JPH0636230U - クロスパターンチップ部品構造 - Google Patents

クロスパターンチップ部品構造

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JPH0636230U
JPH0636230U JP7193792U JP7193792U JPH0636230U JP H0636230 U JPH0636230 U JP H0636230U JP 7193792 U JP7193792 U JP 7193792U JP 7193792 U JP7193792 U JP 7193792U JP H0636230 U JPH0636230 U JP H0636230U
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electrode
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pattern
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成光 ▲藤▼沢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電極間を接続する導体がむき出しにならない
ようにすることで、外部環境に強いクロスパターンチッ
プ部品構造を提供する。 【構成】 ベース11は一方の端部から他方の端部まで
貫通した貫通部12を有し、この貫通部12に導体14
が充填されている。そして、ベース11の両端は電極1
3で覆われており、電極13間は導体14により接続さ
れるとともに、導体14はベース11と電極13により
完全に覆われて外部から保護される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、表面実装基板の表面上で、パターン同士を絶縁状態でクロスさせる ために、パターンを跨いで搭載されるクロスパターンチップ部品の構造に関する ものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来のクロスパターンチップ部品構造の一例を示す斜視図である。 図において、1はクロスパターンチップ部品で、その基本構成として、セラミ ック等の高耐熱性でかつ絶縁性のあるベース1bの上面に、銀のような比抵抗値 が小さく電気導電率の非常によい導体1aを焼成等の方法により設けている。そ して、ベース1bの両サイドにおいては、該ベース1bの上下面の端部とサイド とを一連としてなる電極1cが焼成等の方法により形成されている。
【0003】 電極1cは、クロスパターンチップ部品1の表面実装基板へのはんだ付け搭載 時の外部電極となるとともに、ベース1bの上面に形成されている導体1aの両 端と電気的に接続してなる内部電極ともなっている。 電極1cの材質としては、表面実装基板上のパターンとはんだ付けにより接続 する必要があるのではんだ付けが可能で、かつはんだ付け時にはんだ中への多大 な流出がなく、さらに、導電性がよく、かつ使用環境(湿度,温度,大気腐食ガ ス等)に対して安定なことが必要であるので、一般に銀−パラジウム合金のよう な材質が用いられている。
【0004】 図8は図7のA−A線断面図で、1dは導体1aを覆う絶縁コーティングであ る。すなわち、導体1aは良電導性の銀等で形成されており、剥き出しの状態で ははんだ付け時のフラックス汚染や、使用環境においてマイグレーションや腐食 を起こすため、絶縁性を有し、導体1aとの密着性に優れ、かつひっかき傷等の 外的衝撃からの保護が可能な剛性を有するガラス等の材質でできた絶縁コーティ ング1dで導体1aを覆っている。
【0005】 図9は図8のB部拡大図である。 導体1aと電極1cとの接合部は、導体1aの端部に電極1cが覆いかぶさる 形で接続され、さらに、電極1cで覆われた導体1aの両端以外のむきだしの部 分を絶縁コーティング1dで覆うことで、導体1aの端部上で電極1cと絶縁コ ーティングが隣接して境界が形成され、導体1aと電極1cが電気的に接続され るとともに、導体1aのむき出し部分はなくなる。
【0006】 図10はその他の従来のクロスパターンチップ部品構造を示す断面図、図11 は図10のC部拡大断面図である。この図10,図11に示すクロスパターンチ ップ部品1は、図7で説明したクロスパターンチップ部品の電極1cに電極メッ キ1eを施すことで、電極1cのはんだ揚り性向上や、耐蝕性の向上を図ったも のである。
【0007】 図12は各種表面実装部品を搭載する表面実装基板の一例を示す斜視図である 。 図において、2は表面実装基板、3は表面実装基板2の表面に導電体で形成し たパターンである。4a〜4dは、各種表面実装部品の電極が搭載されてはんだ 付けが可能となるように、各種表面実装部品の形状に対応させてパターン3から 連続形成したフットプリントで、これらフットプリント4a〜4dは、通常パタ ーン3と同材質で、かつフットプリント4a〜4dのみはんだ付け性の向上をは かり、めっきを付加した構造となっている。
【0008】 3aはフットプリント4d間を通されたパターンで、後述するように、フット プリント4dにクロスパターンチップ部品を搭載することで、クロスパターンチ ップ部品によりフットプリント4d間の電気的接続がなされるとともに、クロス パターンチップ部品の下をクロスパターンチップ部品とは電気的に独立してパタ ーン3aが通り、このパターン3aがいわゆるクロスパターンとなる。なお、こ のクロースパターン3aも他のパターン3と同材質で形成される。
【0009】 図13は上記図12で説明した表面実装基板2に、クロスパターンチップ部品 を含む各種表面実装部品を搭載した状態を示す斜視図である。 5a〜5cは各種の表面実装部品、6a〜6cは表面実装部品5a〜5cの電 極、7は電極6a〜6cをフットプリント4a〜4cに固定するはんだで、電極 6a〜6cが対応するフットプリント4a〜4cにはんだ付けされることで、電 極5a〜5cとフットプリント4a〜4cは電気的,機械的に接続される。
【0010】 図7で説明したクロスパターンチップ部品1も、その電極1cが対応するフッ トプリント4dにはんだ7によりはんだ付けされることで、表面実装基板2にク ロスパターンチップ部品1が固定されて電極1cとフットプリント4dが電気的 ,機械的に接続される。 図14は表面実装基板にクロスパターンチップ部品を搭載した部分の拡大斜視 図である。
【0011】 電極1cがフットプリント4dにはんだ7により接続された状態で、クロスパ ターンチップ部品1のベース1bの下にクロスパターン3が配された構造となり 、クロスパターンチップ部品1の一方の側に配されたパターン3を流れる電流は 、一方のフットプリント4dを通って一方の電極1cからクロスパターン3aを 跨いで導体1aを流れ、さらに、他方の電極1cを経由して他方のフットプリン ト4dよりクロスパターンチップ部品1の他方の側に配されたパターン3に流れ る。
【0012】 これにより、パターン3から導体1aを通りパターン3へ至る電流の経路に、 パターン3aによる電流の経路がクロスし、かつクロスパターンチップ部品1の 導体1aを流れる電流と、クロスパターン3aを流れる電流は、その間に空間と クロスパターンチップ部品1のベース1bを挟んでおり互いに干渉することはな い。
【0013】 このように、クロスパターンチップ部品を用いることにより、表面実装基板に バイヤホールを設けなくても容易に2つのパターンをクロスでき、コストの低減 が図れるので現在多用されている。
【0014】
【考案を解決するための手段】
しかしながら、上述した従来のクロスパターンチップ部品構造であると、使用 環境、特に周囲に存在する腐食ガスによる汚染に対して不良を起こすという問題 がある。 すなわち、図15は従来の問題点を示すクロスパターンチップ部品の断面図で 、導体1aを各種外部環境から保護するために、該導体1aを絶縁コーティング 1dにより覆っているが、絶縁コーティング1dは絶縁材であるので、電極1c の方に流れ出して電極1cに付着すると電極1cにはんだが付かなくなり、はん だ接続ができなくなるので、電極1cに付着しないように形成される。
【0015】 絶縁コーティング1dを形成するにあたっては、融解ガラス等を塗布し、これ を焼成して固化させるが、融解ガラスの粘性や、上記したように電極1c側への 流れ出しを考慮して、導体1a上の中央部で厚く、両端に行くに従い薄くなるよ うな形状となっている。 そのため、導体1a上で隣接する電極1cと絶縁コーティング1dの境界部で は絶縁コーティング1dは薄く、微小な穴があく場合があり、導体1aがむき出 しとなる欠損部が微小な面積であるが発生してしまう場合があった。導体1aが 微小な面積であってもむき出しとなると、周囲の使用環境、特に粒子の微小な腐 食ガス等においては容易に導体1a面まで入り込んでしまう。
【0016】 図16は腐食ガスが入り込んで腐食生成物が発生したクロスパターンチップ部 品の断面図、図17は図16のD部拡大図である。 腐食ガスが絶縁コーティング1dの微小欠損部1fから導体1a面まで入り込 むと、導体1aが腐食し腐食生成物1gが発生する。そして、腐食が進行すると 、導体1aの抵抗値が増加や断線に結びつき、部品不良に至るという問題があっ た。
【0017】 本考案は、従来のクロスパターンチップ部品は、その構造上微小欠損部が発生 し、ここから腐食ガスが浸入して導体の腐食が発生し、部品不良に至るという問 題を解決するためになされたものである。 すなわち、本考案は、導体がむき出しとならないようにすることで、腐食ガス 等外部環境に強いクロスパターンチップ部品構造を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本考案は、パターンを挟んで配されたフットプリン トにそれぞれ接続される電極と、これら電極間を結ぶ導体と、導体および電極の 土台となるベースとよりなり、一方の電極から導体を通り他方の電極にいたる電 流の経路を形成してフットプリント間を電気的に接続することで基板の同一面上 でパターンをクロスさせるクロスパターンチップ部品構造において、前記ベース は一方の端部から他方の端部まで貫通する貫通部を有し、この貫通部に導体が充 填されるとともに、ベースの前記両端部をそれぞれ電極で覆い電極間を前記導体 で接続したことを特徴とする。
【0019】 なお、前記導体の両端部を、端部に行くにしたがい断面積が大きくなるように 拡げて電極との接触面積を拡大するとよい。 また、前記導体はベースの上面に形成され、ベースの両端をそれぞれ前記導体 と接触するように電極で覆うとともに、導体コーティングで導体全体を覆うこと としてもよい。
【0020】
【作用】
上述した構成を有する本考案は、クロスパターンチップ部品の電極をそれぞれ フットプリントにはんだ接続して基板に搭載すると、パターンを挟んで一方のフ ットプリントに流れてきた電流はベースの一方の電極から導体を通り他方の電極 から他方のフットプリントに流れる。このように、クロスパターンチップ部品に より電極から導体を経て電極にいたる電流の経路が形成され、パターンを挟んで 配されたフットプリント間が電気的に接続され、パターン同士を互いに干渉する ことなくクロスさせることができる。
【0021】 ここで、導体はベースと電極あるいは導体コーティングと電極とにより外部環 境から完全に保護されており、腐食ガスが浸入するような欠損部も発生しないの で、導体が腐食して部品不良に至るということはない。
【0022】
【実施例】
以下、図面を参照して実施例を説明する。 図1は本考案の第1の実施例におけるクロスパターンチップ部品構造を示す断 面図である。 図において、11はセラミック等の耐熱性,剛性かつ絶縁性を有する材質から なるベース、12はベース11の中央部を一方の端部から他方の端部までトンネ ル状に貫通させてなる貫通部である。
【0023】 13はベース11の長手方向両端を覆う電極、14は前記貫通部12に充填さ れ、かつ両側の電極13間を電気的に接続した導体で、以上の要素からクロスパ ターンチップ部品15が形成される。 上述した構成を有するクロスパターンチップ部品15は、従来の技術の図13 で説明した従来のクロスパターンチップ部品1と同様、表面実装基板2上に配さ れたフットプリント4dにそれぞれ電極13がはんだ付けされる。これにより、 クロスパターンチップ部品15の一方の側に配されたパターン3を流れる電流は 、一方のフットプリント4dを通って一方の電極13からクロスパターン3aを 跨ぐ形でベース11内の導体14を流れ、さらに、他方の電極13を経由して他 方のフットプリント4dよりクロスパターンチップ部品15の他方の側に配され たパターン3に流れる。
【0024】 これにより、パターン3から導体14を通りパターン3へ至る電流の経路に、 パターン3aによる電流の経路がクロスし、かつクロスパターンチップ部品15 の導体14を流れる電流と、クロスパターン3aを流れる電流は、その間に空間 とクロスパターンチップ部品15のベース11を挟んでおり互いに干渉すること はない。
【0025】 なお、電極13におけるはんだ揚り性向上や、耐蝕性の向上を図るために、図 1(b)に示すように、クロスパターンチップ部品15の電極13の表面に、電 極めっき13aを施すこととしてもよい。 図2は第2の実施例におけるクロスパターンチップ部品構造を示す断面図であ る。
【0026】 導体14での抵抗を少なくする場合、該導体の断面積を大きくすればよく、こ のために、図2に示すクロスパターンチップ部品は導体14を複数層設けたもの で、これにより、導体14の断面積が大きくなり、より低抵抗化を図ることがで きる。 さらに、図2(a)に示すように、電極13の表面に、電極めっき13aを施 すことで、電極13のはんだ揚り性向上や、耐蝕性の向上を図られる。
【0027】 上記第1および第2の実施例のクロスパターンチップ部品15を形成する材質 としては、導体14はベース11と密着が可能で、さらに、図12で説明した表 面実装基板2のパターン3の一部として機能する必要があり、特に、近年の高速 対応製品等においては低抵抗が求められることから比抵抗値の小さな良導体材料 が求められ、一般には銀が多用されることになる。
【0028】 また、ベース11としては、上記したように耐熱性,剛性かつ絶縁性を有し、 さらに耐蝕性に優れるセラミックのような材質が用いられる。 ここで、導体14として用いられる銀は、良導体であるが非常の耐環境性に劣 り、マイグレーションや腐食ガスによる断線障害等が発生するため、周囲環境よ りの保護が必要となるが、本実施例の導体14は、上記したように耐蝕性に優れ たセラミック等を材料としたベース11を貫通した貫通穴12内に充填され、ベ ース11の両端は電極13で覆われているので、周囲環境から充分に保護されて おり、導体14と周囲雰囲気は直接接触することがなく、また、腐食ガスが入り 込んで導体14にまで到達するような欠損が発生することはない。
【0029】 また、ベース11の両端を覆い、導体14の両端に接続する電極13は、導体 14と電気的かつ機械的に接続する導電材である必要がある。また、電極13は 、図13に示す表面実装基板2のフットプリント4dとのはんだ接続して機械的 かつ電気的に接続する必要がある。さらに、はんだ付け時には、電極13を構成 する物質がはんだ中に過剰に拡散して電極剥離等を引き起こさないことが求めら れ、その上、使用環境に対して安定した材質であることが必要となる。このよう な特性をもつ材質として、銀に比べて比抵抗値は大きいが耐環境性に優れた材質 である銀−パラジウム合金が用いられる。
【0030】 上記クロスパターンチップ部品15の製造工程としては、ベース11がセラミ ックを材料とし、導体14が銀を材料としている場合は、グリーンシート状のセ ラミック材と銀材とを積層したものを高温焼成して固化することで、導体14が 貫通したベース11を作成し、このベース11の両端にペースト状の銀−パラジ ウム合金材を塗布して焼成固化させ電極13を形成する。これにより、導体14 の両端に電極13の接続が図られ、その後、必要により電極13に電極めっき1 6を施すことでクロスパターンチップ部品15が完成する。
【0031】 なお、上記クロスパターンチップ部品15の製造工程として、セラミック材に よりあらかじめ貫通部12を有するベース11を成形し、この貫通部12にペー スト状の銀材を充填して焼成固化させることで、導体14が貫通したベース11 を作成することとしてもよい。 また、電極13をエッチングにより形成することとしてもよい。
【0032】 図3は第3の実施例におけるクロスパターンチップ部品構造を示す斜視図、図 4は図3のE−E線断面図である。 21はセラミック等の耐熱性,剛性かつ絶縁性を有する材質からなるベース、 22はベース21の中央部を一方の端部から他方の端部までトンネル状に貫通さ せてなる貫通部で、この貫通部22の両端部には、それぞれ貫通部22の両端に 向けて拡がるテーパー22aが形成されている。
【0033】 23はベース21の長手方向両端を覆う電極、24は前記貫通部22に充填さ れ、かつ両側の電極23間を電気的に接続した導体である。この導体24は、板 状の導体部24aと、この導体部24aと同一の材質で、貫通部22のテーパー 部24aと対応して導体部24aの両端に形成されたテーパ状の導体テーパー部 とよりなり、以上の構成からクロスパターンチップ部品25が形成される。
【0034】 上記構成のクロスパターンチップ部品25において、導体24は薄い膜状のも のであるが、その両端にテーパー部24bを有することで、広い面積で電極23 と接触が可能となり、導体24の導体部24aおよび導体テーパー部24bと電 極23が確実かつ強固に接続した状態となる。 上記構成のクロスパターンチップ部品25は、ベース21の両端に設けられた 電極23の間を、導体部24aと導体テーパー部24bからなる導体24を介し て接続しており、従来の技術の図13の表面実装基板2上に配されたフットプリ ント4dにそれぞれ電極23がはんだ付けされることで、クロスパターンチップ 部品25の一方の側に配されたパターン3を流れる電流は、一方のフットプリン ト4dを通って一方の電極23からクロスパターン3aを跨ぐ形でベース21内 の導体24を流れ、さらに、他方の電極23を経由して他方のフットプリント4 dよりクロスパターンチップ部品25の他方の側に配されたパターン3に流れる 。
【0035】 上記構成のクロスパターンチップ部品25を形成する材質としては、導体24 の導体部24aおよび導体テーパー部24bはベース21と密着が可能で、さら に、図12で説明した表面実装基板2のパターン3の一部として機能する必要が あり、特に、近年の高速対応製品等においては低抵抗が求められることから比抵 抗値の小さな良導体材料が求められ、一般には銀が多用されることになる。
【0036】 また、ベース21としては、上記したように耐熱性,剛性かつ絶縁性を有し、 さらに耐蝕性に優れるセラミックのような材料が用いられる。 ここで、導体24の導体部24aおよび導体テーパー部24bとして用いられ る銀は、良導体であるが非常の耐環境性に劣り、マイグレーションや腐食ガスに よる断線障害等が発生するため、周囲環境よりの保護が必要となるが、本実施例 の導体24の導体部24aおよび導体テーパー部24bは、上記したように耐蝕 性に優れたセラミック等を材料としたベース21を貫通した貫通穴22およびそ の両端に形成されたテーパー22a内に充填され、ベース21の両端は電極23 で覆われているので、周囲環境から充分に保護されており、導体24と周囲雰囲 気は直接接触することがなく、また、腐食ガスが入り込んで導体24にまで到達 するような欠損が発生することはない。
【0037】 また、ベース21の両端を覆い、導体24の両端の導体テーパー部24bと接 続する電極23は、導体24と電気的かつ機械的に接続する導電材である必要が ある。また、電極23は、図13に示す表面実装基板2のフットプリント4dと のはんだ接続して機械的かつ電気的に接続する必要がある。さらに、はんだ付け 時には、電極23を構成する物質がはんだ中に過剰に拡散して電極剥離等を引き 起こさないことが求められ、その上、使用環境に対して安定した材質であること が必要となる。このような特性をもつ材質として、銀に比べて比抵抗値は大きい が耐環境性に優れた材質である銀−パラジウム合金が用いられる。
【0038】 このように、材質の異なる導体24と電極23との境界部における接続抵抗は 、導体24の両端に導体テーパー部24bを設けて電極23との接触面積を拡大 しているので低く抑えられるとともに、電極23と導体24は強固に電気的かつ 機械的に接続される。 上記クロスパターンチップ部品25の製造工程としては、ベース21がセラミ ックを材料とし、導体24が銀を材料としている場合は、グリーンシート状の銀 材の両端にテーパ状の銀材を重ね、さらにグリーンシート状のセラミック材を重 ね合わせて高温焼成して固化して、板状の導体部24aの両端にテーパ状に拡が った導体テーパー部24bを有する導体24と、この導体24を包み込んだベー ス21とを形成する。
【0039】 そして、ベース21の両端に銀−パラジウム合金材を焼成固化して電極23を 形成する。これにより、導体24の両端に電極23の接続が図られてクロスパタ ーンチップ部品25が完成する。 その後、電極23のはんだ揚り性向上や、耐蝕性の向上を図る目的で、必要に より電極23に電極めっきを施すこととしてもよい。
【0040】 なお、上記クロスパターンチップ部品25の製造工程として、セラミック材に よりあらかじめ貫通部22およびテーパ部22aを有するベース21を成形し、 この貫通部22にペースト状の銀材を充填して焼成固化させることで、導体24 が貫通したベース21を作成することとしてもよい。 図5は第4の実施例におけるクロスパターンチップ部品構造を示す断面図であ る。
【0041】 図において、31はセラミック等の耐熱性,剛性さらには絶縁性を有する材質 よりなりクロスパターンチップ部品の土台となるベース、32はベース31の上 面に形成された導体である。33は導体32の両端とそれぞれ接触するようにベ ース31の両端を覆う電極、34は電極33と同一材質で、一方の側の電極33 から他方の側の電極33とを結んで一体に形成されて導体32全体を覆う導体コ ーティングであり、上記の構成からクロスパターンチップ部品35が形成される 。
【0042】 上記構成のクロスパターンチップ部品35は、ベース31の両端に設けられた 電極33の間を、導体32とこれを密着状態で覆う導体コーティング34を介し て接続しており、従来の技術の図13の表面実装基板2上に配されたフットプリ ント4dにそれぞれ電極33がはんだ付けされることで、クロスパターンチップ 部品35の一方の側に配されたパターン3を流れる電流は、一方のフットプリン ト4dを通って一方の電極33からクロスパターン3aを跨ぐ形で導体32およ び導体コーティング34を流れ、さらに、他方の電極33を経由して他方のフッ トプリント4dよりクロスパターンチップ部品35の他方の側に配されたパター ン3に流れる。
【0043】 上記構成のクロスパターンチップ部品35において、導体32は図12で説明 した表面実装基板2のパターン3の一部として機能するために、非常に比抵抗値 の小さい良導体でなければならない。また、導体32はベース31と密着する必 要があるため、材料としてはペースト状のものを焼成して固化させてなる銀等が 用いられる。
【0044】 電極33と導体コーティング34は同一材料で一体に形成され、その材質とし ては、導体32と電気的に接続される導電材である必要があり、さらには表面実 装基板2のフットプリント4dとはんだ接続をして機械的かつ電気的に接続が行 える導電材である必要がある、また、はんだ付け時には、電極33を構成する物 質がはんだ中に過剰に拡散して電極剥離等を引き起こさないことが求められ、そ の上、使用環境に対して安定した材質であることが必要となる。このような特性 をもつ材質として、耐環境性に優れた材料である銀−パラジウム合金が用いられ る。
【0045】 ここで、上述した構成のクロスパターンチップ部品35において、一方の電極 33から導体32を通り他方の電極33に至る経路の抵抗をR1 、一方の電極3 3から導体コーティング34を通り他方の電極33に至る経路の抵抗をR2 とす ると、一方の電極33から他方の電極33へ至る経路全体の抵抗Rは、 R=R1 ・R2 /(R1 +R2 ) ・・・・(1) となる。
【0046】 一方、従来のクロスパターンチップ部品において、一方の電極から他方の電極 へ至る経路の抵抗は電極間を導体のみで接続しているので上記R1 であり、上記 (1)式よりR1 >Rとなるので、本実施例のクロスパターンチップ部品35は 従来のクロスパターンチップ部品と比較して低抵抗となっている。 上記構成のクロスパターンチップ部品35の製造工程は、焼成等により形成し たセラミックからなるベース31の上面に銀ペーストを塗布し、これを焼成する ことで導体32を形成する。さらに、ベース31の一方の端部から導体32全体 を覆い、さらにベース31の他方の端部までを覆うようにペースト状の銀−パラ ジウム合金を塗布し、これを焼成することで電極33および電極33と一体の導 体コーティング34を形成する。
【0047】 これにより、電極33と導体コーティング34とは一体で、その境界に継ぎ目 はなく、ベース31上に形成された導体32を完全に覆っており、導体32は周 囲環境から充分に保護され、導体32と周囲雰囲気は直接接触することがなく、 また、腐食ガスが入り込んで導体32にまで到達するような欠損が発生すること はない。
【0048】 図6は第5の実施例におけるクロスパターンチップ部品構造を示す断面図であ る。 これは、上記第4の実施例におけるクロスパターンチップ部品の上面側での絶 縁性の確保および機械的耐力の向上、さらには耐環境性の向上のために、第5の 実施例におけるクロスパターンチップ部品35の導体コーティング34を、ガラ ス等の材料からなる絶縁コーティング36で覆ったものである。
【0049】 また、電極33のはんだ揚り性向上や、耐蝕性の向上を図る目的で、図5に示 すクロスパターンチップ部品35、あるいは図6に示すクロスパターンチップ部 品の電極33に必要により電極めっき37を施すこととしてもよい。
【0050】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案は、パターンを挟んで配されたフットプリントに それぞれ接続される電極と、これら電極間を結ぶ導体と、導体および電極の土台 となるベースとよりなり、一方の電極から導体を通り他方の電極にいたる電流の 経路を形成してフットプリント間を電気的に接続することで基板の同一面上でパ ターンをクロスさせるクロスパターンチップ部品構造において、前記ベースは一 方の端部から他方の端部まで貫通する貫通部を有し、この貫通部に導体が充填さ れるとともに、ベースの前記両端部をそれぞれ電極で覆い電極間を前記導体で接 続したものである。
【0051】 このように、耐環境性に弱い導体が、耐環境性に優れたベースおよび電極によ り完全に覆われており、導体まで腐食ガスが浸入するような欠損部も発生しない ので、腐食ガスなど外部環境と導体が接触することはなく、耐環境性、特に腐食 ガスに対して強いクロスパターンチップ部品を提供できるという効果を有する。 また、前記導体の両端部を、端部に行くにしたがい断面積が大きくなるように 拡げて電極との接触面積を拡大することで、電極と導体との接続を強固なものと するとともに、異種材質を接続することによる電気抵抗の増加を抑えることがで きるという効果を有する。
【0052】 さらに、導体はベースの上面に形成され、ベースの両端をそれぞれ前記導体と 接触するように電極で覆うとともに、導体コーティングで導体全体を覆うことと すれば、耐環境性に弱い導体が、耐環境性に優れた電極および導体コーティング により完全に覆われており、電極と導体コーティングが一体に形成されており導 体まで腐食ガスが浸入するような欠損部も発生しないので、腐食ガスなど外部環 境と導体が接触することはなく、耐環境性、特に腐食ガスに対して強いクロスパ ターンチップ部品を提供できるという効果を有する。
【0053】 また、電極間を導体と導体コーティングの両方で電気的に接続することで、導 体のみで接続した場合に比較して同等以上の低抵抗化を図ることができるという 効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例におけるクロスパターン
チップ部品構造を示す断面図である。
【図2】第2の実施例におけるクロスパターンチップ部
品構造を示す断面図である。
【図3】第3の実施例におけるクロスパターンチップ部
品構造を示す断面図である。
【図4】図3のE−E線断面図
【図5】第4の実施例におけるクロスパターンチップ部
品構造を示す断面図である。
【図6】第5の実施例におけるクロスパターンチップ部
品構造を示す断面図である。
【図7】従来のクロスパターンチップ部品構造の一例を
示す斜視図である。
【図8】図7のA−A線断面図である。
【図9】図8のB部拡大図である。
【図10】その他の従来のクロスパターンチップ部品構
造の一例を示す断面図である。
【図11】図10のC部拡大図である。
【図12】各種表面実装部品を搭載する表面実装基板の
一例を示す斜視図である。
【図13】表面実装基板に各種表面実装部品を搭載した
状態を示す斜視図である。
【図14】表面実装基板にクロスパターンチップ部品を
搭載した状態の斜視図である。
【図15】従来の問題点を示すクロスパターンチップ部
品の断面図である。
【図16】腐食生成物が発生したクロスパターンチップ
部品の断面図である。
【図17】図16のD部拡大図である。
【符号の説明】
11 ベース 12 貫通部 13 電極 14 導体 21 ベース 23 電極 24 導体 24a 導体部 24b 導体テーパー部 31 ベース 32 導体 33 電極 34 導体コーティング

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パターンを挟んで配されたフットプリン
    トにそれぞれ接続される電極と、これら電極間を結ぶ導
    体と、導体および電極の土台となるベースとよりなり、 一方の電極から導体を通り他方の電極にいたる電流の経
    路を形成してフットプリント間を電気的に接続すること
    で基板の同一面上でパターンをクロスさせるクロスパタ
    ーンチップ部品構造において、 前記ベースは一方の端部から他方の端部まで貫通する貫
    通部を有し、この貫通部に導体が充填されるとともに、
    ベースの前記両端部をそれぞれ電極で覆い電極間を前記
    導体で接続したことを特徴とするクロスパターンチップ
    部品構造。
  2. 【請求項2】 前記導体の両端部を、端部に行くにした
    がい断面積が大きくなるように拡げて電極との接触面積
    を拡大したことを特徴とする請求項1記載のクロスパタ
    ーンチップ部品構造。
  3. 【請求項3】 パターンを挟んで配されたフットプリン
    トにそれぞれ接続される電極と、これら電極間を結ぶ導
    体と、導体および電極の土台となるベースとよりなり、 一方の電極から導体を通り他方の電極にいたる電流の経
    路を形成してフットプリント間を電気的に接続すること
    で基板の同一面上でパターンをクロスさせるクロスパタ
    ーンチップ部品構造において、 前記導体はベースの上面に形成され、ベースの両端をそ
    れぞれ前記導体と接触するように電極で覆うとともに、
    導体コーティングで導体全体を覆うことを特徴とするク
    ロスパターンチップ部品構造。
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