JPH06257913A - 製氷機 - Google Patents

製氷機

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JPH06257913A
JPH06257913A JP4521393A JP4521393A JPH06257913A JP H06257913 A JPH06257913 A JP H06257913A JP 4521393 A JP4521393 A JP 4521393A JP 4521393 A JP4521393 A JP 4521393A JP H06257913 A JPH06257913 A JP H06257913A
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治彦 湯浅
Minoru Okajima
稔 岡島
Hideyuki Katayanagi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発生した異常を的確に検出して所定の警報動
作を実行することができる製氷機を提供する。 【構成】 冷却パイプを配設した製氷部に製氷用水を循
環して製氷する製氷行程と、製氷部を加熱して離氷する
離氷行程とを実行する。製氷部の温度を検出するETセ
ンサー26を設ける。マイクロコンピュータ25は製氷
行程中の経過時間を検出する計時し、製氷行程中におけ
る製氷部の温度降下率を算出する。製氷部の温度降下率
が低い場合に表示器29に警報表示を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製氷部に製氷用水を循
環して凍結させる製氷行程と、製氷部を加熱して離氷す
る離氷行程とを実行する製氷機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種製氷機は、例えば実公平4−
52622号公報(F25C1/04)に示されるよう
に、下向きに開口する多数の製氷小室を区画形成した製
氷室の上側に冷却装置の蒸発器を取り付けると共に、下
側には傾復動可能な水皿を設け、水皿が製氷小室を閉塞
している状態において前記蒸発器にて冷媒を蒸発させ、
且つ、水皿表面に形成した噴水孔から各製氷小室に製氷
用水を噴水して製氷行程を行うと共に、水皿が製氷小室
を開放した状態で前記蒸発器にホットガス(高温冷媒)
を流し、加熱して離氷行程を行うよう構成されている。
【0003】従って、前記冷却装置内の冷媒ガスが漏洩
したり、冷却装置の凝縮器用送風機が故障した等の場合
には、蒸発器において所定の冷却能力が得られなくな
る。また、離氷のためのホットガスを蒸発器に流すホッ
トガス電磁弁が故障した場合には、離氷のための所定の
加熱能力が得られず、いずれにしても製氷機の製氷能力
が著しく損なわれ、他の機器の故障をも引き起こしてし
まう問題がある。
【0004】そこで、前記公報では製氷行程の開始から
一定時間経過した場合に、製氷室の温度が0℃に降下し
ていない場合には、異常と判断して製氷運転を停止させ
るように構成していた。即ち、図9を用いて係る従来の
異常検出動作を説明すると、製氷行程の開始からタイマ
による設定時間が経過した時点で製氷室の温度Tを読み
込み、温度Tが0℃より低くなっている場合には正常、
0℃以上の場合には異常と判断するものである。従っ
て、図9の左側のサイクルでは正常と判断されることに
なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、係る従
来の構成では前述の如き冷媒漏洩の発生により蒸発器に
おける冷却能力が低下しているにも係わらず、図9の右
側のサイクルの如く製氷行程の開始から製氷室の温度T
が徐々に低下して行って設定時間を経過する前に前記0
℃を下回っていたような場合には異常と判断されない。
【0006】また、外気温度が低く、製氷行程の開始時
点の製氷室の温度が低いときには、前記異常の発生によ
りその後の温度降下が緩慢であっても、設定時間経過後
には0℃を下回る場合もあり、係る場合にも異常と判断
されないので、いずれにしても製氷行程中の異常の発生
を的確に検出することができない問題があった。更に、
前記公報の構成では離氷行程における異常は判断でき
ず、従って、ホットガス電磁弁が故障した等の場合に
は、いつまでも離氷が終了しない等の不都合が発生して
しまう問題もあった。
【0007】本発明は係る従来技術の課題を解決するた
めに成されたものであり、発生した異常を的確に検出し
て所定の警報動作を実行することができる製氷機を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、請求項1の発明の
製氷機は、冷却器を配設した製氷部に製氷用水を循環し
て製氷する製氷行程と、製氷部を加熱して離氷する離氷
行程とを実行するものであって、製氷部の温度を検出す
る温度検出手段と、製氷行程中の経過時間を検出する計
時手段と、温度検出手段と計時手段に基づき、製氷行程
中における製氷部の温度降下率を算出する制御手段とを
具備しており、この制御手段は、製氷部の温度降下率が
低い場合に所定の警報動作を実行することを特徴とす
る。
【0009】また、請求項2の発明の製氷機は、冷却器
を配設した製氷部に製氷用水を循環して製氷する製氷行
程と、製氷部を加熱して離氷する離氷行程とを実行する
ものであって、製氷部の温度を検出する温度検出手段
と、離氷行程中の経過時間を検出する計時手段と、温度
検出手段と計時手段に基づき、離氷行程中における製氷
部の温度上昇率を算出する制御手段とを具備しており、
この制御手段は、製氷部の温度上昇率が低い場合に所定
の警報動作を実行することを特徴とする。
【0010】更に、請求項3の発明の製氷機は上記にお
いて、制御手段は、計時開始時の製氷部の温度と、計時
開始から設定時間経過したときの製氷部の温度との差に
より、温度降下率または温度上昇率を算出すると共に、
外気温度の変動に基づいて前記設定時間、或いは差を変
更することを特徴とする。
【0011】
【作用】製氷機に冷媒漏洩や機器の故障が発生して冷却
器の冷却能力が低下した場合、製氷行程中それによって
冷却される製氷部の温度降下率も緩慢となる。請求項1
の発明の製氷機によれば、製氷行程中における製氷部の
温度降下率が低下した場合に、制御手段が当該温度降下
率の低下に基づいて所定の警報動作を実行するので、製
氷行程開始時点の製氷部の温度等に影響されずに冷媒漏
洩や機器の故障等による製氷不良・不能の発生を使用者
に迅速、且つ、的確に報知することが可能となる。それ
によって、他の機器の破損等の発生も未然に防止するこ
とができるようになる。
【0012】また、冷却器にホットガスを流すホットガ
ス電磁弁等に故障が発生して冷却器の加熱能力が低下し
た場合、離氷行程中それによって加熱される製氷部の温
度上昇率も緩慢となる。請求項2の発明の製氷機によれ
ば、離氷行程中における製氷部の温度上昇率が低下した
場合に、制御手段が当該温度上昇率の低下に基づいて所
定の警報動作を実行するので、前記ホットガス電磁弁の
故障等による離氷不良・不能の発生を使用者に迅速、且
つ、的確に報知することが可能となる。それによって、
他の機器の破損等の発生も未然に防止することができる
ようになる。
【0013】更に、外気温度が変動した場合には、冷却
器の冷却能力或いは加熱能力も変動し、従って、製氷部
の温度変化率も変わってくる。即ち、外気温度が高い場
合には製氷部の温度は低下し難くなり、上昇し易くなる
と共に、外気温度が低い場合には、逆に製氷部の温度は
低下し易くなり、上昇し難くなる。請求項3の発明の製
氷機によれば、制御手段が、上記温度降下率或いは温度
上昇率を算出する設定時間或いは製氷部温度の差を、外
気温度の変動に基づいて変更するので、外気温度の変動
により製氷部の温度変化率が変わった場合にも、適切且
つ迅速な異常判断を行うことができるようになる。
【0014】
【実施例】次に、図面に基づき本発明の実施例を詳述す
る。図1は本発明の製氷機Iの制御装置20の電気回路
図、図2は製氷機Iの一部切欠側面図、図3は製氷機I
の冷却装置の冷媒回路図である。実施例の製氷機Iは所
謂逆セル型製氷機と称されるものであり、下向きに開口
した多数の製氷室1Aを有し、上壁外面に冷却装置の冷
却器としての冷却パイプ2を配設した製氷部1と、所定
の水平閉塞位置において各製氷室1Aを下方から充分余
裕をもって閉塞し、表面には各製氷室1Aに対応する噴
水孔3及び戻り孔4を形成した水皿5と、該水皿5に固
定され、戻り孔4に連通する水タンク6と、水タンク6
内の製氷用水を送水管7、更に分配管8を経て噴水孔3
から各製氷室1Aへ循環せしめる循環ポンプ9と、水皿
5を傾動及び復動せしめる正逆回転可能な高ギヤ比の減
速モータ10を含む駆動装置11と、給水電磁弁12が
開いたとき水皿5の表面に散水する散水器13と、水タ
ンク6の底部に連通したフロートタンク14A内のフロ
ート14Bによって水位スイッチWLSWを作動し、水
タンク6の所定水位を検出する水位検出装置14等にて
構成されている。
【0015】そして、支持梁15に固定された取付板1
6に支持させた前記減速モータ10の出力軸には、相互
に逆方向に延出した第1及び第2のアーム17A及び1
7Bを有する駆動カム17を連結し、該駆動カム17の
第1のアーム17Aの端部に取り付けたコイルバネ18
の他端を水皿5の側部に連結すると共に、水皿5の後部
は回動軸19に支持させている。
【0016】また、ASWはその接点の開閉により水皿
5の所定の水平閉塞位置と傾斜開放位置を検出するため
の水皿位置検出スイッチである。この水皿位置検出スイ
ッチASWは前記駆動カム17の第1及び第2のアーム
17A及び17Bが当接する位置関係にあり、減速モー
タ10の正転により駆動カム17が図2中反時計回りに
回転すると、水皿5が前記傾斜開放位置となったところ
で前記第2のアーム17Bが水皿位置検出スイッチAS
Wに当接し、それによって水皿位置検出スイッチASW
の接点は閉じて復動側に切換反転される。
【0017】また、減速モータ10の逆転により駆動カ
ム17が図2中時計回りに回転すると、水皿5が前記水
平閉塞位置となったところで前記第1のアーム17Aが
水皿位置検出スイッチASWに当接し、それによって水
皿位置検出スイッチASWの接点は開いて傾動側に切換
反転される。次に、図3の冷媒回路において、製氷機I
の冷却装置を構成する圧縮機21の吐出側には補助凝縮
器32が接続され、この補助凝縮器32から一旦圧縮機
21に戻った配管は再び圧縮機21から出て分岐点Pに
て分岐し、一方は凝縮器33に接続されている。凝縮器
33の出口側はレシーバータンク34、デハイドレータ
36を介して膨張弁37に接続され、膨張弁37の出口
側は前記製氷部1に配設された冷却パイプ2の入口側に
接続されている。膨張弁37は冷却パイプ2の出口側の
温度に基づいてその開度を調整する。冷却パイプ2の出
口側はアキュムレータ38を介して圧縮機21の吸込側
に接続されている。また、分岐点Pから分岐した他方の
配管はホットガス電磁弁23を介して前記膨張弁37の
出口側に接続されている。
【0018】製氷部1には、その温度を検出する温度検
出手段としてのETセンサー26が設けられており、凝
縮器33の出口側の配管には、その温度を検出する温度
検出手段としてのCTセンサー31が設けられている。
また、前記水タンク6内には製氷用水の温度を検出する
WTセンサー39が設けられ、更に、凝縮器33の近傍
には外気温度を検出するためのATセンサー41が設け
られている。
【0019】次に、図3の電装箱42内には図1に示す
制御装置20を構成する回路基板が収納されている。こ
の制御装置20において、電源ACには操作スイッチ3
5を介して以下の各回路が接続されている。即ち、前記
圧縮機21はリレーR1と直列に接続され、前記凝縮器
33を冷却する凝縮器冷却用ファン22はリレーR2と
直列に接続されている。前記循環ポンプ9はリレーR3
と直列に接続され、前記ホットガス電磁弁23はリレー
R7と直列に接続されると共に、前記給水電磁弁12は
リレーR4と直列に接続される。前記減速モータ10は
リレーR5及び切換リレーR6と直列に接続される。こ
の切換リレーR6は接点a側に閉じて減速モータ10を
正転させ、接点b側に切り換わって減速モータ10を逆
転させるものである。
【0020】これらリレーR1乃至R7は制御手段とし
ての汎用マイクロコンピュータ25によって制御され
る。マイクロコンピュータ25の入力には前記水位スイ
ッチWLSW及び水皿位置検出スイッチASWが接続さ
れると共に、図2の下方に位置する図示しない貯氷庫内
の所定の満氷量を検出したときに接点を閉じる貯氷スイ
ッチBSWが接続される。また、マイクロコンピュータ
25の入力には、前記ETセンサー26及びCTセンサ
ー31、WTセンサー39、ATセンサー41がそれぞ
れ接続され、更に、警報クリヤスイッチ28が接続され
ている。
【0021】マイクロコンピュータ25の出力にはモニ
ター27及び表示器29が接続されており、この表示器
29は7セグメントの2桁LEDから構成されている。
また、マイクロコンピュータ25には例えばEEPRO
Mから成るメモリ30が接続されている。以上の構成で
前記マイクロコンピュータ25のプログラムを示す図4
〜図6のフローチャート、及び図7、図8に示す製氷部
1の温度Tの時間推移に基づいて製氷機Iの動作を説明
する。製氷機Iを据え付けた後、操作スイッチ35を閉
じて製氷機Iに電源ACを投入すると、マイクロコンピ
ュータ25はステップS1の製氷行程を実行する。但
し、電源投入直後の製氷行程では、水皿5の位置は確定
しておらず、前記水平閉塞位置か、若しくは傾斜開放位
置か、或いはその途中の傾斜状態であり、該傾斜状態も
傾動途中と復動途中とが考えられる。また、噴水孔3等
に塵埃が詰まっている場合もあるので、マイクロコンピ
ュータ25は最初に以下に述べる初期設定動作、及び初
回洗浄動作を実行する。
【0022】即ち、上記水皿5の状態は水皿位置検出ス
イッチASWの接点の開閉状態によって二種類に判別で
きる。即ち、水皿位置検出スイッチASWの接点が開い
ていて傾動側にあるときは、水皿5は水平閉塞位置か傾
動途中であり、水皿位置検出スイッチASWの接点が閉
じていて復動側にあるときは、水皿5は傾斜開放位置か
復動途中である。
【0023】そこで、マイクロコンピュータ25は操作
スイッチ35が閉じられて電源ACが投入されると、先
ず水皿位置検出スイッチASWの状態を判別し、接点が
開いていて傾動側にある場合(水皿5は水平閉塞位置か
傾動途中)には、リレーR5を閉じ、切換リレーR6を
接点a側に閉じて減速モータ10を正転させ、水皿5を
傾動させる。そして、水皿5が所定の傾斜開放位置とな
り、水皿位置検出スイッチASWの接点が閉じて復動側
に反転すると、マイクロコンピュータ25は今度は切換
リレーR6を接点b側に閉じ、減速モータ10を逆転さ
せて水皿5の復動を開始する。
【0024】マイクロコンピュータ25は次に水皿5が
閉完了(水平閉塞位置)する15秒前になると、リレー
R4を閉じ、給水電磁弁12を開く。給水電磁弁12が
開くと散水器13から水皿5の表面に散水され、主に戻
り孔4を通って水タンク6に給水される。その後、水皿
5が前記水平閉塞位置(図2に実線で示す)となり、水
皿位置検出スイッチASWの接点が開いて傾動側に反転
されると、マイクロコンピュータ25は水皿5の復動を
停止する。
【0025】一方、電源ACが投入されたときに水皿位
置検出スイッチASWの接点が閉じていて復動側にある
場合(水皿5は傾斜開放位置か復動途中)には、マイク
ロコンピュータ25はリレーR5を閉じ、切換リレーR
6を接点b側に閉じて減速モータ10を逆転させ、水皿
5を復動させる。その後は水皿5が水平閉塞位置となっ
たところで前述同様に停止させる。
【0026】このように、マイクロコンピュータ25は
電源ACの投入時、水皿位置検出スイッチASWの接点
の開閉状態に応じて水皿5の状態を判別し、水皿5が水
平閉塞位置か傾動途中と判断される場合には水皿5を一
旦傾動させ、次に復動させて所定の水平閉塞位置とする
と共に、水皿5が傾斜開放位置か復動途中と判断される
場合には、水皿5を復動させて前記水平閉塞位置とす
る。いずれにしても製氷機Iは電源投入後、水皿5を必
ず水平閉塞位置に初期設定する。
【0027】その後、水タンク6内が満水となると、リ
レーR4を開き、給水電磁弁12を閉じる。そして、リ
レーR3及びリレーR7を閉じ、循環ポンプ9を運転す
ると共に、ホットガス電磁弁23を開く。循環ポンプ9
が運転されると、水タンク6内の水は噴水孔3から製氷
室1Aに噴水され、戻り孔4から水タンク6に戻る経路
で循環される。これによって係る循環水路内に堆積、又
は付着した塵埃や水アカが洗浄され、噴水孔3に詰まっ
た塵埃も除去される。マイクロコンピュータ25は係る
洗浄を30秒継続して終了する。
【0028】このように、製氷機Iは電源投入後に初回
洗浄動作を実行し、前記循環水路内の洗浄を行うが、循
環ポンプ9を運転する以前に前述の如く水皿5を確実に
水平閉塞位置とするので、水皿5が傾斜した状態で噴水
孔3から水が噴水される不都合が確実に防止される。従
って、下方の貯氷庫が浸水して、生成された、或いはそ
の後生成される氷に損害が発生する不都合を未然に防止
することができる。
【0029】そして、マイクロコンピュータ25はリレ
ーR1を閉じ、リレーR7を開いて圧縮機21を運転す
ると共にホットガス電磁弁23を閉じる。これによっ
て、圧縮機21から吐出されたホットガス冷媒は補助凝
縮器32を経た後、凝縮器33にて凝縮液化され、レシ
ーバータンク34、デハイドレータ36を経て膨張弁3
7にて減圧された後、冷却パイプ2に供給され、そこで
蒸発して製氷部1を冷却するようになる。また、マイク
ロコンピュータ25は、リレーR2及びリレーR4を閉
じて給水しつつ凝縮器冷却用ファン22を運転し、ま
た、10秒〜30秒遅延してリレーR3を閉じ、循環ポ
ンプ9を運転して水タンク6内の水を噴水孔3から各製
氷室1Aに循環させることにより冷却(製氷)運転を開
始する。
【0030】その後、マイクロコンピュータ25は水位
スイッチWLSWが閉じたか否か判断し、水タンク6内
に所定量の水が給水され、水位スイッチWLSWが所定
の満水位を検出して閉じたらリレーR4を開き、給水電
磁弁12を閉じて給水を停止する。係る冷却パイプ2に
よる冷却によって製氷部1の温度Tは、図7の左側に示
す如く急速に低下して行く。そして、マイクロコンピュ
ータ25はステップS2でETセンサー26により製氷
部1の温度Tを読み込み、ステップS3で温度Tが0℃
以下になったか否か判断し、否であればステップS2に
戻る。そして、温度Tが0℃に達したら予冷が終了した
ものとして、ステップS4に進みマイクロコンピュータ
25がその機能として有する製氷タイマのカウントを開
始し、ステップS5で所定の製氷時間が経過したか否か
判断して否であればステップS4に戻り積算を継続す
る。
【0031】係る冷却運転によって製氷部1の製氷室1
A内には徐々に氷が生成されて行き、前記製氷時間が経
過して製氷タイマのカウントがタイムアップすると、マ
イクロコンピュータ25はステップS6に進んで以下の
離氷行程に移行する。この離氷行程においては、マイク
ロコンピュータ25はリレーR2及びリレーR3を開
き、凝縮器冷却用ファン22及び循環ポンプ9を停止さ
せる。次に、リレーR5及びリレーR7を閉じ、また、
切換リレーR6を接点a側に閉じて減速モータ10を正
転させ、水皿5の傾動を開始すると共に、ホットガス電
磁弁23を開く。ホットガス電磁弁23が開くと圧縮機
21から吐出された高温高圧のホットガス冷媒は凝縮器
33及び膨張弁37を通らずにそのまま冷却パイプ2に
供給されるようになり、係るホットガス冷媒の供給によ
り製氷部1は加熱されて温度Tは図8の左側に示す如く
急速に上昇して行き、それによって製氷室1Aに凍結し
た氷の離氷が開始される。
【0032】そして、マイクロコンピュータ25はステ
ップS7でETセンサー26により製氷部1の温度Tを
読み込み、ステップS8で温度Tが+9℃以上になった
か否か判断し、否であればステップS7に戻る。そし
て、温度Tが前記+9℃に達したら離氷が終了したもの
として、ステップS9に進む。ステップS9ではマイク
ロコンピュータ25は貯氷スイッチBSWが閉じている
か否か判断し、図示しない貯氷庫内に所定量の氷が貯え
られている場合はリレーR1及びリレーR7を開き、圧
縮機21の運転を停止してステップS10の貯氷行程に
移行する。そして、その後貯氷庫内の氷が減少して貯氷
スイッチBSWが閉じるまでステップS9とステップS
10を繰り返してその状態を維持し、貯氷スイッチBS
Wが閉じたら、ステップS9からステップS1に戻って
再び前記製氷行程を再開する(但し、初期設定動作及び
初回洗浄動作を行わない)。
【0033】以上のようにマイクロコンピュータ25は
製氷行程・離氷行程・貯氷行程の各運転行程を実行して
製氷運転を行うが、次に図5及び図6のフローチャート
を参照しながらマイクロコンピュータ25による製氷機
Iの異常検出動作について説明する。マイクロコンピュ
ータ25は上記各運転行程中(初期設定動作及び初回洗
浄動作中を除く)、ステップS11とステップS12で
運転行程を判断しており、製氷行程である場合にはステ
ップS11、ステップS12からステップS13に進ん
で製氷行程の開始時からマイクロコンピュータ25がそ
の機能として有する第1のタイマをカウントする。次
に、ステップS14にてカウント開始から例えば1分等
の設定時間t1が経過したか否か判断し、否であればス
テップS13に戻ってこれを繰り返す。
【0034】製氷行程開始から設定時間t1が経過して
第1のタイマがカウントアップすると、マイクロコンピ
ュータ25はステップS16に進んでETセンサー26
によりそのときの製氷部1の温度T1を読み込み、メモ
リ30に記憶する。この場合、温度T1は図7の左側に
示す如く例えば+7℃であったものとする。次に、マイ
クロコンピュータ25はステップS16に進んで同じく
それが機能として有する計時手段としての第2のタイマ
をカウントする。次に、ステップS17にてカウント開
始から例えば5分等の設定時間t2が経過したか否か判
断し、否であればステップS16に戻ってこれを繰り返
す。
【0035】製氷行程開始から設定時間t1の経過後、
その時点から更に設定時間t2が経過して第2のタイマ
がカウントアップすると、マイクロコンピュータ25は
ステップS18に進んでETセンサー26によりそのと
きの製氷部1の温度T2を読み込み、メモリ30に記憶
する。この場合、製氷機Iには異常は発生しておらず、
製氷部1は正常に冷却されて温度T2は図7の左側に示
す如く例えば−10℃であったものとする。
【0036】このようにマイクロコンピュータ25は温
度T1とT2を読み込んだ後、ステップS19では当該
温度の差T1−T2が例えば15℃(設定値)より大き
いか否か判断する。前述の如く製氷機Iに何等異常が発
生しておらず、製氷部1が正常に冷却された場合には、
温度差は17℃程になるので、その場合はマイクロコン
ピュータ25はステップS19からステップS11に戻
る。
【0037】ここで、冷媒回路から冷媒ガスが漏洩した
り、或いは凝縮器冷却用ファン22が故障し、若しくは
凝縮器33に目詰まりが発生して冷却パイプ2にて所定
の冷却能力が得られなくなったものとすると、製氷行程
開始後の製氷部1の温度低下は図7の右側に示す如く緩
慢なものとなる。このような異常発生によって製氷行程
開始から設定時間t1が経過した時点の温度T1が例え
ば+8℃、それから設定時間t2が経過した時点の温度
T2が例えば−2℃にしか下がらなかったものとする
と、ステップS19における温度差は10℃となり、1
5℃より小さいためマイクロコンピュータ25はステッ
プS19からステップS25に進んで表示器29に所定
の警報表示を行うと共に、製氷機Iの運転を強制的に停
止する。
【0038】このようにマイクロコンピュータ25は、
製氷行程開始から設定時間t1が経過した時点の製氷部
1の温度T1と、それから設定時間t2が経過した時点
の製氷部1の温度T2との差により、製氷部1の温度降
下率を算出する。この温度差が小さい場合は温度降下率
が低下したものと判断でき、その場合マイクロコンピュ
ータ25は前述の如き警報動作を実行するので、従来の
如く製氷行程開始時の製氷部1の温度等に影響されず
に、冷媒漏洩や他の機器の故障等による製氷不良・不能
の発生を使用者に迅速、且つ、的確に報知することが可
能となる。尚、実施例では製氷行程開始から設定時間t
1が経過した時点で、次の設定時間t2のカウント(計
時)を開始するようにしたが、それに限らず、設定時間
t1を設けずに製氷行程開始時の製氷部1の温度をT1
とし、製氷行程の開始から直ぐに設定時間t2の積算を
開始しても差し支えない。但し、実施例の如く設定時間
t1を設ければ、製氷行程開始時点の製氷部1の温度変
動等による誤差の発生を排除できる。
【0039】次に、マイクロコンピュータ25はステッ
プS12における判断で離氷行程である場合には、ステ
ップS12からステップS20に進んでETセンサー2
6により離氷行程開始時点の製氷部1の温度T3を読み
込み、メモリ30に記憶する。この場合、温度T3は図
8の左側に示す如く例えば−15℃であったものとす
る。次に、マイクロコンピュータ25はステップS21
に進んでそれが機能として有する計時手段としての第3
のタイマをカウントする。次に、ステップS22にてカ
ウント開始から例えば1分等の設定時間t3が経過した
か否か判断し、否であればステップS21に戻ってこれ
を繰り返す。
【0040】離氷行程開始から設定時間t3が経過して
第3のタイマがカウントアップすると、マイクロコンピ
ュータ25はステップS23に進んでETセンサー26
によりそのときの製氷部1の温度T4を読み込み、メモ
リ30に記憶する。この場合、製氷機Iには異常は発生
しておらず、製氷部1は正常に加熱されて温度T4は図
8の左側に示す如く例えば+4℃であったものとする。
【0041】このようにマイクロコンピュータ25は温
度T3とT4を読み込んだ後、ステップS24では当該
温度の差T4−T3が例えば10℃(設定値)より大き
いか否か判断する。前述の如く製氷機Iに何等異常が発
生しておらず、製氷部1は正常に加熱された場合には、
温度差は19℃程になるので、その場合はマイクロコン
ピュータ25はステップS24からステップS11に戻
る。
【0042】ここで、ホットガス電磁弁23が故障して
開かなくなり、冷却パイプ2にて製氷部1の加熱が行わ
れなくなったものとすると、離氷行程開始後、製氷部1
の温度Tは上昇せず、逆に冷却が続行されて過冷却さ
れ、図8の右側に示す如く低下するようになる。このよ
うな異常発生によって離氷行程開始から設定時間t3が
経過した時点の温度T4が例えば−18℃に低下したも
のとすると、ステップS24における温度差は−3℃と
なり、10℃より小さくなるためマイクロコンピュータ
25はステップS24からステップS25に進んで表示
器29に所定の警報表示を行うと共に、製氷機Iの運転
を強制的に停止する。
【0043】このようにマイクロコンピュータ25は、
離氷行程開始時点の製氷部1の温度T3と、それから設
定時間t3が経過した時点の製氷部1の温度T4との差
により、製氷部1の温度上昇率を算出する。そして、温
度差が小さい場合は温度上昇率が低下したものと判断で
き、マイクロコンピュータ25は前述の如き警報動作を
実行するので、ホットガス電磁弁23の故障による離氷
不良・不能の発生を使用者に迅速、且つ、的確に報知す
ることが可能となる。
【0044】ここで、製氷機Iの周囲の外気温度が変動
した場合には、冷却パイプ2の冷却能力、或いは加熱能
力も変動し、従って、製氷部1の温度変化率も変わって
くる。即ち、外気温度が高い場合には製氷部1の温度は
低下し難くなり、上昇し易くなると共に、外気温度が低
い場合には、逆に製氷部1の温度は低下し易くなり、上
昇し難くなる。
【0045】そこで、マイクロコンピュータ25は図6
のフローチャートに示す制御により、前記設定時間t
2、t3及び温度差T1−T2、T4−T3の設定値を
変更する。即ち、マイクロコンピュータ25は図6のス
テップS26で、CTセンサー31により凝縮器出口温
度TAを読み込む。この凝縮器出口温度TAは外気温度
の変動に比例して変動する。そして、ステップS27で
は温度TAが所定の設定値より高いか低いか判断し、外
気温度が高く温度TAが高い場合にはステップS28に
進んで設定時間t2を長く、t3を短くし、温度差T1
−T2の設定値を小さく、T4−T3の設定値を大きく
する。このときの値が前述の説明の各値であるものとす
る。
【0046】一方、外気温度が低く温度TAが低い場合
にはステップS29に進んで設定時間t2を前述の各値
より短く、t3を長くし、温度差T1−T2の設定値を
大きく、T4−T3の設定値を小さくする。係る設定時
間及び温度差の縮小或いは拡大により、製氷行程或いは
離氷行程中の異常検出が迅速になると共に、その誤りの
発生も少なくなる。これによって、外気温度の変動によ
り製氷部1の温度変化率が変わった場合にも、係る外気
温度の影響を受けずに正確且つ迅速な異常検出が可能と
なる。
【0047】尚、実施例では製氷行程中、或いは離氷行
程中の二点の温度によって温度降下率或いは上昇率を判
断したが、更に細かく温度を検出して判断しても良い。
また、実施例では所定時間経過した場合の温度差によっ
て温度降下率或いは温度上昇率を算出したが、それに限
らず、所定温度差となるまでの経過時間から温度変化率
を算出し、経過時間が所定値を越えた場合に警報動作を
行うようにしても良い。更に、実施例では凝縮器出口温
度によって外気温度の変動を検出したが、ATセンサー
41から直接外気温度を読み込んでも差し支えない。更
にまた、実施例では所謂逆セル型の製氷機を採り上げた
が、それに限らず、例えばロールボンド式の冷却器に製
氷用水を流下させて円盤状の氷を生成する、所謂流下式
の製氷機にも本発明は有効である。
【0048】
【発明の効果】以上詳述した如く請求項1の発明によれ
ば、製氷行程中における製氷部の温度降下率が低下した
場合に、制御手段が当該温度降下率の低下に基づいて所
定の警報動作を実行するので、従来の如く製氷行程開始
時点の製氷部の温度等に影響されずに冷媒漏洩や機器の
故障等による製氷不良・不能の発生を使用者に迅速、且
つ、的確に報知することが可能となる。それによって、
他の機器の破損等の発生も未然に防止することができる
ようになるものである。
【0049】また、請求項2の発明によれば、離氷行程
中における製氷部の温度上昇率が低下した場合に、制御
手段が当該温度上昇率の低下に基づいて所定の警報動作
を実行するので、ホットガス電磁弁等の故障による離氷
不良・不能の発生を使用者に迅速、且つ、的確に報知す
ることが可能となる。それによって、同様に他の機器の
破損等の発生も未然に防止することができるようになる
ものである。
【0050】更に、請求項3の発明によれば、制御手段
が、上記温度降下率或いは温度上昇率を算出する設定時
間或いは製氷部温度の差を、外気温度の変動に基づいて
変更するので、外気温度の変動により製氷部の温度変化
率が変わった場合にも、適切且つ迅速な異常検出を行う
ことができるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製氷機の制御装置の電気回路図であ
る。
【図2】本発明の製氷機の一部切欠側面図である。
【図3】本発明の製氷機の冷却装置の冷媒回路図であ
る。
【図4】マイクロコンピュータのプログラムを示すフロ
ーチャートである。
【図5】同じくマイクロコンピュータのプログラムを示
すフローチャートである。
【図6】同じくマイクロコンピュータのプログラムを示
すフローチャートである。
【図7】製氷部の温度の時間推移を示す図である。
【図8】同じく製氷部の温度の時間推移を示す図であ
る。
【図9】従来の製氷機の製氷室の温度の時間推移を示す
図である。
【符号の説明】
I 製氷機 1 製氷部 2 冷却パイプ 5 水皿 9 循環ポンプ 10 減速モータ 20 制御装置 25 マイクロコンピュータ 26 ETセンサー 29 表示器 31 CTセンサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片柳 英幸 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 電機株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却器を配設した製氷部に製氷用水を循
    環して製氷する製氷行程と、前記製氷部を加熱して離氷
    する離氷行程とを実行する製氷機において、前記製氷部
    の温度を検出する温度検出手段と、製氷行程中の経過時
    間を検出する計時手段と、前記温度検出手段と前記計時
    手段に基づき、製氷行程中における前記製氷部の温度降
    下率を算出する制御手段とを具備し、該制御手段は、前
    記製氷部の温度降下率が低い場合に所定の警報動作を実
    行することを特徴とする製氷機。
  2. 【請求項2】 冷却器を配設した製氷部に製氷用水を循
    環して製氷する製氷行程と、前記製氷部を加熱して離氷
    する離氷行程とを実行する製氷機において、前記製氷部
    の温度を検出する温度検出手段と、離氷行程中の経過時
    間を検出する計時手段と、前記温度検出手段と前記計時
    手段に基づき、離氷行程中における前記製氷部の温度上
    昇率を算出する制御手段とを具備し、該制御手段は、前
    記製氷部の温度上昇率が低い場合に所定の警報動作を実
    行することを特徴とする製氷機。
  3. 【請求項3】 制御手段は、計時開始時の製氷部の温度
    と、計時開始から設定時間経過したときの製氷部の温度
    との差により、温度降下率または温度上昇率を算出する
    と共に、外気温度の変動に基づいて前記設定時間、或い
    は差を変更することを特徴とする請求項1または請求項
    2の製氷機。
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