JPH06286323A - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JPH06286323A
JPH06286323A JP4087940A JP8794092A JPH06286323A JP H06286323 A JPH06286323 A JP H06286323A JP 4087940 A JP4087940 A JP 4087940A JP 8794092 A JP8794092 A JP 8794092A JP H06286323 A JPH06286323 A JP H06286323A
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克己 諸貫
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 近赤外部に吸収領域を有する鮮明な発色画像
が得られ、しかも、地肌の保存安定性にすぐれた感熱記
録体を提供する。 【構成】 基体上に形成されている感熱発色層が、Cu
−Kα線でのX線回折分析カーブにおける回折角(2
θ)21.8±0.5度の範囲内に存在するメインピー
クの高さ(H)とピーク半値幅(W)との比率(H/
W)が10以上であり、しかも、示差熱分析カーブにお
けるメインの吸熱ピークを100℃以上にて有している
ステアリン酸第2鉄塩,ベヘン酸第2鉄塩,またはこれ
らの混合物と、キレート試薬とを含有している感熱記録
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱記録に付される感熱記
録体に関するものであり、特に、近赤外部に吸収領域を
有する鮮明な発色画像が得られ、しかも、地肌かぶりが
なく、地肌の保存安定性に優れた性質を有する感熱記録
体を提供する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録体は、基体と該基体上に形成さ
れている感熱記録層とを有しており、一般には、電子供
与性の通常無色ないし淡色のロイコ化合物と該ロイコ化
合物を発色させる電子受容性の顕色剤とを含有する感熱
記録層(一般に染料系感熱記録層という)が利用されて
いる。この感熱記録体への熱記録は、熱ヘッド、熱ペ
ン、レーザ光等での加熱により、感熱記録層中のロイコ
化合物と顕色剤とを瞬時に反応させることによって記録
画像を形成させるものである(例えば、特公昭43ー4
160号公報、特公昭45ー14039号公報等)。
【0003】かかる機構による感熱記録に利用される感
熱記録体は、比較的簡単な装置によって記録画像が得ら
れ、しかも、保守が容易であり、また、操作の際に騒音
の発生が無いなどの利点を有することから、例えば、計
測用記録計、ファクシミリ、プリンター、コンピュータ
ーの端末機、ラベル、乗車券等の自動券売機などの広範
囲の分野に亙って利用されている。
【0004】特に、感熱記録用ラベルは、POS(販売
時点情報管理)システム用のバーコードラベル、価格表
示ラベル、配送・出荷ラベルなどのように、印字後に貼
付を必要とする用途分野に利用されており、スーパーマ
ーケットやデパート等の大型量販店をはじめ、チエーン
展開をしている専門店、レストラン等で広く使用されて
いる。このPOSシステムは、消費者のニーズを明確に
把握して合理的な経営戦略を立てる上から、商品の売上
情報を集計,分析するために必要なものであり、その一
つとして、店頭で販売される商品に付されているバーコ
ードやOCR文字等をスキャナーで光学的に読み取る方
法が急速に普及してきている。
【0005】現在、POSシステム用のラベルに関して
は、様々な印字方式が試みられており、その中でも特に
感熱記録体を利用する熱記録方式は、その印字方式が加
熱による物質の化学的または物理的変化を利用して画像
を形成することからなるものであるため、現像,定着等
の工程が必要でなく、また、印刷インキの補充が不要で
ある等の諸種のメリットを有している。さらに、感熱記
録方式においては、機械の小型化、簡素化、記録のスピ
ード化が可能であり、また、指先や商品がインキで汚れ
る虞れも無く、さらに、発色画像にインキのかすれが無
い等のメリットをも有する。
【0006】ところで、感熱記録方式で得られた発色画
像によるバーコード等の読み取りには、従来、波長63
3nmの赤色光をもつHe・Neレーザ光が利用されて
いたが、最近、半導体レーザ光が使われるようになって
きた。この半導体レーザ光は、電流で直接変調させるこ
とができ、装置の小型化が可能であり、しかも、使い易
く、低価格で供給され、また、発振波長が700〜15
00nmの近赤外部にあることから汚れによる誤動作が
少ない等の利点を有することから、近年、広く普及し始
めている。従って、近年においては、半導体レーザ光で
の読み取りが可能な発色画像が得られる感熱記録体の需
要が高まっている。
【0007】しかしながら、従来から利用されているロ
イコ化合物と顕色剤とを含有する2成分型の感熱記録層
を具備する感熱記録体は、黒色の発色系においてさえ
も、発色画像の吸収波長は長波長側でも550〜620
nmであるため、He・Neレーザ光での読み取りは可
能であるが、発振波長が700〜1500nmの近赤外
部にある半導体レーザ光での読み取りは不可能である。
【0008】他方、感熱記録層中の成分の1方または双
方が溶融,反応してキレート化合物を生成することによ
って発色する機構を利用する感熱記録体として、有機酸
重金属塩または有機酸貴金属塩からなる一方の成分と、
有機還元剤,硫黄化合物,あるいはアミノ化合物のうち
のいずれかの1つからなる他方の成分たるキレート試薬
との組み合わせによる発色系が知られており、例えば、
脂肪酸鉄塩と多価フェノールとの組み合わせや、脂肪酸
鉄塩とジチオカルバミン酸塩との組み合わせ等からなる
発色系を利用する感熱発色層が知られている。
【0009】しかるに、この種のキレート化合物の生成
に伴う発色機構を利用する従来の感熱記録体において
は、キレート試薬を含有している感熱発色層に地肌かぶ
りが発生し易く、特に、高温または高湿の雰囲気中に保
存したときにこの地肌かぶりの度合いが激しく、発色画
像の判読が容易でなくなる等の欠点を有する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】これに対して本発明
は、地肌かぶりがなく、すなわち、地肌の保存性に優
れ、また、鮮明な発色画像が得られ、しかも、発色画像
が近赤外部に吸収波長を有するような感熱記録体を提供
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の感熱発色体は、
基体上に形成されている感熱発色層における発色系とし
て、ステアリン酸第2鉄及びベヘン酸第2鉄の中から選
択される1種以上の脂肪酸第2鉄塩とキレート試薬との
組み合わせを利用するものであり、しかも、前記脂肪酸
第2鉄塩として、Cu−Kα線でのX線回折分析カーブ
における(2θ)21.8±0.5度の範囲内に存在す
るメインピークの高さ(H)とピーク半値幅(W)との
比率(H/W)が10以上で、かつ、示差熱分析カーブ
におけるメインの吸熱ピークが100℃以上にあるもの
を利用することにより、前述の目的を達成するものであ
る。
【0012】なお、ステアリン酸第2鉄塩やベヘン酸第
2鉄塩のCu−Kα線でのX線回折分析は、リガク株式
会社製の2027型X線回折装置を利用し、印加電圧・・
・・・・・・35KV,印加電流・・・・・・・・25mA,FULL
RANGE・・・・・・・・8000cps,TIME CO
NST・・・・・・・・1sec,2θ・・・・・・・・1°/min.
チャートスピード・・・・・・・・1cm/min.の条件で行
なった。
【0013】また、ステアリン酸第2鉄塩やベヘン酸第
2鉄塩の示差熱分析は、セイコー電子工業株式会社製の
DSC210型示差走査熱量計を利用し、昇温速度・・・・
・・・・10℃/min.,温度範囲・・・・・・・・30〜160
℃の条件で行なった。
【0014】本発明者らは、キレート化合物の生成に伴
う発色機構を利用する従来の感熱記録体における欠点、
すなわち、キレート試薬を含有している感熱発色層に地
肌かぶりが発生し易く、特に、高温または高湿の雰囲気
中に保存したときにこの地肌かぶりの度合いが激しくな
り、発色画像の判読が容易でなくなることの欠点につい
て追跡したところ、これらの原因が感熱発色層中に存在
する脂肪酸第2鉄塩の性質によるものであることを解明
し、かかる性質を有さない特別の脂肪酸第2鉄塩を、ス
テアリン酸第2鉄塩及びベヘン酸第2鉄塩の中から選択
することができた。
【0015】すなわち、本発明者らは、複分解法や溶融
法による各種の製造条件により、化学的性質及び物理的
性質の相違するステアリン酸第2鉄塩及びベヘン酸第2
鉄塩を製造し、これらのステアリン酸第2鉄塩またはベ
ヘン酸第2鉄塩とキレート試薬との発色系を利用する感
熱発色層の性質について究明した結果、(1) Cu−Kα
線でのX線回折分析カーブにおける回折角(2θ)2
1.8±0.5度の範囲内に存在するメインピークの高
さ(H)とピーク半値幅(W)との比率(H/W)が1
0以上、好ましくは20以上である、(2) 示差熱分析カ
ーブにおけるメインの吸熱ピークが100℃以上のとこ
ろにある、等の各分析値を兼備するステアリン酸第2鉄
塩またはベヘン酸第2鉄塩を利用する発色系の場合に、
前述の欠点を悉く解消する感熱記録体となし得ることを
解明した。
【0016】なお、ステアリン酸第2鉄塩またはベヘン
酸第2鉄塩とキレート試薬との組み合わせによる発色系
を利用する感熱発色層において、ステアリン酸第2鉄塩
またはベヘン酸第2鉄塩が、Cu−Kα線でのX線回折
分析カーブにおける回折角(2θ)21.8±0.5度
の範囲内に存在するメインピークの高さ(H)とピーク
半値幅(W)との比率(H/W)が10未満になると、
感熱記録体に地肌かぶりが発生し易く、常温での保存で
も地肌かぶりが発生するようになる。このため、ステア
リン酸第2鉄塩またはベヘン酸第2鉄塩は、Cu−Kα
線でのX線回折分析カーブにおける回折角(2θ)2
1.8±0.5度の範囲内に存在するメインピークの高
さ(H)とピーク半値幅(W)との比率(H/W)が1
0以上であることが必要であり、より好ましくは20以
上のものが利用される。
【0017】さらに、示差熱分析カーブにおけるメイン
の吸熱ピークが100℃未満のステアリン酸第2鉄塩ま
たはベヘン酸第2鉄塩の場合にも、地肌かぶりが発生す
るようになるため、示差熱分析カーブにおけるメインの
吸熱ピークが100℃以上、好ましくは110℃以上の
ものが利用される。
【0018】以上の分析値を兼備するステアリン酸第2
鉄塩またはベヘン酸第2鉄塩に組み合わせて利用される
キレート試薬としては、例えば、没食子酸エステル,ジ
ヒドロキシ安息香酸エステル,ジフェニルカルバジド,
ジフェニルカルバゾン,ヘキサメチレンテトラミン,ス
ピロベンゾピラン,1−ホルミル−4−フェニルセミカ
ルバジド等が好適である。
【0019】なお、これらのキレート試薬のうちの没食
子酸エステル及びジヒドロキシ安息香酸エステルとして
は、以下に例記するようなものが使用される。
【0020】没食子酸エステル;一般式 C6H2(OH)3(COO
R)において、R が炭素数1〜28のアルキル基,フェニ
ル基あるいはベンジル基及びそれらの誘導体からなる没
食子酸エステル、例えば、没食子酸メチル,没食子酸プ
ロピル,没食子酸オクチル,没食子酸ラウリル,没食子
酸セチル,没食子酸ステアリル,没食子酸ベヘニル等
【0021】ジヒドロキシ安息香酸エステル; (1) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸プロピルエステル (2) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸ブチルエステル (3) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸シクロヘキシルエス
テル (4) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル (5) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸−p−メチルベンジ
ルエステル (6) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸−p−クロロベンジ
ルエステル (7) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸−α−フェニルエチ
ルエステル (8) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸−β−フェニルエチ
ルエステル (9) 2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸エチル
エステル (10) 2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸プロ
ピルエステル (11) 2,4−ジヒドロキシ−6−イソプロピル安息香
酸エチルエステル (12) 2,4−ジヒドロキシ−6−ペンチル安息香酸エ
チルエステル (13) 2,4−ジヒドロキシ−6−メトキシ安息香酸ブ
チルエステル (14) 2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸シク
ロヘキシルエステル (15) 2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸ベン
ジルエステル (16) 2,4−ジヒドロキシ−6−プロピル安息香酸p
−クロロベンジルエステル (17) 2,4−ジヒドロキシ−6−メトキシ安息香酸p
−メチルベンジルエステル (18) 2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸p−
イソプロピルベンジルエステル (19) 2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸p−
メチルフェノキシエチルエステル (20) 2,4−ジヒドロキシ−5−クロロ安息香酸−p
−クロロベンジルエステル (21) 3,4−ジヒドロキシ安息香酸ブチルエステル (22) 3,4−ジヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル (23) 3,4−ジヒドロキシ安息香酸−β−フェニルエ
チルエステル (24) 3,4−ジヒドロキシ−5−クロロ安息香酸ベン
ジルエステル (25) 3,4−ジヒドロキシ安息香酸−α−フェニルエ
チルエステル
【0022】さらに、ジチオカルバミン酸塩としては、
例えば、 (1) ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム (2) ジメチルジチオカルバミン酸銅 (3) ジメチルジチオカルバミン酸第2鉄 (4) ジエチルジチオカルバミン酸テルル (5) ブチルキサントゲン酸亜鉛 (6) ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛 (7) N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜
鉛 (8) ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛 (9) N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛 (10) ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム (11) ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム (12) ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩 (13) ピペコリルジチオカルバミン酸ピペコリン塩 (14) ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛 (15) ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛
【0023】次に、本発明の感熱記録体の感熱記録層に
利用される前記成分以外の任意成分の主なものについて
具体的に説明する。
【0024】水溶性結着剤として、デンプン類、ヒドロ
キシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルア
ルコール、変性ポリビニルアルコール、スチレン−無水
マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合
体などの水溶性バインダー、スチレン−ブタジエン共重
合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリ
ル酸メチル−ブタジエン共重合体などのラテックス系水
溶性バインダーなどが利用される。
【0025】顔料として、ケイソウ土、タルク、カオリ
ン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミ
ニウム、尿素−ホルマリン樹脂などが利用される。
【0026】さらに、ヘッド摩耗防止、スティッキング
防止などの目的で、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カ
ルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラ
フィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン
酸アミド、カスターワックス等のワックス類が、また、
感度向上剤として、メタタールフェニル、パラベンジル
ビスフェニル、ヒドロキシナフトエ酸のエステル類、ス
テアリン酸アミド、トリベンジルアミン、ナフタレン誘
導体、ジベンジルテレフタレート、蓚酸ジベンジル、蓚
酸ビス(パラメチルベンジル)などの各種蓚酸エステル
等が利用される。
【0027】また、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ム等の分散剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系などの紫外線吸収剤、また、界面活性剤、蛍光染料な
どが所望に応じて添加される。
【0028】本発明の感熱記録体における基体として
は、紙が主として利用されるが、各種の不織布、プラス
チックフィルム、合成紙、金属箔等、あるいはこれらを
組合わせた複合シートも任意に用いられる。
【0029】以上の構成による本発明の感熱記録体は、
一般的に、通常のファクシミリ、プリンター等をはじ
め、近赤外光を検知する特殊用途にも利用され、特に発
色画像の高保存性が所望される場合には、感熱記録層を
被覆する保護層を形成することにより、未発色部及び発
色画像部を外部環境から保護することが好ましい。な
お、保護層の主成分としては、各種の水溶性樹脂、ラテ
ックス、紫外線や電子線による電離放射線硬化型樹脂等
が利用され、さらに、必要に応じて、顔料、耐水化剤、
撥水剤、消泡剤、紫外線吸収剤等を添加することができ
る。
【0030】さらに、本発明の感熱記録体は、従来の染
料系の感熱記録体とほぼ同じ製造法で製造される。具体
的には、Cu−Kα線でのX線回折分析カーブにおける
回折角(2θ)21.8±0.5度の範囲内に存在する
メインピークの高さ(H)とピーク半値幅(W)との比
率(H/W)が10以上であり、しかも、示差熱分析カ
ーブにおけるメインの吸熱ピークを100℃以上にて有
しているステアリン酸第2鉄塩、ベヘン酸第2鉄塩、ま
たは、これらの混合物からなる脂肪酸第2鉄塩と、キレ
ート試薬とのそれぞれを、別々に、サンドグラインダ
ー、アトライター、ボールミルを利用し水系で粉砕・分
散後、混合することにより、水系の塗工剤を得た後、こ
れを基体上に塗工して感熱発色層を形成する方法、ある
いは、先の脂肪酸第2鉄塩とキレート試薬との両者また
は一方をマイクロカプセル化したものを利用して水系の
塗工剤を得た後、これを基体上に塗工して感熱発色層を
形成する方法などを利用し得る。
【0031】
【作用】キレート試薬と脂肪酸第2鉄塩との組み合わせ
による発色系において、脂肪酸第2鉄塩として、Cu−
Kα線でのX線回折分析カーブにおける回折角(2θ)
21.8±0.5度の範囲内に存在するメインピークの
高さ(H)とピーク半値幅(W)との比率(H/W)が
10以上であり、かつ、示差熱分析カーブにおけるメイ
ンの吸熱ピークを100℃以上にて有しているステアリ
ン酸第2鉄塩やベヘン酸第2鉄塩を選択した場合に、感
熱記録体に地肌かぶりが発生しなくなる理由は明確では
ないが、前記分析値を兼備するステアリン酸第2鉄塩や
ベヘン酸第2鉄塩は結晶が十分に成長しているものであ
るため、低温での発色反応が発生するようなことがな
く、結晶が十分に成長している高融点のステアリン酸第
2鉄塩やベヘン酸第2鉄塩が融点以上の温度に加熱され
たときに、これが急速に融解することによって初めて発
色反応が始まることに起因するものであると推定され
る。
【0032】
【実施例】本発明の感熱記録体の具体的な構成を製造実
施例に基づいて説明し、該感熱記録体の諸特性を比較例
の感熱記録体と比較して説明する。
【0033】実施例1〜4,比較例1〜7 Cu−Kα線でのX線回折分析カーブにおけるメインピ
ークの回折角(2θ)と、該メインピークの高さ(H)
とピーク半値幅(W)との比率(H/W)と、示差熱分
析カーブにおけるメインの吸熱ピークの温度とが、[表
1]の所定の欄の数値からなる脂肪酸第2鉄塩を利用
し、下記の組成によるA液およびB液を各々別々にサン
ドグラインダーで分散させた。
【0034】 A液 脂肪酸第2鉄塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10重量部 軽質炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20重量部 ポリビニルアルコール12重量%溶液・・・・・・・・・・・・・・・・40重量部 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50重量部
【0035】 B液 没食子酸ステアリル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40重量部 軽質炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20重量部 ポリビニルアルコール12重量%溶液・・・・・・・・・・・・・・・・70重量部 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70重量部
【0036】次に、A液120重量部とB液200重量
部とポリビニルアルコール12重量%溶液50重量部と
を混合して撹拌し、感熱記録層用の水性塗工液を調製し
た。続いて、この感熱記録層用の塗工液を、50g/m
2 の上質紙からなる基体上に、塗布量6g(dry)/
2 の割合に塗工,乾燥し、さらにキャレンダー処理を
施すことにより、ベック平滑度が500秒の感熱記録層
を有する本発明の実施例品及び比較例品たる各感熱記録
体を得た。
【0037】
【表1】
【0038】[評価]実施例1〜4,比較例1〜7で得
られた各感熱記録体の地肌濃度及び該地肌濃度の保存性
の評価を、各感熱記録体の保存前の地肌濃度と、各感熱
記録体を、40℃,90%RHの環境下に24時間、6
0℃,dryの環境下に24時間、及び、5000lu
xの蛍光灯の照射下に100時間それぞれ保存した後の
地肌濃度とを比較することにより行った。なお、地肌濃
度は、感熱記録体の地肌の光学濃度を、マクベスRD9
18を用いて測定した数値で表示した。結果を[表2]
に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
【効果】本発明の感熱記録体は、近赤外部に吸収域を有
し、かつ、鮮明な発色画像が記録され、しかも、地肌の
保存安定性にすぐれた効果を奏するもので、半導体レー
ザでの読み取りができ、例えば、感熱記録用ラベルの分
野等における感熱記録体としての実用性が高く、高度の
利用価値を有する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪酸第2鉄塩とキレート試薬とを含
    有する感熱発色層が基体上に形成されている感熱記録体
    において、前記脂肪酸第2鉄塩が、Cu−Kα線でのX
    線回折分析カーブにおける回折角(2θ)21.8±
    0.5度の範囲内に存在するメインピークの高さ(H)
    とピーク半値幅(W)との比率(H/W)が10以上で
    あり、かつ、示差熱分析カーブにおけるメインの吸熱ピ
    ークを100℃以上にて有しているステアリン酸第2鉄
    塩、ベヘン酸第2鉄塩、または、これらの混合物からな
    ることを特徴とする感熱記録体。
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JPS5911288A (ja) * 1982-07-12 1984-01-20 Tokai Pulp Kk 地発色を防止した感熱記録材料

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