JPH06329327A - 薄葉体積載受容装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクの影響によってカールした印刷用紙で
あっても、整然と積載させることのできる排紙装置を提
供する。 【構成】 基台２５の両側には一対の誘導部材５０ａ，
５０ａがある。誘導部材は、側板２１と、軸１８を介し
て回動するへ字形の可動部材１９と、可動部材の板部Ｂ
のストッパとなる台座２０を有する。紙面に垂直な方向
に沿って印刷用紙２４が送り込まれる。用紙の両側縁は
可動部材の板部Ａに支持される。用紙は上に凸のカール
を有するが、自重により下に凸のＵ字形となる。用紙の
重さで可動部材が回動すると用紙は落下し、基台の載置
部４０に整然と積み重なっていく。可動部材は板部Ｂの
方がＡより回転モーメントが大きいので元の位置に戻
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、矩形状薄葉体であるプ
ラスチックシートや用紙の載置受容装置に係り、特に印
刷装置等の画像形成装置における排紙装置に適用でき
る。

【０００２】

【従来の技術】一般にシート状の矩形状薄葉体を受け入
れて積載するための装置としては、印刷装置等の排出部
に設けられている排紙装置が知られている。通常、図１
に示す如く、この種の排紙装置１は、印刷用紙３を受け
入れる基台６と、印刷用紙３の受け入れ方向について基
台６の両側にほぼ垂直に設けられた互いに平行な一対の
側板４，４と、印刷用紙３の受け入れ方向について基台
６の先方に設けられた突き当て板５を有している。そし
て、印刷装置２の印刷部から排出された印刷用紙３の両
側縁は印刷用紙３の幅にほぼ等しく平行に配置された二
つの側板４，４間に受け入れられ、そして用紙３の先端
部が前方の突き当て板５に当たり、用紙３は落下して基
台６上に積載される。

【０００３】このような排紙装置１においては、用紙３
に印字率の低い印刷がなされた場合、すなわち、用紙３
への印刷インクの転移量が少ない場合には、用紙３はイ
ンクにより変形せず平坦な形状のままで印刷装置２から
排出されるので、排紙装置１における用紙３の積載には
問題はない。しかしながら、印字率が大きい場合、例え
ば、ベタ印刷のようにインクが多量に用紙３に転移され
た場合には、インクが転移された用紙３の上面が大きく
伸びて用紙３が下向きに大きくカールして上に凸の形状
となるため、印刷装置２から排出された用紙３は基台６
上で乱雑に積載されてしまう。

【０００４】図２に示す如く、この問題を解決するもの
として、印刷装置７の印刷用紙排出部に取付けた排紙装
置１０の入口に対して用紙排出補助部材８を設けたもの
が知られている。この補助部材８は、印刷装置７から排
出された印刷用紙９の進行方向の両側縁を持ち上げて、
排紙状態にある印刷用紙９にＵ字形状をつけることによ
り剛性を与え、用紙９がインクの影響で大きくカールし
て排紙装置１０上に乱雑に積載されることを防止しよう
とするものである。

【０００５】また、用紙にＵ字形状の湾曲をつける他の
装置が、実開平５−１０３６７に示されている。この装
置は、排紙台上に間隔をおいて互いに対向して設けられ
た一対の側板と、互いに対向するように前記一対の側板
にそれぞれ設けられて前記排紙台上に自在に突出できる
一対の案内部材と、前記案内部材を画像形成装置の排紙
タイミングに合わせて回動させることにより該案内部材
を駆動する案内部材駆動手段とを有している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
如き従来の排紙装置においては、前記用紙排出補助部材
８の場合は、印刷用紙９の両側縁の一部は上方に保持さ
れるが、前記用紙排出補助部材８から離れた部分は自由
状態となるので、用紙９は相変わらずインクの影響を受
けカールしてしまう。このようにインクにより大きくカ
ールした印刷用紙は当然のことながら整然と積載されず
に乱雑になってしまうという問題がある。

【０００７】また、側板に設けられて画像形成装置の排
紙タイミングに合わせて案内部材駆動手段により強制的
に案内部材を突出させ、また退かせる排紙装置において
は、印刷用紙の種類による厚さや重さの差による用紙の
固さ、いわゆる紙の腰の差に合わせて案内部材駆動手段
を制御することは困難であり、また案内部材駆動手段に
要する構造も複雑となり、故障を誘発したり、コストが
高くなる等の問題がある。

【０００８】本発明は、インクの影響によってカールし
た印刷用紙であっても、整然と積載させることのできる
構成の簡単な薄葉体積載受容装置を提供することを目的
としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ため、請求項１の発明は、矩形状薄葉体を載置する載置
部を備えた基台と、前記矩形状薄葉体を受け入れて前記
基台の載置部に前記矩形状薄葉体を誘導する誘導部材と
を有する薄葉体積載受容装置において、前記誘導部材
は、前記基台の載置部側に突出する少なくとも一つの可
動部材を有し、該可動部材は、落下する前記矩形状薄葉
体の側縁を受け入れて該矩形状薄葉体の重さにより前記
載置部の外方に退くとともに、前記矩形状薄葉体の重さ
から開放されたときには再び前記載置部側に突出するよ
う移動自在に構成されていることを特徴としている。

【００１０】請求項２の発明は、請求項１の発明の前記
誘導部材を、前記矩形状薄葉体の両側縁を受け入れるよ
うに前記基台上に間隔をおいて互いに実質的に平行とな
るように対で設けたことを特徴としている。

【００１１】請求項３の発明は、請求項１の発明におい
て、可動部材を複数としたことを特徴とする。

【００１２】請求項４の発明は、請求項１の発明におい
て、前記載置部側に突出している前記可動部材の先端
を、前記載置部に向けて下方に傾斜させたことを特徴と
している。

【００１３】請求項５の発明は、請求項１の発明におい
て、前記載置部側に突出している前記可動部材の先端が
前記載置部に近接しうるように前記可動部材が軸の周り
に回動自在に設けられ、前記軸から前記載置部の外方に
ある部分が、前記軸から前記載置部に突出している部分
よりも、前記軸を支軸とする回転モーメントが大きいこ
とを特徴としている。

【００１４】請求項６の発明は、請求項１の発明におい
て、前記可動部材が、前記矩形状薄葉体の取り出しに際
して前記載置部の外方に退行自在に構成されたことを特
徴としている。

【００１５】請求項７の発明は、請求項１の発明におい
て、前記基台の少なくとも載置部が、前記矩形状薄葉体
の画像形成装置からの排出方向と垂直な面において凹状
に湾曲していることを特徴としている。

【００１６】請求項８の発明は、請求項１の発明におい
て、前記可動部材が前記載置部の外方に向けて退行した
位置で選択的に固定されるよう構成されていることを特
徴としている。

【００１７】請求項９の発明は、前記請求項７の発明に
おいて、さらに前記誘導部材が、画像形成装置から排出
される用紙の排出方向に対して平行に配置されているこ
とを特徴としている。

【００１８】

【作用】画像形成装置において印刷を施された矩形状薄
葉体は、基台の載置部上へ排出される。該矩形状薄葉体
は誘導部材に受け入れられ、その両側縁を誘導部材の可
動部材に当接させる。そして矩形状薄葉体は、その自重
により、下に凸のＵ字形に支持される。該可動部材は矩
形状薄葉体の重量によって載置部の外方へ逃げ、該矩形
状薄葉体は載置部上に落下して載置される。矩形状薄葉
体の重量から解放された前記可動部材は、載置部側に突
出した元の位置に復帰する。

【００１９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図３は本発明の一実施例の側面図であり、図４は
同実施例の薄葉体積載受容装置において一方の誘導手段
を一部省略して図示した斜視図であり、図５は同実施例
の要部の構造を示す斜視図である。

【００２０】図を参照して本実施例を説明すると、画像
形成手段である孔版印刷機１１の印刷用紙排出側１２に
薄葉体積載受容装置である排紙装置１３が連結されてい
る。排紙装置１３には、基台１６上に印刷用紙の先端を
受け止める突き当て板１４がほぼ垂直に孔版印刷機１１
に向けて移動自在に設けられている。また、突き当て板
１４とほぼ直角に、一対の側板１５が基台１６の内側に
向かって印刷用紙のサイズに合わせて移動自在に設けら
れている。側板１５は、印刷済みの用紙を基台１６上の
載置部に導く誘導部材５０の本体であり、これら側板１
５，１５と前記突き当て板１４によって基台１６上に用
紙の載置部４０が区画されている。

【００２１】さて、この側板１５には、窓１７が設けら
れ、その内側面に設けられた軸１８には誘導部材５０の
可動部材１９が軸１８に回転可能に取り付けられてい
る。可動部材１９は軸１８を基軸としてそれぞれ板状の
板部Ａと板部Ｂとから構成され、両板部Ａ，Ｂの各面は
１３５°で交わっている。軸１８を支軸として板部Ｂの
回転モーメントは板部Ａよりも大きく構成されており、
印刷用紙の側縁部が板部Ａに乗ったときにバランスをく
ずして容易に板部Ａ側に回転することができるように構
成されている。この板部Ａと板部Ｂとは一体成形でもよ
くまた複数部品から構成されていてもよい。

【００２２】また、板部Ｂを水平に維持し、板部Ａを側
板１５の内側に突出させるために、側板１５の外側には
板部Ｂが下がらないように規制する台座２０が設けられ
ている。

【００２３】以上の構成によれば、孔版印刷機１１から
排出された印刷用紙２４は、その両側縁を可動部材１９
の板部Ａによって支えられ、印刷用紙２４は下に凸のＵ
字形となってインクによるカールが防止される。可動部
材１９は、印刷用紙２４の重さにより回動するので、印
刷用紙２４は可動部材１９から外れて載置部４０上に落
下する。この動作の繰り返しにより、印刷用紙２４は基
台１６の載置部４０上に整然と積載されていく。

【００２４】次に図６により複数の可動部材を有する他
の実施例について、その構成の概略と動作を説明する。
図６に示すように、平行に対向する一対の側板２１，２
１には、それぞれ２つの可動部材１９が上下に所定の間
隔を開けて設けられている。図示はしないが、各側板に
設けられた可動部材１９は２個づつ平行に２列に配置さ
れているので、１つの側板には４つの可動部材１９が設
けられている。そして対向する一対の側板にそれぞれ設
けられた各可動部材１９は、対応する同じ位置に設けら
れている。

【００２５】孔版印刷機１１から排出された印刷用紙２
４の両端縁が可動部材１９の板部Ａに載ると、印刷用紙
２４の中央部は下がりＵ字形となる。Ｕ字形になること
により印刷用紙２４には剛性が与えられるため、ベタ印
刷を施された用紙に発生するインクによるカールは防止
されることになる。印刷用紙２４がまず上方の可動部材
１９の板部Ａに載ると印刷用紙２４の重みで可動部材１
９の軸１８を支軸として回転し押し下げられ、印刷用紙
２４は下方にある可動部材１９の板部Ａに載る。この動
作が繰り返され、印刷用紙はＵ字形を維持しながら基台
２５上に整然と積載される。

【００２６】図７は図６における基台をＵ字形状に湾曲
させた他の実施例である。図６と同一の部分については
同一の番号を付して説明する。基台２６は下に凸のＵ字
形状に湾曲しており、可動部材１９により下に凸のＵ字
形に湾曲した形で支持された印刷用紙２４は、Ｕ字形状
に保持されたままでＵ字形の載置部４０ａに積載される
ため、基台２６上に排出される印刷用紙２４はさらに整
然と積載されることになる。

【００２７】図８は可動部材を載置部４０の上方から退
行させるための他の実施例の断面図である。複数の可動
部材の場合も同様であるため、１つの側板に設けられた
１の可動部材の動作について説明する。

【００２８】基台２７に略直角に設けられた側板２８
に、図５にて説明された可動部材１９が取り付けられ、
可動部材１９の板部Ａが側板２８から内側に突出して維
持されるように台座２０により板部Ｂが保持されてい
る。軸１８は、側板２８に設けられた曲線状のガイドレ
ール２９に沿って所定のＣ位置から退避のＤ位置まで移
動可能となっている。基台２７上に積載された印刷用紙
を取り出すときに、障害となる可動部材１９の突出部
は、持ち上げられた印刷用紙によりＣ位置からＤ位置に
軸１８とともにガイドレール２９に沿って移動し、可動
部材１９の突出部を載置部４０の上方から完全に退避さ
せるため、基台２７上に整然と積載された印刷用紙はそ
のまま排紙装置３０から取り出すことができる。

【００２９】また、図６において、台座２０を図示の位
置から上方の所定位置に移動自在とし、該上方の所定位
置で固定できるようにしてもよい。ここで台座２０を上
方の位置に固定すれば、可動部材１９の板部Ｂが持ち上
げられ、板部Ａを載置部４０の上方から完全に退避させ
て側板２１の内方の位置に固定することができる。これ
によって基台２５の載置部４０上に積載された印刷用紙
２４の取り出しが容易になる。

【００３０】また、上記説明においては、特定の実施例
について言及したが、可動部材は必ずしも直接誘導部材
に対して取り付けられている必要はなく、誘導部材から
印刷用紙の載置部側へ自由に突出できる構造であれば、
誘導部材とは機械的に連結されていなくてもよい。

【００３１】また、可動部材の数及び配置は、複数列、
複数行を選ぶことができるが、基台の両側にほぼ垂直に
設けられた互いに平行な一対の側板を有する場合には、
可動部材はそれぞれの側板に同数かつ同位置に設けられ
ていることが望ましい。また、側板は従来技術のものと
同様に基台の中心に向けて移動自在としてよい。また、
基台もしくは印刷用紙の載置部はＵ字形状に湾曲してい
ることが好ましい。

【００３２】以上説明した各実施例は印刷機の排紙装置
に関するものであったが、本発明の用途は印刷機の排紙
装置に限定されるべきものではなく、プラスチックフィ
ルムやその他の薄板状のものを整然と積載することを目
的とするものであれば、それらについては当業者が容易
に選択できるものである。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インクを充分に吸収してカールするようなベタ印刷がさ
れた印刷用紙であっても、自由に回動する可動部材によ
って印刷用紙にＵ字形の剛性を与えることができるた
め、印刷機から排出された印刷用紙を基台上に整然と積
載することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の印刷装置及び排紙装置の構成を示す側面
図である。

【図２】従来の印刷装置及び排紙装置の構成を示す側面
図である。

【図３】本発明の第１実施例の側面図である。

【図４】本発明の第１実施例の要部拡大斜視図である。

【図５】本発明の第１実施例における可動部材の斜視図
である。

【図６】本発明の第２実施例の断面図である。

【図７】本発明の第３実施例の断面図である。

【図８】本発明の第４実施例の断面図である。

【符号の説明】

１６，２５，２６，２７ 基台 １３ 薄葉体積載受容装置としての排紙装置 １８ 軸 １９ 可動部材 ２４ 矩形状薄葉体としての印刷用紙 ５０，５０ａ 誘導部材

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 矩形状薄葉体を載置する載置部を備えた
   基台と、前記矩形状薄葉体を受け入れて前記基台の載置
   部に前記矩形状薄葉体を誘導する誘導部材とを有する薄
   葉体積載受容装置において、 前記誘導部材は、前記基台の載置部側に突出する少なく
   とも一つの可動部材を有し、該可動部材は、落下する前
   記矩形状薄葉体の側縁を受け入れて該矩形状薄葉体の重
   さにより前記載置部の外方に退くとともに、前記矩形状
   薄葉体の重さから開放されたときには再び前記載置部側
   に突出するよう移動自在に構成されていることを特徴と
   する薄葉体積載受容装置。
2. 【請求項２】 前記誘導部材が、前記矩形状薄葉体の両
   側縁を受け入れるように前記基台上に間隔をおいて互い
   に実質的に平行となるように対で設けられた請求項１に
   おける薄葉体積載受容装置。
3. 【請求項３】 前記誘導部材が複数の可動部材を備えて
   いる請求項１における薄葉体積載受容装置。
4. 【請求項４】 前記載置部側に突出している前記可動部
   材の先端が、前記載置部に向けて下方に傾斜している請
   求項１における薄葉体積載受容装置。
5. 【請求項５】 前記載置部側に突出している前記可動部
   材の先端が前記載置部に近接しうるように前記可動部材
   が軸の周りに回動自在に設けられ、前記軸から前記載置
   部の外方にある部分が、前記軸から前記載置部に突出し
   ている部分よりも、前記軸を支軸とする回転モーメント
   が大きいことを特徴とする請求項１における薄葉体積載
   受容装置。
6. 【請求項６】 前記可動部材が、前記矩形状薄葉体の取
   り出しに際して前記載置部の外方に退行自在に構成され
   ている請求項１における薄葉体積載受容装置。
7. 【請求項７】 前記基台の少なくとも載置部が、前記矩
   形状薄葉体の画像形成装置からの排出方向と垂直な面に
   おいて凹状に湾曲している請求項１における薄葉体積載
   受容装置。
8. 【請求項８】 前記可動部材が前記載置部の外方に向け
   て退行した位置で選択的に固定されるよう構成されてい
   る請求項１における薄葉体積載受容装置。
9. 【請求項９】 前記誘導部材が、画像形成装置から排出
   される用紙の排出方向に対して平行に配置されている請
   求項７における薄葉体積載受容装置。