JPH11219846A - 表面実装部品とその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】端子電極部分を除く外周表面に保護層を設ける
ことにより、はんだ付けにおけるはんだや、フラックス
等と素子の接触を防ぎ、電気的特性の変化がない表面実
装部品を提供する。 【構成】表面実装部品の内部素子とこの素子の端子電極
部分を除く外周表面に保護層を備え、この保護層は、エ
ポキシ樹脂であり、端子電極面に対し湾曲している表面
実装部品。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、表面実装部品に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】これらの表面実装部品は、実装基板等に
対して、その端部に形成されている電極層をはんだ付け
することにより接続している。

【０００３】従来、上記端子電極部分は、導電性金属ペ
ーストを塗布し、焼成することにより形成している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の表面実装部
品は、端子電極部分を除き、素子が露出している。

【０００５】このため、実装基板等へのはんだ付けにお
いて、電気的特性が変化するという問題がある。

【０００６】更にはんだ付けを行なっても、端子電極部
分と実装基板等との接続が、不十分かつ不安定なものに
なるという問題がある。

【０００７】これら従来の表面実装部品を、実装基板等
へはんだ付けするには、はんだ付けによる影響が、素子
の露出部分から広まるのを防ぐために、周辺部品とは異
なる方法で、個別に処理しなければならなかった。

【０００８】これは、高密度実装が要求される工程にお
いて、経済性が伴わない方法である。

【０００９】さらに十分かつ安定した接続を確保するた
めには、一段と慎重な処理を行なう必要があった。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点に鑑
み、表面実装部品に保護層を形成することと、端子電極
部分にメッキ層を形成することに関し鋭意研究を重ねた
結果、本発明を完成したものである。

【００１１】すなわち、本発明は図１及び図３に示す如
く、表面実装部品の内部素子とこの素子の端子電極部分
を除く外周表面に保護層を備え、前記保護層は端子電極
面に対し湾曲していることを特徴とする表面実装部品を
提供するものである。

【００１２】本発明における保護層は、絶縁性を有する
部材であり、エポキシ樹脂が好適である。

【００１３】さらに、保護層の厚さが１０〜１００μｍ
の範囲にあることが素子を保護する上で好ましい条件で
ある。

【００１４】

【作用】上記構造とすれば、皮膜状に形成された保護層
により、はんだ付けにおけるはんだやフラックス等の化
学物質と素子との接触が妨げられるので、素子の変質を
防ぐことができ、電気的特性の変化を防止できる。

【００１５】一方、はんだ付けを容易にさせるため、端
子電極部分にメッキ層を形成するための処理において、
上記保護層が耐酸性のマスキングとして作用する。

【００１６】保護層を内側に湾曲させることで、特に最
もメッキ液が侵入しやすい電極側面において保護層が十
分確保でき、メッキ処理における主としてメッキ液と素
子との接触が妨げられるので、素子の変質を防ぐことが
可能となり、電気的特性の変化を防止できると共に、所
定の形状のメッキ層を得ることができるので、実装基板
等へのはんだ付けにおいて、十分かつ安定した接続を確
保することができる。

【００１７】更に保護層が端子電極面に対し湾曲してい
るので、電極面が平面方向に拡大しているため、より一
層、良好なはんだ付けが可能となる。

【００１８】総じて安価で信頼性に優れた表面実装部品
を提供するものである。

【００１９】

【実施例１】図１は本発明による表面実装部品の平面図
である。

【００２０】１は保護層で端子電極面に対し、内側に湾
曲している。

【００２１】その両端には端子電極２が形成されてい
る。

【００２２】図２は図１の表面実装部品のＸ−Ｘ断面図
である。

【００２３】３はＺｎＯを主成分とするセラミックス素
子で、内部電極４が素子内部に複数形成されている。

【００２４】セラミックス素子３の両端には、端子電極
２が、Ａｇ−Ｐｄペーストを塗布し、焼成することによ
り形成されており、両者の外側に絶縁性を有するエポキ
シ樹脂の保護層１が厚さ２０〜３０μｍで形成されてい
る。

【００２５】以上の構造により、本発明による表面実装
部品は、端子電極部分を除くセラミックス素子３の上下
面及び側面が保護層１により被覆されている。

【００２６】しかも、保護層１と端子電極２の接合部分
は幅が２０μｍ以上の面構造となっており、密着性は極
めて高く、はんだやフラックス等の化学物質とセラミッ
クス素子３との接触が妨げられるので、素子の変質を確
実に防止できる。

【００２７】

【実施例２】図３は本発明による他の実施例の表面実装
部品の平面図である。

【００２８】１１は保護層で端子電極面に対し、内側に
湾曲している。その両端にはメッキ層１５が形成されて
いる端子電極が形成されている。

【００２９】図４は図３の表面実装部品のＹ−Ｙ断面図
である。

【００３０】１３はＺｎＯを主成分とするセラミックス
素子で、内部電極１４が素子内部に複数形成されてい
る。

【００３１】セラミックス素子１３の両端には、端子電
極１２が、Ａｇペーストを塗布し、焼成することにより
形成されており、両者の外側に絶縁性を有するエポキシ
樹脂の保護層１１が厚さ２０〜３０μｍで形成されてい
る。

【００３２】そして端部電極１２の露出している部分に
は、メッキ層１５が厚さ５〜２０μｍで形成されてい
る。

【００３３】このメッキ層１５は内側のＮｉ層１５ａと
外側のＳｎ−Ｐｂ層１５ｂの二重層となっている。

【００３４】以上の構造により、本発明による表面実装
部品は、メッキ層１５が形成されている端子電極１２が
形成されている。

【００３５】しかも、保護層１１が端子電極面に対し、
内側に湾曲しているため、端子電極１２は平面方向に拡
大しているので、実装基板等へのはんだ付けにおいて、
十分かつ安定した接続を確保することができる。

【００３６】

【発明の効果】本発明においては次のような効果が得ら
れる。

【００３７】１．はんだ付けにおけるはんだやフラック
ス等の化学物質と素子との接触が妨げられるので、素子
の変質を防ぐことができ、電気的特性の変化を防止でき
る。

【００３８】２．メッキ処理における主としてメッキ液
と素子との接触が妨げられるので、素子の変質を防ぐこ
とができ、電気的特性の変化を防止できる

【００３９】３．所定の形状のメッキ層を得ることがで
きるので、実装基板等へのはんだ付けにおいて、十分か
つ安定した接続を確保することができる。

【００４０】４．保護層が端子電極面に対し湾曲してい
るので、電極面が平面方向に拡大しているため、より一
層、良好な半田付けが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例１の表面実装部品の平面図

【図２】図１の表面実装部品のＸ−Ｘ断面図

【図３】本発明実施例２の表面実装部品の平面図

【図４】図３の表面実装部品のＹ−Ｙ断面図

【符号の説明】

１ 保護層 ２ 端子電極 ３ セラミックス素子 ４ 内部電極 １５ メッキ層

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】表面実装部品の内部素子と、この素子の端
   子電極部分を除く外周表面に保護層を備え、前記保護層
   は、絶縁性を有するエポキシ樹脂に代表される熱硬化性
   樹脂であり、端子電極面に対し湾曲していることを特徴
   とする表面実装部品。
2. 【請求項２】端子電極部分にメッキ層を形成した請求項
   １に記載の表面実装部品。