JPH0679866B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JPH0679866B2
JPH0679866B2 JP59105777A JP10577784A JPH0679866B2 JP H0679866 B2 JPH0679866 B2 JP H0679866B2 JP 59105777 A JP59105777 A JP 59105777A JP 10577784 A JP10577784 A JP 10577784A JP H0679866 B2 JPH0679866 B2 JP H0679866B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は感熱記録材料に関し、更に詳しくは、常温にお
いて無色又はやや淡色のロイコ染料と、該ロイコ染料と
熱時反応して発色せしめる顕色剤とを主成分として含有
する感熱発色層を支持体上に設けた感熱記録材料の改良
に関する。
〔従来技術〕
最近、情報の多様化並びに増大、省資源、無公害化等の
社会の要請に伴って情報記録分野においても種々の記録
材料が研究・開発され実用に供されているが、中でも感
熱記録材料は、(1)単に加熱するだけで発色画像が記
録され煩雑な現像工程が不要であること、(2)比較的
簡単でコンパクトな装置を用いて製造できること、更に
得られた記録材料の取扱いが容易で維持費が安価である
こと、(3)支持体として紙が用いられる場合が多く、
この際には支持体コストが安価であるのみでなく、得ら
れた記録材料の感触も普通紙に近いこと等の利点故に、
コンピューターのアウトプット、電卓等のプリンター分
野、医療計測用のレコーダー分野、低並びに高速ファク
シミリ分野、自動券売機分野、感熱複写分野等において
広く用いられている。
上記感熱記録材料は、通常、紙、合成紙又は合成樹脂フ
ィルム等の支持体上に、加熱によって発色反応を起し得
る発色成分含有の感熱発色層液を塗布・乾燥することに
より製造されており、このようにして得られた感熱記録
材料は熱ペン又は熱ヘッドで加熱することにより発色画
像が記録される。このような感熱記録材料の従来例とし
ては、例えば特公昭43−4160号公報又は特公昭45−1403
9号公報開示の感熱記録材料が挙げられるが、このよう
な従来の感熱記録材料は、例えば熱応答性が低く、高速
記録の際十分な発色濃度が得られなかった。そして、か
かる欠点を改善する方法として、例えば特開昭49−3842
4号公報にはアセトアミド、ステアロアミド、m−ニト
ロアニリン、フタル酸ジニトリル等の含窒素化合物を、
特開昭52−106746号公報にはアセト酢酸アニリドを、特
開昭53−11036号公報にはN,N−ジフェニルアミン誘導
体、ベンズアミド誘導体、カルバゾール誘導体を、特開
昭53−39139号公報には、アルキル化ビフェニル、ビフ
ェニルアルカンを、特開昭56−144193号公報にはp−オ
キシ安息香酸エステル誘導体を、それぞれ含有させるこ
とによって高速化、高感度化をはかる方法が開示されて
いて、なかでもp−オキシ安息香酸エステル誘導体を顕
色剤として用いるのが最も有効な方法として知られてい
た。
しかしながら、これらの諸種顕色剤は、記録画像が褪色
したり、また画像部が白化(表面に白粉が生ずる)した
りするという欠点を依然として有している。これらの問
題点を改善するものとして本発明者らは、下記一般式
(I)、(II′)で表わされるビスフェノール誘導体を
それぞれ少なくとも一種を顕色剤として用いることを特
徴とする感熱記録材料を提案した(特願昭58−39498
号)。
(式中、nは1又は2を表わす) (式中、Xはハロゲン、Yは−SO2−又は−C(CH3
−、mは1又は2を表わし、かつ左右のベンゼン環のX
はYに対して対称な位置に置換しているものとする) また、上記発明による感熱記録材料の改良のために、上
記一般式(I)で表わされるビスフェノール誘導体を顕
色剤として感熱発色層に用いるとともに、上記一般式
(II′)で表わされるビスフェノール誘導体をアンダー
コート層に含有させたことを特徴とする感熱記録材料
(特願昭58−230243号)及び上記一般式(I)、(I
I′)で表わされるビスフェノール誘導体の少なくとも
一種を顕色剤として感熱発色層に用いるとともに、下記
一般式(III′)で表わされるビスフェノール誘導体を
アンダーコート層に含有させたことを特徴とする感熱記
録材料(特願昭58−130611号)をも提案した。
(式中、Zは−S−、−C(CH3−、 を表わし、R1、R2、R3及びR4はH又はC1〜C4のアルキル
基を表わす) しかしながら、これらの発明による感熱記録材料につい
ては、例えば、特願昭58−39498号の場合においては、
前記一般式(II)のビスフェノール誘導体は、融点が高
いため、ロイコ染料に使用した場合には、使用量が多く
なる程発色感度を低下させるという欠点を生じる上、前
記顕色剤の水溶性を増大させるので、感熱塗布液のカブ
リが大きくなるという欠点を生じ、また特願昭58−2302
43号の場合においては、前記一般式(II)のビスフェノ
ール誘導体をアンダーコート層に使用したことにより、
感熱塗布液のカブリの欠点は改良されるものの、画像の
褪色防止効果に関してはわずかではあるが、劣化してし
まう。さらに、特願昭58−130611号の場合では、上記一
般式(III)で表わされるビスフェノール誘導体をアン
ダーコート層に含有させたことによって画像の白化防
止、褪色防止、高感度化については充分な品質を得るこ
とができるが、この場合の感熱記録材料は、その地肌の
白色度について依然として改善する余地のあるものであ
った。
〔目 的〕
本発明は、従来にない高感度で、しかも記録画像の褪
色、白化がなく、その上、地肌の白色度の高い感熱記録
材料を提供することを目的とする。
〔構 成〕
本発明によれば支持体上に、ロイコ染料と顕色剤を主成
分とする感熱発色層を設けた感熱記録材料において、該
顕色剤として下記一般式(I)及び(II)で表わされる
ビスフェノール誘導体をそれぞれ少なくとも一種を用い
ると共に、前記支持体と感熱発色層との間に、下記一般
式(III)で示されるビスフェノール誘導体と充填剤と
結合剤からなるアンダーコート層を設けたことを特徴と
する感熱記録材料が提供される。
(式中、nは1又は2を表わす) (式中、Xはハロゲン、mは1又は2を表わし、かつ左
右のベンゼン環のXは−C(CH3−に対して対称な
位置に置換しているものとする) (式中、Xはハロゲン、pは0〜2の整数を表わし、か
つ左右のベンゼン環のXは−SO2−に対して対称な位置
に置換しているもとする) 本発明で用いる一般式(III)のビスフェノール誘導体
は、感熱発色層中に含有させた場合には、若干の地肌カ
ブリを生じるという欠点があるが、アンダーコート層に
含有させた場合にはその欠点は解消され、しかも画像の
褪色防止には効果を有する。また、一般式(II)のビス
フェノール誘導体は、一般式(I)のビスフェノール化
合物と共融すると発色部での再結晶化を防止するため、
褪色や白化の現象を防止することができる。
すなわち、本発明によれば、従来の感熱記録材料と比較
して著しく高感度でありながらしかも記録画像の褪色、
白化がなく、地肌の白色度の高い感熱記録材料が得られ
る。
一般式(I)で表わされる化合物としては があげられる。
一般式(II)で表わされる化合物としては、例えば、式 で示される化合物等があげられる。
又、一般式(III)で表わされる化合物としては、例え
ば、 等があげられる。
本発明において用いられる一般式(I)で表わされる化
合物は、融点が100〜150℃であり、かつ顕色能が高いた
め、4,4′−イソプロピリデンジフェノール、4,4′−ブ
チリデンジフェノールのような従来の顕色剤に比較し熱
応答性が高く、また、発色画像の均一性も優れている。
一般式(II)で表わされる化合物は上記(I)式の顕色
性物質よりも融点は高いが、二種混合併用すると共融
し、(I)式の顕色性物質の発色部での再結晶化を防止
するため褪色、白化という現象を防止するものと考えら
れる。また一般に、顕色性物質を二種以上併用すると水
溶性が増大したり、共融温度が低くなりすぎたりして感
熱塗液のカブリが大きくなったり、保存時の地肌カブリ
が大きくなったりするが、上記(II)式で表わされる顕
色性物質は水溶性が低いのでそのような問題も生じな
い。
又、(III)式のビスフェノール誘導体は、(II)式の
ビスフェノール誘導体より顕色能が高いため感熱発色層
中に含有されると前記のような問題があるが、充填剤、
結合剤と共にアンダーコート層中に含有せしめることに
より、地肌のカブリもなく、かつ加熱時のみロイコ染料
及び一般式(I)、(II)、(III)の化合物が共融す
るため記録画像の褪色がさらに改善されるものと考えら
れる。さらに本発明の構成におけるアンダーコート層
は、原紙表面の凹凸を平滑化する機能を有しているた
め、上層の感熱発色層表面の凹凸を小さくすることがで
き、その結果感度が更に高められることになる。
本発明において、感熱発色層中に用いられる上記組み合
わせからなる顕色剤は、ロイコ染料1重量部に対して一
般に1〜10重量部、好ましくは2〜6重量部の範囲で用
いられる。また、一般式(I)で表わされる顕色性物質
と一般式(II)で表わされる顕色性物質との使用重量割
合は1:1〜10:1とするのがよく、好ましくは2:1〜5:1の
範囲がよい。
本発明の感熱記録材料においては、支持体表面と感熱発
色層との間に、前記一般式(III)で示される化合物と
充填剤と結合剤からなるアンダーコート層を設けるが、
この場合の充填剤としては、一般製紙用、塗工用に用い
られる無機、有機の顔料が任意に用いられ、具体的には
以下のようなものが挙げられる。
炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化亜鉛、水酸化
アルミニウム、シリカ、硅酸マグネシウム、ポリスチレ
ン樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等。
また、結合剤としては、一般に公知の水溶性高分子、水
性エマルジョンが用いられ、具体的には、例えば以下に
示すようなものが挙げられる。
ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、デンプン、デンプン誘導体、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレ
イン酸共重合体、ポリアミド、SBRラテックス、ポリス
チレン−アクリル酸エステルエマルジョン、ポリ酢酸ビ
ニルエマルジョン等。
このアンダーコート層の充填剤、結合剤の重量比率は選
択した成分によって任意に決められるが、好ましくは1:
9〜9:1の範囲で用いられ、また前記、一般式(III)の
ビスフェノール誘導体は、感熱発色層のロイコ染料に対
し重量比で、0.5〜4倍量で用いるのが好ましい。さら
にアンダーコート層の塗工量としては、1g/m2以上で効
果があるが、望ましくは、3g/m2以上が良好である。
本発明において用いるロイコ染料は単独又は2種以上混
合して適用されるが、このようなロイコ染料としては、
この種の感熱材料に適用されているものが任意に適用さ
れ、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フ
エノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系等の染
料のロイコ化合物が好ましく用いられる。このようなロ
イコ染料の具体例としては、例えば、以下に示すような
ものが挙げられる。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフエニル)−フタリ
ド、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフエニル)−6−ジメ
チルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレツトラク
トン)、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフエニル)−6−ジエ
チルアミノフタリド、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフエニル)−6−クロ
ルフタリド、 3,3−ビス(p−ジブチルアミノフエニル)フタリド、 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、 3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラ
ン、 3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、 2−{N−(3′−トリフルオルメチルフエニル)アミ
ノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、 2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロ
ルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロ
ロメチルアニリノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フル
オラン、 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フル
オラン、 3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、 3−N−メチル−N−シクロヘキシクアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、 3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N
−ジベンジルアミノ)フルオラン、 ベンゾイルロイコメチレンブルー、 6′−クロロ−8′−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピ
リロスピラン、 6′−ブロモ−3′−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピ
リロスピラン、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフエニ
ル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフエニル)
フタリド、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフエニ
ル)−3−(2′−メトキシ−5′−ニトロフエニル)
フタリド、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチルアミノフエニ
ル)−3−(2′−メトキシ−5′−メチルフエニル)
フタリド、 3−(2′−メトキシ−4′−ジメチルアミノフエニ
ル)−3−(2′−ヒドロキシ−4′−クロル−5′−
メチルフエニル)フタリド、 3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメ
チルアニリノ)フルオラン、 3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフル
オラン、 3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル
−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、 3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフエニル)メチ
ルアミノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フエニル
エチルアミノ)フルオラン、 3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フエ
ニルエチルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフ
エニルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フエニル
エチルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、 2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p
−n−ブチルアニリノ)フルオラン、 3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,
6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4′−ブロモフ
ルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−
4′、5′−ベンゾフルオラン等。
本発明においては、前記ロイコ染料及び顕色剤を支持体
上に結合支持させるために、慣用の種々の結合剤を適宜
用いることができ、例えば、ポリビニルアルコール、デ
ンプン及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、カルボキリメチルセルロース、メ
チルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導
体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ア
クリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリ
ル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3次元
共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ
塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ
塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチ
ン、カゼイン等の水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、
ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、ポリア
クリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化/ビニル酢酸
ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン
/酢酸ビニル共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリ
ル系共重合体等のラテックスを用いることができる。
また、本発明においては、前記ロイコ染料及び顕色剤と
共に、必要に応じ、更に、この種の感熱記録材料に慣用
される補助添加成分、例えば、填料、界面活性剤、熱可
融性物質(又は滑剤)等を併用することができる。この
場合、填料としては、例えば、炭酸カルシウム、シリ
カ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸
化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理され
たカルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、尿素−ホ
ルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリ
スチレン樹脂等の有機系の微粉末を挙げることができ、
熱可融性物質としては、例えば、高級脂肪酸又はそのエ
ステル、アミドもしくは金属塩の他、各種ワックス類、
芳香族カルボン酸とアミンとの縮合物、安息香酸フエニ
ルエステル、高級直鎖グリコール、3,4−エポキシ−ヘ
キサヒドロフタル酸ジアルキル、高級ケトン、その他の
熱可融性有機化合物等の50〜200℃の程度の融点を持つ
ものが挙げられる。
本発明の感熱記録材料を製造するには、従来慣用の方法
を用いることができる。例えば、上記の各成分をロイコ
染料顕色剤は少なくとも別々にして、ボールミル、アト
ライター、サンドミル等の分散機によって分散粒径が1
〜3μmになるまで粉砕分散した後、一定処方に配合し
て感熱発色層液を調製する。一方、これとは別に、前記
一般式(III)のビスフェノール誘導体を水性媒体、例
えば、前記水溶性高分子の水溶液中に加え、分散機によ
り粉砕分散した後、充填剤及び結合剤水性液を加えて混
合撹拌あるいは分散し、アンダーコート層液を調製す
る。
次に、紙、フィルム、合成紙等の支持体上に前記アンダ
ーコート層液を塗布乾燥し、さらにその上に感熱発色層
液を塗布、乾燥した後、キャレンダーがけすることによ
って本発明の感熱記録材料が得られる。
なお、本発明の感熱記録材料は熱ペンあるいは熱ヘッド
等とのマッチング性向上や、記録画像保存性をより高め
る等の目的で、感熱発色層の上に保護層を設けることも
可能であるが、この場合、保護層を構成する成分として
は前記の填料、結合剤、界面活性剤、熱可融性物質(又
は滑剤)等を用いることができる。
〔効 果〕
本発明の感熱記録材料は、前記一般式(I)、(II)の
ビスフェノール誘導体を組合せて感熱発色層に含有させ
るとともに、一般式(III)のビスフェノール誘導体を
充填剤及び結合剤と共にアンダーコート層に含有させた
ために、従来の感熱記録材料に比べて記録画像の褪色、
白化がなく、かつ地肌の白色度が改善され、しかもアン
ダーコート層により支持体表面の凹凸が平滑化され、か
つ感熱発色層液の支持体中への浸透が少なくなる等の効
果により、熱感度の著しく優れたものである。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。な
お、以下において示す部及び%はいずれも重量基準であ
る。
実施例1〜2 次の成分から成る混合物をサンドグラインダーで2時間
分散して〔A〕〜〔D〕液を調製した。
〔A液〕
ビス(4−ヒドロキシ)スルホン 75部 炭酸カルシウム 225部 10%ポリビニルアルコール水溶液 300部 水 400部 〔B液〕 〔A液〕におけるビス(4−ヒドロキシ)スルホンをビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)スルホ
ンに替えた他は同じ組成。
〔C液〕
3−(N−メチル−N−シクロヘキシル) アミノ−6−メチルアニリノフルオラン 200部 10%ポリビニルアルコール水溶液 300部 水 500部 〔D液〕 75部 2,2′−ビス(4−ヒドロキシ)−3,5−ジブロモフェニ
ル)プロパン 25部 炭酸カルシウム 150部 10%ポリビニルアルコール水溶液 300部 水 450部 次に〔C〕液と〔D〕液を重量比1:10になるように混合
撹拌して〔E〕液を調製した。
これらのアンダーコート層塗液〔A〕又は〔B〕及び感
熱発色層塗液〔E〕を坪量58g/m2の上質紙に乾燥重量で
アンダーコート層が5g/m2、感熱発色層が5〜6g/m2にな
るように表−1の内容で塗布・乾燥した後、ベック平滑
度が500〜3000秒になるようにキャレンダーがけして本
発明の感熱記録材料を2種作成した。
また、実施例と比較するための比較品を作るために、次
の成分から成る混合物を実施例と同様に分散して〔F〕
〜〔H〕液を調製した。
〔F液〕
実施例1における〔A液〕からビス(4−ヒドロキシ)
スルホンを除いた他は同じ組成として分散。
〔G液〕
実施例1における〔D液〕から2,2′−ビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパンを除いた他
は同じ組成として分散。
〔H液〕
実施例1における〔D液〕の に替えてP−ヒドロキシ安息香酸ベンジルを使用した他
は同じ組成。
次に、これらの分散液を用いて前記実施例1と同様の方
法で表−2の内容で比較例の感熱記録材料を4種作成し
た。
以上の6種の感熱記録材料について、動的発色感度、画
像褪色性及び白化、地肌濃度についての試験を行った。
その結果を表−3に示した。なお、試験法は下記のよう
にして行なった。
(1)動的発色感度…松下電子部品(株)製、薄膜ヘッ
ドを有する感熱印字実験装置にてヘッド電力0.45Wドッ
ト、1ライン記録時間20ms/、走査線密度8×3.85ド
ット/mmの条件でパルス幅を0.8、1.0、1.2、1.4、1.6及
び1.8msecで印字し、その印字濃度はマクベス濃度計RD
−514(フィルター−W−106)で測定した。
(3)画像の褪色性…(1)の動的発色感度を測定した
サンプルについて、印字濃度が1.0〜1.2のものを(これ
をDoとする)40℃、90%RH以下に24hr放置した後の濃度
を測定し(これをDとする)、下式に従って濃度減少を
求めた。
(3)画像の白化…(1)で得られたサンプルを常温で
15日間放置し、目視により下のように判定した。
○…白粉発生がほとんどなし △…白粉発生あるが実用上問題なし ×…白粉発生が多く使用不可 (4)地肌濃度…キャレンダー処理後の地肌濃度をマク
ベス濃度計RD−514で測定した。
表−3の結果からわかるように、本発明の感熱記録材料
は、前記(III′)式で表わされるビスフェノール誘導
体をアンダーコート層に含有させた場合(比較例3)に
比べ、地肌の白色度が高く、また感熱発色層の顕色剤と
して、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジルを用いた場合
(比較例4)より画像の白化が少なく、しかもアンダー
コート層を設けない場合(比較例5)に比べて著しく動
的発色感度が高く、さらには感熱発色層及びアンダーコ
ート層に、前記一般式(II)及び(III)で表わされる
ビスフェノール誘導体を含有させない場合に比べて褪色
が少ないことがわかる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、ロイコ染料と顕色剤を主成分
    とする感熱発色層を設けた感熱記録材料において、該顕
    色剤として下記一般式(I)及び(II)で表わされるビ
    スフェノール誘導体をそれぞれ少なくとも一種を用いる
    と共に、前記支持体と感熱発色層との間に、下記一般式
    (III)で示されるビスフェノール誘導体と充填剤と結
    合剤からなるアンダーコート層を設けたことを特徴とす
    る感熱記録材料。 (式中、nは1又は2を表わす) (式中、Xはハロゲン、mは1又は2を表わし、かつ左
    右のベンゼン環のXは−C(CH3−に対して対称な
    位置に置換しているものとする) (式中、Xはハロゲン、pは0〜2の整数を表わし、か
    つ左右のベンゼン環のXは、−SO2−に対して対称な位
    置に置換しているものとする)
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