JP3921423B2 - 自動車部品用アクチュエータ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車部品用アクチュエータに関するものであり、特に、自動車のドアラッチ装置用アクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来のドアラッチ装置には、ロック状態とアンロック状態の切替を行うロック機構(ロックレバー)や、ドア(テールゲート・トランク扉)を開扉させる開扉機構(オープンレバー)が設けられており、近年の殆どのロック機構では、そのロックレバーがアクチュエータによりロック位置とアンロック位置とに切り替るようになっている。また、ドア、特にテールゲートやトランク扉の開扉機構でも、そのオープンレバーがアクチュエータの作動で待機位置から開扉位置に移動してドアが開扉されるようになってきている。
前記ロック機構のロックレバーや前記開扉機構のオープンレバー(以下、切替部材)は、手動によっても操作されるから、アクチュエータには手動切替操作をモータ側に伝達させないワンウエイクラッチが設けられている。ワンウエイクラッチの代表的な構成はロストモーション機構である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記ロストモーション機構のロストモーションは、モータに連結された回転部材を、モータの作動停止後、中立復帰バネの弾力で中立位置に復帰させることで達成されている。しかし、中立復帰バネはモータの回転力に対する抵抗になるから、これを削除できるとエネルギー効率の良いアクチュエータを得ることができる。
【0004】
【課題を解決する手段】
よって、本発明は、モータ12の回転により連動して回転する回転部材15と、出力軸17を中心に回転して第1位置と第2位置とに切り替る出力レバー18とを備え、前記回転部材15の回転により前記出力レバー18は前記第1位置と前記第2位置とに切り替るが前記出力レバー18の前記第1位置から前記第2位置又はその反対への切替では前記回転部材15は回転しない自動車部品用アクチュエータにおいて、前記回転部材15には常時は停止位置Aに位置するカム突起22を設け、前記出力レバー18には前記カム突起22が係合するカム溝23を設け、前記カム溝23には、前記出力軸17を中心とした円弧通路24と、一方側は前記円弧通路24に臨み他方側は互いに連なる第1カム面25及び第2カム面26とを設け、前記カム突起22の前記停止位置Aは前記円弧通路24上に設定し、前記カム突起22が前記停止位置Aにあるときに前記出力レバー18が前記出力軸17を中心に前記第1位置から前記第2位置に又はその反対に回転すると前記カム突起22が前記円弧通路24内を相対的に移動するだけで前記出力レバー18は前記カム突起22に当接せず、前記出力レバー18が前記第1位置にあるときに前記回転部材15を第2方向に回転させると前記カム突起22は前記円弧通路24から離脱して前記第1カム面25の内側に沿って移動した後前記第2カム面26に当接して前記出力レバー18を前記第1位置から前記第2位置に押圧移動させ、前記出力レバー18が前記第2位置にあるときに前記回転部材15を前記第2方向とは反対の第1方向に回転させると前記カム突起22は前記円弧通路24から離脱して前記第2カム面26の内側に沿って移動した後前記第1カム面25に当接して前記出力レバー18を前記第2位置から前記第1位置に押圧移動させ、前記回転部材15は前記モータ12により360度回転した後停止する自動車部品用アクチュエータとしたものである。
【0005】
【実施例】
図1〜図6には本発明による実施例のアクチュエータ10が示されており、そのケース11内にはモータ12が収納され、モータ12のモータ軸13には円筒ウオーム14が取付けられている。円筒ウオーム14にはウオームホイールからなる回転部材15が噛合しており、回転部材15は支持軸16によりケース11内に軸止されている。
【0006】
前記回転部材15の側方には出力軸17が設けられ、出力軸17には出力レバー18が軸止される。出力レバー18は、回転部材15に関連的に連結されるカム側アーム19と、第1位置と第2位置とに切り替る切替部材20に連結される出力側アーム21とを有する。本発明における切替部材20とは、例えば、自動車ドアラッチ装置におけるロックレバーであり、ロックレバーはロック位置(第1位置)とアンロック位置(第2位置)とに切り替ることでラッチ装置をロック状態とアンロック状態とに切替える。
【0007】
図示の出力レバー18は、アーム19とアーム21とを一体的に備えた1個のレバーとして形成されているが、これらを別体にして両アーム19、21を出力軸17を介して連動するようにしても良い。
【0008】
前記カム側アーム19には、回転部材15に設けたカム突起22が係合するカム溝23を設ける。カム突起22は回転部材15の周辺部から支持軸16の軸芯方向に突出しており、常時は、停止位置Aに位置している。カム突起22は、モータ12の正転若しくは逆転により回転部材15がいずれかの方向に支持軸16を中心に回転すると、停止位置Aから移動し、カム突起22が停止位置Aに戻るとモータ12は停止する。つまり、モータ12はいったん起動すると、回転部材15を360度回転させ、その後ストップする。
【0009】
前記カム溝23は、出力軸17を中心とした見かけ上の円弧通路24(図6参照)を備え、前記カム突起22の停止位置Aは、円弧通路24上に設定される。円弧通路24の長さ(角度幅)は、カム突起22の角度幅に出力レバー18の切替角度幅を足した長さであり、出力レバー18が出力軸17を中心に手動で第1位置と第2位置との間で回転したとき、カム突起22は円弧通路24内を相対的に移動するだけで、停止位置Aのカム突起22に対して出力レバー18は当接しない。
【0010】
25は前記カム溝23の第1カム面、26は第2カム面である。カム面25とカム面26とは対称形状で、それぞれ一方側は円弧通路24に臨み、他方側において互いに連なっている。第1カム面25は、図1のように、出力レバー18が第1位置にあるときは、支持軸16から離間し、カム突起22の回転軌跡の外側に位置するが、図3のように、出力レバー18が第2位置にあるときは、支持軸16に近接し、カム突起22の回転軌跡の内側に位置する屈曲面である。また、第2カム面26は、図3のように、出力レバー18が第2位置にあるときは、支持軸16から離間し、カム突起22の回転軌跡の外側に位置するが、図1のように、出力レバー18が第1位置にあるときは、支持軸16に近接し、カム突起22の回転軌跡の内側に位置する屈曲面である。
【0011】
前記カム側アーム19には、出力軸17を中心とする円弧状のガイドスロット27が設けられる。ガイドスロット27には支持軸16(回転部材15のボス部)を係合させ、ガイドスロット27と支持軸16との当接により出力レバー18の回転範囲が規定される。
【0012】
上記実施例においては、図1の状態で、モータ12により回転部材15を反時計回転させると(以下、この回転方向を第2方向という)、カム突起22は円弧通路24から離脱して第1カム面25の内側に沿って移動し、図2のように、第2カム面26に当接する。その後、更に回転部材15が第2方向に回転すると、カム突起22が第2カム面26を押して出力レバー18を反時計回転させて出力レバー18を第1位置から第2位置に切替え、これにより切替部材20も第1位置から第2位置に切替り、回転部材15が360度回転してカム突起22が停止位置Aに戻るとモータ12はストップして、図3の状態になる。
【0013】
また、出力レバー18が第2位置にある図3の状態で、モータ12により回転部材15を時計回転方向に回転させると(以下、この回転方向を第1方向という)、カム突起22は円弧通路24から離脱して第2カム面26の内側に沿って移動し、図4のように、第1カム面25に当接する。その後、更に回転部材15が第1方向に回転すると、カム突起22が第1カム面25を押して出力レバー18を時計回転させて出力レバー18を第2位置から第1位置に切替え、これにより切替部材20も第2位置から第1位置に切替り、回転部材15が360度回転してカム突起22が停止位置Aに戻るとモータ12はストップして、図1の状態になる。
【0014】
しかして、図1及び図3のモータ12の停止状態において、出力レバー18を出力軸17を中心に手動で第1位置と第2位置との間で回転させても、カム突起22は円弧通路24内を相対的に移動するだけで、停止位置Aのカム突起22に対して出力レバー18は当接しないから、円滑に出力レバー18の手動切替操作が行える。このため、本発明の第1実施例では、回転部材15を中立位置に復帰させるバネ等の弾性体が不要になり、もって、エネルギー効率の良いアクチュエータにすることができる。
【0015】
【発明の効果】
以上のように本発明に基づくアクチュエータ10では、回転部材15を中立位置に復帰させるバネ等の弾性体が不要になり、もって、エネルギー効率の良いアクチュエータにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 出力レバーが第1位置にあるときの第1実施例のアクチュエータの平面図。
【図2】 図1において回転部材を第2方向に途中まで回転させた状態の平面図。
【図3】 出力レバーが第2位置にあるときの第1実施例のアクチュエータの平面図。
【図4】 図3において回転部材を第1方向に途中まで回転させた状態の平面図。
【図5】 前記アクチュエータの断面図。
【図6】 前記実施例の出力レバーの平面図。
【符号の説明】
10…アクチュエータ、11…ケース、12…モータ、13…モータ軸、14…円筒ウオーム、15…回転部材、16…支持軸、17…出力軸、18…出力レバー、19…カム側アーム、20…切替部材、21…出力側アーム、22…カム突起、23…カム溝、24…円弧通路、25…第1カム面、26…第2カム面、27…ガイドスロット。
Claims (1)
- モータ12の回転により連動して回転する回転部材15と、出力軸17を中心に回転して第1位置と第2位置とに切り替る出力レバー18とを備え、前記回転部材15の回転により前記出力レバー18は前記第1位置と前記第2位置とに切り替るが前記出力レバー18の前記第1位置から前記第2位置又はその反対への切替では前記回転部材15は回転しない自動車部品用アクチュエータにおいて、前記回転部材15には常時は停止位置Aに位置するカム突起22を設け、前記出力レバー18には前記カム突起22が係合するカム溝23を設け、前記カム溝23には、前記出力軸17を中心とした円弧通路24と、一方側は前記円弧通路24に臨み他方側は互いに連なる第1カム面25及び第2カム面26とを設け、前記カム突起22の前記停止位置Aは前記円弧通路24上に設定し、前記カム突起22が前記停止位置Aにあるときに前記出力レバー18が前記出力軸17を中心に前記第1位置から前記第2位置に又はその反対に回転すると前記カム突起22が前記円弧通路24内を相対的に移動するだけで前記出力レバー18は前記カム突起22に当接せず、前記出力レバー18が前記第1位置にあるときに前記回転部材15を第2方向に回転させると前記カム突起22は前記円弧通路24から離脱して前記第1カム面25の内側に沿って移動した後前記第2カム面26に当接して前記出力レバー18を前記第1位置から前記第2位置に押圧移動させ、前記出力レバー18が前記第2位置にあるときに前記回転部材15を前記第2方向とは反対の第1方向に回転させると前記カム突起22は前記円弧通路24から離脱して前記第2カム面26の内側に沿って移動した後前記第1カム面25に当接して前記出力レバー18を前記第2位置から前記第1位置に押圧移動させ、前記回転部材15は前記モータ12により360度回転した後停止する自動車部品用アクチュエータ。
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