以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
図1に示すように、本発明の冷凍装置(1)は、コンビニエンスストアなどの商店に設置される冷凍装置であって、室内の空調運転と冷蔵ショーケース及び冷凍ショーケースの冷却運転とを行うものである。上記冷凍装置(1)は、室外ユニット(2)と冷凍ユニット(3)と冷蔵ユニット(4)と空調ユニット(5)とコントローラ(100)とを備えている。上記室外ユニット(2)は屋外に設置され、その他のユニット(3,4,5)は店内に設置されている。また、上記空調ユニット(5)は、店内の室内空調を行い、上記冷凍ユニット(3)は、上記冷凍ショーケースの冷却を行い、上記冷蔵ユニット(4)は、上記冷蔵ショーケースの冷却を行うように構成されている。
上記冷凍装置(1)には、上記室外ユニット(2)に室外回路(20)が、上記空調ユニット(5)に空調回路(50)が、上記冷蔵ユニット(4)に冷蔵回路(40)が、冷凍ユニット(3)に冷凍回路(30)がそれぞれ設けられている。上記冷凍装置(1)では、これらの回路(20,30,40,50)を配管で接続することによって蒸気圧縮式冷凍サイクルの冷媒回路(10)が構成されている。
具体的に、上記冷媒回路(10)においては、上記冷凍回路(30)と冷蔵回路(40)ととが、第1液側連絡配管(21)及び第1ガス側連絡配管(22)を介して室外回路(20)に対して互いに並列接続されている。上記第1液側連絡配管(21)は、一端が室外回路(20)に接続され、他端が第1液分岐管(21a)と第2液分岐管(21b)とに分岐されており、該第1液分岐管(21a)が冷蔵回路(40)に、第2液分岐管(21b)が冷凍回路(30)にそれぞれ接続されている。第1ガス側連絡配管(22)は、一端が室外回路(20)に接続され、他端が第1ガス分岐管(22a)と第2ガス分岐管(22b)とに分岐されており、該第1ガス分岐管(22a)が冷蔵回路(40)に、第2ガス分岐管(22b)が冷凍回路(30)に接続されている。また、上記冷媒回路(10)においては、空調回路(50)が、第2液側連絡配管(23)及び第2ガス側連絡配管(24)を介して室外回路(20)に接続されている。上記第2液側連絡配管(23)の一端は、室外回路(20)に接続され、他端は、空調回路(50)の液側端に接続されている。第2ガス側連絡配管(24)の一端は、室外回路(20)に接続され、他端は、空調回路(50)のガス側端に接続されている。
〈室外ユニット〉
上記室外ユニット(2)の室外回路(20)には、主圧縮機(11)と室外熱交換器(13)とレシーバー(14)と室外膨張弁(17)とが設けられている。また、室外回路(20)には、第1四路切換弁(15)と第2四路切換弁(16)と、液側閉鎖弁(61)と、2つのガス側閉鎖弁(62,63)とが設けられている。さらに、室外回路(20)には、本発明の特徴としてインジェクション通路である液インジェクション管(67,68)を備えている。
上記室外回路(20)において、液側閉鎖弁(61)には液側連絡管(86)の一端が接続され、該液側連絡管(86)の他端には、第1液側連絡配管(21)及び第2液側連絡配管(23)の一端が分岐接続されている。また、第1ガス側閉鎖弁(62)には第1ガス側連絡配管(22)の一端が、第2ガス側閉鎖弁(63)には第2ガス側連絡配管(24)の一端がそれぞれ接続されている。
上記主圧縮機(11)は、例えば、スクロール圧縮機であり、インバータを介して電力が供給され、該インバータの出力周波数を変化させることにより、運転容量が可変に構成されている。上記主圧縮機(11)は、内部に図示しない圧縮室を備え、該圧縮室の低圧に通じる低圧ポート(11a)と該圧縮室における圧縮途中に通じる中間圧ポート(11b)を備えている。上記主圧縮機(11)の低圧ポート(11a)には、第1吸入管(71)の一端が接続され、第1吸入管(71)の他端は、第1ガス側閉鎖弁(62)に接続されている。上記主圧縮機(11)の中間圧ポート(11b)には、第2吸入管(72)の一端が接続され、第2吸入管(72)の他端は、第2四路切換弁(16)に接続されている。このように、上記主圧縮機(11)は、複数の吸入ポート(11a,11b)に各吸入管(71,72)が接続されており、後述するように蒸発圧力の異なる複数の蒸発器(43,53)が接続されて1台の圧縮機に構成されている。
上記主圧縮機(11)の吐出側には、吐出管(74)の一端が接続され、該吐出管(74)の他端は、第1四路切換弁(15)に接続されている。上記吐出管(74)の途中には、吐出接続管(75)の一端が接続され、該吐出接続管(75)の他端は、第2四路切換弁(16)に接続されている。
室外熱交換器(13)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器で構成され、冷媒と室外空気との間で熱交換を行うものである。上記室外熱交換器(13)は、一端が第1四路切換弁(15)に接続される一方、他端が第1液管(81)を介してレシーバー(14)の頂部に接続されている。この第1液管(81)には、室外熱交換器(13)からレシーバー(14)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV-1)が設けられている。
レシーバー(14)の底部は、閉鎖弁(64)を介して第2液管(82)の一端が接続され、該第2液管(82)の他端は、液側閉鎖弁(61)を介して液側連絡管(86)に接続されている。上記第2液管(82)には、レシーバー(14)から液側閉鎖弁(61)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV-3)が設けられている。
上記第2液管(82)において、逆止弁(CV-3)と液側閉鎖弁(61)との間には、第3液管(83)の一端が接続されている。第3液管(83)の他端は、第1液管(81)における逆止弁(CV-1)とレシーバー(14)の頂部との間に接続されている。また、第3液管(83)には、一端から他端に向かって順に、第1電磁弁(SV-1)と逆止弁(CV-2)とが設けられている。上記第1電磁弁(SV-1)は開閉自在に構成され、該逆止弁(CV-2)は、その一端から他端へ向かう冷媒の流通だけを許容するように構成されている。
上記第2液管(82)における閉鎖弁(64)と逆止弁(CV-3)との間には、第4液管(84)の一端が接続され、該第4液管(84)の他端は、第1液管(81)における室外熱交換器(13)と逆止弁(CV-1)との間に接続されている。また、第4液管(84)には、室外膨張弁(17)が設けられている。
第1四路切換弁(15)は、第1のポートが吐出管(74)に、第2のポートが第2四路切換弁(16)に、第3のポートが室外熱交換器(13)に、第4のポートが第2ガス側閉鎖弁(63)にそれぞれ接続されている。この第1四路切換弁(15)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能に構成されている。
第2四路切換弁(16)は、第1のポートが吐出接続管(75)に、第2のポートが第2吸入管(72)に、第4のポートが第1四路切換弁(15)の第2のポートにそれぞれ接続されている。また、第2四路切換弁(16)は、第3のポートが封止されている。この第2四路切換弁(16)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能に構成されている。
さらに、室外回路(20)には、本発明の特徴として、第1インジェクション管(67)と第2インジェクション通路(68)とが設けられている。上記各インジェクション管(67,68)は、それぞれ、高圧の液冷媒の一部を供給量可変に供給するインジェクション通路であり、液インジェクション主管(87)と第1及び第2の各液インジェクション分岐管(88,89)とから構成されている。
具体的に、上記液インジェクション主管(87)は、一端が上記第3液管(83)におけ一端と第1電磁弁(SV-1)との間に接続され、他端が上記第1液インジェクション分岐管(88)の一端と第2液インジェクション分岐管(89)の一端とに分岐接続されている。また、上記第1液インジェクション分岐管(88)は、他端が上記第1吸入管(71)に接続され、途中に第1流量調整弁(18)が設けられる一方、上記第2液インジェクション分岐管(89)は、他端が上記第2吸入管(72)に接続され、途中に第2流量調整弁(19)が設けられている。上記各流量調整弁(18,19)は、開度調整自在な電子膨張弁で構成されている。
このような構成により、各液インジェクション管(67,68)は、第2液管(82)を流れる液冷媒を各吸入管(71,72)に供給量可変に供給するように構成されている。
上記室外回路(20)には、各種の圧力センサ(93,94,97)や温度センサ(91,92,96)、圧力スイッチ(95)も設けられている。具体的に、主圧縮機(11)の第1吸入管(71)に第1吸入温度センサ(96)及び第1吸入圧力センサ(97)が、第2吸入管(72)に第2吸入温度センサ(91)及び第2吸入圧力センサ(93)が、吐出管(74)に圧力スイッチ(95)、吐出温度センサ(92)及び吐出圧力センサ(94)がそれぞれ設けられている。また、上記室外ユニット(2)には、外気温センサ(90)と室外ファン(12)とが設けられている。室外熱交換器(13)へは、この室外ファン(12)によって室外空気が送られる。
〈空調ユニット〉
上記空調ユニット(5)の空調回路(50)には、空調膨張弁(54)と空調熱交換器(53)とが設けられている。
上記空調熱交換器(53)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、冷媒と室内空気との熱交換を行うものである。上記空調熱交換器(53)は、後述するように、冷凍装置(1)が室内の冷房とショーケースの冷却を行う際に、主圧縮機(11)に対して互いに並列に接続される蒸発圧力が異なる複数台の蒸発器(43,53)のうちの1台を構成する。上記空調熱交換器(53)は、一端が上記第2ガス側連絡配管(24)に接続され、他端が上記空調膨張弁(54)を介して第2液側連絡配管(23)に接続されている。
上記空調膨張弁(54)は開度調整自在な電子膨張弁で構成されており、上記空調熱交換器(53)に対応した減圧度調整自在な膨張機構に構成されている。
上記空調熱交換器(53)には、第1熱交換器温度センサ(56)と出口冷媒温度センサ(57)とが設けられている。また、空調ユニット(5)には、室内温度センサ(55)と、室内ファン(52)とが設けられている。上記空調熱交換器(53)へは、上記室内ファン(52)によって、店内の室内空気が送られる。
〈冷蔵ユニット〉
上記冷蔵ユニット(4)の冷蔵回路(40)には、冷蔵熱交換器(43)と冷蔵膨張機構(48)とが設けられている。
上記冷蔵熱交換器(43)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、冷媒と冷蔵ショーケース内の空気との間で熱交換を行うものである。上記冷蔵熱交換器(43)は、後述するように、ショーケース内の空気を冷却する際に、主圧縮機(11)に対して互いに並列に接続される蒸発圧力が異なる複数台の蒸発器(43,53)のうちの1台を構成する。上記冷蔵熱交換器(43)は、一端が冷蔵膨張機構(48)を介して上記第1液分岐管(21a)に接続され、他端が上記第1ガス分岐管(22a)に接続されている。
上記冷蔵膨張機構(48)は、第2電磁弁(SV-2)と冷蔵膨張弁(44)とを備え、これらの弁(SV-2,44)が、第1液分岐管(21a)から冷蔵熱交換器(43)に向かって順に設けられている。上記冷蔵回路(40)では、冷蔵熱交換器(43)の他端側である流出側に冷蔵膨張弁(44)の感温筒(47)が設けられており、上記冷蔵膨張弁(44)は、感温筒(47)の検出温度に応じて開度が調整される感温式膨張弁で構成されている。また、上記第2電磁弁(SV-2)は開閉自在に構成されている。このような構成により、上記冷蔵膨張機構(48)は、上記冷蔵熱交換器(43)に対応した減圧度調整自在な膨張機構に構成されている。また、上記冷蔵熱交換器(43)には、冷媒の蒸発温度を測定する第2熱交換器温度センサ(46)が設けられている。
冷蔵ユニット(4)には、冷蔵熱交換器(43)の近傍に、冷蔵庫内ファン(42)と冷蔵ショーケース内の空気の温度を検出する庫内温度センサ(45)が設けられている。上記冷蔵熱交換器(43)へは、この冷蔵庫内ファン(42)によって、ショーケース内の空気が送られる。
〈冷凍ユニット〉
上記冷凍ユニット(3)の冷凍回路(30)には、冷凍膨張弁(34)と冷凍熱交換器(33)とブースタ圧縮機(31)とが設けられている。また、上記冷凍回路(30)には、液側閉鎖弁(65)とガス側閉鎖弁(66)とが設けられている。上記液側閉鎖弁(65)は、第2液分岐管(21b)に接続され、上記ガス側閉鎖弁(66)は、第2ガス分岐管(22b)に接続されている。
上記冷凍熱交換器(33)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、冷媒と冷凍ショーケース内の空気との間で熱交換を行うものである。上記冷凍熱交換器(33)は、一端が上記冷凍膨張弁(34)及び第3電磁弁(SV-3)を介して上記液側閉鎖弁(65)に接続され、他端がブースタ吸入管(38)を介してブースタ圧縮機(31)の吸入側に接続されている。
冷凍回路(30)では、冷凍熱交換器(33)の他端側である流出側に冷凍膨張弁(34)の感温筒(37)が設けられている。上記冷凍膨張弁(34)は、感温筒(37)の検出温度に応じて開度が調整される感温式膨張弁で構成されている。また、上記第3電磁弁(SV-3)は、開閉自在に構成されている。また、上記冷凍熱交換器(33)には、冷媒の蒸発温度を測定する第3熱交換器温度センサ(36)が設けられている。
冷凍ユニット(3)には、冷凍熱交換器(33)の近傍に、冷凍庫内ファン(32)と冷凍ショーケース内の空気の温度を検出する庫内温度センサ(35)が設けられている。上記冷凍熱交換器(33)へは、この冷凍庫内ファン(32)によって、ショーケース内の空気が送られる。
上記ブースタ圧縮機(31)は、例えば、スクロール圧縮機であり、インバータを介して電力が供給され、該インバータの出力周波数を変化させることにより、運転容量が可変に構成されている。上記ブースタ圧縮機(31)の吐出側はブースタ吐出管(39)を介してガス側閉鎖弁(66)と接続されている。上記ブースタ吐出管(39)には、ブースタ圧縮機(31)からガス側閉鎖弁(66)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV-4)が設けられている。
また、上記ブースタ圧縮機(31)のブースタ吸入管(38)とブースタ吐出管(39)とには、該ブースタ圧縮機(31)をバイパスするバイパス管(78)が接続されている。上記バイパス管(78)には、ブースタ吸入管(38)からブースタ吐出管(39)へ向かう冷媒の流通だけを許容する逆止弁(CV-5)が設けられている。上記バイパス管(78)は、ブースタ圧縮機(31)の停止中にのみブースタ圧縮機(31)をバイパスして冷媒が流すものである。
〈コントローラ〉
上記コントローラ(100)は、冷媒回路(10)に接続された各センサや各制御機器との間で相互に伝送可能に構成されている。
上記コントローラ(100)は、各圧縮機(11,31)及び各ファン(12,32,42,52)の駆動を制御すると共に、各膨張弁(17,34,44,54)の開度、各電磁弁(SV-1,SV-2,SV-3)の開閉動作及び各四路切換弁(15,16)の切換を制御するように構成されている。
さらに、上記コントローラ(100)は、本発明の特徴である第1流量制御部(101)と容量制御部(102)とを備えている。
上記第1流量制御部(101)は、上記冷蔵熱交換器(43)及び空調熱交換器(53)が共に蒸発器として機能する際に、これらの熱交換器(43,53)の蒸発圧力に基づいて、上記第1流量調整弁(18)及び第2流量調整弁(19)の開度調整を行って、第1及び第2吸入管(71,72)への液冷媒の供給量を制御するものであり、第1流量制御手段に構成されている。具体的に、上記第1流量制御部(101)は、冷蔵及び空調の各熱交換器(43,53)の蒸発圧力を示す指標であるの蒸発温度が目標蒸発温度となるように制御を行う。なお、上記第1流量制御部(101)は、上記冷蔵熱交換器(43)及び空調熱交換器(53)が共に蒸発器として機能しない場合、即ち、空調熱交換器(53)が凝縮器として機能する場合や何れかの熱交換器(43,53)に冷媒が流れない場合には、主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度に基づいて、上記第1及び第2の各流量調整弁(18,19)を制御するように構成されている。
上記容量制御部(102)は、室内の空調負荷や冷蔵及び冷凍ショーケースの冷却負荷に基づいて、主圧縮機(11)及びブースタ圧縮機(31)の運転容量を制御するものである。また、上記容量制御部(102)は、本発明の特徴として、上記冷蔵熱交換器(43)及び空調熱交換器(53)が共に蒸発器として機能する際に、これらの熱交換器(43,53)のうちの一方の蒸発温度が目標蒸発温度となるように、上記主圧縮機(11)の運転容量を制御し、容量制御手段に構成されている。
−運転動作−
次に、上記冷凍装置(1)の運転動作について、図2から図9に基づいて説明する。本発明の冷凍装置(1)は、室内の暖房のみを行う暖房運転、室内の暖房とショーケースの冷却とを行う第1〜第3の暖房冷却運転、室内の冷房のみを行う冷房運転、室内の冷房運転とショーケースの冷却とを行う冷房冷却運転、ショーケースの冷却のみを行う冷却運転を行う。
〈暖房運転〉
図2に示すように、暖房運転は、室内の暖房のみを行う運転である。
暖房運転では、第1四路切換弁(15)が第2状態に、第2四路切換弁(16)が第1状態に設定され、第1電磁弁(SV-1)が開状態に、第2電磁弁(SV-2)及び第3電磁弁(SV-3)が閉状態に設定される。この状態において、主圧縮機(11)は駆動される一方、ブースタ圧縮機(31)は停止されて、冷媒が、図2の矢印に示すように循環する。また、空調膨張弁(54)の開度は、サブクール制御され、室外膨張弁(17)は適宜開度調整され、各流量調整弁(18,19)、後述するように第1流量制御部(101)により適宜開度調整される。また、室内ファン(52)は入力設定された風量で運転されるように制御され、室外ファン(12)は風量が適宜制御されて運転され、冷蔵庫内ファン(42)と冷凍庫内ファン(32)は停止される。
上記主圧縮機(11)から吐出した冷媒は、第1四路切換弁(15)を介して第2ガス側連絡配管(24)を流れ、空調ユニット(5)に導入される。空調ユニット(5)では、冷媒は、空調熱交換器(53)を流れ、室内空気に放熱し凝縮液化する。これにより、室内空気が加熱され、室内の暖房が行われる。凝縮した液冷媒は、空調膨張弁(54)を介して第2液側連絡配管(23)を流れ、室外ユニット(2)に導入される。
室外ユニット(2)において、液冷媒は、液側連絡管(86)及び第2液管(82)の他端側の一部を流れて第3液管(83)を流れ、レシーバー(14)を通過して第4液管(84)を流れる際に、室外膨張弁(17)で減圧されて膨張する。膨張した冷媒は、室外熱交換器(13)を流れ、室外空気から吸熱して蒸発し、第1四路切換弁(15)及び第2四路切換弁(16)を介して第2吸入管(72)を流れ、主圧縮機(11)に中間圧ポート(11b)から吸入されて再び圧縮される。
(暖房運転時の制御)
暖房運転では、上記容量制御部(102)が、室内の暖房負荷に応じて上記主圧縮機(11)の運転容量を制御する。具体的に、上記容量制御部(102)は、上記空調熱交換器(53)における凝縮温度が目標とする凝縮温度(例えば、50℃)となるように主圧縮機(11)の運転容量を制御する。
また、室外膨張弁(17)は、主圧縮機(11)の吐出温度センサ(92)で測定される吐出冷媒の温度が所定の温度範囲内((高圧冷媒圧力の相当飽和温度)+10℃<吐出冷媒温度<90℃)となるように適宜開度調整される。つまり、上記室外膨張弁(17)は、上記主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度が90℃より高くなると、開度が大きくなるように調整される。これにより、主圧縮機(11)に中間圧ポート(11b)から吸入される冷媒の温度が低下したり湿り状態ととなるので、主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度が低下する。
また、上記主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度が高くなった場合、上記室外膨張弁(17)の制御に代わって、上記第1流量制御部(101)が、上記第2流量調整弁(19)を全閉状態から開状態にし、図2の破線矢印に示すように、第3液管(83)から第2吸入管(72)にインジェクションされるようにし、該第2流量調整弁(19)の開度調整を行うことにより、液冷媒の量を適宜制御するようにしてもよい。これにより、主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度が低下する。また、上記第1流量制御部(101)は、第1流量調整弁(18)を常時全閉状態に設定する。
〈第1暖房冷却運転〉
図3に示すように、第1暖房冷却運転は、冷蔵及び冷凍ショーケースの冷却で得た排熱を室内の暖房に100%利用する熱回収運転である。
第1暖房冷却運転では、第1四路切換弁(15)が第2状態に、第2四路切換弁(16)が第1状態に設定され、第1電磁弁(SV-1)が閉状態に、第2電磁弁(SV-2)及び第3電磁弁(SV-3)が開状態に設定される。また、室外膨張弁(17)は閉状態に設定され、上記空調膨張弁(54)は適宜開度調整され、上記冷蔵膨張弁(44)及び上記冷凍膨張弁(34)は、感温筒(47,37)により、例えば、過熱度5℃となるようにスーパーヒート制御され、各流量調整弁(18,19)は、後述するように適宜制御される。この状態において、主圧縮機(11)とブースタ圧縮機(31)は、ともに駆動され、冷媒が、図3の矢印に示す方向に循環する。また室内ファン(52)、冷蔵庫内ファン(42)及び冷凍庫内ファン(32)は風量が適宜調整されて駆動され、室外ファン(12)は停止される。
上記主圧縮機(11)から吐出した冷媒は、第1四路切換弁(15)を介して第2ガス側連絡配管(24)を流れ、空調ユニット(5)に導入される。空調ユニット(5)では、冷媒は、空調熱交換器(53)を流れ、室内空気に放熱し凝縮液化し、室内の暖房が行われる。
液化した冷媒は、空調膨張弁(54)を介して第2液側連絡配管(23)を流れ、第1液側連絡配管(21)を流れて、第1液分岐管(21a)と第2液分岐管(21b)とに分岐される。
上記第1液分岐管(21a)を流れた冷媒は、冷蔵ユニット(4)に導入され、第2電磁弁(SV-2)を介し、冷蔵膨張弁(44)で減圧されて膨張する。膨張した冷媒は、冷蔵熱交換器(43)を流れ、冷蔵ショーケース内の空気から吸熱して蒸発し、これにより、冷蔵ショーケース内の空気が冷却される。その後、蒸発した冷媒は、第1ガス分岐管(22a)を流れ、第1ガス側連絡配管(22)を流れる。
一方、上記第2液分岐管(21b)を流れた冷媒は、冷凍ユニット(3)に導入され、第3電磁弁(SV-3)を介し、冷凍膨張弁(34)で減圧されて膨張する。膨張した冷媒は、冷凍熱交換器(33)を流れ、冷凍ショーケース内の空気から吸熱して蒸発し、これにより、冷凍ショーケース内の空気が冷却される。その後、蒸発した冷媒は、ブースタ圧縮機(31)で圧縮されて、第2ガス分岐管(22b)を流れ、第1ガス側連絡配管(22)で冷蔵ユニット(4)から流出した冷媒と合流し、室外ユニット(2)に導入される。室外ユニット(2)に導入された冷媒は、第1吸入管(71)を流れ、主圧縮機(11)に低圧ポート(11a)から吸入され、再び圧縮される。
(第1暖房冷却運転時の制御)
第1暖房冷却運転では、上記容量制御部(102)が、冷蔵及び冷凍ショーケースの冷却負荷に応じて、上記主圧縮機(11)及びブースタ圧縮機(31)の運転容量を制御する。具体的に、上記容量制御部(102)は、上記冷蔵熱交換器(43)及び冷凍熱交換器(33)において、各熱交換器温度センサ(46,36)で測定される蒸発温度が各ショーケースの設定温度より10℃低い目標蒸発温度となるように、各圧縮機(11,31)の運転容量を制御する。
また、上記第1流量制御部(101)は、上記第1流量調整弁(18)を常時全閉状態に設定する一方、主圧縮機(11)の吐出温度センサ(92)で測定される吐出冷媒の温度が上記所定の温度範囲内となるように、第2流量調整弁(19)の開度を調整する。具体的に、上記第1流量制御部(101)は、上記主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度が90℃より高くなると、上記第2流量調整弁(19)を全閉状態から開状態にし、図3の破線矢印に示すように、第2液側連絡配管(23)から第2吸入管(72)にインジェクションし、該第2流量調整弁(19)の開度調整を行って第2吸入管(72)に供給される液冷媒の量を適宜制御する。これにより、該液冷媒が主圧縮機(11)に中間圧ポート(11b)から供給されるので、該圧縮機(11)の吐出冷媒の温度が低下する。また、主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度を低下させるために、第1吸入管(71)に液冷媒のインジェクションを行わないので、冷蔵熱交換器(43)及び冷凍熱交換器(33)の蒸発温度を上昇させることがない。
〈第2暖房冷却運転〉
図4に示すように、第2暖房冷却運転は、冷蔵及び冷凍ショーケースの冷却により得た排熱が室内の暖房負荷に比べて過剰となる場合に、室外熱交換器(13)を凝縮器として用い、ショーケースの冷却で得た排熱の余剰分を室外に捨てる運転である。
上記第2暖房冷却運転には、第1四路切換弁(15)及び第2四路切換弁(16)が第2状態に設定され、第1電磁弁(SV-1)は閉状態に、第2電磁弁(SV-2)及び第3電磁弁(SV-3)は開状態に、上記室外膨張弁(17)は全閉状態に設定される。この状態において、主圧縮機(11)とブースタ圧縮機(31)は、ともに駆動され、冷媒が、図4の矢印に示す方向に循環する。また、上記空調膨張弁(54)は、サブクール制御され、上記冷蔵膨張弁(44)及び上記冷凍膨張弁(34)は、感温筒(47,37)により例えば過熱度5℃となるようにスーパーヒート制御され、各流量調整弁(18,19)は、後述するように適宜開度調整される。また、全てのファン(12,32,42,52)が駆動される。
上記主圧縮機(11)から吐出した冷媒は、一部が、第1四路切換弁(15)を介して第2ガス側連絡配管(24)を流れ、空調ユニット(5)に導入される。空調ユニット(5)では、冷媒が、空調熱交換器(53)を流れ、室内空気に放熱し凝縮液化し、室内の暖房が行われる。空調熱交換器(53)で凝縮した液冷媒は、空調膨張弁(54)を介して第2液側連絡配管(23)を流れる。
一方、上記主圧縮機(11)から吐出した冷媒の残りの一部は、吐出接続管(75)を流れ、第2四路切換弁(16)を介して室外熱交換器(13)を流れ、室外空気に放熱し、凝縮液化する。これにより、ショーケースの冷却で得た余剰の排熱が、室外に捨てられる。室外熱交換器(13)で液化した冷媒は、第1液管(81)、レシーバー(14)及び第2液管(82)を順に流れ、液側連絡管(86)を流れる。そして、液側連絡管(86)を流れる液冷媒は、空調ユニット(5)から流出した上記第2液側連絡配管(23)を流れる液冷媒と合流して第1液側連絡配管(21)を流れ、一部が第1液分岐管(21a)に、残りの一部が第2液分岐管(21b)に分岐される。
上記第1液分岐管(21a)を流れた冷媒は、冷蔵ユニット(4)に導入され、冷蔵膨張弁(44)により膨張した後、冷蔵熱交換器(43)を流れ、冷蔵ショーケース内の空気から吸熱して蒸発する。これにより、冷蔵ショーケース内の空気が冷却される。その後、蒸発した冷媒は、第1ガス分岐管(22a)を介して第1ガス側連絡配管(22)を流れる。
一方、上記第2液分岐管(21b)を流れた冷媒は、冷凍ユニット(3)に導入され、冷凍膨張弁(34)により膨張した後、冷凍熱交換器(33)を流れ、冷凍ショーケース内の空気から吸熱して蒸発する。これにより、冷凍ショーケース内の空気が冷却される。その後、蒸発した冷媒は、ブースタ圧縮機(31)で圧縮され、第2ガス分岐管(22b)を介して第1ガス側連絡配管(22)で冷蔵ユニット(4)から流出した冷媒と合流し、室外ユニット(2)に導入される。室外ユニット(2)に導入された冷媒は、第1吸入管(71)を流れ、主圧縮機(11)の低圧ポート(11a)から圧縮機に吸入され、再び圧縮される。
(第2暖房冷却運転時の制御)
第2暖房冷却運転では、上記容量制御部(102)が、冷蔵及び冷凍ショーケースの冷却負荷に応じて、上記主圧縮機(11)及びブースタ圧縮機(31)の運転容量を制御する。つまり、上記容量制御部(102)は、上記冷蔵熱交換器(43)及び冷凍熱交換器(33)において、各熱交換器温度センサ(46,36)で測定される蒸発温度が各ショーケースの設定温度より10℃低い目標蒸発温度となるように、各圧縮機(11,31)の運転容量を制御する。
また、室内の暖房負荷に応じて、室内ファン(52)及び室外ファン(12)がが適宜制御される。つまり、室内がサーモON状態であれば、室内ファン(52)は、入力設定された設定風量となるように制御され、室外ファン(12)は、上記空調熱交換器(53)における凝縮温度が目標凝縮温度となるように風量制御される。一方、室内の暖房がサーモOFF状態であれば、室内ファン(52)は、微量の風量となるように制御され、室外ファン(12)は、上記空調熱交換器(53)における凝縮圧力が所定の低凝縮圧力HP(min)(例えば、0.8MPa<HP(min)<1.0MPaで、冷蔵膨張弁(44)及び冷凍膨張弁(34)が、感温筒(47,37)によりスーパーヒート制御される限界の圧力)となるように風量制御される。
また、上記第1流量制御部(101)は、上記第1暖房冷却運転と同様に、上記第1流量調整弁(18)を常時全閉状態に設定する一方、主圧縮機(11)の吐出温度センサ(92)で測定される吐出冷媒の温度が上記所定の温度範囲内となるように、第2流量調整弁(19)の開度を調整し、第2液側連絡配管(23)から第2吸入管(72)にインジェクションされる液冷媒の量を適宜制御する。これにより、冷蔵熱交換器(43)及び冷凍熱交換器(33)の蒸発温度を上昇させることなく、主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度を低下させる。
〈第3暖房冷却運転〉
図5に示すように、第3暖房冷却運転は、冷蔵及び冷凍ショーケースの冷却により得た排熱のみでは、室内の暖房の能力不足となる場合に、室外熱交換器(13)も蒸発器として用い、冷蔵及び冷凍ショーケースの冷却で得た排熱と室外熱交換器(13)で得た熱とを、室内の暖房に利用する運転である。
上記第3暖房冷却運転では、第1四路切換弁(15)が第2状態に、第2四路切換弁(16)が第1状態に設定され、冷媒回路(10)の全ての電磁弁(SV-1,SV-2,SV-3)が開状態に設定される。の状態において、主圧縮機(11)とブースタ圧縮機(31)は、ともに駆動され、冷媒が、図5の矢印に示す方向に循環する。また、空調膨張弁(54)は、サブクール制御され、上記冷蔵膨張弁(44)及び上記冷凍膨張弁(34)は、感温筒(47,37)によりスーパーヒート制御され、室外膨張弁(17)及び各流量調整弁(18,19)は、後述するように適宜制御される。また、全てのファン(12,32,42,52)が駆動される。
上記主圧縮機(11)から吐出した冷媒は、第1四路切換弁(15)を介して第2ガス側連絡配管(24)を流れ、空調ユニット(5)に導入される。空調ユニット(5)では、冷媒は、空調熱交換器(53)を流れ、室内空気に放熱し凝縮液化し、室内の暖房が行われる。
上記空調熱交換器(53)を流れた液冷媒は、空調膨張弁(54)を介して第2液側連絡配管(23)を流れ、第1液側連絡配管(21)と室外ユニット(2)の液側連絡管(86)とに分岐される。さらに、上記第1液側連絡配管(21)を流れる冷媒は、第1液分岐管(21a)と第2液分岐管(21b)とに分岐される。
上記第1液分岐管(21a)を流れた冷媒は、冷蔵ユニット(4)に導入され、冷蔵膨張弁(44)により膨張した後、冷蔵熱交換器(43)を流れ、冷蔵ショーケース内の空気から吸熱して蒸発する。これにより、冷蔵ショーケース内の空気が冷却される。その後、蒸発した冷媒は、第1ガス分岐管(22a)を流れ、第1ガス側連絡配管(22)を流れる。
一方、上記第2液分岐管(21b)を流れた冷媒は、冷凍ユニット(3)に導入され、冷凍膨張弁(34)により膨張した後、冷凍熱交換器(33)を流れ、冷凍ショーケース内の空気から吸熱して蒸発する。これにより、冷凍ショーケース内の空気が冷却される。その後、蒸発した冷媒は、ブースタ圧縮機(31)で圧縮されて、第2ガス分岐管(22b)を流れ、第1ガス側連絡配管(22)で冷蔵ユニット(4)から流出した冷媒と合流し、室外ユニット(2)に導入される。室外ユニット(2)に導入された冷媒は、第1吸入管(71)を流れ、主圧縮機(11)に低圧ポート(11a)から吸入され、再び圧縮される。
一方、室外ユニット(2)の液側連絡管(86)を流れた液冷媒は、第3液管(83)及びレシーバー(14)を通過して第4液管(84)を流れ、室外膨張弁(17)により膨張し、室外熱交換器(13)を流れ、室外空気から吸熱して蒸発する。蒸発した冷媒は、第1四路切換弁(15)及び第2四路切換弁(16)を介して第2吸入管(72)を流れ、主圧縮機(11)に中間圧ポート(11b)から吸入され、低圧ポート(11a)から吸入されて中間圧まで圧縮された冷媒と共に、再び圧縮される。
(第3暖房冷却運転時の制御)
第3暖房冷却運転では、上記容量制御部(102)が、冷蔵及び冷凍ショーケースの冷却負荷に応じて上記主圧縮機(11)及びブースタ圧縮機(31)の運転容量を制御する。つまり、上記容量制御部(102)は、上記冷蔵熱交換器(43)及び冷凍熱交換器(33)において、各熱交換器温度センサ(46,36)で測定される蒸発温度が各ショーケースの設定温度より10℃低い目標蒸発温度となるように、各圧縮機(11,31)の運転容量を制御する。
また、室外ファン(12)は、上記空調熱交換器(53)における凝縮温度が目標凝縮温度となるように風量制御される。
また、室外膨張弁(17)は、上記暖房運転と同様に、主圧縮機(11)の主圧縮機(11)の吐出温度センサ(92)で測定される吐出冷媒の温度が所定の温度範囲内となるように適宜開度調整される。つまり、上記室外膨張弁(17)は、上記主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度が90℃より高くなると、開度が大きくなるように制御される。
また、上記主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度が高くなった場合、上記室外膨張弁(17)の制御に代わって、上記第1流量制御部(101)が、上記第2流量調整弁(19)を全閉状態から開状態にして開度調整を行い、図2の破線矢印に示すように、第3液管(83)から第2吸入管(72)にインジェクションされる液冷媒の量を適宜制御するようにしてもよい。また、上記第1流量制御部(101)は、第1流量調整弁(18)を常時全閉状態に設定する。これにより、冷蔵熱交換器(43)及び冷凍熱交換器(33)の蒸発温度が上昇することなく、主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度が低下する。
〈冷房運転〉
図6に示すように、冷房運転は、室内の冷房のみを行う運転である。
冷房運転時では、第1四路切換弁(15)及び第2四路切換弁(16)が第1状態に設定され、冷媒回路(10)の全ての電磁弁(SV-1,SV-2,SV-3)が閉状態に、室外膨張弁(17)閉状態に設定される。この状態において、主圧縮機(11)は駆動される一方、ブースタ圧縮機(31)は停止され、図6の矢印に示すように冷媒が循環する。また、空調膨張弁(54)及び各流量調整弁(18,19)が後述するように適宜開度調整される。また、室内ファン(52)は入力設定された風量で運転され、室外ファン(12)は風量が適宜制御されて運転され、冷蔵庫内ファン(42)と冷凍庫内ファン(32)は停止される。
上記主圧縮機(11)から吐出した冷媒は、第1四路切換弁(15)を介して室外熱交換器(13)を流れ、室外空気に放熱し凝縮液化する。その後、液化した冷媒は、第1液管(81)、レシーバー(14)及び第2液管(82)を順に流れ、液側連絡管(86)を介して第2液側連絡配管(23)を流れ、空調ユニット(5)に導入される。
空調ユニット(5)に導入された液冷媒は、空調膨張弁(54)を流れる際に、減圧されて膨張し、空調熱交換器(53)を流れ、室内空気から吸熱して蒸発する。これにより、室内空気が冷却され、室内の冷房が行われる。蒸発した冷媒は、第2ガス側連絡配管(24)を流れ、室外ユニット(2)に導入される。室外ユニット(2)に導入された冷媒は、第1四路切換弁(15)及び第2四路切換弁(16)を介して第2吸入管(72)を流れ、主圧縮機(11)に中間圧ポート(11b)から吸入され、再び圧縮される。
(冷房運転時の制御)
冷房運転では、上記容量制御部(102)は、上記主圧縮機(11)の運転容量を室内の冷房負荷に応じて制御する。具体的に、上記容量制御部(102)は、上記空調熱交換器(53)において、第1熱交換器温度センサ(56)で測定される蒸発温度が室内の設定温度より10℃低い目標蒸発温度となるように、上記主圧縮機(11)の運転容量を制御する。
また、空調膨張弁(54)は、主圧縮機(11)の主圧縮機(11)の吐出温度センサ(92)で測定される吐出冷媒の温度が所定の温度範囲内となるよに適宜開度調整される。つまり、上記主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度が90℃より高くなると、上記空調膨張弁(54)の開度が大きくなるように調整され、これにより、主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度を低下させる。
また、上記空調膨張弁(54)は、主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度に基づく制御に代わり、常時スーパヒート制御されるようにしてもよい。この場合、上記主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度が高くなると、上記第1流量制御部(101)が、上記第1流量調整弁(18)を全閉状態から開状態にして開度調整を行い、図6の破線矢印に示すように、第3液管(83)から第1吸入管(71)にインジェクションされる液冷媒の量を適宜制御する。また、上記第1流量制御部(101)は、第2流量調整弁(19)を常時全閉状態に設定する。これにより、第2吸入管(72)には液冷媒がインジェクションされることないので、空調熱交換器(53)の蒸発温度が上昇することなく、主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度が低下する。
〈冷房冷却運転〉
図7に示すように、冷房冷却運転は、室内の冷房と冷蔵及び冷凍のショーケースの冷却を行う運転であり、本発明の特徴として、上記空調熱交換器(53)と上記冷蔵熱交換器(43)とが、1台の圧縮機である上記主圧縮機(11)に対して互いに並列接続された蒸発圧力が異なる複数台の蒸発器を構成する。
冷房冷却運転では、第1四路切換弁(15)及び第2四路切換弁(16)が第1状態に設定され、第1電磁弁(SV-1)は閉状態に、第2電磁弁(SV-2)及び第3電磁弁(SV-3)は開状態に、上記室外膨張弁(17)は閉状態に設定される。この状態において、主圧縮機(11)とブースタ圧縮機(31)は、ともに駆動され、冷媒が、図7の矢印に示す方向に循環する。また、上記空調膨張弁(54)は出口冷媒温度センサ(57)により、冷蔵膨張弁(44)及び冷凍膨張弁(34)は感温筒(47,37)によりそれぞれスーパーヒート制御される。また、全てのファン(12,32,42,52)が駆動される。
上記主圧縮機(11)から吐出した冷媒は、第1四路切換弁(15)を介して室外熱交換器(13)を流れ、室外空気に放熱し凝縮液化する。その後、液化した冷媒は、第1液管(81)、レシーバー(14)及び第2液管(82)を順に流れて液側連絡管(86)を流れる。液側連絡管(86)を流れた冷媒は、第1液側連絡配管(21)と第2液側連絡配管(23)とに分岐される。さらに、第1液側連絡配管(21)を流れた冷媒は、第1液分岐管(21a)と第2液分岐管(21b)とに分岐される。
上記第1液分岐管(21a)を流れた冷媒は、冷蔵ユニット(4)に導入され、冷蔵膨張弁(44)により膨張し、冷蔵熱交換器(43)を流れ、冷蔵ショーケース内の空気から吸熱して蒸発する。これにより、冷蔵ショーケース内の空気が冷却される。その後、蒸発した冷媒は、第1ガス分岐管(22a)を流れ、第1ガス側連絡配管(22)を流れる。
一方、上記第2液分岐管(21b)を流れた冷媒は、冷凍ユニット(3)に導入され、冷凍膨張弁(34)により膨張し、冷凍熱交換器(33)を流れ、冷凍ショーケース内の空気から吸熱して蒸発する。これにより、冷凍ショーケース内の空気が冷却される。その後、蒸発した冷媒は、ブースタ圧縮機(31)で圧縮され、第2ガス分岐管(22b)を流れて第1ガス側連絡配管(22)を流れ、冷蔵ユニット(4)から流出した冷媒と合流し、室外ユニット(2)に導入される。室外ユニット(2)に導入された冷媒は、第1吸入管(71)を流れ、主圧縮機(11)の低圧ポート(11a)から圧縮機に吸入され、圧縮される。
上記第2液側連絡配管(23)を流れた液冷媒は、空調ユニット(5)に導入され、空調膨張弁(54)により膨張し、空調熱交換器(53)を流れ、室内空気から吸熱して蒸発し、室内の冷房を行う。蒸発した冷媒は、第2ガス側連絡配管(24)を流れ、室外ユニット(2)に導入される。室外ユニット(2)に導入された冷媒は、第1四路切換弁(15)及び第2四路切換弁(16)を介して第2吸入管(72)を流れ、主圧縮機(11)に中間圧ポート(11b)から吸入され、低圧ポート(11a)から吸入されて中間圧まで圧縮された冷媒と共に、再び圧縮される。
このように、上記冷蔵熱交換器(43)は、主圧縮機(11)の低圧ポート(11a)に連通し、上記空調熱交換器(53)は、主圧縮機(11)の中間圧ポート(11b)に連通しているので、冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度は、空調熱交換器(53)の蒸発温度よりも低く、両熱交換器(43,53)間で蒸発温度が異なる、所謂異温度蒸発が行われる。
(冷房冷却運転時の制御)
冷房冷却運転では、上記容量制御部(102)が、冷蔵及び冷凍ショーケースの冷却負荷に応じて上記主圧縮機(11)及びブースタ圧縮機(31)の運転容量を制御する。つまり、上記容量制御部(102)は、上記冷蔵熱交換器(43)及び冷凍熱交換器(33)において、各熱交換器温度センサ(46,36)で測定される蒸発温度が各ショーケースの設定温度より10℃低い目標蒸発温度となるように、各圧縮機(11,31)の運転容量を制御する。
この状態において、上記冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度が目標蒸発温度となり、空調熱交換器(53)の蒸発温度が目標蒸発温度より高い場合、上記容量制御部(102)は、上記主圧縮機(11)の運転容量制御を、上記室内の冷房負荷に基づいた制御に切換える。つまり、上記容量制御部(102)は、上記空調熱交換器(53)において第1熱交換器温度センサ(56)で測定される蒸発温度が目標蒸発温度となるように、上記主圧縮機(11)の運転容量を増大させる。
ここで、上記主圧縮機(11)の運転容量を増大させたことにより、この状態のままでは、冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度も低下し、ショーケースが過度に冷却される。そこで、本発明の特徴として、上記第1流量制御部(101)が、冷蔵熱交換器(43)において第2熱交換器温度センサ(46)で測定される蒸発温度が目標蒸発温度となるように、図7の破線矢印(a)に示すように、第2液管(82)から液冷媒を第1吸入管(71)にインジェクションさせ、このインジェクションされる液冷媒の量を制御する。つまり、上記第1流量調整弁(18)を全閉状態から開状態にして開度調整を行う。また、第1流量制御部(101)は、第2流量調整弁(19)を常時全閉状態に設定する。
このようにして、主圧縮機(11)の運転容量が増大することから、空調熱交換器(53)では、蒸発温度が低下して目標蒸発温度となる一方、上記冷蔵熱交換器(43)では、蒸発温度が低下することなく目標蒸発温度に維持される。
一方、上記空調熱交換器(53)の蒸発温度が目標蒸発温度となり、冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度が目標蒸発温度より高い場合、上記容量制御部(102)は、上記冷蔵熱交換器(43)における第2熱交換器温度センサ(46)の測定値が目標蒸発温度となるように、上記主圧縮機(11)の運転容量制御を増大させる。
ここで、上記主圧縮機(11)の運転容量を増大させたことにより、この状態のままでは、空調熱交換器(53)の蒸発温度も低下し、室内が過度に冷却される。そこで、本発明の特徴として、上記第1流量制御部(101)が、空調熱交換器(53)において第1熱交換器温度センサ(56)で測定される蒸発温度が目標蒸発温度となるように、図7の破線矢印(b)に示すように、第2液管(82)から第2吸入管(72)にインジェクションさせ、このインジェクションされる液冷媒の量を制御する。つまり、上記第1流量調整弁(18)を全閉状態から開状態にして開度調整を行う。また、第1流量制御部(101)は、第1流量調整弁(18)を常時全閉状態に設定する。
このようにして、主圧縮機(11)の運転容量が増大することから、冷蔵熱交換器(43)では、蒸発温度が低下して目標蒸発温度となる一方、上記空調熱交換器(53)では、蒸発温度は低下することなく目標蒸発温度に維持される。
また、上記冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度が目標蒸発温度となり、空調熱交換器(53)の蒸発温度が目標蒸発温度より低い場合、第1流量制御部(101)は、空調熱交換器(53)において第1熱交換器温度センサ(56)で測定される蒸発温度が目標蒸発温度となるように、上記第2流量調整弁(19)を全閉状態から開状態して開度調整を行い、図7の破線矢印(b)に示すように、第2吸入管(72)にインジェクションされる液冷媒の量を調節する。これにより、上記冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度は目標蒸発温度に維持したままで、上記空調熱交換器(53)の蒸発温度のみを上昇させる。
一方、上記冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度が目標蒸発温度より低く、空調熱交換器(53)の蒸発温度が目標蒸発温度となった場合、上記第1流量制御部(101)は、冷蔵熱交換器(43)において第2熱交換器温度センサ(46)で測定される蒸発温度が目標蒸発温度となるように、上記第1流量調整弁(18)を全閉状態から開状態して開度調整を行い、図7の破線矢印(a)に示すように、第1吸入管(71)にインジェクションされる液冷媒の量を調節する。これにより、上記冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度を目標蒸発温度まで上昇させることができる一方、上記空調熱交換器(53)の蒸発温度は目標蒸発温度に維持することができる。
以上のようにして、上記容量制御部(102)と上記第1流量制御部(101)とにより、蒸発器として機能する空調熱交換器(53)と冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度が個別に制御され、各熱交換器(53,43)において冷却負荷に対応した異温度蒸発を行うことができる。さらに、各吸入管(71,72)に液冷媒がインジェクションされるので、主圧縮機(11)には湿り状態の冷媒が供給され、上記主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度が高くなりすぎることを防止することができる。
なお、上記冷蔵熱交換器(43)及び空調熱交換器(53)の何れもが共にそれぞれの目標蒸発温度となっている場合、上記第1流量制御部(101)は、主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度が所定の温度範囲内となるように、上記各流量調整弁(18,19)の開度を制御する。この場合、冷蔵ショーケースの冷却を優先させる場合は、該ショーケースの蒸発温度を上昇させないように、上記第2流量調整弁(19)の開度調整を行って、液冷媒が第2吸入管(72)にインジェクションされるようにし、室内の冷房を優先させる場合は、空調熱交換器(53)の蒸発温度を上昇させないように、上記第1流量調整弁(18)の開度調整を行って液冷媒を第1吸入管(71)にインジェクションされるようにする。
また、上記冷凍熱交換器(33)の蒸発温度は、ブースタ圧縮機(31)の運転容量を適宜制御することにより、目標蒸発温度となるように制御してもよいし、上述した主圧縮機(11)の運転容量制御と第1流量制御部(101)による流量調整弁(18,19)の制御とにより、上記冷蔵熱交換器(43)の変動に伴って変動させるようにしてもよい。
〈冷却運転〉
図8に示すように、冷却運転は、冷蔵及び冷凍ショーケースの冷却のみを行う運転である。
冷却運転では、第1四路切換弁(15)及び第2四路切換弁(16)が第1状態に設定され、第1電磁弁(SV-1)は閉状態に、第2電磁弁(SV-2)及び第3電磁弁(SV-3)は開状態に設定され、上記空調膨張弁(54)と室外膨張弁(17)は、全閉状態に設定される。この状態において、主圧縮機(11)とブースタ圧縮機(31)は、ともに駆動され、冷媒が、図8の矢印に示す方向に循環する。また、上記冷蔵膨張弁(44)と上記冷凍膨張弁(34)とが感温筒(47,37)によりスーパーヒート制御され、冷蔵庫内ファン(42)と冷凍庫内ファン(32)が入力設定された風量で運転され、室外ファン(12)が適宜調整された風量で運転され、室内ファン(52)が停止される。
上記主圧縮機(11)から吐出した冷媒は、第1四路切換弁(15)を介して室外熱交換器(13)を流れ、室外空気に放熱し凝縮液化する。液化した冷媒は、第1液管(81)、レシーバー(14)及び第2液管(82)を順に流れ、液側連絡管(86)を流れる。液側連絡管(86)を流れた冷媒は、第1液側連絡配管(21)を流れ、第1液分岐管(21a)と第2液分岐管(21b)とに分岐される。
上記第1液分岐管(21a)を流れた冷媒は、冷蔵ユニット(4)に導入され、冷蔵膨張弁(44)により膨張し、冷蔵熱交換器(43)を流れ、冷蔵ショーケース内の空気から吸熱して蒸発する。これにより、冷蔵ショーケース内の空気が冷却される。その後、蒸発した冷媒は、第1ガス分岐管(22a)を流れ、第1ガス側連絡配管(22)を流れる。
一方、上記第2液分岐管(21b)を流れた冷媒は、冷凍ユニット(3)に導入され、冷凍膨張弁(34)で膨張し、冷凍熱交換器(33)を流れ、冷凍ショーケース内の空気から吸熱して蒸発する。これにより、冷凍ショーケース内の空気が冷却される。その後、蒸発した冷媒は、ブースタ圧縮機(31)で圧縮され、第2ガス分岐管(22b)を流れて第1ガス側連絡配管(22)を流れ、冷蔵ユニット(4)から流出した冷媒と合流し、室外ユニット(2)に導入される。室外ユニット(2)に導入された冷媒は、第1吸入管(71)を流れ、主圧縮機(11)に低圧ポート(11a)から吸入され、再び圧縮される。
(冷却運転時の制御)
冷却運転では、上記容量制御部(102)が、冷蔵及び冷凍ショーケースの冷却負荷に応じて上記主圧縮機(11)及びブースタ圧縮機(31)の運転容量を制御する。つまり、上記容量制御部(102)は、上記冷蔵熱交換器(43)及び冷凍熱交換器(33)において、各熱交換器温度センサ(46,36)で測定される蒸発温度が各ショーケースの設定温度より10℃低い目標蒸発温度となるように、各圧縮機(11,31)の運転容量を制御する。
また、上記第1流量制御部(101)は、主圧縮機(11)の吐出温度センサ(92)で測定される吐出冷媒の温度が上記所定の温度範囲内となるように、上記第2流量調整弁(19)を全閉状態から開状態にして開度調整を行い、図9の破線矢印に示すように、第3液管(83)から第2吸入管(72)にインジェクションされる液冷媒の量を適宜制御する。また、上記第1流量制御部(101)は、第1流量調整弁(18)を常時全閉状態に設定する。これにより、冷蔵熱交換器(43)及び冷凍熱交換器(33)の蒸発温度を上昇させることなく、主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度を低下させる。
−実施形態1の効果−
上記冷凍装置(1)では、上記主圧縮機(11)は、低圧ポート(11a)と中間圧ポート(11b)とを備え、上記冷房冷却運転時に、冷蔵熱交換器(43)で蒸発した冷媒が、低圧ポート(11a)から吸入され、空調熱交換器(53)で蒸発した冷媒が中間圧ポート(11b)から吸入されるようにしたために、上記空調熱交換器(53)の蒸発温度を上記冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度を確実に高くすることができる。つまり、上記冷蔵熱交換器(43)及び上記空調熱交換器(53)の蒸発温度を確実に異なる温度とすることができる。
また、冷蔵ショーケースの冷却を行う運転において、上記主圧縮機(11)の吐出温度が高い場合は、上記第2流量調整弁(19)を制御して中間圧ポート(11b)から液冷媒又は湿り冷媒をインジェクションすることにより、冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度を上昇させることなく、主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度を低下させることができる。また、室内の冷房行う運転において、上記主圧縮機(11)の吐出温度が高い場合は、上記第1流量調整弁(18)を制御して低圧ポート(11a)から液冷媒又は湿り冷媒をインジェクションすることにより、空調熱交換器(53)の蒸発温度を上昇させることなく、主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度を低下させることができる。
さらに、本発明の特徴として、上記冷房冷却運転時に、上記容量制御部(102)が、冷蔵熱交換器(43)と空調熱交換器(53)の何れか一方の熱交換器(43,53)の蒸発温度が目標蒸発温度となるように、上記主圧縮機(11)の運転容量を制御し、上記第1流量制御部(101)が、他方の熱交換器(53,43)の蒸発温度が、該他方の蒸発器(53,43)の目標蒸発温度となるように、吸入管(71,72)への液冷媒の供給量を制御するようにしたために、上記冷蔵熱交換器(43)及び上記空調熱交換器(53)の蒸発温度を個別に制御することができる。これにより、ショーケースの冷却及び室内の冷房の負荷に確実に対応した運転を行うことができる。そして、このように、上記冷蔵熱交換器(43)と上記空調熱交換器(53)の蒸発温度を個別に制御するにあたり、従来のように、吸入管に三方切換弁を設けた構成に比して、吸入管(71,72)を流れる冷媒の圧力損失を低減することができる。さらに、この蒸発温度の制御を行うために、上記圧縮機(11)の吸入管(71,72)に液冷媒がインジェクションされるので、上記圧縮機(11)の吐出冷媒の温度を低下させることができる。これにより、該圧縮機(11)が高温になりすぎることがないので、該圧縮機(11)の信頼性が向上する。
−実施形態1の変形例−
本実施形態は、上記実施形態1の主圧縮機(11)が圧縮室の低圧に通じる低圧ポート(11a)と該圧縮室における圧縮途中に通じる中間圧ポート(11b)とを備えたことに代わり、主圧縮機(11)の各吸入ポート(11a,11b)の吸入圧力を同じ圧力としたものである。なお、各吸入ポート(11a,11b)は、同じ圧縮室に通じていても良いし、異なる圧縮室に通じていてもよい。
本実施形態では、第1流量制御部(101)が、上記冷蔵熱交換器(43)及び空調熱交換器(53)が共に蒸発器として機能する冷却冷房運転時に、これらの熱交換器(43,53)の蒸発圧力を示す指標である蒸発温度に基づいて、第1及び第2吸入管(71,72)への液冷媒の供給量を制御する。
つまり、第1流量制御手段(101)は、各流量調整弁(18,19)の開度調整を行って、上記冷蔵熱交換器(43)に対応する第1吸入管(71)に供給される液冷媒の量が、上記空調熱交換器(53)に対応する第2吸入管(72)に供給される液冷媒の量より少なくなるように制御する。
これにより、主圧縮機(11)の複数の吸入ポート(11a,11b)が同じ吸入圧力であっても、上記冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度が上記空調熱交換器(53)の蒸発温度より低くなり、各熱交換器(43,53)の蒸発温度を確実に異なる温度とすることができる。また、この液冷媒の量を調節することにより、各熱交換器(43,53)の蒸発温度を冷却負荷に対応した目標蒸発温度とすることができる。
なお、上記第1流量制御手段(101)は、第1流量調整弁(18)を全閉状態に保ち、上記冷蔵熱交換器(43)に対応する第1吸入管(71)に液冷媒を全く供給せず、空調熱交換器(53)に対応する第2吸入管(72)のみに液冷媒をインジェクションしてもよい。その場合、容量制御部(102)は、冷蔵熱交換器(43)の冷却負荷に基づいて主圧縮機(11)を制御する。そして、容量制御部(102)により主圧縮機(11)の運転容量が変動しても、上記第1流量制御手段(101)は、第2流量調整弁(19)の開度調整を行うことにより上記空調熱交換器(53)に対応した第2吸入管(72)に供給する液冷媒の量を制御して、空調熱交換器(53)の蒸発温度を目標とする蒸発温度に維持する。これにより、各熱交換器(43,53)の蒸発温度を冷却負荷に対応した適切な蒸発温度とすることができる。
その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同じである。
《発明の実施形態2》
本実施形態は、上記実施形態1が、冷房冷却運転時に、上記主圧縮機(11)の運転容量と吸入管(71,72)に供給する液冷媒量の制御を行うことにより、上記冷蔵熱交換器(43)及び上記空調熱交換器(53)の蒸発圧力を目標蒸発圧力としてことに代わり、上記主圧縮機(11)の運転容量と、冷蔵膨張機構(48)及び空調膨張弁(54)の冷媒流量とを制御することにより、上記冷蔵熱交換器(43)と上記空調熱交換器(53)の蒸発圧力を目標蒸発圧力とするものである。また、本実施形態においても、蒸発圧力を示す指標として蒸発温度を用いて制御を行う。
具体的に、本実施形態の冷凍装置(1)では、図9に示すように、コントローラ(100)が、第1流量制御部(101)と容量制御部(102)と第2流量制御部(103)とを備えている。
上記第2流量制御部(103)は、冷房冷却運転時に、冷蔵膨張機構(48)又は空調膨張弁(54)の冷媒流量を制御するものであり、第2流量制御手段に構成されている。また、本実施形態の第1流量制御部(101)は、冷房冷却運転時に、上記主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度が上記所定の温度範囲内となるように、各吸入管(71,72)にインジェクションする液冷媒の量を制御するように構成されている。
冷房冷却運転では、上記容量制御部(102)が、ショーケースの冷却負荷に応じて上記主圧縮機(11)及びブースタ圧縮機(31)の運転容量を制御する。つまり、上記容量制御部(102)は、上記冷蔵熱交換器(43)及び冷凍熱交換器(33)において、各熱交換器温度センサ(46,36)で測定される蒸発温度が、各ショーケースの設定温度より10℃低い目標蒸発温度となるように、各圧縮機(11,31)の運転容量を制御する。
この状態において、上記冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度が目標蒸発温度となり、空調熱交換器(53)の蒸発温度が目標蒸発温度より高い場合、上記容量制御部(102)は、上記主圧縮機(11)の運転容量制御を、上記室内の冷房負荷に基づいた制御に切換える。つまり、上記容量制御部(102)は、上記空調熱交換器(53)において第1熱交換器温度センサ(56)で測定される蒸発温度が目標蒸発温度となるように、上記主圧縮機(11)の運転容量を増大させる。
ここで、上記主圧縮機(11)の運転容量を増大させたことにより、この状態のままでは、冷蔵熱交換器(43)を流れる冷媒量が増加し、該冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度が低下する。そこで、本発明の特徴として、上記第2流量制御部(103)は、冷蔵膨張機構(48)の上記第2電磁弁(SV-2)を開閉することにより、該冷蔵膨張機構(48)の冷媒流量が増大しないように制御する。これにより、上記主圧縮機(11)の運転容量を増大しても、冷蔵熱交換器(43)を流れる冷媒流量が増大しないので、冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度は、目標蒸発温度のままで維持される。
このようにして、主圧縮機(11)の運転容量が増大することから、空調熱交換器(53)では、蒸発温度が低下して目標蒸発温度となる一方、上記冷蔵熱交換器(43)では、蒸発温度は低下することなく目標蒸発温度に維持される。
一方、上記空調熱交換器(53)の蒸発温度が目標蒸発温度となり、冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度が目標蒸発温度より高い場合、上記容量制御部(102)は、上記主圧縮機(11)の運転容量制御を、上記空調熱交換器(53)の第2熱交換器温度センサ(46)で測定される蒸発温度が目標蒸発温度となるように、上記主圧縮機(11)の運転容量を増大させる。
ここで、上記主圧縮機(11)の運転容量を増大させたことにより、この状態のままでは、空調熱交換器(53)を流れる冷媒量が増加し、該空調熱交換器(53)の蒸発温度が低下する。そこで、本発明の特徴として、上記第2流量制御部(103)は、空調膨張弁(54)の開度を小さくすることにより、該空調膨張弁(54)を流れる冷媒流量が増大しないように制御する。
このようにして、主圧縮機(11)の運転容量が増大することから、冷蔵熱交換器(43)では、蒸発温度が低下して目標蒸発温度となる一方、上記空調熱交換器(53)では、蒸発温度が低下することなく目標蒸発温度に維持される。
また、上記冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度が目標蒸発温度となり、空調熱交換器(53)の蒸発温度が目標蒸発温度より低い場合、第2流量制御部(103)は、空調熱交換器(53)において第1熱交換器温度センサ(56)で測定される蒸発温度が目標蒸発温度となるように、上記空調膨張弁(54)の開度を小さくし、該空調膨張弁(54)の冷媒流量を低下させる。これにより、上記冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度は目標蒸発温度に維持したままで、上記空調熱交換器(53)の蒸発温度のみを上昇させる。
一方、上記冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度が目標蒸発温度より低く、空調熱交換器(53)の蒸発温度が目標蒸発温度となった場合、上記第2流量制御部(103)は、冷蔵熱交換器(43)において第2熱交換器温度センサ(46)で測定される蒸発温度が目標蒸発温度となるように、第2電磁弁(SV-2)を開閉制御し、冷蔵膨張機構(48)の冷媒流量を低下させる。これにより、上記冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度は目標蒸発温度まで上昇させることができる一方、上記空調熱交換器(53)の蒸発温度は目標蒸発温度に維持することができる。
以上のようにして、上記容量制御部(102)と上記第2流量制御部(103)とにより、蒸発器として機能する空調熱交換器(53)と冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度が個別に制御され、各熱交換器(53,43)において冷却負荷に対応した異温度蒸発を行うことができる。
なお、上記第2流量制御部(103)が第2電磁弁(SV-2)を開閉制御する際は、冷蔵熱交換器(43)の出口は過熱度が上昇し(例えば、過熱度30℃となり)、上記第2流量制御部(103)が空調膨張弁(54)の開度制御を行う際は、空調熱交換器(53)の出口は過熱度が上昇する(例えば、過熱度30℃となる)。これにより、主圧縮機(11)の吐出冷媒の温度が上昇するので、第1流量制御部(101)は、第1流量調整弁(18)又は第2流量調整弁(19)の開度調整を適宜行って、吸入管(71,72)に液冷媒をインジェクションし、主圧縮機(11)の吐出管温度を低下させる。つまり、上記第1流量制御部(101)は、室内の冷房を優先させる場合は、第1流量調整弁(18)を全閉状態から開状態にして開度調整を行い、第1吸入管(71)に液冷媒がインジェクションされるようにし、ショーケースの冷却を優先させる場合は、第2流量調整弁(19)全閉状態から開状態にして開度調整を行い、第2吸入管(72)に液冷媒がインジェクションされるようにする。
その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同じである。
《発明の実施形態3》
本実施形態は、上記実施形態1の各インジェクション通路が、各液インジェクション管(67,68)であったことに代わり、図10に示すように、各インジェクション通路を、主圧縮機(11)の吸入管(71,72)に該主圧縮機(11)の吐出ガス冷媒をインジェクションする第1ガスインジェクション管(98)及び第2ガスインジェクション間(99)としたものである。
上記各ガスインジェクション管(98,99)は、ガスインジェクション主管(25)と第1及び第2のガスインジェクション分岐管(26,27)とから構成されている。
具体的に、上記ガスインジェクション主管(25)は、一端が主圧縮機(11)の吐出管(74)に接続され、他端が上記第1ガスインジェクション分岐管(26)の一端と第2ガスインジェクション分岐管(27)の一端とに分岐接続されている。また、上記第1ガスインジェクション分岐管(26)は、他端が上記第1吸入管(71)に接続されると共に、途中に第3流量調整弁(28)が設けられ、上記第2ガスインジェクション分岐管(27)は、上記第2吸入管(72)に接続されると共に、途中に第4流量調整弁(29)が設けられている。上記第3及び第4の各流量調整弁(28,29)は、開度調整自在な電子膨張弁で構成されている。
このような構成により、第1及び第2ガスインジェクション管(98,99)のそれぞれは、高圧の吐出冷媒を、各吸入管(71,72)に供給量可変に供給するように構成されている。
冷房冷却運転では、上記容量制御部(102)が、主圧縮機(11)及びブースタ圧縮機(31)の運転容量を、冷蔵及び冷凍ショーケースの冷却負荷に応じて制御する。
この状態において、上記冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度が目標蒸発温度となり、空調熱交換器(53)の蒸発温度が目標蒸発温度より高い場合、上記容量制御部(102)は、上記主圧縮機(11)の運転容量制御を、上記室内の冷房負荷に基づいた制御に切換え、上記空調熱交換器(53)において第1熱交換器温度センサ(56)で測定される蒸発温度が目標蒸発温度となるように、上記主圧縮機(11)の運転容量を増大させる。
ここで、上記主圧縮機(11)の運転容量を増大させたことにより、この状態のままでは、冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度も低下し、ショーケースが過度に冷却される。そこで、本発明の特徴として、上記第1流量制御部(101)が、冷蔵熱交換器(43)において第2熱交換器温度センサ(46)で測定される蒸発温度が目標蒸発温度となるように、上記第3流量調整弁(28)を全閉状態から開状態にして開度調整を行い、図10の破線矢印(c)に示すように、吐出管(74)から第1吸入管(71)にインジェクションされるガス冷媒の量を適宜制御する。また、第1流量制御部(101)は、第4流量調整弁(29)を常時全閉状態に設定する。
このようにして、主圧縮機(11)の運転容量が増大することから、空調熱交換器(53)の蒸発温度が低下して目標蒸発温度となる一方、上記冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度は低下することなく目標蒸発温度に維持される。
一方、上記空調熱交換器(53)の蒸発温度が目標蒸発温度となり、冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度が目標蒸発温度より高い場合、上記容量制御部(102)は、上記冷蔵熱交換器(43)における第2熱交換器温度センサ(46)の測定値が目標蒸発温度となるように、上記主圧縮機(11)の運転容量制御を増大させる。
ここで、上記主圧縮機(11)の運転容量を増大させたことにより、この状態のままでは、空調熱交換器(53)の蒸発温度も低下し、室内が過度に冷却される。そこで、本発明の特徴として、上記第1流量制御部(101)が、空調熱交換器(53)において第1熱交換器温度センサ(56)で測定される蒸発温度が目標蒸発温度となるように、上記第4流量調整弁(29)を全閉状態から開状態にして開度調整を行い、図10の破線矢印(d)に示すように、吐出管(74)から第2吸入管(72)にインジェクションされるガス冷媒の量を適宜制御する。また、第1流量制御部(101)は、第3流量調整弁(28)を常時全閉状態に設定する。
このようにして、主圧縮機(11)の運転容量が増大することから、冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度が低下して目標蒸発温度となる一方、上記空調熱交換器(53)の蒸発温度は低下することなく目標蒸発温度に維持される。
また、上記冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度が目標蒸発温度となり、空調熱交換器(53)の蒸発温度が目標蒸発温度より低い場合、第1流量制御部(101)は、空調熱交換器(53)において第1熱交換器温度センサ(56)で測定される蒸発温度が目標蒸発温度となるように、上記第4流量調整弁(29)を全閉状態から開状態して開度調整を行い、図10の破線矢印(d)に示すように、第2吸入管(72)にインジェクションされるガス冷媒の量を調節する。これにより、上記冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度は目標蒸発温度に維持したままで、上記空調熱交換器(53)の蒸発温度のみを上昇させる。
一方、上記冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度が目標蒸発温度より低く、空調熱交換器(53)の蒸発温度が目標蒸発温度となった場合、上記第1流量制御部(101)は、冷蔵熱交換器(43)において第2熱交換器温度センサ(46)で測定される蒸発温度が目標蒸発温度となるように、上記第3流量調整弁(28)を全閉状態から開状態して開度調整を行い、図10の破線矢印(c)に示すように、第1吸入管(71)にインジェクションされるガス冷媒の量を調節する。これにより、上記冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度は目標蒸発温度まで上昇させることができる一方、上記空調熱交換器(53)の蒸発温度は目標蒸発温度に維持することができる。
以上のようにして、上記容量制御部(102)と上記第1流量制御部(101)とにより、蒸発器として機能する空調熱交換器(53)と冷蔵熱交換器(43)の蒸発温度が個別に制御され、各熱交換器(53,43)において冷却負荷に対応した異温度蒸発を行うことができる。
その他の作用、構成及び効果は、実施形態1と同じである。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記各実施形態の冷凍装置(1)は、複数の運転モードを有していたが、複数の運転モードを有していない構成であってもよく、冷房冷却運転を行う構成であればよい。つまり、冷蔵熱交換器(43)と空調熱交換器(53)とが、主圧縮機(11)に対して並列接続され且つ蒸発圧力が異なる複数台の蒸発器となる構成であればよく、運転モードの切換えのための切換弁(15,16)などを有さない構成であってもよい。さらに、冷凍熱交換器(33)やブースタ圧縮機(31)を備えない構成であってもよい。また、複数の蒸発器(43,53)は、室内の冷房とショーケースの冷却とを行う熱交換器(43,53)でなくてもよく、何れも庫内の冷却用の熱交換器であってもよいし、何れも室内の冷房を行う熱交換器であってもよい。また、複数の蒸発器(43,53)は、2台でなく、3台以上であってもよい。
また、上記実施形態1及び3では、上記第1流量制御部(101)が、流量調整弁(18,19,28,29)を通常は全閉状態とし、冷蔵及び空調の各熱交換器(43,53)の蒸発温度が目標蒸発温度より低い場合に、流量調整弁(18,19,28,29)を開状態として開度調整を行ったが、例えば、各流量調整弁(18,19,28,29)は、常時開状態になっており、各熱交換器(43,53)の蒸発温度が目標蒸発温度より高い場合に、流量調整弁(18,19,28,29)の開度を小さくして、吸入管(71,72)にインジェクションされる冷媒量を少なくなるようにしてもよい。
また、上記実施形態1の冷凍装置(1)は、液インジェクション管(67,68)を備え、上記実施形態3の冷凍装置(1)は、ガスインジェクション管(98,99)を備える構成としたが、液インジェクション管(67,68)とガスインジェクション管(98,99)とを共に備える構成であってもよい。この場合、運転状況に応じて、適宜何れのインジェクション管(67,68,98,99)から高圧冷媒をインジェクションするかを選択するようにしてもよい。
また、上記実施形態3のガスインジェクション管を備えた構成において、上記実施形態1の変形例のように、主圧縮機(11)の各吸入ポート(11a,11b)の吸入圧力を同じ圧力としてもよい。その場合であっても、上記実施形態1の変形例と同様の制御を行うことにより、冷蔵及び空調の各熱交換器(43,53)の蒸発温度を確実に目標蒸発温度とすることができる。
また、上記実施形態2では、上記第2流量制御部(103)が、冷蔵及び空調の各熱交換器(43,53)の蒸発温度が低い場合(上昇させるために)、各膨張機構(48,54)の冷媒流量を小さくするように制御したが、冷蔵及び空調の各熱交換器(43,53)の蒸発温度が高い場合(低下させるために)、各膨張機構(48,54)の冷媒流量を大きくするように制御してもよい。
また、上記各実施形態において、膨張機構(48,54)は、何れも電子膨張弁であってもよいし、感温式膨張弁と電磁弁とから構成されていてもよい。
また、上記実施形態1,2及び3では、主圧縮機(11)が、低圧ポート(11a)と中間圧ポート(11b)とを備えていたが、第1の発明では、変形例に記載したように、同じ吸入圧力の吸入ポート(11a,11b)を備えていても良いし、さらには、別々の圧縮室に通じる吸入圧力が異なる吸入ポート(11a,11b)を備えるようにしても良い。また、第5の発明では、吸入ポート(11a,11b)の吸入圧力が異なれば良く、別々の圧縮室に通じる吸入圧力が異なる吸入ポート(11a,11b)を備えるようにしても良い。つまり、別々の圧縮室に通じる吸入ポート(11a,11b)とは、例えば、上下二段に重なるシリンダ室を備えたロータリー圧縮機等であり、各シリンダ室が互いに通じておらず、それぞれのシリンダ室に各吸入ポート(11a,11b)が接続されて、各シリンダ室で個別に冷媒の圧縮を行うような構成されたものが例示される。
また、上記実施形態1では、ショーケースの冷却と室内の暖房とを行う際に、容量制御部(102)が主圧縮機(11)の運転容量を上記冷蔵熱交換器(43)及び冷凍熱交換器(33)に基づいて制御したが、室内の暖房負荷に基づいて制御するようにしてもよい。また、上記容量制御部(102)は、室内の暖房負荷に応じた制御を行う際に、上記実施形態1の暖房運転のように、空調熱交換器(53)の凝縮温度を目標凝縮温度とする制御に代わって、空調熱交換器(53)の凝縮圧力が目標凝縮圧力(例えば、1.9MPaより高く、2.4MPaより低い圧力)となるように上記主圧縮機(11)の運転容量を制御してもよいし、空調ユニット(5)から吹き出される空気温度が目標吹き出し温度(例えば、室内の設定温度から5〜10℃高い温度)となるように制御をしてもよい。
また、上記各実施形態では、冷房冷却運転時に、蒸発圧力に基づく制御として、冷蔵熱交換器(43)及び空調熱交換器(53)の蒸発温度に基づいて、圧力相当飽和温度の制御を行ったが、例えば、各吸入管(71,72)の吸入圧力センサ(97,93)の測定値を蒸発圧力として測定したり、熱交換器(43,53)の蒸発圧力を測定するセンサを設けて蒸発圧力を測定したりすることにより、この蒸発圧力を直接目標蒸発圧力になるように制御を行ってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。