JPH0678377B2 - ブロック重合体の回収方法 - Google Patents

ブロック重合体の回収方法

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JPH0678377B2
JPH0678377B2 JP2270601A JP27060190A JPH0678377B2 JP H0678377 B2 JPH0678377 B2 JP H0678377B2 JP 2270601 A JP2270601 A JP 2270601A JP 27060190 A JP27060190 A JP 27060190A JP H0678377 B2 JPH0678377 B2 JP H0678377B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を開始
剤として共役ジエン及び/又はビニル芳香族炭化水素を
重合せしめて得られた重合体又はその水添物の溶液をス
チームストリッピングするに際し、特定の処理工程と特
定の安定剤を組合わせることにより熱安定性、透明性、
色調、外観特性に優れた重合体又はその水添物を取得す
る方法に関する。
〔従来の技術〕
共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共
重合体は、比較的ビニル芳香族炭化水素含有量が少ない
場合、透明で加硫をしなくても加硫された天然ゴム或い
は合成ゴムと同様の弾性を常温にて有し、しかも高温で
熱可塑性樹脂と同様の加工性を有することから、履物、
プラスチック改質、アスファルト、粘接着分野等で広く
利用されている。又、比較的ビニル芳香族炭化水素含有
量が多い場合は、透明で耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂
が得られることから、食品包装容器分野を中心に近年そ
の使用量が増加すると同様に用途も多様化しつつある。
これらの共重合体を製造するに際しては、触媒に対して
不活性な炭化水素溶媒中で通常重合が行われ、生成した
共重合体は溶媒に均一に溶解しているか、あるいは懸濁
した状態で得られるため、共重合体と溶媒とを分離し、
共重合体を回収する工程が必要となる。共重合体と溶媒
とを分離する方法としては種々の方法があるが、その一
つとして重合体溶液を熱水中に注入し、溶媒を水蒸気と
ともに蒸留し、重合体をクラム状で析出させるスチーム
ストリッピング法が知られている。例えば特開昭50-894
94、特開昭51-37987、特開昭58-160301、特開昭61-2186
14、特公昭52-23659、特公昭55-7459号公報等が挙げら
れる。
〔発明が解決すべき課題〕
しかしながら、これらの方法で得られる重合体は熱安定
性、透明性、色調に劣り、特に上記方法で得た重合体又
はその水添物を厳しい条件下で加工処理したり、押出機
で再生処理するような場合ゲル化又はシャッ解したり、
ポリマーが変色するという問題点を有する。
〔課題を解決するための手段〕
この様な現状において、本発明者らは熱安定性、透明
性、色調、外観特性に優れる重合体又はその水添物を取
得する方法について検討を進めた結果、重合体又はその
水添物の溶液をスチームストリッピングするに際し、特
定の処理工程と特定の安定剤を組み合わせることにより
その目的が達成されることを見出し、本発明を完成する
に到った。
即ち、本発明は、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物
を開始剤として共役ジエン及びビニル芳香族炭化水素を
重合せしめて得られた、ビニル芳香族炭化水素含有量が
5〜95重量%であるブロック共重合体又はその水添物の
溶液から溶媒をスチームストリッピングすることにより
ブロック共重合体又はその水添物を取得するにあたり、 (イ)ブロック共重合体又はその水添物の溶液に、 (a)水 (b)アルコール (c)無機酸 (d)有機酸 から選ばれる少なくとも1種の反応停止剤を添加する工
程 (ロ)前記ブロック共重合体又はその水添物の溶液に (A)下記一般式〔I〕で示されるフェノール系化合物
を重合体100重量部に対して0.05〜5重量部 (上式において、R1は炭素数5以上のアルキル基、R2
炭素数2〜4のアルケニル基、R3は炭素数4〜22のアル
キル基又はシクロヘキシル基、R4は水素又は炭素数1〜
18のアルキル基を示す。) (B)上記一般式〔I〕で示したフェノール系化合物以
外のフェノール系安定剤を重合体100重量部に対して0.0
1〜3重量部添加する工程 (ハ)重合体の濃度が10〜60重量%の前記ブロック共重
合体又はその水添物の溶液をクラム化剤の存在下又は不
存在下、炭化水素溶媒の沸点又は該溶媒と水とが共沸す
る場合はその共沸温度以上、120℃以下の温度でストリ
ッピングし、クラム状の重合体が水中に分散したスラリ
ーを得る工程 (ニ)前記で得られた水分を含むブロック共重合体又は
その水添物のクラムを脱水、乾燥し、含水率を1重量%
未満にする工程 からなるブロック共重合体又はその水添物を取得する方
法に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のスチームストリッピング法で使用するブロック
共重合体又はその水添物の溶液は、炭化水素溶媒中、有
機リチウム化合物を開始剤として共役ジエン及びビニル
芳香族炭化水素を重合せしめて得られる。ブロック共重
合体及び水添物のビニル芳香族炭化水素含有量は5〜95
重量%、好ましくは10〜90重量%である。
ブロック共重合体の製造方法としては、例えば特公昭36
-19286号公報、特公昭43-17979号公報、特公昭46-32415
号公報、特公昭49-36957号公報、特公昭48-2423号公
報、特公昭48-4106号公報、特公昭56-28925号公報、特
公昭51-49567号公報、特開昭59-166518号公報、特開昭6
0-186577号公報などに記載された方法があげられる。こ
れらの方法により、ブロック共重合体は一般式、 (A−B)n,AB−A)n,BA−B)n (上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主とする
重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主とする重合
体ブロックである。AブロックとBブロックとの境界は
必ずしも明瞭に区別される必要はない。又、nは1以上
の整数である。) あるいは一般式 〔(B−Anm+1X,〔(A−Bnm+1X 〔(B−AnBm+1X,〔(A−BnAm+1X (上式において、A,Bは前記と同じであり、Xは例えば
四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化大豆油、ポリハ
ロゲン化炭化水素、カルボン酸エステル、ポリビニル化
合物などのカップリング剤の残基又は多官能有機リチウ
ム化合物等の開始剤の残基を示す。m及びnは1以上の
整数である。)で表わされるブロック共重合体として得
られる。尚、上式において、ビニル芳香族炭化水素を主
とする重合体ブロックとはビニル芳香族炭化水素を50重
量%以上含有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンと
の共重合体ブロック及び/又はビニル芳香族炭化水素単
独重合体ブロックを示し、共役ジエンを主とする重合体
ブロックとは共役ジエンを50重量%を超える量で含有す
る共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体ブロ
ック及び/又は共役ジエン単独重合体ブロックを示す。
共重合体ブロック中のビニル芳香族炭化水素は均一に分
布していても、又テーパー状に分布していてもよい。
又、該共重合体部分はビニル芳香族炭化水素が均一に分
布している部分及び/又はテーパー状に分布している部
分がそれぞれ複数個共存してもよい。本発明で使用する
ブロック共重合体は上記一般式で表わされるブロック共
重合体の任意の混合物でもよい。
この様にして得られたブロック共重合体はビニル芳香族
炭化水素の含有量が60重量%以下、好ましくは55重量%
以下の場合は熱可塑性弾性体としての特性を示し、ビニ
ル芳香族炭化水素の含有量が60重量%を超える場合、好
ましくは65重量%以上の場合は熱可塑性樹脂としての特
性を示す。
本発明の方法で用いるビニル芳香族炭化水素としてはス
チレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p
−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α
−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラ
センなどがあるが、特に一般的なものとしてはスチレン
が挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合し
て使用してもよい。
本発明で用いる共役ジエンとは、1対の共役二重結合を
有するジオレフィンであり、たとえば1,3−ブタジエ
ン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,
3−ヘキサジエンなどであるが、特に一般的なものとし
ては1,3−ブタジエン、イソプレンが挙げられる。これ
らは1種のみならず2種以上混合して使用してもよい。
炭化水素溶液としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、イ
ソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂
肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシ
クロヘキサン等の脂環式炭化水素、或いはベンゼン、ト
ルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素
などが使用できる。これらは1種のみならず2種以上混
合して使用してもよい。有機リチウム化合物は、分子中
に1個以上のリチウム原子を結合した有機モノリチウム
化合物であり、例えばエチルリチウム、n−プロピルリ
チウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、
sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサ
メチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプ
レニルジリチウムなどがあげられる。これらは1種のみ
ならず2種以上混合して使用してもよい。
本発明においては重合速度の調整、重合した共役ジエン
部のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)の変
更、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素の反応性比の調
整などの目的で極性化合物やランダム化剤を使用するこ
とができる。極性化合物やランダム化剤としては、エー
テル類、アミン類、チオエーテル類、ホスホルアミド、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウムまたはナトリ
ウムのアルコキシドなどがあげられる。適当なエーテル
類の例はジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェ
ニルエーテル及びテトラヒドロフラン、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチ
ルエーテルである。アミン類としては第三級アミン、例
えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチ
ルエチレンジアミンの外、環状第三級アミンなども使用
できる。ホスフイン及びホスホルアミドとしてはトリフ
ェニルホスフイン及びヘキサメチルホスホルアミドがあ
る。ランダム化剤としてはアルキルベンゼンスルホン酸
カリウムまたはナトリウム、カリウムまたはナトリウム
ブトキシドなどがあげられる。
本発明の方法において重合体を製造する際の重合温度は
一般に−10℃ないし150℃、好ましくは40℃ないし120℃
である。重合に要する時間は条件によって異なるが、通
常は48時間以内であり、特に好適には0.5ないし10時間
である。また、重合系の雰囲気は窒素ガスなどの不活性
ガスをもって置換することが望ましい。重合圧力は、上
記重合温度範囲でモノマー及び溶媒を液相に維持するに
充分な圧力の範囲で行えばよく、特に限定されるもので
はない。さらに重合系内には触媒及びリビングポリマー
を不活性化させるような不純物、たとえば水、酸素、炭
酸ガスなどが混入しないように留意する必要がある。
この様にして得られた重合体の重量平均分子量は、一般
に5,000〜5,000,000、好ましくは10,000〜1,000,000で
ある。又重合体溶液中の炭化水素の量は、一般に重合体
100重量部に対して50重量部〜2000重量部である。尚、
重合体の性質によっては重合体が炭化水素溶媒に不溶で
懸濁状の状態で得られる場合もあるが、本発明において
はこれらも重合体溶液とよぶことにする。
本発明で使用する重合体は、重合体の少なくとも1つの
重合体鎖末端に極性基含有原子団が結合した重合体を使
用することができる。ここで極性基含有原子団とは、窒
素、酸素、ケイ素、リン、硫黄、すずから選ばれる原子
を少なくとも1種含有する原子団を云う。具体的には、
カルボキシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、酸
ハロゲン化物基、酸無水物基、カルボン酸基、チオカル
ボン酸基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン
酸エステル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エ
ステル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イ
ミノ基、ニトリル基、ビリジル基、キノリン基、エポキ
シ基、チオエポキシ基、スルフイド基、イソシアネート
基、イソチオシアネート基、ハロゲン化ケイ素基、アル
コキシケイ素基、ハロゲン化スズ基、アルキルスズ基、
フェニルスズ基等から選ばれる極性基を少なくとも1種
含有する原子団があげられる。より具体的には、特願昭
60-224806号公報に記載された末端変性重合体を使用で
きる。
本発明で使用する重合体の水添物は、前記の重合体を水
添することにより得られる。水添反応に使用される触媒
としては、(1)Ni,Pt,Pd,Ru等の金属をカーボン、シ
リカ、アルミナ、ケイソウ土等の担体に担持された担持
型不均一系触媒と、(2)Ni,Co,Pe,Cr等の有機酸塩ま
たはアセチルアトン塩と有機Al等の還元剤とを用いるい
わゆるチーグラー型触媒、あるいはRu,Rh等の有機金属
化合物等のいわゆる有機錯触媒等の均一触媒が知られて
いる。具合的な方法としては特公昭42-8704号公報、特
公昭43-6636号公報、あるいは特開昭59-133203号公報、
特開昭60-220147号公報に記載された方法により、不活
性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加して、水添
物を得、本発明に供する水添重合体を合成することがで
きる。その際、重合体中の供役ジエン化合物に基づく脂
肪族二重結合の水添率は、反応温度、反応時間、水素供
給量、触媒量等を調整することにより任意の値にコント
ロールできる。とりわけ、耐候性や耐熱老化性に優れた
水添物を得る場合には、供役ジエン化合物に基づく脂肪
族二重結合の水添率は80%以上、好ましくは90%以上に
することが推奨される。この場合、ビニル芳香族化合物
に基づく芳香族二重結合の水素添加率については特に制
限はないが、水素添加率を20%以下にするのが好まし
い。該水添重合体中に含まれる未水添の脂肪族二重結合
の量は、赤外分光度計、核磁気共鳴装置等により容易に
知ることができる。
本発明の第一工程は上記の重合体又はその水添物の溶液
に、(a)水、(b)アルコール、(c)無機酸、
(d)有機酸から選ばれる少なくとも1種の反応停止剤
を添加する工程である。反応停止剤をこの工程で添加し
ない場合、安定剤とカップリング反応を起したり、色調
に劣る等の問題を生じるため好ましくない。アルコール
としてはメタノール、エタノールプロパノールなどの低
級アルコールの他、炭素数6〜18の高級アルコール、多
価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、グリセリン等)が使用できる。
本発明で使用する無機酸は、塩素、硫黄、窒素、リンな
どの非金属を含む塩基が水素と結合してできた酸、例え
ば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などがあげられる。又、本
発明で使用する有機酸は広い意味で酸性を有する有機化
合物で、カルボン酸、スルホン酸、スルフイン酸、フェ
ノールなどの化合物があげられるが、好ましくはカルボ
キシル基を含有する有機化合物であって以下のものが好
ましい。
(1)炭素数8以上の脂肪酸 (2)ロジン酸 (3)オキシカルボン酸 (4)芳香族カルボン酸 特に好ましい有機酸は(1)の脂肪酸で、その具体例と
してはオクチル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノ
ール酸、リノレン酸、リシノール酸、ベヘン酸、ヒマシ
硬化脂肪酸、牛脂脂肪酸或いはこれらの混合物があげら
れる。
本発明の第一工程で使用する反応停止剤の添加量は、反
応停止剤の総量として重合に使用した有機リチウム化合
物に対して当モル以上、好ましくは1.5モル以上であ
る。反応停止剤が水及びアルコールの場合の添加量は、
好ましくは1.5モル〜1000モル、更に好ましくは2.0モル
〜500モルである。又反応停止剤が無機酸及び有機酸の
場合の添加量は好ましくは0.05〜10モル、更に好ましく
は0.2〜5モルである。無機酸及び有機酸の添加量が当
モル未満の場合には反応停止剤、好ましくは水と併用し
て反応停止剤の総量が当モル以上になる様にしなければ
ならない。反応停止剤の添加量の総量が当モル未満の場
合は色調に劣るため好ましくない。本発明において特に
好適な反応停止剤は、水、無機酸、脂肪酸から選ばれる
少なくとも1種である。
次に、本発明の第二工程は、上記第一工程で得られた重
合体又はその水添物の溶液に、(A)前記一般式〔I〕
で示されるフェノール系化合物及び(B)フェノール系
安定剤を添加する工程である。これらをこの段階で添加
するのは、次の工程で溶媒を除去する際に重合体が酸化
的劣化や熱的劣化を起こすのを防止する上で有効であ
る。これらはそのまま重合体溶液に添加しても、また炭
化水素溶媒に溶解して添加してもよい。
本発明で使用するフェノール系化合物は前記一般式
〔I〕で示される。特に本発明のR1は炭素数5以上のア
ルキル基であり、R3は炭素数4〜22のアルキル基又はシ
クロヘキシル基、好ましくは炭素数4〜12のアルキル
基、更に好ましくは炭素数5〜8のアルキル基である。
本発明のアルキル基とは直鎖又は分枝アルキル基であ
る。R1の炭素数が4以下の場合には色調、外観特性に劣
り、R3の炭素数が3以下の場合には熱安定性が劣る。該
フェノール系化合物の好適なものはR1がtert−アミル
基、tert−ヘキシル基、tert−ヘプチル基、tert−オク
チル基であり、R2はエテニル基、イソプロペニル基、プ
ロペニル基、イソブテニル基、ブテニル基等があげられ
る。特に好ましいのはエテニル基である。R3の好ましい
ものはtert−ブチル基、tert−アミル基、tert−ヘキシ
ル基、tert−ヘプチル基である。
置換基R4の具体例としては水素、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基があげられるが、特に水素、メチ
ル基、プロピル基が好ましい。
上記フェノール系化合物は、重合体100重量部に対して
0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜4重量部、更に好ま
しくは0.15〜3重量部の範囲で使用される。前記一般式
〔I〕で示されるフェノール系化合物の使用量が0.05重
量部未満の場合には熱安定性の改良効果が認められず、
逆に5重量部を超えても本発明の範囲以上の効果が発揮
されない。
フェノール系安定剤としては従来公知のものが使用でき
る。好適なフェノール系安定剤としてはテトラキス〔メ
チレン−3−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,3,5−
トリメチル2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−
2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ビス−(n−
オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ3,5−ジ−tert
−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、オクタデシ
ル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート、トリエチレングリコール−ビ
ス〔3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕、1,3,5−トリス−
(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル
ベンジル)イソシアヌル酸、2,2′−メチレン−ビス−
(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−
ビス〔2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−
ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5
・5〕ウンデカン、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t
ert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−
エチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,
2′−ジヒドロキシ−3,3′−ジシクロヘキシル−5,5′
−ジメチル−ジフェニルメタン、1,1,3−トリス(2−
メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)
ブタン、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−
m−クレゾール、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t
ert−ブチルフェノール)、ビス(3−シクロヘキシル
−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、2,
2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチル−
フェノール)、1,1−ビス(2′−メチル−4′−ヒド
ロキシ−5′−tert−ブチル−フェニル)ブタンなどが
あげられる。これらのフェノール系安定剤は、重合体10
0重量部に対して0.01〜3重量部、好ましくは0.05〜3
重量部、更に好ましくは0.1〜2重量部の範囲で使用さ
れる。上記フェノール系安定剤は2種以上組合せて使用
することもできる。
フェノール系安定剤の使用量が0.01重量部未満の場合に
は熱安定性及び色調の改良効果が認められず、逆に3重
量部を超えても本発明の範囲以上の効果が発揮されな
い。
又、本発明の重合体には従来から使用されてきたイオウ
系安定剤、リン系安定剤等の安定剤を添加してもよい。
イオウ系安定剤の具体例としては、ジラウリル−3,3′
−チオジプロピオン酸エステル、ジミリスチル−3,3′
−チオジプロピオン酸エステル、ジステアリル−3,3′
−チオジプロピオン酸エステル、ラウリルステアリル−
3,3′−チオジプロピオン酸エステル、ペンタエリスリ
トール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオ
ネート)、3,9−ビス−(2−ドデシルチオエチル)−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンなど
があげられる。
リン系安定剤の具体例としては、トリス(ノニルフェニ
ル)フォスファイト、サイクリックネオペンタンテトラ
イルビス(オクタデシルフォスファイト)、トリス(2,
4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、4,4−
ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェ
ニル−ジ−トリデシル)フォスファイト、4,4′−ビフ
ェニレンジホスフイン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−
ブチルフェニル)、サイクリックネオペンタンテトライ
ルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファ
イトなどがあげられる。
次に、本発明の第三工程は、上記で得られた重合体又は
その水添物の溶液をクラム化剤の存在下、又は不存在下
でスチームストリッピングすることにより溶媒を除去
し、重合体がクラム状で水中に分散したスラリーを得る
工程である。このスチームストリッピング工程における
具体的な処理方法は、従来知られている方法のいずれか
適当な方法をとればよく、特に制限はない。
スチームストリッピングの際、クラム化剤として界面活
性剤を使用するのが一般的であり、その様な界面活性剤
としては次の様なものが一例としてあげられる。
(i)アニオン界面活性剤 アルキル(炭素数9〜20)ベンゼンスルホン酸塩(Na、
K、NH4)、高級アルコール(炭素数6〜20)硫酸エス
テル塩(Na、K、NH4)、炭素数6〜22の脂肪酸又はロ
ジン酸の塩(Na、K、NH4)、ポリオキシエチレン脂肪
アルコール(炭素数12〜20)エーテルサルフェート(N
a、K、NH4)、アルキル(炭素数1〜20)フェノールポ
リエチレンオキサイドリン酸エステル又はその塩(Na、
K、NH4)、高級アルコール(炭素数6〜20)ポリエチ
レンオキサイドリン酸エステル又はその塩(Na、K、NH
4)、ジイソブチレンと無水マレイン酸の共重合体及び
その塩(Na、K、NH4) (ii)カチオン界面活性剤 炭素数6〜22の脂肪酸のアミン塩又はアミドピリジウム
塩、アルキル(炭素数1〜20)アンモニウムハイライ
ド、アルキル(炭素数6〜22)アミンベンジルハライド (iii)非イオン界面活性剤 ソルビタン脂肪酸(炭素数6〜22)エステル、ポリエチ
レンオキサイドグリセリン脂肪酸(炭素数6〜22)エス
テル、ポリエチレンオキサイド高級アルコール(炭素数
6〜20)エーテル、ポリエチレンオキサイドアルキル
(炭素数1〜20)フェノールエーテル、ポリエチレンオ
キサイドとポリプロピレンオキサイドとのブロックポリ
マー(平均分子量1000以上、ポリエチレンオキサイドの
含有量が5〜90重量%) これら界面活性剤は、ストリッピング帯の水に対して一
般に0.1〜3000ppm添加される。これら界面活性剤に加え
て、Li,Na,K,Mg,Ca,Al,Znなどの金属の水溶性塩をクラ
ムの分散助剤として用いることもできる。
水中に分散したクラム状の重合体の濃度は、一般に0.1
〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、更に好ましく
は1〜10重量%(ストリッピング帯の水に対する割合)
であり、この範囲であれば運転上の支障をきたすことな
く、良好な粒径を有するクラムを得ることができる。
次に、本発明の第四工程は、上記で得られた水分を含む
重合体又はその水添物のクラムを脱水により含水率を1
〜30重量%、好ましくは2〜20重量%、更に好ましくは
2〜10重量%に調整し、その後含水率が1重量%未満、
好ましくは0.5重量%以下、更に好ましくは0.1重量%以
下になるまで乾燥する工程である。
ここで水を含むクラムを脱水するとは、ロール、バンバ
リー式脱水機、スクリュー押出機式絞り脱水機等の圧縮
水絞機で脱水することを云う。本発明においては一軸ま
たは二軸等の多軸スクリュー押出機式絞り脱水機が、脱
水効率及び作業性の点で好ましい。脱水工程においてク
ラム中の含水率を1重量%未満にするには、脱水処理時
間が長くなりすぎたり、水絞機による剪断力で重合体が
ゲル化したり、或いはシヤツ解したりするため好ましく
ない。又、含水率が30重量%を超えるとリチウムの残存
量が多くなり、透明性、耐失透性が悪くなる。尚、本発
明においては、第三工程で得られるスラリー化したクラ
ムを、予め回転式スクリーン、振動スクリーン、遠心脱
水機等により含水率35〜60重量%まで水切りしてから圧
縮水絞機に導入するのが好ましい。次に乾燥するとは、
スクリュー押出機型或いはニーダー型乾燥機、エキスパ
ンダー乾燥機、熱風乾燥機の少なくとも1種の乾燥機に
より含水率を1重量%未満にすることを云う。特に好適
な乾燥機は1軸又は2軸等の多軸スクリューベント押出
機型乾燥機であり、L/D(スクリュー長さ/径)が10〜4
0のものが使用できる。乾燥工程における含水率が1重
量%以上の場合には、重合体を成形する際に発泡した
り、シルバー等の外観不良を発生したりするため好まし
くない。乾燥工程において、発泡したクラム状、粒状或
いは粉末状の形態で重合体を得ることもでき、又ストラ
ンド状やペレット状で得ることもできる。
本発明において脱水工程と乾燥工程を、脱水機と乾燥機
とが一体化された装置で実施することもできる。この様
な装置として好適なものは、脱水用のスリットを少なく
とも1個、好ましくは2〜4個有し、脱気用のベント部
を少なくとも1個、好ましくは2〜4個有する2軸以上
のベント押出機があげられる。
前述の第一工程から第四工程の処理を経て、最終的に得
られる重合体はリチウムの残存量が60ppm以下、好まし
くは40ppm以下、更に好ましくは20ppm以下にすることが
透明性及び耐失透性に優れた重合体を得る上で推奨され
る。重合体中のリチウムの残存量は、原子吸光分光光度
計を用いた原子吸光分光分析により測定することができ
る。
本発明において、第一工程終了後、第二工程及び/又は
第三工程、或いはそれらの前後で脱灰処理を施すことに
よりリチウム等の金属成分を除去することもできる。
本発明の方法において、目的に応じて種々の添加剤を重
合体に添加することができる。例えば、オイル等の軟化
剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、難燃
剤、顔料、無機充填剤、有機繊維・無機繊維、カーボン
ブラックなどの補強剤、他の熱可塑性樹脂などが添加剤
として使用できる。尚、これら添加剤は、第一工程以後
のいずれかの工程で添加できる。本発明の方法により得
られた重合体は、添加剤の添加による色調変化、例えば
紫外線吸収剤の添加による黄変、顔料の添加による異常
色調等の問題がないため、各種添加剤との組合せを広範
囲に行うことができる。
〔実施例〕
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
尚、実施例で使用したブロック共重合体は次のようにし
て製造した。得られたブロック共重合体(A)〜(C)
の集合体溶液の、重合体と溶媒との重量比はいずれも1:
3であった。
〔ブロック共重合体(A)〕
窒素ガス雰囲気下において、スチレン30重量部とテトラ
ヒドロフラン0.3重量部を含むシクロヘキサン溶液にn
−ブチルリチウムを0.08重量部添加し、70℃で1時間重
合した後、更に1,3−ブタジエン20重量部とスチレン50
重量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で2時間
重合した。得られた重合体はスチレン含有量80重量%の
A−B−A構造のブロック共重合体であった。
〔ブロック共重合体(B)〕
窒素ガス雰囲気下において、スチレン75重量部を含むシ
クロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.15重量部添
加し、70℃で1時間重合した後、1,3−ブタジエン25重
量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて70℃で2時間重
合した。その後エポキシ化大豆油を5重量部添加してス
チレン含有量75重量%のラジアル構造のブロック共重合
体を得た。
〔ブロック共重合体(C)〕
窒素ガス雰囲気下において、1,3−ブタジエン15重量部
とスチレン20重量部を含むn−ヘキサン溶液にn−ブチ
ルリチウムを0.11重量部添加し、70℃で2時間重合した
後、さらに1,3−ブタジエン45重量部とスチレン20重量
部を含むn−ヘキサン溶液を加えて70℃で2時間重合し
た。得られた重合体は、スチレン含有量40重量%のB−
A−B−A構造のブロック共重合体であった。
〔ブロック共重合体(D)〕
窒素ガス雰囲気下において、スチレン10重量部を含むシ
クロヘキサン溶液にn−ブチルリチウムを0.1重量部を
添加し70℃で1時間重合した後、イソプレン80重量部を
含むシクロヘキサン溶液を添加して70℃で2時間重合し
た。その後、更にスチレン10重量部を含むシクロヘキサ
ン溶液を加えて70℃で1時間重合した。得られた重合体
は、スチレン含有量20重量%のA−B−A構造のブロッ
ク共重合体であった。
上記で得られたブロック共重合体に、重合に使用したn
−ブチルリチウムに対して当モルの1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノンを反応させ、重合体末端に該化合物
の反応残基が結合した末端変性ブロック共重合体(重合
体の濃度20重量%)を得た。
〔ブロック共重合体(E)〕
窒素ガス雰囲気下において、スチレン15重量部とテトラ
メチルエチレンジアミン0.06重量部を含むシクロヘキサ
ン溶液にn−ブチルリチウムを0.06重量部添加し、70℃
で1時間重合した後、1,3−ブタジエン70重量部を含む
シクロヘキサン溶液を添加して70℃で2時間重合した。
その後、更にスチレン15重量部を含むシクロヘキサン溶
液を加えて70℃で1時間重合した。得られた重合体は、
スチレン含有量30重量%のA−B−A構造のブロック共
重合体であった。
次に、上記で得られたブロック共重合体を特開昭59-133
203号公報記載のTi系水添触媒で水添し、ブタジエン部
の水添率が95%の水添ブロック共重合体(重合体の濃度
15重量%)を得た。
〔ブロック共重合体(F)〕
窒素ガス雰囲気下において、1,3−ブタジエン15重量部
とスチレン20重量部を含むn−ヘキサン溶液にn−ブチ
ルリチウムを0.07重量部添加し、70℃で2時間重合した
後に1,3−ブタジエン15重量部とスチレン50重量部を含
むn−ヘキサン溶液及びn−ブチルリチウム0.02重量部
を加えて70℃で2時間重合した。得られた重合体はスチ
レン含有量70重量%のB−A−B−A構造のブロック共
重合体とB−A構造のブロック共重合体からなる混合物
であり、しかも得られた重合体溶液(重合体の濃度30重
量%)は懸濁状であった。
実施例1〜6及び比較例1〜3 ブロック共重合体〔A〕のシクロヘキサン溶液に、反応
停止剤として水をブロック共重合体100重量部に対して
1.0重量部添加し、充分混合して反応を停止させた(第
一工程)後、第1表に示した安定剤を添加して充分混合
した(第二工程)。
上記のブロック共重合体をスチームストリッピングする
に当り、クラム化剤として、α−(p−ノニルフェニ
ル)−ω−ヒドロキシポリ(オキシエチレン)のジハイ
ドロジエンリン酸エステルとモノハイドロジエンリン酸
エステルとの混合物(ポリ(オキシエチレン)のオキシ
エチレン単位は平均値として9〜10)をストリッピング
帯の水に対して30ppm用い、90〜98℃の温度で溶媒を除
去した。触媒除去槽内のスラリー中の重合体クラムの濃
度はいずれも約5重量%であった(第三工程)。
次いで、上記で得られたクラム状ブロック共重合体
〔A〕の水分散スラリーを回転式スクリーンに送り、含
水率約45重量%の含水クラムを得た。この含水クラムを
1軸スクリュー押出機型水絞り機に送り、脱水した重合
体を得た。その後、前記で得られた重合体を2軸1段ベ
ント押出機に供給し、シリンダー温度200℃、スクリュ
ー回転数約200回転/分、ベントの圧力約200mmHg絶対圧
で押出し、乾燥した(第四工程)。押出機先端からスト
ランド状で得た重合体はカッターにてペレット状にし
た。結果を第1表に示した。
尚、実施例2においてはクラム化剤を200ppm使用した。
実施例7〜12 第2表に示した安定剤を添加した以外は実施例1〜6と
同様な方法でブロック共重合体を得た。
結果を第2表に示した。尚、実施例8においてはクラム
化剤を200ppm使用した。
実施例13〜17 ブロック共重合体〔B〕のシクロヘキサン溶液に、第3
表に示した反応停止剤を添加し、充分混合して反応を停
止させた後、フェノール系化合物のA0−1を0.5重量
部、A0−5を0.2重量部添加して充分混合した。
上記のブロック共重合体溶液をスチームストリッピング
するに際し、クラム化剤として平均分子量が約2200、ポ
リオキシエチレン含有量が10重量%のポリオキシエチレ
ンとポリオキシプロピレンとのブロックポリマーをスト
リッピング帯の水に対して50ppm用い、90〜98℃の温度
で溶媒を除去した。溶媒除去槽内のスラリー中の重合体
クラムの濃度は約5重量%であった。
上記で得られたクラム状ブロック共重合体〔B〕の水分
散スラリーを回転式スクリーンに送り、含水率約45重量
%の含水クラムを得た。この含水クラムを、脱水と乾燥
が同一装置内で実施できる2段スリット、2段ベント付
2軸スクリュー型押出機に供給し、ペレット状のプロピ
レン共重合体を得た。使用した押出機はスクリュー径40
mmφ、L/D比35のものを用いた。押出条件は、シリンダ
ー温度200℃、スクリュー回転数200回転/分、第1ベン
トは開放とし減圧せず、第2ベントは真空ベントで50mm
Hg絶対圧まで減圧した。脱水後の含水率は第1ベントよ
り重合体の一部をサンプリングして調べた。結果を第3
表に示した。
第3表に示した様に、反応停止剤として酸を用いた場合
にも熱安定性、透明性、色調に優れたブロック共重合体
が得られた。
実施例18〜22 第4表に示した反応停止剤とフェノール系化合物のA0-9
を0.5重量部、A0-5を0.2重量部添加した以外は実施例13
〜17と同様な方法でブロック共重合体を得た。結果を第
4表に示した。
実施例23〜25 第5表に示した反応停止剤、クラム化剤を用いてブロッ
ク共重合体のスチームストリッピングを行なった。安定
剤は実施例13〜17と同一のものを使用した。溶媒除去槽
温度は約85〜95℃、スラリー中の重合体クラムの濃度は
約10重量%であった。
得られた含水クラムを、実施例13〜17と同様の方法によ
り脱水・乾燥処理を行ないブロック共重合体を得た。結
果を第5表に示した。
実施例26〜28 安定剤を実施例18〜22と同一のものを使用した以外は実
施例23〜25と同様の方法によりブロック共重合体を得
た。結果を第6表に示した。
実施例29 ブロック共重合体(E)を用い、クラム化剤として平均
分子量が約3300、ポリオキシエチレン含有量が、40重量
%のポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロ
ックポリマーを使用した以外は実施例28と同一の反応の
停止剤、安定剤によりスチームストリッピング、脱水及
び乾燥を行った。
得られたブロック共重合体のリチウム残存量は21ppm、H
aze4.0%であった。又熱安定性についても実施例1と同
一の方法により調べたところシャッ解によるメルトフロ
ー値の上昇もなく極めて熱安定性に優れるものであっ
た。
〔発明の効果〕
本発明は、重合体又はその水添物の溶液からスチームス
トリッピング法によりブロック共重合体又はその水添物
を効率良く取得する方法を提供するものであり、得られ
る重合体は特定のフェノール系化合物とフェノール系安
定剤を併用することで熱安定性、透明性、色調及び外観
特性に優れるため、その特徴を生かして、シート、フイ
ルム、各種形状の射出成形品、中空成形品、圧空成形
品、真空成形品等多種多用の成形品として活用できる
他、各種熱可塑性樹脂の改質剤、履物の素材、粘着剤・
接着剤の素材、アスファルトの改質材、電線ケーブルの
素材、加硫ゴム用素材、加硫ゴムの改質材、家電製品・
自動車部品・工業部品・家庭用品・玩具等の素材などに
利用できる。とりわけ、本発明の方法で得られる重合体
は熱安定性と色調に優れるため高温下の加工が容易であ
り、色調を必要とする用途分野、例えば食品容器、食品
包装材料、食品容器の包装材料、医療用品等に有効に利
用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を開
    始剤として共役ジエン及びビニル芳香族炭化水素を重合
    せしめて得られた、ビニル芳香族炭化水素含有量が5〜
    95重量%であるブロック共重合体又はその水添物の溶液
    から溶媒をスチームストリッピングすることによりブロ
    ック共重合体又はその水添物を取得するにあたり、 (イ)ブロック共重合体又はその水添物の溶液に、 (a)水 (b)アルコール (c)無機酸 (d)有機酸 から選ばれる少なくとも1種の反応停止剤を添加する工
    程 (ロ)前期ブロック共重合体又はその水添物の溶液に (A)下記一般式〔I〕で示されるフェノール系化合物
    を重合体100重量部に対して0.05〜5重量部 (上式において、R1は炭素数5以上のアルキル基、R2
    炭素数2〜4のアルケニル基、R3は炭素数4〜22のアル
    キル基又はシクロヘキシル基、R4は水素又は炭素数1〜
    18のアルキル基を示す。) (B)上記一般式〔I〕で示したフェノール系化合物以
    外のフェノール系安定剤を重合体100重量部に対して0.0
    1〜3重量部添加する工程 (ハ)重合体の濃度が10〜60重量%の前記ブロック共重
    合体又はその水添物の溶液をクラム化剤の存在下又は不
    存在下、炭化水素溶媒の沸点又は該溶媒と水とが共沸す
    る場合はその共沸温度以上、120℃以下の温度でストリ
    ッピングし、クラム状の重合体が水中に分散したスラリ
    ーを得る工程 (ニ)前記で得られた水分を含むブロック共重合体又は
    その水添物のクラムを脱水、乾燥し、含水率を1重量%
    未満にする工程 からなるブロック共重合体又はその水添物を取得する方
    法。
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