JP2638416B2 - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JP2638416B2
JP2638416B2 JP5019676A JP1967693A JP2638416B2 JP 2638416 B2 JP2638416 B2 JP 2638416B2 JP 5019676 A JP5019676 A JP 5019676A JP 1967693 A JP1967693 A JP 1967693A JP 2638416 B2 JP2638416 B2 JP 2638416B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱記録に付される感熱記
録体に関するものであり、特に、近赤外部に吸収領域を
有する鮮明な発色画像が得られ、しかも、地肌かぶりが
なく、地肌の保存安定性に優れた性質を有する感熱記録
体を提供する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録体は、基体と該基体上に形成さ
れている感熱記録層とを有しており、一般的には、電子
供与性の通常無色ないし淡色のロイコ化合物と該ロイコ
化合物を発色させる電子受容性の顕色剤とを含有する感
熱記録層(一般に染料系感熱記録層という)が利用され
ている。
【0003】この感熱記録体への熱記録は、熱ヘッド、
熱ペン、レーザ光等での加熱により、感熱記録層中のロ
イコ化合物と顕色剤とを瞬時に反応させることによって
記録画像を形成させるものである(例えば、特公昭43
ー4160号公報、特公昭45ー14039号公報
等)。
【0004】かかる機構による感熱記録に利用される感
熱記録体は、比較的簡単な装置によって記録画像が得ら
れ、しかも、保守が容易であり、また、操作の際に騒音
の発生が無いなどの利点を有することから、例えば、計
測用記録計、ファクシミリ、プリンター、コンピュータ
ーの端末機、ラベル、乗車券等の自動券売機などの広範
囲の分野に亙って利用されている。
【0005】特に、感熱記録用ラベルは、POS(販売
時点情報管理)システム用のバーコードラベル、価格表
示ラベル、配送・出荷ラベルなどのように、印字後に貼
付を必要とする用途分野に利用されており、スーパーマ
ーケットやデパート等の大型量販店をはじめ、チエーン
展開をしている専門店、レストラン等で広く使用されて
いる。
【0006】このPOSシステムは、消費者のニーズを
明確に把握して合理的な経営戦略を立てる上から、商品
の売上情報を集計,分析するために必要なものであり、
その一つとして、店頭で販売される商品に付されている
バーコードやOCR文字等をスキャナーで光学的に読み
取る方法が急速に普及してきている。
【0007】現在、POSシステム用のラベルに関して
は、様々な印字方式が試みられており、その中でも特に
感熱記録体を利用する熱記録方式は、その印字方式が加
熱による物質の化学的または物理的変化を利用して画像
を形成することからなるものであるため、現像,定着等
の工程が必要でなく、また、印刷インキの補充が不要で
ある等の諸種のメリットを有している。
【0008】さらに、感熱記録方式においては、機械の
小型化、簡素化、記録のスピード化が可能であり、ま
た、指先や商品がインキで汚れる虞れも無く、さらに
は、発色画像にインキのかすれが無い等のメリットをも
有する。
【0009】ところで、感熱記録方式で得られた発色画
像によるバーコード等の読み取りには、従来、波長63
3nmの赤色光をもつHe・Neレーザ光が利用されて
いたが、最近、半導体レーザ光が使われるようになって
きた。この半導体レーザ光は、電流で直接変調させるこ
とができ、装置の小型化が可能であり、しかも、使い易
く、低価格で供給され、また、発振波長が700〜15
00nmの近赤外部にあることから汚れによる誤動作が
少ない等の利点を有するために広く普及し始めている。
従って、近年においては、半導体レーザ光での読み取り
が可能な発色画像が得られる感熱記録体の需要が高まっ
ている。
【0010】しかしながら、従来から利用されているロ
イコ化合物と顕色剤とを含有する2成分型の感熱記録層
を具備する感熱記録体は、黒色の発色系においてさえ
も、発色画像の吸収波長は長波長側でも550〜620
nmであるため、He・Neレーザ光での読み取りは可
能であるが、発振波長が700〜1500nmの近赤外
部にある半導体レーザ光での読み取りは不可能である。
【0011】他方、感熱記録層中の成分の1方または双
方が溶融,反応してキレート化合物を生成することによ
って発色する機構を利用する感熱記録体として、有機酸
重金属塩または有機酸貴金属塩からなる一方の成分と、
有機還元剤,硫黄化合物,あるいはアミノ化合物のうち
のいずれかの1つからなる他方の成分たるキレート試薬
との組み合わせによる発色系が知られており、例えば、
脂肪酸鉄塩と多価フェノールとの組み合わせや、脂肪酸
鉄塩とジチオカルバミン酸塩との組み合わせ等からなる
発色系を利用する感熱発色層が知られている。
【0012】しかるに、この種のキレート化合物の生成
に伴う発色機構を利用する従来の感熱記録体において
は、キレート試薬を含有している感熱発色層に地肌かぶ
りが発生し易く、特に、高温または高湿の雰囲気中に保
存したときにこの地肌かぶりの度合いが激しく、発色画
像の判読が容易でなくなる等の欠点を有する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、このキレ
ート化合物の生成に伴う発色機構を利用する感熱発色層
に発生する地肌かぶりの問題が、感熱発色層中の脂肪酸
第2鉄塩の性質に依存する事に着目した結果、脂肪酸第
2鉄塩としてステアリン酸第2鉄及びベヘン酸第2鉄の
中から選択される1種以上の脂肪酸第2鉄塩を利用した
キレート試薬との組み合わせによる発色機構において、
前記脂肪酸第2鉄塩として、Cu−Kα線でのX線回折
分析カーブにおける(2θ)21.8±0.5度の範囲
内に存在するメインピークの高さ(H)とピーク半値幅
(W)との比率(H/W)「以下比率(H/W)を結晶
化度と表示することもある」が10以上で、かつ、示差
熱分析カーブにおけるメインの吸熱ピークが100℃以
上にあるものを、感熱発色層形成用の塗工剤を調整する
ときに使用することにより、前述の感熱発色層に発生す
る地肌かぶりの問題を改良し得ることを見出した。
【0014】しかるに、その後の究明により、感熱発色
層形成用の塗工剤を調整する際に、かかる脂肪酸第2鉄
塩を使用し、これによる塗工剤によって感熱発色層を形
成しても、場合によっては地肌かぶりが依然として発生
することが確認された。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、感熱発色層
における脂肪酸第2鉄塩として、Cu−Kα線でのX線
回折分析カーブにおける(2θ)21.8±0.5度の
範囲内に存在するメインピークの高さ(H)とピーク半
値幅(W)との比率(H/W)が10以上で、かつ、示
差熱分析カーブにおけるメインの吸熱ピークが100℃
以上にあるものを利用する場合においても依然として発
生する感熱記録体の地肌かぶりの理由を検討したとこ
ろ、以下の知見を得た。
【0016】(1)感熱記録層に利用する脂肪酸第2鉄
塩はこれを微細化して利用するが、この際に、サンドグ
ラインダー、アトライター、ボールミルなどの機械的衝
撃を与えて微細化する方法を取ると、脂肪酸第2鉄塩の
結晶化度が低下し、これが地肌かぶりの原因となる。な
お、脂肪酸第2鉄塩の結晶化度が機械的衝撃で容易に変
化することは全く予想し得ないことであった。
【0017】(2)感熱発色層の感度を上げるために
は、脂肪酸第2鉄塩を微細化する必要があり、微細化さ
れた脂肪酸第2鉄塩が細かければ細かいほど感熱発色層
の感度が高くなる。しかしながら、機械的な方法で脂肪
酸第2鉄塩を微細化すると、程度の差はあるものの結晶
化度が低下する。
【0018】(3)脂肪酸第2鉄塩のより一層の微細化
と結晶化度の維持という機械的分散法における相反する
性質を解決することにより、感熱発色層の感度が高くし
かも地肌かぶりが少ない感熱記録体を得ることができ
る。
【0019】(4)脂肪酸第2鉄塩のより一層の微細化
と結晶化度の維持は、脂肪酸第2鉄塩を機械的に微細化
させることなく、乳化分散法を利用して微細化させるこ
とにより、目的を達成させることができる。
【0020】しかして、本発明の感熱記録体は、脂肪酸
第2鉄塩とキレート試薬とを含有する感熱発色層が基体
上に形成されているものであり、前記感熱発色層中の脂
肪酸第2鉄塩が、乳化分散法で微細化されてなる体積平
均粒子径が0.05〜1.5μのもので、しかも、Cu
−Kα線でのX線回折分析カーブにおける回折角(2
θ)21.8±0.5度の範囲内に存在するメインピー
クの高さ(H)とピーク半値幅(W)との比率(H/
W)が10以上であり、かつ、示差熱分析カーブにおけ
るメインの吸熱ピークを100℃以上にて有しているス
テアリン酸第2鉄塩、ベヘン酸第2鉄塩、またはこれら
の混合物からなるものである。
【0021】なお、ステアリン酸第2鉄塩やベヘン酸第
2鉄塩のCu−Kα線でのX線回折分析は、リガク株式
会社製の2027型X線回折装置を利用し、印加電圧・・
・・・・・・35KV,印加電流・・・・・・・・25mA,FULL
RANGE・・・・・・・・8000cps,TIME CO
NST・・・・・・・・1sec,2θ・・・・・・・・1°/mi
n.,チャートスピード・・・・・・・・1cm/min.の条
件で行なった。
【0022】また、ステアリン酸第2鉄塩やベヘン酸第
2鉄塩の示差熱分析は、セイコー電子工業株式会社製の
DSC210型示差走査熱量計を利用し、昇温速度・・・・
・・・・10℃/min.,温度範囲・・・・・・・・30〜160
℃の条件で行なった。
【0023】さらに、ステアリン酸第2鉄塩やベヘン酸
第2鉄塩の粒子径は、顕微鏡法、コールターカウンター
法、沈殿法、沈殿分級法、遠心沈降法、電磁波散乱法な
どの方法で測定し得る。
【0024】上記の乳化分散法で微細化された体積平均
粒子径が0.05〜1.5μのもので、しかも、Cu−
Kα線でのX線回折分析カーブにおける回折角(2θ)
21.8±0.5度の範囲内に存在するメインピークの
高さ(H)とピーク半値幅(W)との比率(H/W)が
10以上であり、かつ、示差熱分析カーブにおけるメイ
ンの吸熱ピークを100℃以上にて有しているステアリ
ン酸第2鉄塩、ベヘン酸第2鉄塩、またはこれらの混合
物からなる脂肪酸第2鉄塩を含有する感熱発色層は、C
u−Kα線でのX線回折分析カーブにおける回折角(2
θ)21.8±0.5度の範囲内に存在するメインピー
クの高さ(H)とピーク半値幅(W)との比率(H/
W)が10以上であり、かつ、示差熱分析カーブにおけ
るメインの吸熱ピークを100℃以上にて有しているス
テアリン酸第2鉄塩、ベヘン酸第2鉄塩、またはこれら
の混合物による水分散液を調整し、該水分散液中の脂肪
酸第2鉄塩を乳化分散させることによって、できるだけ
脂肪酸第2鉄塩の結晶を破壊しないようにしてこれを微
細化させてなる乳化分散液を作成した後、この乳化分散
液を使用して感熱発色層形成用の塗工剤を調整し、次い
でこの感熱発色層形成用の塗工剤による塗工層からなる
感熱発色層を形成するようにすればよい。
【0025】なお、上記のCu−Kα線でのX線回折分
析カーブにおける(2θ)21.8±0.5度の範囲内
に存在するメインピークの高さ(H)とピーク半値幅
(W)との比率(H/W)が10以上で、かつ、示差熱
分析カーブにおけるメインの吸熱ピークが100℃以上
にあるステアリン酸第2鉄塩やベヘン酸第2鉄塩は、例
えば、苛性ソーダによるステアリン酸又はベヘン酸から
なる脂肪酸の中和反応と、ハロゲン化鉄による脂肪酸ナ
トリウムの塩交換反応とを使用する脂肪酸第2鉄塩の製
造工程を、以下の〜の工程に従って行なうことによ
って、容易に得られる。
【0026】 反応槽中にて、イオン交換水による脂
肪酸溶液を50rpm/min.で撹拌しながら、該脂
肪酸溶液を80〜90℃に昇温し、規定量の苛性ソーダ
水溶液を2時間程掛けて滴下し、滴下終了後更にこの温
度に3時間程維持することにより、脂肪酸の中和反応を
行なう、 次いで、反応液を80〜90℃に維持しながら、規
定量の塩化鉄水溶液を3時間程掛けて滴下し、滴下終了
後更にこの温度に3時間程維持することによって脂肪酸
鉄塩の粉末を析出させた後、この脂肪酸鉄塩の粉末の分
散液を10℃/時間の割合で徐冷し、30℃に冷却す
る、 遠心分離型振り切り装置により、上記の冷却した脂
肪酸鉄塩の粉末の分散液の振り切り脱水を行ない、続い
て得られた濾過品の2〜3倍容量の60℃のイオン交換
水を該濾過品に吹き付けて、濾過品の洗滌を行なう、 洗滌した濾過品を乾燥機に移し、50℃から80℃
まで徐々に昇温し、規定に含水率になるまで乾燥する、 乾燥品を粉砕処理する
【0027】これに対して、上記の工程での脂肪酸の
中和反応において、イオン交換水の脂肪酸水溶液を使用
しなかったり、又はの工程の脂肪酸鉄の粉末の分散液
を冷却する工程を急速冷却で行なったりすると、上記の
2つの分析値を兼備するステアリン酸第2鉄塩又はベヘ
ン酸第2鉄塩は得られなくなる。
【0028】ステアリン酸第2鉄塩やベヘン酸第2鉄塩
の上記の乳化分散は、より具体的には、水および脂肪酸
第2鉄塩を加圧下で加熱して脂肪酸第2鉄塩を熔融させ
た後、この混合液をホモミキサーのような高速攪拌が可
能な攪拌機にて攪拌して一旦エマルジョン(液/液分散
系)状態にした後、この液を急冷して脂肪酸第2鉄塩を
固体にし、分散媒が水で分散相が脂肪酸第2鉄塩のサス
ペンジョン(固/液分散系)を作ることによって行なえ
る。
【0029】なお、このときに用いる分散剤、攪拌方
法、急冷方法、加熱条件、加圧条件により、乳化分散液
中の脂肪酸第2鉄塩の粒子径及び結晶化度が決定され
る。
【0030】本発明の感熱記録体の感熱発色層を形成す
るための塗工剤の調整に際して利用されるステアリン酸
第2鉄塩またはベヘン酸第2鉄塩は、上記の理由によ
り、この乳化分散工程前においても、Cu−Kα線での
X線回折分析カーブにおける回折角(2θ)21.8±
0.5度の範囲内に存在するメインピークの高さ(H)
とピーク半値幅(W)との比率(H/W)が10以上で
あることが好ましく、また、示差熱分析カーブにおける
メインの吸熱ピークが100℃以上、好ましくは110
℃以上であることが好適である。
【0031】キレート試薬としては、例えば、没食子酸
エステル,ジヒドロキシ安息香酸エステル,ジチオカル
バミン酸塩,ジフェニルカルバジド,ジフェニルカルバ
ゾン,ヘキサメチレンテトラミン,スピロベンゾピラ
ン,1−ホルミル−4−フェニルセミカルバジド等が好
適である。
【0032】なお、これらのキレート試薬のうちの没食
子酸エステル、ジヒドロキシ安息香酸エステル、及びジ
チオカルバミン酸塩としては、以下に例記するようなも
のが使用される。
【0033】没食子酸エステル; 一般式C62 (OH)3 (COOR)において、Rが
炭素数1〜28のアルキル基,フェニル基あるいはベン
ジル基及びそれらの誘導体からなる没食子酸エステル、
例えば、没食子酸メチル,没食子酸プロピル,没食子酸
オクチル,没食子酸ラウリル,没食子酸セチル,没食子
酸ステアリル,没食子酸ベヘニル等
【0034】ジヒドロキシ安息香酸エステル; (1) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸プロピルエステル (2) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸ブチルエステル (3) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸シクロヘキシルエス
テル (4) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル (5) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸−p−メチルベンジ
ルエステル (6) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸−p−クロロベンジ
ルエステル (7) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸−α−フェニルエチ
ルエステル (8) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸−β−フェニルエチ
ルエステル (9) 2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸エチル
エステル (10) 2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸プロ
ピルエステル (11) 2,4−ジヒドロキシ−6−イソプロピル安息香
酸エチルエステル (12) 2,4−ジヒドロキシ−6−ペンチル安息香酸エ
チルエステル (13) 2,4−ジヒドロキシ−6−メトキシ安息香酸ブ
チルエステル (14) 2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸シク
ロヘキシルエステル (15) 2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸ベン
ジルエステル (16) 2,4−ジヒドロキシ−6−プロピル安息香酸p
−クロロベンジルエステル (17) 2,4−ジヒドロキシ−6−メトキシ安息香酸p
−メチルベンジルエステル (18) 2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸p−
イソプロピルベンジルエステル (19) 2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸p−
メチルフェノキシエチルエステル (20) 2,4−ジヒドロキシ−5−クロロ安息香酸−p
−クロロベンジルエステル (21) 3,4−ジヒドロキシ安息香酸ブチルエステル (22) 3,4−ジヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル (23) 3,4−ジヒドロキシ安息香酸−β−フェニルエ
チルエステル (24) 3,4−ジヒドロキシ−5−クロロ安息香酸ベン
ジルエステル (25) 3,4−ジヒドロキシ安息香酸−α−フェニルエ
チルエステル
【0035】ジチオカルバミン酸塩; (1) ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム (2) ジメチルジチオカルバミン酸銅 (3) ジメチルジチオカルバミン酸第2鉄 (4) ジエチルジチオカルバミン酸テルル (5) ブチルキサントゲン酸亜鉛 (6) ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛 (7) N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛 (8) ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛 (9) N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛 (10) ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム (11) ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム (12) ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩 (13) ピペコリルジチオカルバミン酸ピペコリン塩 (14) ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛 (15) ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛
【0036】次に、本発明の感熱記録体の感熱記録層に
利用される前記成分以外の任意成分の主なものについ
て、具体的に説明する。
【0037】水溶性結着剤としては、デンプン類、ヒド
ロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニル
アルコール、変性ポリビニルアルコール、スチレン−無
水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重
合体などの水溶性バインダー、スチレン−ブタジエン共
重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アク
リル酸メチル−ブタジエン共重合体などのラテックス系
水溶性バインダーなどが利用される。
【0038】顔料として、ケイソウ土、タルク、カオリ
ン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミ
ニウム、尿素−ホルマリン樹脂などが利用される。
【0039】さらに、ヘッド摩耗防止、スティッキング
防止などの目的で、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カ
ルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラ
フィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン
酸アミド、カスターワックス等のワックス類が、また、
感度向上剤として、メタタールフェニル、パラベンジル
ビスフェニル、ヒドロキシナフトエ酸のエステル類、ス
テアリン酸アミド、トリベンジルアミン、ナフタレン誘
導体、ジベンジルテレフタレート、蓚酸ジベンジル、蓚
酸ビス(パラメチルベンジル)などの各種蓚酸エステル
等が利用される。
【0040】また、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ム等の分散剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系などの紫外線吸収剤、また、界面活性剤、蛍光染料な
どが所望に応じて添加される。
【0041】本発明の感熱記録体における基体としては
紙が主として利用されるが、各種の不織布、プラスチッ
クフィルム、合成紙、金属箔等、あるいはこれらを組合
わせた複合シート等も利用し得る。
【0042】以上の構成による本発明の感熱記録体は、
通常のファクシミリ、プリンター等をはじめ、近赤外光
を検知する特殊用途にも利用される。特に発色画像の高
保存性が所望される場合には、感熱記録層を被覆する保
護層を形成することにより、未発色部及び発色画像部を
外部環境から保護することが好ましい。
【0043】なお、保護層の主成分としては、各種の水
溶性樹脂、ラテックス、紫外線や電子線による電離放射
線硬化型樹脂等が利用され、さらに、必要に応じて、顔
料、耐水化剤、撥水剤、消泡剤、紫外線吸収剤等を添加
することができる。
【0044】本発明の感熱記録体は、脂肪酸第2鉄塩を
乳化分散させる手法を採る以外は従来の染料系の感熱記
録体とほぼ同じ製造法で製造される。具体的には、脂肪
酸第2鉄塩とフェノール性化合物とのそれぞれを別々に
分散させて利用するものであり、脂肪酸第2鉄は乳化分
散させることが必要である。また、フェノール性化合物
はサンドグラインダー、アトライター、ボールミルなど
を用いて水系で粉砕・分散させる。
【0045】その後両者を混合することによって得られ
る水系の塗工剤を基体に塗工するか、あるいは、脂肪酸
第2鉄塩とフェノール性化合物とのいずれかをマイクロ
カプセル化したものを利用して得た水系の塗工剤を塗工
する等して感熱発色層を形成すれば良い。
【0046】
【実施例】以下、本発明の感熱記録体の具体的な構成を
製造実施例に基づいて説明し、該感熱記録体の諸特性を
比較例の感熱記録体と比較して説明する。
【0047】実施例1〜2 A液 Cu−Kα線でのX線回折分析カーブにおけるメインピ
ークの回折角(2θ)が21.8度、該メインピークの
高さ(H)とピーク半値幅(W)との比率(H/W)が
21.6、示差熱分析カーブにおけるメインの吸熱ピー
クの温度が118.6℃のステアリン酸第2鉄塩「旭電
化 (株) :DM−540」10.0重量部、界面活性剤
0.5重量部、及び水40.0重量部の配合組成物を、
乳化分散条件の相違する2つの方法にて乳化分散処理
し、前記ステアリン酸第2鉄塩を微細化させてなる2種
類の乳化分散液からなるA液を得た。
【0048】 B液 没食子酸ステアリル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40.0重量部 軽質炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40.0重量部 ポリビニルアルコール12重量%溶液・・・・・・・・・・110.0重量部 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100.0重量部 による配合組成物の分散処理を、サンドグラインダーに
よって行ない、B液を得た。
【0049】次に、A液50.5重量部とB液270.
0重量部とポリビニルアルコール12重量%溶液50.
0重量部とを混合して撹拌し、感熱記録層用の水性塗工
液を調製した。
【0050】続いて、この感熱記録層用の塗工液を、5
0g/m2 の上質紙からなる基体上に、塗布量6g(d
ry)/m2 の割合に塗工,乾燥し、さらにキャレンダ
ー処理を施すことにより、ベック平滑度が500秒の感
熱記録層を有する本発明の実施例品である2種類の感熱
記録体を得た。
【0051】比較例1〜3 A液 上記の実施例1におけるA液の調整に使用したものと同
じステアリン酸第2鉄塩「旭電化 (株) :DM−54
0」10.0重量部、界面活性剤0.5重量部、及び水
40.0重量部の配合組成物の分散処理を、処理条件の
相違する3つの方法のサンドグラインダー処理によって
行ない、前記ステアリン酸第2鉄塩を微細化させてなる
3種類のサンドグラインダー分散液からなるA液を得
た。
【0052】次に、このA液50.5重量部と、上記の
実施例1で使用したB液270.0重量部とポリビニル
アルコール12重量%溶液50.0重量部とを混合して
撹拌し、感熱記録層用の水性塗工液を調製し、上記の実
施例1に準じ、比較例品としての3種類の感熱記録体を
得た。
【0053】実施例3〜4 A液 Cu−Kα線でのX線回折分析カーブにおけるメインピ
ークの回折角(2θ)が21.8度、該回折角でのメイ
ンピークの高さ(H)とピーク半値幅(W)との比率
(H/W)が66.3、示差熱分析カーブにおけるメイ
ンの吸熱ピークの温度が119.7℃のベヘン酸第2鉄
塩「旭電化 (株) :DM−666」10.0重量部、界
面活性剤0.5重量部、及び水40.0重量部の配合組
成物を、乳化分散条件の相違する2つの方法にて乳化分
散処理し、前記ベヘン酸第2鉄塩を微細化させてなる2
種類の乳化分散液からなるA液を得た。
【0054】 B液 没食子酸ステアリル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40.0重量部 軽質炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40.0重量部 ポリビニルアルコール12重量%溶液・・・・・・・・・・110.0重量部 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100.0重量部 による配合組成物の分散をサンドグラインダーによって
行ない、B液を得た。
【0055】次に、A液50.5重量部とB液270.
0重量部とポリビニルアルコール12重量%溶液50.
0重量部とを混合して撹拌し、感熱記録層用の水性塗工
液を調製した。
【0056】続いて、この感熱記録層用の塗工液を、5
0g/m2 の上質紙からなる基体上に、塗布量6g(d
ry)/m2 の割合に塗工,乾燥し、さらにキャレンダ
ー処理を施すことにより、ベック平滑度が500秒の感
熱記録層を有する本発明の実施例品である2種類の感熱
記録体を得た。
【0057】比較例4〜5 A液 上記の実施例3におけるA液の調整に使用したものと同
じベヘン酸第2鉄塩「旭電化 (株) :DM−666」1
0.0重量部、界面活性剤0.5重量部、及び水40.
0重量部の配合組成物の分散処理を、処理条件の相違す
る2つの方法のサンドグラインダー処理によって行な
い、前記ベヘン酸第2鉄塩を微細化させてなる2種類の
サンドグラインダー分散液からなるA液を得た。
【0058】次に、このA液50.5重量部と、上記の
実施例3で使用したB液270.0重量部とポリビニル
アルコール12重量%溶液50.0重量部とを混合して
撹拌し、感熱記録層用の水性塗工液を調製し、上記の実
施例3に準じて、比較例品としての2種類の感熱記録体
を得た。
【0059】上記の各実施例及び比較例で得られた各A
液中の脂肪酸第2鉄塩の回折角(2θ)、メインピーク
の高さ(H)とピーク半値幅(W)との比率(H/
W)、メインの吸熱ピークの温度、及び粒子径をそれぞ
れ[表1]に示す。
【0060】
【表1】
【0061】[評価] 実施例1〜4、及び比較例1〜5で得られた各感熱記録
体の地肌濃度及び該地肌濃度の保存性を、各感熱記録体
の保存前の地肌濃度と、各感熱記録体を40℃,90%
RHの環境下に24時間、60℃,dryの環境下に2
4時間、及び、5000luxの蛍光灯の照射下に10
0時間それぞれ保存した後の地肌濃度とを比較すること
によって評価した。
【0062】なお、地肌濃度は、各感熱記録体の地肌の
光学濃度を、マクベスRD918を用いて測定した数値
で表示した。結果を[表2]に示す。
【0063】
【表2】
【0064】なお、比較例3の感熱記録体は、地肌濃度
の保存性は良かったが、感熱発色層の感度が著しく低か
った。
【0065】
【発明の効果】本発明の感熱記録体は、近赤外部に吸収
域を有し、かつ、鮮明な発色画像が記録され、しかも、
地肌の保存安定性にすぐれた効果を奏するもので、半導
体レーザでの読み取りができ、例えば、感熱記録用ラベ
ルの分野等における感熱記録体としての実用性が高く、
高度の利用価値を有する。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪酸第2鉄塩とキレート試薬とを含
    有する感熱発色層が基体上に形成されている感熱記録体
    において、前記感熱発色層中の脂肪酸第2鉄塩が、乳化
    分散法で微細化されてなる体積平均粒子径が0.05〜
    1.5μのもので、しかも、Cu−Kα線でのX線回折
    分析カーブにおける回折角(2θ)21.8±0.5度
    の範囲内に存在するメインピークの高さ(H)とピーク
    半値幅(W)との比率(H/W)が10以上であり、か
    つ、示差熱分析カーブにおけるメインの吸熱ピークを1
    00℃以上にて有しているステアリン酸第2鉄塩、ベヘ
    ン酸第2鉄塩、またはこれらの混合物であることを特徴
    とする感熱記録体。
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