JP2012193875A - シングラス製氷機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シングラス製氷機1は、蒸発器24の出口24aにおける冷媒の温度を検知する温度センサ26と、温度センサ26によって検知された冷媒の温度に基づいて製氷運転を制御するマイクロコンピュータ31とを備える。マイクロコンピュータ31は、製氷運転の開始から所定時間(10分)経過後に、温度センサ26によって検知される冷媒の温度が所定の第1閾値である−7℃以上になると警告を発し、さらにその後、冷媒の温度が所定の第2閾値である−5℃以上になると製氷運転を強制的に停止する。
【選択図】図7
Description
また、特許文献1には、製氷運転開始から設定時間経過した時点における温度降下率が小さい場合に冷媒の漏洩が発生していると判断し、製氷運転を強制的に停止させると共に所定の警報表示を行う事項が記載されている。
これにより、冷媒の漏洩により製氷運転が停止してからサービスマンによる修理が完了するまでの時間を短縮することができる。
この発明の実施の形態に係るシングラス製氷機1の外観を図1に示す。
シングラス製氷機1は、製氷水を冷却して氷片を生成する製氷ユニット2と、製氷ユニット2によって生成された氷片を貯蔵する貯氷庫3とから構成されている。製氷ユニット2の前面には、ユーザからの操作を受け付けると共に各種情報を表示するフロントパネル4が取り付けられており、貯氷庫3の前面には同じくユーザからの操作を受け付けると共に各種情報を表示するリモートユニット5が取り付けられている。
通常動作ルーチンは、貯氷センサ13によって貯氷庫3内が満氷状態であるか否かを判定し(S11)、満氷状態でない場合(S11=NO)には、製氷運転を開始する(S12)。すなわち、冷凍回路20の圧縮機21とギヤドモータ25を始動させることによって製氷ドラム7の冷却と回転を開始すると共に、ポンプモータ27を始動させることによって散水パイプ28からの散水を開始する。その結果、製氷ドラム7の内部に設けられた蒸発器24において冷凍回路20を循環する冷媒が蒸発することによって、製氷水タンク6内の製氷水と冷媒との間で熱交換が行われて製氷水が製氷ドラム7の表面に着氷する。製氷ドラム7の表面に成長した氷層はカッタ8によって剥離されて氷片が生成され。生成された氷片はシュート9に導かれて貯氷庫3内に落下する。その後、貯氷センサ13によって貯氷庫3内が満氷状態になったことが検知されると(S11=YES)、製氷運転を一時停止する(S13)。
冷媒漏洩検知ルーチンは、製氷運転を開始してから所定時間(10分)経過するのを待った後(S21)、温度センサ26によって検知される蒸発器24の出口24aにおける冷媒温度が5分間継続して第1閾値である−7℃以上になると(S22=YES)、製氷運転は継続したままで、リモートユニット5上に設けられた警報ランプを点滅させる(S23)。
(第1閾値の設定)
実施の形態において、強制停止の事前警告を行うための第1閾値は−7℃に限定されるものではなく、−8℃から−5℃の間であればよい。また、第1閾値をその範囲内で変更可能な構成としてもよい。製氷機1の設置される環境が仕様温度範囲を超える場合や、冷凍回路20の配管抵抗が想定よりも大きい場合には、冷媒の漏洩が発生していなくても蒸発器出口24aにおける冷媒温度が−7℃よりも高くなる可能性がある。第1閾値を変更可能な構成とすることにより、そのような場合に不要な警告を行わないようにすることができる。
実施の形態において、冷媒の漏洩を検知する方法としては、様々な方式を採用することができる。例えば、製氷運転の開始から所定時間経過後における蒸発器出口24aにおける冷媒の最大温度に基づく方式、製氷運転の開始から所定時間経過後における蒸発器出口24aにおける冷媒の最大温度と最低温度との平均に基づく方式、冷凍回路20の低圧圧力に基づく方式、製氷量に基づく方式、製氷水タンク6への給水量に基づく方式、製氷水タンク6への図示しない給水バルブの開閉時間に基づく方式、製氷水タンク6内の製氷水温度が安定するまでに要する時間に基づく方式、カッタ8のマウント部の温度が安定するまでに要する時間に基づく方式、冷凍回路20内の冷媒循環量に基づく方式、冷凍回路20内の冷媒漏洩量に基づく方式、製氷運転時と運転停止時における冷凍回路20の重量に基づく方式、蒸発器24の入口と出口の温度差に基づく方式等を採用することができる。
実施の形態において、センサプレート12の両面に無色透明で食品衛生法に適合した親水性塗料(例えば、ベラスコート)を塗布してもよい。これにより、センサプレート12の表面に水滴が付着しにくくなり、製氷運転の過程や貯氷庫3の扉開閉時に生成される結露水がセンサプレート12の表面に付着することによる貯氷センサ13の誤検知を防ぐことができる。また、親水性塗料を塗布した表面は水をかけると付着した汚れが落ちるため、結露水による自浄効果を期待することができる。さらに、親水性塗料として高硬度・高耐候性を有するベラスコートを使用した場合には、センサプレート12の表面にキズがつきにくくなり、耐久性が向上する。
実施の形態において、センサプレート12を食品衛生法に適合したガラス製にしてもよい。このように構成しても、センサプレート12の表面に水滴が付着しにくくなり、結露水の付着による貯氷センサ13の誤検知を防ぐことができる。
実施の形態において、センサプレート12の両面に食品衛生法に適合した親水性フィルム(防曇フィルム)を貼り付けてもよい。このように構成しても、センサプレート12の表面に水滴が付着しにくくなり、結露水の付着による貯氷センサ13の誤検知を防ぐことができる。この際、親水性フィルムの大きさを天板3aの開口部11よりも大きくして、天板3aとセンサプレート12との間に親水性フィルムを挟み込むようにすれば、親水性フィルムが剥がれて貯氷庫3内に落下するのを防ぐことができる。
また、酸化チタン系の親水性フィルムを使用してそこに紫外線が照射されるようにすれば、酸化チタンは光触媒活性物質であり紫外線を照射することによって汚れが分解されるため、センサプレート12の掃除を行う必要回数を減らすことができる。紫外線の照射方法としては、例えば図8(a)に模式的に示されるように、製氷ユニット2内の貯氷センサ13の横に紫外線ランプ40を取り付ければ、紫外線ランプ40の照射光がセンサプレート12に当たる。或いは、図8(b)に模式的に示されるように、貯氷庫203内の庫内灯41(蛍光灯、白熱電球、紫外線ランプ等)を天板3aの開口部11付近における貯氷センサ13の反対側に取り付ければ、庫内灯41から照射される紫外線を含む光がセンサプレート12に当たる。或いは、図8(c)に模式的に示されるように、貯氷庫303の扉を開けた際に入射する自然光をセンサプレート12に向ける反射板42を天板3aの開口部11付近に取り付けてもよい。
実施の形態において、センサプレート12にコードヒータを巻き付けても良い。図9に示される例では、センサプレート112の外周面には、コードヒータ(図示せず)の外径にあわせたスパイラル状の溝加工が施されており、この溝部分112aにコードヒータを巻き付けることができる。このように構成しても、コードヒータの熱によって水滴が蒸発するため、センサプレート112の表面に水滴が付着しにくくなり、結露水の付着による貯氷センサ13の誤検知を防ぐことができる。尚、図9に示されるセンサプレート112の形状では、その外周面にスパイラル状の溝加工が施されているため、巻き付けられるコードヒータの各部同士が接触して異常加熱するのを防ぐことができると共にコードヒータを安定して固定することができる。また、角のRが取られているため、コードヒータの断線や漏電を防ぐことができる。
実施の形態において、天板3a上の開口部11の外周を囲むセンサマウント52を設け、センサマウント52の外周にコードヒータを巻き付けても良い。図10に示される例では、センサマウント52は、食品衛生法に適合した樹脂によって形成されており、その上部にセンサプレート12が取り付けられている。コードヒータ53の熱はセンサマウント52を介してセンサプレート12に伝えられる。このように構成しても、コードヒータ53の熱によって水滴が蒸発するため、センサプレート12の表面に水滴が付着しにくくなり、結露水の付着による貯氷センサ13の誤検知を防ぐことができる。また、コードヒータ53はセンサプレート12ではなくセンサマウント52に巻き付けられるため、センサプレート12の掃除や交換が容易になる。
実施の形態において、センサプレート12を石英ガラス等の熱膨張率の低いガラスに透明導電膜を蒸着したガラスヒータによって作成してもよい。このように構成しても、ガラスヒータの熱によって水滴が蒸発するため、センサプレート12の表面に水滴が付着しにくくなり、結露水の付着による貯氷センサ13の誤検知を防ぐことができる。
実施の形態において、温度センサ26によって測定した蒸発器出口24aにおける冷媒温度をフロントパネル4上に表示できるようにしてもよい。一般的なシングラス製氷機の膨張弁は手動調整式であり、初回設置時やメンテナンス時にサービスマンが過熱度調整を実施する場合がある。過熱度とは蒸発器出口24aにおける温度と蒸発器出口24aにおける圧力の飽和温度との差であり、過熱度を調整するためには蒸発器出口24aの温度と圧力とを測定する必要がある。従来、圧力については既存の測定手段が設けられているのが普通であり容易に測定することができるが、温度についてはサービスマンが蒸発器出口24aの断熱材を外してその表面温度を測定するのが一般的である。温度センサ26によって測定した蒸発器出口24aにおける冷媒温度をフロントパネル4上に表示できるようにすれば、この温度測定の手間を省くことができる。
実施の形態において、製氷水タンク6に供給する製氷水として純水を使用してもよい。一般的なシングラス製氷機では製氷水として水道水が使用されるが、水道水中に含まれる不純物や溶存ガスが析出して氷内に取り込まれるため、生成される氷片が白濁して不透明になる。製氷水として純水(不純物や溶存ガスが取り除かれた水)を使用することにより、無色透明な氷片を生成することができる。
尚、純水以外にも、加熱・沸騰、真空減圧、超音波脱気、遠心脱気等を行った脱気水、
蒸留水、イオン交換樹脂で処理した脱イオン水、濾過水(精密濾過水)、逆浸透膜処理水(RO水)、中空糸膜処理水等を使用しても無色透明な氷片を生成することができる。
実施の形態において、図11(a)に模式的に示されるように、製氷水タンク6、ポンプモータ60、及び純水器61によって構成される製氷水循環経路を設けてもよい。上述したように、製氷水タンク6に供給する製氷水として純水を使用することにより、無色透明な氷片を生成することができるが、長時間連続して製氷運転を行うと製氷水タンク6内の製氷水に次第に空気中のガスが溶解し、生成される氷片が徐々に白濁していく。そのため、溶存ガスを取り除く純水器61を含む製氷水循環経路を設けることにより、製氷水タンク6内の製氷水はポンプモータ60によって吸引されて純水器61に送られ、純水器61で溶存ガスが取り除かれてから再び製氷水タンク6に戻される。これにより、製氷水に溶解したガスが継続的に取り除かれ、無色透明な氷片を継続して生成することができる。
実施の形態において、図11(b)に模式的に示されるように、散水のためのポンプモータとして脱気ポンプ62を使用してもよい。脱気ポンプ62は、減圧(真空)作用と遠心分離によって製氷水中の溶存ガスを析出・分離させる。このように構成しても、製氷水に溶解したガスが継続的に取り除かれ、無色透明な氷片を継続して生成することができる。
実施の形態において、図11(c)に模式的に示されるように、製氷水タンク6、ポンプモータ27、及び散水パイプ28によって構成される散水経路において、ポンプモータ27の下流に純水器61を設けてもよい。このように構成しても、製氷水に溶解したガスが継続的に取り除かれ、無色透明な氷片を継続して生成することができる。
Claims (2)
- 製氷水を満たす製氷水タンクと、冷凍回路における蒸発器を内部に有する製氷ドラムとを備え、製氷水タンク内の製氷水と製氷ドラム内を流通する冷媒との間で熱交換を行わせることによって製氷水を製氷ドラム表面に着氷させるシングラス製氷機において、
前記蒸発器の出口における前記冷媒の温度を検知する温度検知手段と、
前記温度検知手段によって検知された前記冷媒の温度に基づいて製氷運転を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、製氷運転の開始から所定時間経過後に、前記温度検知手段によって検知される前記冷媒の温度が所定の第1閾値以上になると警告を発し、さらにその後、前記冷媒の温度が前記第1閾値よりも高い所定の第2閾値以上になると製氷運転を停止することを特徴とする、シングラス製氷機。 - 前記第1閾値は変更可能であることを特徴とする、請求項1に記載のシングラス製氷機。
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