JPH0656418U - ドアロックとドアロックアクチュエータの連結構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドアロックのロック用レバーとドアロックア
クチュエータの出力部材の相対位置に係わりなく、ドア
ロックとドアロックアクチュエータとを容易に結合する
ことができ、しかもドアロックアクチュエータの出力を
ドアロックに円滑に伝達することができるドアロックと
ドアロックアクチュエータの連結構造を提供する。 【構成】 ドアロックアクチュエータ１の出力軸４に相
異なる方向に放射状に突出する１対の突起５ａ，５ｂを
設けると共に、ドアロック１０のロック用レバー１２に
前記アクチュエータ１の出力軸４の両突起５ａ，５ｂに
それぞれ当接する２本のアーム１２ａ，１２ｂを形成す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ドアロックとこれを作動させるドアロックアクチュエータとを連 結することによって、車両のドアの施錠および解錠をスイッチ操作により電気的 に行うのに利用されるドアロックとドアロックアクチュエータの連結構造に係わ り、さらに詳しくはドアロックアクチュエータの出力軸とドアロックのロック用 レバーとの連結構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上記のようなドアロックとドアロックアクチュエータとは、例えば図３ に示すようにして連結されていた。

【０００３】 すなわち、図３は車両用ドアＤの開閉機構を示すものであって、当該開閉機構 は、ドアロック５０，ドアロックアクチュエータ６０，アウトサイドハンドルＨ ，図示しないインサイドハンドルおよびロックノブを備えており、前記ドアロッ ク５０は車体側に設けたストライカ（図示せず）に係脱するラッチ５１を備え、 ドアＤの車体側端縁部に取付けられている。

【０００４】 前記アウトサイドハンドルＨおよびインサイドハンドルは、アウトサイドハン ドルロッド３１およびインサイドハンドルロッド３２によって、ドアロック５０ にそれぞれ連結されており、これらアウトサイドハンドルＨおよびインサイドハ ンドルの操作が前記各ロッド３１および３２を介して前記ドアロック５０に伝え られ、車体側のストライカに係止したラッチ５１が外れることによって、ドアＤ を開放するようになっている。

【０００５】 前記ドアロック５０には、図中反時計方向の回動によってラッチ５１の動きを 拘束してドアＤを施錠するロック用レバー５２が設けてあって、該ロック用レバ ー５２は、キーロッド３３を介してキーシリンダＫに連結されると共に、ベルク ランクＢと第１および第２ロックロッド３４および３５を介して図示しないロッ クノブに接続されており、車外からはキー操作によって、車内からは前記ロック ノブの操作によって、当該ドアＤの施錠ないし解錠を行うようになっている。

【０００６】 前記ドアロックアクチュエータ６０は、ケーシング内に小型直流モータと減速 機構を備え、前記モータの正逆方向の回転を出力軸６１の往復回転運動として減 速出力するようにしたものであって、前記出力軸６１にスイングアーム６２を設 けている。 そして、当該ドアロックアクチュエータ６０は、前記スイングアー ム６２の先端部が前記ドアロック５０のロック用レバー５２に設けた切欠溝５２ ａに係止するように位置合わせされており、前記キー操作やロックノブの操作に 加えて、前記小型モータの正逆回転に基づくスイングアーム６２の時計方向ある いは反時計方向の回動によっても前記ドアＤを施錠あるいは解錠することができ るようになっており、例えば、運転席側に備えたドアロックスイッチによってす べてのドアの施錠・解錠を一括して操作したり、車速センサとの組合わせにより 車両が走り始めたらドアを自動的に施錠したりすることができるようになってい る。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した従来のドアロックとドアロックアクチュエータの連結 構造においては、ドアロックアクチュエータ６０の取付けに際して、ドアロック アクチュエータ６０のスイングアーム６２とドアロック５０のロック用レバー５ ２とを、スイングアーム６２の先端部がロック用レバー５２の切欠溝５２ａ内に 係止した状態に連結しなければならないので、スイングアーム６２とロック用レ バー５２の位置をあらかじめ合わせておくことが必要となる。

【０００８】 すなわち、ドアロック５０のロック用レバー５２が、図４に示すような位置に ある場合には、スイングアーム６２の先端部をロック用レバー５２の切欠溝５２ ａ内に係止させることができないので、あらかじめ前記ロック用レバー５２を仮 想線で示す位置まで移動させることが必要となる（もちろん、スイングアーム６ ２の側を図中の下方側に移動させてもよい）。

【０００９】 このように、従来のドアロックとドアロックアクチュエータの連結構造におい ては、ドアロックアクチュエータ６０とドアロック５０の連結に先だって、スイ ングアーム６２とロック用レバー５２の位置を互いに合わせておかなければなら ないため、ドアロックアクチュエータ６０の取付作業が煩雑となって、工数がか かるという問題点があって、この種ドアロックおよびドアロックアクチュエータ の取付作業における課題のひとつとなっていた。

【００１０】

【考案の目的】

この考案は、ドアロックおよびドアロックアクチュエータのドアへの取付作業 における上記課題に着目してなされたものであって、ドアロックのロック用レバ ーとドアロックアクチュエータの出力部材の相対位置に係わりなく、ドアロック とドアロックアクチュエータとを容易に結合することができ、しかもドアロック アクチュエータの出力をドアロックに円滑に伝達することができるドアロックと ドアロックアクチュエータの連結構造を提供することを目的としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

この考案に係わるドアロックとドアロックアクチュエータの連結構造は、スイ ッチ操作に応じて正逆方向に回動する出力軸を備えたドアロックアクチュエータ と、ドアを施錠状態もしくは解錠状態に切換えるロック用レバーを備えたドアロ ックとを連結することによって、前記ドアの施錠および解錠を前記スイッチ操作 によって行うドアロックとドアロックアクチュエータの連結構造であって、前記 ドアロックアクチュエータの出力軸には、相異なる方向に放射状に突出する１対 の突起を設けると共に、前記ドアロックのロック用レバーには、前記ドアロック アクチュエータの出力軸の両突起にそれぞれ当接する２本のアームを設けてなる 構成としたことを特徴としており、ドアロックとドアロックアクチュエータの連 結構造におけるこのようなの構成を前述した従来の課題を解決するための手段と している。

【００１２】

【考案の作用】

この考案に係わるドアロックとドアロックアクチュエータの連結構造において は、ドアロックアクチュエータの出力軸に、該出力軸の軸心から相異なる方向に 突出する１対の突起を設けると共に、ドアロックのロック用レバーには前記出力 軸の両突起にそれぞれ当接する２本のアームが設けてある。 したがって、ドア ロックに対してドアロックアクチュエータを連結方向に押付けるだけで、前記ド アロックアクチュエータの出力軸の突起がドアロックのロック用レバーのアーム にそれぞれ当接するので、ドアロックアクチュエータの取付に先立って、出力軸 もしくはロック用レバーの位置合わせを行う必要がなくなる。 また、前記ドア ロックアクチュエータの出力軸の回動によって、前記突起がロック用レバーのア ームに当接してこれを押圧し、当該ロック用レバーにアクチュエータの出力軸と 同じ方向の回動を与えるので、ドアロックアクチュエータの駆動によってドアの 施錠および解錠が円滑に行われることになる。

【００１３】

【実施例】

以下、この考案を図面に基づいて具体的に説明する。

【００１４】 図１ないし図２は、この考案の一実施例に係わるドアロックとドアロックアク チュエータの連結構造を説明するものであって、図１の左方側に示すドアロック アクチュエータ１は、そのケーシング内に小型直流モータ２と、該直流モータ２ のモータシャフトに設けたウオーム３ａ，該ウオーム３ａに噛合うウオームホイ ール３ｂ，該ウオームホイール３ｂに同軸に固定されたピニオン３ｃおよび該ピ ニオン３ｃに噛合うセクタホイール３ｄとからなる減速機構３を収納しており、 図示しない配線から供給される電流方向に基づく前記直流モータ２の正方向ある いは逆方向の回転を前記減速機構３を介して前記セクタホイール３ｄに固定した 出力軸４の時計方向あるいは反時計方向の往復回転運動として減速出力するよう になっている。

【００１５】 前記ドアロックアクチュエータ１の出力軸４には、この実施例では、軸心から 約１２０°の角度をなして放射状に突出する１対の突起５ａ，５ｂを備えた出力 レバー５が固定してあり、前記突起５ａ，５ｂは、後述するドアロック１０のロ ック用レバー１２のアーム１２ａ，１２ｂにそれぞれ当接して、ドアロックアク チュエータ１の出力をドアロック１０に伝達するようになっている。

【００１６】 一方、ドアロック１０は、ロック用レバー１２の形状を除いて、車体側に設け たストライカに係脱するラッチ１１など、図３に示したドアロック５０とほぼ同 様の機構を有し、図示しないロッドを介してアウトサイドハンドル，インサイド ハンドル，キーシリンダおよびロックノブにそれぞれ接続されて、ドアの開閉、 施錠・解錠など前記ドアロック５０と同様の機能を有している。

【００１７】 ロック用レバー１２は、回動軸１３を中心に約６０°の範囲で回動可能に取付 けられており、図中反時計方向に回動させることによって（図１に示した状態） 前記ラッチ１１の動きを拘束してドアの施錠を行い、時計方向に回動させること によってラッチ１１の拘束を解除してドアを解錠状態にするようになっており、 当該ロック用レバー１２には、回動軸１３の左右に延出して、前記ドアロックア クチュエータ１の出力軸４に設けた突起５ａ，５ｂにそれぞれ当接するアーム１ ２ａ，１２ｂが設けてあると共に、該アーム１２ａ，１２ｂにはキーシリンダや ロックノブに接続された各ロッドを連結するためのロッド孔１２ｃが形成してあ る。

【００１８】 このような構造のロック用レバー１２および出力レバー５を備えたドアロック １０とドアロックアクチュエータ１をドアに組込むに際しては、ドアに取付けた ドアロック１０のロック用レバー１２に対して出力レバー５を押付ける方向にド アロックアクチュエータ１をスライドさせるだけで、ロック用レバー１２や出力 レバー５の位置に係わりなく、出力レバー５をロック用レバー１２に連結するこ とができる。

【００１９】 すなわち、図１に示すように、ドアロック１０のロック用レバー１２が施錠位 置にあるときには、ドアロックアクチュエータ１の出力レバー５の図中上方の突 起５ａがロック用レバー１２の一方のアーム１２ａにまず当接し、出力レバー５ が反時計方向に回動する。 そして図中下方側の突起５ｂがロック用レバー１２ の他方のアーム１２ｂに当接するまでドアロックアクチュエータ１をドアロック １０の側にスライドさせることによって、ドアロック１０とドアロックアクチュ エータ１とが図２（ａ）に示す状態に連結される。 逆に、ドアロック１０のロ ック用レバー１２が解錠位置にあるときには、ドアロックアクチュエータ１の出 力レバー５の図中下方側の突起５ｂがロック用レバー１２の他方のアーム１２ｂ に当接し、出力レバー５が時計方向に回動することによって、出力レバー５の上 方側の突起５ａがロック用レバー１２のアーム１２ａに当接し、ドアロック１０ とドアロックアクチュエータ１とが図２（ｂ）に示す状態に連結される。

【００２０】 また、このようにして連結したドアロックアクチュエータ１によって、ドアロ ック１０を図２（ａ）に示す施錠状態から解錠状態に切換えるには、図示しない 配線を介してアクチュエータ１の前記モータ２に所定方向の電流を供給すること によって、当該アクチュエータ１の出力軸４に図中時計方向の回動を与える。

【００２１】 これによって、出力軸４に固定した出力レバー５の突起５ａがドアロック１０の ロック用レバー１２のアーム１２ａを押圧し、前記ロック用レバー１２に時計方 向の回動が与えられ、当該ロック用レバー１２が図２（ｂ）に示すような位置に 移動して当該ドアロック１０が解錠状態となる。 逆に、ドアロック１０を図２ （ｂ）に示す解錠状態から施錠状態に切換えるには、前記モータ２に逆方向の電 流を供給し、前記アクチュエータ１の出力軸４に図中反時計方向の回動を与える 。 これにより、出力軸４に固定した出力レバー５の突起５ｂがドアロック１０ のロック用レバー１２のアーム１２ｂを押圧し、前記ロック用レバー１２を反時 計方向に回動せしめて当該ロック用レバー１２を図２（ａ）に示すような位置に 移動させる結果、当該ドアロック１０が施錠状態となる。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案に係わるドアロックとドアロックアクチュエー タの連結構造においては、上記構成としたことによって、ドアロックアクチュエ ータの出力をドアロックに確実に伝達することができると共に、ドアロックアク チュエータとドアロックの連結に先立って、ドアロックアクチュエータの出力軸 とドアロックのロック用レバーの位置合わせを行う必要がないので、ドアロック とドアロックアクチュエータとの取付作業が簡便かつ容易なものとなって、作業 の能率が向上するという非常に優れた効果がもたらされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例に係わるドアロックとドア
ロックアクチュエータの連結構造を示す説明図である。

【図２】（ａ）（ｂ）は図１に示した連結構造によって
連結されたドアロックとドアロックアクチュエータの作
動状況を示すそれぞれ説明図である。

【図３】従来の連結構造によりドアロックとドアロック
アクチュエータを連結したドアの開閉機構を示す説明図
である。

【図４】図３に示したドアロックとドアロックアクチュ
エータの連結構造を示す説明図である。

【符号の説明】

１ ドアロックアクチュエータサンルーフモータ（歯車
付モータ） ４ 出力軸 ５ａ，５ｂ 突起 １０ ドアロック １２ ロック用レバー １２ａ，１２ｂ アーム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スイッチ操作に応じて正逆方向に回動す
   る出力軸を備えたドアロックアクチュエータと、ドアを
   施錠状態もしくは解錠状態に切換えるロック用レバーを
   備えたドアロックとを連結することによって、前記ドア
   の施錠および解錠を前記スイッチ操作によって行うドア
   ロックとドアロックアクチュエータの連結構造であっ
   て、前記ドアロックアクチュエータの出力軸には、相異
   なる方向に放射状に突出する１対の突起を設けると共
   に、前記ドアロックのロック用レバーには、前記ドアロ
   ックアクチュエータの出力軸の両突起にそれぞれ当接す
   る２本のアームを設けてなることを特徴とするドアロッ
   クとドアロックアクチュエータの連結構造。