JPH0431109Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は基板に開設した玉入口に扉板を開閉自
在に設け、その扉板が開いた状態にあるとき、玉
入口を開放して遊技部を流下する打球を受入れる
よう構成したパチンコ機の変動入賞装置に関す
る。

従来から変動入賞装置としては種々な構成が提
案されている。例えば、基板に開設した玉入口に
扉板を開閉自在に設け、該玉入口の内部に継続流
入口と一般流入口とを開設し、扉板が開いた状態
にあるとき、扉板により導びかれる打球をいずれ
かの流入口に入賞させ遊技に変化をもたしてい
た。

しかし、この様な変動入賞装置においては、扉
板により受け止められた打球がいずれの流入口に
入賞するか、全くの偶然にまかされており、遊技
者にとつて趣興に乏しかった。また通常、継続流
入口は中央に１個しかなく、左右に一対の一般流
入口が設けられており、継続流入口に入賞する確
率も低く設定されていた。特に、扉板が閉じる条
件として、時間制限だけでなく、扉板が開状態の
ときに玉入口に流入する打球の数を制限するパチ
ンコ機が有り、玉入口に入る打球総数が少なくな
るので、継続流入口に入る打球数も低下し、変動
入賞装置の継続動作回数が従来のものに比べ著し
く少なくなる可能性が高い。結局、継続流入口に
打球が入賞し難くなるため、扉板が開く特定遊技
態様における総出玉数が減少してしまい、遊技者
の趣興も薄れてしまつた。

そこで本考案は、扉板の形状を改良したもので
あつて、基板に開設した玉入口に扉板を開閉可能
に設け、基板の裏側に設けた電気的駆動源によ
り、該扉板を開閉し、該電気的駆動源により扉板
が遊技部の前方に開いた状態で遊技部を落下する
打球を扉板の内面で受け止めて該打球を玉入口に
導くよう構成された変動入賞装置において、前記
変動入賞装置は、玉入口の内部に継続流入口と一
般流入口とを開設し、該継続流入口に継続スイツ
チを臨ませて変動入賞装置の継続条件を判別さ
せ、前記扉板の内面に特定流入口に向つて下り傾
斜する第１案内面と、一般流入口に向つて下り傾
斜する第２案内面とを並設し、該第２案内面の幅
を第１案内面の幅より長くして扉板が開放状態の
とき打球が前記継続流入口に入り易くしたことを
特徴とするものである。

従つて、継続流入口に臨む第１案内面が長く設
定されているので、扉板が開くような特定の遊技
態様において、打球が継続流入口に入り易く、継
続流入口に入つた打球により、扉板が開放状態で
遊技を続けられ、遊技者の興趣を十分に満足させ
ることができる。

以下、本考案を図面の実施例に基づいて説明す
ると、パチンコ機１は、第１図に示すように、額
縁状の前面枠２の前面に球供給皿３、受皿４、打
球発射操作部５等を有し、前面枠２の窓部を裏面
から塞ぐようにして取付けた遊技盤６の表面には
ガイドレール７で囲まれた遊技部８を形成し、遊
技部８内に無数の障害釘（図示せず）、一般入賞
口…、特定入賞口１０…、表示部１１、チユーリ
ツプ式入賞口１２…及び変動入賞装置１３などを
配設してある。

従つて、遊技者が打球発射操作部５を操作する
と、打球発射装置１４が球供給皿３内の球を一個
宛打発し、ガイドレール７を介して打球を遊技部
８の頂部に打ち上げることができる。そして、遊
技部８の頂部に打ち上げられた打球は障害釘に当
しながら流下し、上記した入賞口又は入賞装置に
入つて入賞球となるか、或いはそのまま流下して
アウト口１５に入り、アウト玉となる。

変動入賞装置１３は第２図以下に示すように、
遊技盤６の表面に取付ける基板１６の略中央部に
玉入口１７を開設し、玉入口１７は一度に複数個
の打球を受入れることができるように横長に形成
されている。そして、玉入口１７の下側縁部には
扉板１８を軸１９，１９により開閉自在に軸着す
る。この扉板１８は常時外側（前方向）に開くよ
うに自重、重錘又はスプリングで付勢されてお
り、裏面の一側縁に係合腕２０を突出させる。

基板１６の裏面には、玉入口１７を囲むように
包囲枠２１を設け、包囲枠２１の下面には玉入口
１７の略中央に位置して下方に窪む継続誘導口２
２と、左右に位置する一対の一般誘導口２３，２
３とを形成する。そして、継続誘導口２２の各側
縁と各一般誘導口２３，２３の側縁との間には山
形状の分岐部２４を形成する。包囲枠２１の開放
後端部には取付基板２５と裏板２６とを間隔を持
たせて、両板の間に継続誘導口２２に連通する継
続流路２７と、各一般誘導口２３，２３に個々に
連通する一対の一般流路２８，２８とを形成し、
各流路２７，２８の終端を集合桶２９に臨ませ
る。各流路は図面の実施例によれば、取付基板２
５の各誘導口２２，２３に対応する位置に継続流
入口３０と一対の一般流入口３１，３１を開設
し、該流入口３０，３１に沿つて取付基板２５裏
面から延びる複数の縁部３２…を設け、対向する
縁部３２の間に打球が流下する溝を形成し、該溝
の開放端面を裏板２６により塞いで形成したもの
である。

そして、各流路２７，２８には軸３３で流路内
に揺動可能に支持された玉受部材３４を個々に臨
ませ、玉受部材３４の揺動範囲内に検出スイツチ
３５…を位置させる。玉受部材３４は検出スイツ
チ３５の作動突起３５′のばね作用により常時、
各流路２７，２８を塞ぐよう上方に回動付勢さ
れ、流入口３０，３１から流下する入賞球を受
け、入賞球の自重により下方に傾動し、流路２
７，２８内に入賞球を放出する。

尚、各流路２７，２８の終端に位置する各流出
口２７′，２８′は相互に異なる方向に向けてい
る。例えば変動入賞装置１３を裏面から見て、中
央の流出口２７′は下方に伸び、左側の流出口２
８′は左斜め下方に向つて伸び、右側の流出口２
８′は右斜め下方に向つて伸び、各流出口２７′，
２８′から落下する入賞球が集合桶２９に向つて
同一方向に集中的に落下しない構成となつてい
る。

前記した扉板１８の係合腕２０は取付基板２５
の開口を通つて取付基板２５の裏側に臨み、後端
は取付基板２５に一端を回動可能に支持した作動
片３６の他端が上方から係合し、作動片３６には
遊技盤６裏面や取付基板裏面などの適宜位置に取
付けた電気的駆動源３７の作動杆３７ａの先端が
臨んでいる。従つて、駆動源３７が消磁している
状態では第５図中、一点鎖線で示すように扉板１
８は玉入口１７を塞ぎ、打球を受け入れない第１
状態となる。また、駆動源３７が励磁している状
態では第５図中、実線で示すように扉板１８は前
方に回動して玉入口１７を開放し、打球を受け入
れ易い第２状態となる。

上記した扉板１８の内面１８′には、長さ方向
に直交するリブ３８…を多数並列状に隆説する。
このリブ３８は個々に高さが設定され、扉板１８
の端部に近い２本のリブ３８ａ，３８ａが最も高
く、扉板１８の中央に向つて次第に低くなつてい
る。また、扉板１８の両側端部にあるリブ３８も
上部リブ３８ａより低い。従つて扉板１８の内面
１８′には、各リブ３８の上面によつて継続流入
口３０に向い下り傾斜する第１案内面３９と、左
右の一般流入口３１，３１に向い下り傾斜する第
２案内面４０，４０とを有し、第１案内面３９は
最も高い２本のリブ３８ａ，３８ａの間隔だけの
幅であつて、各第２案内面４０はリブ３８ａから
扉板１８の側端までの幅である。従つて、第１案
内面３９の横幅l₁は第２案内面４０の横幅l₂より
充分に長い。しかしこの横幅l₁，l₂は、扉板１８
を成形する場合の各リブ３８の高さに調整により
設定することができる。

尚、４１，４１は変動入賞装置１３の副入賞口
であつて、該副入賞口４１に入賞した打球は取付
基板２５裏面に形成した流出路４２を通つて集合
桶２９に放出され、入賞球となる。

本考案の変動装置１３は上記した構成で、第１
図に示すようなパチンコ機１の遊技部８内に組付
け、各検出スイツチ３５…及び駆動源３７を電気
的制御装置４３に電気的に接続すればよい。

第１図に示すパチンコ機１は、打球が特定入賞
口１０に入ると、該特定入賞口１０に連通する流
路に設けてある検出器（図示せず）が打球を検出
し、表示部１１に表示された複数の数字を高速で
連結変換する。連続変換されている数字は、停止
スイツチ（図示せず）を操作したり、又は停止ス
イツチを操作されないとき一定時間経過すると連
続変換を停止し、数字を表示する。そして、数字
の組合せが特定の賞態様を形成した場合には、電
気的制御装置４３を介して駆動源３７を一定時間
励磁状態とする。例えば表示部１１の４つの数字
が全て「７」を表示した場合には、電気的制御装
置４３により駆動源３７を最大限30秒間励磁す
る。駆動源３７が励磁すると、作動杆３７ａは巻
成されたバネ３７ｂの付勢に抗して上昇し、作動
片３６を解放する。作動片３６が解放すると扉板
１８は自重により前方に回動し、玉入口１７を開
放する。そこで、遊技部８内を流下する打球は、
扉板１８の内面１８′で受止められ、その上面の
転動しながら扉板１８の後側端に導びかれて分岐
部２４に乗り、分岐部２４の下り傾斜によりいず
れかの誘導口２２，２３に振り分けられる。この
時、扉板１８の第１案内面３９で受け止められた
打球は、第１案内面３９の下り傾斜により扉板１
８の中央に向つて集中するよう転動しながら扉板
１８の後側端に導びかれるので、玉入口１７のほ
ぼ中央に位置する継続誘導口２２に入つて継続流
入口３０に流入する確率が非常に高くなる。ま
た、扉板１８の第２案内面４０，４０で受け止め
られた打球は、第２案内面４０をそのまま転動し
ながら扉板１８の後側端に導びかれるので、玉入
の左右に位置する一般誘導口２３，２３に入つて
一般流入口３１，３１にそのまま流入する。

継続流入口３０に流入した打球は、取付基板２
５の裏側に導びかれ、玉受部材３４を傾動しなが
ら継続流路２７を通つて集合桶２９に放出され、
入賞球となる。また、一般流入口３１，３１に流
入した打球も、玉受部材３４を傾動しながら一般
流路２８，２８を通つて集合桶２９に放出され、
入賞球となる。

そして、入賞球が玉受部材３４を傾動すると各
検出スイツチ３５…は一時的にONとなり、この
信号が電気的制御装置４３に伝えられる。

電気的制御装置４３では各検出スイツチ３５…
からの信号を個別にカウントして演算処理し、カ
ウント数の合計が一定数に達したならばその場で
駆動源３７を消磁し、変動入賞装置１３を第２状
態から第１状態に復帰するよう制御している。

一方、継続流入口３０に臨む検出スイツチ３５
ａからの信号は、電気的制御装置４３で特別に処
理している。即ち、該検出スイツチ３５ａからの
信号をカウントし、変動入賞装置１３の継続条件
を判別している。

上記した変動入賞装置１３の遊技態様として
は、例えば第１回目の第２状態の動作終了条件と
して、玉入口１７に流入した入賞球の合計が10個
となるか、又は変動入賞装置１３の第１状態から
第２状態への変換継続時間が30秒に達するかのい
ずれかであつて、両終了条件のうち先に達成され
た終了条件に従い変動入賞装置１３を第２状態か
ら第１状態に変換するよう設定されている。従つ
て、第１回目の動作時間中に継続流入口３０に打
球が一個も入賞しなければ、第１回目が動作が終
了した時点で全ての動作を完了する。

そして、第１回目の動作時間中に継続流入口３
０に１個以上の打球が入賞したならば、第１回目
の動作終了後、再び変動入賞装置１３が第１状態
から第２状態に変換して第２回目の動作が開始さ
れ、第２回目の動作も第１回目の動作と同じ終了
条件により終了し、順次の次の動作が継続する。

この継続動作は最大９回に設定され、第１回目
の動作から通算して第10回目の動作までの間に、
10個以上の打球が継続流入口３０に入賞した場合
であつても、第10回目の動作が終了した時点で全
ての動作を完了し、変動入賞装置１３は第２状態
から第１状態に戻る。

尚、電気的制御装置に設定した遊技態様として
は、上記した実施例のものに限定されず、種々な
態様が可能である。また、変動入賞装置の流入口
の数は、実施例に示したように３個のものに限定
されず、少なくとも２個以上の流入口を備えた変
動入賞装置であれば足り、これに対応する流路も
種々な態様が可能である。更に、扉板に案内面を
形成するのにリブの高さ変化を利用したが、これ
に限定されず、扉板の肉厚を変化させ傾斜面を形
成してもよい。

以上のように本案によれば、継続流入口に臨む
第１案内面が長く設定してあるので、扉板が開く
ような特定の遊技態様において、打球が継続流入
口に入り易く、継続流入口に入つた打球により、
扉板が開放状態で遊技を続けられ、遊技者の興趣
を十分に満足させることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は正面図、第２図は第２状態における変動入賞装
置の斜視図、第３図は変動入賞装置の分解斜視
図、第４図は組付状態の変動入賞装置の断面図、
第５図は扉板の開閉機構の説明図、第６図は扉板
の斜視図、第７図は扉板の一部断面図である。 １……パチンコ機、８……遊技部、１３……変
動入賞装置、１６……基板、１７……玉入口、１
８……扉板、１８′……内面、３０……継続流入
口、３１……一般流入口、３４……検出スイツ
チ、３７……電気的駆動源、３９……第１案内
面、４０……第２案内面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基板に開設した玉入口に扉板を開閉可能に設
   け、基板の裏側に設けた電気的駆動源により該扉
   板を開閉し、該電気的駆動源により扉板が遊技部
   の前方に開いた状態で遊技部を落下する打球を扉
   板の内面で受け止めて該打球を玉入口に導くよう
   構成された変動入賞装置において、前記変動入賞
   装置は、玉入口の内部に継続流入口と一般流入口
   とを開設し、該継続流入口に継続スイツチを臨ま
   せて変動入賞装置の継続条件を判別させ、前記扉
   板の内面に特定流入口に向つて下り傾斜する第１
   案内面と、一般流入口に向つて下り傾斜する第２
   案内面とを並設し、該第２案内面の幅を第１案内
   面の幅より長くして扉板が開放状態のとき打球が
   前記継続流入口に入り易くしたことを特徴とする
   パチンコ機の変動入賞装置。