<実施形態>
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図9に基づいて説明する。この実施形態では、本発明の冷却庫を、急速冷却庫に適用した場合を例示している。
1.急速冷却庫の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る急速冷却庫10の概略的な正面図である。図2は、急速冷却庫10における温度異常を警報する構成に係る概略的なブロック図である。
まず急速冷却庫10の全体構造を図1によって説明すると、機械室10Bの上面に断熱箱体製の冷却庫本体10Aが載置され、その前面開口部に断熱扉(図示せず)が開閉可能に装着されている。本体10A内の正面から見た右側が、被冷却物である食品Fの収納室11とされ、左側が冷却器21および2個の冷却ファン22の設置室となっている。収納室11には、左右一対のトレイ受けが対向して配設され、食品Fを入れたトレイが複数段にわたって出し入れ可能に収納されるようになっている。
冷却器21が、機械室10B内に設置された冷凍装置(図示せず)と冷媒管(図示せず)により循環接続され、周知の冷凍回路20が形成されている。なお、冷却ファン22および冷凍回路20は、本発明の「冷却装置」に相当する。
したがって冷凍装置と冷却ファン22とが駆動されると、収納室11の空気が、正面(収納室に対した面)から冷却器21を通過する間に冷気が生成され、背面側から吹き出された冷気が、庫内の左側壁に当たって手前と奥に分かれて冷却器21の手前側と奥側の側面に回り込んだのち、一部が右側壁側まで流通しつつ収納室に送り込まれるといった循環流を生じるようになっている。
なお、冷却器21の奥側の側面には、収納室11の庫内温度Td1を検知する庫内温度センサ31が設けられており、詳しくは後記するように、庫内温度を制御することに利用されるようになっている。また、芯温センサ32が備えられ、この芯温センサ32は、収納された食品Fに差し込まれて同食品の芯温(内部温度)Td2を検知するものである。芯温センサ32は、芯温検知のために使用しない場合は、例えば冷却器21の手前側の面に設けられた収納部(図示せず)に収納されるようになっている。
また、機械室の正面上部に配された操作パネル12が設けられており、この操作パネル12を介して、収納室11の冷却処理に用いられる各種温度の設定等が行われる。この操作パネル12には、収納室11の温度異常を警報する警報装置として警報ブザー13が設けられている。なお、警報装置は警報ブザーに限られず、例えば、警報ランプ等であってもよいし、警報ブザーおよび警報ランプの両方が設けられてもよい。また、各種温度の設定は、操作パネル12によって設定されることに限られず、例えば、リモコン装置等を用いて遠隔操作によって設定されてもよい。
さらに、急速冷却庫10は、図2に示されるように、収納室の温度異常を検出し、警報装置を介してその温度異常を警報する制御装置40を備えている。制御装置40は、例えば、操作パネル12の奥側に配置される。
制御装置40は、CPU41、メモリ部42、タイマ部43を含む。なお、メモリ部42は、ROM、RAM、NV(不揮発性)RAM等を含み、ROMにはCPU41が実行する各種プログラムが格納されている。RAMには、各種処理に係るデータが一時的に格納される。また、タイマ部43は、複数のタイマを含み、2分タイマ、30分タイマ、60分タイマ、120タイマ等を含む。
図2に示されるように、制御装置40には、操作パネル(温度設定入力部)12、警報装置13、冷凍回路20(冷却装置)、庫内温度センサ31、および芯温センサ32等が接続されている。制御装置40は、庫内温度センサ31からの検知庫内温度Td1および芯温センサ32から検知芯温Td2に基づいて、冷却装置の1つである冷凍回路20をON/OFFすることによって、庫内温度(Td1)を所定の温度に制御する。また、検知庫内温度Td1に基づいて庫内温度(Td1)の異常を検出した場合には、警報ブザー13を介して、外部に警報を出す制御を行う。
このような構成の本実施形態の急速冷却庫10では、冷却動作に係る運転モードとして、以下の継続した2種類の運転モード(運転時)が実行される。
第1は「冷却運転モード」である、「冷却運転モード」では、庫内温度センサ31で検知された庫内温度Td1と冷却時庫内設定温度Tcとの比較に基づいて冷凍装置の運転を制御することにより、収納室をほぼ冷却時庫内設定温度Tcに冷却する冷却運転が継続して行われる。
第2は「保冷運転モード」である。この「保冷運転モード」は、芯温センサ32により食品Fの芯温Td2を検知し、芯温が予め定められた芯温センサの設定温度Tsまで低下したところで上記冷却運転を終了し、冷却運転に続いて行われるモードである。「保冷運転モード」では、庫内温度センサ31で検知された庫内温度Td1と、予め定められた保冷時庫内設定温度Thとの比較に基づいて冷却装置の運転を制御することにより、収納室11がほぼ保冷時庫内設定温度Thに維持される。また、芯温センサ32を使用しない運転方法として、所定の冷却設定時間だけ冷却運転を行い、その後、保冷運転モードになる方法もある。
ここで、芯温センサの設定温度Tsは、例えば「−30℃〜30℃」の範囲で設定可能であって、本例では「3℃」に設定されている。冷却時庫内設定温度Tcは、通常上記した芯温センサの設定温度Tsよりも数度低い温度に設定され、例えば「−40℃〜30℃」の範囲で設定可能であって、本例では「−1℃」に設定されている。保冷時庫内設定温度Thは、通常、上記した冷却時庫内設定温度Tc以上の温度に設定され、例えば「−40℃〜30℃」の範囲で設定可能であって、本例では、芯温センサの設定温度Tsと同じく「3℃」に設定されている。
続いて、本実施形態の温度異常の警報に係る作用を説明する。
2.高温警報処理
まず、本実施形態による高温警報処理を、図3〜図6を参照して説明する。図3〜図5は、高温警報処理に係るフローチャートであり、図6は急速冷却庫10の温度推移を示すタイムチャートである。なお、図6の縦軸(温度)のスケーリングは概略である。制御装置40、詳しくは、CPU41は、この高温警報処理を、例えば、メモリ42のROMに格納されたプログラムにしたがって実行する。
2.1 冷凍運転時の高温警報
まず、ステップS101において、CPU41は、タイマ部43のすべてのタイマをリセットする。また、庫内温度センサ31の検知温度Td1(以下、「検知庫内温度」という)を庫内温度センサ31から受け取り、検知庫内温度Td1、詳しくは、その温度データ(以下同様)をメモリ42のRAM内の所定領域「Temp1」に格納する。次いでステップS102において、検知庫内温度Td1が属する温度帯を決定し、検知温度Td1が属する全ての温度帯に対応する、タイマ部43の30分タイマをスタートさせる。
温度帯は、例えば、各温度帯が10℃の温度帯幅を有して、1℃毎に、200℃〜190℃、199℃〜189℃、198℃〜188℃、……70℃〜60℃、69℃〜59℃、68℃〜58℃、……2℃〜−8℃、1℃〜−9℃、0℃〜−10℃のように設定されているとする。なお、各温度帯の設定態様はこれに限定されず、急速冷却庫10が使用される状況に応じて適宜設定されればよい。例えば、温度帯幅は「10℃」に限られず、「5℃」あるいは「15℃」等であってもよいし、また、温度帯は「2℃毎」あるいは「3℃毎」に設けられてもよい。
そして、冷却開始前において、検知庫内温度Td1が、例えば、図6に示すように55℃である場合、65℃〜55℃、64℃〜54℃、63℃〜53℃、62℃〜52℃、61℃〜51℃、60℃〜50℃、59℃〜49℃、58℃〜48℃、57℃〜47℃、56℃〜46℃、55℃〜45℃の11個の各温度帯に対応する、11個の30分タイマをリセットし、スタートさせる。
次いでステップS103において、リセット・スタートした状態の30分タイマを状態Aタイマとし、リセット・スタートしない状態の30分タイマを状態Bタイマとする。なお、状態Aタイマおよび状態Bタイマのタイマ時間は「30分」に限定されず、急速冷却庫10が使用される状況に応じて、所定のタイマ時間とすればよい。
例えば、検知庫内温度Td1が、同様に、例えば55℃の場合、65℃〜55℃、64℃〜54℃、……56℃〜46℃、55℃〜45℃の11個の30分タイマが、状態Aタイマとなる。一方、「65℃<検知庫内温度Td1、または検知庫内温度Td1<45℃」の検知庫内温度Td1に対応する温度帯毎の30分タイマが、状態Bタイマとなる。具体的には、200℃〜190℃、199℃〜189℃、……67℃〜57℃、66℃〜56℃、54℃〜44℃、53℃〜43℃、……2℃〜−8℃、1℃〜−9℃、0℃〜−10℃の温度帯に対応する30分タイマが、状態Bタイマとなる。
次いでステップS104において、冷凍回路20をONして冷却を開始する(図6の時刻t0を参照)。ここで、具体的には、冷凍回路20のコンプレッサー(図示せず)等の運転がスタートされる。続いてステップS105において、再冷却運転動作をしたかどうかを判定する。ここで、「再冷却運転」とは、使用者が所定の操作を行うと、冷却運転を初期から行うことができるものである。再冷却運転動作をしたと判定した場合は、ステップS102に戻る。一方、再冷却運転動作をしていないと判定した場合は、ステップS106において、状態Aのタイマがタイムアップしたかどうかの判定を行う。
ステップS106において、状態Aタイマ(30分タイマ)がタイムアップしたと判定した場合には、ステップS107において、CPU41は、高温警報を例えば、警報ブザー13等の警報装置によって作業者に知らせ、ステップS108に移行する。ここで、高温警報を知らせるのは、冷却運転中にもかかわらず、30分の間(本発明の「所定時間」に相当)に庫内温度が所定量(本実施形態では「10℃」)低下しないため、すなわち所定の温度勾配で庫内温度が低下しないため、何らかの冷却異常が発生したと考えられるからである。例えば、大量の高温被冷却物を冷却する場合や、冷却系に異常が発生した場合が考えられる。なお、この「30分」という「所定時間」は、庫内温度が所定量低下するまでに、通常の冷却庫の使用では高温警報が出ない余裕のある時間として設定される。したがって、本発明の「所定時間」は、30分に限定されない。
一方、ステップS106において、状態Aタイマがタイムアップしていないと判定した場合には、ステップS108において、例えばヒータ内蔵の芯温センサ32の検知温度(以下、「検知芯温」という)Td2が、芯温センサの設定温度Ts以下であるかどうか、言い換えれば、冷却運転を継続させるか、あるいは保冷運転に移行するかを判定する。ここで「ヒータ内蔵芯温センサの設定温度(Ts)」とは、冷却運転から保冷運転に切り替えるタイミングを判断するために、例えば、設定される温度である。そのため、芯温センサ32による検知芯温Td2が「ヒータ内蔵芯温センサの設定温度(Ts)」まで低下したときに、冷却運転から保冷運転に切り替えられる(図6の時刻t2を参照)。なお、上記したように、保冷運転時の庫内温度の目標維持温度として、別途に「保冷時庫内設定温度(Th;以下、単に「設定保冷温度」という)」が設定されるが、本実施形態においては、「設定保冷温度(Th)」と「ヒータ内蔵芯温センサの設定温度(Ts)」とは、同一温度に設定され、例えば、図6に示されるように3℃とされる。
さて、ステップS108において、検知芯温Td2が芯温センサの設定温度Ts以下であると判断した場合には、ステップS129に移行して、後述する、保冷運転時の高温警報に係る処理を行う。
一方、ステップS108において、検知芯温Td2が芯温センサの設定温度Ts(設定保冷温度Th)より高いと判定した場合には、ステップS109に移行する。ステップS109において、検知庫内温度Td1が、冷却時庫内設定温度(以下、単に「設定冷却温度」という;ここでは、例えば図6に示すように、−1℃)Tcに「2℃」加えた温度(Tc+2℃)以下であるかどうかを判定する。すなわち、ステップS109においては、庫内温度(Td1)が設定冷却温度Tcの近辺(本実施形態では1℃)まで低下してきたかどうかが判定される。
なお、「設定冷却温度Tcの近辺」に相当する温度は、「設定冷却温度Tc+2℃」に限定されない。すなわち「設定冷却温度Tcに加算する温度は、「2℃」に限定されず、例えば、「1℃」あるいは「3℃」でもよく、急速冷却庫10が使用される状況に応じて適宜決定されればよい。
ステップS109において、検知庫内温度Td1が、設定冷却温度(冷却時庫内設定温度)Tcに2℃加えた温度以下でないと判定した場合、すなわち、庫内温度(Td1)が設定冷却温度Tcの近辺まで低下してきていないと判定した場合は、ステップS110に移行する。ステップS110において、現在の検知庫内温度Td1が、所定領域「Temp1」に格納された温度と等しいかどうかを判定する。現在の検知庫内温度Td1が所定領域「Temp1」に格納された温度と等しいと判定した場合、すなわち、庫内温度に変化がない場合には、ステップS104に戻る。
一方、ステップS110において、現在の検知庫内温度Td1が所定領域「Temp1」に格納された温度と等しくないと判定した場合には、ステップS111において、現在の検知庫内温度Td1を所定領域「Temp1」に格納する。そして、ステップS112において、ステップS102と同様に、検知庫内温度Td1が属する温度帯を決定し、検知庫内温度Td1が属する全ての温度帯に対応する30分タイマであって、状態Bタイマである30分タイマをリセット・スタートする。
例えば、温度帯は、各温度帯が10℃の温度幅を有して、1℃毎に、200℃〜190℃、199℃〜189℃、198℃〜188℃、……70℃〜60℃、69℃〜59℃、68℃〜58℃、……2℃〜−8℃、1℃〜−9℃、0℃〜−10℃のように設定される。
そして、検知庫内温度Td1が、庫内温度が低下して、例えば54℃である場合、54℃〜44℃の1つの温度帯に対応する、一個の状態Bタイマ(30分タイマ)のみをリセット・スタートさせる。なお、64℃〜54℃、63℃〜53℃、62℃〜52℃、61℃〜51℃、60℃〜50℃、59℃〜49℃、58℃〜48℃、57℃〜47℃、56℃〜46℃、55℃〜45℃の10個の温度帯に対応する10個の30分タイマは、現在、状態Aタイマであるため、リセット・スタートさせない。
次いで、ステップS113において、ステップS112において新たにリセット・スタートさせた30分タイマを、状態Bタイマから状態Aタイマにする。また、ステップS112において、外れた温度帯に対応する30分タイマを、状態Aタイマから状態Bタイマにする。ここでは、65℃〜55℃の温度帯に対応する1個の30分タイマが状態Aタイマから状態Bタイマに変更される。また、検知庫内温度Td1が、例えば54℃である場合、ここでは、64℃〜54℃、63℃〜53℃、……55℃〜45℃、54℃〜44℃の温度帯に対応する11個の30分タイマが状態Aタイマとなる。一方、「64℃<検知庫内温度Td1、または検知庫内温度Td1<44℃」の検知庫内温度Td1に対応する温度帯毎の30分タイマが、状態Bタイマとなる。そして、ステップS104の処理に戻る。
戻って、上記ステップS109の処理において、検知庫内温度Td1が、設定冷却温度Tcに2℃加えた温度以下であると判定した場合、すなわち、庫内温度が設定冷却温度Tcの近辺、すなわち1℃まで低下してきていると判定した場合は、ステップS114において、高温警報用120分タイマをリセット・スタートする(図6の時刻t1を参照)。なお、ここでタイマ時間は「120分」に限定されず、急速冷却庫10が使用される状況に応じて適宜選定されればよい。
次いで、ステップS115において、メモリ内の所定領域「Temp2」に、「設定冷却温度Tc+10℃(本実施形態では9℃)」の温度を格納する。なお、ここで、設定冷却温度Tcに加算する温度は、「10℃」に限定されず、例えば、「9℃」あるいは「11℃」でもよく、急速冷却庫10が使用される状況に応じて適宜決定されればよい。
そして、ステップS116において、ステップS105と同様に、再冷却運転動作をしたかどうかを判定する。再冷却運転動作をしたと判定した場合は、ステップS102に戻る。一方、再冷却運転動作をしていないと判定した場合は、ステップS117において、ステップS108と同様に、検知芯温Td2が、芯温センサの設定温度Ts(設定保冷温度Th)以下かであるかどうかを判定する。言い換えれば、冷却運転を継続させるか、あるいは保冷運転に移行するかを判定する。検知芯温Td2が芯温センサの設定温度Ts(設定保冷温度Th)以下であると判断した場合には、ステップS129に移行して、後述する、保冷運転時の高温警報に係る処理を行う。
一方、ステップS117において、検知芯温Td2が芯温センサの設定温度Ts(設定保冷温度Th)より高いと判断した場合には、ステップS118に移行する。ステップS118において、高温警報用120分タイマがタイムアップしたかどうかを判定する。高温警報用120分タイマがタイムアップしたと判定した場合は、ステップS119において、高温警報を例えば、警報ブザー13等の警報装置によって作業者に知らせ、ステップS120に移行する。ここで、高温警報を知らせるのは、冷却運転中において、一旦庫内温度が設定冷却温度Tcの近辺まで低下したにもかかわらず、庫内温度が「設定冷却温度Tc+10℃」の温度で120分経過したため、何らかの冷却異常が発生したと考えられるからである。
一方、ステップS118において、高温警報用120分タイマがタイムアップしていないと判定した場合は、ステップS120において、検知庫内温度Td1が「設定冷却温度Tc−2℃(本実施形態では−3℃)」以下であるかどうかを判定する。なお、ここで、設定冷却温度Tcから減算する温度は、「2℃」に限定されず、例えば、「1℃」あるいは「3℃」でもよく、急速冷却庫10が使用される状況に応じて適宜決定されればよい。
検知庫内温度Td1が「設定冷却温度Tc−2℃」以下であると判定した場合は、ステップS121において、冷凍回路20がONかどうかを判定する。冷凍回路20がONでない場合は、ステップS114に戻る。一方、冷凍回路20がONである場合は、ステップS122において冷凍回路20をOFFする。そして、ステップS123において、冷凍回路20が即座に再ONされるのを防止するための冷凍回路保護2分タイマをリセット・スタートし、ステップS114に戻る。
一方、ステップS120において、検知庫内温度Td1が「設定冷却温度Tc−2℃」以下でないと判定した場合は、ステップS124において、検知庫内温度Td1が「設定冷却温度Tc+2℃(本実施形態では1℃)」以下であるかどうかを判定する。なお、ここで、設定冷却温度Tcに加算する温度は、「2℃」に限定されず、例えば、「1℃」あるいは「3℃」でもよく、急速冷却庫10が使用される状況に応じて適宜決定されればよい。
検知庫内温度Td1が「設定冷却温度Tc+2℃」以下であると判定した場合は、ステップS114に戻る。一方、検知庫内温度Td1が「設定冷却温度Tc+2℃」以下でないと判定した場合は、ステップS125において冷凍回路20がONかどうかを判定する。冷凍回路20がONであると判定した場合はステップS128に移行する。
一方、冷凍回路20がONでないと判定した場合は、ステップS126において、冷凍回路保護2分タイマがタイムアップしたかどうかを判定する。冷凍回路保護2分タイマがタイムアップしていないと判定した場合は、ステップS128に進む。一方、冷凍回路保護2分タイマがタイムアップしたと判定した場合は、ステップS127において、庫内温度を低下させるために冷凍回路20をONする。
次いで、ステップS128において、検知庫内温度Td1が「Temp2」以上であるかどうか、すなわち、検知庫内温度Td1が「設定冷却温度Tc+10℃」以上であるかどうかを判定する。検知庫内温度Td1が「Temp2」以上であると判定した場合はステップS115に戻り、検知温度Td1が「Temp2」以上でないと判定した場合はステップS114に戻り、高温警報用120分タイマをリセット・スタートする。
2.2 保冷運転時の高温警報
次に、ステップS108およびステップS117において、検知芯温Td2が芯温センサの設定温度Ts(設定保冷温度Th)以下であり、保冷運転であると判定した場合の高温警報に係る処理を説明する。
まず、CPU41は、ステップS129において、再冷却運転動作をしたかどうかを判定する。再冷却運転動作をしたと判定した場合は、ステップS102に戻る。一方、再冷却運転動作をしていないと判定した場合は、ステップS130において、メモリ内の所定領域「Temp3」に、「設定保冷温度Th+10℃(本実施形態では13℃)」の温度を格納する。なお、ここで、設定保冷温度Thに加算する温度は、「10℃」に限定されず、例えば、「9℃」あるいは「11℃」でもよく、急速冷却庫10が使用される状況に応じて適宜決定されればよい。
次いで、ステップS131において、検知庫内温度Td1が「設定保冷温度Th−2℃(本実施形態では1℃)」以下であるかどうか判定する。検知庫内温度Td1が「設定保冷温度Th−2℃」以下と判定した場合は、ステップS132において、冷凍回路20がONかどうか判定する。なお、ここで、設定保冷温度Thから減算する温度は、「2℃」に限定されず、例えば、「1℃」あるいは「3℃」でもよく、急速冷却庫10が使用される状況に応じて適宜決定されればよい。
ステップS132において、冷凍回路20がONでない場合は、ステップS135において高温警報用120分タイマをリセット・スタートして、ステップS130に戻る。一方、冷凍回路20がONである場合は、ステップS133において冷凍回路20をOFFし、ステップS134において、冷凍回路保護2分タイマをリセット・スタートし、同様にステップS135において高温警報用120分タイマをリセットして、ステップS130に戻る。
また、ステップS131において、検知庫内温度Td1が「設定保冷温度Th−2℃」以下でないと判定した場合は、ステップS136において、検知庫内温度Td1が「設定保冷温度Th+2℃(本実施形態では5℃)」以下であるかどうかを判定する。なお、ここで、設定保冷温度Thに加算する温度は、「2℃」に限定されず、例えば、「1℃」あるいは「3℃」でもよく、急速冷却庫10が使用される状況に応じて適宜決定されればよい。
検知庫内温度Td1が「設定保冷温度Th+2℃」以下と判定した場合は、ステップS135において高温警報用120分タイマをリセット・スタートして、ステップS130に戻る。一方、検知庫内温度Td1が「設定保冷温度Th+2℃」以下でないと判定した場合は、ステップS137において、冷凍回路20がONかどうかを判定する。冷凍回路20がONであると判定した場合はステップS140に進む。
一方、ステップS137において、冷凍回路20がONでないと判定した場合は、ステップS138において、冷凍回路保護2分タイマがタイムアップしたかどうかを判定する。冷凍回路保護2分タイマがタイムアップしていないと判定した場合は、ステップS140に進む。一方、冷凍回路保護2分タイマがタイムアップしたと判定した場合はステップS139において冷凍回路20をONし、ステップS140において、検知庫内温度Td1が「Temp3」以上であるか、すなわち、検知温度Td1が「設定保冷温度Th+10℃」以上であるかどうかを判定する。
検知庫内温度Td1が「Temp3」以上でないと判定した場合はステップS135において高温警報用120分タイマをリセット・スタートして、ステップS130に戻る。一方、検知庫内温度Td1が「Temp3」以上であると判定した場合は、ステップS141において、高温警報用120分タイマがタイムアップしたかどうかを判定する。
ステップS141において、高温警報用120分タイマがタイムアップしていないと判定した場合は、ステップS130に戻る。一方、高温警報用120分タイマがタイムアップしたと判定した場合は、ステップS142において、高温警報を例えば、警報ブザー13等によって作業者に知らせる。ここで、高温警報を知らせるのは、保冷運転中において、庫内温度が「設定保冷温度Th+10℃」の温度で120分経過したため、冷凍回路20の異常等、何らかの保冷異常が発生したと考えられるからである。
上記したように、本実施形態においては、CPU(制御装置40)41は、冷却運転時においては、収納室の温度Td1が冷却開始温度から設定冷却温度Tc近辺(Tc+2℃)に到達するまでは、収納室の温度Td1が30分(所定時間)内に10℃(所定量)低下しない場合に高温警報を行う。また、冷却運転時において、収納室の温度Td1が設定冷却温度近辺(Tc+2℃)に達した後は、設定冷却温度Tcより10℃(所定温度)高い温度で120分(所定時間)継続した場合に、高温警報を行う。また、CPU41は、保冷運転時においては、収納室の温度Td1が設定保冷温度Thより10℃(所定温度)高い温度で120分(所定時間)継続した場合に高温警報を行う。
すなわち、CPU41は、収納室の温度推移に対応して、冷却運転時においては、収納室の温度Td1が冷却開始温度(55℃)から設定冷却温度近辺(1℃)に到達するまで(図6の時刻t0〜時刻t1)と、収納室の温度Td1が設定冷却温度近辺に達した後(図6の時刻t1〜時刻t2)とに分けて高温警報を行うとともに、保冷運転時(図6の時刻t2以降)には、冷却運転時とは異なる態様で高温警報を行う。そのため、本実施形態の構成によれば、冷却運転から保冷運転までの収納室の温度推移に対応して、的確に庫内の高温異常(温度異常)を検出し警報することができる。
3.低温警報処理
次に、本実施形態による低温警報処理を、図6〜図9を参照して説明する。図7〜図9は、低温警報処理に係るフローチャートであり、制御装置40、詳しくは、CPU41は、この低温警報処理を、高温警報処理と同様に、例えば、メモリ42のROMに格納されたプログラムにしたがって実行する。
3.1 冷凍運転時の低温警報
まず、CPU41は、ステップS201において、冷凍回路保護2分タイマをリセットし、冷凍回路20をONして冷却を開始する(図6の時刻t0に相当する)。次いで、ステップS202において、低温警報用60分タイマをリセット・スタートする。続いて、ステップS203において、メモリ内の所定領域「Temp4」に、「設定冷却温度Tc−5℃(本実施形態では、−6℃)」の温度を格納する。なお、ここで、低温警報用タイマのタイマ時間は「60分」に限定されず、また、設定冷却温度Tcから減算する温度は「5℃」に限定されず、それらは、急速冷却庫10が使用される状況に応じて適宜決定されればよい。
次いで、ステップS204において、再冷却運転動作をしたかどうかを判定する。再冷却運転動作をしたと判定した場合は、ステップS203に戻る。一方、再冷却運転動作をしていないと判定した場合は、ステップS205において、検知芯温Td2が、芯温センサの設定温度Ts(設定保冷温度Th)以下であるかどうかを判定する。言い換えれば、冷却運転を継続させるか、あるいは保冷運転に移行するかを判定する。検知芯温Td2が設定保冷温度Th以下であると判断した場合には(図6の時刻t2以降)、ステップS217に移行して、後述する、保冷運転時の低温警報に係る処理を行う。
一方、ステップS205において、検知芯温Td2が芯温センサの設定温度Ts(設定保冷温度Th)より高いと判断した場合には、ステップS206に移行する。ステップS206において、低温警報用60分タイマがタイムアップしたかどうかを判定する。低温警報用60分タイマがタイムアップしたと判定した場合は、ステップS207において、低温警報を例えば、警報ブザー等によって作業者に知らせ、ステップS208に移行する。ここで、低温警報を知らせるのは、冷却運転中において、庫内温度が「設定冷却温度Tc−5℃」以下の温度で60分経過したため、何らかの冷却異常(過冷却)が発生したと考えられるからである。
一方、ステップS206において、低温警報用60分タイマがタイムアップしていないと判定した場合は、ステップS208において、検知庫内温度Td1が「設定冷却温度Tc−2℃(本実施形態では、−3℃)」以下であるかどうかを判定する。なお、ここで、設定冷却温度Tcから減算する温度は、「2℃」に限定されず、急速冷却庫10が使用される状況に応じて適宜決定されればよい。
検知庫内温度Td1が「設定冷却温度Tc−2℃」以下であると判定した場合は、ステップS209において、冷凍回路20がONかどうかを判定する。冷凍回路20がONでない場合は、ステップS212に移行する。一方、冷凍回路20がONである場合は、ステップS210において冷凍回路20をOFFし、ステップS211において、冷凍回路保護2分タイマをリセット・スタートし、ステップS212に移る。
ステップS212において、検知庫内温度Td1が「Temp4」以下であるか、すなわち、検知庫内温度Td1が「設定冷却温度Tc−5℃」以下であるかどうかを判定する。検知庫内温度Td1が「設定冷却温度Tc−5℃」以下であると判定した場合には、ステップS203に戻り、検知庫内温度Td1が「設定冷却温度Tc−5℃」以下でないと判定した場合には、ステップS202に戻る。
また、ステップS208において、検知庫内温度Td1が「設定冷却温度Tc−2℃」以下でないと判定した場合は、ステップS213において、検知庫内温度Td1が「設定冷却温度Tc+2℃(本実施形態では、1℃)」以下であるかどうかを判定する。検知庫内温度Td1が「設定冷却温度Tc+2℃」以下であると判定した場合は、ステップS202に戻る。一方、検知庫内温度Td1が「設定冷却温度Tc+2℃」以下でないと判定した場合は、ステップS214において冷凍回路20がONかどうかを判定する。なお、ここで、設定冷却温度Tcに加算する温度は、「2℃」に限定されず、急速冷却庫10が使用される状況に応じて適宜決定されればよい。
ステップS214において、冷凍回路20がONであると判定した場合はステップS202に戻る。一方、冷凍回路20がONでないと判定した場合は、ステップS215において、冷凍回路保護2分タイマがタイムアップしたかどうかを判定する。冷凍回路保護2分タイマがタイムアップしていないと判定した場合は、ステップS202に戻る。一方、冷凍回路保護2分タイマがタイムアップしたと判定した場合はステップS216において冷凍回路20をONし、ステップS202に戻る。
3.2 保冷運転時の低温警報
次に、ステップS205において、検知芯温Td2が芯温センサの設定温度Ts(設定保冷温度Th)以下であると判断した場合の低温警報に係る処理を説明する。
まず、CPU41は、ステップS217において、再冷却運転動作をしたかどうかを判定する。再冷却運転動作をしたと判定した場合は、ステップS203に戻る。一方、再冷却運転動作をしていないと判定した場合は、ステップS218において、メモリ内の所定領域「Temp5」に、「設定冷却温度Tc−5℃(本実施形態では、−6℃)」の温度を格納する。なお、ここで、設定冷却温度Tcから減算する温度は、「5℃」に限定されず、急速冷却庫10が使用される状況に応じて適宜決定されればよい。
次いで、ステップS219において、低温警報用60分タイマがタイムアップしたかどうか判定する。低温警報用60分タイマがタイムアップしたと判定した場合は、ステップS220において、低温警報を例えば、警報ブザー13等によって作業者に知らせ、ステップS221に移行する。ここで、低温警報を知らせるのは、通常、保冷運転の初期期間(図6の時刻t2〜時刻t4に相当する)には、庫内温度を設定冷却温度Tcから設定保冷温度Thに上昇させるための制御が行われる。例えば、冷凍回路20が停止され、庫内温度が設定保冷温度Thに上昇するまで自然放置される。しかしながら、この保冷運転の初期期間において、庫内温度が「設定冷却温度Tc−5℃」の温度で60分経過したため、何らかの冷却異常(過冷却)が発生したと考えられるからである。
一方、ステップS219において、低温警報用60分タイマがタイムアップしていないと判定した場合は、ステップS221において、検知庫内温度Td1が、設定保冷温度Th近傍である「設定保冷温度Th−2℃(本実施形態では、1℃)」以上であるかどうかを判定する。なお、ここで、保冷温度Thから減算する温度は、「2℃」に限定されず、急速冷却庫10が使用される状況に応じて適宜決定されればよい。
検知庫内温度Td1が「設定保冷温度Th−2℃」以上でないと判定した場合は、ステップS222において、冷凍回路20がONかどうか判定する。冷凍回路20がONでない場合は、ステップS225に移行する。一方、冷凍回路20がONである場合は、ステップS223において冷凍回路20をOFFし、ステップS224において、冷凍回路保護2分タイマをリセット・スタートする。
次いで、ステップS225において、検知庫内温度Td1が「Temp5」以下であるか、すなわち、検知庫内温度Td1が「設定冷却温度Tc−5℃」以下であるかどうかを判定する。検知庫内温度Td1が「設定冷却温度Tc−5℃」以下であると判定した場合には、ステップS218に戻る。一方、検知庫内温度Td1が「設定冷却温度Tc−5℃」以下でないと判定した場合には、ステップS226において、低温警報用60分タイマをリセット・スタートして、ステップS218に戻る。
また、ステップS221において、検知庫内温度Td1が「設定保冷温度Th−2℃」以上であると判定した場合は(図6の時刻3を参照)、ステップS227において、再冷却運転動作をしたかどうかを判定する。再冷却運転動作をしたと判定した場合は、ステップS203に戻る。一方、再冷却運転動作をしていないと判定した場合は、ステップS228において、メモリ内の所定領域「Temp6」に、「設定保冷温度Th−5℃(本実施形態では、−2℃)」の温度を格納する。なお、ここで、保冷温度Thから減算する温度は、「5℃」に限定されず、急速冷却庫10が使用される状況に応じて適宜決定されればよい。
次いで、ステップS229において、低温警報用60分タイマがタイムアップしたかどうかを判定する。低温警報用60分タイマがタイムアップしたと判定した場合は、ステップS230において、低温警報を例えば、警報ブザー13等によって作業者に知らせ、ステップS231に移行する。ここで、低温警報を知らせるのは、保冷運転中において、庫内温度が「設定保冷温度Th−5℃」以下の温度で60分経過したため、何らかの冷却異常(過冷却)が発生したと考えられるからである。
一方、ステップS229において、低温警報用60分タイマがタイムアップしていないと判定した場合は、ステップS231において、検知庫内温度Td1が「設定保冷温度Th−2℃(本実施形態では、1℃)」以下であるかどうかを判定する。なお、ここで、保冷温度Thから減算する温度は、「2℃」に限定されず、急速冷却庫10が使用される状況に応じて適宜決定されればよい。
検知庫内温度Td1が「設定保冷温度Th−2℃」以下であると判定した場合は、ステップS232において、冷凍回路20がONかどうかを判定する。冷凍回路20がONでない場合は、ステップS235に移行する。一方、冷凍回路20がONである場合は、ステップS233において冷凍回路20をOFFし、ステップS234において、冷凍回路保護2分タイマをリセット・スタートさせる。
次いで、ステップS235において、検知庫内温度Td1が「Temp6」以下であるか、すなわち、検知庫内温度Td1が「設定保冷温度Th−5℃」以下であるかどうかを判定する。検知庫内温度Td1が「設定保冷温度Th−5℃」以下であると判定した場合には、ステップS228に戻る。一方、検知庫内温度Td1が「設定保冷温度Th−5℃」以下でないと判定した場合には、ステップS236において、低温警報用60分タイマをリセット・スタートして、ステップS228に戻る。
また、ステップS231において、検知庫内温度Td1が「設定保冷温度Th−2℃」以下でないと判定した場合は、ステップS237において、検知庫内温度Td1が「設定保冷温度Th+2℃(本実施形態では、5℃)」以下であるかどうかを判定する。なお、ここで、保冷温度Thに加算する温度は、「2℃」に限定されず、急速冷却庫10が使用される状況に応じて適宜決定されればよい。
検知庫内温度Td1が「設定保冷温度Th+2℃」以下であると判定した場合は、ステップS236において低温警報用60分タイマをリセット・スタートして、ステップS228に戻る。一方、検知庫内温度Td1が「設定保冷温度Th+2℃」以下でないと判定した場合は、ステップS238において冷凍回路20がONかどうか判定する。冷凍回路20がONであると判定した場合はステップS236において低温警報用60分タイマをリセット・スタートして、ステップS228に戻る。
一方、ステップS238に冷凍回路20がONでないと判定した場合は、ステップS239において、冷凍回路保護2分タイマがタイムアップしたかどうかを判定する。冷凍回路保護2分タイマがタイムアップしていないと判定した場合は、ステップS236において低温警報用60分タイマをリセット・スタートして、ステップS228に戻る。一方、冷凍回路保護2分タイマがタイムアップしたと判定した場合はステップS240において冷凍回路20をONし、ステップS236において低温警報用60分タイマをリセット・スタートして、ステップS228に戻る。
上記したように、本実施形態においては、CPU(制御装置40)41は、冷却運転時においては、収納室11の温度Td1が設定冷却温度Tcより5℃(所定温度)低い温度で60分(所定時)継続した場合に低温警報を行う。また、保冷運転時においては、収納室11の温度が設定冷却温度Tcから設定保冷温度Th近辺(Th−2℃)に達するまでは(図6の時刻t2〜時刻t3に相当する)、収納室の温度が設定冷却温度Tcより5℃(所定温度)低い温度で60分(所定時間)継続した場合に低温警報を行う。また、保冷運転時において、収納室の温度Td1が設定保冷温度近辺(Th−2℃)に達した後は、収納室の温度Td1が設定保冷温度Thより5℃(所定温度)低い温度で60分(所定時間)継続した場合に、低温警報を行う。
そのため、冷却時庫内設定温度Tcと保冷時庫内設定温度Thとの差が大きい場合であって、保冷時に庫内温度の上昇に時間を要する場合であっても、不必要に低温警報が出されることが防止される。また、保冷運転時に庫内の温度が必要以上に低下した場合においても、保冷時庫内設定温度Thと庫内温度センサの検知温度Td1との差に基づいて、的確に庫内の低温異常を検出し警報することができる。すなわち、本実施形態の構成によれば、冷却運転から保冷運転までの収納室の温度推移に対応して、的確に庫内の低温異常(温度異常)を検出し警報することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態においては、保冷時庫内設定温度である「設定保冷温度Th」と、冷却運転から保冷運転に切り替えるタイミングを判断するための設定温度としての「ヒータ内蔵芯温センサの設定温度Ts」とを同一温度に設定する例を示したが、これに限定されない。例えば、「設定保冷温度Th」を同「ヒータ内蔵芯温センサの設定温度Ts」より低い温度に設定するようにしてもよい。
(2)上記実施形態においては、冷却運転から保冷運転に切り替える切り替えタイミング(図6の時刻t2参照)を、芯温センサ32の検知温度である検知芯温Td2に基づいて判断する例を示したがこれに限定されない。例えば、冷却を開始した時刻から所定時間が経過したタイミングを切り替えタイミングと判断するようにしてもよいし、あるいは、検知庫内温度Td1が設定冷却温度Tcに達してから所定時間が経過したタイミングを切り替えタイミングと判断するようにしてもよい。
(3)上記実施形態においては、高温警報処理における図6の時刻t0から時刻t1までにおいて、検知庫内温度Td1にかかわらず、高温警報を出すための温度勾配(30分の間に10℃の低下)を一定とする構成としたが、これに限定されない。例えば、温度勾配を、検知庫内温度Td1の所定の温度区分に応じて、「30分の間に5℃の低下」、「30分の間に10℃の低下」、および「30分の間に15℃の低下」のように変化させるようにしてもよいし、あるいは「40分の間に10℃の低下」、「30分の間に10℃の低下」、および「20分の間に10℃の低下」のように変化させるようにしてもよい。
10…急速冷却庫(冷却庫) 13…警報ブザー 20…冷凍回路(冷却装置)20…冷却ファン(冷却装置) 31…庫内温度センサ 32…芯温センサ 40…制御装置 41…CPU F…食品(被冷却物)