JPH089331Y2 - 自動車用ドアロックの施解錠検出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、正逆回転可能なモータによって、ドアロッ
クを施錠操作及び解錠操作しうるようにした、中立復帰
型の自動車用ドアロックの操作装置に関し、特に、施解
錠状態を検出しうる自動車用ドアロックの施解錠検出装
置に関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種の中立復帰型の自動車用ドアロックの操
作装置としては、例えば実公昭58-9953号公報に開示さ
れているものがある。

この装置は、ドアロックと駆動部をなす電動式のアク
チュエータとを、それぞれ別個の位置に配置するととも
に、モータの回転力を減速する減速装置に、出力軸の回
転角に比例した信号を制御回路に送るポテンショメータ
を設け、出力軸と一体となって回転する出力レバーに、
ロッドの一端を回動自在に接続し、このロッドの他端
を、減速装置の出力レバーが中立位置から、施錠方向又
は解錠方向に設定された回転角で得るストロークと同等
の遊びを介して、ドアロックの操作レバーに接続し、モ
ータの回転によって、ドアロックの操作レバーを施解錠
操作できるようにしている。

前記制御回路は、前記ポテンショメータからの信号に
基づき、前記出力レバーを、減速装置の出力軸の中立位
置から、操作レバーのストロークと同等の動きをするよ
うに、中立位置の両側で正逆回転させ、設定ストローク
の動作後に出力レバーを逆回転させて、常に中立位置に
復帰するように制御することにより、車室内に設けた操
作ノブ側からの手動操作の動作が減速装置に伝達されな
いようにして、軽快な手動操作を可能にしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上述のような従来の装置においては、操作ノブ側から
の動作を、出力レバーに伝達しないようにするため、ア
クチュエータの出力レバーを動作後中立位置に復帰しう
るようにし、かつ出力レバーと施解錠レバーとの関係
を、遊びによって断ってあるので、出力レバーの位置
は、ポテンショメータによって検出可能であるものの、
施解錠レバーの位置は、検出できない。

そのため、例えば、施解錠レバーが施錠位置にあるに
も拘らず、操作スイッチを操作した場合や、車両の速度
に応じてドアロックを施錠させる速度検知装置を設けた
車両の場合等において、モータに電流が流れると実際の
施錠、解錠操作とは関わりなく、モータが回転してしま
い、不必要なモータの作動音を生じたり、また、施解錠
レバーの施解錠状態を、モニターできないという問題点
がある。

この問題点の解決策としては、出力レバーの位置を検
出するポテンショメータとは別に、施解錠レバーの施錠
及び解錠状態を検出する検出スイッチを、ドアロック上
の施解錠レバーの移動範囲内に配置することが考えられ
る。

しかし、このようにすると、施解錠レバーの施錠位置
及び解錠位置の２つの異なる位置を検出しなければなら
ないため、一般的に、２個の検出スイッチをそれぞれ異
なる設定位置に配置する必要があり、検出スイッチの取
付作業及び取付位置精度の管理が面倒になるという問題
点を生じる虞れがある。

本考案は、従来技術が有する上記のような問題点に鑑
みてなされたもので、その目的とするところは、構造が
簡単であって、検出スイッチの取付作業が容易に行なう
ことができるようにした、自動車用ドアロックの施解錠
検出装置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するため、本考案の装置は、正逆回転
可能なモータにより、減速機構を介して、出力レバー
を、中立位置を境として、施錠方向及び解錠方向に回動
させることができ、かつ前記出力レバーを、中立位置に
復帰回転させるようにした中立復帰型のカクチュエータ
により、ドアロックの施解錠レバーを、施錠位置と解錠
位置との間を回動しうるようにした自動車用ドアロック
の操作装置において、前記出力レバーの外縁における回
動中心の近い部分に切欠部を形成するとともに、前記ド
アロックに固定された施解錠検出スイッチに、揺動自在
な検出レバーと、施錠側接点及び解錠側接点とを設け、
前記検出レバーの一端を、施解錠レバーの切欠部に係合
させることにより、施解錠レバーの施錠位置及び解錠位
置への移動に伴ない、前記検出レバーが連動して、該検
出レバーの他端に設けた接点部が、前記施錠側接点及び
解錠側接点に選択的に接触して、施解錠レバーの施錠位
置と解錠位置とを検出しうるようにしたことを特徴とし
ている。

〔作用〕

施解錠レバーが、施錠位置又は解錠位置へ向けて移動
するのに伴ない、施解錠レバーの切欠部に係合した施解
錠検出スイッチの検出レバーは施錠方向又は解錠方向に
揺動し、その検出レバーの施錠側接点又は解錠側接点に
選択的に接触することによって、１個の施解錠検出スイ
ッチで、施解錠レバーの施錠又は解錠位置の異なる２つ
の位置を確実に検出することができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を、添付図面に基づいて説明
する。

（１）は、ドア内に設けられたドアロック本体で、車
体側に設けられたストライカ（図示略）と係脱するラッ
チ及びロッキング・プレート（共に図示略）等を収納し
た噛合機構部（２）と、該噛合機構部（２）を制御操作
するレバー群を収納した操作機構部（３）とから構成さ
れている。

（４）は、操作機構部（３）に回動自在に支持された
レバー群の１つをなす施解錠レバーで、その一端は、ド
アの車室内側に配置された手動操作用の施解錠ノブ
（５）に、ロッド（６）を介して連結され、同じく他端
は、ドアロック本体（１）上に回動自在に枢支されたキ
ーレバー（７）に連結され、かつ中央部には、下方向に
延出する作動部（4a）が形成され、作動部（4a）の近傍
には、切欠部（4b）が形成されている。

（８）は、ドアロック本体（１）上に固定された施解
錠検出スイッチで、そのケーシング（8a）に揺動可能に
支持された検出レバー（９）の先端は、施解錠レバー
（４）の切欠部（4b）内に突入して係合している。

検出レバー（９）が第１図及び第３図に示すように左
側寄りに揺動した場合には、施解錠検出スイッチ（８）
のケーシング（8a）内に設けられた解錠側接点（9a）が
閉じ、また第４図に示すように、右側寄りに揺動した場
合には、施錠側接点（9b）が閉じるようになっている。

キーレバー（７）は、その先端に設けたホルダー（7
a）及び該ホルダ（7a）に回動自在に連結されたロッド
（図示略）を介して、ドアの車外側に配置されたキーシ
リンダ（10）に連結されている。

車内から施解錠ノブ（５）を、手動操作するか、又は
車外から、キープレートを用いてキーシリンダ（10）を
手動操作することにより、施解錠レバー（４）を、ドア
の車内側に設けた解除操作ハンドル（図示略）のドア開
操作を不能にする第４図に示す施錠位置と、同じく可能
にする第１図及び第３図に示す解錠位置とに移動させる
ことができる。

この施解錠レバー（４）の移動により、施解錠検出ス
イッチ（８）の検出レバー（９）は、施解錠レバー
（４）が施錠位置から解錠位置に向けて移動した際、切
欠部（4b）の右側縁に当接して、解錠側接点（9a）を閉
じ、また解錠位置から施錠位置に向けて移動した際、切
欠部（4b）の左側縁に当接して、施錠側接点（9b）を閉
じることができる。

（11）は、施解錠レバー（４）をモータ駆動により施
錠位置及び解錠位置に移動させる中立復帰型のアクチュ
エータで、ドアロック本体（１）のブラケット（1a）上
の施解錠レバー（４）近傍に固着されている。

ケース（12）内には、正逆回転可能なモータと、この
モータの回転を減速する遊星歯車等から構成された公知
の減速機構と、減速機構の出力軸（13）に固着された出
力レバー（14）とが設けられている。

アクチュエータ（11）における出力レバー（14）と施
解錠レバー（４）の作動部（4a）との関係は、出力レバ
ー（14）の回転中心である出力軸（13）が、施解錠レバ
ー（４）の作動部（4a）の移動軌跡の側方に位置すると
ともに、出力レバー（14）が中立位置のとき、出力レバ
ー（14）の係合部（14a）が、施解錠レバー（４）の作
動部（4a）の移動軌跡から適宜の間隔をもって側方に離
れ、出力レバー（14）を中立位置から施錠方向又は解錠
方向に回動させることにより、出力レバー（14）が前記
作動部（4a）の一側縁又は他側縁に当接して、施解錠レ
バー（４）を施錠位置又は解錠位置まで移動しうるよう
に定めてある。

出力レバー（14）は、第１図に示す中立位置から、車
室内外に設けた遠隔操作スイッチ（図示略）及びキーシ
リンダ（10）の操作に連動するキー操作スイッチ（図示
略）により、モータの回転によって、第１図における時
計方向である施錠方向及び反時計方向である解錠方向に
回動することができる。

（15）は、出力レバー（14）の中立位置に対応する位
置に配置された常閉の中立検出スイッチで、出力レバー
（14）の係合部（14a）の円周に形成された円周部（14
b）に当接することによって、出力レバー（14）の中立
位置を検出することができる。

次に、上記実施例の作用について説明する。

第１図に示すように、出力レバー（14）が中立位置に
あるときは、施解錠ノブ（５）を手動操作により、施錠
又は解錠操作することによって、施解錠レバー（４）は
出力レバー（14）に干渉することなく、施錠位置又は解
錠位置に移動することができる。

この移動により、施解錠レバー（４）の切欠部（4b）
に係合した施解錠検出スイッチ（８）の検出レバー
（９）は、右側寄り又は左側寄りに揺動し、施錠側接点
（9b）又は解錠側接点（9a）を閉じ、それぞれの状態を
検出することができる。

同じく、第１図に示すように、出力レバー（14）が中
立位置にあるとき、車室内外に設けた施解錠操作スイッ
チを施錠操作すると、モータは予め定められた正転方向
に回転し、出力レバー（14）は、減速機構を介して中立
位置から時計方向に回動し、第４図に示すように、出力
レバー（14）の係合部（14a）が施解錠レバー（４）の
作動部（4a）の左側縁に当接して、施解錠レバー（４）
を解錠位置から施錠位置に移動させることができる。

この移動を、施解錠レバー（４）の切欠部（4b）に係
合した施解錠検出スイッチ（８）の検出レバー（９）が
検出して、施錠側接点（9b）が閉じることにより、モー
タは逆転制御され、出力レバー（14）は、反転して中立
位置に復帰回動し、中立検出スイッチ（15）が出力レバ
ー（14）の円周部（14b）に当接して検出することによ
り、モータの回転は停止し、出力レバー（14）は中立位
置に停止する。

施解錠操作スイッチを解錠操作すると、モータは逆転
方向に回転し、出力レバー（14）は減速機構を介して、
第１図に示す中立位置から反時計方向に回動し、出力レ
バー（14）の係合部（14a）が作動部（4a）の右側縁に
当接して、施解錠レバー（14）を、施錠位置から解錠位
置に移動させることができる。

この移動を、施解錠検出スイッチ（８）の検出レバー
（９）が検出して、解錠側接点（9a）が閉じることによ
り、モータは正転制御され、出力レバー（14）を中立位
置に復帰回動し、中立検出スイッチ（15）が出力レバー
（14）の円周部（14b）に当接して検出することによ
り、モータの回転は停止し、出力レバー（14）は中立位
置に停止する。

〔考案の効果〕

本考案によれば、施解錠レバーの施錠位置と解錠位置
との異なる２つの位置を、１個の施解錠検出スイッチに
よって検出することができ、また、施解錠検出スイッチ
の検出レバーを切欠部に係合させることにより、施解錠
検出スイッチを、設定された位置に簡単かつ確実に配置
することができ、作業性を向上させ、ひいてはコストを
低減させることができる。また、検出レバーを揺動させ
る施解錠レバーの切欠部を、施解錠レバーの回動中心の
近くに設けたので、検出レバーの緩動範囲は狭くなり、
施解錠検出スイッチを小型化することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の装置の実施例を示し、 第１図は、解錠状態のドアロック本体の正面図、 第２図は、斜視図、 第３図は、解錠状態を示す要部の正面図、 第４図は、施錠状態を示す要部の正面図である。 （１）ドアロック本体、（４）施解錠レバー （4a）作動部、（4b）切欠部 （８）施解錠検出スイッチ、（９）検出レバー （9a）解錠側接点、（9b）施錠側接点 （11）アクチュエータ、（13）出力軸 （14）出力レバー、（15）中立検出スイッチ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−158876（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−98964（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭51−21499（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】正逆回転可能なモータにより、減速機構を
   介して、出力レバーを、中立位置を境として、施錠方向
   及び解錠方向に解動させることができ、かつ前記出力レ
   バーを、中立位置に復帰回転させるようにした中立復帰
   型のアクチュエータにより、ドアロックの施解錠レバー
   を、施錠位置と解錠位置との間を回動しうるようにした
   自動車用ドアロックの操作装置において、 前記出力レバーの外縁における回動中心の近い部分に切
   欠部を形成するとともに、前記ドアロックに固定された
   施解錠検出スイッチに、揺動自在な検出レバーと、施錠
   側接点及び解錠側接点とを設け、前記検出レバーの一端
   を、施解錠レバーの切欠部に係合させることにより、施
   解錠レバーの施錠位置及び解錠位置への移動に伴ない、
   前記検出レバーが連動して、該検出レバーの他端に設け
   た接点部が、前記施錠側接点及び解錠側接点に選択的に
   接触して、施解錠レバーの施錠位置と解錠位置とを検出
   しうるようにしたことを特徴とする自動車用ドアロック
   の施解錠検出装置。