JPH068659B2 - 車 両 用 変 速 機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）技術分野 本発明は、前進３〜５速の車両用変速機に関するもので
ある。

（ロ）従来技術 平行軸式常時かみ合い歯車変速機と、２つのクラッチと
を組合わせて、電力伝達状態のまま変速動作を可能とし
た車両用変速機が、オートモーティブエンジニアリング
（Automotive Enginering）第８８巻第６号８７〜８
８頁に記載されている。しかし、これに記載された車両
用変速機では、２つのクラッチを交互に切換えて変速を
行なわせる関係上、例えば前進５速の場合、１→２→３
→４→５のように連続的に変速を行なわせる必要があっ
た。すなわち、１段跳びの変速、例えば１→３変速、２
→４変速等を行なわせることができなかった。上記問題
点を解消するために、本出願人は特開昭５８−１１８３
５５号「車両用変速機」（昭和５７年１月８日出願）に
おいて、第３速用入力歯車を２つのクラッチのいずれに
対しても選択的に連結可能としたＦＦ車用変速機を開示
した。これによって１段跳びの変速を行なわせることが
できる。また、本出願人は同様の目的を達成するＦＲ車
用変速機を特願昭５８−１６９３２５号「車両用変速
機」（昭和５８年９月１６日出願）において開示した。
しかし、上記のような変速機では、１個の第３速用歯車
を２つのクラッチのいずれに対しても連結可能とするた
めに、第３速用歯車の両側にシンクロメッシュ機構を配
置しなければならない。このため、第３速用歯車の回転
支持のための構造が非常に複雑になり回転支持が困難で
あった。

（ハ）発明の目的 本発明は、平行軸式常時かみ合い歯車変速機と２つのク
ラッチとを組合わせて１段跳びの変速を可能とした車両
用変速機であって、歯車の回転支持の構造が簡単であっ
て困難を伴なわないものを得ることを目的としている。
なお、特開昭６０−５７０３４号公報には、余分に１対
の歯車を設けることによって第２速と第４速との間の直
接変速を可能としたものが示されているが、これの場合
には第１速と第３速との間の直接変速を可能とすること
はできない。すなわち、２−４間の変速と１−３間の変
速との両方を同時に直接変速可能とすることはできな
い。本発明はこのような課題も解決する。

（ニ）発明の構成 本発明のＦＲ用の変速機は、入力軸（１）と、入力軸と
同心に配置された第１中間軸（４）と、入力軸と第１中
間軸とを連結又は切り離し可能な第１クラッチ（６）
と、入力軸と同心に設けられた第２中間軸（５）と、入
力軸と第２中間軸とを連結又は切り離し可能な第２クラ
ッチ（７）と、入力軸に平行に配置されたカウンター軸
（３０）と、入力軸と同心に配置された出力軸（２）
と、第１中間軸に対して連結又は切り離し可能な第３速
用第１入力歯車（５４）と、カウンター軸に固着され第
３速用第１入力歯車とかみ合う第３速用第１出力歯車
（５２）と、第２中間軸に対して連結又は切り離し可能
な第３速用第２入力歯車（１３）と、カウンター軸に固
着された第３速用第２入力歯車とかみ合う第３速用第２
出力歯車（２１）と、第１中間軸とカウンター軸とを所
定の回転比で連結又は切り離し可能な第１速用歯車対
（８，１６）と、第１中間軸と出力軸とを連結又は切り
離し可能なかみ合い機構（５６ｂ）と、第２中間軸とカ
ウンター軸とを所定の回転比で連結又は切り離し可能な
第２速用歯車対（１１、１９）と、第１中間軸又は第２
中間軸とカウンター軸とを後退用アイドラ歯車（２２）
を介して連結又は切り離し可能な後退用入力歯車（９）
及び出力歯車（１７）と、カウンター軸と出力軸と常に
連結する歯車対（３１，３２）と、を有している。な
お、かっこ内の参照符号は後述の第１実施例の対応する
部材などを示す。

また本発明によるＦＦ用の変速機は、入力軸（１）と、
入力軸と同心に配置された第１中間軸（４）と、入力軸
と第１中間軸とを連結又は切り離し可能な第１クラッチ
（６）と、入力軸と同心に設けられた第２中間軸（５）
と、入力軸と第２中間軸とを連結又は切り離し可能な第
２クラッチ（７）と、入力軸に平行に配置されたカウン
ター軸（３０）と、第１中間軸に対して連結又は切り離
し可能な第３速用第１入力歯車（５４）と、カウンター
軸に固着され第３速用第１入力歯車とかみ合う第３速用
第１出力歯車（５２）と、第２中間軸に対して連結又は
切り離し可能な第３速用第２入力歯車（１３）と、カウ
ンター軸に固着され第３速用第２入力歯車とかみ合う第
３速用第２出力歯車（２１）と、第１中間軸とカウンタ
ー軸とを所定の回転比で連結又は切り離し可能な第１速
用歯車対（８，１６）と、第１中間軸とカウンター軸と
を所定の回転比で連結又は切り離し可能な第４速用歯車
対（１０，１８）と、第２中間軸とカウンター軸とを所
定の回転比で連結又は切り離し可能な第２速用歯車対
（１１、１９）と、第１中間軸又は第２中間軸とカウン
ター軸とを後退用アイドラ歯車（２２）を介して連結又
は切り離し可能な後退用入力歯車（９）及び出力歯車
（１７）と、を有しており、カウンター軸から直接出力
を取り出すように構成される。なお、かっこ内の参照符
号は後述の第２実施例の対応する部材などを示す。

（ホ）実施例 （第１実施例） 第１図に本発明の第１実施例を示す。この車両用変速機
はＦＲ車用のものであり、同心上に配置された入力軸１
及び出力軸２を有している。入力軸１はエンジンのクラ
ンクシャフトに連結され、また出力軸２は差動装置を介
して駆動輪に連結される。入力軸１には２つのクラッチ
６及び７が設けられており、第１クラッチ６は入力軸１
を第１中間軸４に連結可能であり、第２クラッチ７は入
力軸１を第２中間軸５に連結可能である。第１中間軸４
及び第２中間軸５は入力軸１と同心に配置されており、
第２中間軸５は中空軸としてあり、その内径部を第１中
間軸４が貫通している。第２中間軸５は軸受４０及び４
２によって回転支持されており、また第１中間軸４は軸
受４４によって回転支持されている。第１中間軸４及び
第２中間軸５と平行にカウンター軸３０が設けられてい
る。カウンター軸３０は軸受４６、４８及び５０によっ
て回転支持されている。カウンター軸３０は、１対の歯
車３１及び３２によって出力軸２と常に回転力伝達可能
に連結されている。カウンター軸３０には、第１図中で
左側から順に第２速用出力歯車１９、第５速用出力歯車
２０、第３速用第２出力歯車２１、第１速用出力歯車１
６、後退用出力歯車１７、及び第３速用第１出力歯車５
２が設けられている。第５速用出力歯車２０、第３速用
第２出力歯車２１及び第３速用第１出力歯車５２は、常
にカウンター軸３０と一体に回転するように連結されて
おり、第２速用出力歯車１９はシンクロメッシュ機構２
３によってカウンター軸３０と一体に回転するように連
結し又は切り離すことが可能であり、また第１速用出力
歯車１６及び後退用出力歯車１７はシンクロメッシュ機
構２４ａ及び２４ｂによってカウンター軸３０と一体に
回転するように連結し又は切り離すことが可能である。
第２速用出力歯車１９、第５速用出力歯車２０及び第３
速用第２出力歯車２１は、それぞれ第２中間軸５に設け
られた第２速用入力歯車１１、第５速用入力歯車１２及
び第３速用第２入力歯車１３とかみ合っている。第２速
用入力歯車１１は、第２中間軸５と常に一体に回転する
ように連結されており、また第５速用入力歯車１２及び
第３速用第２入力歯車１３はシンクロメッシュ機構１５
ａ及び１５ｂによって第２中間軸５と一体に回転するよ
うに連結し又は切り離し可能である。第１速用出力歯車
１６及び第３速用第１出力歯車５２は、第１中間軸４に
設けられた第１速用入力歯車８及び３速用第１入力歯車
５４とそれぞれかみ合っている。第１速用入力歯車８は
第１中間軸４と常に一体に回転するように連結されてお
り、また第３速用第１入力歯車５４はシンクロメッシュ
機構５６ａによって第１中間軸４に連結可能である。後
退用出力歯車１７は後退用アイドラ歯車２２とかみ合っ
ており、この後退用アイドラ歯車２２は第１中間軸４と
一体に回転するように設けられた後退用入力歯車９とか
み合っている。また、軸受５８によって回転支持された
出力軸２と第１中間軸４とは、前述のシンクロメッシュ
機構５６ａと組み合わされたシンクロメッシュ機構５６
ｂによって連結又は切り離し可能である。

次に、この車両用変速機の作用について説明する。

（１）ニュートラル位置 第１クラッチ６及び第２クラッチ７を解放状態とするこ
とにより、入力軸１からの回転力の伝達が完全にしゃ断
されるため、車両用変速機はニュートラル状態となる。
なお、第１クラッチ６及び第２クラッチ７のいずれかが
締結された状態であっても、シンクロメッシュ機構１５
ａ，１５ｂ、２３、２４ａ，２４ｂ及び５６ａ，５６ｂ
をすべて中立位置とすればニュートラル状態とすること
ができる。

（２）１→２変速 シンクロメッシュ機構２４ａを第１速選択状態（第１図
中で左側位置）にし、次いで第１クラッチ６を締結させ
ると第１速の状態となる。すなわち、入力軸１からの回
転力は第１クラッチ６、第１中間軸４、第１速用入力歯
車８、第１速用出力歯車１６及びシクロメッシュ機構２
４ａを介してカウンター軸３０に伝達され、更にカウン
ター軸３０の回転力は歯車３２及び歯車３１を介して出
力軸２に伝達される。この第１速の状態から第２速へシ
フトアップする際には、第１速状態のままシンクロメッ
シュ機構２３を第２速選択状態（第１図中で左側位置）
に作動させる。こうすることによって、第２中間軸５と
カウンター軸３０とが第２速用入力歯車１１及び第２速
用出力歯車１９を介して連結される。次いで、第１クラ
ッチ６を開放すると同時に第２クラッチ７を締結する。
こうすることによって、入力軸１からの回転力は第１ク
ラッチ６、第２中間軸５、第２速用入力歯車１１、第２
速用出力歯車１９、シンクロメッシュ機構２３、カウン
ター軸３０、歯車３２及び歯車３１を介して出力軸２に
伝達され、第２速での走行が可能となる。この場合の変
速は、第１速状態の歯車列の連結及び第２速状態の歯車
列の連結を有効に保持したまま第１クラッチ６から第２
クラッチ７への締結を切換えることにより行なわれるた
め、動力伝達の中断を生ずることなく変速が行なわれ
る。なお、第１クラッチ６から第２クラッチ７への切換
えの完了後にシンクロメッシュ機構２４ａは第１速選択
状態から中立状態に戻される。

（３）２→３変速 ２→３変速の際には、シンクロメッシュ機構２３を第２
選択状態のままシンクロメッシュ機構５６ａを第３速選
択状態（第１図中で左側位置）として、第３速用第１入
力歯車５４を第１中間軸４に連結させる。次いで、第２
クラッチ７を解放すると同時に第１クラッチ６を締結す
る。こうすることによって、入力軸１からの回転力は第
１クラッチ６、第１中間軸４、シンクロメッシュ機構５
６ａ、第３速用第１入力歯車５４、第３速用第１出力歯
車５２、カウンター軸３０、歯車３２及び歯車３１を介
して出力軸２に伝達され、第３速での走行が可能とな
る。第２クラッチ７から第１クラッチ６への切換えが完
了すると、シンクロメッシュ機構２３は第２速選択状態
から中立状態に戻される。この２→３変速についても動
力伝達を中断することなく行なわれる。

（４）３→４変速 ３→４変速の際には、まずシクロメッシュ機構５６ａを
作動させた第３速状態からシンクロメッシュ機構１５ｂ
を作動させた第３速状態に切換えられる。すなわち、シ
ンクロメッシュ機構１５ｂを第３速選択状態（第１図中
で右側位置）にし、第１クラッチ６を解放すると同時に
第２クラッチ７を締結する。次いで、シンクロメッシュ
機構５６ａを中立位置に戻す。こうすることによって、
入力軸１の回転力は第２クラッチ７、第２中間軸５、シ
ンクロメッシュ機構１５ｂ、第３速用第２入力歯車１
３、第３速用第２出力歯車２１、カウンター軸３０、歯
車３２及び歯車３１を介して出力軸２に伝達される第３
速状態となる。次いで、シンクロメッシュ機構５６ｂを
第４速選択状態（第１図中で右側位置）とし、第１中間
軸４と出力軸２とを連結する。次いで、第２クラッチ７
を解放すると同時に第１クラッチ６を締結させる。こう
することによって、入力軸１の回転力は第１クラッチ
６、第１中間軸４及びシンクロメッシュ機構５６ｂを介
して出力軸２に伝達され第４速の状態となる。第２クラ
ッチ７が完全に解放されたあと、シンクロメッシュ機構
１５ｂを第３速選択状態から中立位置に戻す。この変速
についても動力伝達の中断を生じない。

（５）４→５変速 第４速走行状態のままシンクロメッシュ機構１５ａを第
５速選択状態（第１図中で左側位置）とし、第２中間軸
５と第５速用入力歯車１２とを連結する。次いで、第１
クラッチ６を解放すると同時に第２クラッチ７を締結す
る。こうすることによって、入力軸１の回転力は第２ク
ラッチ７、第２中間軸５、シンクロメッシュ機構１５
ａ、第５速用入力歯車１２、第５速用出力歯車２０、カ
ウンター軸３０、歯車３２及び歯車３１を介して出力軸
２に伝達され、第５速状態となる。第１クラッチ６の解
放後にシンクロメッシュ機構５６ｂは第４速選択状態か
ら中立状態に戻される。この変速についても動力伝達の
中断は生じない。

（６）５→４→３→２→１変速 ５→４変速、４→３変速、３→２変速、２→１変速につ
いては上述の４→５変速、３→４変速、２→３変速、１
→２変速の全く逆の動作によって達成される。この場合
も動力伝達の中断は発生しない。

（７）後退 ニュートラル位置から後退を選択する際には、シンクロ
メッシュ機構２４ｂを後退選択状態（第１図中で右側位
置）とし、後退用出力歯車１７をカウンター軸３０に連
結する。次いで、第１クラッチ６を締結する。こうする
ことによって、入力軸１の回転力は第１クラッチ６、第
１中間軸４、後退用入力歯車９、後退用アイドラ歯車２
２、後退用出力歯車１７、シンクロメッシュ機構２４
ｂ、カウンター軸３０、歯車３２及び歯車３１を介して
出力軸２に伝達され、後退走行が可能となる。

（８）１→３変速、３→１変速 第１速状態においては、第１クラッチ６、第１中間軸
４、第１速用入力歯車８、第１速用出力歯車１６及びシ
ンクロメッシュ機構２４ａを介して動力の伝達が行われ
ているが、この状態から第３速状態に切換える際には、
まずシンクロメッシュ機構１５ｂを第３速選択状態と
し、第３速用第２入力歯車１３と第２中間軸５とを連結
し、次いで第１クラッチ６を解放すると同時に第２クラ
ッチ７を締結する。こうすることによって、動力伝達の
中断なしに変速を行なわせることができる。３→１変速
についても同様である。なお、第１クラッチ６を締結し
た第３速状態（シンクロメッシュ機構５６ａが作動して
いる第３速）から第１速状態に切替える際には、まず第
２クラッチ７を締結した第３速状態（シンクロメッシュ
機構１５ｂが作動している第３速）に切換えた後、上記
のように３→１変速させればよい。

（９）５→３変速、３→５変速 第５速時には第２クラッチ７、第２中間軸５、シンクロ
メッシュ機構１５ａ、第５速用入力歯車１２及び第５速
用出力歯車２０を介して回転力が伝達されているが、こ
の状態から第３速に切換える場合には、まずシンクロメ
ッシュ機構５６ａを第３速選択状態とし第１中間軸４と
第３速用第１入力歯車５４とを連結する。次いで、第２
クラッチ７を解放すると同時に第１クラッチ６を締結す
ればよい。こうすることによって、第１クラッチ６、第
１中間軸４、シンクロメッシュ機構５６ａ、第３速用第
１入力歯車５４及び第３速用第１出力歯車５２を介して
回転力が伝達される第３速状態となる。この変速につい
ても動力伝達の中断は発生しない。３→５変速について
も上記と逆の動作により変速を行なわせることができ
る。ただし、この場合、第２クラッチ７を締結した第３
速状態から第５速状態に切換える場合には、まず第１ク
ラッチ６を締結した第３速状態に切換え、次いで３→５
変速を行なわせればよい。

（１０）２→４変速、４→２変速 第２クラッチ７、第２中間軸５、第２速用入力歯車１
１、第２速用出力歯車１９、シンクロメッシュ機構２３
及びカウンター軸３０を介して回転力が伝達される第２
速状態から第４速状態に切換える場合には、まずこの状
態のままシンクロメッシュ機構５６ｂを第４速選択状態
とし、次いで第２クラッチ７を解放すると同時に第１ク
ラッチ６を締結すればよい。こうすることによって、第
１クラッチ６、第１中間軸４及びシクロメッシュ機構５
６ｂを介して回転力が伝達される第４速状態となる。こ
の変速についても動力伝達の中断なしに行なうことがで
きる。また、４→２変速については上記と逆の動作を行
なわせればよい。

以上の説明から明からなように、第１図に示した実施例
では、１段跳びの変速が可能となり、しかも第３速用第
２入力歯車１３の一方側にのみシンクロメッシュ機構１
５ｂが配置され、第３速用第２入力歯車１３の回転支持
のための構造は簡潔なものとなり、回転支持上の困難さ
が解消される。なお、説明した実施例は前進５速の車両
用変速機であったが、第５速用入力歯車１２及び第５速
用出力歯車２０を除去することにより前進４速用の車両
用変速機とすることができ、また更に第１速用入力歯車
８及び第１速用出力歯車１６（又は、シンクロメッシュ
機構５６ｂ）を除去することにより前進３速用の車両用
変速機とすることもできる。また、説明した実施例で
は、第４速はシンクロメッシュ機構５６ｂによって第１
中間軸４と出力軸２とを連結するようにしてあるが、第
１中間軸４及びカウンター軸３０にそれぞれ第４速用入
力歯車及び出力歯車を設けても差し支えない。

（第２実施例） 第２図に本発明の第２実施例を示す。この変速機はＦＦ
車用のものに本発明を適用したものであり、第１実施例
とは配列が多少相違するだけであり、基本的には第１実
施例と同様の構成であり、同様の作用・効果を達成す
る。従って、第１図と対応する部材に同様の参照符号を
付して詳細な説明は省略する。なお、この実施例では、
カウンター軸３０がそのまま出力軸となるため、出力軸
２、及び歯車３１、３２は設けられていない。また、第
４速用の歯車対として歯車１０及び１８が設けられてい
る。

なお、上述の２つ実施例は前進５速用の変速機とした
が、５速用の歯車１２及び２０を除去すれば、４速用の
変速機として構成することができるのは明らかである。

（ヘ）発明の効果 以上説明してきたように、本発明は、上述のような構成
としたので、平行軸式常時かみ合い歯車変速機と２つの
クラッチとを組合わせて動力伝達を中断することなく１
段跳びの変速をも可能とした車両用変速機であって、歯
車の回転支持構造を簡潔なものとしたものを得ることが
できる。しかも、この場合、第３速用のシンクロメッシ
ュ機構（５６ａ）のカップリングスリーブは第４速用の
シンクロメッシュ機構（５６ｂ）のカップリングスリー
ブと共用することができる。更に、本発明によると、１
対の歯車の追加によって、第２速と第４速との間の変
速、及び第１速と第３速との間の変速の両方を同時に直
接変速可能とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例である車両用変速機を示す
図、第２図は本発明の第２実施例である車両用変速機を
示す図である。 １・・・入力軸、２・・・出力軸、４・・・第１中間
軸、５・・・第２中間軸、６・・・第１クラッチ、７・
・・第２クラッチ、８・・・第１速用入力歯車、９・・
・後退用入力歯車、１１・・・第２速用入力歯車、１２
・・・第５速用入力歯車、１３・・・第３速用第２入力
歯車、１５ａ，１５ｂ・・・シンクロメッシュ機構、１
６・・・第１速用出力歯車、１７・・・後退用出力歯
車、１９・・・第２速用出力歯車、２０・・・第５速用
出力歯車、２１・・・第３速用第２出力歯車、２２・・
・後退用アイドラ歯車、２３・・・シンクロメッシュ機
構、２４ａ，２４ｂ・・・シンクロメッシュ機構、３０
・・・カウンター軸、３１・・・歯車、３２・・・歯
車、４０，４２，４４，４６，４８，５０，５８・・・
軸受、５２・・・第３速用第１出力歯車、５４・・・第
３速用第１入力歯車、５６ａ，５６ｂ・・・シンクロメ
ッシュ機構。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】入力軸（１）と、入力軸と同心に配置され
   た第１中間軸（４）と、入力軸と第１中間軸とを連結又
   は切り離し可能な第１クラッチ（６）と、入力軸と同心
   に設けられた第２中間軸（５）と、入力軸と第２中間軸
   とを連結又は切り離し可能な第２クラッチ（７）と、入
   力軸に平行に配置されたカウンター軸（３０）と、入力
   軸と同心に配置された出力軸（２）と、第１中間軸に対
   して連結又は切り離し可能な第３速用第１入力歯車（５
   ４）と、カウンター軸に固着され第３速用第１入力歯車
   とかみ合う第３速用第１出力歯車（５２）と、第２中間
   軸に対して連結又は切り離し可能な第３速用第２入力歯
   車（１３）と、カウンター軸に固着され第３速用第２入
   力歯車とかみ合う第３速用第２出力歯車（２１）と、第
   １中間軸とカウンター軸とを所定の回転比で連結又は切
   り離し可能な第１速用歯車対（８，１６）と、第１中間
   軸と出力軸とを連結又は切り離し可能なかみ合い機構
   （５６ｂ）と、第２中間軸とカウンター軸とを所定の回
   転比で連結又は切り離し可能な第２速用歯車対（１１、
   １９）と、第１中間軸又は第２中間軸とカウンター軸と
   を後退用アイドラ歯車（２２）を介して連結又は切り離
   し可能な後退用入力歯車（９）及び出力歯車（１７）
   と、カウンター軸と出力軸と常に連結する歯車対（３
   １，３２）と、を有する車両用変速機。
2. 【請求項２】第２中間軸とカウンター軸とを所定の回転
   比で連結又は切り離し可能な第５速用歯車対（１２、２
   ０）が設けられている特許請求の範囲第１項記載の車両
   用変速機。
3. 【請求項３】入力軸（１）と、入力軸と同心に配置され
   た第１中間軸（４）と、入力軸と第１中間軸とを連結又
   は切り離し可能な第１クラッチ（６）と、入力軸と同心
   に設けられた第２中間軸（５）と、入力軸と第２中間軸
   とを連結又は切り離し可能な第２クラッチ（７）と、入
   力軸に平行に配置されたカウンター軸（３０）と、第１
   中間軸に対して連結又は切り離し可能な第３速用第１入
   力歯車（５４）と、カウンター軸に固着され第３速用第
   １入力歯車とかみ合う第３速用第１出力歯車（５２）
   と、第２中間軸に対して連結又は切り離し可能な第３速
   用第２入力歯車（１３）と、カウンター軸に固着され第
   ３速用第２入力歯車とかみ合う第３速用第２出力歯車
   （２１）と、第１中間軸とカウンター軸とを所定の回転
   比で連結又は切り離し可能な第１速用歯車対（８，１
   ６）と、第１中間軸とカウンター軸とを所定の回転比で
   連結又は切り離し可能な第４速用歯車対（１０，１８）
   と、第２中間軸とカウンター軸とを所定の回転比で連結
   又は切り離し可能な第２速用歯車対（１１、１９）と、
   第１中間軸又は第２中間軸とカウンター軸とを後退用ア
   イドラ歯車（２２）を介して連結又は切り離し可能な後
   退用入力歯車（９）及び出力歯車（１７）と、を有して
   おり、カウンター軸から直接出力を取り出す車両用変速
   機。
4. 【請求項４】第２中間軸とカウンター軸とを所定の回転
   比で連結又は切り離し可能な第５速用歯車対（１２、２
   ０）が設けられている特許請求の範囲第３項記載の車両
   用変速機。