JP2007010220A - 冷凍装置及びその冷凍装置を備えた冷蔵庫 - Google Patents

冷凍装置及びその冷凍装置を備えた冷蔵庫 Download PDF

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悦史 長江
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    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B40/00Subcoolers, desuperheaters or superheaters

Abstract

【課題】 冷却不良となる原因を早期に判断し、対処することができる冷凍装置及びそれを備えた冷蔵庫を提供する。
【解決手段】 放熱器2を出た冷媒と吸熱器57(第1の吸熱器)及び吸熱手段としての吸熱器58(第2の吸熱器)を出た冷媒とを熱交換させる内部熱交換器40と、吸熱器57、58における冷媒の過熱度に基づいて膨張弁65(第1の膨張器)及び膨張手段としての膨張弁66(第2の膨張器)における冷媒の絞り量をそれぞれ制御する制御手段としての制御装置26とを備え、この制御装置26は、吸熱器58における冷却不良が生じている場合、膨張弁66における冷媒の絞り量を変化させ、当該変化に伴う吸熱器58の温度変化に基づいて冷却不良の原因を判断する。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧縮機、放熱器、膨張手段、吸熱手段とから冷媒回路が構成された冷凍装置と、該冷凍装置を備えた冷蔵庫に関するものである。
従来この種冷凍装置、例えば、異なる温度帯で冷媒を蒸発させることができる冷蔵室用蒸発器と、冷凍室用蒸発器とを有する冷凍装置を備えた冷蔵庫では、コンプレッサ(圧縮機)と、このコンプレッサの吐出側に接続された凝縮器(放熱器)と、この凝縮器の出口側に接続された冷蔵室用切換弁と、冷蔵室用膨張器と、この冷蔵室用膨張器の出口側に接続された冷蔵室用蒸発器(第1の吸熱器)と、この冷蔵室用切換弁、冷蔵室用膨張器及び冷蔵室用蒸発器に並列に接続された冷凍室用切換弁、冷凍室用膨張器、冷凍室用蒸発器(第2の吸熱器)、逆止弁の直列回路とから冷媒回路が構成されている。
また、冷蔵室用蒸発器の近傍には、該冷蔵室用蒸発器にて冷媒が蒸発し、そのときの吸熱作用により冷却された空気を冷蔵室に送るための送風手段としてのRファンが設置されている。同様に、冷凍室用蒸発器の近傍には、当該冷凍室用蒸発器にて冷媒が蒸発し、そのときの吸熱作用により冷却された空気を冷凍室に送るためのFファンが設置されている。そして、係る冷蔵庫では、冷蔵室を冷却する冷蔵運転と、冷凍室を冷却する冷凍運転とが交互に行われるように制御手段により制御されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2001ー221556号公報
このような冷蔵庫では、凝縮器から出た高圧側冷媒と各蒸発器から出た低圧側冷媒を熱交換させる内部熱交換器を設けて、各膨張器に入る冷媒温度を低下させて、各蒸発器における冷却能力の向上を図る試みがなされている。特に、冷媒として二酸化炭素を使用した場合には、冷却能力が低いという問題が生じていたが、内部熱交換器を設けることで、高圧側の冷媒を冷却して冷却能力を向上させることが可能となる。更に、高圧側の冷媒により低圧側の冷媒を加熱することができるので、圧縮機に液冷媒が吸い込まれる液圧縮も効果的に回避することができるようになる。
ところで、係る冷蔵庫では、冷凍回路内において冷凍室を冷却する冷凍室用蒸発器付近の温度が最も低く、且つ、冷媒の圧力も低いため、冷凍室用蒸発器内に冷媒が液の状態で溜まり易い。特に、冷凍運転時において運転負荷が小さい場合には、液冷媒が冷凍室用蒸発器内に寝込むこととなる。加えて、冷媒が冷凍室用蒸発器内に逆流する不都合を回避するために冷凍室用蒸発器の出口側に逆止弁が設けられているため、係る液冷媒が圧縮機停止後も出て行かないと云う問題が生じていた。
これにより、この液冷媒が次回の冷凍室の冷凍運転開始時に流出するので、内部熱交換器での高圧冷媒の冷却が過剰となって冷凍室用膨張器において液冷媒が多くなり、減圧効果が低下し、低圧が上昇して冷凍室用蒸発器での必要な蒸発温度が得られなくなる。これにより、冷凍室が冷却不良となる問題が生じていた。
一方、冷凍室が冷却不良となる原因は上述の冷媒の寝込み以外にも、冷凍室用膨張器が閉塞して、冷凍室用蒸発器に冷媒が流れなくなった場合にも生じる。特に、上記二酸化炭素冷媒を使用した場合、係る低温にて冷媒を蒸発させるために、絞り量が大きくなるように制御され、冷凍室では、冷凍室用蒸発器における冷媒の蒸発温度がより低温となるように、冷凍室用膨張器の絞り量がより一層拡大されている。このため、係る膨張器の閉塞が生じやすく、これにより冷凍室が冷凍不良となる恐れがあった。
このように、冷凍室が冷却不良となる原因として、上述の如き冷媒の寝込みと冷凍室用膨張器の閉塞との2つの要素が考えられるが、従来これらの原因を区別することは困難であった。また、共に冷凍室が冷却不良となるという症状は同一であるが、係る問題を解決するための対処方法が全く異なる。即ち、冷媒が寝込んだ場合には、圧縮機を運転した状態で、所定時間冷凍室用膨張器を閉じて(冷媒の絞り量を拡大させて)運転して、寝込んだ冷媒を冷凍室用蒸発器から吸い出す必要がある。他方、冷凍室用膨張器が閉塞した場合には、冷凍室用膨張器における冷媒の絞り量を減少させる必要がある。従って、間違った判断をすると症状が悪化するという問題があり、早期に原因を判断する必要があった。
本発明は、係る従来技術の課題を解決するために成されたものであり、冷却不良となる原因を早期に判断し、対処することができる冷凍装置及びそれを備えた冷蔵庫を提供することを目的とする。
請求項1の発明の冷凍装置は、圧縮機と、この圧縮機の吐出側に接続された放熱器と、この放熱器の出口側に接続された膨張手段と、この膨張手段の出口側に接続された吸熱手段とから冷媒回路が構成されたものであって、放熱器を出た冷媒と吸熱手段を出た冷媒とを熱交換させる内部熱交換器と、膨張手段における冷媒の絞り量を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、吸熱手段における冷却不良が生じている場合、膨張手段における冷媒の絞り量を変化させ、当該変化に伴う吸熱手段の温度変化に基づいて冷却不良の原因を判断することを特徴とする。
請求項2の発明の冷凍装置は、圧縮機と、この圧縮機の吐出側に接続された放熱器と、この放熱器の出口側に接続された第1の膨張器及びこの第1の膨張器の出口側に接続された第1の吸熱器と、この第1の膨張器及び第1の吸熱器に並列に接続された第2の膨張器、第2の吸熱器及び逆止弁の直列回路とから冷媒回路が構成され、逆止弁は圧縮機の吸込側を順方向とされており、第2の吸熱器における冷媒の蒸発温度が第1の吸熱器における冷媒の蒸発温度よりも低く制御されるのもであって、放熱器を出た冷媒と各吸熱器を出た冷媒とを熱交換させる内部熱交換器と、第2の膨張器における冷媒の絞り量を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、第2の吸熱器における冷却不良が生じている場合、第2の膨張器における冷媒の絞り量を変化させ、当該変化に伴う前記第2の吸熱器の温度変化に基づいて冷却不良の原因を判断することを特徴とする。
請求項3の発明の冷凍装置では、上記各発明の何れかの発明において制御手段は、吸熱手段又は第2の吸熱器における冷却不良が生じている場合、膨張手段又は第2の膨張器における冷媒の絞り量を増大させ、吸熱手段又は第2の吸熱器の温度低下幅が所定値より大きい場合は当該吸熱手段又は第2の吸熱器において冷媒の寝込みが生じているものと判断すると共に、吸熱手段又は第2の吸熱器の温度低下幅が所定値以下の場合には膨張手段又は第2の膨張器が閉塞しているものと判断することを特徴とする。
請求項4の発明の冷凍装置では、請求項3の発明において制御手段は、膨張手段又は第2の膨張器が閉塞しているものと判断した場合、当該膨張手段又は第2の膨張器における冷媒の絞り量を減少させることを特徴とする。
請求項5の発明の冷凍装置では、請求項4の発明において制御手段は、吸熱手段又は第2の吸熱器により冷却される空間の温度と当該空間の目標温度に基づき、それらの差が大きい場合には膨張手段又は第2の膨張器における冷媒の絞り量の減少幅を拡大することを特徴とする。
請求項6の発明の冷凍装置では、請求項1又は請求項2の何れかの発明において制御手段は、吸熱手段又は第2の吸熱器における冷却不良が生じている場合、膨張手段又は第2の膨張器における冷媒の絞り量を減少させ、吸熱手段又は第2の吸熱器の温度低下幅が所定値以下の場合は当該吸熱手段又は第2の吸熱器において冷媒の寝込みが生じているものと判断すると共に、吸熱手段又は第2の吸熱器の温度低下幅が所定値より大きい場合には膨張手段又は第2の膨張器が閉塞しているものと判断することを特徴とする。
請求項7の発明の冷凍装置では、請求項6の発明において制御手段は、吸熱手段又は第2の吸熱器における冷媒の寝込みが生じているものと判断した場合、膨張手段又は第2の膨張器における冷媒の絞り量を増大させることを特徴とする。
請求項8の発明の冷凍装置は、請求項1乃至請求項7の何れかの発明の冷凍装置の冷媒として二酸化炭素を用いたことを特徴とする。
請求項9の発明の冷蔵庫は、請求項1乃至請求項8の何れかの発明の冷凍装置を備えたことを特徴とする。
請求項10の発明の冷蔵庫は、請求項2乃至請求項8の何れかの発明において冷蔵室と、この冷蔵室よりも低い温度に冷却される冷凍室とを備え、第1の吸熱器により冷蔵室を冷却し、第2の吸熱器により冷凍室を冷却することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、圧縮機と、この圧縮機の吐出側に接続された放熱器と、この放熱器の出口側に接続された膨張手段と、この膨張手段の出口側に接続された吸熱手段とから冷媒回路が構成された冷凍装置において、放熱器を出た冷媒と吸熱手段を出た冷媒とを熱交換させる内部熱交換器と、膨張手段における冷媒の絞り量を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、吸熱手段における冷却不良が生じている場合、膨張手段における冷媒の絞り量を変化させ、当該変化に伴う吸熱手段の温度変化に基づいて冷却不良の原因を判断するので、例えば、請求項3の発明の如き制御手段は、吸熱手段における冷却不良が生じている場合、膨張手段における冷媒の絞り量を増大させ、吸熱手段の温度低下幅が所定値より大きい場合は当該吸熱手段において冷媒の寝込みが生じているものと判断すると共に、吸熱手段の温度低下幅が所定値以下の場合には膨張手段が閉塞しているものと判断するものとすれば、冷却不良の原因を早期に、且つ、確実に判断することができる。
また、請求項3の発明において、制御手段は膨張手段が閉塞しているものと判断した場合、請求項4の如く当該膨張手段における冷媒の絞り量を減少させることで、膨張手段における閉塞を解消することができる。
同様に、請求項1の発明において、例えば、請求項6の発明の如く制御手段は、吸熱手段における冷却不良が生じている場合、膨張手段における冷媒の絞り量を減少させ、吸熱手段の温度低下幅が所定値以下の場合は当該吸熱手段において冷媒の寝込みが生じているものと判断すると共に、吸熱手段の温度低下幅が所定値より大きい場合には膨張手段が閉塞しているものと判断するものとしても、冷却不良の原因を早期に、且つ、確実に判断することができる。
更に、請求項6の発明において制御手段は吸熱手段における冷媒の寝込みが生じているものと判断した場合、請求項7の如く膨張手段における冷媒の絞り量を増大させることで、吸熱手段における冷媒の寝込みを解消することができる。
請求項2の発明によれば、圧縮機と、この圧縮機の吐出側に接続された放熱器と、この放熱器の出口側に接続された第1の膨張器及びこの第1の膨張器の出口側に接続された第1の吸熱器と、この第1の膨張器及び第1の吸熱器に並列に接続された第2の膨張器、第2の吸熱器及び逆止弁の直列回路とから冷媒回路が構成され、逆止弁は圧縮機の吸込側を順方向とされており、第2の吸熱器における冷媒の蒸発温度が第1の吸熱器における冷媒の蒸発温度よりも低く制御される冷凍装置において、放熱器を出た冷媒と各吸熱器を出た冷媒とを熱交換させる内部熱交換器と、第2の膨張器における冷媒の絞り量を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、第2の吸熱器における冷却不良が生じている場合、第2の膨張器における冷媒の絞り量を変化させ、当該変化に伴う前記第2の吸熱器の温度変化に基づいて冷却不良の原因を判断するので、例えば、請求項3の発明の如き制御手段は、第2の吸熱器における冷却不良が生じている場合、第2の膨張器における冷媒の絞り量を増大させ、第2の吸熱器の温度低下幅が所定値より大きい場合は当該第2の吸熱器において冷媒の寝込みが生じているものと判断すると共に、第2の吸熱器の温度低下幅が所定値以下の場合には第2の膨張器が閉塞しているものと判断するものとすれば、冷却不良の原因を早期に、且つ、確実に判断することができる。
また、請求項3の発明において、制御手段は第2の膨張器が閉塞しているものと判断した場合、請求項4の如く当該第2の膨張器における冷媒の絞り量を減少させることで、第2の膨張器における閉塞を解消することができる。
同様に、請求項2の発明において、例えば、請求項6の発明の如く制御手段は、第2の吸熱器における冷却不良が生じている場合、第2の膨張器における冷媒の絞り量を減少させ、第2の吸熱器の温度低下幅が所定値以下の場合は当該第2の吸熱器において冷媒の寝込みが生じているものと判断すると共に、第2の吸熱器の温度低下幅が所定値より大きい場合には第2の膨張器が閉塞しているものと判断するものとしても、冷却不良の原因を早期に、且つ、確実に判断することができる。
更に、請求項6の発明において制御手段は第2の吸熱器における冷媒の寝込みが生じているものと判断した場合、請求項7の如く第2の膨張器における冷媒の絞り量を増大させることで、第2の吸熱器における冷媒の寝込みを解消することができる。
また、請求項4の発明において、請求項5の発明の如き制御手段は、吸熱手段又は第2の吸熱器により冷却される空間の温度と当該空間の目標温度に基づき、それらの差が大きい場合には膨張手段又は第2の膨張器における冷媒の絞り量の減少幅を拡大するものとすれば、膨張手段又は第2の膨張器の閉塞をより一層迅速に解消することができるようになる。
特に、請求項1乃至請求項7の何れかの発明の冷凍装置の冷媒として請求項8の如く二酸化炭素を用いた場合にも、冷却能力を改善することができるようになる。
また、請求項9の発明の如く冷蔵庫に請求項1乃至請求項8の何れかの発明の冷凍装置を備えたることで、冷蔵庫の性能及び信頼性を向上させることができるようになる。
更にまた、請求項10の発明の如き冷蔵室と、この冷蔵室よりも低い温度に冷却される冷凍室とを備え、第1の吸熱器により冷蔵室を冷却し、第2の吸熱器により冷凍室を冷却することで、冷蔵庫の性能及び信頼性を向上させることができるようになる。
本発明は、吸熱器における冷却不良の原因を判断するために成されたものであり、冷却不良の原因を早期に判断し、適切に対処するという目的を、膨張手段における冷媒の絞り量を変化させ、当該変化に伴う吸熱手段の温度変化に基づいて冷却不良の原因を判断することにより実現した。以下、図面に基づき本発明の実施の形態を詳述する。
図1は、本発明の一実施例の冷凍装置の冷媒回路図を示している。冷凍装置10は、圧縮機1と、この圧縮機1の吐出側に接続された放熱器2と、この放熱器2の出口側に接続された膨張弁65(第1の膨張器)及びこの膨張弁65の出口側に接続された第1の吸熱器57と、この膨張弁65及び第1の吸熱器57に並列に接続された膨張手段としての膨張弁66(第2の膨張器)、吸熱手段としての第2の吸熱器58及び逆止弁52の直列回路等から冷媒回路が構成されている。即ち、圧縮機1の第2の圧縮要素1Bの出口側の冷媒吐出管31は放熱器2の入口に接続される。
実施例の圧縮機1は、2段圧縮式の圧縮機であり、密閉容器内に駆動要素としての図示しない電動要素と、この電動要素にて駆動される第1の圧縮要素1Aと第2の圧縮要素1Bにて構成される。
図中30は圧縮機1の第1の圧縮要素1Aで圧縮された冷媒を第2の圧縮要素1Bに導入するための冷媒導入管であり、この冷媒導入管30は、圧縮機の外部に構成された中間冷却器1Cを通過するように配設されている。即ち、第1の圧縮要素1Aで圧縮され、中間圧となった冷媒は中間冷却器1Cにて冷却された後、第2の圧縮要素1Bに吸い込まれる構成とされている。
また、図中36は圧縮機1の第1の圧縮要素1Aに冷媒を導入するための冷媒導入管であり、この冷媒導入管36の一端は第1の圧縮要素1Aの図示しないシリンダと連通している。また、冷媒導入管36の他端は後述する内部熱交換器40の低圧側流路42Lの出口に接続されている。
前記放熱器2の近傍には、当該放熱器2に通風して冷媒を放熱させるためのファン2Fが設置されている。
一方、放熱器2の出口側に接続された配管32は、前記内部熱交換器40の高圧側流路42Hの入口に接続される。前述した内部熱交換器40は、放熱器2を出た高圧側の冷媒と各吸熱器57、58を出た低圧側の冷媒とを熱交換させるためのものであり、両流路42H、42Lが交熱的に配置されている。この内部熱交換器40の高圧側流路42Hの入口は内部熱交換器40の一端側(図1では右端)に形成され、出口は他端側(図1では左端)に形成されている。これにより、高圧側流路42Hを流れる放熱器からの高圧側冷媒は、内部熱交換器40の一端側から他端側に流れる。
また、内部熱交換器40の低圧側流路42Lの入口は内部熱交換器40の他端側(図1では左端)に形成され、出口は一端側(図1では右端)に形成されている。これにより、低圧側流路42Lを流れる各吸熱器57、58からの低圧冷媒は、内部熱交換器40の他端側から一端側に流れる。従って、高圧側流路42Hと低圧側流路42Lを流れる冷媒は対向流となるので、当該内部熱交換器40において高圧側の冷媒と低圧側の冷媒の熱交換を良好に行うことが可能となる。
また、内部熱交換器40の高圧側流路42Hの出口に接続された配管33は、膨張弁65を経て、吸熱器57に接続される。
一方、膨張弁65の入口側の配管33の分岐点9Aには、バイパス回路34を構成する配管の一端が接続されている。バイパス回路34は、膨張弁65及び吸熱器57に並列に接続された直列回路であり、当該バイパス回路34には、膨張弁66、吸熱器58及び逆止弁52が設けられている。また、バイパス回路34の配管の他端は前記吸熱器57の出口側の配管33の合流点9Bにて接続される。逆止弁52は圧縮機1の吸込側を順方向とされており、当該吸熱器58内に冷媒が逆流する不都合を防いでいる。
前記各膨張弁65、66は、放熱器2及び内部熱交換器40にて放熱した冷媒を膨張するためのものであり、本実施例の各膨張弁65、66は後述する制御装置26により絞り量が当該膨張弁65、66の全閉状態から全開状態までそれぞれ段階的に制御(ステップ制御)される電動膨張弁にて構成されている。
また、内部熱交換器40の低圧側流路42Lの入口側にも逆止弁53が設置されており、当該逆止弁53も圧縮機1の吸込側を順方向とされている。この逆止弁53により、圧縮機1に吸い込まれた冷媒が停止時等に逆流して、吸熱器57に流入する不都合を回避できる。
前記各吸熱器57、58の近傍には、それぞれファン57F、58Fが設置されている。ファン57Fは、吸熱器57内の冷媒と熱交換して冷却された冷気をダクト57Aを介して冷蔵室21内に送風するための送風手段である。同様にファン58Fも吸熱器58内の冷媒と熱交換して冷却された冷気をダクト58Aを介して冷凍室22内に送風するための送風手段であり、各ファン57F、58Fの運転は後述する制御装置26により制御されている。
ここで、本実施例の冷凍装置10は、冷蔵室21とこの冷蔵室21よりも低い温度に冷却される冷凍室22とを有する冷蔵庫に使用され、前記吸熱器57により冷蔵室21を冷却し、吸熱器58により冷凍室22を冷却する構成とされている。
そして、前述した制御装置26は、冷蔵庫の制御を司る制御手段であり、例えば汎用のマイクロコンピュータにて構成される。当該制御装置26は、冷蔵庫21内に設けられた温度センサ21T及び冷凍室22内に設けられた温度センサ22T等の出力に基づき、圧縮機1の運転周波数やON−OFF、各膨張弁65、66或いは各ファン2F、57F及び58Fの運転等を制御する。また、制御装置26は、通常、吸熱器58における冷媒の蒸発温度が吸熱器57における冷媒の蒸発温度よりも低くなるように、且つ、各吸熱器57、58における冷媒の過熱度に基づいて、各膨張弁65、66の絞り量を制御する。本実施例では、吸熱器57にける冷媒の過熱度は、吸熱器57の出口側に設置された出口温度センサ72Toにて検出される冷媒温度と、入口側に設置された入口温度センサ72Tiにて検出される冷媒温度の差から算出するものとする。また、吸熱器58における冷媒の過熱度は、吸熱器58の出口側に設置された出口温度センサ70Toにて検出される冷媒温度と、入口側に設置された入口温度センサ70Tiの差から算出するものとする。更に、制御装置26は、冷凍室22内の温度推移と、吸熱器58における上記冷媒の過熱度に基づいて、冷凍室22における冷却状態を検出している。当該冷凍室22の冷却状態の検出については、後述する動作説明にて詳述する。
尚、本冷凍装置10の冷媒としては、地球環境にやさしく、可燃性及び毒性等を考慮して自然冷媒である二酸化炭素(CO2)が用いられ、冷凍装置10の冷媒回路の高圧側は超臨界圧力となる。
以上の構成で次に本発明の冷凍装置10を備えた冷蔵庫の動作を説明する。
(1)プルダウン運転
先ず、冷蔵庫の起動時の運転(プルダウン運転)について説明する。冷蔵庫本体に設けられた図示しない始動スイッチを入れるか、或いは冷蔵庫本体の電源ソケットがコンセントに接続されると、制御装置26は両膨張弁65、66をそれぞれ全閉状態からそれぞれ所定のステップ開いて絞り量を調節すると共に、圧縮機1の図示しない電動要素を起動する。これにより、圧縮機1の第1の圧縮要素1Aに低圧の冷媒ガスが吸い込まれて圧縮され中間圧となり、冷媒導入管30に吐出される。
そこで、当該冷媒導入管30に吐出された冷媒ガスは、密閉容器外部に設けられた中間冷却器1Cを通過する過程で冷却される。これにより、第2の圧縮要素1Bに吸い込まれる冷媒を冷却することができるので、密閉容器内の温度上昇を抑え、第2の圧縮要素1Bにおける圧縮効率も向上させることができる。更に、第2の圧縮要素1Bで圧縮され、吐出される冷媒の温度上昇も抑制して、各吸熱器57、58における冷却能力の改善に寄与できる。
また、中間冷却器1Cで冷却された冷媒ガスは、密閉容器内に戻り、第2の圧縮要素1Bに吸入されて、2段目の圧縮が行われて高温高圧の冷媒ガスとなり、冷媒吐出管31より圧縮機1の外部に吐出される。このとき、冷媒は適切な超臨界圧力まで圧縮される。
冷媒吐出管31から吐出された冷媒ガスは放熱器2に流入し、そこでファン2Fによる通風を受けて放熱した後、内部熱交換器40の一端に形成された入口から高圧側流路42Hに流入する。そして、高圧側流路42Hを流れる放熱器2からの冷媒は、低圧側流路42Lを流れる両吸熱器57、58からの冷媒に熱を奪われて更に冷却される。
この内部熱交換器40の存在により、放熱器2を出て内部熱交換器40を通過する冷媒は、低圧側の冷媒に熱を奪われて、冷却されるので、その分、冷媒の過冷却度が大きくなり、各膨張弁65、66に入る冷媒の温度を下げることができる。更にまた、内部熱交換器40において高圧側流路42Hと低圧側流路42Lを流れる冷媒は前述の如き対向流となるので、熱交換能力を最大限に発揮することができる。これにより、吸熱器57、58におけるエントロピー差を拡大することができるようになるので、各吸熱器57、58における冷却能力を向上させることが可能となる。
係る内部熱交換器40で冷却され、内部熱交換器40の高圧側流路42Hから出た高圧側の冷媒は、配管33を流れて分岐点9Aにて分岐され、分岐された一方の冷媒は膨張弁65に至る。尚、膨張弁65の入口では冷媒はまだ超臨界状態である。そして、冷媒は膨張弁65における圧力低下により、ガス/液体の二相混合体とされ、その状態で吸熱器57内に流入する。そこで、冷媒は蒸発し、周囲の空気から吸熱することにより冷却作用を発揮する。ここで、冷媒により熱を奪われて冷却された吸熱器57の周囲の冷気はファン57Fによりダクト57Aを介して冷蔵室21内に送風され、当該冷蔵室21内を冷却する。
このとき、前述の如く中間冷却器1Cにて中間圧の冷媒を冷却する効果と、内部熱交換器40にて冷媒を冷却する効果により、吸熱器57に流入する冷媒をより低温にすることができるので、二酸化炭素冷媒を使用した場合であっても、充分な冷却能力を得ることができ、冷蔵室21内を冷却することが可能である。
一方、分岐点9Aにて分岐された他方の冷媒はバイパス回路34に入り膨張弁66に至る。膨張弁66の入口において超臨界状態であった冷媒は、膨張弁66における圧力低下により、ガス/液体の二相混合体とされ、その状態で吸熱器58内に流入する。そこで、冷媒は蒸発し、周囲の空気から吸熱することにより冷却作用を発揮する。
そして、冷媒により熱を奪われて冷却された吸熱器58の周囲の冷気はファン58Fによりダクト58Aを介して冷凍室22内に送風され、当該冷凍室22内を冷却する。このとき、上述の如く中間冷却器1Cにて中間圧の冷媒を冷却する効果と、内部熱交換器40にて冷媒を冷却する効果により、吸熱器58に流入する冷媒をより低温にすることができるので、二酸化炭素冷媒を使用した場合であっても、充分な冷却能力(冷凍能力)を得ることができる。また、膨張弁66は、制御装置26によって膨張弁65の絞り量より拡大されており、これにより吸熱器58に流入する冷媒をより減圧することができるので、吸熱器58において冷媒をより低温で蒸発させることが可能となり、冷凍室22内を所望の低温にすることができるようになる。
吸熱器58から出た冷媒は逆止弁52を経た後、合流点9Bにて吸熱器57から出た冷媒と合流し、逆止弁53を経由して、内部熱交換器40の他端に形成された入口から低圧側流路42Lに流入する。そして、低圧側流路42Lを流れる各吸熱器57、58からの冷媒は、前記高圧側流路42Hを流れる高温高圧の冷媒から熱を奪い、加熱作用を受ける。
ここで、各吸熱器57、58でそれぞれ蒸発し低温となって各吸熱器57、58から出た冷媒は完全に気体の状態ではなく液体が混在した状態となる場合もあるが、当該内部熱交換器40の低圧側流路42Lを通過させて、高圧側流路42Hを流れる冷媒と熱交換させることで、冷媒が加熱され、この時点で冷媒の過熱度が確保され完全に気体の状態になる。
これにより、圧縮機1に吸い込まれる冷媒を確実に気体の状態とすることができ、圧縮機1に液体の冷媒が吸い込まれて圧縮される所謂液圧縮の発生を未然に回避することができるようになる。
尚、内部熱交換器40で加熱された冷媒は、冷媒導入管36から圧縮機1の第1の圧縮要素1Aに吸い込まれるサイクルを繰り返す。これにより、冷蔵室21及び冷凍室22内は徐々に冷却されていく。
そして、温度センサ21Tにて検出される冷蔵室21内の温度が所定の下限温度(例えば、+3℃)となると、制御装置26は膨張弁65を全閉して、吸熱器57への冷媒の流入を禁止する。これにより、内部熱交換器40の高圧側流路42Hを出た冷媒は全て膨張弁66にて減圧され、吸熱器58に流入して蒸発され、逆止弁52、逆止弁53及び内部熱交換器40の低圧側流路42Lを経由して圧縮機1の第1の圧縮要素1Aに吸い込まれるサイクルを繰り返す。
その後、温度センサ22Tにて検出される冷凍室22内の温度が所定の下限温度(例えば、−20℃)となると、制御装置26は膨張弁66を全閉すると共に、圧縮機1をOFFして運転を停止する。
(2)通常運転
上述したプルダウン運転が終了すると、制御装置26にプルダウン運転が成されたことが記憶され、次回圧縮機1がONされると、通常の冷却運転が行われる。制御装置26は冷蔵室21内の温度センサ21T及び冷凍室22内の温度センサ22Tに基づき、冷蔵室21内を目標温度(例えば、+5℃)の上下に所定のディファレンシャルをもって上限温度(例えば、+7℃)と下限温度(例えば、+3℃)の範囲内、冷凍室22内を目標温度(例えば、−18℃)の上下に所定のディファレンシャルをもって上限温度(例えば、−16℃)と下限温度(例えば、−20℃)の範囲内となるように制御する。
この場合、制御装置26は前記プルダウン運転が終了し、圧縮機1の運転を停止してから、温度センサ21Tにて検出される冷蔵庫21内が上限温度(+7℃)に達した場合であっても、温度センサ22Tにて検出される冷凍室22内が上限温度(−16℃)に達していない場合には、圧縮機1の運転を開始しない。
そして、温度センサ22Tにて検出される冷凍室22内の温度が上限温度(−16℃)に上昇すると、制御装置26は、膨張弁65を全閉状態から所定ステップ開いて絞り量を調節すると共に、圧縮機1をONして冷蔵室21の冷却運転を開始する。このとき、膨張弁66は全閉された状態のままである。
これにより、圧縮機1の第1の圧縮要素1Aに低圧の冷媒ガスが吸い込まれて圧縮され中間圧となり、冷媒導入管30に吐出される。当該冷媒導入管30に吐出された冷媒ガスは、密閉容器外部に設けられた中間冷却器1Cを通過する過程で冷却された後、密閉容器内に戻り、第2の圧縮要素1Bに吸入されて、2段目の圧縮が行われて高温高圧の冷媒ガスとなり、冷媒吐出管31より圧縮機1の外部に吐出される。このとき、冷媒は適切な超臨界圧力まで圧縮される。
冷媒吐出管31から吐出された冷媒ガスは放熱器2に流入し、そこでファン2Fによる通風を受けて放熱して、内部熱交換器40の一端に形成された入口から高圧側流路42Hに流入し、低圧側流路42Lを流れる吸熱器57からの冷媒に熱を奪われて更に冷却された後、配管33に吐出される。このとき、前述の如く膨張弁66は全閉されているので、内部熱交換器40を出た冷媒ガスはバイパス回路34に流れることなく、全て膨張弁65に流入する。尚、膨張弁65の入口では冷媒はまだ超臨界状態である。
そして、冷媒は膨張弁65における圧力低下により、ガス/液体の二相混合体とされ、その状態で吸熱器57内に流入する。そこで、冷媒は蒸発し、周囲の空気から吸熱することにより冷却作用を発揮する。ここで、冷媒により熱を奪われて冷却された吸熱器57の周囲の冷気はファン57Fによりダクト57Aを介して冷蔵室21内に送風され、当該冷蔵室21内を冷却する。
吸熱器57から出た冷媒は、逆止弁53を経て、内部熱交換器40の他端に形成された入口から低圧側流路42Lに流入し、高圧側流路42Hを流れる高温高圧の冷媒から熱を奪い、加熱作用を受けて完全に気体の状態になった後、冷媒導入管36から圧縮機1の第1の圧縮要素1Aに吸い込まれるサイクルを繰り返す。これにより、冷蔵室21内は冷却されていく。
上述の如き冷蔵室21の冷却運転を開始して、その後30分以内に温度センサ21Tにて検出される冷蔵室21内の温度が下限温度(+3℃)まで低下すると、制御装置26は、前記膨張弁65を全閉すると共に、膨張弁66を全閉状態から所定ステップ開いて絞り量を調節して冷凍室22の冷凍運転を開始する。
これにより、圧縮機1の外部に吐出された超臨界状態の冷媒ガスは、放熱器2にてファン2Fによる通風を受けて放熱した後、内部熱交換器40の一端に形成された入口から高圧側流路42Hに流入し、低圧側流路42Lを流れる吸熱器58からの冷媒に熱を奪われて更に冷却される。そして、内部熱交換器40で冷却され、内部熱交換器40の高圧側流路42Hから出た高圧側の冷媒は、配管33を流れて分岐点9Aに至る。
ここで、前述の如く膨張弁65は全閉されているので、内部熱交換器40を出た冷媒は超臨界状態を維持したまま全て膨張弁66に流入する。そして、冷媒は膨張弁66における圧力低下により、ガス/液体の二相混合体とされ、この状態で吸熱器58内に流入する。そこで、冷媒は蒸発し、周囲の空気から吸熱することにより冷却作用を発揮する。そして、冷媒により熱を奪われて冷却された吸熱器58の周囲の冷気はファン58Fによりダクト58Aを介して冷凍室22内に送風され、当該冷凍室22内を冷却する。
膨張弁66は、制御装置26によって膨張弁65の絞り量より拡大されているので、吸熱器58に流入する冷媒をより減圧することができると共に、前述の如き中間冷却器1Cにて中間圧の冷媒を冷却する効果と、内部熱交換器40にて冷媒を冷却する効果により、吸熱器58に流入する冷媒をより低温にすることができるので、二酸化炭素冷媒を使用した場合であっても、冷凍室22内を所望の低温にすることができる。
その後、吸熱器58から出た冷媒は逆止弁52を経た冷媒は合流点9Bにて配管33内に戻り、逆止弁53を経由して、内部熱交換器40の他端に形成された入口から低圧側流路42Lに流入し、高圧側流路42Hを流れる高温高圧の冷媒から熱を奪い、加熱作用を受けて完全に気体の状態になった後、冷媒導入管36から圧縮機1の第1の圧縮要素1Aに吸い込まれるサイクルを繰り返す。これにより、冷凍室22内は冷却されていく。
そして、温度センサ22Tにて検出される冷凍室22内の温度が下限温度(−20℃)迄低下すると、制御装置26は、制御装置26は膨張弁66を全閉すると共に、圧縮機1をOFFして運転を停止する。そして、次に、冷蔵室21内の温度が上限温度(+7℃)に達し、冷凍室22内の温度も上限温度(−16℃)に達すると膨張弁65を全閉状態から所定ステップ開いて上述した冷蔵室21の冷却運転を行い、冷蔵室21が下限温度(+3℃)に達すると、冷凍室22内の冷凍運転を行うサイクルを繰り返す。
(3)冷却不良の原因判定
一方、制御装置26は、冷凍室22内が冷凍運転されている場合には、上記制御に加えて、前記温度センサ22Tにて検出される冷凍室22内の温度に基づき、前述した如く冷凍室22内の冷却状態を検出している。具体的には、所定時間毎(例えば、5分毎)に冷凍室22内の温度を検出して、現在の冷凍室22内の温度と所定時間前の冷凍室22内とを比較し、現在の冷凍室22内が所定時間前より冷却されているか判定する。そして、現在の冷凍室22内の温度が所定時間前より低ければ、冷凍室22内が良好に冷却されているものと判定し、通常の冷凍運転と上記冷却状態の検出を継続する。
他方、現在の冷凍室22内の温度が所定時間前と同じであるか、或いは、高い場合には、入口温度センサ70Tiと出口温度センサ70Toにて吸熱器58における過熱度を検出し、過熱度がついていない場合、通常の冷凍運転を行っているにも拘わらず、冷凍室22内が冷えない、所謂冷却不良が発生しているものと判定する。この場合、係る冷却不良の原因として、膨張弁66の閉塞と、吸熱器57内に冷媒が液の状態で溜まってしまう冷媒の寝込みが考えられる。このような膨張弁66が閉塞した場合と冷媒が吸熱器58に寝込んだ場合には共に冷凍室22内が冷えない冷却不良が生じるが、膨張弁66の閉塞と冷媒の寝込みとは、冷却不良を解消する方法が全く異なる。
即ち、膨張弁66が閉塞した場合には、膨張弁66における冷媒の絞り量を減少し、冷媒がより多く流れるようにする必要がある。一方、吸熱器58内に冷媒が寝込んだ場合には、膨張弁66における冷媒の絞り量を増大し、吸熱器58内に流れ込む冷媒量を少なく、或いは、吸熱器58内に冷媒が流れ込まないようにして、吸熱器58内に寝込んだ冷媒を流し出す必要がある。
しかしながら、従来の冷凍装置では冷却不良の原因を判断することが困難であった。そのため、膨張弁66が閉塞して冷却不良が発生しているにも拘わらず、膨張弁66の絞り量を増大してしまったり、吸熱器58内に冷媒が寝込むことにより冷却不良が発生しているにも拘わらず、膨張弁66の絞り量を減少し、冷媒がより多く流れるようにして、冷媒の寝込みを悪化させるといった問題が生じていた。これにより、冷凍室22内が冷却されない状態が長期に渡り、冷凍室22内の品物が劣化する恐れがあった。
そこで、本発明では、制御装置26は吸熱器58における冷却不良が生じている場合、膨張弁66における冷媒の絞り量を変化させて、当該変化に伴う吸熱器58の温度変化に基づいて冷却不良の原因を判断する。
例えば、制御装置26は吸熱器58における冷却不良が生じている場合、膨張弁66における冷媒の絞り量を増大させ、吸熱器58の温度低下幅が所定値より大きい場合は吸熱器58において冷媒の寝込みが生じていると判断すると共に、吸熱器58の温度低下幅が所定値以下での場合には、膨張弁66が閉塞しているものと判断する。そして、制御装置26は膨張弁66が閉塞していると判断した場合、膨張弁66における冷媒の絞り量を減少させることにより閉塞を解消する。更に、制御装置26は吸熱器58により冷却される空間である冷凍室22の温度と当該冷凍室22の目標温度に基づき、それらの差が大きい場合には吸熱器58における冷媒の絞り量の減少幅を拡大する。
そこで、上述した冷却不良の原因判断の一例を図2を用いて説明する。尚、図2は制御装置26の制御のフローチャートを示す図である。制御装置26は、冷凍室22の冷凍運転を行う場合、通常の冷凍運転制御に加えて、図2に示すように冷凍室22内の冷却状態に基づく制御を実行する。
先ず、制御装置26により前述の如く膨張弁66が全閉状態から所定ステップ開いて絞り量が調節されると(図2のステップS1)、制御装置26は、ステップS2に進んで冷凍室22内の冷却状態を検出する。即ち、温度センサ22Tにて冷凍室22内の温度tF2を検出し、その時の冷凍室22内の温度tF2を一旦記憶する。そして、所定時間(例えば、5分)経過後、現在の冷凍室22内の温度tF1を検出し、前記所定時間前の冷凍室22内温度tF2と比較する。このとき、現在の冷凍室22内の温度tF1が所定時間前の温度tF2より低ければ、冷凍室22内が良好に冷却されているものと判定し、ステップS2を繰り返す。
一方、現在の冷凍室22内の温度tF1が所定時間前の温度tF2と同じであるか、高い場合には、制御装置26は次にステップS3に移行し、吸熱器58における過熱度を検出する。ステップS3において、制御装置26は出口温度センサ70Toにて検出される吸熱器58出口側の冷媒温度と、入口温度センサ70Tiにて検出される吸熱器58入口側の冷媒温度とから過熱度dtevaを算出する。即ち、ステップS1において現在の冷凍室22内の温度tF1が所定時間前の温度tF2と同じ或いは高い場合、冷却不良以外に冷凍室22内の温度が高すぎるため、吸熱器58にて冷媒と空気とが熱交換しているにも拘わらず、冷凍室22内の温度が下がらない状況も想定できるが、この場合には吸熱器58の入口の冷媒温度が低く出口の冷媒温度が高い、過熱度が付いた状態となる。これに対して、冷却不良の場合には、過熱度が殆ど付いていない状態となる。従って、ステップS3にて過熱度を算出することで、冷却不良の有無を判定できる。
即ち、ステップS3にて制御装置26は、出口温度センサ70Toにて検出される吸熱器58出口側の冷媒温度tevaoutと、入口温度センサ70Tiにて検出される吸熱器58入口側の冷媒温度tevainとから過熱度dtevaを算出し、過熱度dtevaが所定値(例えば+2deg)より大きければ、冷却不良でないと判断し、ステップS1に戻る。
一方、過熱度dtevaが所定値(例えば+2deg)以下である場合、制御装置26はステップS4にて冷却不良が生じていると判断し、冷却不良の原因の判定工程に進む。制御装置26は、先ずステップS5にて現在の入口温度センサ70Tiにて検出される吸熱器58入口側の冷媒温度tevain1を記憶して、ステップS6に進み膨張弁66のリセットを行う。ステップS6にて制御装置26は、圧縮機1が運転されている状態のまま、膨張弁66の絞り量を増大、本実施例では、膨張弁66を全閉とする。更に、当該全閉状態から更に膨張弁66を数ステップ閉じる。これにより、例えば、制御装置26により膨張弁66を3ステップ開いた状態で制御していたつもりであったが、実際には2ステップしか開いていない、或いは、それ以上開いた状態であるなどの膨張弁66の絞り量のズレがあったとしても、この時点で当該ズレがリセットされ、完全に全閉の状態とすることができる。
そして、制御装置26は膨張弁66を完全に全閉とした状態で所定の時間(例えば、1分間)保持した後、ステップS7に進み、この時点の吸熱器58の入口冷媒温度tevain2を検出して記憶し、次のステップS8に移行する。
ここで、制御装置26は膨張弁66リセット前の吸熱器58の入口冷媒温度tevain1とリセット後の入口冷媒温度tevain2とを比較する。このとき、例えば、膨張弁66の閉塞により冷却不良に陥っていたとしたら、膨張弁66を全閉とすることで、吸熱器58の入口冷媒温度はリセット前と後で殆ど変化しない。一方、吸熱器58における冷媒の寝込みにより冷却不良に陥っている場合には、リセット後の入口冷媒温度tevain2がリセット前の吸熱器58の入口冷媒温度tevain1から著しく変化する。
従って、膨張弁66のリセット後の入口冷媒温度tevain2の温度低下幅dtevaが所定値(例えば、0deg)以下の場合には、制御装置26はステップS9に進み、当該冷却不良の原因が膨張弁66の閉塞であると判断する。そして、ステップS10に進み、膨張弁66を所定ステップ開いた後(リセット前と同じ絞り量として)、ステップS11に移行する。このとき、制御装置26はリセット前の絞り量から膨張弁66における冷媒の絞り量を減少させるが、当該ステップS11において、制御装置26は、吸熱器58により冷却されている空間である冷凍室22の温度tFと当該冷凍室22の目標温度tFS(例えば、−18℃)に基づき、それらの差ΔtFが大きい場合には膨張弁66における冷媒の絞り量の減少幅を拡大する。
即ち、ステップS11において、制御装置26は温度センサ22Tにてこの時点の冷凍室22内の温度tFを検出し、この冷凍室22内の温度tFと目標温度tFS(例えば、−18℃)との差ΔtFを算出し、当該差ΔtFが予め設定された所定の値tdより小さい場合には、制御装置26はステップS13に進み、膨張弁66の絞り量をPsだけ拡大してステップS14に進む。
他方、前記差ΔtFが予め設定された所定の値td以上である場合には、現在の冷凍室22内の温度がかなり上昇しているため、早期に冷凍室22内を冷凍する必要があることが考えられる。このため、制御装置26はステップS12にて膨張弁66の絞り量の減少幅を拡大して(膨張弁66の絞り量の減少幅を上記Psより大きいPlとして)、ステップS14に進む。
ステップS14にて、制御装置26は、前記ステップS12若しくはステップS13に基づき、膨張弁66の絞り量を変更して所定時間経過した後、出口温度センサ70Toにて検出される吸熱器58出口側の冷媒温度tevaoutと、入口温度センサ70Tiにて検出される吸熱器58入口側の冷媒温度tevainとから過熱度dtevaを算出する。そして、当該過熱度dtevaが所定値Pより大きければ、膨張弁66の閉塞が解消されたと判断して通常の冷凍室22の冷凍運転に戻る(図2のステップS18)。
一方、過熱度dtevaが所定値P以下である場合、膨張弁66の閉塞が解消されていないと判断し、ステップS17に進む。ここで、制御装置26は制御装置26がステップS9にて膨張弁66の閉塞と判断してから現時点までの経過時間Tが、予め設定された時間Ts経過していない場合には、ステップS11に戻り、当該ステップS11からステップ16の制御を繰り返す。尚、ステップS17にて経過時間Tが、予め設定された時間Ts経過した場合には、制御装置26は膨張弁66が故障したものと判断し、圧縮機1の運転を停止すると共に、所定の警報を発する。
他方、前記ステップS8にて膨張弁66のリセット後の入口冷媒温度tevain2の温度低下幅が所定値(例えば、0deg)より大きい場合、制御装置26はステップS15に進み、当該冷却不良の原因が吸熱器58における冷媒の寝込みであったと判断する。この場合、ステップS6にて膨張弁66を完全に全閉とした状態で所定の時間(例えば、1分間)保持したことにより、冷媒の寝込みが解消されているので、制御装置26はステップS16に進み、膨張弁66を所定ステップ開いた後(リセット前と同じ絞り量として)、通常の冷凍室22の冷凍運転に戻る(図2のステップS18)。
以上のように、吸熱器58における冷却不良が生じている場合、制御装置26は膨張弁66を全閉して、このときの吸熱器58の入口側の冷媒の温度変化に基づき、膨張弁66の全閉後の入口冷媒温度tevain2の温度低下幅dtevaが所定値(例えば、0deg)以下の場合には、膨張弁66が閉塞しているものと判断すると共に、温度低下幅が所定値より大きい場合には吸熱器58において冷媒の寝込みが生じていると判断することが可能となる。
この場合、吸熱器58における冷媒の寝込みにより冷却不良が生じていた場合には、膨張弁66を全閉としたことで、係る冷媒の寝込みを解消することができる。また、制御装置26は、膨張弁66の閉塞が生じていると判断した場合、膨張弁66における冷媒の絞り量を減少させると共に、冷凍室22内の温度tFと当該冷凍室22の目標温度tFSに基づき、それらの差ΔtFが大きい場合(所定の値td以上である場合)には、膨張弁66の絞り量の減少幅を拡大するので、早期に膨張弁66の閉塞を解消して、冷凍室22の冷凍運転を行うことができるようになる。
これにより、吸熱器58における冷却不良の原因を確実に判断し、且つ、当該冷却不良を早期に解消することができるようになり、当該冷凍装置を備えた冷蔵庫の性能及び信頼性の向上を図ることができる。
尚、本実施例において、制御装置26は膨張弁66を全閉とすることで、冷却不良の原因を判断するものとしたが、これに限らず、膨張弁66における冷媒の絞り量を拡大させて、吸熱器58の温度低下幅が所定値より大きい場合は吸熱器58において冷媒の寝込みが生じているもの判断し、吸熱器58の温度低下幅が所定値以下の場合には膨張弁66が閉塞しているものと判断するものとしても構わない。
また、膨張弁66の閉塞により冷却不良が生じていると判断された場合、本実施例では、膨張弁66における冷媒の絞り量を減少させるものとしたが、所定時間膨張弁66を全開として、係る閉塞を解消するものとしても良い。
次に、冷却不良の原因判定の他の実施例を図3を用いて説明する。本実施例において制御装置26は、吸熱器58における冷却不良が生じている場合、膨張弁66における冷媒の絞り量を減少させ、吸熱器58の温度低下幅が所定値以下の場合は、吸熱器58において冷媒の寝込みが生じているものと判断すると共に、吸熱器58の温度低下幅が所定値より大きい場合には吸熱器58が閉塞しているものとの判断する。
図3は本実施例における制御装置26のフローチャートを示している。尚、図3において、図2と同一の符号が付されているステップS1乃至ステップS5は、図2と同じ、若しくは、類似の制御であるため説明を省略する。
即ち、制御装置26は、ステップS4にて冷却不良が生じていると判断し、ステップS5にて現在の入口温度センサ70Tiにて検出される吸熱器58入口側の冷媒温度tevain1を記憶すると、ステップS26に進み膨張弁66のリセットを行う。当該ステップS26において、制御装置26は、圧縮機1が運転されている状態のまま、膨張弁66における冷媒の絞り量を減少、本実施例では、膨張弁66を全開とする。
そして、制御装置26は膨張弁66を全開とした状態で所定時間(例えば、1分間)保持した後、ステップS27に進み、このときの吸熱器58の入口冷媒温度tevain3を検出して記憶し、次のステップS28に移行する。
ここで、制御装置26は膨張弁66リセット前の吸熱器58の入口冷媒温度tevain1とリセット後の入口冷媒温度tevain3とを比較する。このとき、例えば、膨張弁66の閉塞により冷却不良に陥っていたとしたら、膨張弁66を全開とすることで、膨張弁66の閉塞が解消されるため、リセット後の入口冷媒温度tevain3がリセット前の吸熱器58の入口冷媒温度tevain1から著しく変化する。一方、吸熱器58における冷媒の寝込みにより冷却不良に陥っている場合には、膨張弁66を全開とすることで、リセット後の入口冷媒温度tevain3とリセット前の吸熱器58の入口冷媒温度tevain1とは殆ど変化しないものと考えられる。
従って、膨張弁66のリセット後の入口冷媒温度tevain3の温度低下幅が所定値N(例えば、0deg)以下の場合、制御装置26はステップS29に進み、当該冷却不良の原因が吸熱器58において寝込みが生じているものと判断する。この場合、制御装置26は膨張弁66における冷媒の絞り量を増大させることで、係る冷媒の寝込みを解消する。即ち、制御装置26は、ステップS30に進み、膨張弁66における冷媒の絞り量を増大、本実施例では、膨張弁66を全閉とする。そして、膨張弁66を全閉とした状態で所定時間保持した後にステップS31に移行し、出口温度センサ70Toにて検出される吸熱器58出口側の冷媒温度tevaoutと、入口温度センサ70Tiにて検出される吸熱器58入口側の冷媒温度tevainとから過熱度dtevaを算出する。そして、当該過熱度dtevaが所定値Pより大きければ、吸熱器58における冷媒の寝込みが解消されたと判断し、ステップS32にて膨張弁66をリセット前と同じ絞り量とした後、通常の冷凍室22の冷凍運転に戻る(図3のステップS36)。
また、ステップS31において過熱度dtevaが所定値P以下の場合、冷媒の寝込みが解消されていないと判断し、ステップS35に進む。ここで、制御装置26は制御装置26がステップS29にて吸熱器58における冷媒の寝込みと判断してから現時点までの経過時間Tが、予め設定された時間Ts経過していない場合には、ステップS31に戻り、当該ステップS31を繰り返す。尚、ステップS31にて経過時間Tが、予め設定された時間Ts経過した場合には、制御装置26は膨張弁66が故障したものと判断し、圧縮機1の運転を停止すると共に、所定の警報を発する。
他方、膨張弁66のリセット後の入口冷媒温度tevain3の温度低下幅が所定値N(例えば、0deg)より大きい場合には、制御装置26はステップS33に進み、膨張弁66が閉塞していたものと判断する。この場合、ステップS26にて膨張弁66を全開としたことで、膨張弁66の閉塞が解消されているので、制御装置26はステップS34に進み、膨張弁66をリセット前と同じ絞り量、或いは、それより絞り量を減少させて、通常の冷凍室22の冷凍運転に戻る(図3のステップS36)。
以上のように、吸熱器58における冷却不良が生じている場合、制御装置26は膨張弁66を全開として、このときの吸熱器58の入口側の冷媒温度変化に基づき、膨張弁66全閉後の入口冷媒温度tevain3の温度低下幅が所定値(例えば、0deg)以下の場合には吸熱器58において寝込みが生じているものと判断すると共に、温度低下幅が所定値(例えば、0deg)より大きい場合には膨張弁66が閉塞しているものと判断することが可能となる。
この場合、膨張弁66の閉塞により吸熱器58における冷却不良が生じていた場合には、膨張弁66を全開としたことで、係る閉塞を解消することができる。また、制御装置26は、吸熱器58において冷媒の寝込みが生じていると判断した場合、膨張弁66を全閉とした状態で、圧縮機1を運転することで、吸熱器58の冷媒の寝込みを解消することができるようになる。
これにより、吸熱器58における冷却不良の原因を確実に判断し、且つ、当該冷却不良を早期に解消することができるようになるので、当該冷凍装置を備えた冷蔵庫の性能及び信頼性の向上を図ることが出来るようになる。
尚、本実施例において、制御装置26は膨張弁66を全開とすることで、冷却不良の原因を判断するものとしたが、これに限らず、膨張弁66における冷媒の絞り量を減少させて、吸熱器58の温度低下幅が所定値以下の場合は吸熱器58において冷媒の寝込みが生じているもの判断し、吸熱器58の温度低下幅が所定値より大きい場合には膨張弁66が閉塞しているものと判断するものとしても構わない。
また、吸熱器58における冷媒の寝込みにより冷却不良が生じていると判断された場合、本実施例では制御装置26により膨張弁66を全閉して係る吸熱器58の冷媒の寝込みを解消するものとしたが、膨張弁66における冷媒の絞り量を増大させることで寝込みを解消するものとしても構わない。
この場合、例えば、吸熱器58において冷却される空間である冷凍室22の温度と当該冷凍室22の目標温度に基づき、それらの差が大きい場合には膨張弁66における冷媒の絞り量の増大幅を拡大するものとしても本発明は有効である。
また、上記各実施例の冷凍装置は、蒸発温度帯の異なる二つの吸熱器57、58を備えるものとしたが、単一の吸熱器を備えた冷凍装置であっても本発明を適用することが可能である。このような単一の吸熱器を備えた冷凍装置の場合にも、圧縮機の運転が冷凍室の温度で制御される。即ち、冷凍室内が所定の上限温度となると制御装置が膨張弁を所定ステップ開いて圧縮機の運転を開始する。また、冷凍室内が所定の下限温度となると制御装置は、膨張弁を全閉すると共に、圧縮機の運転を停止する。
この場合も冷媒回路内で吸熱器付近が最も温度が低く、特に、軽負荷時に液冷媒が溜まり易い。また、吸熱器の出口側には逆流防止のための逆止弁が設けられるため、係る液冷媒が圧縮機停止後も出て行かないと云う問題が生じていた。これにより、この液冷媒が次回の冷凍室の冷凍運転開始時に流出するので、内部熱交換器での高圧冷媒の冷却が過剰となって冷凍室用膨張器において液冷媒が多くなり、減圧効果が低下し、低圧が上昇して冷凍室用蒸発器での必要な蒸発温度が得られなくなる。また、膨張弁は低温にて冷媒を蒸発させるために、絞り量が大きくなるように制御されている。従って、単一の吸熱器を備えた冷凍装置も上記各実施例同様に冷却不良の原因を早期に判断し、対処することが困難であった。
しかしながら、本発明を適用することで、冷却不良の原因を判断することが可能となり、係る冷却不良を早期に解消することができるようになる。
尚、本発明は以上に詳述した上記各実施例に限定されるものではなく、種々の変更実施が可能である。例えば、冷媒として二酸化炭素を使用するものとしているが、それ以外のフロン系冷媒や炭化水素系冷媒を用いたものにも適用可能である。また、膨張手段としてキャピラリーチューブを用いてたものであっても本発明を適用することができる。
本発明の冷凍装置の一実施例を示す冷媒回路図である。(実施例1) 本発明の冷凍装置の一実施例の制御を示すフローチャートである。 本発明の他の実施例の制御を示すフローチャートである。(実施例2)
符号の説明
1 多段圧縮式ロータリコンプレッサ
1A 第1の回転圧縮要素
1B 第2の回転圧縮要素
1C 中間冷却器
2 放熱器
2F、57F、58F ファン
21 冷蔵室
21T、22T 温度センサ
22 冷凍室
26 制御装置
40 内部熱交換器
52、53 逆止弁
57 第1の吸熱器
58 第2の吸熱器
65、66 膨張弁
70Ti、72Ti 入口温度センサ
70To、72To 出口温度センサ

Claims (10)

  1. 圧縮機と、この圧縮機の吐出側に接続された放熱器と、この放熱器の出口側に接続された膨張手段と、この膨張手段の出口側に接続された吸熱手段とから冷媒回路が構成された冷凍装置において、
    前記放熱器を出た冷媒と前記吸熱手段を出た冷媒とを熱交換させる内部熱交換器と、前記膨張手段における冷媒の絞り量を制御する制御手段とを備え、
    該制御手段は、前記吸熱手段における冷却不良が生じている場合、前記膨張手段における冷媒の絞り量を変化させ、当該変化に伴う前記吸熱手段の温度変化に基づいて冷却不良の原因を判断することを特徴とする冷凍装置。
  2. 圧縮機と、この圧縮機の吐出側に接続された放熱器と、この放熱器の出口側に接続された第1の膨張器及びこの第1の膨張器の出口側に接続された第1の吸熱器と、この第1の膨張器及び第1の吸熱器に並列に接続された第2の膨張器、第2の吸熱器及び逆止弁の直列回路とから冷媒回路が構成され、前記逆止弁は前記圧縮機の吸込側を順方向とされており、前記第2の吸熱器における冷媒の蒸発温度が前記第1の吸熱器における冷媒の蒸発温度よりも低く制御される冷凍装置において、
    前記放熱器を出た冷媒と前記各吸熱器を出た冷媒とを熱交換させる内部熱交換器と、前記第2の膨張器における冷媒の絞り量を制御する制御手段とを備え、
    該制御手段は、前記第2の吸熱器における冷却不良が生じている場合、前記第2の膨張器における冷媒の絞り量を変化させ、当該変化に伴う前記第2の吸熱器の温度変化に基づいて冷却不良の原因を判断することを特徴とする冷凍装置。
  3. 前記制御手段は、前記吸熱手段又は第2の吸熱器における冷却不良が生じている場合、前記膨張手段又は第2の膨張器における冷媒の絞り量を増大させ、前記吸熱手段又は第2の吸熱器の温度低下幅が所定値より大きい場合は当該吸熱手段又は第2の吸熱器において冷媒の寝込みが生じているものと判断すると共に、前記吸熱手段又は第2の吸熱器の温度低下幅が所定値以下の場合には前記膨張手段又は第2の膨張器が閉塞しているものと判断することを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載の冷凍装置。
  4. 前記制御手段は、前記膨張手段又は第2の膨張器が閉塞しているものと判断した場合、当該膨張手段又は第2の膨張器における冷媒の絞り量を減少させることを特徴とする請求項3に記載の冷凍装置。
  5. 前記制御手段は、前記吸熱手段又は第2の吸熱器により冷却される空間の温度と当該空間の目標温度に基づき、それらの差が大きい場合には前記膨張手段又は第2の膨張器における冷媒の絞り量の減少幅を拡大することを特徴とする請求項4に記載の冷凍装置。
  6. 前記制御手段は、前記吸熱手段又は第2の吸熱器における冷却不良が生じている場合、前記膨張手段又は第2の膨張器における冷媒の絞り量を減少させ、前記吸熱手段又は第2の吸熱器の温度低下幅が所定値以下の場合は当該吸熱手段又は第2の吸熱器において冷媒の寝込みが生じているものと判断すると共に、前記吸熱手段又は第2の吸熱器の温度低下幅が所定値より大きい場合には前記膨張手段又は第2の膨張器が閉塞しているものと判断することを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載の冷凍装置。
  7. 前記制御手段は、前記吸熱手段又は第2の吸熱器における冷媒の寝込みが生じているものと判断した場合、前記膨張手段又は第2の膨張器における冷媒の絞り量を増大させることを特徴とする請求項6に記載の冷凍装置。
  8. 冷媒として二酸化炭素を用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の冷凍装置。
  9. 請求項1乃至請求項8の何れかに記載の冷凍装置を備えたことを特徴とする冷蔵庫。
  10. 冷蔵室と、該冷蔵室よりも低い温度に冷却される冷凍室とを備え、
    前記第1の吸熱器により前記冷蔵室を冷却し、前記第2の吸熱器により前記冷凍室を冷却することを特徴とする請求項2乃至請求項8の何れかに記載の冷蔵庫。
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