JP3301177B2 - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JP3301177B2
JP3301177B2 JP24393893A JP24393893A JP3301177B2 JP 3301177 B2 JP3301177 B2 JP 3301177B2 JP 24393893 A JP24393893 A JP 24393893A JP 24393893 A JP24393893 A JP 24393893A JP 3301177 B2 JP3301177 B2 JP 3301177B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱記録に付される感熱記
録体に関するもので、特に近赤外部に吸収領域を有する
発色画像が得られ、かつ、地肌かぶりがなく、地肌の保
存安定性に優れた性質を有し、しかも、品質が一定して
いる感熱記録体を提供する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録体は、基体と該基体上に形成さ
れている感熱発色層とを有しており、感熱発色層におけ
る発色系の代表的なものはロイコ染料タイプのものであ
る。
【0003】ロイコ染料タイプの感熱発色層は、電子供
与性の無色ないし淡色のロイコ化合物と該ロイコ化合物
を発色させる電子受容性の顕色剤とによる発色系からな
り、該感熱発色層への熱記録を熱ヘッド,熱ペン,レー
ザ光等の加熱によって行なうことにより、感熱発色層中
のロイコ化合物と顕色剤とを瞬時にして反応させ、記録
画像を形成させるものである(例えば、特公昭43ー4
160号公報、特公昭45ー14039号公報等)。
【0004】感熱記録に利用される感熱記録体は、前述
のロイコ染料タイプの感熱発色層の場合に限らず、一般
的に比較的簡単な装置によって記録画像が得られ、しか
も、保守が容易であり、また、操作の際に騒音の発生が
無いなどの利点を有しており、例えば、計測用記録計,
ファクシミリ,プリンター,コンピューター端末機,ラ
ベル,輸送機関の自動販売乗車券等の広範囲の分野に亙
って利用されている。
【0005】特に、感熱記録用ラベルは、POS(販売
時点情報管理)システム用のバーコードラベル,価格表
示ラベル,配送・出荷ラベルなどのように、印字後に貼
付を必要とする用途分野に利用されており、スーパーマ
ーケットやデパート等の大型量販店をはじめ、チエーン
展開をしている専門店やレストラン等で広く使用されて
いる。
【0006】このPOSシステムにおいては、表示され
たバーコードやOCR文字をスキャナーで光学的に読み
取る方法が急速に普及してきている。
【0007】現在、POSシステム用のラベルに関して
は、様々な印字方式が試みられており、その中でも特に
感熱記録体を利用する熱記録方式は、その印字方式が加
熱による物質の化学的または物理的変化を利用して画像
を形成することからなるものであるため、現像,定着等
の工程が必要でなく、また、印刷インキの補充が不要で
ある等の諸種のメリットを有している。
【0008】さらに、感熱記録方式においては、機械の
小型化、簡素化、記録のスピード化が可能であり、ま
た、指先や商品がインキで汚れる虞れも無く、さらに、
発色画像にインキのかすれが無い等のメリットをも有す
る。
【0009】ところで、感熱記録方式で得られた発色画
像によるバーコード等の読み取りには、従来より633
nmの波長の赤色光をもつHe・Neレーザ光が利用さ
れていたが、最近、半導体レーザ光が使用されるように
なっている。
【0010】この半導体レーザ光は、電流で直接変調さ
せることができ、装置の小型化が可能であり、しかも、
使い易く、低価格で供給され、また、発振波長が700
〜1500nmの近赤外部にあることから汚れによる誤
動作が少ない等の利点を有し、広く普及し始めている。
【0011】従って、近年においては、半導体レーザ光
での読み取りが可能な発色画像が得られる感熱記録体の
需要が高まっている。
【0012】しかしながら、従来から利用されているロ
イコ化合物と顕色剤とを含有する2成分型の感熱発色層
を具備する感熱記録体は、黒色の発色系においてさえ
も、発色画像の吸収波長が長波長側でも550〜620
nmであり、He・Neレーザ光での読み取りは可能で
あるが、発振波長が700〜1500nmの近赤外部に
ある半導体レーザ光での読み取りは不可能である。
【0013】他方、感熱発色層中の成分の1方または双
方が溶融,反応してキレート化合物を生成することによ
って発色する機構を利用する感熱記録体として、有機酸
重金属塩または有機酸貴金属塩からなる一方の成分と、
有機還元剤,硫黄化合物,あるいはアミノ化合物のうち
のいずれかの1つからなる他方の成分たるキレート試薬
との組み合わせによる発色系が知られており、例えば、
脂肪酸鉄塩と多価フェノールとの組み合わせや、脂肪酸
鉄塩とジチオカルバミン酸塩との組み合わせ等からなる
発色系を利用する感熱発色層が知られている。
【0014】そして、この感熱発色層を有する感熱記録
体は、感熱発色層に利用するキレート試薬を選択するこ
とによって半導体レーザー光での読み取りが可能な発色
画像が得られる。
【0015】しかるに、この種のキレート化合物の生成
に伴う発色機構を利用する従来の感熱記録体において
は、キレート試薬を含有している感熱発色層に地肌かぶ
りが発生し易いという欠点があった。
【0016】感熱発色層におけるこの地肌かぶりは、
(1) 感熱記録体を高温高湿度の雰囲気中に保存したと
き、 (2)感熱記録体に光が長期間に亙って当たったと
き、(3) 感熱記録層を形成する際の塗工液の調整後、該
塗工液による感熱記録層を形成する迄に時間が経過する
ことにより、塗工液に経時的発色反応が進行したとき等
にそれぞれ発生する。
【0017】このため本発明者らは、特定の脂肪酸第2
鉄塩とキレート試薬との組み合わせを利用することによ
り、前述の(1) ,(2) 及び(3) の場合における地肌かぶ
りを改良し得ること、及び、感熱記録層を形成する際の
塗工液のpHを調整することにより、前述の(3) の場合
における地肌かぶりを改良し得ることを提案した。
【0018】しかして、かかる技術的手段によって感熱
発色層における地肌かぶりは改良されるが、さらに安定
した品質の感熱記録体が要求されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】これに対して本発明
は、近赤外部に吸収波長を有する鮮明な発色画像が得ら
れる感熱記録体において、特に高温高湿度下に保存して
も地肌かぶりの発生が少なく、地肌の保存性に優れ、し
かも、感熱発色層を形成する際の塗工液の調整後の時間
の経過によっても塗工液に発色反応が進行してかぶりを
生ずることがなく、感熱発色層の品質にバラ付きの無い
感熱記録体を提供する。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記課題は、以下に記載
する構成による本発明の感熱記録体によって解決するこ
とができる。すなわち本発明は、基体上に形成されてい
る感熱発色層が脂肪酸第2鉄塩とキレート試薬との発色
系からなり、かつ、該感熱発色層中には、炭酸ジルコニ
ウムアンモニウムが、この感熱発色層の固形成分の0.
05〜10重量%の割合で添加されている感熱記録体か
らなる。
【0021】前記構成による本発明の感熱記録体におい
ては、キレート試薬が多価フェノール及び/又はジチオ
カルバミン酸塩であることが好ましい。
【0022】本発明者らは、キレート化合物の生成に伴
う発色機構を利用する感熱記録体における前述の欠点、
すなわち、感熱発色層を形成するための塗工液の調整後
に時間が経過したものを利用した場合に、感熱記録体に
地肌かぶりがあること、及び、高温高湿度雰囲気中に保
存したときの感熱記録体に地肌かぶりが発生すること等
の欠点が、脂肪酸第2鉄塩とキレート試薬との発色系か
らからなる感熱発色層においては、該感熱発色層中にこ
の感熱発色層の固形成分の0.05〜10重量%の炭酸
ジルコニウムアンモニウムを含有させることによって悉
く解消し得ることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0023】前記構成による本発明の感熱記録体の感熱
発色層は、感熱記録体における基体、例えば、紙、各種
の不織布、プラスチックフィルム、合成紙、金属箔等、
あるいはこれらを組合わせた複合シート等からなる基体
に対して、発色系をなす脂肪酸第2鉄塩及びキレート試
薬と、炭酸ジルコニウムアンモニウムと、水溶性または
水分散性結着剤とを含有する水分散系塗工液による塗工
層を形成することによって得られる。
【0024】感熱発色層に利用される脂肪酸第2鉄塩の
具体例は、炭素数6〜25好ましくは9〜22の直鎖状
または分枝鎖状の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸の第2
鉄塩であり、より具体的には、ステアリン酸第2鉄塩,
ミリスチン酸第2鉄塩,ベヘン酸第2鉄塩,ラウリル酸
第2鉄塩,ペラルゴン酸第2鉄塩等である。
【0025】特に、Cu−Kα線でのX線回折分析カー
ブにおける回折角(2θ)21.8±0.5度の範囲内
に存在するメインピークの高さ(H)とピーク半値幅
(W)との比率(H/W)が10以上であり、しかも、
示差熱分析カーブにおけるメインの吸熱ピークを100
℃以上に有している結晶性の高いステアリン酸第2鉄塩
やベヘン酸第2鉄塩またはこれらの混合物からなる脂肪
酸第2鉄塩が好適である。
【0026】感熱発色層に利用されるキレート試薬は、
多価フェノール,ジチオカルバミン酸塩,ジフェニルカ
ルバゾン,ヘキサメチレンテトラミン,スピロベンゾピ
ラン,1−ホルミル−4−フェニルセミカルバジド等で
ある。これらのキレート試薬は脂肪酸第2鉄塩との間に
キレート化合物を作る。
【0027】そして、脂肪酸第2鉄塩とキレート試薬と
によるキレート化合物が近赤外領域に吸収を有すること
により、本発明の感熱記録体の感熱発色層には半導体レ
ーザーで読み取ることができる発色画像が形成される。
【0028】キレート試薬としては多価フェノール及び
/又はジチオカルバミン酸塩が好適であり、なかでも、
多価フェノールとしては没食子酸エステルやジヒドロキ
シ安息香酸エステル等が最も好適であり、以下に例記す
るようなものがキレート試薬として使用される。
【0029】没食子酸エステル;一般式C62 (O
H)3 (COOR)において、Rが炭素数1〜28のア
ルキル基,フェニル基あるいはベンジル基及びそれらの
誘導体からなる没食子酸エステル、例えば、没食子酸メ
チル,没食子酸プロピル,没食子酸オクチル,没食子酸
ラウリル,没食子酸セチル,没食子酸ステアリル,没食
子酸ベヘニル等
【0030】ジヒドロキシ安息香酸エステル; (1) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸プロピルエステル (2) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸ブチルエステル (3) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸シクロヘキシルエス
テル (4) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル (5) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸−p−メチルベンジ
ルエステル (6) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸−p−クロロベンジ
ルエステル (7) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸−α−フェニルエチ
ルエステル (8) 2,4−ジヒドロキシ安息香酸−β−フェニルエチ
ルエステル (9) 2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸エチル
エステル (10)2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸プロピ
ルエステル (11)2,4−ジヒドロキシ−6−イソプロピル安息香酸
エチルエステル (12)2,4−ジヒドロキシ−6−ペンチル安息香酸エチ
ルエステル (13)2,4−ジヒドロキシ−6−メトキシ安息香酸ブチ
ルエステル (14)2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸シクロ
ヘキシルエステル (15)2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸ベンジ
ルエステル (16)2,4−ジヒドロキシ−6−プロピル安息香酸−p
−クロロベンジルエステル (17)2,4−ジヒドロキシ−6−メトキシ安息香酸−p
−メチルベンジルエステル (18)2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸−p−
イソプロピルベンジルエステル (19)2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸−p−
メチルフェノキシエチルエステル (20)2,4−ジヒドロキシ−5−クロロ安息香酸−p−
クロロベンジルエステル (21)3,4−ジヒドロキシ安息香酸ブチルエステル (22)3,4−ジヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル (23)3,4−ジヒドロキシ安息香酸−β−フェニルエチ
ルエステル (24)3,4−ジヒドロキシ−5−クロロ安息香酸ベンジ
ルエステル (25)3,4−ジヒドロキシ安息香酸−α−フェニルエチ
ルエステル
【0031】ジチオカルバミン酸塩; (1) ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム (2) ジメチルジチオカルバミン酸銅 (3) ジメチルジチオカルバミン酸第2鉄 (4) ジエチルジチオカルバミン酸テルル (5) ブチルキサントゲン酸亜鉛 (6) ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛 (7) N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛 (8) ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛 (9) N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛 (10)ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム (11)ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム (12)ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩 (13)ピペコリルジチオカルバミン酸ピペコリン塩 (14)ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛 (15)ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛
【0032】感熱発色層の形成に利用される水溶性また
は水分散性結着剤は、各種のデンプン類,ヒドロキシエ
チルセルロース,メチルセルロース,カルボキシメチル
セルロース,ゼラチン,カゼイン,ポリビニルアルコー
ル,変性ポリビニルアルコール,スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体,エチレン−無水マレイン酸共重合体など
の水溶性結着剤や、スチレン−ブタジエン共重合体,ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体,アクリル酸エス
テル−ブタジエン共重合体などの水分散性結着剤であ
る。
【0033】なお、本発明の感熱記録体の感熱発色層中
に添加される炭酸ジルコニウムアンモニウムは、上記の
水溶性または水分散性結着剤と反応し、感熱発色層の耐
水性を向上させる効果をも有する。
【0034】感熱発色層形成用の塗工液中には、顔料と
して、ケイソウ土,クレー,焼成クレー,タルク,カオ
リン,焼成カオリン,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウ
ム,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化ケイ素,アルミナ,水
酸化アルミニウム,合成珪酸マグネシウム,合成珪酸ア
ルミニウムなどの無機質顔料や、ポリスチレン,ポリメ
タクリル酸エステル,尿素樹脂,尿素−ホルマリン樹脂
などの有機質顔料を添加しても良い。
【0035】さらに、ヘッド摩耗防止、スティッキング
防止などの目的で、ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カ
ルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン,酸化パラ
フィン,ポリエチレン,酸化ポリエチレン,ステアリン
酸アミド,カスターワックス等のワックス類を、また、
感度向上剤として、メタターフェニル,パラベンジルビ
スフェニル,ヒドロキシナフトエ酸のエステル類,ステ
アリン酸アミド,トリベンジルアミン,ナフタレン誘導
体,ジベンジルテレフタレート,蓚酸ジベンジル,蓚酸
ビス(パラメチルベンジル)などの各種蓚酸エステル等
を添加しても良い。
【0036】さらにまた、ジオクチルスルホコハク酸ナ
トリウム等の分散剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリア
ゾール系などの紫外線吸収剤、界面活性剤、蛍光染料な
ども所望に応じて添加し得る。
【0037】本発明の感熱記録体の感熱発色層中には、
前述の炭酸ジルコニウムアンモニウムが、該感熱発色層
の固形成分の0.05〜10重量%の割合で添加されて
いるものである。炭酸ジルコニウムアンモニウムの添加
量が感熱発色層の固形成分の0.05重量%未満では、
その効果が顕著でなく、また10重量%を超えると、感
熱記録層の記録濃度が低下するという問題を生ずる。
【0038】感熱発色層を形成するための塗工液の調製
は、従来のロイコ染料タイプの感熱発色層を形成する際
の塗工液の調製と略同様にして行なわれる。
【0039】具体的には、脂肪酸第2鉄塩を主成分とす
る水分散液と、キレート試薬を主成分とする水分散液と
の各々を、別々に、サンドグラインダー,アトライタ
ー,ボールミル等を利用して得た後に、これらの両液の
いずれか一方あるいは両方に炭酸ジルコニウムアンモニ
ウム水溶液を添加し、これを混合する方法、あるいは、
脂肪酸第2鉄塩を主成分とする水分散液と、キレート試
薬を主成分とする水分散液とを混合した後に、炭酸ジル
コニウムアンモニウム水溶液を添加する方法等によって
調整し得る。
【0040】以上の構成による本発明の感熱記録体は、
通常のファクシミリ、プリンター等をはじめ、近赤外光
を検知する特殊用途にも利用され、特に発色画像の高保
存性を所望する場合には、感熱発色層を被覆する保護層
を形成することにより、未発色部及び発色画像部を外部
環境から保護することが好ましい。
【0041】なお、保護層の主成分としては、各種の水
溶性樹脂、ラテックス、紫外線や電子線による電離放射
線硬化型樹脂等が利用され、さらに、必要に応じて、顔
料、耐水化剤、撥水剤、消泡剤、紫外線吸収剤等を添加
することができる。
【0042】
【実施例】本発明の感熱記録体の具体的な構成を製造実
施例に基づいて説明し、該感熱記録体の諸特性を比較例
の感熱記録体と比較して説明する。
【0043】実施例1 下記の組成(A)と組成(B)とを、各々別々にサンド
グラインダーで分散させ、組成(A)による(a)液
と、組成(B)による(b)液とを得た後、(a)液1
20重量部と、(b)液200重量部と、ポリビニルア
ルコール12重量%水溶液50重量部とを混合,攪拌し
て(c)液を得た。
【0044】続いて、固形分濃度13%の炭酸ジルコニ
ウムアンモニウム水溶液「第1稀元素化学工業株式会社
製:ジルコゾールAC−7(商品名)」を、炭酸ジルコ
ニウムアンモニウムが(c)液中の固形成分の1.0重
量%の割合となるように添加し、感熱発色層形成用の塗
工液(1)を得た。
【0045】 組成(A) ステアリン酸第2鉄・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10重量部 クレー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20重量部 ポリビニルアルコール12重量%溶液・・・・・・・・40重量部 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50重量部
【0046】 組成(B) 没食子酸ステアリル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40重量部 クレー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20重量部 ポリビニルアルコール12重量%溶液・・・・・・・・70重量部 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70重量部
【0047】続いて、感熱発色層形成用の塗工液(1)
を調製した後直ちに、50g/m2の上質紙からなる基
体上に、塗布量7g(dry)/m2 の割合に塗工,乾
燥し、さらにキャレンダー処理を施すことにより、ベッ
ク平滑度が500秒の感熱発色層を有する本発明の実施
例品である感熱記録体(イ)を得た。
【0048】実施例2 前記実施例1と同様にして調製した感熱発色層形成用の
塗工液(1)を、30℃の雰囲気中に24時間放置した
後、これを50g/m2 の上質紙からなる基体上に実施
例1と同様にして適用し、以下実施例1と同様にして本
発明の実施例品である感熱記録体(ロ)を得た。
【0049】実施例3 前記実施例1と同様にして調製した感熱発色層形成用の
塗工液(1)を、30℃の雰囲気中に48時間放置した
後、これを50g/m2 の上質紙からなる基体上に実施
例1と同様にして適用し、以下実施例1と同様にして本
発明の実施例品である感熱記録体(ハ)を得た。
【0050】比較例1 実施例1の感熱記録体(イ)の製造工程途中の(c)液
を調製後、直ちに該(c)液を、50g/m2 の上質紙
からなる基体上に実施例1と同様にして適用し、以下実
施例1と同様にして比較のための感熱記録体(ニ)を得
た。
【0051】比較例2 比較例1の(c)液を30℃の雰囲気中に24時間放置
した後、これを50g/m2 の上質紙からなる基体上に
比較例1と同様にして適用し、以下比較例1と同様にし
て比較のための感熱記録体(ホ)を得た。
【0052】比較例3 比較例1の(c)液を30℃の雰囲気中に48時間放置
した後、これを50g/m2 の上質紙からなる基体上に
比較例1と同様にして適用し、以下比較例1と同様にし
て比較のための感熱記録体(ヘ)を得た。
【0053】[評価1]実施例1〜3及び比較例1〜3
で得られた各感熱記録体(イ)〜(ヘ)の地肌濃度と印
字の発色濃度(画像濃度)とを、光学濃度計マクベスR
D918を用いて測定した。
【0054】なお、各感熱記録体に対する印字は、セイ
コー電子工業 (株) 製の感熱プリンター「DPU−41
2」によって実施した。結果を[表1]に示す。
【0055】
【表1】
【0056】[評価2] [評価1]の処方により印字した実施例1〜3及び比較
例1〜3の各感熱記録体を、50℃、80%RHの雰囲
気中に24時間保存した後、感熱記録体の地肌濃度と印
字の発色濃度(画像濃度)とを、[評価1]の場合と同
様にして測定した。結果を[表2]に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
【効果】本発明の感熱記録体は、近赤外部に吸収域を有
する鮮明な発色画像が記録されることから、半導体レー
ザ光での読み取りができ、また、感熱発色層形成用の塗
工液の調製後に時間が経過したものを利用して感熱発色
層を形成した場合や、感熱記録体を高湿度の雰囲気中に
保存した場合においても、地肌かぶりが無く、均一な品
質の感熱記録体となり、例えば、感熱記録用ラベルの分
野等における感熱記録体としての実用性が高く、高度の
利用価値を有する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−284782(JP,A) 特開 昭62−105688(JP,A) 特開 昭54−18753(JP,A) 特開 昭59−106995(JP,A) 特開 平2−50884(JP,A) 特公 平3−56677(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/28 - 5/34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に形成されている感熱発色層が脂
    肪酸第2鉄塩とキレート試薬との発色系からなり、か
    つ、該感熱発色層中には、炭酸ジルコニウムアンモニウ
    ムが、この感熱発色層の固形成分の0.05〜10重量
    %の割合で添加されていることを特徴とする感熱記録
    体。
  2. 【請求項2】 キレート試薬が多価フェノール及び/又
    はジチオカルバミン酸塩である請求項1に記載の感熱記
    録体。
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