Ra)が10Å〜5
0Åに制御された表面状態であること。
【0003】(2)磁気情報記憶媒体の面記録密度向上
に伴い、ヘッドの浮上量が0.025μm以下と低減の
方向にあり、ディスク表面のデータ領域は、このヘッド
浮上量を可能にする表面粗度(Ra)が3Å〜9Åであ
ること。
【0004】(3)磁気情報記憶媒体基板材は、面記録
密度の向上に伴ない、材料に結晶異方性、異物、欠陥が
なく組織が緻密で均質、微細であること。
【0005】(4)高速回転やヘッドの接触およびリム
ーバブル記憶装置のような携帯型使用に十分耐える機械
的強度、硬度を有すること。
【0006】(5)情報記憶媒体の面記録密度向上に伴
ない、磁性膜の高精度・微細化(垂直磁性膜)が必要と
なるため、基板材料中にNa2 O、B2 3 、OH、F
成分を含有すると、これらのイオンが成膜工程中に拡散
し、磁性膜粒子の粗大化や配向性が悪化するためこれら
の成分を基本的に含有しないこと。
【0007】(6)種々の薬品による洗浄やエッチング
に耐え得る化学的耐久性を有すること。
【0008】従来磁気ディスク基板材には、アルミニウ
ム合金が使用されているが、アルミニウム合金基板で
は、種々の材料欠陥の影響により、研磨工程における基
板表面の突起またはスポット状の凹凸を生じ平坦性、平
滑性の点で十分でなく、またアルミニウム合金は軟かい
材料であるため、変形が生じやすく薄形化に対応するこ
とがむずかしく、さらにはヘッドの接触による変形傷を
生じメディアを損傷させてしまう等、今日の高密度記録
化に十分対応できない。
【0009】また、アルミニウム合金基板の問題点を解
消する材料として化学強化ガラスのソーダライムガラス
(SiO2 −CaO−Na2 O)とアルミノシリケート
ガラス(SiO2 −Al2 3 −Na2 O)が知られて
いるが、この場合 (1)研磨は化学強化後に行なわれ、ディスクの薄板化
における強化層の不安定要素が高い。
【0010】(2)基板には始動/停止(CSS)特性
向上のための基板表面に凹凸を作るテクスチャーを行う
が、機械的または熱的(レーザ加工)等の処理は、化学
強化層の歪によりクラック等を発生してしまうため、ケ
ミカルエッチング法や成膜粒界成長法を行う必要があ
り、製品の低コスト安定生産性が難しい欠点がある。
【0011】(3)ガラス中にNa2 O成分を必須成分
として含有するため、磁性膜特性が悪化し、今後の面記
録の高密度化に十分対応できない。
【0012】さらに、アルミニウム合金基板や化学強化
ガラス基板に対していくつかの結晶化ガラスが知られて
いる。例えば、特開平6−329440号公報記載のS
iO2 −Li2 O−MgO−P2 5 系結晶化ガラス
は、主結晶相として二珪酸リチウム(Li2 O・2Si
2 )およびα−クオーツ(α−SiO2 )を有し、α
−クオーツ(α−SiO2 )の球状粒子サイズをコント
ロールする事で、従来のメカニカルテクスチャー、ケミ
カルテクスチャーを不用とし、研磨して成る表面粗度
(Ra)を15〜30Åの範囲で制御を可能とした基板
表面全面テクスチャー材として非常に優れた材料である
が、目標とする表面粗度(Ra)が3Å〜9Åと、急速
に進む記録容量向上に合せた低浮上化に十分対応するこ
とができない。また、後述のランディング領域に対する
議論がまったくなされていない。
【0013】また、特開平7−169048号公報に
は、磁気ディスク用基体表面に記録領域とランディング
区域を形成したことを特徴とした、SiO2 −Li2
系ガラスに感光性金属のAu、Agを含有する感光性結
晶化ガラスが開示されているが、この結晶化ガラスの主
結晶相は、珪酸リチウム(Li2 O・SiO2 )および
/または二珪酸リチウム(Li2 O・2SiO2 )から
成り、特に珪酸リチウム(Li2 O・SiO2 )は一般
的に化学的耐久性が悪く実用上の問題が大きい。さらに
ランディング区域の形成に当たっては、基体の一部分
(ランディング区域)を結晶化しHF6%溶液によるケ
ミカルエッチングを行っているが、ディスク基体に対し
未結晶化部と結晶化部を与える事は、熱的、機械的にも
不安定要素が高い。また、HFによるケミカルエッチン
グに関してもHF溶液の揮発等の問題により濃度コント
ロールが難かしく量産性が悪い。
【0014】また、磁気ディスク基板表面へのランディ
ング領域およびデータ領域の形成に関して、いくつかの
技術が知られている。例えば特開平6−290452号
公報記載のカーボン基板に対し523nm波長のパルス
レーザによるランディング領域形成方法が開示されてい
るがこの場合 (1)カーボン基板は、高圧プレス及び高温焼成260
0℃により成形体を得るため低コスト量産性を妨げてい
る。
【0015】(2)カーボン基板は、表面硬度が高く端
面加工や表面精密研磨が困難であり低コスト量産性を妨
げている。
【0016】(3)ランディング領域の形成方法は、パ
ルスレーザによるカーボンの酸化および気化を利用する
ものであるが、熱酸化反応が激しい材料であるため加工
形状が不安定で再現性に問題がある。
【0017】さらに、特開平7−65359公報、US
P5062021公報記載のパルスレーザによりアルミ
ニウム合金基板のランディング領域形成方法が開示され
ているが、いずれも前記記載のアルミニウム合金基板の
問題点は、もちろんの事、アルミニウム合金基板のレー
ザによる加工に関してレーザ照射後の加工面は、金属特
有の溶融部の酸化および飛沫が残り欠陥となってしまう
ため、実用上問題である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術に見られる諸欠点を解消しつつ、磁気ヘッドの
起動・停止(コンタクト・スタート・ストップ)部が存
在するランディング領域において磁気ヘッドの安定浮上
を可能とするとともに高記録密度化に対応したデータ領
域での低浮上化を可能とする2つの表面特性を兼ね備え
た磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板およびその
製造方法ならびにこのガラスセラミック基板上に磁気媒
体の被膜を形成してなる磁気情報記憶媒体を提供するこ
とにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意試験研究を重ねた結果、SiO2
Li2 O−K2 O−MgO−ZnO−P2 5 −Al2
3 系またはSiO2−Li2 O−K2 O−MgO−Z
nO−P2 5 −Al2 3 −ZrO2 系、またはこれ
らの系に着色成分としてNiO,CoO、MnO2 、V
2 5 、CuO、Cr2 3 の少くとも2種を含有させ
たガラスにおいて厳密に限られた熱処理温度範囲で得ら
れた結晶化ガラスは、その結晶相が二珪酸リチウム(L
2 O・2SiO2 )、二珪酸リチウム(Li2 O・2
SiO2 )およびα−クオーツ(α−SiO2 )の混
晶、二珪酸リチウム(Li2 O・2SiO2 )およびα
−クリストバライト(α−SiO2 )の混晶、の3種の
いずれかに限定され、かつ結晶粒子は、いずれも微細な
球状粒子形体から成り、研磨して成る表面特性がより平
滑性に優れ、かつレーザ(CO2 、LD励起固体)加工
による加工特性に優れている点で磁気情報記憶媒体基板
表面のランディング領域およびデータゾーンの形成に一
段と有利な磁気情報記憶媒体用ガラスセラミックが得ら
れることを見い出し、本発明に至った。
【0020】上記本発明の目的を達成する請求項1記載
の発明は、データ領域とランディング領域とを有する磁
気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板において、該デ
ータ領域の表面は研磨加工され、表面粗度(Ra)は3
Å〜9Åであり、該ランディング領域はレーザ照射によ
り一定間隔に形成された、高さ50Å〜300Åの無数
の凹凸または突起を有し、該ランディング領域の表面粗
度(Ra)は10Å〜50Åであり、前記ガラスセラミ
ック基板のガラスセラミックは、SiO 2 −Li 2 O−K
2 O−MgO−ZnO−P 2 5 −Al 2 3 −ZrO 2 系で
あって、重量百分率で、SiO 2 70 〜80%、及び
ZrO 2 0.5 〜 5%を含有することを特徴とする磁
気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板である。
【0021】請求項2記載の発明は、前記ガラスセラミ
ック基板は、重量百分率で、 SiO 2 70 〜80% Li 2 O 9 〜12% 2 O 2 〜 5% MgO 0.5〜 5% ZnO 0.2〜 3% 但し、MgO+ZnO 1.2〜 5% 2 5 1.5〜 3% Al 2 3 2 〜 5% ZrO 2 0.5〜 5% Sb 2 3 0 〜 1% As 2 3 0 〜 1% の範囲の各成分を含有する原ガラスを熱処理することに
より得られるガラスセラミックからなることを特徴とす
る請求項1記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック
基板である。 請求項3記載の発明は、前記レーザの種類
がCO 2 レーザであることを特徴とする請求項1又は2
記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板であ
る。
【0022】請求項4記載の発明は、データ領域とラン
ディング領域とを有する磁気情報記憶媒体用ガラスセラ
ミック基板において、該データ領域の表面は研磨加工さ
れ、表面粗度(Ra)は3Å〜9Åであり、該ランディ
ング領域はレーザ照射により形成された、高さ50Å〜
300Åの無数の凹凸または突起を有し、該ランディン
グ領域の表面粗度(Ra)は10Å〜50Åであり、前
記ガラスセラミック基板のガラスセラミックは、SiO
2 −Li 2 O−K 2 O−MgO−ZnO−P 2 5 −Al 2
3 系、又はSiO 2 −Li 2 O−K 2 O−MgO−ZnO−
2 5 −Al 2 3 −ZrO 2 系であって、着色成分とし
てNiO、CoO、MnO 2 、V 2 5 、CuO、Cr 2
3 の少くとも2種を含有することを特徴とする磁気情
報記憶媒体用ガラスセラミック基板である。
【0023】請求項5記載の発明は、前記ガラスセラミ
ック基板は、重量百分率で、 SiO 2 70 〜80% Li 2 O 9 〜12% 2 O 2 〜 5% MgO 0.5 〜 5% ZnO 0.2 〜 3% 但し、MgO+ZnO 1.2 〜 5% 2 5 1.5 〜 3% Al 2 3 2 〜 5% Sb 2 3 0 〜 1% As 2 3 0 〜 1% 2 5 0.02〜0.8% CuO 0.02〜0.8% Cr 2 3 0 〜0.8% MnO 2 0.02〜0.8% CoO 0 〜0.8% NiO 0 〜0.8% 但し、V 2 5 +CuO+Cr 2 3 +MnO 2 +CoO
+NiO 0.08〜2.5% の範囲の各成分を含有する原ガラスを熱処理することに
より得られるガラスセラミックからなることを特徴とす
る請求項4記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック
基板である。
【0024】請求項6記載の発明は、前記ガラスセラミ
ック基板は、重量百分率で、 SiO 2 70 〜80% Li 2 O 9 〜12% 2 O 2 〜 5% MgO 0.5 〜 5% ZnO 0.2 〜 3% 但し、MgO+ZnO 1.2 〜 5% 2 5 1.5 〜 3% Al 2 3 2 〜 5% ZrO 2 0.5 〜 5% Sb 2 3 0 〜 1% As 2 3 0 〜 1% 2 5 0.02〜0.8% CuO 0.02〜0.8% Cr 2 3 0 〜0.8% MnO 2 0.02〜0.8% CoO 0 〜0.8% NiO 0 〜0.8% 但し、V 2 5 +CuO+Cr 2 3 +MnO 2 +CoO
+NiO 0.08〜2.5% の範囲の各成分を含有する原ガラスを熱処理することに
より得られるガラスセラミックからなることを特徴とす
る請求項4記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック
基板である。
【0025】請求項7記載の発明は、前記ガラスセラミ
ックの結晶相は二珪酸リチウム(Li 2 O・2Si
2 )、二珪酸リチウム及びα−クオーツ(α−Si
2 )の混晶であって、二珪酸リチウムの結晶粒子は球
状粒子構造を有しており、その大きさは0.1μm〜
0.5μmの範囲内の径を有し、また、α−クオーツの
結晶粒子は複数の粒子が凝集した球状粒子構造を有して
おり、その大きさは0.3μm〜1.0μmの範囲内の
径を有していることを特徴とする請求項1から6のうち
いずれか一項記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミッ
ク基板である。
【0026】請求項8記載の発明は、前記ガラスセラミ
ックの結晶相は二珪酸リチウム(Li 2 O・2Si
2 )、二珪酸リチウム及びα−クリストバライト(α
−SiO 2 )の混晶であって、二珪酸リチウムの結晶粒
子は球状粒子構造を有しており、その大きさは0.1μ
m〜0.5μmの範囲内の径を有し、また、α−クリス
トバライトの結晶粒子の大きさは0.2μm〜1.0μ
mの範囲内の径を有していることを特徴とする請求項1
から6のうちいずれか一項記載の磁気情報記憶媒体用ガ
ラスセラミック基板である。
【0027】請求項9記載の発明は、前記ガラスセラミ
ック基板は、重量百分率で、 SiO 2 70 〜80% Li 2 O 9 〜12% 2 O 2 〜 5% MgO 0.5 〜 5% ZnO 0.2 〜 3% 但し、MgO+ZnO 1.2 〜 5% 2 5 1.5 〜 3% ZrO 2 0.5 〜 5% Al 2 3 2 〜 5% Sb 2 3 0 〜 1% As 2 3 0 〜 1% NiO 0.5 〜 3% CoO 0.5 〜 3% MnO 2 0 〜 0.5% 2 5 0 〜 0.5% CuO 0 〜 1% Cr 2 3 0 〜 1.5% の範囲の各成分を含有する原ガラスを熱処理することに
より得られるガラスセラミックからなることを特徴とす
る、請求項4記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミッ
ク基板である。
【0028】請求項10記載の発明は、前記ガラスセラ
ミックの結晶相は二珪酸リチウム(Li 2 O・2Si
2 )、二珪酸リチウムおよびα−クオーツ(α−Si
2 )の混晶、二珪酸リチウムおよびα−クリストバラ
イト(α−SiO 2 )の混晶であって、二珪酸リチウム
の結晶粒子は球状粒子形体を有しており、その粒子径は
0.05μm〜0.30μmの範囲内であり、また、α
−クリストバライトの結晶粒子は球状粒子形体を有して
おり、その粒子径は0.10μm〜0.50μmの範囲
内であり、また、α−クオーツの結晶粒子は複数の粒子
が凝集した球状粒子形体を有しており、その粒子径は
0.10μm〜1.00μmの範囲内であることを特徴
とする請求項9項記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラ
ミック基板である。
【0029】請求項11記載の発明は、前記レーザの種
類がLD励起固体レーザであることを特徴とする請求項
4から10のうちいずれか一項記載の磁気情報記憶媒体
用ガラスセラミック基板である。
【0030】請求項12記載の発明は、前記LD励起固
体レーザはNd:YAGまたはNd:YVO4 またはN
d:YLFであることを特徴とする請求項11記載の磁
気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板である。
【0031】請求項13の発明は、前記LD励起固体レ
ーザの波長が0.2μm〜0.6μmまたは1.05μ
m〜1.40μmの範囲であることを特徴とする請求項
11又は12記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミッ
ク基板である。
【0032】請求項14記載の発明は、前記ガラスセラ
ミック基板において、前記レーザの種類がLD励起固体
レーザであり、前記ガラスセラミックは、LD励起固体
レーザ波長における透過率が厚さ0.635mmで80
%〜40%であることを特徴とする請求項5または6記
載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板である。
【0033】請求項15記載の発明は、前記ガラスセラ
ミック基板において、前記レーザの種類がLD励起固体
レーザであり、前記ガラスセラミックは、LD励起固体
レーザ波長(0.2μm〜0.6μmまたは1.05μ
m〜1.40μm)における透過率が厚さ0.635m
mにおいて0%〜40%であることを特徴とする請求項
9記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板であ
る。
【0034】請求項16記載の発明は、該ランディング
領域の凹凸または突起は、一定間隔にあって、その間隔
は10μm〜200μmであることを特徴とする、請求
項1から15のうちいずれか一項記載の磁気情報記憶媒
体用ガラスセラミック基板である。
【0035】請求項17記載の発明は、強化ガラス特有
の表面強化層と内部未強化層との間の応力変化がないこ
とを特徴とする、請求項1から16のうちいずれか一項
記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板であ
る。
【0036】請求項18記載の発明は、データ領域とラ
ンディング領域とを有する磁気情報記憶媒体用ガラスセ
ラミック基板の製造方法において、重量百分率で、 SiO 2 70 〜80% Li 2 O 9 〜12% 2 O 2 〜 5% MgO 0.5〜 5% ZnO 0.2〜 3% 但し、MgO+ZnO 1.2〜 5% 2 5 1.5〜 3% Al 2 3 2 〜 5% ZrO 2 0.5〜 5% Sb 2 3 0 〜 1% As 2 3 0 〜 1% の範囲の各成分を含有する原ガラスを核形成のために4
50℃〜550℃の核形成温度で1〜12時間の範囲で
熱処理し、更に、結晶成長のために680℃〜780℃
の結晶化温度で1〜12時間の範囲で熱処理した後、表
面を3Å〜9Åの表面粗度(Ra)に研磨し、さらにラ
ンディング領域にCO 2 レーザ照射により無数の凹凸ま
たは突起を形成することにより該ランディング領域の凹
凸または突起の高さを50Å〜300Å、表面粗度(R
a)を10Å〜50Åとしたことを特徴とする、請求項
2記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板の製
造方法である。
【0037】請求項19記載の発明は、データ領域とラ
ンディング領域とを有する磁気情報記憶媒体用ガラスセ
ラミック基板の製造方法において、重量百分率で、 SiO 2 70 〜80% Li 2 O 9 〜12% 2 O 2 〜 5% MgO 0.5 〜 5% ZnO 0.2 〜 3% 但し、MgO+ZnO 1.2 〜 5% 2 5 1.5 〜 3% Al 2 3 2 〜 5% Sb 2 3 0 〜 1% As 2 3 0 〜 1% 2 5 0.02〜0.8% CuO 0.02〜0.8% Cr 2 3 0 〜0.8% MnO 2 0.02〜0.8% CoO 0 〜0.8% NiO 0 〜0.8% 但し、V 2 5 +CuO+Cr 2 3 +MnO 2 +CoO
+NiO 0.08〜2.5% の範囲の各成分を含有する原ガラスを核形成のために4
50℃〜550℃の核形成温度で1〜12時間の範囲で
熱処理し、更に、結晶成長のために680℃〜750℃
の結晶化温度で1〜12時間の範囲で熱処理した後、表
面を3Å〜9Åの表面粗度(Ra)に研磨し、さらにラ
ンディング領域にLD励起固体レーザ照射により無数の
凹凸または突起を形成することにより該ランディング領
域の凹凸または突起の高さを50Å〜300Å、表面粗
度(Ra)を10Å〜50Åとしたことを特徴とする、
請求項5記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基
板の 製造方法である。
【0038】請求項20記載の発明は、データ領域とラ
ンディング領域とを有する磁気情報記憶媒体用ガラスセ
ラミック基板の製造方法において、重量百分率で、 SiO 2 70 〜80% Li 2 O 9 〜12% 2 O 2 〜 5% MgO 0.5 〜 5% ZnO 0.2 〜 3% 但し、MgO+ZnO 1.2 〜 5% 2 5 1.5 〜 3% Al 2 3 2 〜 5% ZrO 2 0.5 〜 5% Sb 2 3 0 〜 1% As 2 3 0 〜 1% 2 5 0.02〜0.8% CuO 0.02〜0.8% Cr 2 3 0 〜0.8% MnO 2 0.02〜0.8% CoO 0 〜0.8% NiO 0 〜0.8% 但し、V 2 5 +CuO+Cr 2 3 +MnO 2 +CoO
+NiO 0.08〜2.5% の範囲の各成分を含有する原ガラスを核形成のために4
50℃〜550℃の核形成温度で1〜12時間の範囲で
熱処理し、更に、結晶成長のために680℃〜780℃
の結晶化温度で1〜12時間の範囲で熱処理した後、表
面を3Å〜9Åの表面粗度(Ra)に研磨し、さらにラ
ンディング領域にLD励起固体レーザ照射により無数の
凹凸または突起を形成することにより該ランディング領
域の凹凸または突起の高さを50Å〜300Å、表面粗
度(Ra)を10Å〜50Åとしたことを特徴とする、
請求項6記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基
板の 製造方法である。
【0039】請求項21記載の発明は、データ領域とラ
ンディング領域とを有する磁気情報記憶媒体用ガラスセ
ラミック基板の製造方法において、重量百分率で、 SiO 2 70 〜80% Li 2 O 9 〜12% 2 O 2 〜 5% MgO 0.5 〜 5% ZnO 0.2 〜 3% 但し、MgO+ZnO 1.2 〜 5% 2 5 1.5 〜 3% ZrO 2 0.5 〜 5% Al 2 3 2 〜 5% Sb 2 3 0 〜 1% As 2 3 0 〜 1% NiO 0.5 〜 3% CoO 0.5 〜 3% MnO 2 0 〜 0.5% 2 5 0 〜 0.5% CuO 0 〜 1% Cr 2 3 0 〜 1.5% の範囲の各成分を含有する原ガラスを核形成のために4
50℃〜550℃の核形成温度で1〜12時間の範囲で
熱処理し、更に、結晶成長のために680℃〜750℃
の結晶化温度で1〜12時間の範囲で熱処理した後、表
面を3Å〜9Åの表面粗度(Ra)に研磨し、更に、ラ
ンディング領域にLD励起固体レーザ照射により無数の
凹凸または突起を形成することにより該ランディング領
域の凹凸または突起の高さを50Å〜300Å、表面粗
度を10Å〜50Åとしたことを特徴とする、請求項9
記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板の製造
方法である。
【0040】請求項22記載の発明は、請求項1〜17
のうちいずれか一項記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセ
ラミック基板上に磁気媒体の被膜を形成してなる磁気情
報記憶媒体である。
【0041】本発明のガラスセラミックの組成は、原ガ
ラスと同様酸化物基準で表示し得るが、原ガラスの組成
範囲を上記のように限定した理由について以下に述べ
る。
【0042】すなわち、SiO2 成分は、原ガラスの熱
処理により、主結晶相として析出する二珪酸リチウム
(Li2 O・2SiO2 )、α−クオーツ(α−SiO
2 )、α−クリストバライト(α−SiO2 )結晶を生
成するきわめて重要な成分であるが、その量が70%未
満では、得られたガラスセラミックの析出結晶が不安定
で組織が粗大化しやすく、また、80%を超えると原ガ
ラスの溶融・成形性が困難になる。 Li2 O成分は、
原ガラスの熱処理により、主結晶相として析出する二珪
酸リチウム(Li2 O・2SiO2 )結晶を生成するき
わめて重要な成分であるが、その量が9%未満では、上
記結晶の析出が困難となると同時に、原ガラスの溶融が
困難となり、また、12%を超えると得られる結晶が不
安定で組織が粗大化しやすいうえ化学的耐久性および硬
度が悪化する。
【0043】K2 O成分は、ガラスの溶融性を向上させ
ると同時に析出結晶の粗大化を防止する成分であるが、
その量が2%未満では上記効果が得られず、また、5%
を超えると析出結晶の粗大化、相変化および化学的耐久
性が悪化する。
【0044】MgO、ZrO成分は、本発明の主結晶相
としての二珪酸リチウム(Li2 O・2SiO2 )、α
−クオーツ(α−SiO2 )、α−クリストバライト
(α−SiO2 )の結晶粒子を球状粒子形体に析出させ
ることを見い出した重要な成分であるが、それぞれMg
O成分は、その量が0.5%未満、ZnO成分は、その
量が0.2%未満、合計量が1.2%未満では上記効果
が得られず、また、MgO成分、ZrO成分がそれぞれ
5%、3%を超え合計量が5%を超えると所望の結晶が
析出し難くなる。
【0045】P2 5 成分は本発明において、ガラスの
結晶核形成剤として不可欠であるが、その量が1.5%
未満では結晶核形成が不十分で析出結晶相を粗大化させ
てしまい、また3%を超えると原ガラスの乳白失透によ
り量産性が悪化する。
【0046】Al2 3 成分は、ガラスセラミックの化
学的耐久性および硬度を向上させる成分であるが、その
量が2%未満では上記効果が得られず、また5%を超え
ると溶融性、失透性が悪化し、析出結晶がβ−スポジュ
メン(Li2 O・Al2 3・4SiO2 )に相変化し
てしまう。
【0047】本発明のガラスセラミック基板のガラスセ
ラミックをSiO2 −Li2 O−K2 O−MgO−Zn
O−P2 5 −Al2 3 −ZrO2 系で構成する場合
は、ZrO2 成分はP2 5 成分と同様にガラスの結晶
核形成剤として機能する上に、析出結晶の微細化と材料
の機械的強度の向上および化学的耐久性の向上に顕著な
効果を有することが見出された極めて重要な成分である
が、その量が0.5%未満では上記効果が得られず、ま
た5%を超えると原ガラスの溶融が困難となると同様に
ZrSiO4 等の溶け残りが発生してしまう。
【0048】As2 3 、Sb2 3 成分はガラス溶融
の際の清澄剤として添加しうるが、その量はそれぞれ1
%以下で充分である。
【0049】本発明において、ランディング領域におけ
る凹凸または突起をLD励起固体レーザにより行う場
合、レーザ吸収効果を挙げるために着色成分の添加が不
可欠であることが判った。またCO2 レーザーによる凹
凸形式の場合は着色成分の添加は不要であるが、着色成
分を添加した系にCO2 レーザ照射を適用することも可
能である。
【0050】本発明においては、着色成分として、Ni
O、CoO,MnO2 、V2 5 、CuO、Cr2 3
の中少くとも2種を使用し、必須成分として使用する着
色成分によりV2 5 −CuO−MnO2 系とNiO−
CoO系に分かれる。
【0051】V2 5 −CuO−MnO2 系の着色成分
系において、V2 5 、CuO、MnO2 成分は、ラン
ディングゾーン凸凹形成の際のLD励起固体レーザ加工
に対し原ガラスの結晶微細構造を悪化させることなくレ
ーザ吸収効果を向上させるための着色成分として必須の
ものであるが、各成分それぞれ0.02%未満では上記
効果が得られず、また各成分がそれぞれ0.8%を超え
ると析出結晶を粗大化してしまう。さらにV2 5 +C
uO+MnO2 の合計量は、0.08%〜2.5%が好
ましい。LD励起固体レーザ加工に対してV2 5 −C
uO−MnO2系の着色ガラスセラミックのレーザ波長
(1.06μm)において得られる光線透過率は板厚
0.635mmで80%〜40%である。また、Cr2
3 、CoO、NiO成分もV2 5 、CuO、MnO
2 と同様の効果があるので添加し得るが、その量が0.
8%を超えると析出結晶が粗大化してしまう。
【0052】LD励起固体レーザ加工に対して使用する
レーザ波長(0.2μm〜0.6μmまたは1.05μ
m〜1.40μm)において、レーザ出力を過度に高め
ることなく充分なレーザによる加熱を行うために特に好
ましい光線透過率は板厚0.635mmで0%〜40%
であることが判った。光線透過率をこの範囲内に定める
ことにより、レーザ照射時間を最小限度にとどめること
ができ、基板表面に過剰な応力を生じるおそれがなく、
量産性を確保しつつ凹凸または突起の形成を安定的に行
うことが可能となる。
【0053】上記好ましい光線透過率である0%〜40
%の光線透過率は、着色成分としてNiO−CoO系着
色成分を使用することによって達成することができる。
【0054】NiO−CoO系においても、NiO、C
oO、MnO2 、V2 5 、CuO、Cr2 3 成分が
ランディング領域の凹凸または突起の形成の際のLD励
起固体レーザ加工に対して原ガラスの結晶微細構造を悪
化させることなくレーザの吸収効果を向上させるための
着色成分として使用される。NiO、CoOの各成分
は、それぞれLD励起固体レーザ波長において、特にC
oO成分は、0.2μm〜0.6μmおよび1.05μ
m〜1.40μm域で吸収し、光線透過率を低下させる
重要な成分であるが、CoO成分単独での吸収ではいず
れの波長域においても吸収には限界があり光線透過率を
十分に低下させることができない。しかし、CoO成分
にNiO成分を添加し共存させるといずれの波長域にお
いても光線透過率を著しく低下させ0%〜40%の光線
透過率が得られることが判明した。したがって、このN
iO、CoOの両成分はともに0%〜40%の光線透過
率を得るために必須の成分である。両成分ともそれぞれ
0.5%未満では上記効果が得られず、また両成分とも
それぞれ3%を超えると析出結晶を粗大化してしまう。
【0055】また、MnO2 、V2 5 、CuO、Cr
2 3 成分もNiO、CoO成分の光線透過率の補正成
分として効果があるので添加することができるが、Mn
2成分が0.5%、CuO成分が1%、Cr2 3
分が1.5%、をそれぞれ超えると析出結果が粗大化し
てしまうのと同様に光線透過率に悪影響を与えてしま
う。とくにV2 5 成分は1.5%を超えると析出結晶
相が粗大化してしまうのと同時に、結晶化熱処理の際に
2 5 成分特有の還元効果による着色への色彩変化を
与えてしまう。
【0056】つぎに本発明にかかる磁気情報記憶媒体用
ガラスセラミック基板を製造するには、上記の組成を有
するガラスを溶解し、熱間成形および/または冷間加工
を行った後450℃〜550℃の範囲の温度で約1〜1
2時間熱処理して結晶核を形成し、続いて680℃〜7
80℃の範囲の温度で約1〜12時間熱処理して結晶化
を行う。
【0057】こうして熱処理により結晶化されたガラス
セラミックの結晶相は二珪酸リチウム(Li2 O.2S
iO2 )、二珪酸リチウム及びα−クオーツ(α−Si
2)の混晶または二珪酸リチウム及びα−クリストバ
ライト(α−SiO2 )の混晶である。二珪酸リチウム
の結晶粒子は球状粒子構造を有しており、その大きさは
着色成分を含有しない系または必須成分としてV2 5
−CuO−MnO2 系の着色成分を含有する系において
は0.1μm〜0.5μm、必須の着色成分ととしてN
iO−CoO系の着色成分を含有する系においては0.
05μm〜0.30μmの範囲内の径を有し、また、α
−クオーツの結晶粒子は複数の粒子が凝集した球状粒子
構造を有しており、その大きさは0.3μm〜1.0μ
mの範囲内の径を有している。また、α−クリストバラ
イトの結晶粒子の大きさは着色成分を含有しない必須成
分としてV2 5 −CuO−MnO2 系の着色成分を含
有する系においては0.2μm〜1.0μm、必須の着
色成分としてNiO−CoO系の着色成分を含有する系
においては0.10μm〜0.50μmの範囲内の径を
有している。本発明のガラスセラミック基板は上記特定
の組成と上記特定の結晶相、粒子径を有することによ
り、溶融点が950℃〜1150℃であり、後述のとお
りレーザ照射による凹凸形成を安定して行うために最適
の条件を備えている。
【0058】次にこの熱処理結晶化したガラスを常法に
よりラッピングした後ポリシングすることにより、表面
粗度(Ra)が3〜9Åの範囲の磁気情報記憶媒体基板
が得られる。
【0059】さらに、これらの基板は、ランディング領
域凹凸または突起形成のためLD励起固体レーザ、また
はCO2 レーザによりランディング領域への凹凸形成加
工を行う。
【0060】この際LD励起固体レーザの波長は0.3
μm〜0.6μmまたは1.05μm〜1.40μmの
範囲に限定される。レーザ照射後のライディング領域に
は、50Å〜300Åの凹凸または突起が10μm〜2
00μmの間隔で表面粗度(Ra)が10Å〜50Åの
範囲で形成される。こうして50Å〜300Åの凹凸ま
たは突起が形成されたランディング領域と平滑性の優れ
たデータ領域を兼ね備えた図1に示すような磁気情報記
憶媒体用ガラスセラミック基板が得られる。図1におい
て、ガラスセラミック基板1は中心にある円形穴5を囲
むランディング領域3とその外側のデータ領域2を有す
る。符号4はランディング領域3の内側のリングと呼ば
れる部分を示す。図2において、ランディング領域に形
成された凹凸の形状を示す。図3において、ランディン
グ領域に形成された突起の形状を示す。図4において、
ランディング領域に形成される凹凸または突起の間隔を
示す。図5において、ランディング領域に形成される凹
凸または突起の高さを示す。
【0061】一般に知られる材料の表面改質(切断、溶
接、微細加工)に用いられるレーザは、Arレーザ、C
2 レーザ、エキシマレーザ、LD励起固体レーザに大
きく分類する事ができるが、特に本発明におけるガラス
セラミックのレーザ加工に対し、Arレーザ、エキシマ
レーザは、加工表面の形状および飛沫による表面欠陥を
発生させてしまうため、LD励起固体レーザおよびCO
2 レーザに限定されることが判った。
【0062】LD励起固体レーザまたはCO2 レーザに
よりランディングゾーンを形成するには、研磨されたガ
ラスセラミック基板をスピンドルによりクランプした状
態で回転させながらパルスレーザーを基板表面に垂直に
一定間隔で照射しランディングゾーンの凹凸または突起
を形成する。
【0063】このパルスレーザの照射については、LD
励起固体レーザ、スポット径約2μm〜50μm、CO
2 レーザ、スポット径15μm〜50μmにてそれぞれ
ガラスセラミック組成に合せレーザー出力、レーザパル
ス幅等の諸条件を制御して行う。
【0064】レーザー照射による基板表面の凹凸形成に
関して凹凸形成に影響する諸条件は、レーザー出力、
レーザーパルス長、レーザースポット径すなわち基
板表面の照射面積、等が主なものであるが、レーザー照
射を受ける側の基板材質においては、特にガラスの溶融
点 (Melting point)や、析出結晶の溶融点が影響する。
またLD励起固体レーザの基板材質においては、特にレ
ーザの使用波長(0.2μm〜0.6μmまたは1.0
5μm〜1.40μm)における吸収特性すなわち使用
波長で透過率が低く適した材質であることがもっとも重
要であり、次にレーザ照射(ヒートアップ)によるガラ
スの溶融点(Melting Point) や、析出結晶の溶融点が影
響するものである。例えば結晶を析出していない一般的
なガラス基板においては、LD励起固体レーザの使用波
長を選択的に吸収しておらず基板表面をヒートアップす
ることができないため凹凸または突起の形成が不可能で
あるが、仮にLD励起固体レーザの使用波長を吸収する
材質に改善した場合下表1に示すようにガラスセラミッ
クに比べその溶融点が低く、レーザ照射を受けた場合溶
融部が非常に不安定で、凹凸または突起形状をコントロ
ールすることが難しい。また、レーザ照射部と未照射部
で熱的に発生する歪みの影響によるマイクロクラックが
基板の強度を著しく低下させてしまう。また、ガラスセ
ラミック基板においては析出結晶の種類による溶融点へ
の影響が非常に大きい。本発明のガラスセラミックはガ
ラス基板に比べ溶融点が高温であり、レーザ照射後の凹
凸または突起形状が安定するものである。これに対し
て、一般に知られるMgO−Al2 3 −SiO2 系、
ZnO−Al2 3 −SiO2 系、Li2 O−Al2
3−SiO2 系等のガラスセラミックは、ガラス基板と
同様にLD励起固体レーザの使用波長を選択的に吸収し
ておらず基板表面をヒートアップすることができないた
め凹凸または突起の形成が不可能であるが、仮にLD励
起固体レーザの使用波長を吸収する材料に改善した場
合、表1に示すように本発明のガラスセラミックに比べ
溶融点が高温であるために、レーザ出力を高出力で加工
する必要があり、歪みによるマイクロクラックが発生す
ると同時に、目標とする凹凸または突起の形状が困難と
なる。
【0065】
【表1】
【0066】レーザ加工によりランディングゾーンに凹
凸を形成したガラスセラミック基板は、磁気情報記憶媒
体としての成膜プロセスを経て、高記録密度用磁気情報
記憶媒体となる。すなわち、このガラスセラミック基板
を、真空状態で加熱し、その後、スパッタリングにより
Crの中間層、Co合金の磁性層、Cの保護層を成膜
し、その上に潤滑材層の塗布を行うことによって磁気情
報記憶媒体が得られる。
【0067】
【発明の実施の形態】次に本発明の好適な実施例につい
て説明する。表2〜表4は本発明の磁気情報記憶媒体用
ガラスセラミック基板の実施組成例の中着色成分を含有
しない系および必須着色成分としてV2 5 −CuO−
MnO2 系の着色成分を含有する系にかかる実施組成例
(No.1〜 No.7) をこれらのガラスセラミックの核形成
温度、結晶化温度、結晶相、結晶粒子径、結晶粒子形
体、ガラスセラミック外観色、板厚0.635m/mの
Nd:YAGレーザ波長1.06μmの光線透過率およ
びCO2 レーザ波長10.5μmの光線透過率、レーザ
種類、表面粗度、ランディング領域のレーザ加工後の
(Ra)、研磨して成るデータ領域の(Ra)、凹凸ま
たは突起の高さとともに示す。
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】また表5〜表8は本発明の磁気情報記憶媒
体用ガラスセラミック基板の実施組成例中必須着色成分
としてNiO−CoO系の着色成分を含有する系にかか
る実施組成例(No.8〜No.17)および比較組成
例として従来のLi2 O−SiO2 系ガラスセラミック
2種(特開昭62−72547号公報記載のもの−比較
1および特開昭63−210039号公報記載のもの−
比較2)をこれらのガラスセラミックの核形成温度、結
晶化温度、結晶相、結晶粒子径、結晶粒子形体、ガラス
セラミックの外観色、板厚0.635mmのLD励起固
体レーザ波長0.2μm〜0.6μmおよび1.05μ
m〜1.40μmの範囲の平均光線透過率、データ領域
の研磨して成る表面粗度(Ra)、ランディング領域の
LD励起固体レーザの種類と使用波長およびレーザ照射
により得られた凹凸または突起の高さと表面粗度Raの
値を共に示す。
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】
【表7】
【0075】
【表8】
【0076】本発明の上記実施例のガラスは、いずれも
酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の原料を混合し、これを通常
の溶融装置を用いて約1350〜1450℃の温度で溶
融し攪拌均質化した後ディスク状に成形して、冷却しガ
ラス成形体を得た。その後これを450〜550℃で約
1〜12時間熱処理して結晶核形成後、680〜780
℃で約1〜12時間熱処理結晶化して、所望のガラスセ
ラミックを得た。ついで上記ガラスセラミックを平均粒
径5〜30μmの砥粒にて約10分〜60分ラッピング
し、その後平均粒径0.5〜2μmの酸化セリュームに
て約30分〜60分間研磨し仕上げた。さらに研磨され
たガラスセラミックは、LD励起固体またはCO2 のレ
ーザ照射系を固定し、ガラスセラミックディスク基板を
回転させつつパルスレーザを照射しランディング領域へ
の凹凸または突起を形成した。
【0077】このパルスレーザの照射は、レーザ波長、
レーザ出力、レーザービーム径、集点距離、レーザパル
ス幅等の諸条件をガラスセラミックの組成に合せて適宜
制御することによって行った。
【0078】さらにランディング領域を形成したガラス
セラミックディスクは、実施例No.1〜7については
表面粗さ計Tencor P2を用い、ランディング領域およ
びデータ領域の表面粗度(Ra)を求めた。
【0079】また実施例No.8〜17については、光
学表面粗さ解析装置Zygoを用い、データ領域の表面
粗度(Ra)、ランディング領域の凹凸または突起の高
さと表面粗度Raを求めた。
【0080】本発明の実施例および比較例の結晶形態を
図6、図7に示し、また本発明の実施例および公知のア
ルミノシリケイト系強化ガラスのレーザ照射後の表面状
態を図8〜図11に示す。図6は本発明(実施例8)の
ガラスセラミックのHFエッチング後の粒子構造を示す
走査型電子顕微鏡写真、図7は従来のガラスセラミック
(比較例2)のHFエッチング後の粒子構造を示す走査
型電子顕微鏡写真、図8は本発明の実施例(No.10) の
ガラスセラミックのNd:LD励起固体レーザ(波長
1.064μm)照射後の走査型電子顕微鏡写真、図9
は本発明の実施例(No.3)のガラスセラミックのCO2
レーザ照射後の走査型電子顕微鏡写真、図10はアルミ
ノシリケイト系強化ガラスのCO2 レーザ照射後の走査
型電子顕微鏡写真で、また、図11はアルミノシリケイ
ト系強化ガラスのNd:YAGレーザ(波長0.266
μm)を照射後の走査型電子顕微鏡写真である。
【0081】表2〜8および図6、図7に示されるとお
り、本発明の実施例と従来のLi2O−SiO2 系結晶
化ガラスの比較例とでは、結晶相の二珪酸リチウム(L
2Si2 5 )の結晶粒子径および結晶形体がまった
くことなり、本発明のガラスセラミックは、二珪酸リチ
ウム(Li2 Si2 5 )およびα−クオーツ、α−ク
リストバライトが球状形体でかつ結晶粒子径が微細であ
るのに対し、比較例1、2のガラスセラミックは二珪酸
リチウム(Li2 Si2 5 )が針状形体でかつ結晶粒
子径が1.0μm以上で大きなものである。これは、よ
り平滑性を求められる状況において、研磨して成る表面
粗度や結晶粒子の脱落から発生する欠陥に影響するもの
であり、比較例1、2のガラスセラミックは12Å以下
のより平滑性に優れた表面特性を得ることが困難である
ことを示すものである。
【0082】また図8〜11に示すレーザ加工による表
面状態については、前記従来技術で記載した様に、従来
のアルミニウム基板や化学強化ガラスで生じる欠点に対
し、本発明のガラスセラミックは、図8、9に示す通り
均質で形状の優れたレーザ加工が可能である。図10、
11に示す化学強化ガラス(SiO2 −Al2 3 −N
2 O、K2 Oイオン交換)は、レーザによる加工が不
安定で汚ない表面状態であるのが明白である。図11に
示す化学強化ガラスは、LD励起固体レーザ(Nd:Y
AG)において、レーザ波長が0.266μm以外のレ
ーザ波長1.064μmおよび0.532μmでは、レ
ーザによる加熱が十分出来ないものであり、レーザ波長
0.266μmによる加工を行ったものであるが、レー
ザによる加工が不安定で汚い表面状態になることを免れ
ない。
【0083】この現象に関しては、本発明のガラスセラ
ミックはアモルファス状態のガラスに比べ耐熱性に優
れ、かつ強化ガラス特有の表面強化層と内部未強化層と
の間の応力変化がなく、さらに本発明のガラスセラミッ
クの内部に析出している結晶相は、種々の外的作用によ
って生じるマイクロクラックの成長を防止する効果があ
り、これらの総合的効果によりレーザ照射に対する耐久
性を向上させているものと考えられる。
【0084】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、上
記従来技術に見られる諸欠点を解消しつつ、ランディン
グ領域において磁気ヘッドの安定浮上を可能とするとと
もに高記録密度化に対応したデータ領域での低浮上化を
可能とする2つの表面特性を兼ね備えた磁気情報記憶媒
体用ガラスセラミック基板およびその製造方法ならびに
このガラスセラミック基板上に磁気媒体の被膜を形成し
てなる磁気情報記憶媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気情報記憶媒体用ガラスセラミ
ック基板の中心にある円形穴を囲むランディング領域と
データ領域とを示す上面図である。
【図2】本発明のランディング領域に形成される凹凸の
形状を示す断面図である。
【図3】本発明のランディング領域に形成される突起の
形状を示す断面図である。
【図4】本発明のランディング領域に形成される凹凸ま
たは突起の間隔を示す断面図である。
【図5】本発明のランディング領域に形成される凹凸ま
たは突起の高さを示す断面図である。
【図6】本発明のガラスセラミック(実施例8)のHF
エッチング後の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真で
ある。
【図7】従来のガラスセラミック(比較例2)のHFエ
ッチング後の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真であ
る。
【図8】本発明のガラスセラミック(実施例10)のL
D励起固体レーザ(Nd:YAGレーザ波長1.064
μm )照射後の凹凸を示す走査型電子顕微鏡写真であ
る。
【図9】本発明の実施例(No.3) のCO2 レーザ照射後
の走査型電子顕微鏡写真である。
【図10】従来のアルミノシリケイト系強化ガラスのC
2 レーザ照射後の走査型電子顕微鏡写真である。
【図11】従来のアルミノシリケイト系強化ガラスのL
D励起固体レーザ(Nd:YAGレーザ波長0.266
μm )照射後の凹凸を示す走査型電子顕微鏡写真であ
る。
【符号の説明】
1 ガラスセラミック基板 2 データ領域 3 ランディング領域 4 リング 5 円形
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 10/04 B23K 26/00 C03B 32/00 C03C 3/097 G11B 5/73

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データ領域とランディング領域とを有す
    る磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板において、該データ領域の表面は研磨加工され、表面粗度(Ra)
    は3Å〜9Åであり、該ランディング領域はレーザ照射
    により一定間隔に形成された、高さ50Å〜300Åの
    無数の凹凸または突起を有し、該ランディング領域の表
    面粗度(Ra)は10Å〜50Åであり、 前記ガラスセラミック基板のガラスセラミックは、Si
    2 −Li 2 O−K 2 O−MgO−ZnO−P 2 5 −Al 2
    3 −ZrO 2 系であって、重量百分率で、SiO 2 70
    〜80%、及びZrO 2 0.5 〜 5%を含有する
    とを特徴とする磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基
    板。
  2. 【請求項2】 前記ガラスセラミック基板は、重量百分
    率で、 SiO 2 70 〜80% Li 2 O 9 〜12% 2 O 2 〜 5% MgO 0.5〜 5% ZnO 0.2〜 3% 但し、MgO+ZnO 1.2〜 5% 2 5 1.5〜 3% Al 2 3 2 〜 5% ZrO 2 0.5〜 5% Sb 2 3 0 〜 1% As 2 3 0 〜 1% の範囲の各成分を含有する原ガラスを熱処理することに
    より得られるガラスセラミックからなることを特徴とす
    る請求項1 記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック
    基板。
  3. 【請求項3】 前記レーザの種類がCO 2 レーザである
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の磁気情報記憶媒
    体用ガラスセラミック基板。
  4. 【請求項4】 データ領域とランディング領域とを有す
    る磁気情報記憶媒体用ガ ラスセラミック基板において、 該データ領域の表面は研磨加工され、表面粗度(Ra)
    は3Å〜9Åであり、 該ランディング領域はレーザ照射により形成された、高
    さ50Å〜300Åの無数の凹凸または突起を有し、該
    ランディング領域の表面粗度(Ra)は10Å〜50Å
    であり、 前記ガラスセラミック基板のガラスセラミックは、Si
    2 −Li 2 O−K 2 O−MgO−ZnO−P 2 5 −Al 2
    3 系、又はSiO 2 −Li 2 O−K 2 O−MgO−ZnO
    −P 2 5 −Al 2 3 −ZrO 2 系であって、着色成分と
    してNiO、CoO、MnO 2 、V 2 5 、CuO、C
    2 3 の少くとも2種を含有することを特徴とする
    気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板。
  5. 【請求項5】 前記ガラスセラミック基板は、重量百分
    率で、 SiO 2 70 〜80% Li 2 O 9 〜12% 2 O 2 〜 5% MgO 0.5 〜 5% ZnO 0.2 〜 3% 但し、MgO+ZnO 1.2 〜 5% 2 5 1.5 〜 3% Al 2 3 2 〜 5% Sb 2 3 0 〜 1% As 2 3 0 〜 1% 2 5 0.02〜0.8% CuO 0.02〜0.8% Cr 2 3 0 〜0.8% MnO 2 0.02〜0.8% CoO 0 〜0.8% NiO 0 〜0.8% 但し、V 2 5 +CuO+Cr 2 3 +MnO 2 +CoO
    +NiO 0.08〜2.5% の範囲の各成分を含有する原ガラスを熱処理することに
    より得られるガラスセラミックからなる ことを特徴とす
    る請求項4記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック
    基板。
  6. 【請求項6】 前記ガラスセラミック基板は、重量百分
    率で、 SiO 2 70 〜80% Li 2 O 9 〜12% 2 O 2 〜 5% MgO 0.5 〜 5% ZnO 0.2 〜 3% 但し、MgO+ZnO 1.2 〜 5% 2 5 1.5 〜 3% Al 2 3 2 〜 5% ZrO 2 0.5 〜 5% Sb 2 3 0 〜 1% As 2 3 0 〜 1% 2 5 0.02〜0.8% CuO 0.02〜0.8% Cr 2 3 0 〜0.8% MnO 2 0.02〜0.8% CoO 0 〜0.8% NiO 0 〜0.8% 但し、V 2 5 +CuO+Cr 2 3 +MnO 2 +CoO
    +NiO 0.08〜2.5% の範囲の各成分を含有する原ガラスを熱処理することに
    より得られるガラスセラミックからなることを特徴とす
    る請求項4記載の 磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック
    基板。
  7. 【請求項7】 前記ガラスセラミックの結晶相は二珪酸
    リチウム(Li 2 O・2SiO 2 )、二珪酸リチウム及び
    α−クオーツ(α−SiO 2 )の混晶であって、二珪酸
    リチウムの結晶粒子は球状粒子構造を有しており、その
    大きさは0.1μ m〜0.5μmの範囲内の径を有し、
    また、α−クオーツの結晶粒子は複数の粒子が凝集した
    球状粒子構造を有しており、その大きさは0.3μm〜
    1.0μmの範囲内の径を有していることを特徴とする
    請求項1から6のうちいずれか一項記載の磁気情報記憶
    媒体用ガラスセラミック基板。
  8. 【請求項8】 前記ガラスセラミックの結晶相は二珪酸
    リチウム(Li 2 O・2SiO 2 )、二珪酸リチウム及び
    α−クリストバライト(α−SiO 2 )の混晶であっ
    て、二珪酸リチウムの結晶粒子は球状粒子構造を有して
    おり、その大きさは0.1μm〜0.5μmの範囲内の
    径を有し、また、α−クリストバライトの結晶粒子の大
    きさは0.2μm〜1.0μmの範囲内の径を有してい
    ることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか一項
    記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板。
  9. 【請求項9】 前記ガラスセラミック基板は、重量百分
    率で、 SiO 2 70 〜80% Li 2 O 9 〜12% 2 O 2 〜 5% MgO 0.5 〜 5% ZnO 0.2 〜 3% 但し、MgO+ZnO 1.2 〜 5% 2 5 1.5 〜 3% ZrO 2 0.5 〜 5% Al 2 3 2 〜 5% Sb 2 3 0 〜 1% As 2 3 0 〜 1% NiO 0.5 〜 3% CoO 0.5 〜 3% MnO 2 0 〜 0.5% 2 5 0 〜 0.5% CuO 0 〜 1% Cr 2 3 0 〜 1.5% の範囲の各成分を含有する原ガラスを熱処理することに
    より得られるガラスセラミックからなることを特徴とす
    る、請求項4記載の 磁気情報記憶媒体用ガラスセラミッ
    ク基板。
  10. 【請求項10】 前記ガラスセラミックの結晶相は二珪
    酸リチウム(Li 2 O・2SiO 2 )、二珪酸リチウムお
    よびα−クオーツ(α−SiO 2 )の混晶、二珪酸リチ
    ウムおよびα−クリストバライト(α−SiO 2 )の混
    晶であって、二珪酸リチウムの結晶粒子は球状粒子形体
    を有しており、その粒子径は0.05μm〜0.30μ
    mの範囲内であり、また、α−クリストバライトの結晶
    粒子は球状粒子形体を有しており、その粒子径は0.1
    0μm〜0.50μmの範囲内であり、また、α−クオ
    ーツの結晶粒子は複数の粒子が凝集した球状粒子形体を
    有しており、その粒子径は0.10μm〜1.00μm
    の範囲内であることを特徴とする請求項9項記載の磁気
    情報記憶媒体用ガラスセラミック基板。
  11. 【請求項11】 前記レーザの種類がLD励起固体レー
    ザであることを特徴とする請求項4から10のうちいず
    れか一項記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基
    板。
  12. 【請求項12】 前記LD励起固体レーザはNd:YA
    GまたはNd:YVO4またはNd:YLFであること
    を特徴とする請求項11記載の磁気情報記憶媒体用ガラ
    スセラミック基板。
  13. 【請求項13】 前記LD励起固体レーザの波長が0.
    2μm〜0.6μmまたは1.05μm〜1.40μm
    の範囲であることを特徴とする請求項11又は12記載
    磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板。
  14. 【請求項14】 前記ガラスセラミック基板において、
    前記レーザの種類がLD励起固体レーザであり、前記ガ
    ラスセラミックは、LD励起固体レーザ波長における透
    過率が厚さ0.635mmで80%〜40%であること
    を特徴とする請求項または記載の磁気情報記憶媒体
    用ガラスセラミック基板。
  15. 【請求項15】 前記ガラスセラミック基板において、
    前記レーザの種類がLD励起固体レーザであり、前記ガ
    ラスセラミックは、LD励起固体レーザ波長(0.2μ
    m〜0.6μmまたは1.05μm〜1.40μm)に
    おける透過率が厚さ0.635mmにおいて0%〜40
    %であることを特徴とする請求項9記載の磁気情報記憶
    媒体用ガラスセラミック基板。
  16. 【請求項16】 該ランディング領域の凹凸または突起
    は、一定間隔にあって、その間隔は10μm〜200μ
    mであることを特徴とする、請求項1から15のうちい
    ずれか一項記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック
    基板。
  17. 【請求項17】 強化ガラス特有の表面強化層と内部未
    強化層との間の応力変化がないことを特徴とする、請求
    項1から16のうちいずれか一項記載の磁気情報記憶媒
    体用ガラスセラミック基板。
  18. 【請求項18】 データ領域とランディング領域とを有
    する磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板の製造方
    法において、重量百分率で、 SiO 2 70 〜80% Li 2 O 9 〜12% 2 O 2 〜 5% MgO 0.5〜 5% ZnO 0.2〜 3% 但し、MgO+ZnO 1.2〜 5% 2 5 1.5〜 3% Al 2 3 2 〜 5% ZrO 2 0.5〜 5% Sb 2 3 0 〜 1% As 2 3 0 〜 1% の範囲の各成分を含有する原ガラスを核形成のために4
    50℃〜550℃の核形成温度で1〜12時間の範囲で
    熱処理し、更に、結晶成長のために680℃〜780℃
    の結晶化温度で1〜12時間の範囲で熱処理した後、表
    面を3Å〜9Åの表面粗度(Ra)に研磨し、さらにラ
    ンディング領域にCO 2 レーザ照射により無数の凹凸ま
    たは突起を形成することにより該ランディング領域の凹
    凸または突起の高さを50Å〜300Å、表面粗度(R
    a)を10Å〜50Åとしたことを特徴とする、請求項
    2記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板の製
    造方法。
  19. 【請求項19】 データ領域とランディング領域とを有
    する磁気情報記憶媒体用 ガラスセラミック基板の製造方
    法において、重量百分率で、 SiO 2 70 〜80% Li 2 O 9 〜12% 2 O 2 〜 5% MgO 0.5 〜 5% ZnO 0.2 〜 3% 但し、MgO+ZnO 1.2 〜 5% 2 5 1.5 〜 3% Al 2 3 2 〜 5% Sb 2 3 0 〜 1% As 2 3 0 〜 1% 2 5 0.02〜0.8% CuO 0.02〜0.8% Cr 2 3 0 〜0.8% MnO 2 0.02〜0.8% CoO 0 〜0.8% NiO 0 〜0.8% 但し、V 2 5 +CuO+Cr 2 3 +MnO 2 +CoO
    +NiO 0.08〜2.5% の範囲の各成分を含有する原ガラスを核形成のために4
    50℃〜550℃の核形成温度で1〜12時間の範囲で
    熱処理し、更に、結晶成長のために680℃〜750℃
    の結晶化温度で1〜12時間の範囲で熱処理した後、表
    面を3Å〜9Åの表面粗度(Ra)に研磨し、さらにラ
    ンディング領域にLD励起固体レーザ照射により無数の
    凹凸または突起を形成することにより該ランディング領
    域の凹凸または突起の高さを50Å〜300Å、表面粗
    度(Ra)を10Å〜50Åとしたことを特徴とする、
    請求項5記載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基
    板の製造方法。
  20. 【請求項20】 データ領域とランディング領域とを有
    する磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板の製造方
    法において、重量百分率で、 SiO 2 70 〜80% Li 2 O 9 〜12% 2 O 2 〜 5% MgO 0.5 〜 5% ZnO 0.2 〜 3% 但し、MgO+ZnO 1.2 〜 5% 2 5 1.5 〜 3% Al 2 3 2 〜 5% ZrO 2 0.5 〜 5% Sb 2 3 0 〜 1% As 2 3 0 〜 1% 2 5 0.02〜0.8% CuO 0.02〜0.8% Cr 2 3 0 〜0.8% MnO 2 0.02〜0.8% CoO 0 〜0.8% NiO 0 〜0.8% 但し、V 2 5 +CuO+Cr 2 3 +MnO 2 +CoO
    +NiO 0.08〜2.5% の範囲の各成分を含有する原ガラスを核形成のために4
    50℃〜550℃の核形成温度で1〜12時間の範囲で
    熱処理し、更に、結晶成長のために680℃〜780℃
    の結晶化温度で1〜12時間の範囲で熱処理した後、表
    面を3Å〜9Åの表面粗度(Ra)に研磨し、さらにラ
    ンディング領域にLD励起固体レーザ照射により無数の
    凹凸または突起を形成することにより該ランディング領
    域の凹凸または突起の高さを50Å〜300Å、表面粗
    度(Ra)を10Å〜50Åとしたことを特徴とする、
    請求項6記載の 磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基
    板の製造方法。
  21. 【請求項21】 データ領域とランディング領域とを有
    する磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板の製造方
    法において、重量百分率で、 SiO 2 70 〜80% Li 2 O 9 〜12% 2 O 2 〜 5% MgO 0.5 〜 5% ZnO 0.2 〜 3% 但し、MgO+ZnO 1.2 〜 5% 2 5 1.5 〜 3% ZrO 2 0.5 〜 5% Al 2 3 2 〜 5% Sb 2 3 0 〜 1% As 2 3 0 〜 1% NiO 0.5 〜 3% CoO 0.5 〜 3% MnO 2 0 〜 0.5% 2 5 0 〜 0.5% CuO 0 〜 1% Cr 2 3 0 〜 1.5% の範囲の各成分を含有する原ガラスを核形成のために4
    50℃〜550℃の核形成温度で1〜12時間の範囲で
    熱処理し、更に、結晶成長のために680℃〜750℃
    の結晶化温度で1〜12時間の範囲で熱処理した後、表
    面を3Å〜9Åの表面粗度(Ra)に研磨し、更に、ラ
    ンディング領域にLD励起固体レーザ照射により無数の
    凹凸または突起を形成することにより該ランディング領
    域の凹凸または突起の高さを50Å〜300Å、表面粗
    度を10Å〜50Åとしたことを特徴とする、請求項9
    記載の 磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板の製造
    方法。
  22. 【請求項22】 請求項1〜17のうちいずれか一項記
    載の磁気情報記憶媒体用ガラスセラミック基板上に磁気
    媒体の被膜を形成してなる磁気情報記憶媒体。
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