JP2015078706A - 変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アシスト用の電動モータを必要とせずにAMTのトルク抜けを防止する。
【解決手段】 所定の変速段が確立している非変速中には、エンジンEのトルクがメインクラッチCm→アウターシャフト14A〜14E→第1噛合切換機構S2〜S56→変速ギヤ→出力軸12の経路で伝達される。変速中にメインクラッチCmを係合解除してエンジンEのトルクが上記経路で出力軸12に伝達されなくなっても、第1噛合切換機構S2〜S56で所定の変速ギヤを所定のアウターシャフト14A〜14Eに結合し、第2噛合切換機構D12〜D45で所定のアウターシャフト14A〜14Eどうしを結合することで、アシストクラッチCa,インナーシャフト13、遊星歯車機構Pおよびワンウェイクラッチ19よりなるアシスト機構からのアシストトルクをアウターシャフト14A〜14Eから所定の変速ギヤを介して出力軸12に伝達することで、変速中のトルク抜けを防止してドライブフィールをの低下を防止することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、変速中のトルク抜けを防止することが可能なAMT(オートマチック・マニュアル・トランスミッション)に関する。
いわゆるAMTは、MT(マニュアル・トランスミッション)において運転者が行う変速操作をアクチュエータにより自動で行うことで、AT(オートマチック・トランスミッション)のような自動変速を可能にしたものである。しかしながら、AMTはエンジンとトランスミッションの入力軸との間に配置されたクラッチを係合解除した状態で変速を行うため、変速が行われている間にエンジンの駆動力が駆動輪に伝達されなくなり、いわゆる「トルク抜け」が発生してドライブフィールを低下させる問題がある。
そこで、エンジンからトランスミッションを経て駆動輪に至る動力伝達経路にアシスト用の電動モータを接続し、トランスミッションが変速を行うためにトルク抜けが発生する期間に、電動モータにアシストトルクを発生させてトルク抜けを防止するものが、下記特許文献1により公知である。
特開2005−186740号公報
上述したように、エンジンからトランスミッションを経て駆動輪に至る動力伝達経路にアシスト用の電動モータを接続すればAMTのトルク抜けを防止することが可能であるが、電動モータを設けたことによって重量やコストが増加してしまう問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、アシスト用の電動モータを必要とせずにAMTのトルク抜けを防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、複数の第1入力軸を直列に配置した第1入力軸群と、前記第1入力軸群と平行に配置した出力軸と、原動機のトルクを前記第1入力軸群に伝達する第1クラッチと、前記複数の第1入力軸の何れかにトルク抜けを防止するためのアシストトルクを伝達するアシスト機構と、前記複数の第1入力軸に相対回転可能に支持されて所定の変速段を確立する複数の変速ギヤと、前記複数の変速ギヤを前記複数の第1入力軸に結合可能な第1噛合切換機構とを備えることを特徴とする変速機が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記複数の第1入力軸どうしを結合可能な第2噛合切換機構を備えることを特徴とする変速機が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記アシスト機構は、前記第1入力軸群の内部に同軸に配置した第2入力軸と、前記原動機のトルクを前記第2入力軸に伝達する第2クラッチと、前記第2入力軸のトルクを前記第1入力軸群に伝達する伝動機構およびワンウェイクラッチとを備え、前記ワンウェイクラッチは前記第1入力軸群の回転数が前記第2入力軸の回転数を下回ったときに係合することを特徴とする変速機が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項3の構成に加えて、前記伝動機構は、前記第2入力軸の回転数を減速して前記第1入力軸群に伝達することを特徴とする変速機が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記第2噛合切換機構は、前記複数の第1入力軸どうしの結合を解除する第1位置と、前記複数の第1入力軸どうしを結合するとともに該第1入力軸に前記変速ギヤを結合する第2位置とを切換可能であることを特徴とする変速機が提案される。
尚、実施の形態のカウンタシャフト12は本発明の出力軸に対応し、実施の形態のインナーシャフト13は本発明の第2入力軸に対応し、実施の形態の第1〜第5アウターシャフト14A〜14Eは本発明の第1入力軸に対応し、実施の形態の2速ドライブギヤ32、3速ドライブギヤ33、4速ドライブギヤ34、5速ドライブギヤ35および6速ドライブギヤ36は本発明の変速ギヤに対応し、実施の形態のメインクラッチCmは本発明の第1クラッチに対応し、実施の形態のアシストクラッチCaは本発明の第2クラッチに対応し、実施の形態の1速−2速間スリーブD12、2速−3速間スリーブD23、2速−3速間スリーブDS23、3速−4速間スリーブD34および4速−5速間スリーブD45は本発明の第2噛合切換機構に対応し、実施の形態のエンジンEおよびモータ・ジェネレータMは本発明の原動機に対応し、実施の形態の遊星歯車機構Pは本発明の伝動機構に対応し、実施の形態の1速−2速間スリーブS12、2速スリーブS2〜4速スリーブS4、3速−4速間スリーブS34および5速−6速間スリーブS56は本発明の第1噛合切換機構に対応し、実施の形態のアシストクラッチCa、インナーシャフト13、遊星歯車機構Pおよびワンウェイクラッチ19は本発明のアシスト機構に対応する。
請求項1の構成によれば、所定の変速段が確立している非変速中には、原動機のトルクが第1クラッチ→第1入力軸群→第1噛合切換機構→変速ギヤ→出力軸の経路で伝達される。変速中に第1クラッチを係合解除して原動機のトルクが上記経路で出力軸に伝達されなくなっても、第1噛合切換機構で所定の変速ギヤを所定の第1入力軸に結合することで、アシスト機構からのアシストトルクを第1入力軸から所定の変速ギヤを介して出力軸に伝達することで、変速中のトルク抜けを防止してドライブフィールの低下を防止することができる。アシストトルクは電動モータのトルクに限定されず、任意の動力源から得ることができるので、例えば走行用の原動機のトルクを利用することで、重量およびコストを削減することができる。
また請求項2の構成によれば、第2噛合切換機構で所定の第1入力軸どうしを結合することで、より多くの変速段間の変速中のトルク抜けを防止してドライブフィールの低下を防止することができる。
また請求項3の構成によれば、アシスト機構は、第1入力軸群の内部に同軸に配置した第2入力軸と、原動機のトルクを第2入力軸に伝達する第2クラッチと、第2入力軸のトルクを第1入力軸群に伝達する伝動機構およびワンウェイクラッチとを備えるので、第2クラッチが係合する変速中に、原動機のトルクが第2クラッチ→第2入力軸→伝動機構→ワンウェイクラッチ→第1入力軸群の経路で伝達されトルク抜けを防止することができる。ワンウェイクラッチは第1入力軸群の回転数が第2入力軸の回転数を下回ったときに係合するので、変速のために第1クラッチが係合解除して第1入力軸群の回転数が低下すると、ワンウェイクラッチが自動的に係合してアシストトルクを第1入力軸群に伝達することができる。そして既存の原動機のトルクをアシストトルクとして使用するので、電動モータのような他の特別の駆動源が不要になって重量およびコストを更に削減することができる。
また請求項4の構成によれば、アシスト機構の伝動機構は第2入力軸の回転数を減速して第1入力軸群に伝達するので、第1、第2クラッチが共に係合して所定の変速段が確立しているいるときに、ワンウェイクラッチを係合解除して第1入力軸のトルクを出力軸に伝達することができる。
また請求項5の構成によれば、第2噛合切換機構は、複数の第1入力軸どうしの結合を解除する第1位置と、複数の第1入力軸どうしを結合するとともに該第1入力軸に変速ギヤを結合する第2位置とを切換可能であるので、非変速中のトルクの伝達経路と変速中のアシストトルクの伝達経路とを容易に切り換えることができる。
トランスミッションのスケルトン図。(第1の実施の形態) 図1の2部拡大図。(第1の実施の形態) 図2の3部拡大図。(第1の実施の形態) トランスミッションの動力伝達経路を示す模式図。(第1の実施の形態) ニュートラル→1速変速段のインギヤ時の動力伝達経路の説明図。(第1の実施の形態) ニュートラル→1速変速段のインギヤ時の各係合要素の係合表。(第1の実施の形態) 1速変速段→2速変速段のシフトアップ時の動力伝達経路の説明図。(第1の実施の形態) 1速変速段→2速変速段のシフトアップ時の各係合要素の係合表。(第1の実施の形態) 2速変速段→3速変速段のシフトアップ時の動力伝達経路の説明図。(第1の実施の形態) 2速変速段→3速変速段のシフトアップ時の各係合要素の係合表。(第1の実施の形態) 3速変速段→4速変速段のシフトアップ時の動力伝達経路の説明図。(第1の実施の形態) 3速変速段→4速変速段のシフトアップ時の各係合要素の係合表。(第1の実施の形態) 4速変速段→5速変速段のシフトアップ時の動力伝達経路の説明図。(第1の実施の形態) 4速変速段→5速変速段のシフトアップ時の各係合要素の係合表。(第1の実施の形態) 5速変速段→6速変速段のシフトアップ時の動力伝達経路の説明図。(第1の実施の形態) 5速変速段→6速変速段のシフトアップ時の各係合要素の係合表。(第1の実施の形態) 6速変速段→5速変速段のシフトダウン時の動力伝達経路の説明図。(第1の実施の形態) 6速変速段→5速変速段のシフトダウン時の各係合要素の係合表。(第1の実施の形態) 5速変速段→4速変速段のシフトダウン時の動力伝達経路の説明図。(第1の実施の形態) 5速変速段→4速変速段のシフトダウン時の各係合要素の係合表。(第1の実施の形態) 4速変速段→3速変速段のシフトダウン時の動力伝達経路の説明図。(第1の実施の形態) 4速変速段→3速変速段のシフトダウン時の各係合要素の係合表。(第1の実施の形態) 3速変速段→2速変速段のシフトダウン時の動力伝達経路の説明図。(第1の実施の形態) 3速変速段→2速変速段のシフトダウン時の各係合要素の係合表。(第1の実施の形態) 2速変速段→1速変速段のシフトダウン時の動力伝達経路の説明図。(第1の実施の形態) 2速変速段→1速変速段のシフトダウン時の各係合要素の係合表。(第1の実施の形態) 変速の種類に応じたトルクアシストの必要性および可否を示す表。(第1の実施の形態) 変速時のトルク伝達を説明するタイムチャート。(第1の実施の形態) 変速時のトルク伝達を説明するタイムチャート。(従来例) トランスミッションのスケルトン図。(第2の実施の形態) 図30の31部拡大図。(第2の実施の形態) 図31の32部拡大図。(第2の実施の形態) 図31の33部拡大図。(第2の実施の形態) 図33に対応する作用説明図。(第2の実施の形態) トランスミッションの動力伝達経路を示す模式図。(第2の実施の形態) ニュートラル→1速変速段のインギヤ時の動力伝達経路の説明図。(第2の実施の形態) ニュートラル→1速変速段のインギヤ時の各係合要素の係合表。(第2の実施の形態) 1速変速段→2速変速段のシフトアップ時の動力伝達経路の説明図。(第2の実施の形態) 1速変速段→2速変速段のシフトアップ時の各係合要素の係合表。(第2の実施の形態) 2速変速段→3速変速段のシフトアップ時の動力伝達経路の説明図。(第2の実施の形態) 2速変速段→3速変速段のシフトアップ時の各係合要素の係合表。(第2の実施の形態) 3速変速段→4速変速段のシフトアップ時の動力伝達経路の説明図。(第2の実施の形態) 3速変速段→4速変速段のシフトアップ時の各係合要素の係合表。(第2の実施の形態) 4速変速段→3速変速段のシフトダウン時の動力伝達経路の説明図。(第2の実施の形態) 4速変速段→3速変速段のシフトダウン時の各係合要素の係合表。(第2の実施の形態) 3速変速段→2速変速段のシフトダウン時の動力伝達経路の説明図。(第2の実施の形態) 3速変速段→2速変速段のシフトダウン時の各係合要素の係合表。(第2の実施の形態) 2速変速段→1速変速段のシフトダウン時の動力伝達経路の説明図。(第2の実施の形態) 2速変速段→1速変速段のシフトダウン時の各係合要素の係合表。(第2の実施の形態) トランスミッションのスケルトン図。(第3の実施の形態) 1速変速段→2速変速段のシフトアップ時の動力伝達経路の説明図。(第3の実施の形態) 2速変速段→1速変速段のシフトダウン時の動力伝達経路の説明図。(第3の実施の形態) ニュートラル→リバース変速段のシフト時の動力伝達経路の説明図。(第3の実施の形態)
以下、図1〜図29に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、前進6段の自動車用のトランスミッションTはいわゆるAMT(オートマチック・マニュアル・トランスミッション)であり、平行軸式のマニュアルトランスミッションの変速スリーブをアクチュエータで操作することで自動変速を行うものである。
トランスミッションTは、相互に平行に配置されたメインシャフト11およびカウンタシャフト12を備えており、メインシャフト11は径方向内側に位置するインナーシャフト13と、軸方向に5分割されてインナーシャフト13の外周に相対回転可能に嵌合する第1〜第5アウターシャフト14A,14B,14C,14D,14Eよりなるアウターシャフト群とで構成される。
エンジンEのクランクシャフト15とメインシャフト11の一端側との間には、一体化されたメインクラッチCmおよびアシストクラッチCaが配置されており、メインクラッチCmを係合するとクランクシャフト15が第1アウターシャフト14Aに結合され、アシストクラッチCaを係合するとクランクシャフト15がインナーシャフト13に結合される。
尚、メインクラッチCmおよびアシストクラッチCaは、それらが共に係合する状態と、それらが共に係合解除する状態と、アシストクラッチCaが係合してメインクラッチCmが係合解除する状態とを切換可能であり、メインクラッチCmが係合してアシストクラッチCaが係合解除する状態は発生しない。
メインシャフト11の他端側には、インナーシャフト13および第5アウターシャフト14Eを接続するダブルピニオン型の遊星歯車機構Pが配置される。遊星歯車機構Pは、インナーシャフト13に固設されたサンギヤ16と、ケーシング17に固設されたキャリヤ18と、第5アウターシャフト14Eにワンウェイクラッチ19を介して接続されたリングギヤ20と、キャリヤ18に回転自在に支持されてサンギヤ16に噛合する複数のインナーピニオン21…と、キャリヤ18に回転自在に支持されてインナーピニオン21…およびリングギヤ20に同時に噛合する複数のアウターピニオン22…とを備える。遊星歯車機構Pは、インナーシャフト13および第5アウターシャフト14Eが同方向に回転するように接続し、かつインナーシャフト13の回転数に対して第5アウターシャフト14Eの回転数が僅かに低くなるように(例えば、1.00回転:0.99回転)に接続する。
ワンウェイクラッチ19は、遊星歯車機構Pに接続されたアウターレース側の回転数が、第5アウターシャフト14Eに接続されたインナーレース側の回転数を上回った場合に係合し、それ以外の場合に係合解除する。従って、インナーシャフト13および第5アウターシャフト14Eが同速度で回転する場合には、アウターレース側の回転数が遊星歯車機構Pで減速されるため、アウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数以下になってワンウェイクラッチ19が係合解除する。またインナーシャフト13が回転して第5アウターシャフト14Eが停止する場合には、アウターレース側の回転数が遊星歯車機構Pで減速されてもインナーレース側が停止しているため、ワンウェイクラッチ19が係合する。第5アウターシャフト14Eが回転してインナーシャフト13が停止するとワンウェイクラッチ19は係合解除するが、本実施の形態ではそのような状況は発生しない。
第5アウターシャフト14Eに1速ドライブギヤ31が固設され、第4アウターシャフト14Dに2速ドライブギヤ32が相対回転自在に支持され、第3アウターシャフト14Cに3速ドライブギヤ33が相対回転自在に支持され、第2アウターシャフト14Bに4速ドライブギヤ34が相対回転自在に支持され、第1アウターシャフト14Aに5速ドライブギヤ35および6速ドライブギヤ36が相対回転自在に支持される。
カウンタシャフト12には、1速ドライブギヤ31に噛合する1速ドリブンギヤ37が相対回転自在に支持されるとともに、2速ドライブギヤ32に噛合する2速ドリブンギヤ38、3速ドライブギヤ33に噛合する3速ドリブンギヤ39、4速ドライブギヤ34に噛合する4速ドリブンギヤ40、5速ドライブギヤ35に噛合する5速ドリブンギヤ41および6速ドライブギヤ36に噛合する6速ドリブンギヤ42が固設される。
カウンタシャフト12に固設したファイナルドライブギヤ43がディファレンシャルギヤDのケースに固設したファイナルドリブンギヤ44に噛合し、ディファレンシャルギヤDから左右に延びるドライブシャフト45,45に左右の駆動輪W,Wが接続される。
図1および図2から明らかなように、1速ドリブンギヤ37は1速スリーブS1を介してカウンタシャフト12に結合可能であり(図1参照)、2速ドライブギヤ32は2速スリーブS2を介して第4アウターシャフト14Dに結合可能であり、3速ドライブギヤ33は3速スリーブS3を介して第3アウターシャフト14Cに結合可能であり、4速ドライブギヤ34は4速スリーブS4を介して第2アウターシャフト14Bに結合可能であり、5速ドライブギヤ35および6速ドライブギヤ36は5速−6速間スリーブS56を介して第1アウターシャフト14Aに結合可能である。1速スリーブS1、2速スリーブS2、3速スリーブS3、4速スリーブS4および5速−6速間スリーブS56は、何れもシンクロメッシュ機能を持つ周知の変速スリーブで構成される。
第5アウターシャフト14Eおよび第4アウターシャフト14Dの間には1速−2速間スリーブD12が配置され、第4アウターシャフト14Dおよび第3アウターシャフト14Cの間には2速−3速間スリーブD23が配置され、第3アウターシャフト14Cおよび第2アウターシャフト14Bの間には3速−4速間スリーブD34が配置され、第2アウターシャフト14Bおよび第1アウターシャフト14Aの間には4速−5速間スリーブD45が配置される。1速−2速間スリーブD12、2速−3速間スリーブD23、3速−4速間スリーブD34および4速−5速間スリーブD45は、何れもドグクラッチの機能を持つスリーブで構成される。
1速−2速間スリーブD12、2速−3速間スリーブD23および3速−4速間スリーブD34は基本的に同じ構造のものであり、三つの状態を切り換え可能な3ウエイ機能を有している。
図3は、1速−2速間スリーブD12、2速−3速間スリーブD23および3速−4速間スリーブD34の代表として、1速−2速間スリーブD12の構造および機能を示すものである。第5アウターシャフト14Eおよび第4アウターシャフト14Dはそれぞれスプライン51,52を備えるとともに、スリーブ53は前記スプライン51,52に係合可能なスプライン54を備える。スリーブ53の右側の端面にはドグ孔55が形成され、2速ドライブギヤ32の左側の端面には前記ドグ孔55が係合可能なドグ56が形成される。
従って、図3(A)に示すスリーブ53の左動状態では、第5アウターシャフト14E、第4アウターシャフト14Dおよび2速ドライブギヤ32が各々独立して回転可能に分離される。図3(B)に示すスリーブ53の中立状態では、2速ドライブギヤ32が第4アウターシャフト14Dから分離されたまま、スリーブ53で第5アウターシャフト14Eおよび第4アウターシャフト14Dが結合される。図3(C)に示すスリーブ53の右動状態では、スリーブ53で第5アウターシャフト14Eおよび第4アウターシャフト14Dが結合されるとともに、ドグ孔55およびドグ56が係合してスリーブ53が2速ドライブギヤ32に結合され、結局第5アウターシャフト14E、第4アウターシャフト14Dおよび2速ドライブギヤ32の三者が一体に結合される。
同様に、2速−3速間スリーブD23によれば、第4アウターシャフト14D、第3アウターシャフト14Cおよび3速ドライブギヤ33の結合状態を三つの状態に切り換え可能であり、3速−4速間スリーブD34によれば、第3アウターシャフト14C、第2アウターシャフト14Bおよび4速ドライブギヤ34の結合状態を三つの状態に切り換え可能である。
次に、図4〜図26に基づいてトランスミッションTの変速時の作用を説明する。
本実施の形態のトランスミッションTは変速時にトルク伝達が一時的に途絶えるトルク抜けを解消する機能を有するものである。各変速段が確立している間は、エンジンEのトルクはメインクラッチCmから第1〜第5アウターシャフト14A〜14Eを介して駆動輪W,Wに伝達されるが、メインクラッチCmが係合解除してトルク伝達が途絶える変速中は、エンジンEのトルクがアシストクラッチCa、インナーシャフト13および第1〜第5アウターシャフト14A〜14Eの一部を介して駆動輪W,Wに伝達されることで、変速中のトルク抜けを防止することができる。
但し、5速変速段および6速変速段は通常のMTと同じ構造であるため、5速変速段および6速変速段を含む変速時にトルク抜けを防止する機能は発揮されない。しかしながら、高変速段での変速時には元々トルク抜けが体感され難いために実用上の支障はない。
図4は、図5、図7、図9…図25の作用説明図で使用されるトランスミッションTの動力伝達経路を模式的に示すもので、メインクラッチCm、アシストクラッチCa、ワンウェイクラッチ19が黒く塗り潰されているときは係合状態にあり、白抜きになっているときは非係合状態にあることを示している。また1速スリーブS1、2速スリーブS2、3速スリーブS3、4速スリーブS4、5速−6速間スリーブS56、1速−2速間スリーブD12、2速−3速間スリーブD23、3速−4速スリーブD34、4速−5速間スリーブD45が実線で描かれているときには動力伝達可能に接続された状態にあり、破線で描かれているときには動力伝達不能に切り離された状態にあることを示している。
図6、図8、図10…図26はメインクラッチCm、アシストクラッチCaおよび各スリーブの係合表であり、ステップ(a)〜ステップ(h)は変速過程の各ステップを示し、○印は当該ステップでの各スリーブの位置を示し、右向きおよび左向きの矢印は当該ステップでの各スリーブの移動方向を示している。
ニュートラル→1速変速段のインギヤ時の作用](図5および図6参照)
図5(A)に示すように、ニュートラル時には、メインクラッチCmおよびアシストクラッチCaは共に係合している。また1速−2速間スリーブD12、2速−3速間スリーブD23、3速−4速間スリーブD34および4速−5速間スリーブD45は中立状態にあることで、第1〜第5アウターシャフト14A〜14Eは直列に接続されている。また1速ドライブギヤ31はカウンタシャフト12から切り離され、2速ドライブギヤ32〜6速ドライブギヤ36も第2〜第5アウターシャフト14A〜14Dから切り離されている。
従って、エンジンEのトルクはメインクラッチCmから第1〜第5アウターシャフト14A〜14Eおよび1速ドライブギヤ31を介して1速ドリブンギヤ37まで伝達されるが、1速ドリブンギヤ37が右動状態にある1速スリーブS1によってカウンタシャフト12から切り離されているため、カウンタシャフト12へのトルク伝達は遮断される。一方、エンジンEのトルクはアシストクラッチCaからインナーシャフト13および遊星歯車機構Pを介してワンウェイクラッチ19に伝達されるが、ワンウェイクラッチ19は係合解除してトルク伝達が遮断される。
図5(B)に示すように、メインクラッチCmおよびアシストクラッチCaを共に係合解除した後(ステップ(a)参照)、図5(C)に示すように、1速スリーブS1を左動して1速ドリブンギヤ37をカウンタシャフト12に結合する(ステップ(b)参照)。続いて、図5(D)に示すように、メインクラッチCmおよびアシストクラッチCaを共に係合すると(ステップ(c)参照)、エンジンEのトルクはメインクラッチCmから第1〜第5アウターシャフト14A〜14E→1速ドライブギヤ31→1速ドリブンギヤ37→1速スリーブS1の経路でカウンタシャフト12に伝達され、更にカウンタシャフト12→ファイナルドライブギヤ43→ファイナルドリブンギヤ44→ディファレンシャルギヤD→ドライブシャフト45,45の経路で左右の駆動輪W,Wに伝達されるようになり、1速変速段が確立する。このとき、エンジンEのトルクはアシストクラッチCaからインナーシャフト13および遊星歯車機構Pを介してワンウェイクラッチ19に伝達されるが、インナーレース側の回転数がアウターレース側の回転数を上回ることでワンウェイクラッチ19は係合解除してトルク伝達が遮断される。
1速変速段→2速変速段のシフトアップ時の作用](図7および図8参照)
図7(A)に示す1速変速段の確立状態から、図7(B)に示すように、メインクラッチCmを係合解除すると(ステップ(a)参照)、第1〜第5アウターシャフト14A〜14Eに対するトルク伝達が遮断されるため、アウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数を上回ることでワンウェイクラッチ19が係合し、エンジンEのトルクがアシストクラッチCa→インナーシャフト13→遊星歯車機構P→ワンウェイクラッチ19→第5アウターシャフト14E→1速ドライブギヤ31→1速ドリブンギヤ37→1速スリーブS1の経路でカウンタシャフト12に伝達されるようになり、メインクラッチCm側からのトルク伝達が遮断されても、アシストクラッチCa側からのトルク伝達を継続して変速中のトルク抜けを防止することができる。このとき、アシストクラッチCa側から伝達される回転数は遊星歯車機構Pで1%ほど減速されるが、その量は微小であるために乗員によって体感されることはない。
続いて、図7(C)に示すように、トルク循環を防止するために1速−2速間スリーブD12を左動状態に操作して第5アウターシャフト14Eおよび第4アウターシャフト14Dを切り離すとともに(ステップ(b)参照)、2速スリーブS2を左動して2速ドライブギヤ32を第4アウターシャフト14Dに結合する(ステップ(c)参照)。その間も、アシストクラッチCa側から伝達されるトルクでトルク抜けは防止されている。
続いて、図7(D)に示すように、メインクラッチCmを係合する(ステップ(d)参照)。その結果、エンジンEのトルクはメインクラッチCmから第1〜第4アウターシャフト14A〜14D→2速スリーブS2→2速ドライブギヤ32→2速ドリブンギヤ38の経路でカウンタシャフト12に伝達され、2速変速段が確立する。このとき、エンジンEのトルクはアシストクラッチCaからインナーシャフト13および遊星歯車機構Pを介してワンウェイクラッチ19に伝達されるが、インナーレース側の回転数がアウターレース側の回転数を上回ることで、ワンウェイクラッチ19は係合解除してトルク伝達が遮断される。
続いて、図7(E)に示すように、後処理として1速スリーブS1を右動して1速ドリブンギヤ37をカウンタシャフト12から切り離すとともに(ステップ(e)参照)、1速−2速間スリーブD12を右動して中立状態にすることで第5アウターシャフト14Eおよび第4アウターシャフト14Dを結合する(ステップ(f)参照)。
2速変速段→3速変速段のシフトアップ時の作用](図9および図10参照)
図9(A)に示す2速変速段の確立状態から、図9(B)に示すように、1速−2速間スリーブD12を右動して右動状態にすることで、2速ドライブギヤ32を第4アウターシャフト14Dおよび第5アウターシャフト14Eに結合する(ステップ(a)参照)。続いて、図9(C)に示すように、メインクラッチCmを係合解除すると(ステップ(b)参照)、第1〜第5アウターシャフト14A〜14Eに対するトルク伝達が遮断されるため、アウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数を上回ることでワンウェイクラッチ19が係合し、エンジンEのトルクがアシストクラッチCa→インナーシャフト13→遊星歯車機構P→ワンウェイクラッチ19→第5アウターシャフト14E→1速−2速間スリーブD12→2速ドライブギヤ32および2速ドリブンギヤ38の経路でカウンタシャフト12に伝達されるようになり、メインクラッチCm側からのトルク伝達が遮断されても、アシストクラッチCa側からのトルク伝達を継続して変速中のトルク抜けを防止することができる。更に、2速スリーブS2を右動して2速ドライブギヤ32を第4アウターシャフト14Dから切り離す(ステップ(c)参照)。
続いて、図9(D)に示すように、トルク循環を防止するために2速−3速間スリーブD23を左動状態に操作して第4アウターシャフト14Dおよび第3アウターシャフト14Cを切り離すとともに(ステップ(d)参照)、3速スリーブS3を左動して3速ドライブギヤ33を第3アウターシャフト14Cに結合する(ステップ(e)参照)。その間も、アシストクラッチCa側から伝達されるトルクでトルク抜けは防止されている。
続いて、図9(E)に示すように、メインクラッチCmを係合する(ステップ(f)参照)。その結果、エンジンEのトルクはメインクラッチCmから第1〜第3アウターシャフト14A〜14C→3速スリーブS3→3速ドライブギヤ33→3速ドリブンギヤ39の経路でカウンタシャフト12に伝達され、3速変速段が確立する。このとき、エンジンEのトルクはアシストクラッチCaからインナーシャフト13および遊星歯車機構Pを介してワンウェイクラッチ19に伝達されるが、インナーレース側の回転数がアウターレース側の回転数を上回ることで、ワンウェイクラッチ19は係合解除してトルク伝達が遮断される。
続いて、図9(F)に示すように、後処理として1速−2速間スリーブD12を左動して中立状態にすることで2速ドライブギヤ32を第4アウターシャフト14Dおよび第5アウターシャフト14Eから切り離すとともに(ステップ(g)参照)、2速−3速間スリーブD23を右動して中立状態にすることで第4アウターシャフト14Dおよび第3アウターシャフト14Cを結合する(ステップ(h)参照)。
3速変速段→4速変速段のシフトアップ時の作用](図11および図12参照)
図11(A)に示す3速変速段の確立状態から、図11(B)に示すように、2速−3速間スリーブD23を右動して右動状態にすることで、3速ドライブギヤ33を第3アウターシャフト14Cおよび第4アウターシャフト14Dに結合する(ステップ(a)参照)。続いて、図11(C)に示すように、メインクラッチCmを係合解除すると(ステップ(b)参照)、第1〜第5アウターシャフト14A〜14Eに対するトルク伝達が遮断されるため、アウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数を上回ることでワンウェイクラッチ19が係合し、エンジンEのトルクがアシストクラッチCa→インナーシャフト13→遊星歯車機構P→ワンウェイクラッチ19→第5アウターシャフト14E→1速−2速間スリーブD12→第4アウターシャフト14D→2速−3速間スリーブD23→3速ドライブギヤ33および3速ドリブンギヤ39の経路でカウンタシャフト12に伝達されるようになり、メインクラッチCm側からのトルク伝達が遮断されても、アシストクラッチCa側からのトルク伝達を継続して変速中のトルク抜けを防止することができる。更に、3速スリーブS3を右動して3速ドライブギヤ33を第3アウターシャフト14Cから切り離す(ステップ(c)参照)。
続いて、図11(D)に示すように、トルク循環を防止するために3速−4速間スリーブD34を左動状態に操作して第3アウターシャフト14Cおよび第2アウターシャフト14Bを切り離すとともに(ステップ(d)参照)、4速スリーブS4を左動して4速ドライブギヤ34を第2アウターシャフト14Bに結合する(ステップ(e)参照)。その間も、アシストクラッチCa側から伝達されるトルクでトルク抜けは防止されている。
続いて、図11(E)に示すように、メインクラッチCmを係合する(ステップ(f)参照)。その結果、エンジンEのトルクはメインクラッチCmから第1、第2アウターシャフト14A,14B→2速スリーブS2→4速ドライブギヤ34→4速ドリブンギヤ40の経路でカウンタシャフト12に伝達され、4速変速段が確立する。このとき、エンジンEのトルクはアシストクラッチCaからインナーシャフト13および遊星歯車機構Pを介してワンウェイクラッチ19に伝達されるが、インナーレース側の回転数がアウターレース側の回転数を上回ることで、ワンウェイクラッチ19は係合解除してトルク伝達が遮断される。
続いて、図11(F)に示すように、後処理として2速−3速間スリーブD23を左動して中立状態にすることで3速ドライブギヤ33を第3アウターシャフト14Cから切り離すとともに(ステップ(g)参照)、3速−4速間スリーブD34を右動して中立状態にすることで第3アウターシャフト14Cおよび第2アウターシャフト14Bを結合する(ステップ(h)参照)。
4速変速段→5速変速段のシフトアップ時の作用](図13および図14参照)
図13(A)に示す4速変速段の確立状態から、図13(B)に示すように、3速−4速間スリーブD34を右動して右動状態にすることで、4速ドライブギヤ34を第1アウターシャフト14Aおよび第2アウターシャフト14Bに結合する(ステップ(a)参照)。続いて、図13(C)に示すように、メインクラッチCmを係合解除すると(ステップ(b)参照)、第1〜第5アウターシャフト14A〜14Eに対するトルク伝達が遮断されるため、アウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数を上回ることでワンウェイクラッチ19が係合し、エンジンEのトルクがアシストクラッチCa→インナーシャフト13→遊星歯車機構P→ワンウェイクラッチ19→第5アウターシャフト14E→1速−2速間スリーブD12→第4アウターシャフト14D→2速−3速間スリーブD23→第3アウターシャフト14C→3速−4速間スリーブD34→第2アウターシャフト14B→4速ドライブギヤ34および4速ドリブンギヤ40の経路でカウンタシャフト12に伝達されるようになり、メインクラッチCm側からのトルク伝達が遮断されても、アシストクラッチCa側からのトルク伝達を継続して変速中のトルク抜けを防止することができる。更に、4速スリーブS4を右動して4速ドリブンギヤ40を第2アウターシャフト14Bから切り離す(ステップ(c)参照)。
続いて、図13(D)に示すように、トルク循環を防止するために4速−5速間スリーブD45を左動状態に操作して第2アウターシャフト14Bおよび第1アウターシャフト14Aを切り離すとともに(ステップ(d)参照)、5速−6速間スリーブS56を左動して左動状態にすることで5速ドライブギヤ35を第1アウターシャフト14Aに結合する(ステップ(e)参照)。その間も、アシストクラッチCa側から伝達されるトルクでトルク抜けは防止されている。
続いて、図13(E)に示すように、メインクラッチCmを係合する(ステップ(f)参照)。その結果、エンジンEのトルクはメインクラッチCmから第1アウターシャフト14A→5速−6速間スリーブS56→5速ドライブギヤ35→5速ドリブンギヤ41の経路でカウンタシャフト12に伝達され、5速変速段が確立する。このとき、エンジンEのトルクはアシストクラッチCaからインナーシャフト13および遊星歯車機構Pを介してワンウェイクラッチ19に伝達されるが、インナーレース側の回転数がアウターレース側の回転数を上回ることで、ワンウェイクラッチ19は係合解除してトルク伝達が遮断される。
続いて、図13(F)に示すように、後処理として3速−4速間スリーブD34を左動して中立状態にすることで4速ドライブギヤ34を第2アウターシャフト14Bから切り離すとともに(ステップ(g)参照)、4速−5速間スリーブD45を右動して中立状態にすることで第2アウターシャフト14Bおよび第1アウターシャフト14Aを結合する(ステップ(h)参照)。
5速変速段→6速変速段のシフトアップ時の作用](図15および図16参照)
5速変速段→6速変速段のシフトアップは、高速変速段間の変速であってトルク抜けは乗員に体感され難いため、本実施の形態ではトルク抜け防止制御を行なわないことで、トランスミッションTの構造の簡素化を図っている。
図15(A)に示す5速変速段の確立状態から、図15(B)に示すように、メインクラッチCmおよびアシストクラッチCaを共に係合解除するとともに(ステップ(a)参照)、5速−6速間スリーブS56を右動して中立状態にすることで、5速ドライブギヤ35を第1アウターシャフト14Aから切り離す(ステップ(b)参照)。続いて、図15(C)に示すように、5速−6速間スリーブS56を右動して右動状態にすることで、6速ドライブギヤ36を第1アウターシャフト14Aに結合するとともに(ステップ(d)参照)、図15(D)に示すように、メインクラッチCmおよびアシストクラッチCaを共に係合することで(ステップ(d)参照)、6速ドライブギヤ36を第1アウターシャフト14Aに結合して6速変速段を確立する。この5速変速段→6速変速段のシフトアップ時の作用は、トルク抜け防止機能を持たない通常のAMTの作用と同じである。
6速変速段→5速変速段のシフトダウン時の作用](図17および図18参照)
6速変速段→5速変速段のシフトダウンは、高速変速段間の変速であってトルク抜けは乗員に体感され難いため、本実施の形態ではトルク抜け防止制御を行なわないことで、トランスミッションTの構造の簡素化を図っている。
図17(A)に示す6速変速段の確立状態から、図17(B)に示すように、メインクラッチCmおよびアシストクラッチCaを共に係合解除するとともに(ステップ(a)参照)、5速−6速間スリーブS56を左動して中立状態にすることで、6速ドライブギヤ36を第1アウターシャフト14Aから切り離す(ステップ(b)参照)。続いて、図17(C)に示すように、5速−6速間スリーブS56を左動して左動状態にすることで、5速ドリブンギヤ41を第1アウターシャフト14Aに結合するとともに(ステップ(d)参照)、図17(D)に示すように、メインクラッチCmおよびアシストクラッチCaを共に係合することで(ステップ(d)参照)、5速ドライブギヤ35を第1アウターシャフト14Aに結合して5速変速段を確立する。この6速変速段→5速変速段のシフトダウン時の作用は、トルク抜け防止機能を持たない通常のAMTの作用と同じである。
5速変速段→4速変速段のシフトダウン時の作用](図19および図20参照)
図19(A)に示す5速変速段の確立状態から、図19(B)に示すように、トルク循環を防止するために4速−5速間スリーブD45を左動して左動状態にすることで、第2アウターシャフト14Bおよび第1アウターシャフト14Aを切り離すとともに(ステップ(a)参照)、3速−4速間スリーブD34を右動して右動状態にすることで、4速ドライブギヤ34を第3アウターシャフト14Cおよび第2アウターシャフト14Bに結合する(ステップ(b)参照)。続いて、図19(C)に示すように、メインクラッチCmを係合解除すると(ステップ(c)参照)、第1〜第5アウターシャフト14A〜14Eに対するトルク伝達が遮断されるため、アウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数を上回ることでワンウェイクラッチ19が係合し、エンジンEのトルクがアシストクラッチCa→インナーシャフト13→遊星歯車機構P→ワンウェイクラッチ19→第5アウターシャフト14E→1速−2速間スリーブD12→第4アウターシャフト14D→2速−3速間スリーブD23→第3アウターシャフト14C→3速−4速間スリーブD34→4速ドライブギヤ34および4速ドリブンギヤ40の経路でカウンタシャフト12に伝達されるようになり、メインクラッチCm側からのトルク伝達が遮断されても、アシストクラッチCa側からのトルク伝達を継続して変速中のトルク抜けを防止することができる。
続いて、図19(D)に示すように、5速−6速間スリーブS56を右動して中立状態にすることで、5速ドライブギヤ35を第1アウターシャフト14Aから切り離し(ステップ(d)参照)、4速−5速間スリーブD45を右動して中立状態にすることで第2アウターシャフト14Bおよび第1アウターシャフト14Aを結合し(ステップ(e)参照)、4速スリーブS4を左動して4速ドライブギヤ34を第2アウターシャフト14Bに結合する(ステップ(f)参照)。その間も、アシストクラッチCa側から伝達されるトルクでトルク抜けは防止されている。
続いて、図19(E)に示すように、メインクラッチCmを係合する(ステップ(g)参照)。その結果、エンジンEのトルクはメインクラッチCmから第1アウターシャフト14A→4速−5速間スリーブD45→第2アウターシャフト14B→4速スリーブS4→4速ドライブギヤ34→4速ドリブンギヤ40の経路でカウンタシャフト12に伝達され、4速変速段が確立する。このとき、エンジンEのトルクはアシストクラッチCaからインナーシャフト13および遊星歯車機構Pを介してワンウェイクラッチ19に伝達されるが、インナーレース側の回転数がアウターレース側の回転数を上回ることで、ワンウェイクラッチ19は係合解除してトルク伝達が遮断される。 続いて、図19(F)に示すように、後処理として3速−4速間スリーブD34を左動して中立状態にすることで4速ドライブギヤ34を第2アウターシャフト14Bから切り離す(ステップ(h)参照)。
4速変速段→3速変速段のシフトダウン時の作用](図21および図22参照)
図21(A)に示す4速変速段の確立状態から、図21(B)に示すように、トルク循環を防止するために3速−4速間スリーブD34を左動して左動状態にすることで、第3アウターシャフト14Cおよび第2アウターシャフト14Bを切り離すとともに(ステップ(a)参照)、2速−3速間スリーブD23を右動して右動状態にすることで、3速ドライブギヤ33を第4アウターシャフト14Dおよび第3アウターシャフト14Cに結合する(ステップ(b)参照)。続いて、図21(C)に示すように、メインクラッチCmを係合解除すると(ステップ(c)参照)、第1〜第5アウターシャフト14A〜14Eに対するトルク伝達が遮断されるため、アウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数を上回ることでワンウェイクラッチ19が係合し、エンジンEのトルクがアシストクラッチCa→インナーシャフト13→遊星歯車機構P→ワンウェイクラッチ19→第5アウターシャフト14E→1速−2速間スリーブD12→第4アウターシャフト14D→2速−3速間スリーブD23→3速ドライブギヤ33および3速ドリブンギヤ39の経路でカウンタシャフト12に伝達されるようになり、メインクラッチCm側からのトルク伝達が遮断されても、アシストクラッチCa側からのトルク伝達を継続して変速中のトルク抜けを防止することができる。
続いて、図21(D)に示すように、4速スリーブS4を右動して4速ドライブギヤ34を第2アウターシャフト14Bから切り離し(ステップ(d)参照)、3速−4速間スリーブD34を右動して中立状態にすることで第3アウターシャフト14Cおよび第2アウターシャフト14Bを結合し(ステップ(e)参照)、3速スリーブS3を左動して3速ドライブギヤ33を第3アウターシャフト14Cに結合する(ステップ(f)参照)。その間も、アシストクラッチCa側から伝達されるトルクでトルク抜けは防止されている。
続いて、図21(E)に示すように、メインクラッチCmを係合する(ステップ(g)参照)。その結果、エンジンEのトルクはメインクラッチCmから第1アウターシャフト14A→4速−5速間スリーブD45→第2アウターシャフト14B→3速−4速間スリーブD34→第3アウターシャフト14C→3速スリーブS3→3速ドライブギヤ33→3速ドリブンギヤ39の経路でカウンタシャフト12に伝達され、3速変速段が確立する。このとき、エンジンEのトルクはアシストクラッチCaからインナーシャフト13および遊星歯車機構Pを介してワンウェイクラッチ19に伝達されるが、インナーレース側の回転数がアウターレース側の回転数を上回ることで、ワンウェイクラッチ19は係合解除してトルク伝達が遮断される。
続いて、図21(F)に示すように、後処理として2速−3速間スリーブD23を左動して中立状態にすることで3速ドライブギヤ33を第3アウターシャフト14Cから切り離す(ステップ(h)参照)。
3速変速段→2速変速段のシフトダウン時の作用](図23および図24参照)
図23(A)に示す3速変速段の確立状態から、図23(B)に示すように、トルク循環を防止するために2速−3速間スリーブD23を左動して左動状態にすることで、第4アウターシャフト14Dおよび第3アウターシャフト14Cを切り離すとともに(ステップ(a)参照)、1速−2速間スリーブD12を右動して右動状態にすることで、2速ドライブギヤ32を第5アウターシャフト14Eおよび第4アウターシャフト14Dに結合する(ステップ(b)参照)。続いて、図23(C)に示すように、メインクラッチCmを係合解除すると(ステップ(c)参照)、第1〜第5アウターシャフト14A〜14Eに対するトルク伝達が遮断されるため、アウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数を上回ることでワンウェイクラッチ19が係合し、エンジンEのトルクがアシストクラッチCa→インナーシャフト13→遊星歯車機構P→ワンウェイクラッチ19→第5アウターシャフト14E→1速−2速間スリーブD12→2速ドライブギヤ32および2速ドリブンギヤ38の経路でカウンタシャフト12に伝達されるようになり、メインクラッチCm側からのトルク伝達が遮断されても、アシストクラッチCa側からのトルク伝達を継続して変速中のトルク抜けを防止することができる。
続いて、図23(D)に示すように、3速スリーブS3を右動して3速ドライブギヤ33を第3アウターシャフト14Cから切り離し(ステップ(d)参照)、2速−3速間スリーブD23を右動して中立状態にすることで第4アウターシャフト14Dおよび第3アウターシャフト14Cを結合し(ステップ(e)参照)、2速スリーブS2を左動して2速ドライブギヤ32を第4アウターシャフト14Dに結合する(ステップ(f)参照)。その間も、アシストクラッチCa側から伝達されるトルクでトルク抜けは防止されている。
続いて、図23(E)に示すように、メインクラッチCmを係合する(ステップ(g)参照)。その結果、エンジンEのトルクはメインクラッチCmから第1アウターシャフト14A→4速−5速間スリーブD45→第2アウターシャフト14B→3速−4速間スリーブD34→第3アウターシャフト14C→2速−3速間スリーブD23→第4アウターシャフト14D→2速スリーブS2→2速ドライブギヤ32→2速ドリブンギヤ38の経路でカウンタシャフト12に伝達され、2速変速段が確立する。このとき、エンジンEのトルクはアシストクラッチCaからインナーシャフト13および遊星歯車機構Pを介してワンウェイクラッチ19に伝達されるが、インナーレース側の回転数がアウターレース側の回転数を上回ることで、ワンウェイクラッチ19は係合解除してトルク伝達が遮断される。
続いて、図23(F)に示すように、後処理として1速−2速間スリーブD12を左動して中立状態にすることで2速ドライブギヤ32を第2アウターシャフト14Bから切り離す(ステップ(h)参照)。
2速変速段→1速変速段のシフトダウン時の作用](図25および図26参照)
図25(A)に示す2速変速段の確立状態から、図25(B)に示すように、トルク循環を防止するために1速−2速間スリーブD12を左動して左動状態にすることで、第5アウターシャフト14Eおよび第4アウターシャフト14Dを切り離すとともに(ステップ(a)参照)、1速スリーブS1を左動して1速ドリブンギヤ37をカウンタシャフト12に結合する(ステップ(b)参照)。続いて、図25(C)に示すように、メインクラッチCmを係合解除すると(ステップ(c)参照)、第1〜第5アウターシャフト14A〜14Eに対するトルク伝達が遮断されるため、アウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数を上回ることでワンウェイクラッチ19が係合し、エンジンEのトルクがアシストクラッチCa→インナーシャフト13→遊星歯車機構P→ワンウェイクラッチ19→第5アウターシャフト14E→1速ドライブギヤ31→1速ドリブンギヤ37および1速スリーブS1の経路でカウンタシャフト12に伝達されるようになり、メインクラッチCm側からのトルク伝達が遮断されても、アシストクラッチCa側からのトルク伝達を継続して変速中のトルク抜けを防止することができる。
続いて、図25(D)に示すように、2速スリーブS2を右動して2速ドライブギヤ32を第2アウターシャフト14Bから切り離し(ステップ(d)参照)、1速−2速間スリーブD12を右動して中立状態にすることで第5アウターシャフト14Eおよび第4アウターシャフト14Dを結合する(ステップ(e)参照)。その間も、アシストクラッチCa側から伝達されるトルクでトルク抜けは防止されている。
続いて、図25(E)に示すように、メインクラッチCmを係合する(ステップ(g)参照)。その結果、エンジンEのトルクはメインクラッチCmから第1アウターシャフト14A→4速−5速間スリーブD45→第2アウターシャフト14B→3速−4速間スリーブD34→第3アウターシャフト14C→2速−3速間スリーブD23→第4アウターシャフト14D→1速−2速間スリーブD12→第5アウターシャフト14E→1速ドライブギヤ31→1速ドリブンギヤ37→1速スリーブS1の経路でカウンタシャフト12に伝達され、1速変速段が確立する。このとき、エンジンEのトルクはアシストクラッチCaからインナーシャフト13および遊星歯車機構Pを介してワンウェイクラッチ19に伝達されるが、インナーレース側の回転数がアウターレース側の回転数を上回ることで、ワンウェイクラッチ19は係合解除してトルク伝達が遮断される。
尚、1速変速段からニュートラルに変速するには、図25(E)の状態から、1速スリーブS1を右動して1速ドリブンギヤ37をカウンタシャフト12から切り離すだけで良い。
以上、隣接する変速段間での変速の過程を説明したが、本実施の形態によれば、隣接しない変速段間での飛び変速も可能である。飛び変速は、メインクラッチCmを係合解除してアシストクラッチCaを介してアシストトルクを伝達している間に、所望の飛び変速段の動力伝達経路を確立しておき、この状態からメインクラッチCmを係合することで達成される。
図29のタイムチャートは、トルクアシスト機能を持たない従来のAMTのシフトアップ時のトルク伝達特性を示すものである。時刻t1にクラッチの係合解除が開始されて時刻t2に係合解除が完了し、時刻t3にクラッチの係合が開始されて時刻t4に係合が完了する。シフトアップ前のエンジン回転数に比べてシフトアップ後のエンジン回転数は低くなるため、時刻t1から時刻t3までの領域でエンジン回転数が低下するが、クラッチの係合解除によりメインシャフトの回転数がエンジン回転数の低下を超えて低下することで、トランスミッションの出力トルクは時刻t1〜時刻t4の領域で大きく落ち込んでトルク抜けが発生する。
図28のタイムチャートは、トルクアシスト機能を持つ本実施の形態のAMTのシフトアップ時のトルク伝達特性を示すものである。変速中にメインクラッチCmが係合解除するために第1〜第5アウターシャフト14A〜14Eの回転数は大きく落ち込むが、アシストクラッチCaは係合状態にあるためにインナーシャフト13の回転数はエンジン回転数に追従して漸減する。従って、変速中に第1〜第5アウターシャフト14A〜14Eにより伝達されるトルクが大きく落ち込んでも、その間にインナーシャフト13によりアシストトルクが伝達されることで、トランスミッションの出力トルクの落ち込みが解消されてトルク抜けが防止されることが分かる。
図27の表には、変速の種類に応じたトルク抜け防止の必要性と、本実施の形態によるトルク抜け防止の可否が示される。トルク抜け防止が必要な領域は、トルク抜け防止を行わないとドライブフィールが大幅に損なわれる領域であり、トルク抜け防止が不要な領域は、トルク抜け防止を行わなくてもドライブフィールが殆ど損なわれない領域であり、トルク抜け防止が望ましい領域は、上記二つの領域の中間の領域であり、その他の領域は変速が行われない領域である。○印は、本実施の形態によってトルク抜けが防止可能であることを示し、×印は、本実施の形態によってもトルク抜けが防止不能であることを示している。
この表から明らかなように、本実施の形態によれば、トルク抜け防止が必要な領域の全てでトルク抜け防止が可能であり、トルク抜け防止が望ましい四つの領域のうち、二つの領域でトルク抜け防止が可能であることが分かる。トルク抜け防止が望ましい四つの領域のうち、二つの領域でトルク抜け防止が不能であるのは、5速変速段および6速変速段に通常のAMTの構造を採用したためであり、5速変速段および6速変速段に1速変速段〜4速変速段と同様のトルク抜け防止機能を持たせれば、トルク抜け防止が望ましい四つの領域の全てでトルク抜けを防止することができる。
次に、図30〜図49に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
図30に示すように、前進4段の自動車用のトランスミッションTはいわゆるAMT(オートマチック・マニュアル・トランスミッション)であり、平行軸式のマニュアルトランスミッションの変速スリーブをアクチュエータで操作することで自動変速を行うものである。
トランスミッションTは、相互に平行に配置されたメインシャフト11およびカウンタシャフト12を備えており、メインシャフト11は径方向内側に位置するインナーシャフト13と、軸方向に3分割されてインナーシャフト13の外周に相対回転可能に嵌合する第1〜第3アウターシャフト14A,14B,14Cよりなるアウターシャフト群とで構成される。
エンジンEのクランクシャフト15とメインシャフト11の一端側との間には、一体化されたメインクラッチCmおよびアシストクラッチCaが配置されており、メインクラッチCmを係合するとクランクシャフト15が第1アウターシャフト14Aに結合され、アシストクラッチCaを係合するとクランクシャフト15がインナーシャフト13に結合される。
尚、メインクラッチCmおよびアシストクラッチCaは、それらが共に係合する状態と、それらが共に係合解除する状態と、アシストクラッチCaが係合してメインクラッチCmが係合解除する状態とを切換可能であり、メインクラッチCmが係合してアシストクラッチCaが係合解除する状態は発生しない。
メインシャフト11の他端側には、インナーシャフト13および第3アウターシャフト14Cを接続するダブルピニオン型の遊星歯車機構Pが配置される。遊星歯車機構Pは、インナーシャフト13に固設されたサンギヤ16と、ケーシング17に固設されたキャリヤ18と、第5アウターシャフト14Eにワンウェイクラッチ19を介して接続されたリングギヤ20と、キャリヤ18に回転自在に支持されてサンギヤ16に噛合する複数のインナーピニオン21…と、キャリヤ18に回転自在に支持されてインナーピニオン21…およびリングギヤ20に同時に噛合する複数のアウターピニオン22…とを備える。遊星歯車機構Pは、インナーシャフト13および第3アウターシャフト14Cが同方向に回転するように接続し、かつインナーシャフト13の回転数に対して第3アウターシャフト14Cの回転数が僅かに低くなるように(例えば、1.00回転:0.99回転)に接続する。
ワンウェイクラッチ19は、遊星歯車機構Pに接続されたアウターレース側の回転数が、第3アウターシャフト14Cに接続されたインナーレース側の回転数を上回った場合に係合し、それ以外の場合に係合解除する。従って、インナーシャフト13および第3アウターシャフト14Cが同速度で回転する場合には、アウターレース側の回転数が遊星歯車機構Pで減速されるため、アウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数以下になってワンウェイクラッチ19が係合解除する。またインナーシャフト13が回転して第3アウターシャフト14Cが停止する場合には、アウターレース側の回転数が遊星歯車機構Pで減速されてもインナーレース側が停止しているため、ワンウェイクラッチ19が係合する。第3アウターシャフト14Cが回転してインナーシャフト13が停止するとワンウェイクラッチ19は係合解除するが、本実施の形態ではそのような状況は発生しない。
第3アウターシャフト14Cに1速ドライブギヤ31が固設され、第2アウターシャフト14Bに2速ドライブギヤ32が相対回転自在に支持され、第1アウターシャフト14Aに3速ドライブギヤ33および4速ドライブギヤ34が相対回転自在に支持される。
カウンタシャフト12に1速ドライブギヤ31に噛合する1速ドリブンギヤ37が相対回転自在に支持されるとともに、2速ドライブギヤ32に噛合する2速ドリブンギヤ38、3速ドライブギヤ33に噛合する3速ドリブンギヤ39、4速ドライブギヤ34に噛合する4速ドリブンギヤ40が固設される。
カウンタシャフト12に固設したファイナルドライブギヤ43がディファレンシャルギヤDのケースに固設したファイナルドリブンギヤ44に噛合し、ディファレンシャルギヤDから左右に延びるドライブシャフト45,45に左右の駆動輪W,Wが接続される。
図30および図31から明らかなように、1速スリーブS1は1速ドリブンギヤ37をカウンタシャフト12に結合可能であり(図30参照)、3速−4速間スリーブS34は3速ドライブギヤ33あるいは4速ドライブギヤ34を第1アウターシャフト14Aに結合可能である。1速スリーブS1および3速−4速間スリーブS34は、何れもシンクロメッシュ機能を持つ周知のスリーブで構成される。
第3アウターシャフト14Cおよび第2アウターシャフト14Bの間には1速−2速間スリーブD12が配置され、第2アウターシャフト14Bおよび第1アウターシャフト14Aの間には2速−3速間スリーブDS23が配置される。二つの状態を切り換え可能な2ウエイ機能を有する1速−2速間スリーブD12は、ドグクラッチの機能を持つスリーブで構成され、また三つの状態を切り換え可能な3ウエイ機能を有する2速−3速間スリーブDS23は、ドグクラッチの機能およびシンクロメッシュ機能を併せ持つスリーブで構成される。
図31および図32に示すように、1速−2速間スリーブD12は、第1内スプライン51aおよび第2内スプライン51bが形成されたスリーブ51を備えており、第1、第2内スプライン51a,51bは第3アウターシャフト14Cおよび第2アウターシャフト14Bにそれぞれ形成した外スプライン52,53に係合可能である。またスリーブ53の右側の端面にはドグ孔51cが形成され、2速ドライブギヤ32の左側の端面には前記ドグ孔51cが係合可能なドグ54が形成される。
従って、図32(A)に示すスリーブ51の左動状態では、第1内スプライン51aと外スプライン52とが係合し、かつ第2内スプライン51bと外スプライン53とが係合することで、第3アウターシャフト14Cおよび第2アウターシャフト14Bがスリーブ51によって結合されるとともに、ドグ54がドグ孔51cから外れることで、2速ドライブギヤ32が第3アウターシャフト14Cから分離される。
図32(B)に示すスリーブ53の右動状態では、第2内スプライン51bと外スプライン53との係合が外れることで、第3アウターシャフト14Cおよび第2アウターシャフト14Bが分離され、ドグ54がドグ孔51cに係合することで、2速ドライブギヤ32が第3アウターシャフト14Cに結合される。
図31および図33に示すように、2速−3速間スリーブDS23は、第1内スプライン55aおよび第2内スプライン55bが形成されたスリーブ55を備えており、第1、第2内スプライン55a,55bは第2アウターシャフト14Bおよび第1アウターシャフト14Aにそれぞれ形成した外スプライン56,57に係合可能である。またスリーブ55の右側の端面にはドグ孔55cが形成され、3速ドライブギヤ33の左側の端面には前記ドグ孔55cが係合可能なドグ58が形成される。
2速ドライブギヤ32とスリーブ55との間には、第2アウターシャフト14Bの外周に相対回転自在に支持されたシンクロハブ59が配置されるとともに、シンクロハブ59と2速ドライブギヤ32との間にはブロッキングリング60が配置される。スリーブ55に形成された第3内スプライン55dは、シンクロハブ59に形成された外スプライン61と、ブロッキングリング60に形成されたドグ62と、2速ドライブギヤ32に形成されたドグ63とに係合可能である。
従って、図34(A)に示すスリーブ55の左動状態では、第2内スプライン55bが外スプライン57に係合したまま第1内スプライン55aと外スプライン56との係合が外れることで、第2アウターシャフト14Bおよび第1アウターシャフト14Aが分離されるとともに、第3内スプライン55dがブロッキングリング60のドグ62および2速ドライブギヤ32のドグ63に係合することで、2速ドライブギヤ32が第1アウターシャフト14Aに結合される。
図34(B)に示すスリーブ55の中立状態では、第1、第2内スプライン55a,55bがそれぞれ外スプライン56および外スプライン57に係合することで、第2アウターシャフト14Bおよび第1アウターシャフト14Aが結合されるとともに、第3内スプライン55dがブロッキングリング60のドグ62および2速ドライブギヤ32のドグ63から離脱することで、2速ドライブギヤ32が第1アウターシャフト14Aから分離される。
図34(C)に示すスリーブ55の右動状態では、第1内スプライン55aが外スプライン56に係合したまま第2内スプライン55bと外スプライン57との係合が外れることで、第2アウターシャフト14Bおよび第1アウターシャフト14Aが分離されるとともに、ドグ孔55cが3速ドライブギヤ33のドグ58に係合することで、3速ドライブギヤ33が第2アウターシャフト14Bに結合される。
次に、図35〜図49に基づいてトランスミッションTの変速時の作用を説明する。
本実施の形態のトランスミッションTは変速時にトルク伝達が一時的に途絶えるトルク抜けを解消する機能を有するものである。各変速段が確立している間は、エンジンEのトルクはメインクラッチCmから第1〜第3アウターシャフト14A〜14Cを介して駆動輪W,Wに伝達されるが、メインクラッチCmが係合解除してトルク伝達が途絶える変速中は、エンジンEのトルクがアシストクラッチCa、インナーシャフト13および第1〜第3アウターシャフト14A〜14Cの一部を介して駆動輪W,Wに伝達されることで、変速中のトルク抜けを防止することができる。
図35は、図36、図38、図40…図48の作用説明図で使用されるトランスミッションTの動力伝達経路を模式的に示すもので、メインクラッチCm、アシストクラッチCa、ワンウェイクラッチ19が黒く塗り潰されているときは係合状態にあり、白抜きになっているときは非係合状態にあることを示している。また1速スリーブS1、1速−2速間スリーブD12、2速−3速間スリーブDS23、3速−4速間スリーブS34が実線で描かれているときには動力伝達可能に接続された状態にあり、破線で描かれているときには動力伝達不能に切り離された状態にあることを示している。
図37、図39、図41…図49はメインクラッチCm、アシストクラッチCaおよび各スリーブの係合表であり、ステップ(a)〜ステップ(f)は変速過程の各ステップを示し、○印は当該ステップでの各スリーブの位置を示し、右向きおよび左向きの矢印は当該ステップでの各スリーブの移動方向を示している。
ニュートラル→1速変速段のインギヤ時の作用](図36および図37参照)
図36(A)に示すように、ニュートラル時には、1速スリーブS1は右動状態にあって1速ドリブンギヤ37をカウンタシャフト12から分離し、1速−2速間スリーブD12は左動状態にあって第3アウターシャフト14Cおよび第2アウターシャフト14Bを結合し、2速−3速間スリーブDS23は中立状態にあって第2アウターシャフト14Bおよび第1アウターシャフト14Aを結合している。この状態からメインクラッチCmおよびアシストクラッチCaは共に係合解除した後に(ステップ(a)参照)、図36(B)に示すように、1速スリーブS1を左動して左動状態にすることで(ステップ(b)参照)、1速ドリブンギヤ37をカウンタシャフト12に結合する。
続いて、図36(C)に示すように、メインクラッチCmおよびアシストクラッチCaは共に係合すると(ステップ(c)参照)、エンジンEのトルクはメインクラッチCmから第1〜第3アウターシャフト14A〜14C→1速ドライブギヤ31→1速ドリブンギヤ37→1速スリーブS1の経路でカウンタシャフト12に伝達され、更にカウンタシャフト12→ファイナルドライブギヤ43→ファイナルドリブンギヤ44→ディファレンシャルギヤD→ドライブシャフト45,45の経路で左右の駆動輪W,Wに伝達されるようになり、1速変速段が確立する。このとき、エンジンEのトルクはアシストクラッチCaからインナーシャフト13および遊星歯車機構Pを介してワンウェイクラッチ19に伝達されるが、インナーレース側の回転数がアウターレース側の回転数を上回ることでワンウェイクラッチ19は係合解除してトルク伝達が遮断される。
1速変速段→2速変速段のシフトアップ時の作用](図38および図39参照)
図38(A)に示す1速変速段の確立状態から、図38(B)に示すように、メインクラッチCmを係合解除すると(ステップ(a)参照)、第1〜第3アウターシャフト14A〜14Cに対するトルク伝達が遮断されるため、アウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数を上回ることでワンウェイクラッチ19が係合し、エンジンEのトルクがアシストクラッチCa→インナーシャフト13→遊星歯車機構P→ワンウェイクラッチ19→第3アウターシャフト14C→1速ドライブギヤ31→1速ドリブンギヤ37→1速スリーブS1の経路でカウンタシャフト12に伝達されるようになり、メインクラッチCm側からのトルク伝達が遮断されても、アシストクラッチCa側からのトルク伝達を継続して変速中のトルク抜けを防止することができる。このとき、アシストクラッチCa側から伝達される回転数は遊星歯車機構Pで1%ほど減速されるが、その量は微小であるために乗員によって体感されることはない。
続いて、図38(C)に示すように、トルク循環を防止するために2速−3速間スリーブDS23を左動して左動状態にすることで、第2アウターシャフト14Bおよび第1アウターシャフト14Aを切り離すとともに、2速ドライブギヤ32を第1アウターシャフト14Aに結合する(ステップ(b)参照)。その間も、アシストクラッチCa側から伝達されるトルクでトルク抜けは防止されている。
続いて、図38(D)に示すように、メインクラッチCmを係合する(ステップ(c)参照)。その結果、エンジンEのトルクはメインクラッチCmから第1アウターシャフト14A→2速−3速間スリーブDS23→2速ドライブギヤ32→2速ドリブンギヤ38の経路でカウンタシャフト12に伝達され、2速変速段が確立する。このとき、エンジンEのトルクはアシストクラッチCaからインナーシャフト13および遊星歯車機構Pを介してワンウェイクラッチ19に伝達されるが、インナーレース側の回転数がアウターレース側の回転数を上回ることで、ワンウェイクラッチ19は係合解除してトルク伝達が遮断される。続いて、図38(E)に示すように、後処理として1速スリーブS1を右動して1速ドリブンギヤ37をカウンタシャフト12から切り離す(ステップ(d)参照)。
2速変速段→3速変速段のシフトアップ時の作用](図40および図41参照)
図40(A)に示す2速変速段の確立状態から、図40(B)に示すように、1速−2速間スリーブD12を右動して右動状態にすることで、第3アウターシャフト14Cを第2アウターシャフト14Bから切り離すとともに、2速ドライブギヤ32を第1アウターシャフト14Aに結合する(ステップ(a)参照)。続いて、図40(C)に示すように、メインクラッチCmを係合解除すると(ステップ(b)参照)、第1〜第3アウターシャフト14A〜14Cに対するトルク伝達が遮断されるため、アウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数を上回ることでワンウェイクラッチ19が係合し、エンジンEのトルクがアシストクラッチCa→インナーシャフト13→遊星歯車機構P→ワンウェイクラッチ19→第3アウターシャフト14C→1速−2速間スリーブD12→2速ドライブギヤ32および2速ドリブンギヤ38の経路でカウンタシャフト12に伝達されるようになり、メインクラッチCm側からのトルク伝達が遮断されても、アシストクラッチCa側からのトルク伝達を継続して変速中のトルク抜けを防止することができる。
続いて、図40(D)に示すように、トルク循環を防止するために2速−3速間スリーブDS23を右動して中立状態にすることで、第2アウターシャフト14Bおよび第1アウターシャフト14Aを結合するとともに、2速ドライブギヤ32を第1アウターシャフト14Aから切り離す(ステップ(c)参照)。その間も、アシストクラッチCa側から伝達されるトルクでトルク抜けは防止されている。
続いて、図40(E)に示すように、3速−4速間スリーブS34を左動して左動状態にすることで、3速ドライブギヤ33を第1アウターシャフト14Aに結合するした後(ステップ(d)参照)、図40(F)に示すように、メインクラッチCmを係合する(ステップ(e)参照)。その結果、エンジンEのトルクはメインクラッチCmから第1アウターシャフト14A→3速−4速間スリーブS34→3速ドライブギヤ33→3速ドリブンギヤ39の経路でカウンタシャフト12に伝達され、3速変速段が確立する。このとき、エンジンEのトルクはアシストクラッチCaからインナーシャフト13および遊星歯車機構Pを介してワンウェイクラッチ19に伝達されるが、インナーレース側の回転数がアウターレース側の回転数を上回ることで、ワンウェイクラッチ19は係合解除してトルク伝達が遮断される。続いて、図40(G)に示すように、後処理として1速−2速間スリーブD12を左動して左動状態にすることで2速ドライブギヤ32を第3アウターシャフト14Cから切り離すとともに、第3アウターシャフト14Cおよび第2アウターシャフト14Bを結合する(ステップ(f)参照)。
3速変速段→4速変速段のシフトアップ時の作用](図42および図43参照)
図42(A)に示す3速変速段の確立状態から、図42(B)に示すように、2速−3速間スリーブDS23を右動して右動状態にすることで、第2アウターシャフト14Bおよび第1アウターシャフト14Aを切り離すとともに、3速ドライブギヤ33を第2アウターシャフト14Bに結合する(ステップ(a)参照)。続いて、図42(C)に示すように、メインクラッチCmを係合解除すると(ステップ(b)参照)、第1〜第3アウターシャフト14A〜14Cに対するトルク伝達が遮断されるため、アウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数を上回ることでワンウェイクラッチ19が係合し、エンジンEのトルクがアシストクラッチCa→インナーシャフト13→遊星歯車機構P→ワンウェイクラッチ19→第3アウターシャフト14C→1速−2速間スリーブD12→第2アウターシャフト14B→2速−3速間スリーブDS23→3速ドライブギヤ33および3速ドリブンギヤ39の経路でカウンタシャフト12に伝達されるようになり、メインクラッチCm側からのトルク伝達が遮断されても、アシストクラッチCa側からのトルク伝達を継続して変速中のトルク抜けを防止することができる。
続いて、図42(D)に示すように、3速−4速間スリーブS34を左動状態から2段階右動して右動状態にすることで、3速ドライブギヤ33を第1アウターシャフト14Aから切り離して4速ドライブギヤ34を第1アウターシャフト14Aに結合する(ステップ(c)参照)。その間も、アシストクラッチCa側から伝達されるトルクでトルク抜けは防止されている。
続いて、図42(E)に示すように、メインクラッチCmを係合する(ステップ(d)参照)。その結果、エンジンEのトルクはメインクラッチCmから第1アウターシャフト14A→3速−4速間スリーブS34→4速ドライブギヤ34→4速ドリブンギヤ40の経路でカウンタシャフト12に伝達され、4速変速段が確立する。このとき、エンジンEのトルクはアシストクラッチCaからインナーシャフト13および遊星歯車機構Pを介してワンウェイクラッチ19に伝達されるが、インナーレース側の回転数がアウターレース側の回転数を上回ることで、ワンウェイクラッチ19は係合解除してトルク伝達が遮断される。
続いて、図42(F)に示すように、後処理として2速−3速間スリーブDS23を左動して中立状態にすることで、3速ドライブギヤ33を第2アウターシャフト14Bから切り離すとともに、第2アウターシャフト14Bおよび第1アウターシャフト14Aを結合する(ステップ(e)参照)。
4速変速段→3速変速段のシフトダウン時の作用](図44および図45参照)
図44(A)に示す4速変速段の確立状態から、図44(B)に示すように、トルク循環を防止するために2速−3速間スリーブDS23を右動して右動状態にすることで、3速ドライブギヤ33を第2アウターシャフト14Bに結合するとともに、第2アウターシャフト14Bおよび第1アウターシャフト14Aを切り離す(ステップ(a)参照)。続いて、図44(C)に示すように、メインクラッチCmを係合解除すると(ステップ(b)参照)、第1〜第3アウターシャフト14A〜14Cに対するトルク伝達が遮断されるため、アウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数を上回ることでワンウェイクラッチ19が係合し、エンジンEのトルクがアシストクラッチCa→インナーシャフト13→遊星歯車機構P→ワンウェイクラッチ19→第3アウターシャフト14C→1速−2速間スリーブD12→第2アウターシャフト14B→2速−3速間スリーブDS23→3速ドライブギヤ33および3速ドリブンギヤ39の経路でカウンタシャフト12に伝達されるようになり、メインクラッチCm側からのトルク伝達が遮断されても、アシストクラッチCa側からのトルク伝達を継続して変速中のトルク抜けを防止することができる。
続いて、図44(D)に示すように、3速−4速間スリーブS34を右動状態から2段階左動して左動状態にすることで、4速ドライブギヤ34を第1アウターシャフト14Aから切り離して3速ドライブギヤ33を第1アウターシャフト14Aに結合する(ステップ(c)参照)。その間も、アシストクラッチCa側から伝達されるトルクでトルク抜けは防止されている。
続いて、図44(E)に示すように、メインクラッチCmを係合する(ステップ(d)参照)。その結果、エンジンEのトルクはメインクラッチCmから第1アウターシャフト14A→3速−4速間スリーブS34→3速ドライブギヤ33→3速ドリブンギヤ39の経路でカウンタシャフト12に伝達され、3速変速段が確立する。このとき、エンジンEのトルクはアシストクラッチCaからインナーシャフト13および遊星歯車機構Pを介してワンウェイクラッチ19に伝達されるが、インナーレース側の回転数がアウターレース側の回転数を上回ることで、ワンウェイクラッチ19は係合解除してトルク伝達が遮断される。
続いて、図44(F)に示すように、後処理として2速−3速間スリーブDS23を左動して中立状態にすることで、3速ドライブギヤ33を第2アウターシャフト14Bから切り離すとともに、第2アウターシャフト14Bおよび第1アウターシャフト14Aを結合する(ステップ(e)参照)。
3速変速段→2速変速段のシフトダウン時の作用](図46および図47参照)
図46(A)に示す3速変速段の確立状態から、図46(B)に示すように、トルク循環を防止するために1速−2速間スリーブD12を右動して右動状態にすることで、2速ドライブギヤ32を第3アウターシャフト14Cに結合するとともに、第3アウターシャフト14Cおよび第2アウターシャフト14Bを切り離す(ステップ(a)参照)。続いて、図46(C)に示すように、メインクラッチCmを係合解除すると(ステップ(b)参照)、第1〜第3アウターシャフト14A〜14Cに対するトルク伝達が遮断されるため、アウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数を上回ることでワンウェイクラッチ19が係合し、エンジンEのトルクがアシストクラッチCa→インナーシャフト13→遊星歯車機構P→ワンウェイクラッチ19→第3アウターシャフト14C→1速−2速間スリーブD12→2速ドライブギヤ32および2速ドリブンギヤ38の経路でカウンタシャフト12に伝達されるようになり、メインクラッチCm側からのトルク伝達が遮断されても、アシストクラッチCa側からのトルク伝達を継続して変速中のトルク抜けを防止することができる。
続いて、図46(D)に示すように、3速−4速間スリーブS34を右動して中立状態にすることで、3速ドライブギヤ33を第1アウターシャフト14Aから切り離すとともに(ステップ(c)参照)、図46(E)に示すように、2速−3速間スリーブDS23左動して左動状態にすることで第2アウターシャフト14Bおよび第1アウターシャフト14Aを切り離すとともに、2速ドライブギヤ32を第1アウターシャフト14Aに結合する(ステップ(d)参照)。その間も、アシストクラッチCa側から伝達されるトルクでトルク抜けは防止されている。
続いて、図46(F)に示すように、メインクラッチCmを係合する(ステップ(e)参照)。その結果、エンジンEのトルクはメインクラッチCmから第1アウターシャフト14A→2速−3速間スリーブDS23→2速ドライブギヤ32→2速ドリブンギヤ38の経路でカウンタシャフト12に伝達され、2速変速段が確立する。このとき、エンジンEのトルクはアシストクラッチCaからインナーシャフト13および遊星歯車機構Pを介してワンウェイクラッチ19に伝達されるが、インナーレース側の回転数がアウターレース側の回転数を上回ることで、ワンウェイクラッチ19は係合解除してトルク伝達が遮断される。
続いて、図46(G)に示すように、後処理として1速−2速間スリーブD12を左動して左動状態にすることで、2速ドライブギヤ32を第3アウターシャフト14Cから切り離すとともに、第3アウターシャフト14Cおよび第2アウターシャフト14Bを結合する(ステップ(f)参照)。
2速変速段→1速変速段のシフトダウン時の作用](図48および図49参照)
図48(A)に示す2速変速段の確立状態から、図48(B)に示すように、1速スリーブS1を左動して左動状態にすることで、1速ドリブンギヤ37をカウンタシャフト12に結合する(ステップ(a)参照)。続いて、図48(C)に示すように、メインクラッチCmを係合解除すると(ステップ(b)参照)、第1〜第3アウターシャフト14A〜14Cに対するトルク伝達が遮断されるため、アウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数を上回ることでワンウェイクラッチ19が係合し、エンジンEのトルクがアシストクラッチCa→インナーシャフト13→遊星歯車機構P→ワンウェイクラッチ19→第3アウターシャフト14C→1速ドライブギヤ31→1速ドリブンギヤ37および1速スリーブS1の経路でカウンタシャフト12に伝達されるようになり、メインクラッチCm側からのトルク伝達が遮断されても、アシストクラッチCa側からのトルク伝達を継続して変速中のトルク抜けを防止することができる。
続いて、図48(D)に示すように、2速−3速間スリーブDS23を右動して中立状態にすることで、2速ドライブギヤ32を第1アウターシャフト14Aから切り離すとともに、第2アウターシャフト14Bおよび第1アウターシャフト14Aを結合する(ステップ(c)参照)。その間も、アシストクラッチCa側から伝達されるトルクでトルク抜けは防止されている。
続いて、図48(E)に示すように、メインクラッチCmを係合する(ステップ(d)参照)。その結果、エンジンEのトルクはメインクラッチCmから第1アウターシャフト14A→2速−3速間スリーブDS23→第2アウターシャフト14B→1速−2速間スリーブD12→第3アウターシャフト14C→1速ドライブギヤ31→1速ドリブンギヤ37→1速スリーブS1の経路でカウンタシャフト12に伝達され、1速変速段が確立する。このとき、エンジンEのトルクはアシストクラッチCaからインナーシャフト13および遊星歯車機構Pを介してワンウェイクラッチ19に伝達されるが、インナーレース側の回転数がアウターレース側の回転数を上回ることで、ワンウェイクラッチ19は係合解除してトルク伝達が遮断される。
尚、1速変速段からニュートラルに変速するには、図48(E)の状態から、1速スリーブS1を左動して1速ドリブンギヤ37をカウンタシャフト12から切り離すだけで良い。ニュートラルになったとき、メインクラッチCmおよびアシストクラッチCaは係合状態にしても係合解除状態にしても良く、それはクラッチアクチュエータの特性(ノーマルオープンあるいはノーマルクローズ)により適宜設定される。
以上のように、本第2の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。しかも、第2の実施の形態のトランスミッションTは、通常のAMTの機能しか持たない変速段がないため、全ての変速段間の変速においてトルク抜けを防止することができる。
次に、図50〜図53に基づいて本発明の第3の実施の形態を説明する。
図50に示すように、第3の実施の形態は本発明を電気自動車に適用したもので、前進2段のトランスミッションTは、走行用の駆動源であるモータ・ジェネレータMの回転軸71にメインクラッチCmを介して接続された第1アウターシャフト14Aおよび第2アウターシャフト14Bよりなるメインシャフト11と、モータ・ジェネレータMの回転軸71に直結されたインナーシャフト13とを備えており、第2アウターシャフト14Bに固設した1速ドライブギヤ31がカウンタシャフト12に固設した1速ドリブンギヤ37に噛合し、第1アウターシャフト14Aに相対回転自在に支持した2速ドライブギヤ32がカウンタシャフト12に固設した2速ドリブンギヤ38に噛合する。
第1アウターシャフト14Aにはシンクロメッシュ機構よりなる1速−2速間スリーブS12が設けられており、この1速−2速間スリーブS12中立状態にすると1速ドライブギヤ31および2速ドライブギヤ32が第1アウターシャフト14Aから切り離され、左動状態にすると1速ドライブギヤ31および第2アウターシャフト14Bが第1アウターシャフト14Aに結合され、右動状態にすると2速ドライブギヤ32が第1アウターシャフト14Aに結合される。カウンタシャフト12から駆動輪W,Wまでの動力伝達経路は、第1、第2の実施の形態のものと同じである。
メインシャフト11のモータ・ジェネレータMと反対側の軸端に設けられるタンデム型の遊星歯車機構Pは、ケーシング17に固定された共通のキャリヤ72を備えており、キャリヤ72には小径の第1ピニオン73…および大径の第2ピニオン74…が回転自在に支持される。第1ピニオン73…は第2アウターシャフト14Bに固設した大径の第1サンギヤ75とリングギヤ76とに噛合し、第2ピニオン74…は小径の第2サンギヤ77と前記リングギヤ76とに噛合する。そしてインナーシャフト13と第2サンギヤ77との間にワンウエイクラッチ19が配置される。
遊星歯車機構Pの各ギヤの歯数は、エンジンEから第2サンギヤ77に入力された回転が、回転数を僅かに減少させて第1サンギヤ75に伝達するように設定されている。モータ・ジェネレータMの回転軸71の回転がメインクラッチCm→第1アウターシャフト14A→1速−2速間スリーブS→1速ドライブギヤ31→第2アウターシャフト14B→第1サンギヤ75→キャリヤ72の経路で第2サンギヤ77に伝達されたとき、その第2サンギヤ77の回転数は、モータ・ジェネレータMの回転軸71に直結されたインナーシャフト13の回転数よりも僅かに高くなる。このとき、ワンウエイクラッチ19はスリップし、ワンウエイクラッチ19のアウターレース側の第2サンギヤ77と、ワンウエイクラッチ19のインナーレース側のインナーシャフト13との差回転を吸収する。
メインクラッチCmが係合解除してモータ・ジェネレータMが第1アウターシャフト14Aから切り離されると、第2サンギヤ77の回転数が低下してインナーシャフト13の回転数を下まわることで、ワンウエイクラッチ19が係合してインナーシャフト13の回転が第2サンギヤ77に伝達され、遊星歯車機構Pで僅かに減速されて第2アウターシャフト14B側に出力される。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用について説明する。
1速変速段→2速変速段のシフトアップ時の作用](図51参照)
図51(A)に示すように、1速変速段が確立して車両が前進走行しているとき、モータ・ジェネレータMは正転し、メインクラッチCmは係合し、1速−2速間スリーブS12は左動状態にあって1速ドライブギヤ31を第1アウターシャフト14Aに結合している。従って、モータ・ジェネレータMのトルクはメインクラッチCm→第1アウターシャフト14A→1速−2速間スリーブS12→1速ドライブギヤ31→1速ドリブンギヤ37→カウンタシャフト12→ファイナルドライブギヤ43→ファイナルドリブンギヤ44→ディファレンシャルギヤD→ドライブシャフト45,45の経路で左右の駆動輪W,Wに伝達される。このとき、モータ・ジェネレータMのトルクはインナーシャフト13からワンウェイクラッチ19のインナーレース側に伝達されるが、遊星歯車機構Pの増速作用でアウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数よりも高くなるため、ワンウェイクラッチ19は係合解除してインターロックの発生が防止される。
続いて、図51(B)に示すように、メインクラッチCmを係合解除すると、モータ・ジェネレータMと第1アウターシャフト14Aとの連結が遮断されるため、ワンウェイクラッチ19のアウターレース側の回転数が、モータ・ジェネレータMの回転がインナーシャフト13を介して直接伝達されるインナーレース側の回転数を下回り、ワンウェイクラッチ19が係合する。その結果、モータ・ジェネレータMのトルクはインナーシャフト13→ワンウェイクラッチ19→遊星歯車機構P→第2アウターシャフト14B→1速ドライブギヤ31→1速ドリブンギヤ37の経路でカウンタシャフト12に伝達され、変速中のトルク抜けが防止される。
このようにしてインナーシャフト13から伝達されるアシストトルクで変速中のトルク抜けを防止している間に、図51(C)に示すように、1速−2速間スリーブS12を右動して2速ドライブギヤ32を第1アウターシャフト14Aに結合しておく。そして、図51(D)に示すように、メインクラッチCmを係合すると、モータ・ジェネレータMのトルクはメインクラッチCm→第1アウターシャフト14A→1速−2速間スリーブS12→2速ドライブギヤ32→2速ドリブンギヤ38の経路でカウンタシャフト12に伝達され、2速変速段へのシフトアップが完了する。2速変速段の確立中に、1速ドリブンギヤ37から1速ドライブギヤ31および遊星歯車機構Pを介してワンウェイクラッチ19のアウターレース側に回転が伝達されるが、1速変速段および2速変速段のレシオ差と遊星歯車機構Pの増速作用とによってワンウェイクラッチ19のアウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数を上回ることで、ワンウェイクラッチ19は係合解除してインターロックの発生が防止される。
2速変速段→1速変速段のシフトダウン時の作用](図52参照)
2速変速段が確立して車両が前進走行している図52(A)の状態から、図52(B)に示すように、メインクラッチCmを係合解除してモータ・ジェネレータMと第1アウターシャフト14Aとの連結を遮断すると、ワンウェイクラッチ19のアウターレース側の回転数が、モータ・ジェネレータMの回転がインナーシャフト13を介して直接伝達されるワンウェイクラッチ19のインナーレース側の回転数を下回り、ワンウェイクラッチ19が係合する。その結果、モータ・ジェネレータMのトルクはインナーシャフト13→ワンウェイクラッチ19→遊星歯車機構P→第2アウターシャフト14B→1速ドライブギヤ31→1速ドリブンギヤ37の経路でカウンタシャフト12に伝達され、変速中のトルク抜けが防止される。
このようにしてインナーシャフト13から伝達されるアシストトルクで変速中のトルク抜けを防止している間に、図52(C)に示すように、1速−2速間スリーブS12を左動して1速ドライブギヤ31を第2アウターシャフト14Bに結合しておく。そして、図52(D)に示すように、メインクラッチCmを係合すると、モータ・ジェネレータMのトルクはメインクラッチCm→第1アウターシャフト14A→1速−2速間スリーブS12→1速ドライブギヤ31→1速ドリブンギヤ37の経路でカウンタシャフト12に伝達され、1速変速段へのシフトダウンが完了する。1速変速段の確立中に、モータ・ジェネレータMの回転は第2アウターシャフト14Bから遊星歯車機構Pを介してワンウェイクラッチ19のアウターレース側に回転が伝達されるが、遊星歯車機構Pの増速作用によってワンウェイクラッチ19のアウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数を上回ることで、ワンウェイクラッチ19は係合解除してインターロックの発生が防止される。
ニュートラル→リバース変速段のシフト時の作用](図53参照)
図53(A)に示すように、ニュートラル時には、1速−2速間スリーブS12は中立状態にあって1速ドライブギヤ31、2速ドライブギヤ32および第2アウターシャフト14Bは第1アウターシャフト14Aから切り離され、メインクラッチCmは係合し、モータ・ジェネレータMは停止している。この状態から、図53(B)に示すように、1速−2速間スリーブS12を左動状態にして1速ドライブギヤ31を第1アウターシャフト14Aに結合する。続いて、図53(C)に示すように、モータ・ジェネレータMを逆転駆動すると、モータ・ジェネレータMのトルクはメインクラッチCm→第1アウターシャフト14A→1速−2速間スリーブS12→1速ドライブギヤ31→1速ドリブンギヤ37の経路でカウンタシャフト12に逆回転で伝達され、リバース変速段へのシフトが完了する。リバース変速段の動力伝達経路は、1速変速段の動力伝達経路と同じであるが、モータ・ジェネレータMの回転方向だけが異なっている。
このとき、1速変速段の確立時と同様に、モータ・ジェネレータMの回転はインナーシャフト13からワンウェイクラッチ19のインナーレース側に伝達され、遊星歯車機構Pの増速作用でアウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数よりも高くなるが、モータ・ジェネレータMの回転方向が逆方向であるため、ワンウェイクラッチ19が係合してインターロックが発生する可能性がある。しかしながら、本実施の形態のワンウェイクラッチ19は、アウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数よりも高くなれば、回転方向が何れの場合であっても係合解除するため、インターロックが発生することはない。
以上のように、本実施の形態によっても、上述した第1の実施の形態と同様に変速中のトルク抜けを防止してドライブフィールを高めることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態ではアシスト機構の動力源としてエンジンEを用いているが、エンジンE以外に電動モータ等の任意の動力源を用いることができる。但し、エンジンEのトルクをアシストトルクとして使用することで、電動モータ等の他の動力源が不要になるだけでなく、エンジンEのトルクをトランスミッションTで変速してアシストトルクとして出力することで、アシストトルクを大きさを適切に制御してドライブフィールを更に高めることができる。
12 カウンタシャフト(出力軸)
13 インナーシャフト(第2入力軸)
14A 第1アウターシャフト(第1入力軸)
14B 第2アウターシャフト(第1入力軸)
14C 第3アウターシャフト(第1入力軸)
14D 第4アウターシャフト(第1入力軸)
14E 第5アウターシャフト(第1入力軸)
19 ワンウェイクラッチ
32 2速ドライブギヤ(変速ギヤ)
33 3速ドライブギヤ(変速ギヤ)
34 4速ドライブギヤ(変速ギヤ)
35 5速ドライブギヤ(変速ギヤ)
36 6速ドライブギヤ(変速ギヤ)
Ca アシストクラッチ(第2クラッチ)
Cm メインクラッチ(第1クラッチ)
D12 1速−2速間スリーブ(第2噛合切換機構)
D23 2速−3速間スリーブ(第2噛合切換機構)
D34 3速−4速間スリーブ(第2噛合切換機構)
D45 4速−5速間スリーブ(第2噛合切換機構)
DS23 2速−3速間スリーブ(第2噛合切換機構)
E エンジン(原動機)
P 遊星歯車機構(伝動機構)
M モータ・ジェネレータ(原動機)
S12 1速−2速間スリーブ(第1噛合切換機構)
S2 2速スリーブ(第1噛合切換機構)
S3 3速スリーブ(第1噛合切換機構)
S34 3速−4速間スリーブ(第1噛合切換機構)
S4 4速スリーブ(第1噛合切換機構)
S56 5速−6速間スリーブ(第1噛合切換機構)

Claims (5)

  1. 複数の第1入力軸(14A〜14E)を直列に配置した第1入力軸(14A〜14E)群と、
    前記第1入力軸(14A〜14E)群と平行に配置した出力軸(12)と、
    原動機(E,M)のトルクを前記第1入力軸(14A〜14E)群に伝達する第1クラッチ(Cm)と、
    前記複数の第1入力軸(14A〜14E)の何れかにトルク抜けを防止するためのアシストトルクを伝達するアシスト機構と、
    前記複数の第1入力軸(14A〜14E)に相対回転可能に支持されて所定の変速段を確立する複数の変速ギヤ(32〜36)と、
    前記複数の変速ギヤ(32〜36)を前記複数の第1入力軸(14A〜14E)に結合可能な第1噛合切換機構(S2〜S56;S34;S12)とを備えることを特徴とする変速機。
  2. 前記複数の第1入力軸(14A〜14E)どうしを結合可能な第2噛合切換機構(D12,D23,D34,D45;DS23)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の変速機。
  3. 前記アシスト機構は、
    前記第1入力軸(14A〜14E)群の内部に同軸に配置した第2入力軸(13)と、 前記原動機(E,M)のトルクを前記第2入力軸(13)に伝達する第2クラッチ(Ca)と、
    前記第2入力軸(13)のトルクを前記第1入力軸(14A〜14E)群に伝達する伝動機構(P)およびワンウェイクラッチ(19)とを備え、
    前記ワンウェイクラッチ(19)は前記第1入力軸(14A〜14E)群の回転数が前記第2入力軸(12)の回転数を下回ったときに係合することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の変速機。
  4. 前記伝動機構(P)は、前記第2入力軸(13)の回転数を減速して前記第1入力軸(14A〜14E)群に伝達することを特徴とする、請求項3に記載の変速機。
  5. 前記第2噛合切換機構(D12,D23,D34,D45;DS23)は、前記複数の第1入力軸(14A〜14E)どうしの結合を解除する第1位置と、前記複数の第1入力軸(14A〜14E)どうしを結合するとともに該第1入力軸(14A〜14E)に前記変速ギヤ(32〜36)を結合する第2位置とを切換可能であることを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の変速機。
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