JPH0644941B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、パチンコ遊技機等で代表る弾球遊技機に関
し、詳しくは、遊技盤上に配設され、打玉を受け入れや
すい第１の状態と打玉を受け入れないもしくは受け入れ
にくい第２の状態に変化自在でかつ受け入れた打玉を集
合して遊技盤裏面側に導く枠部材を含む可変入賞球装置
が設けられた弾球遊技機に関する。

［従来の技術］ この種の弾球遊技機において、従来から一般的に知られ
ているものに、たとえば、特開昭５６−６８４７４号公
報や特開昭５６−６８４７５号公報に記載のものがあっ
た。このような弾球遊技機では、可変入賞球装置内に入
賞した入賞玉をアウト玉と区別するために遊技盤裏面側
の入賞玉集合板に誘導してその誘導されてきた入賞玉に
基づいて所定量の遊技価値を遊技者に付与していた。そ
して、このような可変入賞球装置を備える弾球遊技機で
は、可変入賞球装置が入賞しやすい第１の状態に変化し
ているときには、打球操作によっては非常に多くの玉が
入賞でき、一度に大量の入賞玉が発生して非常に多くの
遊技価値が遊技者に付与されることになり、これが原因
で遊技者の打球操作の優劣で付与される遊技価値の大き
さに大きな差が生じてしまう場合があった。

［発明が解決しようとする課題］ そこで、付与される遊技価値の格差を縮め、サービスの
均一化，平等化を図るべく、従来、可変入賞球装置内へ
入賞した入賞玉を検出スイッチで検出し、入賞玉が所定
の上限個数に達すると可変入賞球装置を第２の状態に切
換えて打玉の入賞を抑制していた。しかし、前記可変入
賞球装置内に入賞した入賞玉は前述のように遊技盤裏面
側に導かれ、その遊技盤裏面側に設けられた入賞球検出
器の玉検出部で検出されていたため、玉が入賞してから
その検出部まで導かれる間だけ検出遅れが生ずるのであ
り、その間、予め定められた上限個数を越えて玉の入賞
を許してしまう場合が生じ、前記サービスの均一化，平
等化を完全には図れない欠点を有していた。

本発明は、かかる実情に鑑み、可変入賞球装置内に入賞
した入賞玉の検出遅れに起因して予め定められた上限個
数を越えて打玉の入賞を許してしまう不都合を防止する
ことを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明にかかる弾球遊技機は、遊技盤上に配設され、打
玉を受け入れやすい第１の状態と打玉を受け入れないも
しくは受け入れにくい第２の状態とに変化自在で且つ受
け入れた打玉を集合して遊技盤裏面側に導く枠部材を含
む可変入賞球装置と、 前記遊技盤の前面側を覆うように配設されたガラス板
と、 前記遊技盤の裏面側であって前記枠部材によって導かれ
た入賞玉を集合させる入賞玉集合板と、 前記遊技盤とガラス板との間に形成された第１空間部
と、 前記遊技盤と入賞玉集合板との間に形成された第２空間
部と、 前記可変入賞球装置内に入賞し前記枠部材で導かれてき
た入賞玉を検出する入賞球検出器と、 前記可変入賞球装置が第１の状態のときに該可変入賞球
装置内に入賞した入賞玉が前記入賞球検出器により所定
の上限個数検出された場合に、前記第１の状態の可変入
賞球装置を第２の状態に切換える切換手段とを含み、 前記入賞球検出器は、その玉検出部を前記遊技盤の肉厚
内に位置させた状態で前記可変入賞球装置に取付けら
れ、 前記第１空間部を落下してきた打玉が、前記可変入賞球
装置に入賞し、前記遊技盤の肉厚内に位置した前記玉検
出部を通過し、その後前記第２空間部へ導かれることを
特徴とする。

［作用］ 本発明によれば、可変入賞球装置内に入賞した入賞玉
は、入賞球検出器により検出された後遊技盤の裏面側に
設けられた入賞玉集合板に導かれる。その際、第１の状
態にある可変入賞球装置内に入賞した入賞玉が所定の上
限個数に達したことを検出するための入賞球検出器の玉
検出部が遊技盤の肉厚内に位置しているために、可変入
賞球装置内に入賞した入賞玉を、遊技盤の裏面側に導く
以前の遊技盤の肉厚内で検出することができ、その分入
賞玉の検出おくれが防止できる。

［発明の実施例］ 次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

第１図は、本発明にかかる弾球遊技機の一例のパチンコ
遊技機を示す正面図である。図において、パチンコ遊技
機１０は、前面枠１１と、該前面枠１１に着脱自在に装
着された遊技盤１とを含む。遊技盤１には、セーフ孔２
ａ，２ｂ、入賞領域３ａ，３ｃ、複数のヤクモノ（通称
チューリップ）４ａ，４ｂ、およびアウト玉入口５が形
成されている。また遊技盤１のほぼ中央部には、可変入
賞球・可変表示装置３０が配設されている。この実施例
の可変入賞球・可変表示装置３０は、可変入賞球装置４
０に加えて可変表示装置５０が一体的に組合わされた構
成になっている。

可変表示装置５０は、回転ドラム表示機構５０Ａおよび
セグメント表示器５０ｂを含んで構成されている。そし
て、可変表示装置５０は、入賞領域３ａ〜３ｃへの入賞
玉に応じて回転ドラム表示器５０Ａおよびセグメント表
示器５０Ｂの可変表示を開始し、遊技者の停止指令操作
または可変表示開始から一定時間後において、可変表示
を停止する。このときの回転ドラム表示機構５０Ａの表
示状態とセグメント表示器５０Ｂの表示状態との組合せ
が所定の状態になったとき、可変入賞球装置４０は開成
駆動できるように定められた特定遊技状態になる。

第２図は、可変入賞球・可変表示装置３０の斜視図であ
る。第３Ａ図および第３Ｂ図は、可変入賞球装置４０の
詳細を示し、特に、第３Ａ図は可変入賞球・可変表示装
置３０の裏面から見た可変入賞球装置４０の詳細を示
し、第３Ｂ図は、可変入賞球装置４０の入賞領域部分の
縦断面図である。この第３Ｂ図が、この実施例の特徴を
最もよく表わしている。

次に、第２図，第３Ａ図および第３Ｂ図を参照して、可
変入賞球・可変表示装置３０の構成をふまえて可変入賞
球装置４０の構成について詳細に説明する。

可変入賞球・可変表示装置３０は、取付板３１に可変入
賞球装置４０と可変表示装置５０とが一体的に装着され
た構成になっている。具体化には、取付板３１には開口
部３２が穿設されている。開口部３２は可変入賞球装置
４０の開閉板４１が開成されたときに入賞領域となるよ
うに、横長の長方形の孔とされている。取付板３１に
は、回転ドラム表示機構５０Ａに含まれる回転ドラムに
描かれた識別情報を表示するための表示窓３３ａ，３３
ｂ，３３ｃが形成されている。さらに、取付板３１の最
上部には、枠部材３４が取付けられている。枠部材３４
にはセグメント表示器５０Ｂが装着されており、その上
部は逆八字状の玉受板３４１が取付けられている。玉受
板３４１で受けられた玉は、入賞領域３ａとなる孔を介
して裏面へ導かれるようになっている。さらに、枠部材
３４の横方向に延びる部分は、玉を通過させるための通
過領域３４２，３４３が形成されるとともに、該通過領
域３４２，３４３を通過した玉の落下に変化を与えるた
めに、取付板３１のほぼ中央部で開口部３２の上部位置
には横一列に障害釘３５が適当な数だけ植設されてい
る。障害釘３５と開口部３２との間には、ガイド部材３
６が装着されている。ガイド部材３６は、横方向の複数
箇所に、垂直方向に延びるガイド板を有し、玉を垂直方
向に導きながら落下させる働きをするものである。

可変入賞球装置４０は、遊技者にとって有利になる第１
の状態と、遊技者にとって不利になる第２の状態に変化
可能な装置である。遊技者にとって有利になる第１の状
態では、開閉板４１が前方に開成（または開閉）して玉
を受け入れやすい状態となり、遊技者にとって不利にな
る第２の状態では、開閉板４１が閉成して玉が入賞不可
能な状態になる。

また、ガラス板９６と遊技盤１との間の第１空間部９２
を通過してきたパチンコ玉は、可変入賞球装置４０が第
１の状態にあるときその可変入賞球装置４０内に入賞で
き、その入賞たパチンコ玉は、遊技盤１と入賞玉集合板
９０との間の第２空間部９４に誘導される。

可変入賞球装置４０の具体的な構造は、次のようになっ
ている。すなわち可変入賞球装置４０は、枠部材４２の
前面（開口部３２に関連する部分）に回動自在に装着さ
れた開閉板４１を含む。開閉板４１の両側端縁には、裏
面側に突出する三角形の側壁４１１，４１２が備えられ
ている。側壁４１１，４１２は軸４１３で枠部材４２の
側面に回動自在に取付けられている。枠部材４２の下方
には、径路４２１，４２２が形成されている。枠部材４
２の背面はカバー４２３で覆われている。開閉板４１が
開成状態における開口部３２は、玉の入賞容易が入賞領
域４３となる。

入賞領域４３は、横方向に複数の入賞領域４３ａ〜４３
ｃに分けられている。入賞領域４３ａは、特定遊技状態
において開閉板４１の開成中に入賞した玉によって再度
開閉板４１を開いて可変入賞球装置４０を入賞しやすい
状態にできるような条件が定められた領域である。その
目的で、検出スイッチ４４ａが備えられている。また、
入賞領域４３ａ〜４３ｃのいずれかに入賞した玉は、そ
れぞれ径路４２１，４２２を介して下方へ導かれる。径
路４２１，４２２の下方には、入賞領域４３へ入賞した
玉を検出するための検出スイッチ４４ｂが設けられてお
り、この検出スイッチ４４ｂによって検出された入賞玉
の数が予め定められた上限個数に達した場合に可変入賞
球装置４０が第２の状態に切換えられる。なお、可変入
賞球装置４０は、第１の状態になってから所定個数の経
過または打玉の前記上限個数の入賞のうちいずれか早い
方の条件が成立したことに基づいて第２の状態に切換わ
るものであってもよい。

この実施例の特徴は、このような検出スイッチ４４ａ，
４４ｂの玉検出部４４１ａ，４４１ｂを、第３Ｂ図に示
すように、入賞領域４３の入賞口近傍の遊技盤１の肉厚
内に位置するように設けたことである。このような位置
に設けた場合、第３Ｂ図に示すように、入賞領域４３に
入賞したパチンコ玉は、傾斜して位置する開閉板４１に
沿って落下径路がずらされる以外、その落下がまったく
妨げられないので入賞後、非常にスムーズに、かつほと
んど時間を要することなく検出スイッチ４４ａまたは４
４ｂの玉検出部４４１ａまたは４４１ｂを通過する。し
たがって、入賞領域４３に入賞した玉は、時間的な遅れ
が伴うことなく直ちに検出スイッチ４４ａまたは４４ｂ
によって検出される。

可変入賞球装置４０の構造についてもう少し説明してお
く。開閉板４１には開閉駆動機構４５が結合されてい
る。開閉駆動機構４５は、ソレノイド４５１とＴ字形レ
バー４５３と、ロット４５５とばね４５６とを含む構成
である。Ｔ字形レバー４５３はその中心がピン４５４に
よって取付け板３１に回動自在に取付けられている。Ｔ
字形レバー４５３の短辺の一端はソレノイド４５１のプ
ランジャ４５２に係合され、該レバー４５３の短辺の他
端にはばね４５６が連結されている。さらに、Ｔ字形レ
バー４５３の長辺の端部にはロット４５５の一端が係合
され、該ロット４５５の他端は開閉板４１の側壁とピン
４１３によって係合されている。ソレノイド４５１が電
気的に消勢されているときには、Ｔ字形レバー４５３の
短辺他端がばね４５６で引っ張られているので、該レバ
ー４５３の長辺先端は下方に引き落とされた状態にな
り、ロット４５５によって開閉板４１の側壁に下方向き
の力が加わり、開閉板４１は閉成された状態になる。逆
に、ソレノイド４５１が電気的に付勢されると、Ｔ字形
レバー４５８は時計方向（第３Ａ図における時計方向）
へ回動され、ロット４５５が上方向へ引き上げられて開
閉板４１が前方へ開成される。前記開閉駆動機構４５に
より、前記可変入賞球装置が第１の状態のときに該可変
入賞球装置内に入賞した入賞玉が前記入賞球検出器によ
り所定の上限個数検出されたことに基づいて、前記第１
の状態の可変入賞球装置を第２の状態に切換える切換手
段が構成されている。

なお、この実施例では、可変入賞球装置４０は、遊技者
にとって有利になる第１の状態では玉が入賞しやすい開
閉板４１が開成した状態となり、遊技者にとって不利に
なる第２の状態では開閉板４１が閉成して玉が入賞不可
能な状態のものとして説明した。しかしながら、可変入
賞球装置の構造および第１の状態と第２の状態との変化
状態は、上述のものに限定されることなく、種々の構造
および状態をとり得る。たとえば、可変入賞球装置の他
の例として、いわゆるチューリップのように、遊技者に
とって有利な第１の状態では、１対の玉受片が左右に開
成して玉が入賞しやすい状態であり、遊技者にとって不
利になる第２の状態では玉受片が閉成して玉が入賞しに
くい状態をとるものとすることもできる。また、可変入
賞球装置は、遊技盤１に開閉可能に設けられた開閉板
と、該開閉板の上部に設けられた１個の玉を受け入れ可
能な玉受口とを含む構成とし、第２の状態では開閉板が
閉じられており、開閉板の上部に設けられた玉入口にし
か玉が入賞しない低い確率で入賞玉が生じる状態であ
り、第１の状態では開閉板が開いて高い確率で入賞玉が
生ずるような構成にすることもできる。

［発明の効果］ 以上のように、本発明によれば、第１の状態に切換わっ
ている可変入賞球装置内に入賞した入賞玉が所定の上限
個数に達したことを検出するための入賞球検出器の玉検
出部を遊技盤の肉厚内に位置するように設けたため、可
変入賞球装置内に入賞した入賞玉を即座に感知すること
ができ、したがって、可変入賞球装置内に入賞した入賞
玉の検出遅れに起因して予め定められた入賞上限個数以
上の入賞玉が生じてしまうことが極力防止でき、サービ
スの均一化，平等化を狙って第１の状態にある可変入賞
球装置内への入賞個数の上限を設定した本来の目的が損
なわれることを極力防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明にかかる弾球遊技機の一例のパチン
コ遊技機の正面図である。 第２図は、可変入賞球・可変表示装置３０の斜視図であ
る。 第３Ａ図および第３Ｂ図は、可変入賞球装置４０の詳細
図である。 図において、３０は可変入賞球・可変表示装置、４０は
可変入賞球装置、４３ａ〜４３ｃは入賞領域、４４ａ，
４４ｂは入賞球検出スイッチ、４４１ａ，４４１ｂは玉
検出部、９６はガラス板、９２は第１空間部、９０は玉
集合板、９４は第２空間部、１は遊技盤を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】遊技盤上に配設され、打玉を受け入れやす
   い第１の状態と打玉を受け入れないもしくは受け入れに
   くい第２の状態とに変化自在で且つ受け入れた打玉を集
   合して遊技盤裏面側に導く枠部材を含む可変入賞球装置
   と、 前記遊技盤の前面側を覆うように配設されたガラス板
   と、 前記遊技盤の裏面側であって前記枠部材によって導かれ
   た入賞玉を集合させる入賞玉集合板と、 前記遊技盤とガラス板との間に形成された第１空間部
   と、 前記遊技盤と入賞玉集合板との間に形成された第２空間
   部と、 前記可変入賞球装置内に入賞し前記枠部材で導かれて来
   た入賞玉を検出する入賞球検出器と、 前記可変入賞球装置が第１の状態のときに該可変入賞球
   装置内に入賞した入賞玉が前記入賞球検出器により所定
   の上限個数検出された場合に、前記第１の状態の可変入
   賞球装置を第２の状態に切換える切換手段とを含み、 前記入賞球検出器は、その玉検出部を前記遊技盤の肉厚
   内に位置させた状態で前記可変入賞球装置に取付けら
   れ、 前記第１空間部を落下してきた打玉が、前記可変入賞球
   装置に入賞し、前記遊技盤の肉厚内に位置した前記玉検
   出部を通過し、その後前記第２空間部へ導かれることを
   特徴とする、弾球遊技機。