JPH09193554A - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JPH09193554A
JPH09193554A JP8006246A JP624696A JPH09193554A JP H09193554 A JPH09193554 A JP H09193554A JP 8006246 A JP8006246 A JP 8006246A JP 624696 A JP624696 A JP 624696A JP H09193554 A JPH09193554 A JP H09193554A
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JP
Japan
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recording material
thermosensitive
thermal
titanium oxide
acid
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JP8006246A
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Katsumi Moronuki
克己 諸貫
Nobuyuki Fujii
宣行 藤井
Nobuyuki Iwasaki
信幸 岩崎
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】近赤外部に吸収領域を有する発色画像が得ら
れ、かつ、地肌かぶりがなく、地肌の保存安定性に優れ
た性質を有し、しかも、製造上の条件変動に対しても安
定している感熱記録体を提供する。 【解決手段】感熱発色層が、脂肪酸第2鉄塩とキレート
剤とを発色主成分とし、かつ、超微粒子酸化チタンを含
有させ、必要に応じてキレート剤を多価フェノールから
選択することを特徴とする感熱記録体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱記録に付される感
熱記録体に関するもので、特に、近赤外部に吸収領域を
有する発色画像が得られ、かつ、地肌かぶりがなく、地
肌の保存安定性に優れた性質を有し、しかも、製造上の
条件変動に対しても安定している感熱記録体を提供す
る。
【0002】
【従来の技術】感熱記録体は、基体と該基体上に形成さ
れている感熱発色層とを有している。感熱発色層として
は様々なタイプのものが利用されており、代表的なもの
はロイコ染料タイプのものである。
【0003】ロイコ染料タイプの感熱発色層は、電子供
与性の無色ないし淡色のロイコ化合物と、該ロイコ化合
物を発色させる電子受容性の顕色剤とを主成分として含
有しており、該感熱発色層への熱記録を熱ヘッド、熱ペ
ン、レーザ光等の加熱によって行なうもので、感熱発色
層中のロイコ化合物と顕色剤とを瞬時にして反応させる
ことによって記録画像を形成させる方式のものである
(例えば、特公昭43ー4160号公報、特公昭45ー
14039号公報等)。
【0004】感熱記録に利用される感熱記録体は、前述
のロイコ染料タイプの感熱発色層の場合に限らず、一般
的に比較的簡単な装置によって記録画像が得られ、しか
も、保守が容易であり、また、操作の際に騒音の発生が
無いなどの利点を有しており、例えば、計測用記録計、
ファクシミリ、プリンター、コンピューター端末機、ラ
ベル、輸送機関の乗車券等の自動券売機などの広範囲の
分野に亙って利用されている。
【0005】特に、感熱記録用ラベルは、POS(販売
時点情報管理)システム用のバーコードラベル、価格表
示ラベル、配送・出荷ラベルなどのように、印字後に貼
付を必要とする用途分野に利用されており、スーパーマ
ーケットやデパート等の大型量販店をはじめ、チエーン
展開をしている専門店やレストラン等で広く使用されて
いる。このPOSシステムにおいては、表示されたバー
コードやOCR文字をスキャナーで光学的に読み取る方
法が急速に普及してきている。
【0006】現在、POSシステム用のラベルに関して
は、様々な印字方式が試みられており、その中でも特に
感熱記録体を利用する熱記録方式は、その印字方式が加
熱による物質の化学的または物理的変化を利用して画像
を形成することからなるものであるため、現像、定着等
の工程が必要でなく、また、印刷インキの補充が不要で
ある等の諸種のメリットを有している。さらに、感熱記
録方式においては、機械の小型化、簡素化、記録のスピ
ード化が可能であり、また、指先や商品がインキで汚れ
る虞れも無く、さらに、発色画像にインキのかすれが無
い等のメリットをも有する。
【0007】ところで、感熱記録方式で得られた発色画
像によるバーコード等の読み取りには、従来より633
nmの波長の赤色光をもつHe・Neレーザ光が利用さ
れていたが、最近、半導体レーザ光が使用されるように
なっている。この半導体レーザ光は、電流で直接変調さ
せることができ、装置の小型化が可能であり、しかも、
使い易く、低価格で供給され、また、発振波長が700
〜1500nmの近赤外部にあることから汚れによる誤
動作が少ない等の利点を有し、広く普及し始めている。
従って、近年においては、半導体レーザ光での読み取り
が可能な発色画像が得られる感熱記録体の需要が高まっ
ている。
【0008】しかしながら、従来から利用されているロ
イコ化合物と顕色剤とを含有する2成分型の感熱発色層
を具備する感熱記録体は、黒色の発色系においてさえ
も、発色画像の吸収波長が長波長側でも550〜620
nmであるため、He・Neレーザ光での読み取りは可
能であるが、発振波長が700〜1500nmの近赤外
部にある半導体レーザ光での読み取りは不可能である。
【0009】他方、感熱発色層中の成分の1方または双
方が溶融、反応してキレート化合物を生成することによ
って発色する機構を利用する感熱記録体として、有機酸
重金属塩または有機酸貴金属塩からなる一方の成分と、
有機還元剤、硫黄化合物、あるいはアミノ化合物のうち
のいずれかの1つからなる他方の成分たるキレート剤と
の組み合わせによる発色系が知られており、例えば、脂
肪酸鉄塩と多価フェノールとの組み合わせを利用する感
熱発色層が知られている。そして、この感熱発色層を有
する感熱記録体は、感熱発色層に利用するキレート剤を
選択することによって半導体レーザー光での読み取りが
可能な発色画像が得られる。
【0010】しかるに、この種のキレート化合物の生成
に伴う発色機構を利用する従来の感熱記録体において
は、キレート剤を含有している感熱発色層に地肌かぶり
が発生し易いという欠点があった。
【0011】感熱発色層におけるこの地肌かぶりは、
(1) 感熱記録体を高温高湿度の雰囲気中に保存したと
き、(2) 感熱記録体に紫外線を含む光が長期間に亙って
当てられたとき、(3) 感熱記録層を形成する際の塗工液
が、該塗工液の調整後経時的にかぶりを生ずるようにな
るため、調整後の時間が経過した塗工液を利用して感熱
記録体を得たときにそれぞれ発生する。
【0012】このため本発明者らは、特定の脂肪酸第2
鉄塩とキレート剤との組み合わせを利用することによ
り、前述の(1)、(2) 及び (3) の場合における地肌かぶ
りを改良し得ること、及び、感熱記録層を形成する際の
塗工液のpHを調整したり、かぶり防止剤として炭酸ジ
ルコニウムアンモニウムを添加することなどにより、前
述の(3) の場合における地肌かぶりを改良し得ることを
提案した。
【0013】しかして、かかる技術的手段によって感熱
発色層における地肌かぶりは改良されるが、より安定し
た品質の感熱記録体が要求されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、キレー
ト化合物の生成に伴う発色機構を利用する感熱記録体に
おける前述の欠点、すなわち、感熱記録層を形成するた
めの塗工液の調整後の時間が経過したものを利用した感
熱記録体に地肌かぶりがあること、及び、紫外線を含む
光に長期に晒されたり高温高湿度雰囲気中に保存したと
きの感熱記録体に地肌かぶりが発生すること等の欠点の
改良方法について究明した。
【0015】本発明は、特に紫外線を含む光に長期に晒
されたり、高温高湿度下に保存しても地肌かぶりの発生
が少なく、地肌の保存性に優れ、また、近赤外部に吸収
波長を有する鮮明な発色画像が得られ、しかも、感熱発
色層を形成する際の塗工液の調整後の時間の経過によっ
て塗工液にかぶりが生ずることがなく、感熱発色層の品
質にバラ付きの無い感熱記録体を提供する。
【0016】
【課題を解決するための手段】紫外線を含む光による弊
害を防止するため、紫外線遮断能力があることが従来か
ら知られ、化粧品などへの応用が実用化されている超微
粒子酸化チタンを含む保護層を、感熱発色層上に設けれ
ば、耐光性を向上させ得ることは容易に想像される。こ
れは、紫外線遮断能力が超微粒子酸化チタンの紫外線散
乱効果によって発現するものであることからも推察され
る。
【0017】本発明者らは、超微粒子酸化チタンを感熱
発色層に直接含ませても紫外線に対する耐光性が改善さ
れ、しかも効果はそれに止まらず、塗工液の調整後の経
時によるかぶり、および高温高湿度雰囲気中に保存した
とき、感熱記録体の地肌かぶりを改良する作用があると
いう、全く予想されなかった効果を見いだして本発明を
完成させたものである。
【0018】本発明は、基体上に感熱発色層を有する感
熱記録体において、前記感熱発色層が、脂肪酸第2鉄塩
とキレート剤とを発色主成分とし、かつ、超微粒子酸化
チタンを含有している感熱記録体からなる。
【0019】本発明は、基体上に感熱発色層を有する感
熱記録体において、前記感熱発色層が、脂肪酸第2鉄塩
とキレート剤とを発色主成分とするもので、かつ、キレ
ート剤として多価フェノールから選ばれる化合物を使用
し、さらに、超微粒子酸化チタンを含有している感熱記
録体からなる。
【0020】
【発明の実施の形態】酸化チタンの結晶型はアナター
ゼ、ルチル型いずれでもよく、一般に顔料として用いら
れる酸化チタンが単一粒子径約0.25μmで可視光散
乱が最大となるように設計されているのに対して、超微
粒子酸化チタンは単一粒子径約0.05μm以下であり
可視光散乱の最適粒子径から大きく外れるため可視光透
過率が高く、かつ紫外線遮断能が高いという性質をもっ
ている。
【0021】本発明に用いることのできる超微粒子酸化
チタンの例としては、石原産業株式会社製TTOシリー
ズ[TTO−55(A)、同(D)、同(S)、同
(N)、TTO−51(A)、同(B)、同(D)]、
チタン工業株式会社製[ST−100、200、30
0、400、STT−100R]が挙げられる。
【0022】前記構成による本発明の感熱記録体の感熱
発色層は、感熱記録体における基体、例えば、紙、各種
の不織布、プラスチックフィルム、合成紙、金属箔等、
あるいはこれらを組合わせた複合シート等からなる基体
に対して、脂肪酸第2鉄塩とキレート剤とを発色主成分
とし、必要に応じて金属イオン封鎖剤を含有し、さら
に、水溶性または水分散性結着剤および超微粒子酸化チ
タンを含有する水分散系塗工液による塗工層として得ら
れる。脂肪酸第2鉄塩とキレート剤の混合比率は、脂肪
酸第2鉄塩1重量部に対してキレート剤を0.5〜50
重量部、好ましくは1〜10重量部程度とするのが望ま
しい。
【0023】感熱発色層に利用される脂肪酸第2鉄塩の
具体例は、炭素数6〜25、好ましくは9〜22の直鎖
状または分枝鎖状の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸の第
2鉄塩であり、より具体的には、ステアリン酸第2鉄
塩、ミリスチン酸第2鉄塩、ベヘン酸第2鉄塩、ラウリ
ル酸第2鉄塩、ペラルゴン酸第2鉄塩等である。
【0024】特に、Cu−Kα線でのX線回折分析カー
ブにおける回折角(2θ)21.8±0.5度の範囲内に
存在するメインピークの高さ(H)とピーク半値幅
(W)との比率(H/W)が10以上、好ましくは20
以上であり、しかも、示差熱分析カーブにおけるメイン
の吸熱ピークを100℃以上に有している結晶性の高い
ステアリン酸第2鉄塩やベヘン酸第2鉄塩またはこれら
の混合物からなる脂肪酸第2鉄塩が好適である。
【0025】これらの脂肪酸第2鉄塩は、金属水溶性塩
化物と脂肪酸アルカリの水溶液を混合撹拌して反応さ
せ、沈殿を濾過洗浄乾燥する複分解法で合成する際に、
精製度を高めることで得ることができる。また、これら
の脂肪酸第2鉄塩を微粒子化する方法としては水中で加
圧加熱熔融しエマルジョン化した後、冷却することによ
り上記条件に入るような結晶性の高い脂肪酸第2鉄塩の
微粒子とすることが好ましい。
【0026】感熱発色層に利用されるキレート剤は、多
価フェノール、ジチオカルバミン酸塩、ジフェニルカル
バゾン、ヘキサメチレンテトラミン、スピロベンゾピラ
ン、1−ホルミル−4−フェニルセミカルバジド等であ
る。これらのキレート剤は脂肪酸第2鉄塩との間にキレ
ート化合物を作る。
【0027】そして、脂肪酸第2鉄塩とキレート剤とに
よるキレート化合物は近赤外領域に吸収を有するため
に、本発明の感熱記録体の感熱発色層には半導体レーザ
ーで読み取ることができる発色画像が形成される。
【0028】キレート剤としては多価フェノールが最も
良く利用され、なかでも、没食子酸エステルやジヒドロ
キシ安息香酸エステルが好適であり、以下に例記するよ
うなものが使用される。
【0029】没食子酸エステル;一般式C62 (O
H)3 (COOR)において、Rが炭素数1〜28のア
ルキル基、フェニル基あるいはベンジル基及びそれらの
誘導体からなる没食子酸エステル、例えば、没食子酸メ
チル,没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸
ラウリル、没食子酸セチル、没食子酸ステアリル、没食
子酸ベヘニル等
【0030】ジヒドロキシ安息香酸エステル; (1) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸プロピルエステル (2) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸ブチルエステル (3) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸シクロヘキシルエス
テル (4) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル (5) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸−p−メチルベンジ
ルエステル (6) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸−p−クロロベンジ
ルエステル (7) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸−α−フェニルエチ
ルエステル (8) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸−β−フェニルエチ
ルエステル (9) 2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸エチル
エステル (10)2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸プロピ
ルエステル (11)2,4−ジヒドロキシ−6−イソプロピル安息香酸
エチルエステル (12)2,4−ジヒドロキシ−6−ペンチル安息香酸エチ
ルエステル
【0031】さらに、 (13)2,4−ジヒドロキシ−6−メトキシ安息香酸ブチ
ルエステル (14)2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸シクロ
ヘキシルエステル (15)2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸ベンジ
ルエステル (16)2,4−ジヒドロキシ−6−プロピル安息香酸−p
−クロロベンジルエステル (17)2,4−ジヒドロキシ−6−メトキシ安息香酸−p
−メチルベンジルエステル (18)2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸−p−
イソプロピルベンジルエステル (19)2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸−p−
メチルフェノキシエチルエステル (20)2,4−ジヒドロキシ−5−クロロ安息香酸−p−
クロロベンジルエステル
【0032】また、 (21)3,4−ジヒドロキシ安息香酸ブチルエステル (22)3,4−ジヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル (23)3,4−ジヒドロキシ安息香酸−β−フェニルエチ
ルエステル (24)3,4−ジヒドロキシ−5−クロロ安息香酸ベンジ
ルエステル (25)3,4−ジヒドロキシ安息香酸−α−フェニルエチ
ルエステル などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0033】感熱発色層の形成に利用される水溶性また
は水分散性結着剤は、各種のデンプン類、ヒドロキシエ
チルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコー
ル、変性ポリビニルアルコール、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体など
の水溶性結着剤や、スチレン−ブタジエン共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エス
テル−ブタジエン共重合体などの水分散性結着剤等であ
る。
【0034】感熱発色層形成用の塗工液中には、顔料と
して、ケイソウ土、クレー、焼成クレー、タルク、カオ
リン、焼成カオリン、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、非
晶性合成酸化ケイ素、アルミナ、水酸化アルミニウム、
合成珪酸マグネシウム、合成珪酸アルミニウムなどの無
機質顔料、ポリスチレン、ポリメタクリル酸エステル、
尿素樹脂、尿素−ホルマリン樹脂などの有機質顔料が添
加されていても良い。
【0035】さらに、ヘッド摩耗防止、スティッキング
防止などの目的で、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カ
ルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラ
フィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン
酸アミド、カスターワックス等のワックス類が、また、
感度向上剤として、メタターフェニル、パラベンジルビ
スフェニル、ヒドロキシナフトエ酸のエステル類、ステ
アリン酸アミド、トリベンジルアミン、ナフタレン誘導
体、ジベンジルテレフタレート、蓚酸ジベンジル、蓚酸
ビス(パラメチルベンジル)などの各種蓚酸エステル等
が添加され得る。
【0036】また、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ム等の分散剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系などの紫外線吸収剤、また、界面活性剤、蛍光染料、
本発明者が既に提案した地肌かぶり防止剤として炭酸ジ
ルコニウムアンモニウムなども所望に応じて添加され
る。
【0037】本発明の感熱記録体の感熱発色層中には、
前述の超微粒子酸化チタンが感熱発色層の全固形成分の
1〜50重量%の割合で含有されていれば十分である
が、これより多いと記録濃度が低下するという問題が生
じる。感熱発色層の塗布量は2〜10g/m 程度で
あれば充分である。
【0038】感熱発色層を形成するための塗工液の調整
は、従来のロイコ染料タイプの感熱発色層を形成する際
の塗工液の調整と略同様にして行なわれる。具体的に
は、脂肪酸第2鉄塩を主成分とする水分散液と、キレー
ト剤を主成分とする水分散液との各々を、別々に、サン
ドグラインダー、アトライダー、ボールミル等を利用し
て得た後に、これらの両液のいずれか一方あるいは両方
に超微粒子酸化チタンを添加し、これを混合することに
よって、あるいは、脂肪酸第2鉄塩を主成分とする水分
散液と、キレート剤を主成分とする水分散液とを混合し
た後に、この混合液に超微粒子酸化チタンを添加するこ
とによって調整される。
【0039】以上の構成による本発明の感熱記録体は、
通常のファクシミリ、プリンター等をはじめ、近赤外光
を検知する特殊用途にも利用され、特に地肌部分の擦り
傷による発色や発色画像の高保存性を所望する場合に
は、感熱発色層を被覆する保護層を形成することによ
り、未発色部及び発色画像部を外部環境から保護するこ
とが好ましい。なお、保護層の主成分としては、各種の
水溶性樹脂、ラテックス、紫外線や電子線による電離放
射線硬化型樹脂等が利用され、さらに、必要に応じて、
顔料、耐水化剤、撥水剤、消泡剤、紫外線吸収剤等を添
加することができる。
【0040】
【実施例】本発明の感熱記録体の具体的な構成を製造実
施例に基づいて説明し、該感熱記録体の諸特性を比較例
の感熱記録体と比較する。本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0041】実施例1 下記の組成(A)と組成(B)とを、各々別々にサンド
グラインダーで分散させ、組成(A)による(a)液、
組成(B)による(b)液、組成(C)による(c)液
とを得た後、(a)液120重量部と、(b)液200
重量部と、(c)液50重量部とポリビニルアルコール
12重量%水溶液20重量部とを混合、攪拌して、感熱
発色層形成用の塗工液(1)を得た。
【0042】組成(A) ステアリン酸第2鉄・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10重量部 クレー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20重量部 ポリビニルアルコール12重量%溶液・・・・・・・・40重量部 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50重量部
【0043】組成(B) 没食子酸ステアリル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40重量部 クレー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20重量部 ポリビニルアルコール12重量%溶液・・・・・・・・70重量部 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70重量部
【0044】組成(C) 超微粒子酸化チタン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10重量部 (チタン工業株式会社製、STT−100R) ポリビニルアルコール12重量%溶液・・・・・・・・20重量部 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20重量部
【0045】感熱発色層形成用の塗工液(1)を調整し
た後直ちに、50g/m2 の上質紙からなる基体上に、
塗布量7g(dry)/m2 の割合に塗工、乾燥し、さ
らにキャレンダー処理を施すことにより、ベック平滑度
が500秒の感熱発色層を有する本発明の実施例品であ
る感熱記録体(1)を得た。
【0046】実施例2 前記実施例1と同様にして調整した感熱発色層形成用の
塗工液(1)を、40℃の雰囲気中に24時間放置し、
これを50g/m2 の上質紙からなる基体上に実施例1
と同様にして適用した後、以下実施例1と同様にして本
発明の実施例品である感熱記録体(2)を得た。
【0047】実施例3 前記実施例1と同様にして調整した感熱発色層形成用の
塗工液(1)を、40℃の雰囲気中に72時間放置し、
これを50g/m2 の上質紙からなる基体上に実施例1
と同様にして適用した後、以下実施例1と同様にして本
発明の実施例品である感熱記録体(3)を得た。
【0048】比較例1 実施例1の感熱記録体(1)の製造工程中の(c)液を
入れないで感熱発色層形成用の塗工液(2)を作成し直
ちに、50g/m2 の上質紙からなる基体上に実施例1
と同様にして適用し、以下実施例1と同様にして比較の
ための感熱記録体(4)を得た。
【0049】比較例2 感熱発色層形成用の塗工液(2)を調整後、40℃の雰
囲気中に24時間放置し、これを50g/m2 の上質紙
からなる基体上に比較例1と同様にして適用し、以下比
較例1と同様にして比較のための感熱記録体(5)を得
た。。
【0050】比較例3 感熱発色層形成用の塗工液(2)を調整後、40℃の雰
囲気中に72時間放置し、これを50g/m2 の上質紙
からなる基体上に比較例1と同様にして適用し、以下比
較例1と同様にして比較のための感熱記録体(6)を得
た。
【0051】[評価1]塗布液の保存試験 実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた各感熱記録体
の地肌濃度と印字の発色濃度(画像濃度)とを、光学濃
度計マクベスRD918を用いて測定した。なお、感熱
記録体に対する印字は、セイコー電子工業 (株) 製の感
熱プリンター「DPU−412」によって実施した。結
果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】[評価2]高温高湿保存試験 [評価1]の処方により印字した実施例1、2、3及び
比較例1、2、3の各感熱記録体を50℃、80%RH
の雰囲気中に24時間保存した後、各感熱記録体の地肌
濃度と印字の発色濃度(画像濃度)とを、[評価1]の
場合と同様にして測定した。結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】[評価3]耐光性保存試験 [評価1]の処方により印字した実施例1、2、3及び
比較例1、2、3の各感熱記録体を強キセノンウェザー
メーター(68W/m2 )中に24時間保持した後、再
度記録像の濃度及び地肌濃度をマクベス濃度計にて測定
する。その結果を表3に示した。
【0056】
【表3】
【0057】
【発明の効果】本発明の感熱記録体は、近赤外部に吸収
域を有する鮮明な発色画像が記録されることから、半導
体レーザ光での読み取りができ、また、感熱発色層形成
用の塗工液の調整後の時間が経過した後に感熱発色層を
形成する場合や、感熱記録体を高湿度の雰囲気中に保存
した場合や、長期に紫外線を含む光を浴びても、地肌か
ぶりが無く、均一な品質の感熱記録体となり、例えば、
感熱記録用ラベルの分野等における感熱記録体としての
実用性が高く、高度の利用価値を有する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に感熱発色層を有する感熱記録体に
    おいて、前記感熱発色層が、脂肪酸第2鉄塩とキレート
    剤とを発色主成分とし、かつ、超微粒子酸化チタンを含
    有していることを特徴とする感熱記録体。
  2. 【請求項2】キレート剤が多価フェノールである請求項
    1記載の感熱記録体。
JP8006246A 1996-01-18 1996-01-18 感熱記録体 Pending JPH09193554A (ja)

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