JP2023089435A - 情報処理装置、プログラム、異常検知方法、異常検知システム、及び冷却貯蔵庫 - Google Patents

情報処理装置、プログラム、異常検知方法、異常検知システム、及び冷却貯蔵庫 Download PDF

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英記 榊原
Hideki Sakakibara
義康 鈴木
Yoshiyasu Suzuki
茂 恩田
Shigeru Onda
雅宏 田畑
Masahiro Tabata
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Abstract

【課題】冷却貯蔵庫の異常着霜を、新しい知見に基づき早い段階で検知する【解決手段】貯蔵室14の空気を冷却室に取り込み、冷却器によって冷却したのち貯蔵室14に戻す冷却運転を実行する手段と、冷却器24を加熱して冷却器24に付着した霜を融解させる除霜運転を実行する手段と、を備える冷却貯蔵庫10の異常を検知する情報処理装置100は、冷却器24の温度をモニタリングするセンサから、除霜後であって所定時間が経過したときの冷却器24の温度である第1温度に関する情報を取得する第1取得部101と、取得した情報に基づいて、冷却貯蔵庫10に異常着霜があるかどうかを判断する判断部103と、判断部103によって冷却貯蔵庫10に異常着霜があると判断されたとき、異常を示す情報を出力する第1出力部104と、を備える。【選択図】図1

Description

本技術は、情報処理装置、プログラム、異常検知方法、異常検知システム、及び冷却貯蔵庫に関する。
食材や飲食物、医薬品等を適切な低温環境で貯蔵するためには、冷蔵庫や冷凍庫などの冷却貯蔵庫の利用が欠かせない。冷却貯蔵庫は、一般的に、高い電気容量は必要としないものの、常時通電しているという性質から消費電力量の比較的多い製品であり、省エネルギーの観点からは消費電力量の低減が望まれる。
例えば特許文献1には、冷却貯蔵庫の冷却能力は冷却器(蒸発器)への過着霜によって低下され、消費電力の無駄に繋がることから、季節等を考慮して着霜状況に応じたタイミングで除霜を行うようにした冷却貯蔵庫について開示されている。また、特許文献1~3には、冷却貯蔵庫の冷凍サイクルにおけるコンプレッサの運転率が、着霜状況と相関することが記載されている。
特開昭61-140770号公報 特開平05-001878号公報 特開平06-331263号公報
ところで、着霜は、扉の開閉により水分を含む外気が冷却貯蔵庫の内部に導入されることにより引き起こされ、扉のパッキン(封止部材)に不具合があると着霜が生じやすい。また、冷却貯蔵庫におけるパッキンは消耗品であり、冷却貯蔵庫の保守およびメンテナンスにおいては、パッキンの交換の頻度が最も高い。したがって、使用条件の異なる個々の冷却貯蔵庫ごとに、異常な着霜やパッキンの不具合を早い段階で検知できれば、予防メンテナンスを適切に実施できるとともに、消費電力量の低減を図る上で望ましい。
本技術は、上記事情に鑑みてなされたものであり、冷却貯蔵庫の異常着霜を新しい知見に基づき早い段階で検知することができる異常検知システムを提供することを一つの目的とする。また他の側面において、異常着霜を新しい知見に基づき早い段階で検知することができる情報処理装置、プログラム、異常検知方法、及び冷却貯蔵庫をそれぞれ提供することを他の目的とする。
本技術に係る情報処理装置は、貯蔵室の空気を冷却室に取り込み、冷却器によって冷却したのち前記貯蔵室に戻す冷却運転を実行する手段と、前記冷却器を加熱して前記冷却器に付着した霜を融解させる除霜運転を実行する手段と、を備える冷却貯蔵庫の異常を検知するものである。そしてこの情報処理装置は、前記冷却器の温度をモニタリングするセンサから、除霜後であって所定時間が経過したときの前記冷却器の温度である第1温度に関する情報を取得する第1取得部と、取得した前記情報に基づいて、前記冷却貯蔵庫に異常着霜があるかどうかを判断する判断部と、前記判断部によって前記冷却貯蔵庫に異常着霜があると判断されたとき、異常を示す情報を出力する第1出力部と、を備える。
上記構成によると、監視対象の冷却貯蔵庫について、除霜後であって所定時間が経過したときの冷却器の温度から、冷却器の異常着霜を検知することができる。このように検知される異常着霜は、後述する封止部材の不具合か、圧縮機の動作異常に基づくものであり、適切なメンテナンスが必要となる。したがって、異常を示す情報を受け取ることで、早い段階でのメンテナンスが可能とされる。延いては、消費電力の無駄を低減した冷却貯蔵庫の運転が可能とされる。
好適な一態様において、前記判断部は、前記第1温度が、前記冷却器に正常に着霜しているときの前記除霜後であって、前記所定時間が経過したときの前記冷却器の適正温度範囲から外れたときに、前記冷却貯蔵庫に異常着霜があると判断する。検出対象である、冷却器の第1温度は、季節や昼夜の環境温度によって変動するものではなく、当該環境にて使用されている冷却貯蔵庫についての固有の特徴となり得る。上記構成によると、監視対象の冷却貯蔵庫についての異常着霜を、季節や昼夜の環境温度の変化に因ることなく、安定的に検知することができる。なお、「冷却器に正常に着霜している」とは、一般的な冷却貯蔵庫についての除霜運転において、冷却器に付着している霜が完全に融解されるような量であることをいう。
好適な一態様において、前記冷却器の前記適正温度範囲は、前記冷却器に正常に着霜しているときの、前記除霜後であって前記所定時間が経過したときの前記冷却器の平均温度を第2温度とした時、前記第2温度±2Kの温度範囲である。検出対象である上記第1温度は、季節や昼夜の環境温度によって変動するものではなく、当該環境にて使用されている冷却貯蔵庫についての固有の特徴となり得る。上記構成によると、監視対象の冷却貯蔵庫についての異常着霜を、季節や昼夜の環境温度の変化に因ることなく、安定的に検知することができる。
好適な一態様において、前記冷却貯蔵庫は、圧縮機、凝縮器、膨張弁、および前記冷却器としての蒸発器を含む冷凍装置と、前記冷凍装置の駆動を制御する制御装置と、を備えるとともに、前記貯蔵室は、開口を有する断熱筐体と、前記開口を開閉するための扉と、前記扉に対し前記断熱筐体に対向する位置に備えられた封止部材と、を備えるものである。そして当該情報処理装置は、前記冷却貯蔵庫の環境温度をモニタリングするセンサから、直前に実行した前記冷却運転における前記環境温度に関する情報と、前記制御装置から、直前に実行した前記冷却運転における前記圧縮機の運転率に関する情報と、を取得する第2取得部をさらに備える。また、前記判断部は、前記圧縮機の運転率が、前記環境温度において前記冷却貯蔵庫が正常に前記冷却運転を実行したときの前記圧縮機の運転率の適正範囲内であるときに、前記冷却貯蔵庫は前記封止部材に異常がないと判断し、前記圧縮機の運転率が、前記環境温度において前記冷却貯蔵庫が正常に前記冷却運転を実行したときの前記圧縮機の運転率の適正範囲から外れたときに、前記冷却貯蔵庫は前記封止部材に異常があると判断する。第2取得部が取得する情報は、圧縮機の動作が正常な冷却運転時と同等かどうか(典型的には、圧縮機の運転率が過剰でないかどうか)を確認するものである。異常着霜が生じたうえで、圧縮機の運転率が過剰であると、封止部材に密閉不良等の不具合があるか、圧縮機の動作異常に基づくものであるため、上記構成によると、異常着霜の原因が封止部材によるものか、圧縮機によるものかを判断することができ、早い段階で適切なメンテナンスを行うことが可能とされる。
好適な一態様において、前記冷却貯蔵庫は、前記冷却器を加熱して前記冷却器に付着した霜を全て融解させる強制除霜運転を実行する手段を備えており、前記情報処理装置は、前記判断部によって前記冷却貯蔵庫に異常着霜があると判断されたとき、前記冷却貯蔵庫に対して、前記強制除霜運転を実行させる情報を出力する第2出力部をさらに備える。上記構成によると、異常着霜が検知されたときに、監視対象の冷却貯蔵庫に対して自動的に強制除霜運転を実行させることができ、早い段階で冷却貯蔵庫の更なる過着霜を防止できることに加え、冷却器の異常着霜を解消することができる。これにより、異常着霜によって低下していた冷却器における熱交換効率を回復させることができ、冷却貯蔵庫の冷却運転を消費電力量を抑えて実行させることができる。
他の側面において、本技術は、開口を有する断熱筐体と、前記開口を開閉するための扉と、前記扉に対し前記断熱筐体に対向する位置に備えられた封止部材と、を備える貯蔵室を有する冷却貯蔵庫を提供する。この冷却貯蔵庫は、前記貯蔵室の空気を冷却室に取り込み、冷却器によって冷却したのち前記貯蔵室に戻す冷却運転を実行する手段と、前記冷却器を加熱して前記冷却器に付着した霜を融解させる除霜運転を実行する手段と、前記冷却器の温度をモニタリングする前記センサと、検出された前記冷却器の温度に関する情報を、通信可能に接続された前記情報処理装置に送信する手段と、前記情報処理装置が前記パッキンに異常があると判断したとき、前記情報処理装置から当該異常を示す情報を受信する手段と、受信した前記情報に基づいて前記異常を報知する手段と、を備える。上記構成によると、異常着霜が検知されたときに、モニタリング対象の冷却貯蔵庫の着霜異常を報知することができ、早い段階で人による冷却貯蔵庫のメンテナンス(封止部材や圧縮機の点検など)を実行することができる、更なる過着霜を防止できることに加え、冷却器の異常着霜を解消することができる。これにより、異常着霜によって低下していた冷却器における熱交換効率を回復させることができ、冷却貯蔵庫の冷却運転を消費電力量を抑えて実行させることができる。
さらに他の側面において、本技術は、開口を有する断熱筐体と、前記開口を開閉するための扉と、前記扉に対し前記断熱筐体に対向する位置に備えられた封止部材と、を備える貯蔵室を有する冷却貯蔵庫を提供する。この冷却貯蔵庫は、前記貯蔵室の空気を冷却室に取り込み、冷却器によって冷却したのち前記貯蔵室に戻す冷却運転を実行する手段と、前記冷却器を加熱して前記冷却器に付着した霜を融解させる除霜運転を実行する手段と、前記冷却器の温度をモニタリングする前記センサと、検出された前記冷却器の温度に関する情報を、通信可能に接続された上記いずれかの情報処理装置に送信する手段と、前記情報処理装置が前記パッキンに異常があると判断したとき、前記情報処理装置から当該異常を示す情報を受信する手段と、受信した前記情報に基づいて、前記冷却器に付着した霜を全て加熱融解させる強制除霜運転を実行する手段と、を備える。上記構成によると、異常着霜が検知されたときに、モニタリング対象の冷却貯蔵庫に対して自動的に強制除霜運転を実行させることができ、早い段階で冷却貯蔵庫の更なる過着霜を防止できることに加え、冷却器の異常着霜を解消することができる。これにより、異常着霜によって低下していた冷却器における熱交換効率を回復させることができ、冷却貯蔵庫の冷却運転を消費電力量を抑えて実行させることができる。
好適な一態様において、冷却貯蔵庫は、時間を計測するためのタイマと、前記冷却器を加熱するためのヒータと、をさらに備え、前記強制除霜運転は、前記冷却室の温度が予め設定された冷却温度となるまで冷却運転を実行する冷却ステップと、前記冷却器の温度が予め設定された除霜温度となるまで前記ヒータによって前記冷却器を加熱する加熱ステップと、を、繰り返し行うものであって、前記タイマによって計測された前記冷却ステップの実行時間が、前記冷却貯蔵庫が正常に前記冷却運転を実行したときの前記除霜温度から前記冷却温度まで前記冷却室を冷却するために要する時間が適正範囲外となったときに、前記冷却ステップから前記加熱ステップに移行する構成を備えている。上記構成によると、強制除霜運転を実行したとき、冷却器の霜を融解するための冷却ステップと加熱ステップの繰り返しにおいて、冷却器の熱交換効率が低下している場合は、冷却ステップを適時に切り上げることができる。これにより、短い時間で好適に異常着霜を解消することができ、冷却器の熱交換効率を回復させることができる。
好適な一態様において、冷却貯蔵庫は、時間を計測するためのタイマと、前記冷却器を加熱するためのヒータと、をさらに備え、前記強制除霜運転は、前記冷却室の温度が予め設定された冷却温度となるまで冷却運転を実行する冷却ステップと、前記冷却器の温度が予め設定された除霜温度となるまで前記ヒータによって前記冷却器を加熱する加熱ステップと、を、繰り返し行うものであって、前記タイマによって計測された前記加熱ステップに要する時間が、前記冷却貯蔵庫が正常に前記除霜運転を実行したときの前記冷却温度から前記除霜温度まで前記冷却器を加熱するために要する時間の適正範囲内となったときに、当該強制除霜運転を終了する構成を備えている。上記構成によると、強制除霜運転を実行したとき、冷却器の霜が完全に溶融されるまで冷却ステップと加熱ステップとを繰り返すことができる。これにより、異常着霜を完全に解消することができ、低下していた冷却器における熱交換効率を回復させることができる。
好適な一態様において、冷却貯蔵庫は、上記のいずれかに記載の冷却貯蔵庫であって、前記情報処理装置を備えている。このような構成によると、冷却貯蔵庫の単体において、上記の異常検知を実行させることができる。
なお、他の側面において、本技術は、貯蔵室の空気を冷却室に取り込み、冷却器によって冷却したのち前記貯蔵室に戻す冷却運転を実行する手段と、前記冷却器を加熱して前記冷却器に付着した霜を融解させる除霜運転を実行する手段と、を備える冷却貯蔵庫の異常を検知する異常検知方法であって、前記冷却器の温度をモニタリングするセンサから、除霜後であって所定時間が経過したときの前記冷却器の温度である第1温度に関する情報を取得するステップと、取得した前記情報に基づいて、前記冷却貯蔵庫に異常着霜があるかどうかを判断するステップと、前記判断するステップによって前記冷却貯蔵庫に異常着霜があると判断されたとき、異常を示す情報を出力するステップと、を含む、異常検知方法を提供する。
また、他の側面において、本技術は、貯蔵室の空気を冷却室に取り込み、冷却器によって冷却したのち前記貯蔵室に戻す冷却運転を実行する手段と、前記冷却器を加熱して前記冷却器に付着した霜を融解させる除霜運転を実行する手段と、を備える冷却貯蔵庫の異常の検知をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記冷却器の温度をモニタリングするセンサから、除霜後であって所定時間が経過したときの前記冷却器の温度である第1温度に関する情報を取得するステップと、取得した前記情報に基づいて、前記冷却貯蔵庫に異常着霜があるかどうかを判断するステップと、前記判断するステップによって前記冷却貯蔵庫に異常着霜があると判断されたとき、異常を示す情報を出力するステップと、をコンピュータに実行させるための、プログラムを提供する。
さらに、他の側面において、本技術は、冷却貯蔵庫と、センサと、情報処理装置と、を備える異常検知システムであって、前記冷却貯蔵庫は、貯蔵室の空気を冷却室に取り込み、冷却器によって冷却したのち前記貯蔵室に戻す冷却運転を実行する手段と、前記冷却器を加熱して前記冷却器に付着した霜を融解させる除霜運転を実行する手段と、前記冷却器の温度をモニタリングする前記センサと、を備え、前記情報処理装置は、前記冷却器の温度をモニタリングする前記センサから、除霜後であって所定時間が経過したときの前記冷却器の温度である第1温度に関する情報を取得するステップと、取得した前記情報に基づいて、前記冷却貯蔵庫に異常着霜があるかどうかを判断するステップと、前記判断するステップによって前記冷却貯蔵庫に異常着霜があると判断されたとき、異常を示す情報を出力するステップと、を備える、異常検知システムを提供する。
本技術によれば、冷却貯蔵庫の異常着霜を新しい知見に基づいて早い段階で検知することができる。
一実施形態に係る異常検知システムのブロック図 一実施形態に係る異常検知方法のフロー図 一実施形態に係る冷却貯蔵庫の一部切欠き正面図 図3の冷却貯蔵庫の扉を除いたときの正面図 図3の冷却貯蔵庫の右側断面図(V-V線断面図) 一実施形態に係る冷却貯蔵庫のブロック図 一実施形態に係る冷却貯蔵庫の冷却運転のフロー図 一実施形態に係る冷却貯蔵庫の除霜運転のフロー図 一実施形態に係る封止部材の異常評価方法のフロー図 一実施形態に係る冷却貯蔵庫の強制除霜運転(回復処理)のフロー図 一実施形態に係る圧縮機動作テーブルの概要
本技術の一実施形態に係る異常検知システムとその周辺技術について、図1~図12を適宜参照しつつ説明する。なお、図3~図5に示した符号F,Rr,L,R,U,Dはそれぞれ、冷却貯蔵庫10の前後方向における前,後,正面から見たときの幅方向における左,右,鉛直方向の上,下を示している。ただし、上記方向は便宜的に定めたものに過ぎず、限定的に解釈すべきものではない。また、複数の同一部材については、一の部材に符号を付して、他の部材の符号は省略することがある。
使用中の冷却貯蔵庫10においては、後述する扉13に設けられた封止部材13B,13Cに不具合が生じやすく、封止部材13B,13Cに不具合が生じると、湿度の高い外気が庫内に導入されて冷却ユニット20(冷凍装置の一例)の蒸発器24(冷却器の一例)に霜が生じ得る(図2,3等参照)。蒸発器24に霜が生じると、熱交換効率が低下してしまうため、一般的に、冷却貯蔵庫10は、所定のタイミングで蒸発器24に付着した霜を融解するための除霜運転を実行するように構成されている。霜の発生しやすさは、冷却貯蔵庫10の構造(例えば、製品の種類)、設置場所(緯度、経度、地形、高度等の地理的条件のほか、厨房やストレージ等の設置場所における湿度条件や汚れ度合等の環境条件)や、扉13の使用態様(扉13の開閉頻度などであり、換言すれば、封止部材13B,13Cの劣化条件)によって大きく異なり得る。しかしながら、本発明者らの検討によると、除霜運転後の蒸発器24の温度は、各々の冷却貯蔵庫10ごとに所定の温度範囲に収まるものであり、除霜後の蒸発器24の温度がこの所定の温度範囲から外れたときは、蒸発器24に異常な着霜が生じていると判断できることが明らかとなった。本技術は、このような新たな知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本技術に係る異常検知システム1は、図1に示すように、冷却貯蔵庫10の故障(異常)の予兆を検知するシステムである。冷却貯蔵庫10は、冷却ユニット20と、封止部材13B,13Cを有する扉13と、を備えている。本実施形態の異常検知システム1において、情報処理装置100は、冷却貯蔵庫10の各部に配設したセンサによって冷却貯蔵庫10の各部の状態を監視することにより、冷却貯蔵庫10の故障の予兆、とりわけ、他の部分に比べて交換頻度の高い封止部材13B,13Cの不具合を、早い段階で検知することができる。
本技術に係る異常検知方法の大まかな流れについて、図2に基づいて説明する。すなわち、本技術に係る異常検知方法は、冷却貯蔵庫10において冷却運転(工程S101)と除霜運転(工程S102)とが実行されると、引き続き、情報処理装置100によって封止部材の評価(工程S103)を行う。この封止部材の評価工程では、後で詳しく説明するが、冷却貯蔵庫10に異常があるかどうかを判断するものである(工程S104)。また、封止部材の評価工程では、異常がある場合は、封止部材の異常か圧縮機の異常かを判断することができる(工程S106)。これらの判断結果に基づいて、情報処理装置100は、例えば冷却貯蔵庫10や他のコンピュータ60などに対して、異常についての情報を出力することができる(工程S107,S108)。また、冷却貯蔵庫10や他のコンピュータ60は、情報処理装置100が出力する情報に基づいて、異常に関する報知を実行することができる。これにより、ユーザは、例えば、冷却貯蔵庫10の故障を早い段階で知ることができる。また、冷却貯蔵庫10に異常がないときは、情報処理装置100の判断に基づき(工程S105)、冷却貯蔵庫10は、冷却運転(工程S101)および除霜運転(工程S102)を繰り返す。以下、異常検知システム1と、この異常検知システムを構成する冷却貯蔵庫10、情報処理装置100、コンピュータープログラム(以下、単にプログラムという。)、および異常検知方法について、説明する。
[冷却貯蔵庫]
まず、冷却貯蔵庫10の構成について説明する。冷却貯蔵庫10は、貯蔵対象である食材等の貯蔵物を、例えば冷凍保存や冷却保存に適した温度にまで品質を保ちながら冷却し、冷却後は引き続き品質を保ちながら貯蔵することができる貯蔵庫である。本実施形態の冷却貯蔵庫10は、図3~図5に示すように、いわゆるワイドスルー形式(センターピラーレス)の4ドア式の冷却貯蔵庫である。冷却貯蔵庫10は、概して略直方体形状の冷却貯蔵庫本体11を主体として構成されており、この冷却貯蔵庫本体11の上方に機械室15が配され、これらを脚部19によって下方から支持している。
冷却貯蔵庫本体11は、前方の一面が開口された断熱筐体12と、扉13と、を備えている。断熱筐体12は、ステンレス鋼板製の外箱12Aの内側に、同じくステンレス鋼板製の内箱12Bが嵌め込まれ、外箱12Aと内箱12Bとの間に、発泡ウレタン等の発泡樹脂からなる断熱材12Cが充填されることで構成されている。断熱筐体12の上方には、冷却室ダクト18が取り付けられることによって冷却室17が画成されている。そして断熱筐体12の内部のうち、冷却室ダクト18で区切られた残りの部分が、貯蔵対象である貯蔵物を収容するための貯蔵室14となっている。断熱筐体12の上壁には開口12Fが設けられ、冷却室17と機械室15とが連通可能に構成されている。断熱筐体12の左右の側壁の前端には、前方の開口12Dを上下に仕切る柱状部材12Eが設けられている。なお、断熱筐体12には、前方の開口12Dを左右に仕切る柱状部材(いわゆるセンターピラー)は設けられていない。
機械室15は、断熱筐体12の上に設けられている。機械室15には、貯蔵室14の内部(庫内)の空気を冷却するための冷却ユニット20の一部と、冷却貯蔵庫10の各部を制御する制御装置50と、が配されている。機械室15と冷却室17とは、開口12Fによって連通可能とされているものの、この開口12Fには、断熱仕切板29が機械室15の側から嵌め込まれることで断熱的に封止できるようになっている。制御装置50は、図示しない外部電源に電気的に接続可能とされており、例えば冷却貯蔵庫10の各部には、制御装置50を介して電力が供給されるようになっている。
機械室15の前方には前面パネル15Aが設けられている。前面パネル15Aには開口が設けられており、この開口から操作パネル16が前面に露出するように取り付けられている。操作パネル16は、表示部(報知手段の一例)と、操作部と、外部温度センサ16Tと、を一体的に備えている。操作パネル16の表示部および操作部と、外部温度センサ16Tとは、制御装置50と電気的に接続されている。操作パネル16の表示部は、7セグメントディスプレイや液晶ディスプレイであってよく、冷却貯蔵庫10の各種情報を表示する。操作パネル16の表示部は、例えば、冷却貯蔵庫10の運転状態を示す情報(具体的には、後述する「冷却運転」、「除霜運転」、「強制除霜運転」等を表すコードや、文字、ユーザーインターフェース(User Interface:UI)を含む。)や、冷却貯蔵庫10の異常を示す情報、および後述する各温度センサ16T,22T,26により検出される温度等を表示することができるように構成されている。操作パネル16の操作部は、例えば、押しボタン式のスイッチや、静電容量式のタッチスイッチ等であってよく、制御装置50に対して冷却貯蔵庫10の運転条件や冷却貯蔵庫10の動作を指示することができるように構成されている。外部温度センサ16Tは、NTC(negative temperature coefficient)サーミスタを含み、冷却貯蔵庫10が置かれた外部環境の温度を計測できるように構成されている。
冷却ユニット20は、主として、貯蔵室14の空気を所定の冷却温度に冷却するための要素である。冷却ユニット20は、おおまかには、圧縮機21、凝縮器22、凝縮器ファン22A、凝縮器温度センサ22T、膨張弁23(図6参照)、蒸発器24、蒸発器ファン24A、冷媒を流通させる冷媒管25、冷却室温度センサ26、および除霜用ヒータ27を備えている。冷却ユニット20においては、圧縮機21、凝縮器22、膨張弁23、蒸発器24の間をこの順に冷媒管25で繋いで冷媒を循環させることで、既知の冷凍サイクルを構成している。冷却ユニット20のうち、圧縮機21、凝縮器22、凝縮器ファン22A、および凝縮器温度センサ22Tは、断熱仕切板29の上に載置されて、機械室15に配されている(換言すれば、外気に晒されている)。冷却ユニット20のうち、蒸発器24、蒸発器ファン24A、冷却室温度センサ26、除霜用ヒータ27、および膨張弁23は、断熱仕切板29の下方に設置されて、冷却室17に配されている。圧縮機21、凝縮器ファン22A、凝縮器温度センサ22T、膨張弁23、蒸発器ファン24A、冷却室温度センサ26、および除霜用ヒータ27はそれぞれ、制御装置50に電気的に接続されている。
冷却室ダクト18は、より詳細には、図5に示すように、後方に向かうにつれ下方に傾斜しており、前方に吸込口18Aが、後方に吹出口18Bが設けられている。吸込口18Aの上方には、蒸発器ファン24Aが設けられ、蒸発器ファン24Aの後方に、蒸発器24が設けられている。また、蒸発器24の前方には、冷却室温度センサ26が設けられている。後述する冷却運転において蒸発器ファン24Aが駆動すると、貯蔵室14の空気が吸込口18Aを通じて冷却室17に取り込まれる。冷却室温度センサ26は、冷却運転時には、この取り込まれた貯蔵室14の空気の温度を検知することができる。冷却室17に取り込まれた空気は、蒸発器24を通過しながら蒸発器24と熱交換することで冷却され、吹出口18Bを通じて貯蔵室14に戻される。これにより、貯蔵室14の空気を冷却することができる。冷却室温度センサ26は、例えばNTCサーミスタによって構成されている。
凝縮器温度センサ22Tは、凝縮器22の中心温度(凝縮器中心温度)を計測するセンサである。凝縮器温度センサ22Tは、冷媒を通す凝縮器管がつづら折り状に幾重にも折り曲げられて直方体形状に纏められている凝縮器22の長さ方向の中央付近に設置されている。凝縮器22には、後述する冷却運転において、圧縮機21から吐出される高温高圧の冷媒ガスが導入される。したがって、凝縮器温度センサ22Tによって冷却運転時の凝縮器中心温度を計測することにより、圧縮機21が冷媒ガスを吐出するときの運転状態を推測することができる。凝縮器温度センサ22Tは、例えばNTCサーミスタによって構成されている。
除霜用ヒータ27は、蒸発器24に付着した霜を加熱融解するための加熱手段である。除霜用ヒータ27は、例えばシーズヒータによって構成されており、蒸発器24の下方に配策されている。蒸発器24は、冷却運転において、膨張弁23によって減圧された低圧の冷媒液が周囲の熱を奪いながら気化するために、着霜することがある。そのため、除霜用ヒータ27は、後述する除霜運転において通電されることで発熱し、蒸発器24に付着した霜を融解する。融解した霜(水)は、蒸発器24から冷却室ダクト18に落下し、冷却室ダクト18によって断熱筐体12の背壁内部に設けられた排出管18Cを通じて、冷却貯蔵庫10の外部に排出される。
なお、冷却室温度センサ26は、除霜運転においては、蒸発器24の温度を計測するセンサとして機能する。除霜運転では、蒸発器ファン24Aを停止した状態で、除霜用ヒータ27によって蒸発器24が加熱される。したがって、冷却室温度センサ26は、蒸発器24の温度を計測することができる。冷却室温度センサ26は、蒸発器24が着霜を融解し得る除霜温度にまで加熱されているかどうかを把握することができる。冷却室温度センサ26は、より詳細には、冷媒を通す蒸発器管がつづら折り状に幾重にも折り曲げられて直方体形状に纏められている蒸発器24の、前方であって、左右方向の中央付近に設置されている。
扉13は、断熱筐体12の開口12Dを開閉する要素であり、開口12Dを扉13で覆うことによって貯蔵室14が構築されるとともに、貯蔵空間(以下、単に庫内という場合がある。)を外部から断熱できるようになっている。扉13は、上下に配される二組の観音開き式扉を備え、観音開き式扉はそれぞれ、左右一対の断熱扉13A,13Aと、第1封止部材13B,13Bと、第2封止部材13C,13Cと、を備えている。一対の断熱扉13A,13Aは、左右の外側の端部を揺動軸として揺動開閉できるように、断熱筐体12の開口12Dの縁部に取り付けられている。断熱扉13Aはそれぞれ、ステンレス鋼板製の外装材と合成樹脂製の内装材との間に、硬質発泡ポリウレタン等の発泡樹脂からなる断熱材が充填されることで構成されている。また、第1封止部材13Bおよび第2封止部材13Cはいずれも、閉扉時の貯蔵室14の気密性を高めるための要素であって、軟質な合成樹脂などの弾性材料によって構成されている。第1封止部材13Bは、断熱扉13Aを閉じたときに庫内側を向く背面の周縁部において、断熱筐体12および柱状部材12Eの開口縁部と対向する位置に配されており、断熱扉13Aと断熱筐体12との間を気密に封止する。第2封止部材13Cは、断熱扉13Aの側面であって、一対の断熱扉13A,13Aを閉じたときに他方の断熱扉13Aと対向する位置に配されており、左右の断熱扉13A,13Aの間を気密に封止する。
制御装置50は、図6に示すように、各種情報等を送受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(central processing unit:CPU)と、各種の情報を記憶する記憶部Mと、計時機能を有するタイマT等とを有するマイクロコンピュータによって構成されている。制御装置50は、1つまたは2つ以上のマイクロコンピュータによって構成されていてもよい。記憶部Mは、CPUが実行する制御プログラムを格納したROM(read only memory)と、制御プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、を含む。制御プログラムは、1つのプログラムから構成されていてもよいし、2つ以上のプログラムが組み合わされて構成されていてもよい。また、記憶部Mは、冷却貯蔵庫10の運転に必要となる各種の設定値を記憶することができる。
制御装置50は、上記のとおり、圧縮機21、凝縮器ファン22A、蒸発器ファン24A、除霜用ヒータ27、操作パネル16と電気的に接続されている。また、制御装置50は、センサとしての、外部温度センサ16T、凝縮器温度センサ22T、および冷却室温度センサ26と電気的に接続されている。制御装置50は、定期的、あるいは、必要なタイミングで、外部温度センサ16T,凝縮器温度センサ22T,および冷却室温度センサ26のそれぞれによって、環境温度,凝縮器中央温度,庫内温度、および蒸発器温度をモニタリング(検知)する。制御装置50は、定期的に、あるいは、必要なタイミングで、これらの温度センサ16T,22T,26によってモニタリング(検知)された温度に関する情報を、後述する送信部56を通じて、電気信号として情報処理装置100に送信するように構成されている。モニタリングとデータ送信とのタイミングは独立して任意に設定することができる。これに限定されるものではないが、本例では、例えば、各センサによって各物性値を1秒間隔で検知するとともに、検知結果に関する情報を検知時刻に関する情報とともに、検知するごとに、情報処理装置100に送信するようにしている。また、制御装置50は、本技術に係る異常検知システムにおいて必要な他の情報(例えば、冷却貯蔵庫10のID情報や、各センサ情報に対応する時刻情報など)を、送信部56を通じて、電気信号として情報処理装置100に送信するように構成されている。なお、冷却貯蔵庫10から情報処理装置100に送られた情報は、後述するデータベースDBに格納される。
制御装置50は、冷却貯蔵庫10に後述する冷却運転を実行させる第1制御部51と、冷却貯蔵庫10に後述する除霜運転を実行させる第2制御部52と、冷却貯蔵庫10に後述する強制除霜運転を実行させる第3制御部53と、後述する情報処理装置100からの情報を受信する受信部55と、冷却貯蔵庫10のセンサが取得した情報を送信する送信部56と、を備えている。制御装置50が備える各部は、リレー等の回路を含むハードウェアによって構成されていてもよいし、CPUが、冷却運転プログラム、除霜運転プログラム、強制除霜運転プログラム、送受信プログラム等のソフトウェアを実行することにより、機能的に実現されていてもよい。あるいは、これらの各部は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現されていてもよい。
次に、情報処理装置100の構成について説明する。情報処理装置100は、冷却貯蔵庫10の動作をモニタリングして、早い段階でモニタリング対象の冷却貯蔵庫10の故障を検知するための装置である。情報処理装置100は、例えば図1に示すように、冷却貯蔵庫10に有線または無線によって接続可能とされている。情報処理装置100は、冷却貯蔵庫10の他に、接続が許可されているパーソナルコンピューターや携帯型端末等の各種のコンピュータ60と有線または無線によって接続可能とされている。情報処理装置100は、例えば、エッジコンピュータや、クラウドサーバ等であってよい。
情報処理装置100は、各種情報等を送受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行するプロセッサPとしての中央演算処理装置(central processing unit:CPU)と、各種の情報を記憶する記憶部JMと、計時機能を有するタイマJT等とを有するマイクロコンピュータによって構成されている。情報処理装置100は、1つまたは2つ以上のマイクロコンピュータによって構成されていてもよい。記憶部JMは、CPUが実行する制御プログラムを格納したROM(read only memory)と、制御プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、を含む。制御プログラムは、1つのプログラムから構成されていてもよいし、2つ以上のプログラムが組み合わされて構成されていてもよい。また、記憶部JMは、付加的に、冷却貯蔵庫10から送信される測定データを記憶して保管するためのデータベースDBを備えている。
情報処理装置100は、第1取得部101と、第2取得部102と、判断部103と、第1出力部104と、第2出力部105と、を備えている。情報処理装置100が備える各部は、リレー等の回路を含むハードウェアによって構成されていてもよいし、CPUが、1または複数の制御プログラムを実行することにより、機能的に実現されていてもよい。あるいは、これらの各部は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現されていてもよい。
第1取得部101は、蒸発器24の温度をモニタリングする冷却室温度センサ26から、除霜後であって所定時間が経過したときの蒸発器24の温度である第1温度に関する情報を取得する。この情報は、冷却貯蔵庫10から送信されてデータベースDBに記憶されたものを取得してもよい。以下、情報処理装置100の各部が各種の情報を取得する場合についても同様である。
第2取得部102は、環境温度に関する情報と、圧縮機21の運転に関する情報と、を取得する。環境温度に関する情報は、冷却貯蔵庫10の環境温度をモニタリングする外部温度センサ16Tによって検知される、冷却貯蔵庫10の周辺の温度に対応する情報である。圧縮機21の運転に関する情報とは、圧縮機21の運転率を算出するのに必要な情報であり、例えば、圧縮機21を駆動させた時刻(ON時刻)と圧縮機21を停止させた時刻(OFF時刻)の組み合わせであってもよいし、冷却貯蔵庫10が実行する各冷却運転における、圧縮機21のON時間の積算、およびOFF積算時間であってもよいし、圧縮機21の運転率そのものを示す情報を含んでいてもよい。
判断部103は、第1取得部101が取得した上記の第1温度に関する情報に基づいて、冷却貯蔵庫10に異常があるかどうかを判断する。また、このように検知される冷却貯蔵庫10の異常は、封止部材13B,13Cの不具合か、圧縮機21の動作異常に基づくものとなり得る。そして判断部103は付加的に、冷却貯蔵庫10の異常が、封止部材13B,13Cの不具合に基づくものか、圧縮機21の動作異常に基づくものかを判断する要素である。具体的な判断手法については、後で詳しく説明する。
第1出力部104は、冷却貯蔵庫10に異常があると判断されたとき、異常を示す情報を生成して出力する。第1出力部104による異常を示す情報は、冷却貯蔵庫10に対して出力してもよいし、他のコンピュータ60に対して出力してもよいし、データベースDBに対して出力してもよいし、これらのいずれか1つ以上に出力してもよい。異常を示す情報としては、単に、冷却貯蔵庫10に何らかの異常があることを示す情報であってもよいし、蒸発器24に異常着霜があることを示す情報、封止部材13B,13Cに不具合があることを示す情報、圧縮機21に不具合があることを示す情報等であってよい。またこれらのいずれか1つ以上の情報の組み合わせであってよい。
第2出力部105は、判断部103によって冷却貯蔵庫10に異常着霜があると判断されたとき、冷却貯蔵庫10に対して、強制除霜運転を実行させる情報を出力する。
次に、冷却貯蔵庫10および情報処理装置100のそれぞれの動作について説明する。
[冷却貯蔵庫の冷却運転]
冷却貯蔵庫10において、第1制御部51は、図7に示すように、冷却ユニット20に冷却運転を実行させる。第1制御部51は、工程S11において、圧縮機21、凝縮器ファン22A、および蒸発器ファン24Aを駆動させる。このとき蒸発器ファン24Aが貯蔵室14の空気を冷却室17に導入するとともに、蒸発器24に送る。すると、送られた空気は、蒸発器24を通過する間に蒸発器24との間で熱交換することにより冷却され、貯蔵室14に戻される。これにより、貯蔵室14の空気が冷却される。なお、第1制御部51は、タイマTによって、この冷却運転において圧縮機21が動作した時間(ON時間)の計測を開始する。圧縮機21の動作時間(ON時間)に関する情報は、送信部56を介して、情報処理装置100に送られる。
第1制御部51は、工程S12に示すように、今回の冷却運転について、所定の冷却運転終了条件、換言すれば、除霜開始条件を満足するかどうかを判断する。そして、所定の除霜開始条件を満足する場合は、冷却運転を終了する(END)。一方、所定の除霜開始条件を満足していない場合は、工程S13に進む。除霜開始条件(冷却運転終了条件)は、適宜に決定できる。除霜開始条件は、「今回の冷却運転において、少なくとも一度は庫内温度が冷却下限温度に到達している」ことを含む。また、除霜開始条件は、例えば、「今回の冷却運転が開始されてから一定時間(一例として、6時間)が経過した」、「前回の除霜運転が終了してから一定時間(一例として、6時間)が経過した」、「予め設定されている時刻(一例として、営業終了時刻)に達した」、「使用者によって、冷却運転終了、あるいは除霜運転の開始、が指示された」こと等を含む。
第1制御部51は、工程S13において、冷却室温度センサ26によって、貯蔵室14の温度が所定の冷却下限温度に到達しているかどうかを判断する。貯蔵室14の温度が所定の冷却下限温度に到達していない場合は、再び工程S12に戻り、この冷却運転を継続する。一方で、貯蔵室14の温度が所定の冷却下限温度に到達している場合は、工程S14に進む。冷却下限温度は、例えば、冷却運転について設定される貯蔵室14の「冷却設定温度」よりも「2℃程度」低い温度(「冷却設定温度-2」℃)等とすることができる。
第1制御部51は、工程S14において、圧縮機21、および凝縮器ファン22Aの駆動を停止して、一旦冷却運転を停止し、再び冷却運転が必要となるまで待機する。また、第1制御部51は、この冷却運転において圧縮機21が動作した時間(ON時間)の計測を終了して、圧縮機21が停止している時間(OFF時間)の計測を開始する。第1制御部51は、タイマTによって計測されたこのON時間およびOFF時間に関する情報を、送信部56を通じて、電気信号として情報処理装置100に送信する。そして第1制御部51は、工程S15に進み、工程S12と同様に、今回の冷却運転について、所定の冷却運転終了条件、換言すれば、除霜開始条件を満足するかどうかを判断する。そして、所定の除霜開始条件を満足する場合は、冷却運転を終了する(END)。一方、所定の除霜開始条件を満足していない場合は、工程S16に進む。
第1制御部51は、工程S16において、冷却室温度センサ26によって、貯蔵室14の温度が所定の冷却上限温度に到達しているかどうかを判断する。貯蔵室14の温度が所定の冷却上限温度に到達していない場合は、再び工程S15に戻る。貯蔵室14の温度が所定の冷却上限温度に到達している場合は、再び冷却運転が必要となるため、圧縮機21が停止している時間(OFF時間)の計測を終了し、工程S11に進む。また、第1制御部51は、タイマTによって計測されたこのOFF時間に関する情報を、送信部56を通じて、電気信号として情報処理装置100に送信する。冷却上限温度は、例えば、冷却運転について設定される貯蔵室14の「冷却設定温度」よりも「1.7℃」高い温度(「冷却設定温度+1.7」℃)等とすることができる。
第1制御部51は、工程S12,S15において、所定の除霜開始条件を満足するまで、圧縮機の運転と停止と(工程S11~工程S16)を繰り返す。このとき、ON時間に関する情報とOFF時間に関する情報とは、送信部56を通じて情報処理装置100に送られる。そして、所定の除霜開始条件を満足した場合は、冷却運転を終了する(END)。これにより、一回の冷却運転が終了する。
[冷却貯蔵庫の除霜運転]
また、冷却ユニット20が冷却運転を実行すると、貯蔵室14の空気に含まれる水蒸気が蒸発器24によって冷却されて、蒸発器24の表面に霜となって付着し得る。したがって、冷却貯蔵庫10の第2制御部52は、蒸発器24に付着した霜を取り除くために、図8に示すように、冷却ユニット20に除霜運転を実行させる。
より具体的には、第2制御部52は、工程S21において、圧縮機21、凝縮器ファン22A、および蒸発器ファン24Aを停止させた状態で、除霜用ヒータ27に通電する。これにより、除霜用ヒータ27が発熱し、その熱伝導によって蒸発器24および霜が加熱されて、蒸発器24に付着した霜が融解される。この除霜運転において、第2制御部52は、タイマTによって、今回の除霜運転における除霜用ヒータ27への通電時間(以下、単に「除霜時間」という場合がある。)の計測を開始する。
第2制御部52は、工程S22において、冷却室温度センサ26によって計測される冷却室17の温度が、予め設定された除霜温度に到達しているかどうかを判断する。冷却室17の温度が所定の除霜温度に到達していない場合は、除霜を継続し、到達している場合は、工程S23に進む。除霜温度は、霜を融解することができる温度として決定することができ、例えば、冷却運転における「冷却設定温度」(すなわち、貯蔵室14の冷却温度)を考慮して決定することができる。一例として、冷却設定温度が-15~-20℃程度の場合は、除霜温度を13~20℃程度の温度(例えば13℃)とすることができ、冷却設定温度が3~5℃程度の場合は、除霜温度を30~35℃程度の温度(例えば30℃)とすることができる。
第2制御部52は、工程S23において、除霜用ヒータ27への通電を停止するとともに、タイマTによる今回の除霜運転における除霜時間の計測を終了する。そして第2制御部52は、計測された今回の除霜運転における除霜時間を、送信部56を通じて情報処理装置100に送信する。なお、本発明者らの検討によると、除霜時間は、除霜運転を実行する時刻や季節等に影響を受け難く、個々の冷却貯蔵庫10ごとに安定した値となり得る。したがって、情報処理装置100への除霜時間の送信に際して、必ずしも環境温度を紐づける必要はない。
除霜運転により霜が融解されることで生じる融解水は、冷却室ダクト18によって受けられて、背壁の内部に設けられた排出管18Cに送られることで、冷却貯蔵庫本体11の外部に排出される。この融解水が排出されないうちに次回の冷却運転が始まると、融解水が冷却室ダクト18上で氷結し、冷却運転の熱交換効率を低下させてしまう。そこで、第2制御部52は、工程S23および工程S24において、融解水を庫外に排出するために所定の時間だけ待機する。この待機のことを、以下、「水切り」という。工程S23において第2制御部52は、タイマTによって、水切りの時間(以下、「水切り時間」という場合がある。)の計測を開始する。
そして第2制御部52は、工程S24において、タイマTによって計測される水切り時間が、予め設定された水切り終了時間に到達しているかどうかを判断する。水切り終了時間に到達していない場合は、工程S24において水切りを継続する。一方、水切り時間が、予め設定された水切り終了時間に到達している場合は、工程S25に進む。水切り終了時間は、冷却室ダクト18の大きさ等に応じて適宜設定することができ、例えば、5.5分間や、10分間などとすることができる。
第2制御部52は、工程S25において、冷却室温度センサ26によって、除霜運転後(すなわち、除霜後であって、所定の水切り時間が経過したとき)の蒸発器24の温度である第1温度を計測する。冷却室温度センサ26は、除霜用ヒータ27の通電時には、除霜用ヒータ27からの発熱によって暖められた冷却室17の温度を計測する。しかしながら、除霜用ヒータ27の通電を停止してから水切り時間が経過するタイミングにおいては、冷却室温度センサ26によって計測される温度は、除霜温度よりも低下してゆく冷却室17の温度となり、さらに、この温度は、水切り終了時間には、冷却室温度センサ26のすぐ後方に配される蒸発器24の温度を反映したものとなり得る。第1温度に関する情報は、送信部56を通じて情報処理装置100に送られる。第2制御部52は、第1温度の計測を終えると、除霜運転を終了する(END)。これにより、一回の除霜運転が終了する。
[情報処理装置による封止部材の評価工程]
冷却貯蔵庫10によって以上の冷却運転および除霜運転が終了すると、情報処理装置100は、冷却貯蔵庫10から送られた情報を基に、プロセッサPによって、図9に示す封止部材の評価を実行する。これにより、冷却貯蔵庫10に異常があるかどうかを判断するとともに、封止部材の評価を行う。
具体的には、第1取得部101は、工程S31において、データベースDBに記憶された情報の中から、水切り後(すなわち、除霜後であって、所定の水切り時間が経過したとき)の蒸発器24の温度である「第1温度」に関する情報を取得する。
判断部103は、工程S32において、取得した情報に基づいて、第1温度が正常温度範囲にあるかどうかを判断する。本発明者らの検討によると、この第1温度は、除霜運転を実行する時刻や季節等に影響を受けにくく、個々の冷却貯蔵庫10ごとにその除霜温度に対応した安定した値をとり得る。つまり、蒸発器24に過剰な着霜が生じていないときは、着霜は上記の除霜運転によって全て融解されて、第1温度は、冷却貯蔵庫10ごとにある特定の温度範囲に安定して収まり得る。しかしながら、蒸発器24に過剰な着霜が生じているときは、上記の除霜運転によって全ての着霜が融解しきれず、第1温度は、この特定の温度範囲から外れて低くなったり高くなったりし得る。したがって、第1温度が正常温度範囲にあるかどうかは、例えば、冷却ユニット20が正常に運転されている(換言すれば、蒸発器24の着霜が正常状態にある)ときの第1温度の目安(以下、「除霜目安温度」という場合がある。)から、有意に外れていないかどうかによって判断することができる。
第1温度がその正常温度範囲の下限よりも低い場合、換言すると、除霜目安温度よりも有意に低い場合は、先の除霜用ヒータ27による除霜によって、蒸発器24に付着した霜が融解しきれず、なお蒸発器24を冷却している状態にあると考えることができる。そして第1温度がその正常温度範囲の上限よりも高い場合、換言すると、除霜目安温度よりも有意に高い場合は、先の除霜用ヒータ27による除霜によってもなお、蒸発器24には過剰な霜が付着しており、この過剰な霜がかまくらのような保温効果を発揮して、蒸発器24の霜は融解しないものの除霜用ヒータ27の熱を保温している状態にあると考えることができる。この第1温度についての判断に係る除霜目安温度としては、例えば、冷却ユニット20が正常に運転されているときの第1温度の平均値(本技術の第2温度に相当する)を採用することができる。また、正常温度範囲としては、除霜目安温度(上記第1温度の平均値)から有意に外れていないと判断できる範囲、例えば、上記第1温度の平均値から所定温度(一例として、±2K)を超えない範囲、とすることができる。
なお、本技術において、「第1温度の平均値」としては、例えば、冷却貯蔵庫10が正常に運転されているときの第1温度の算術平均値を採用することができる。ここで、平均値を得るための第1温度の測定期間としては、例えば、冷却貯蔵庫10の使用開始から1か月間、1年間等のある程度信頼性のおける第1温度の平均値を取得できる期間とすることができる。なお、第1温度の測定値には、異常着霜時のほか、意図しない測定値の乱れ(例えば、冷却貯蔵庫10の扉31の開閉による影響等)が生じる場合がある。したがって、第1温度の平均値の算出に当たっては、正常温度範囲から外れる測定値を除外して平均値を算出するとよい。例えば、まず、予め取得した当該期間の第1温度の算術平均値から、所定温度(例えば、±2K)を超える値を異常値として除外し、残りの第1温度に基づいて算出された算術平均値を第1温度の平均値(除霜目安温度)として採用するとよい。
工程S32において、第1温度が正常温度範囲にある場合は、工程S38に進み、冷却貯蔵庫10に異常がないと判断することができる。一方で、工程S32において、第1温度が正常温度範囲にない場合は、冷却貯蔵庫10に異常があると考えられるため、工程S33に進み、冷却貯蔵庫10に上記の冷却運転を実行させる。この冷却運転は、冷却貯蔵庫10の異常が、封止部材13B,13Cの不具合に起因するものか、圧縮機21の不具合に起因するものかを判断するための運転である。プロセッサPは、例えば、冷却貯蔵庫10に対し、冷却運転を実行する指示を出力することができる。
また、判断部103は、工程S34において、データベースDBに格納された、この冷却運転(工程S33)における、凝縮器温度センサ22Tによって測定される凝縮器中央温度と、そのとき外部温度センサ16Tによって測定される環境温度と、に関する情報を取得する。そして判断部103は、工程S35において、取得したこれらの温度について、次の関係:環境温度<凝縮器中央温度;が満たされるかどうかを判断する。なお、この関係式における「環境温度」および「凝縮器中央温度」としては、この冷却運転(工程S33)における環境温度の算術平均値と、凝縮器中央温度の算術平均値と、を採用するとよい。圧縮機21は、冷媒ガスを高温高圧に圧縮して凝縮器22に送ることから、冷却運転においては通常、上記関係が満たされる。したがって、上記関係が満たされない場合は、高温高圧に圧縮した冷媒ガスが凝縮器22に送られていないとして、工程S41に進み、圧縮機21に異常があると判断することができる。一方で、工程S35において、上記関係が満たされる場合は、圧縮機21には異常がないと判断されるため、工程S36に進み、封止部材13B,13Cに異常があるかどうかを確認する。
そして第2取得部102は、工程S36において、データベースDBに格納された、直近の冷却運転(工程S33)における環境温度に関する情報と、圧縮機21の動作に関する情報と、を取得する。そして判断部103は、工程S37において、第2取得部102が取得した工程S33の冷却運転における圧縮機21の運転率が、適正範囲かどうかを判断する。
ここで圧縮機21の動作に関する情報としては、上記のとおりデータベースDBに記憶された、圧縮機の動作時間(ON時間)に関する情報と、圧縮機の停止時間(OFF時間)に関する情報と、が挙げられる。このような圧縮機21の動作に関する情報から、判断部103は、圧縮機の運転率を算出することができる。なお、圧縮機の運転率とは、一回の冷却運転において、圧縮機21が動作した時間(ON時間の積算)および圧縮機21が動作を停止した時間(OFF時間の積算)の合計に対する、圧縮機21が動作した時間(ON時間の積算)の割合である。運転率は、例えば次式:運転率(%)=ON積算時間/(ON積算時間+OFF積算時間)×100;に基づいて算出することができる。
また圧縮機21の運転率が適正範囲にあるかどうかについては、以下のとおり評価することができる。すなわち、環境温度と、圧縮機21の運転率との間には、冷却貯蔵庫10ごとにある程度の相関がみられ、例えば図11に示すように、環境温度が高いほど圧縮機の運転率は高くなる。したがって、プロセッサPは、予め、冷却貯蔵庫10ごとに、冷却運転が正常に行われているときの環境温度と圧縮機の運転率との情報から、環境温度と圧縮機の運転率との適切な相関関係を示すテーブル(圧縮機動作テーブル)を作成して記憶部JMに記憶する。圧縮機動作テーブルは、例えば図11に示すように、冷却運転時の環境温度の平均値(すなわち平均温度)の温度範囲と、環境温度の平均値が当該温度範囲に該当するときの圧縮機の運転率についての平均値と、の関係として表すことができる。そしてこの圧縮機動作テーブルに基づいて、工程S33の冷却運転における圧縮機21の運転率が、その時の環境温度との関係から視て適正範囲かどうか、を判断することができる。なお、冷却運転が正常に行われているときの環境温度と圧縮機の運転率との情報は、例えば、使用開始直後や、メンテナンス直後の冷却貯蔵庫10から取得することができる。圧縮機動作テーブルを作成するための情報を取得する期間は、ある程度の信頼性のおける情報を取得できる期間とすることができ、例えば、当該冷却貯蔵庫10の設置環境によって、温度変化の比較的少ない環境であれば1か月間程度、温度変化の比較的多い環境であれば1年間程度、などとすることができる。また、圧縮機の運転率に紐づける環境温度としては、例えば、当該冷却運転において外部温度センサ16Tが計測する環境温度の算術平均値とすることができる。
ここで、冷却運転時の圧縮機動作テーブルの作成と併せて、プロセッサPは、冷却運転が正常に行われているときの、除霜運転後の冷却運転によって冷却設定温度に到達するまでの冷却目安時間を計測することができる。冷却目安時間は、後述する冷却貯蔵庫10の強制除霜運転において使用する指標であり、除霜運転後の冷却運転において庫内を第1温度から冷却設定温度に冷却するのに要する平均的な時間を示すものである。冷却目安時間は、環境温度に依存する。冷却目安時間は、例えば図11に示すように、所定の環境温度の範囲ごとに、除霜運転後の正常な冷却運転において、冷却運転の開始から、冷却室温度センサ26によって計測される貯蔵室14の温度が所定の冷却下限温度(冷却設定温度であってもよい。)に到達するまでの時間について、算術平均した値とすることができる。なお、この冷却下限温度に到達するまでの時間の測定には、意図しない測定値の乱れ(例えば、冷却貯蔵庫10の扉31の開閉による影響等)が生じる場合がある。したがって、この冷却下限温度に到達するまでの時間の算術平均値の算出に当たっては、正常な冷却時間範囲から外れる測定値を除外して平均値を算出するとよい。例えば、まず、予め取得した当該冷却時間の算術平均値から、所定時間(例えば、+2分間)を超える値を異常値として除外し、残りの冷却時間に基づいて算出された算術平均値を、冷却目安時間として採用するとよい。計測された冷却目安時間は、対応する環境温度の範囲と紐づけられて、例えば、記憶部JMに記憶される。また、環境温度の範囲とその冷却目安時間との関係は、例えば、第2出力部105によって冷却貯蔵庫10に出力されて、冷却貯蔵庫10の記憶部Mに記憶されてもよい。
なお、プロセッサPは、例えば、圧縮機動作テーブルを作成するためのテーブル作成プログラムや、冷却目安時間を算出するための冷却目安時間算出プログラムを記憶部JMに記憶しており、このテーブル作成プログラムを実行することにより、圧縮機動作テーブルを作成したり、冷却目安時間を算出するように構成されていてもよい。
なお、封止部材13B,13Cに不具合があるときは庫内の空気が冷却されにくく、圧縮機の運転率は、通常よりも有意に高くなり得る。したがって、運転率が適正範囲にあるかどうかは、例えば、工程S33の冷却運転における圧縮機の運転率が、圧縮機動作テーブルにおける、工程S33の冷却運転における環境温度に対応する運転率の平均値に対し、所定の許容範囲(例えば+10%程度の範囲、換言すれば、平均値の110%以下)にあるかどうかで判断するとよい。ここで、圧縮機21の運転率が適正範囲にない場合は、封止部材13B,13Cの不具合によって庫内の空気が冷却されにくく、圧縮機21の運転率が過剰になっていると判断することができる。
冷却運転における圧縮機の運転率が適正範囲にない場合は、工程S39に進み、判断部103は、冷却貯蔵庫10の異常が、封止部材13B,13Cに起因するものであると判断する。一方、冷却運転における圧縮機の運転率が適正範囲にある場合は、工程S40に進み、判断部103は、第1温度の測定に予期しないばらつきがあったとして、冷却貯蔵庫10に異常はないと判断する。判断部103は、例えば、図9の工程S38~S41で行った4通りの判断結果を記憶部JMに記憶することができる。これにより、封止部材の評価が終了する。
以上の封止部材の評価工程において、判断部103は、工程S38~S41に示す4通りの判断を行う。ここで、封止部材の評価工程において工程S38,S40の判断がなされることは、図2の異常検知方法の工程S104においてNOと判断することに相当し、工程S105に進む。そして、封止部材の評価工程における工程S38の判断は、異常検知方法における工程S105でAと判断したことに相当し、工程S101の冷却運転に戻る。また、封止部材の評価工程における工程S40の判断は、異常検知方法における工程S105でBと判断したことに相当し、工程S102の除霜運転に戻る。
一方で、封止部材の評価工程において工程S39,S41の判断がなされることは、図2の異常検知方法の工程S104においてYESと判断したことに相当し、工程S106に進む。そして、封止部材の評価工程における工程S39の判断は、異常検知方法における工程S106でYESと判断したことに相当し、第1出力部104は、工程S107において、封止部材の異常を示す情報を出力する。出力先は、例えば、冷却貯蔵庫10や他のコンピュータ60とすることができる。封止部材の評価工程における工程S41の判断は、異常検知方法における工程S106でNOと判断したことに相当し、第1出力部104は、工程S108において、圧縮機21の異常を示す情報を出力する。出力先は、例えば、冷却貯蔵庫10や他のコンピュータ60とすることができる。
[冷却貯蔵庫の強制除霜運転]
なお、封止部材13B,13Cに不具合が発生して蒸発器24に過剰な霜が付着すると、情報処理装置100は、上述の封止部材の評価において、封止部材13B,13Cに異常があると判断する。蒸発器24に付着した過剰な霜は、上記の除霜運転では融解しきれない事態が生じ得る。そこで封止部材13B,13Cに異常があると判断したとき、第2出力部105は、冷却貯蔵庫10に対して、強制除霜運転を実行させる指示(情報)を出力することができる。そして冷却貯蔵庫10の第3制御部53は、情報処理装置100からの指示を受けて、図10に示すように、冷却ユニット20に強制除霜運転を実行させる。強制除霜運転は、蒸発器24に付着した過剰な霜を確実に融解するための運転であり、情報処理装置100と適宜通信しながら実行することができる。
具体的には、第3制御部53は、工程S51において、冷却ユニット20に上記の除霜運転(図8参照)を実行させる。除霜運転における除霜温度、水切り終了時間は、上記の除霜運転と同様であってよい。
除霜運転が終了すると、第3制御部53は、工程S52において、冷却ユニット20に上記の冷却運転を開始させる。そして、第3制御部53は、タイマTによって、この冷却運転の開始からの時間の計測を開始する。また、第3制御部53は、冷却室温度センサ26によって、貯蔵室14の温度(庫内温度)のモニタリング(監視)を開始する。
また、第3制御部53は、工程S53において、外部温度センサ16Tによって環境温度を測定するとともに、記憶部JMに記憶されている環境温度と冷却目安時間との関係テーブルから、当該環境温度に対応する冷却目安時間を取得する。
そして第3制御部53は、工程S54において、この冷却運転において冷却室温度センサ26によって計測される庫内温度が冷却設定温度に到達したかどうかを判断する。貯蔵室14の温度が所定の冷却設定温度に到達していない場合は、工程S55に進み、到達している場合は、工程S56に進む。なお、この冷却運転は、次工程である除霜運転を十分に実行するための操作であるため、工程S54における判断基準は、「冷却設定温度」に代えて、「冷却下限温度」や「冷却上限温度」等の他の温度を採用してもよい。
第3制御部53は、工程S55において、タイマTによって計測されるこの冷却運転の開始からの時間(冷却時間)が、上記の冷却目安時間を超過したかどうかを判断する。冷却時間が冷却目安時間を超過していない場合は、工程S54に戻り、超過している場合は、工程S56に進む。なお、冷却貯蔵庫10において、万一、蒸発器24に過剰な着霜が生じていると、熱交換効率が低下してしまい、冷却設定温度までの冷却に不当に長い時間を要してしまう。このような場合は、冷却室温度センサ26によって計測される庫内温度が冷却設定温度に至らなくても、冷却時間が冷却目安時間に達していれば、蒸発器24周辺の温度が十分に低く、融解すべき霜が蒸発器24に十分付着していると考えられる。そのため、更なる冷却運転は不要であると判断することができる。したがって、第3制御部53は、工程S56に進み、冷却運転を終了する。
次いで、第3制御部53は、工程S57において、冷却ユニット20に再び、上記の除霜運転を実行させる(図8参照)。この除霜運転において、第3制御部53は、タイマTによって除霜運転のうち、除霜に要する時間(除霜用ヒータ27への通電時間)を計測する。除霜運転が終了すると、第3制御部53は、工程S58において、この除霜運転において計測される除霜時間(通電時間)が、適正であるかどうかを判断する。除霜時間は、蒸発器24に過剰な着霜が生じていないときは、冷却貯蔵庫10ごとに、ある程度の範囲に収まり得るものの、蒸発器24に過剰な着霜が生じているときは、顕著に長大化し得る。したがって、除霜時間が適正であるかどうかは、例えば、冷却ユニット20が正常に運転されているときに、冷却設定温度から除霜温度にまで冷却室17の温度を冷却するために要する目安の時間(以下、「除霜目安時間)という場合がある。)から、有意に長大化していないかどうかによって判断することができる。本発明者らの検討によると、様々なタイプの冷却貯蔵庫について除霜時間をモニタリングすると、個々の冷却貯蔵庫ごとに、除霜時間には数分程度のばらつきがみられるものの、除霜時間が平均より約10分間を超えて長い場合は、概ね過剰な着霜が生じていることが確認されている。したがって、除霜目安時間としては、例えば、所定の期間(例えば、過去1か月間や、過去1年間)の除霜時間の平均値から10分間を超えない長さとすることができる。除霜時間の平均値の算出に当たっては、まず、所定の期間の除霜時間の算術平均値から、10分間を超える除霜時間を異常値として除外してから、再度算術平均値を算出するとよい。そして、除霜時間が適正でない場合は、蒸発器24に融解されていない霜が残存していると考えられるため、工程S52~工程S56の冷却運転と、工程S57の除霜運転と、を繰り返す。除霜時間が適正である場合は、蒸発器24の着霜が全て融解されたと考えられるため、強制除霜運転を終了する(END)。
以上の異常検知システム1によると、情報処理装置100は、モニタリング対象の冷却貯蔵庫10について、除霜後であって所定の水切り時間が経過したときの蒸発器24の温度である第1温度に基づき、冷却貯蔵庫10の異常の有無を検知することができる。例えば、情報処理装置100の判断部103は、この第1温度が、蒸発器24に正常に着霜しているときの除霜後であって、所定時間が経過したときの蒸発器24の適正温度範囲から外れたときに、冷却貯蔵庫10に異常着霜があると判断することができる。この第1温度は、季節や昼夜の環境温度に大きく左右されることなく、安定して、直接的に測定できる温度である。したがって、この第1温度を測定数という簡単な手法によって冷却貯蔵庫の異常を検知する、新しい方法が提供される。このことは、異常を有する冷却貯蔵庫の早い段階でのメンテナンスを可能とし、消費電力の無駄を低減した冷却貯蔵庫の運転を可能とする。
また、上記構成の情報処理装置100によると、圧縮機21の運転率に基づいて、冷却貯蔵庫10の上記の異常が、封止部材13B,13Cによるものか、圧縮機21によるものかを判断することができる。これにより、より確実に、冷却貯蔵庫10の異常の原因を特定することができ、早い段階で適切な対処をすることができる。
また、上記構成の情報処理装置100は、異常着霜を検知したときに、モニタリング対象の冷却貯蔵庫10に対して自動的に強制除霜運転を実行させる指示を送ることができる。また、冷却貯蔵庫10は、冷却貯蔵庫10の異常が封止部材13B,13Cによるものと判断されたとき、過剰な着霜を融解するための強制除霜運転を自動的に実行する構成を備えている。これにより、早い段階で冷却貯蔵庫10の更なる過着霜を防止しつつ、蒸発器の異常着霜を解消することができる。その結果、冷却貯蔵庫10の運転を完全に停止して実施するような大掛かりなメンテナンスを回避することができる。また、異常着霜によって低下していた蒸発器24における熱交換効率を回復させることができ、冷却貯蔵庫10の冷却運転を消費電力量を抑えて実行させることができる。
上記構成の冷却貯蔵庫10は、強制除霜運転を実行したとき、蒸発器24の霜が完全に溶融されるまで冷却ステップと加熱ステップとを繰り返す構成を備えている。また、冷却ステップにおいては、蒸発器24の熱交換効率が低下している場合は、適切な時間で冷却ステップを打ち切ることができる構成を備えている。これにより、異常な着霜を、完全に、かつより短時間で解消することができ、低下していた蒸発器24における熱交換効率を好適に回復させることができる。
<他の実施形態>
本技術は、上記の実施形態に開示された例に限定されるものではなく、例えば、以下の態様も本技術範囲に含まれる。また、本技術は、その本質から逸脱しない範囲において種々変更された態様で実施することができる。
(1)上記実施形態において冷却貯蔵庫10は、左右一対の観音扉を備えたセンターピラーレス型の冷却貯蔵庫であった。しかしながら冷却貯蔵庫10の構成はこれに限定されない。冷却貯蔵庫10は、断熱筐体12の前方の開口12Dを上下に仕切る柱状部材12Eが備えられておらず、上下一対の扉の間に、これらの一対の扉の隙間を封止する封止部材(第2封止部材)が備えられているものであってよい。また、冷却貯蔵庫10は、扉13の背面の四方の周縁が全て断熱筐体12(および柱状部材12E)と対向されており、封止部材は、扉13と断熱筐体12(および柱状部材12E)との間を封止する封止部材(第1封止部材)のみが備えられる構成のものであってよい。
(2)また上記実施形態では、冷却貯蔵庫10の制御装置50にI/F,受信部55,および送信部56が備えられ、これらのI/F,受信部55,および送信部56の機能を利用して情報処理装置100との間で情報を送受信するようにしていた。しかしながら、冷却貯蔵庫10は、例えば付加的にデータ通信装置を備えており、データ通信装置を介して情報処理装置100との間で情報を送受信するように構成されていてもよい。データ通信装置は、例えば、無線親機と、無線子機と、を備えている。また、無線親機と無線子機とは互いにデータ送信のための無線通信が可能な構成を備えるとともに、無線子機は制御装置50との間で有線通信が可能な構成を備え、無線親機は情報処理装置100との間で無線通信が可能な構成を備えている。このような構成によると、外部機器との通信機能を備えていない冷却貯蔵庫10に対してデータ通信システムを備えることで、本技術に係る異常検知システムによって異常を検知することができる。データ通信システムとしては、例えば、特定小電力無線、簡易無線、および構内無線等のいずれかの無線通信が可能なものであってよく、例えば、IEEE(米国電気電子学会)で標準規格として規定される周波数の電波や、電波法施行規則第6条第1項、同条第3項、同条第4項第1~4号(特に、第2号、第4号)等に規定される電波を使用するデータ通信システム(一例として、Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network、IEEE802.15.4g)対応機器)が挙げられる。
(3)上記実施形態では、除霜目安温度として、冷却貯蔵庫の使用開始からの所定の期間における第1温度の平均値を採用していた。しかしながら、この第1温度の平均値は、使用開始からの所定の期間における平均値に限定されず、適宜更新するようにしてもよい。更新のタイミングは、随時(一例として、サンプリング時間ごと)であってもよいし、所定の期間ごとであってもよいし、メンテナンス後(メンテナンス後の所定期間の平均値とする)であってもよい。このように平均値を更新することで、冷却貯蔵庫10の経年劣化による第1温度への影響を加味することができ、より正確な異常検知を実施することができる。
(4)上記実施形態において第1制御部51は、冷却運転時の圧縮機の運転率を算出するために、タイマTによって、圧縮機21が動作している時間(ON時間)と圧縮機21が停止している時間(OFF時間)を計測していた。しかしながら、タイマTによって計測する圧縮機の運転に関する情報は、圧縮機の運転率が算出できる範囲において、これに限定されない。例えば、第1制御部51は、圧縮機の運転率に関する情報として、圧縮機が運転を開始したON時刻と、圧縮機が運転を停止したOFF時刻と、冷却運転終了時(除霜開始条件を満足したとき)と、に関する情報を取得するようにしてもよい。この場合、各時刻の間隔から、積算ON時間および積算OFF時間を算出することができる。また、例えば、第1制御部51は、圧縮機の運転率に関する情報として、圧縮率が運転をしているか停止しているかを所定の計測周期で示す情報を取得してもよい。この場合、圧縮率が運転または停止をしていることを示す情報を受け取るたびに、所定の計測周期を積算することで、積算ON時間および積算OFF時間を算出することができる。
(5)上記実施形態では、冷却貯蔵庫10の冷却運転時の圧縮機21の運転率は、冷却貯蔵庫10が情報処理装置100に送信した圧縮機の運転に関する情報に基づいて、情報処理装置100が算出するようにしていた。しかしながら、この圧縮機21の運転率は、冷却貯蔵庫10が取得した情報に基づいて冷却貯蔵庫10の制御装置50が算出し、算出された圧縮機21の運転率に関する情報を情報処理装置100に送信し、情報処理装置100は送信された圧縮機21の運転に関する情報として運転率に関する情報を用いる構成であってもよい。情報処理装置100に送信された圧縮機21の運転率に関する情報は、例えば、情報処理装置100のデータベースDBに記憶される。冷却貯蔵庫10が算出した圧縮機21の運転率に関する情報は、冷却貯蔵庫10の記憶部Mにも記憶されていてよい。
(6)上記実施形態では、情報処理装置100が、冷却貯蔵庫10から受信したデータをもとに圧縮機動作テーブルを作成し、冷却目安時間を算出していた。しかしながら、圧縮機動作テーブルおよび冷却目安時間は、例えば、当該冷却貯蔵庫の構造、設置場所、使用態様に応じて予め用意された、圧縮機動作テーブルテンプレートを用いてもよい。この圧縮機動作テーブルテンプレートは、冷却貯蔵庫10の製造時または販売時等に、予め記憶部Mおよび記憶部JMに記憶されていてもよいし、ユーザがインターネット等を通じて取得できるように構成されていてもよい。
(7)上記実施形態において、除霜目安時間は、冷却貯蔵庫10が実際に計測した除霜運転時の除霜時間に基づいて、冷却貯蔵庫10の制御装置50が算出するようにしていた。しかしながら、除霜目安時間は、冷却貯蔵庫10が実際に計測した除霜時間を情報処理装置100に送信し、送信されたデータをもとに情報処理装置100が算出して、冷却貯蔵庫10に送信するようにしてもよい。送信された除霜目安時間は、冷却貯蔵庫10の記憶部Mに記憶される。
(8)上記実施形態において、他のコンピュータ60の所有者は特に限定されず、冷却貯蔵庫10のユーザであってもよいし、冷却貯蔵庫10の保守・メンテナンスを行うサービスマンであってもよいし、異常検知システム1を管理する管理者等であってもよい。
(9)上記実施形態において異常を報知する手法については特に制限されない。例えば、冷却貯蔵庫10の表示部に封止部材または圧縮機の異常を示すエラーメッセージが表示されてもよいし、冷却貯蔵庫10が発光手段や発音手段を備える場合、異常を示す光,音等によるエラーメッセージが出力されてもよい。また、情報処理装置100から他のコンピュータ60に対して異常を知らせる電子メールやメッセージが送信されてもよいし、ユーザやサービスマン,管理者等に電話でメッセージが発信されてもよい。
(10)上記実施形態において、情報処理装置100は、冷却貯蔵庫10に関する情報を管理する管理サーバであって、外部システム連携用のAPI(Application Programming Interface)を通じたインターネット経由で、他のコンピュータ60に対し、管理情報を分析するためのソフトウェア(典型的には、SaaS:Software as a Service)を提供できるように構成されていていてもよい。この場合、異常の報知は、管理情報を分析するためのソフトウェアによって実行されるように構成されていてもよい。また、管理情報を分析するためのソフトウェアは、情報処理装置100から封止部材の異常を示す信号を受け取ったとき、庫内温度の経時変化を示すグラフの確認を促すメッセージ等を表示するように構成されていてもよい。また、管理情報を分析するためのソフトウェアは、情報処理装置100から冷却貯蔵庫10の異常を示す信号を頻繁に(例えば、2週間で2回以上)受け取ったとき、封止部材に不具合が生じている可能性が高いため、封止部材のメンテナンスを実行するまで定期的に異常を報知するように構成されていてもよい。
(11)また情報処理装置100は、冷却貯蔵庫10から送られた情報をもとに、他のコンピュータ60に対して異常を知らせる電子メールやメッセージが送信されてもよいし、ユーザやサービスマン,管理者等に電話でメッセージが発信されてもよい。
(12)上記実施形態において、強制除霜運転は必須の工程ではなく、過剰な着霜が生じていると判断されたときに、選択的に実施することができる。また、上記実施形態における冷却貯蔵庫10の冷却運転、除霜運転、および強制除霜運転の内容は例示にすぎず、本技術の本質を損ねない範囲において、改変したり、その他の様々な運転方法を採用することができる。
(13)上記異常検知システム1においては、1つの情報処理装置100に対し、1つの冷却貯蔵庫10のみが通信可能に接続されていた。しかしながら、1つの情報処理装置100に対し、複数の冷却貯蔵庫10が通信可能に接続されていてもよい。また、上記異常検知システム1においては、1つの他のコンピュータ60に対し、1つの冷却貯蔵庫10についての異常に関する情報が出力されている。しかしながら、1つの他のコンピュータ60に対し、複数の冷却貯蔵庫10についての異常に関する情報が出力されるように構成されていてもよい。
(14)情報処理装置100は、プロセッサとしてCPUを備えるコンピュータであった。しかしながら、情報処理装置100は、プロセッサとして、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含むものであってよく、集積回路(Integrated Circuit:IC)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各処理を実行するものであってよい。
(15)なお、本技術において、コンピュータプログラムは、当該コンピュータプログラムを記録した非一時的可読媒体(Non-transitory Computer Readable Medium:N-CRM)の形で実現されてもよい。
1…異常検知システム、10…冷却貯蔵庫、12…断熱筐体、12D…開口、13…扉、13B…第1封止部材、13C…第2封止部材、14…貯蔵室、16…操作パネル、17…冷却室、20…冷却ユニット、21…圧縮機、22…凝縮器、24…蒸発器、24A…蒸発器ファン、27…除霜用ヒータ、50…制御装置、60…他のコンピュータ、100…情報処理装置、101…第1取得部、102…第2取得部、103…判断部、104…第1出力部、105…第2出力部、16T…外部温度センサ、22T…凝縮器温度センサ、26…冷却室温度センサ

Claims (13)

  1. 貯蔵室の空気を冷却室に取り込み、冷却器によって冷却したのち前記貯蔵室に戻す冷却運転を実行する手段と、
    前記冷却器を加熱して前記冷却器に付着した霜を融解させる除霜運転を実行する手段と、
    を備える冷却貯蔵庫の異常を検知する情報処理装置であって、
    前記冷却器の温度をモニタリングするセンサから、除霜後であって所定時間が経過したときの前記冷却器の温度である第1温度に関する情報を取得する第1取得部と、
    取得した前記情報に基づいて、前記冷却貯蔵庫に異常があるかどうかを判断する判断部と、
    前記判断部によって前記冷却貯蔵庫に異常があると判断されたとき、異常を示す情報を出力する第1出力部と、
    を備える、情報処理装置。
  2. 前記判断部は、前記第1温度が、前記冷却器に正常に着霜しているときの、前記除霜後であって前記所定時間が経過したときの前記冷却器の適正温度範囲から外れたときに、前記冷却貯蔵庫に異常着霜があると判断する、請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記冷却器の前記適正温度範囲は、前記冷却器に正常に着霜しているときの、前記除霜後であって前記所定時間が経過したときの前記冷却器の平均温度を第2温度としたとき、前記第2温度±2Kの温度範囲である、請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記冷却貯蔵庫は、
    圧縮機、凝縮器、膨張弁、および前記冷却器としての蒸発器を含む冷凍装置と、
    前記冷凍装置の駆動を制御する制御装置と、
    を備えるとともに、
    前記貯蔵室は、開口を有する断熱筐体と、前記開口を開閉するための扉と、前記扉に対し前記断熱筐体に対向する位置に備えられた封止部材と、
    を備えるものであって、
    当該情報処理装置は、
    前記冷却貯蔵庫の環境温度をモニタリングするセンサから、直前に実行した前記冷却運転における前記環境温度に関する情報と、
    前記制御装置から、直前に実行した前記冷却運転における前記圧縮機の運転率に関する情報と、
    を取得する第2取得部をさらに備え、
    前記判断部は、
    前記圧縮機の運転率が、前記環境温度において前記冷却貯蔵庫が正常に前記冷却運転を実行したときの前記圧縮機の運転率の適正範囲内であるときに、前記冷却貯蔵庫は前記封止部材に異常がないと判断し、
    前記圧縮機の運転率が、前記環境温度において前記冷却貯蔵庫が正常に前記冷却運転を実行したときの前記圧縮機の運転率の適正範囲から外れたときに、前記冷却貯蔵庫は前記封止部材に異常があると判断する、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  5. 前記冷却貯蔵庫は、前記冷却器を加熱して前記冷却器に付着した霜を全て融解させる強制除霜運転を実行する手段を備えており、
    前記情報処理装置は、前記判断部によって前記冷却貯蔵庫に異常着霜があると判断されたとき、前記冷却貯蔵庫に対して、前記強制除霜運転を実行させる情報を出力する第2出力部をさらに備える、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  6. 貯蔵室の空気を冷却室に取り込み、冷却器によって冷却したのち前記貯蔵室に戻す冷却運転を実行する手段と、
    前記冷却器を加熱して前記冷却器に付着した霜を融解させる除霜運転を実行する手段と、
    を備える冷却貯蔵庫の異常を検知する異常検知方法であって、
    前記冷却器の温度をモニタリングするセンサから、除霜後であって所定時間が経過したときの前記冷却器の温度である第1温度に関する情報を取得するステップと、
    取得した前記情報に基づいて、前記冷却貯蔵庫に異常着霜があるかどうかを判断するステップと、
    前記判断するステップによって前記冷却貯蔵庫に異常着霜があると判断されたとき、異常を示す情報を出力するステップと、
    を含む、異常検知方法。
  7. 貯蔵室の空気を冷却室に取り込み、冷却器によって冷却したのち前記貯蔵室に戻す冷却運転を実行する手段と、
    前記冷却器を加熱して前記冷却器に付着した霜を融解させる除霜運転を実行する手段と、
    を備える冷却貯蔵庫の異常の検知をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記冷却器の温度をモニタリングするセンサから、除霜後であって所定時間が経過したときの前記冷却器の温度である第1温度に関する情報を取得するステップと、
    取得した前記情報に基づいて、前記冷却貯蔵庫に異常着霜があるかどうかを判断するステップと、
    前記判断するステップによって前記冷却貯蔵庫に異常着霜があると判断されたとき、異常を示す情報を出力するステップと、
    をコンピュータに実行させる、プログラム。
  8. 開口を有する断熱筐体と、前記開口を開閉するための扉と、前記扉に対し前記断熱筐体に対向する位置に備えられた封止部材と、
    を備える貯蔵室を有する冷却貯蔵庫であって、
    前記貯蔵室の空気を冷却室に取り込み、冷却器によって冷却したのち前記貯蔵室に戻す冷却運転を実行する手段と、
    前記冷却器を加熱して前記冷却器に付着した霜を融解させる除霜運転を実行する手段と、
    前記冷却器の温度をモニタリングする前記センサと、
    検出された前記冷却器の温度に関する情報を、通信可能に接続された請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置に送信する手段と、
    前記情報処理装置が前記封止部材に異常があると判断したとき、前記情報処理装置から当該異常を示す情報を受信する手段と、
    受信した前記情報に基づいて前記異常を報知する手段と、
    を備える、冷却貯蔵庫。
  9. 開口を有する断熱筐体と、前記開口を開閉するための扉と、前記扉に対し前記断熱筐体に対向する位置に備えられた封止部材と、
    を備える貯蔵室を有する冷却貯蔵庫であって、
    前記貯蔵室の空気を冷却室に取り込み、冷却器によって冷却したのち前記貯蔵室に戻す冷却運転を実行する手段と、
    前記冷却器を加熱して前記冷却器に付着した霜を融解させる除霜運転を実行する手段と、
    前記冷却器の温度をモニタリングする前記センサと、
    検出された前記冷却器の温度に関する情報を、通信可能に接続された請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置に送信する手段と、
    前記情報処理装置が前記封止部材に異常があると判断したとき、前記情報処理装置から当該異常を示す情報を受信する手段と、
    受信した前記情報に基づいて、前記冷却器に付着した霜を全て加熱融解させる強制除霜運転を実行する手段と、
    を備える、冷却貯蔵庫。
  10. 時間を計測するためのタイマと、
    前記冷却器を加熱するためのヒータと、をさらに備え、
    前記強制除霜運転は、
    前記冷却室の温度が予め設定された冷却温度となるまで冷却運転を実行する冷却ステップと、
    前記冷却器の温度が予め設定された除霜温度となるまで前記ヒータによって前記冷却器を加熱する加熱ステップと、
    を、繰り返し行うものであって、
    前記タイマによって計測された前記冷却ステップの実行時間が、前記冷却貯蔵庫が正常に前記冷却運転を実行したときの前記除霜温度から前記冷却温度まで前記冷却室を冷却するために要する時間が適正範囲外となったときに、前記冷却ステップから前記加熱ステップに移行する構成を備えている、
    請求項9に記載の冷却貯蔵庫。
  11. 時間を計測するためのタイマと、
    前記冷却器を加熱するためのヒータと、をさらに備え、
    前記強制除霜運転は、
    前記冷却室の温度が予め設定された冷却温度となるまで冷却運転を実行する冷却ステップと、
    前記冷却器の温度が予め設定された除霜温度となるまで前記ヒータによって前記冷却器を加熱する加熱ステップと、
    を、繰り返し行うものであって、
    前記タイマによって計測された前記加熱ステップに要する時間が、前記冷却貯蔵庫が正常に前記除霜運転を実行したときの前記冷却温度から前記除霜温度まで前記冷却器を加熱するために要する時間の適正範囲内となったときに、当該強制除霜運転を終了する構成を備えている、
    請求項9または10に記載の冷却貯蔵庫。
  12. 請求項8~11のいずれか1項に記載の冷却貯蔵庫であって、
    前記情報処理装置を備えている、冷却貯蔵庫。
  13. 冷却貯蔵庫と、センサと、情報処理装置と、を備える異常検知システムであって、
    前記冷却貯蔵庫は、
    貯蔵室の空気を冷却室に取り込み、冷却器によって冷却したのち前記貯蔵室に戻す冷却運転を実行する手段と、
    前記冷却器を加熱して前記冷却器に付着した霜を融解させる除霜運転を実行する手段と、
    前記冷却器の温度をモニタリングする前記センサと、を備え、
    前記情報処理装置は、
    前記冷却器の温度をモニタリングする前記センサから、除霜後であって所定時間が経過したときの前記冷却器の温度である第1温度に関する情報を取得するステップと、
    取得した前記情報に基づいて、前記冷却貯蔵庫に異常着霜があるかどうかを判断するステップと、
    前記判断するステップによって前記冷却貯蔵庫に異常着霜があると判断されたとき、異常を示す情報を出力するステップと、を備える、
    異常検知システム。
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