以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態の冷凍装置(10)は、コンビニエンスストア等に設置されて、店内の空気調和とショーケース内の冷却とを行うものである。
図1に示すように、本実施形態の冷凍装置(10)は、室外ユニット(11)と、空調ユニット(12)と、冷蔵庫としての冷蔵ショーケース(13)と、冷凍庫としての冷凍ショーケース(14)とを備えている。室外ユニット(11)は、屋外に設置されている。一方、空調ユニット(12)、冷蔵ショーケース(13)及び冷凍ショーケース(14)は、何れもコンビニエンスストア等の店内に設置されている。
上記室外ユニット(11)には室外回路(30)が、空調ユニット(12)には空調回路(空気熱交換器回路)(60)が、冷蔵ショーケース(13)には冷蔵回路(第1の冷却回路)(70)が、冷凍ショーケース(14)には冷凍回路(第2の冷却回路)(80)がそれぞれ設けられている。この冷凍装置(10)では、これらの回路(30,60,70,80)を配管で接続することによって冷媒回路(20)が構成されている。冷媒回路(20)は、冷蔵/冷凍系統の回路と空調系統の回路とを含んでいる。
上記冷媒回路(20)の冷蔵/冷凍系統側では、冷却回路である冷蔵回路(70)と冷凍回路(80)とが室外回路(30)に対して互いに並列に接続されている。具体的に、冷蔵回路(70)及び冷凍回路(80)は、第1液側連絡配管(21)及び第1ガス側連絡配管(22)を介して、室外回路(30)に接続されている。第1液側連絡配管(21)は、その一端が室外回路(30)に接続されている。この第1液側連絡配管(21)の他端は、2つに分岐しており、分岐した一方(冷蔵側分岐液管(21a))が冷蔵回路(70)の液側端に接続され、他方(冷凍側分岐液管(21b))が冷凍回路(80)の液側端に接続されている。第1ガス側連絡配管(22)は、その一端が室外回路(30)に接続されている。この第1ガス側連絡配管(22)の他端は、2つに分岐しており、分岐した一方(冷蔵側分岐ガス管(22a))が冷蔵回路(70)のガス側端に接続され、他方(冷凍側分岐ガス管(22b))が冷凍回路(80)のガス側端に接続されている。
また、上記冷媒回路(20)の空調系統側では、空調回路(60)が、第1液側連絡配管(21)から分岐した第2液側連絡配管(23)、及び第2ガス側連絡配管(24)を介して、室外回路(30)に接続されている。第2液側連絡配管(23)は、その一端が第1液側連絡配管(21)を介して室外回路(30)に接続され、他端が空調回路(60)の液側端に接続されている。第2ガス側連絡配管(24)は、その一端が室外回路(30)に接続され、他端が空調回路(60)のガス側端に接続されている。
《室外ユニット》
上述したように、室外ユニット(11)は、室外回路(30)を備えている。この室外回路(30)には、圧縮機構(31)と、室外熱交換器(32)と、レシーバ(33)と、室外膨張弁(34)とが設けられている。また、室外回路(30)には、第1四路切換弁(35)と、第2四路切換弁(36)と、第3四路切換弁(37)と、液側閉鎖弁(38)と、第1ガス側閉鎖弁(39a)と、第2ガス側閉鎖弁(39b)とが設けられている。この室外回路(30)において、液側閉鎖弁(38)には第1液側連絡配管(21)が、第1ガス側閉鎖弁(39a)には第1ガス側連絡配管(22)が、そして第2ガス側閉鎖弁(39b)には第2ガス側連絡配管(24)がそれぞれ接続されている。
上記圧縮機構(31)は、第1圧縮機であるDCインバータ圧縮機(31a)と、第2圧縮機である第1ノンインバータ圧縮機(31b)と、第3圧縮機である第2ノンインバータ圧縮機(31b)とを互いに並列に接続することにより構成されている。各圧縮機(31a,31b,31c)は、何れも全密閉型で高圧ドーム型のスクロール圧縮機である。DCインバータ圧縮機(31a)には、インバータを介して電力が供給される。このDCインバータ圧縮機(31a)は、インバータの出力周波数を変化させて電動機の回転速度を変更することによって、運転容量が調整可能となっている。一方、第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31b)は、電動機が常に一定の回転速度で運転されるものであって、運転容量が一定となっている。
DCインバータ圧縮機(31a)の吸入側には第1吸入管(41a)の一端が接続され、第1ノンインバータ圧縮機(31b)の吸入側には第2吸入管(41b)の一端が接続され、第2ノンインバータ圧縮機(31c)の吸入側には第3吸入管(41c)の一端が接続されている。
第1吸入管(41a)の他端は、冷蔵/冷凍系統の低圧ガスラインの基管である第1低圧ガス管(42)と第1連通管(43a)とに接続され、第1低圧ガス管(42)は第1ガス側閉鎖弁(39a)に接続されている。第1吸入管(41a)は第1連通管(43a)を介して第3四路切換弁(37)の第1ポート(P1)に接続されている。第1連通管(43a)には、DCインバータ圧縮機(31a)へ向かう冷媒流れを禁止する逆止弁(CV1)が設けられている。第2吸入管(41b)の他端は、第3四路切換弁(37)の第2ポート(P2)に接続されている。第3吸入管(41c)の他端は、第2低圧ガス管(44)と第2連通管(43b)とに接続され、第2低圧ガス管(44)は第2四路切換弁(36)に接続されている。第3吸入管(41c)は第2連通管(43b)を介して第3四路切換弁(37)の第3ポート(P3)に接続されている。第2連通管(43b)には、第2ノンインバータ圧縮機(31c)へ向かう冷媒流れを禁止する逆止弁(CV2)が設けられている。
圧縮機構(31)の吐出側には高圧ガス管(吐出ライン)(45)が接続されている。この高圧ガス管(45)には、高段側ホットガス通路(46)の一端が接続され、高段側ホットガス通路(46)の他端は第1吸入管(41a)に接続されている。この高段側ホットガス通路(46)には、高段側開閉弁として第1電磁弁(SV1)が設けられている。高段側ホットガス通路(46)は、室外回路(30)の圧縮機構(31)の吐出ライン(45)と各冷却回路(70,80)の低圧ガスラインの基管である第1低圧ガス管(42)とに接続されて、デフロスト運転時に上記圧縮機構(31)の吐出ライン(45)から各冷却熱交換器(72,84)へ向かう冷媒流れを許容する通路である。
この高段側ホットガス通路(46)には、圧縮機構(31)の吐出側と第1電磁弁(SV1)との間に高圧導入管(47)の一端が接続されている。この高圧導入管(47)は、高段側ホットガス通路(46)を介して圧縮機構(31)の高圧ラインに連通しており、その他端が第3四路切換弁(37)の第4ポート(P4)に接続されている。
この第3四路切換弁は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)が互いに連通して第3ポート(P3)と第4ポート(P4)が互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)が互いに連通して第2ポート(P2)と第3ポート(P3)が互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
DCインバータ圧縮機(31a)の吐出側には第1吐出管(48a)が接続され、第1ノンインバータ圧縮機(31b)の吐出側には第2吐出管(48b)が接続され、第2ノンインバータ圧縮機(31c)の吐出側には第3吐出管(48c)が接続されている。第1吐出管(48a)にはDCインバータ圧縮機(31a)へ向かう冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV3)が設けられ、第2吐出管(48b)には第1ノンインバータ圧縮機(31b)へ向かう冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV4)が設けられ、第3吐出管(48c)には第2ノンインバータ圧縮機(31c)へ向かう冷媒の流れを禁止する逆止弁(CV5)が設けられている。第1吐出管(48a)、第2吐出管(48b)及び第3吐出管(48c)は、合流して上記高圧ガス管(45)に接続されている。第3吐出管(48c)には、高圧ガス管(45)との接続点と逆止弁(CV5)との間に吐出接続管(49)が接続されている。
第1四路切換弁(35)は、第1ポート(P1)が高圧ガス管(45)に、第2ポート(P2)が第1ガス管(50)を介して室外熱交換器(32)に、第3ポート(P3)がガス接続管(52)を介して第2四路切換弁(36)に、第4ポート(P4)が第2ガス管(51)を介して第2ガス側閉鎖弁(39b)に接続されている。この第1四路切換弁(35)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)が互いに連通して第3ポート(P3)と第4ポート(P4)が互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)が互いに連通して第2ポート(P2)と第3ポート(P3)が互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
第2四路切換弁(36)は、第1ポート(P1)が吐出接続管(49)に、第3ポート(P3)が第2低圧ガス管(44)に、第4ポート(P4)がガス接続管(52)に接続されている。また、第2四路切換弁(36)は、その第2ポート(P2)が封止されている。この第2四路切換弁(36)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)が互いに連通して第3ポート(P3)と第4ポート(P4)が互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)が互いに連通して第2ポート(P2)と第3ポート(P3)が互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
室外熱交換器(32)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、熱源側熱交換器を構成している。この室外熱交換器(32)の近傍には室外ファン(32a)が配置されている。この室外ファン(48)によって室外熱交換器(32)へ室外空気が送られて、室外熱交換器(32)において冷媒と室外空気の間で熱交換が行われる。室外熱交換器(32)の一端は、上述したように第1四路切換弁(35)に接続されている。一方、室外熱交換器(32)の他端は、第1液管(53)を介してレシーバ(33)の頂部に接続されている。この第1液管(51)には、室外熱交換器(32)からレシーバ(33)へ向かう冷媒の流れを許容し、逆流を禁止する逆止弁(CV6)が設けられている。
レシーバ(33)の底部には、第2液管(54)の一端が接続されている。この第2液管(54)は、他端が液側閉鎖弁(38)に接続されている。第2液管(54)には、レシーバ(33)から液側閉鎖弁(38)へ向かう冷媒の流れを許容し、逆流を禁止する逆止弁(CV7)が設けられている。
第2液管(54)において、逆止弁(CV7)と液側閉鎖弁(38)との間には、第3液管(55)の一端が接続されている。第3液管(55)の他端は、レシーバ(33)の頂部に接続されている。また、第3液管(53)には、液側閉鎖弁(38)からレシーバ(33)へ向かう冷媒の流れを許容し、逆流を禁止する逆止弁(CV8)が設けられている。
第2液管(52)におけるレシーバ(33)と逆止弁(CV7)との間には、第4液管(56)の一端が接続されている。第4液管(54)の他端は、第1液管(51)における室外熱交換器(32)と逆止弁(CV6)との間に接続されている。また、第4液管(54)には、室外膨張弁(34)が設けられている。
室外回路(30)には、各種のセンサや圧力スイッチも設けられている。例えば、高圧ガス管(45)には吐出温度センサ(57)と吐出圧力センサ(図示せず)とが設けられている。第1吐出管(48a)と第3吐出管(48c)には、高圧圧力スイッチ(58)が設けられている。また、各吸入管(41a,41b,41c)には、図示していないが吸入温度センサと吸入圧力センサとが設けられている。さらに、室外ファン(32a)の近傍には外気温センサ(59)が設けられている。
《空調ユニット》
上述したように、空調ユニット(12)は、空調回路(空気熱交換器回路)(60)を備えている。空調回路(60)では、その液側端からガス側端へ向かって順に、空調膨張弁(61)と空気熱交換器(62)とが設けられている。空調熱交換器(62)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成されている。この空調熱交換器(62)では、冷媒と室内空気の間で熱交換が行われる。一方、空調膨張弁(61)は、電子膨張弁によって構成されている。
空調ユニット(12)には、熱交換器温度センサ(63)と冷媒温度センサ(64)とが設けられている。熱交換器温度センサ(63)は、空調熱交換器(62)の伝熱管に取り付けられている。冷媒温度センサ(64)は、空調回路(60)におけるガス側端の近傍に取り付けられている。また、空調ユニット(12)には、内気温センサ(65)と空調ファン(66)とが設けられている。空調熱交換器(62)へは、この空調ファン(66)によって店内の室内空気が送られる。
《冷蔵ショーケース》
上述したように、冷蔵ショーケース(13)は、冷蔵回路(70)を備えている。冷蔵回路(70)では、その液側端からガス側端へ向かって順に、冷蔵膨張弁(71)と冷蔵熱交換器(第1の冷却熱交換器)(72)とが設けられている。冷蔵熱交換器(72)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成されている。この冷蔵熱交換器(72)では、冷媒と庫内空気の間で熱交換が行われる。一方、冷蔵膨張弁(71)は、電子膨張弁によって構成されている。
冷蔵ショーケース(13)には、熱交換器温度センサ(73)と冷媒温度センサ(74)とが設けられている。熱交換器温度センサ(73)は、冷蔵熱交換器(72)の伝熱管に取り付けられている。ガス冷媒温度センサ(74)は、冷蔵回路(70)におけるガス側端の近傍に取り付けられ、液冷媒温度センサ(75)は、冷蔵回路(70)における液側端の近傍に取り付けられている。また、冷蔵ショーケース(13)には、冷蔵庫内温度センサ(76)と冷蔵庫内ファン(77)とが設けられている。冷蔵熱交換器(72)へは、この冷蔵庫内ファン(77)によって冷蔵ショーケース(13)の庫内空気が送られる。
《冷凍ショーケース》
上述したように、冷凍ショーケース(14)は、冷凍回路(80)を備えている。冷凍回路(80)では、その液側端からガス側端へ向かって順に、冷媒熱交換器(81)、ドレンパンヒータ(82)、冷凍膨張弁(83)、冷凍熱交換器(第2の冷却熱交換器)(84)、及びブースタ圧縮機(副圧縮機)(85)として用いられるDCインバータ圧縮機が設けられている。冷凍熱交換器(84)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器によって構成されている。この冷凍熱交換器(84)では、冷媒と庫内空気の間で熱交換が行われる。一方、冷凍膨張弁(83)は、電子膨張弁によって構成されている。この冷凍膨張弁(83)は、冷凍回路(30)に設けられた開度可変の膨張弁である。
冷媒熱交換器(81)は、冷媒同士が熱交換をする熱交換器であり、例えばプレート熱交換器により構成されている。この冷媒熱交換器(81)は、冷凍側分岐液管(21b)に接続された高圧側流路(81a)と、冷凍側分岐液管(21b)における高圧側流路(81a)の下流側から分岐した分岐管(86)に接続された低圧側流路(81b)とを有している。この分岐管(86)は、低圧側流路(81b)の上流側に電子膨張弁(87)を備え、低圧側流路(81b)の下流端がブースタ圧縮機の中間圧位置に接続されている。この冷媒熱交換器(81)と電子膨張弁(87)によりエコノマイザが構成されている。
ブースタ圧縮機(85)の吐出ラインである冷凍側分岐ガス管(22b)には、ブースタ圧縮機(85)からの冷媒の吐出を許容し、その逆流を禁止する逆止弁(CV9)が設けられている。冷凍側分岐ガス管(22b)における逆支弁(CV9)の下流側の位置とブースタ圧縮機(85)の吸入ラインである吸入管(88)とには、低段側ホットガス通路(89)が接続されている。この低段側ホットガス通路(89)は、上記冷凍側分岐ガス管(22b)と吸入管(88)とに接続されて、デフロスト運転時に冷凍側分岐ガス管(22b)から冷凍熱交換器(84)へ向かう冷媒流れを許容する通路であり、低段側開閉弁である第2電磁弁(SV2)が設けられている。
冷凍ショーケース(14)には、熱交換器温度センサ(90)と冷媒温度センサ(91,92)とが設けられている。熱交換器温度センサ(90)は、冷凍熱交換器(84)の伝熱管に取り付けられている。ガス冷媒温度センサ(91)は、冷凍回路(80)におけるガス側端の近傍に取り付けられている。液冷媒温度センサ(92)は、冷凍回路(80)における液側端の近傍に取り付けられている。ドレンパンヒータ温度センサ(93)は、ドレンパンヒータ(82)の近傍に取り付けられている。また、冷凍ショーケース(14)には、冷凍庫内温度センサ(94)と冷凍庫内ファン(95)とが設けられている。冷凍熱交換器(84)へは、この冷凍庫内ファン(95)によって冷凍ショーケース(14)の庫内空気が送られる。
《冷媒回路の全体構成》
以上説明したように、この実施形態の冷媒回路(20)は、冷蔵/冷凍系統側の回路と空調系統側の回路とを備え、冷蔵/冷凍系統側の回路では、室外熱交換器(32)と圧縮機構(31)とが設けられた室外回路(30)に、それぞれが冷却熱交換器(72,84)を有する複数の冷却回路(冷蔵回路(70)と冷凍回路(70,80))が互いに並列に接続されている。少なくとも一系統の冷却回路である上記冷凍回路(80)には、冷凍熱交換器(84)と直列にブースタ圧縮機(85)が接続されている。
そして、室外回路(30)の圧縮機構(31)の吐出ガス冷媒を複数の冷却熱交換器(72,84)の少なくとも1つへ選択的に導入するホットガス導入通路(46,89)として高段側ホットガス通路(46)と低段側ホットガス通路(89)とを備え、冷却熱交換器(72,84)を凝縮器として冷凍サイクルを行うデフロスト運転が可能に構成されている。
また、この冷媒回路(20)には、空調熱交換器(62)を有して室内の空調を行う空調回路(60)が含まれている。そして、後述するように、冷却熱交換器(72,84)を凝縮器とし、空調熱交換器(62)を蒸発器とする冷房時のデフロスト運転(第1のデフロスト運転)と、冷却熱交換器(72,84)を凝縮器とし、室外熱交換器(32)を蒸発器とする暖房時のデフロスト運転(第2のデフロスト運転)とが可能に構成されている
−運転動作−
以下に、上記冷凍装置(10)が行う運転動作のうち、主要なものについて説明する。
《冷房運転》
冷房運転は、冷蔵ショーケース(13)及び冷凍ショーケース(14)において庫内空気の冷却を行い、空調ユニット(12)で室内空気の冷却を行って店内を冷房する運転である。
図2に示すように、冷媒回路(20)では、第1四路切換弁(35)、第2四路切換弁(36)及び第3四路切換弁(37)が第1状態に設定される。また、室外膨張弁(34)が全閉される一方、空調膨張弁(61)、冷蔵膨張弁(71)、及び冷凍膨張弁(83)の開度が適宜調節され、高段側ホットガス通路(46)の第1電磁弁(SV1)及び低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は閉鎖される。この状態において、DCインバータ圧縮機(31a)、第1ノンインバータ圧縮機(31b)、第2ノンインバータ圧縮機(31c)、及びブースタ圧縮機(85)が運転される。
DCインバータ圧縮機(31a)、第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)から吐出された冷媒は、各吐出管(48a,48b,48c)を通って高圧ガス管(45)で合流し、第1四路切換弁(35)を通って室外熱交換器(32)へ送られる。室外熱交換器(32)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(32)で凝縮した冷媒は、レシーバ(33)を通過して第1液側連絡配管(21)を流れ、冷蔵側分岐液管(21a)、冷凍側分岐液管(21b)及び第2液側連絡配管(23)へ分配される。
冷蔵側分岐液管(21a)から冷蔵回路(70)へ流入した冷媒は、冷蔵膨張弁(71)を通過する際に減圧されてから冷蔵熱交換器(72)へ導入される。冷蔵熱交換器(72)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。その際、冷蔵熱交換器(72)では、冷媒の蒸発温度が例えば−5℃程度に設定される。冷蔵熱交換器(72)で蒸発した冷媒は、冷蔵側分岐ガス管(22a)から第1ガス側連絡配管(22)へ流入する。冷蔵ショーケース(13)では、冷蔵熱交換器(72)で冷却された庫内空気が庫内へ供給され、庫内温度が例えば5℃程度に保たれる。
冷凍側分岐液管(21b)から冷凍回路(80)へ流入した冷媒は、冷媒熱交換器(81)とドレンパンヒータ(82)を通過した後、冷凍膨張弁(83)を通過する際に減圧されてから冷凍熱交換器(84)へ導入される。冷凍熱交換器(84)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。その際、冷凍熱交換器(84)では、冷媒の蒸発温度が例えば−30℃程度に設定される。冷凍ショーケース(14)では、冷凍熱交換器(84)で冷却された庫内空気が庫内へ供給され、庫内温度が例えば−20℃程度に保たれる。
冷凍熱交換器(84)で蒸発した冷媒は、吸入管(88)を通ってブースタ圧縮機(85)へ吸入される。ブースタ圧縮機(85)で圧縮された冷媒は、吐出管(98)から冷凍側分岐ガス管(22b)を通って第1ガス側連絡配管(22)へ流入する。
第1ガス側連絡配管(22)では、冷蔵回路(70)から送り込まれた冷媒と、冷凍回路(80)から送り込まれた冷媒とが合流する。そして、これらの冷媒は、第1ガス側連絡配管(22)から第1低圧ガス管(42)を通って第1吸入管(41a)及び第2吸入管(41b)へ流入し、DCインバータ圧縮機(31a)及び第1ノンインバータ圧縮機(31b)に吸入される。DCインバータ圧縮機(31a)及び第1ノンインバータ圧縮機(31b)は、それぞれ、吸入した冷媒を圧縮して第1吐出管(48a)及び第2吐出管(48b)へ吐出する。
一方、第2液側連絡配管(23)へ流入した冷媒は空調回路(60)へ供給される。空調回路(60)へ流入した冷媒は、空調膨張弁(61)を通過する際に減圧されてから空調熱交換器(62)へ導入される。空調熱交換器(62)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。空調ユニット(12)では、空調熱交換器(62)で冷却された室内空気が店内へ供給される。空調熱交換器(62)で蒸発した冷媒は、第2ガス側連絡配管(24)を通って室外回路(30)へ流入し、第2ガス管(51)から第1四路切換弁(35)と第2四路切換弁(36)を順に通過した後に、第2低圧ガス管(44)から第3吸入管(41c)を通って第2ノンインバータ圧縮機(31c)に吸入される。第2ノンインバータ圧縮機(31c)は、吸入した冷媒を圧縮して第3吐出管(48c)へ吐出する。
なお、図2の冷房運転時は、第3四路切換弁(37)を第1状態に設定することにより、冷蔵/冷凍系統側の回路に2台の圧縮機(31a,31b)を用い、空調系統側の回路に1台の圧縮機(31c)を用いるようにしているが、第3四路切換弁(37)を第2状態に切り換えることにより、冷蔵/冷凍系統側の回路に1台の圧縮機(31a)を用い、空調系統側の回路に2台の圧縮機(31b,31c)を用いることも可能である。また、第3四路切換弁(37)を第1状態または第2状態の何れかに設定した状態で3台の圧縮機(31a,31b,31c)の内の1台を停止して、冷蔵/冷凍系統側の回路と空調系統側の回路に圧縮機を1台ずつ使用することも可能である。
《冷房時のデフロスト運転》
冷房時のデフロスト運転としては、冷蔵熱交換器(72)と冷凍熱交換器(84)の除霜を同時に行う図3のデフロスト運転と、冷凍熱交換器(84)では冷却しながら冷蔵熱交換器(72)の除霜を行う図4のデフロスト運転が可能である。なお、デフロスト運転時の冷媒の流れ(デフロスト経路)を、符号(25)で表している。
まず、図3のデフロスト運転について説明する。
図3に示すように、冷媒回路(20)では、第1四路切換弁(35)及び第2四路切換弁(36)が第1状態に設定され、第3四路切換弁(37)が第2状態に設定される。また、室外膨張弁(34)が全閉され、冷蔵膨張弁(71)及び冷凍膨張弁(83)が全開される一方、空調膨張弁(61)の開度が適宜調節される。高段側ホットガス通路(46)の第1電磁弁(SV1)及び低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は開放される。この状態において、第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)が運転される。
第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)から吐出された冷媒は、各吐出管(48b,48c)を通って高圧ガス管(45)で合流し、第1四路切換弁(35)から第1ガス管(50)を通って室外熱交換器(32)へ送られる。室外熱交換器(32)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(32)で凝縮した冷媒は、レシーバ(33)を通過して第1液側連絡配管(21)を流れた後、第2液側連絡配管(23)へ流入する。
一方、第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)から吐出された冷媒の一部は、高段側ホットガス通路(46)から第1低圧ガス管(42)を経て第1ガス側連絡配管(22)を流れ、冷蔵側分岐ガス管(22a)と冷凍側分岐ガス管(22b)とに分流する。
冷蔵側分岐ガス管(22a)を流れる冷媒は、冷蔵熱交換器(72)に流入し、庫内空気へ放熱して凝縮する。その際、冷蔵熱交換器(72)に付着した霜が融解する。冷蔵熱交換器(72)で凝縮した冷媒は、冷蔵膨張弁(71)を通過して冷蔵側分岐液管(21a)を流れ、第2液側連絡配管(23)へ流入して室外ユニット(11)からの冷媒と合流する。
冷凍側分岐ガス管(22b)を流れる冷媒は、低段側ホットガス通路(89)を通過して冷凍熱交換器(84)に流入し、庫内空気へ放熱して凝縮する。その際、冷凍熱交換器(84)に付着した霜が融解する。冷凍熱交換器(84)で凝縮した冷媒は、冷凍膨張弁(83)、ドレンパンヒータ(82)、及び冷媒熱交換器(81)を通過して冷凍側分岐液管(21b)を流れ、第2液側連絡配管(23)へ流入して室外ユニット(11)からの冷媒と合流する。
第2液側連絡配管(23)で合流した冷媒は空調回路(60)へ供給される。空調回路(60)へ流入した冷媒は、空調膨張弁(61)を通過する際に減圧されてから空調熱交換器(62)へ導入される。空調熱交換器(62)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。空調ユニット(12)では、空調熱交換器(62)で冷却された室内空気が店内へ供給される。空調熱交換器(62)で蒸発した冷媒は、第2ガス側連絡配管(24)を通って室外回路(30)へ流入し、第2ガス管(51)から第1四路切換弁(35)と第2四路切換弁(36)を順に通過した後に、第2低圧ガス管(44)から第2吸入管(41b)及び第3吸入管(41c)を通って第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)に吸入される。第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)は、吸入した冷媒を圧縮して第2吐出管(48b)及び第3吐出管(48c)へ吐出する。
以上のように、図3のデフロスト運転では、室内熱交換器(62)で吸熱された熱量と、圧縮機(31b,31c)での冷媒の圧縮により得られる熱量とを用いて、冷蔵熱交換器(72)と冷凍熱交換器(84)とを同時にデフロストすることができる。
なお、図3では第1ノンインバータ圧縮機(31b)と第2ノンインバータ圧縮機(31c)の2台を使った運転を示しているが、何れか一方の圧縮機のみを運転するようにしてもよい。
また、冷凍熱交換器(84)のみのデフロストを行う場合には、図3の運転状態において冷蔵膨張弁(71)を閉鎖して、冷蔵ショーケース(13)に冷媒を流さない運転をすればよい。
次に、図4のデフロスト運転について説明する。
図4に示すように、冷媒回路(20)では、第1四路切換弁(35)及び第2四路切換弁(36)が第1状態に設定され、第3四路切換弁(37)が第2状態に設定される。また、室外膨張弁(34)が全閉され、冷蔵膨張弁(71)が全開される一方、冷凍膨張弁(83)及び空調膨張弁(61)の開度が適宜調節される。高段側ホットガス通路(46)の第1電磁弁(SV1)は開放され、低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は閉鎖される。この状態において、第1ノンインバータ圧縮機(31b)、第2ノンインバータ圧縮機(31c)及びブースタ圧縮機(85)が運転される。
第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)から吐出された冷媒は、各吐出管(48b,48c)を通って高圧ガス管(45)で合流し、第1四路切換弁(35)から第1ガス管(50)を通って室外熱交換器(32)へ送られる。室外熱交換器(32)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(32)で凝縮した冷媒は、レシーバ(33)を通過して第1液側連絡配管(21)を流れた後、第2液側連絡配管(23)と冷凍側分岐液管(21b)へ分流する。
冷凍側分岐液管(21b)から冷凍回路(80)へ流入した冷媒は、冷媒熱交換器(81)とドレンパンヒータ(82)を通過した後、冷凍膨張弁(83)を通過する際に減圧されてから冷凍熱交換器(84)へ導入される。冷凍熱交換器(84)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。その際、冷凍熱交換器(84)では、冷媒の蒸発温度が例えば−30℃程度に設定される。冷凍ショーケース(14)では、冷凍熱交換器(84)で冷却された庫内空気が庫内へ供給され、庫内温度が例えば−20℃程度に保たれる。
冷凍熱交換器(84)で蒸発した冷媒は、吸入管(88)を通ってブースタ圧縮機(85)へ吸入される。ブースタ圧縮機(85)で圧縮された冷媒は、吐出管(98)から冷凍側分岐ガス管(22b)を通って第1ガス側連絡配管(22)へ流入する。このとき、分岐管(86)に設けられている電子膨張弁(87)の開度が制御されており、エコノマイザが機能している。そのため、ブースタ圧縮機(85)の吐出圧力は第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)の吐出圧力とほぼ同程度にまで高められている。
一方、第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)から吐出された冷媒の一部は、高段側ホットガス通路(46)から第1低圧ガス管(42)を経て第1ガス側連絡配管(22)を流れ、冷凍ユニット(14)からの冷媒と合流して冷蔵側分岐ガス管(22a)を流れる。
冷蔵側分岐ガス管(22a)を流れる冷媒は、冷蔵熱交換器(72)に流入し、庫内空気へ放熱して凝縮する。その際、冷蔵熱交換器(72)に付着した霜が融解する。冷蔵熱交換器(72)で凝縮した冷媒は、冷蔵膨張弁(71)を通過して冷蔵側分岐液管(21a)を流れた後、室外ユニット(11)からの冷媒とともに第2液側連絡配管(23)と冷凍側分岐液管(21b)へ分流する。
第2液側連絡配管(23)を流れる冷媒は空調回路(60)へ供給される。空調回路(60)へ流入した冷媒は、空調膨張弁(61)を通過する際に減圧されてから空調熱交換器(62)へ導入される。空調熱交換器(62)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。空調ユニット(12)では、空調熱交換器(62)で冷却された室内空気が店内へ供給される。空調熱交換器(62)で蒸発した冷媒は、第2ガス側連絡配管(24)を通って室外回路(30)へ流入し、第2ガス管(51)から第1四路切換弁(35)と第2四路切換弁(36)を順に通過した後に、第2低圧ガス管(44)から第2吸入管(41b)及び第3吸入管(41c)を通って第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)に吸入される。第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)は、吸入した冷媒を圧縮して第2吐出管(48b)及び第3吐出管(48c)へ吐出する。
以上のように、図4のデフロスト運転では、室内熱交換器(62)と冷凍熱交換器(84)で吸熱された熱量と、圧縮機(31b,31c,85)での冷媒の圧縮により得られる熱量とを用いて、冷蔵熱交換器(72)をデフロストすることができる。
なお、図4では第1ノンインバータ圧縮機(31b)と第2ノンインバータ圧縮機(31c)の2台を使った運転を示しているが、何れか一方の圧縮機のみを運転するようにしてもよい。
《暖房運転》
暖房運転は、冷蔵ショーケース(13)及び冷凍ショーケース(14)において庫内空気の冷却を行い、空調ユニット(12)で室内空気の加熱を行って店内を暖房する運転である。
図5に示すように、冷媒回路(20)では、第1四路切換弁(35)が第2状態に、第2四路切換弁(36)及び第3四路切換弁(37)が第1状態にそれぞれ設定される。また、空調膨張弁(61)が全開される一方、室外膨張弁(34)、冷蔵膨張弁(71)、及び冷凍膨張弁(83)の開度が適宜調節され、高段側ホットガス通路(46)の第1電磁弁(SV1)及び低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は閉鎖される。この状態において、DCインバータ圧縮機(31a)、第1ノンインバータ圧縮機(31b)、第2ノンインバータ圧縮機(31c)、及びブースタ圧縮機(85)が運転される。
DCインバータ圧縮機(31a)、第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)から吐出された冷媒は、高圧ガス管(45)、第1四路切換弁(35)及び第2ガス管(51)から第2ガス側連絡配管(24)を通って空調回路(60)の空調熱交換器(62)へ導入され、室内空気へ放熱して凝縮する。空調ユニット(12)では、空調熱交換器(62)で加熱された室内空気が店内へ供給される。空調熱交換器(62)で凝縮した冷媒は、第2液側連絡配管(23)を流れた後、冷蔵側分岐液管(21a)と冷凍側分岐液管(21b)と第1液側連絡配管(21)とに分流する。
冷蔵側分岐液管(21a)を流れる冷媒は冷蔵ショーケース(13)に流入し、冷凍側分岐液管(21b)を流れる冷媒は冷凍ショーケース(14)に流入する。冷蔵ショーケース(13)及び冷凍ショーケース(14)では、上記冷房運転時と同様に、庫内空気の冷却が行われる。冷蔵熱交換器(72)で蒸発した冷媒と、冷凍熱交換器(84)で蒸発した後にブースタ圧縮機(85)で圧縮された冷媒は、第1ガス側連絡配管(22)で合流する。第1ガス側連絡配管(22)を流れる冷媒は第1吸入管(41a)と第2吸入管(41b)に分流し、DCインバータ圧縮機(31a)と第1ノンインバータ圧縮機(31b)に吸入されて圧縮される。
第1液側連絡配管(21)を流れる冷媒は、第3液管(55)からレシーバ(33)へ流入し、第4液管(56)を流れて室外膨張弁(34)で減圧される。室外膨張弁(34)で減圧された冷媒は室外熱交換器(32)へ導入され、室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(32)で蒸発した冷媒は、第1四路切換弁(35)及び第2四路切換弁(36)を通り、第2低圧ガス管(44)から第3吸入管(41c)を通って第2ノンインバータ圧縮機(31c)へ吸入されて圧縮される。
このように、暖房運転時は、冷蔵熱交換器(72)、冷凍熱交換器(84)、及び室外熱交換器(32)において冷媒が吸熱し、空調熱交換器(62)において冷媒が放熱する。そして、冷蔵熱交換器(72)及び冷凍熱交換器(84)で冷媒が庫内空気から吸熱した熱量と、室外熱交換器(32)で冷媒が室外空気から吸熱した熱量とを利用して、店内の暖房が行われる。
なお、室外熱交換器(32)を蒸発器にした運転では暖房能力が過剰になる場合には、図5の状態で第2ノンインバータ圧縮機(31c)を停止するとともに室外膨張弁(34)を閉鎖して、冷蔵熱交換器(72)及び冷凍熱交換器(84)において冷媒が吸熱し、空調熱交換器(62)において冷媒が放熱する状態で運転を行うとよい。
また、それでも暖房能力が余るときには、第2四路切換弁(36)を第2状態に切り換えるとともに室外膨張弁(34)を全開に切り換えて運転を行う(このとき、第2ノンインバータ圧縮機(31c)は停止させる)ことで、室外熱交換器(32)を凝縮器として用い、余る熱量を室外に放出する運転を行うとよい。
《暖房時のデフロスト運転》
暖房時のデフロスト運転としては、冷蔵熱交換器(72)と冷凍熱交換器(84)の除霜を同時に行う図6のデフロスト運転と、冷凍熱交換器(84)では冷却しながら冷蔵熱交換器(72)の除霜を行う図7のデフロスト運転が可能である。
まず、図6のデフロスト運転について説明する。
図6に示すように、冷媒回路(20)では、第1四路切換弁(35)及び第3四路切換弁(37)が第2状態に設定され、第2四路切換弁(36)が第1状態に設定される。また、空調膨張弁(61)、冷蔵膨張弁(71)及び冷凍膨張弁(83)が全開される一方、室外膨張弁(34)の開度が適宜調節される。高段側ホットガス通路(46)の第1電磁弁(SV1)及び低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は開放される。この状態において、第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)が運転される。
第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)から吐出された冷媒は、各吐出管(48b,48c)を通って高圧ガス管(45)で合流し、第1四路切換弁(35)及び第2ガス管(51)から第2ガス側連絡配管(24)を通って空調回路(60)の室外熱交換器(32)へ導入され、室内空気へ放熱して凝縮する。空調ユニット(12)では、空調熱交換器(62)で加熱された室内空気が店内へ供給される。空調熱交換器(62)で凝縮した冷媒は、第2液側連絡配管(23)を流れた後、第1液側連絡配管(21)へ流入する。
一方、第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)から吐出された冷媒の一部は、高段側ホットガス通路(46)から第1低圧ガス管(42)を経て第1ガス側連絡配管(22)を流れ、冷蔵側分岐ガス管(22a)と冷凍側分岐ガス管(22b)とに分流する。
冷蔵側分岐ガス管(22a)を流れる冷媒は、冷蔵熱交換器(72)に流入し、庫内空気へ放熱して凝縮する。その際、冷蔵熱交換器(72)に付着した霜が融解する。冷蔵熱交換器(72)で凝縮した冷媒は、冷蔵膨張弁(71)を通過して冷蔵側分岐液管(21a)を流れ、第1液側連絡配管(21)へ流入して空調ユニット(12)からの冷媒と合流する。
冷凍側分岐ガス管(22b)を流れる冷媒は、低段側ホットガス通路(89)を通過して冷凍熱交換器(84)に流入し、庫内空気へ放熱して凝縮する。その際、冷凍熱交換器(84)に付着した霜が融解する。冷凍熱交換器(84)で凝縮した冷媒は、冷凍膨張弁(83)、ドレンパンヒータ(82)、及び冷媒熱交換器(81)を通過して冷凍側分岐液管(21b)を流れ、第1液側連絡配管(21)へ流入して空調ユニット(12)からの冷媒と合流する。
第1液側連絡配管(21)を流れる冷媒は、第3液管(55)からレシーバ(33)へ流入し、第4液管(56)を流れて室外膨張弁(34)で減圧される。室外膨張弁(34)で減圧された冷媒は室外熱交換器(32)へ導入され、室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(32)で蒸発した冷媒は、第1四路切換弁(35)及び第2四路切換弁(36)を通り、第2低圧ガス管(44)から第2吸入管(41b)及び第3吸入管(41c)を通って第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)へ吸入されて圧縮される。
以上のように、図6のデフロスト運転では、室外熱交換器(32)で吸熱された熱量と、圧縮機(31b,31c)での冷媒の圧縮により得られる熱量とを用いて、冷蔵熱交換器(72)と冷凍熱交換器(84)とを同時にデフロストすることができる。
なお、図6では第1ノンインバータ圧縮機(31b)と第2ノンインバータ圧縮機(31c)の2台を使った運転を示しているが、何れか一方の圧縮機のみを運転するようにしてもよい。
また、冷凍熱交換器(84)のみのデフロストを行う場合には、図3の運転状態において冷蔵膨張弁(71)を閉鎖して、冷蔵ショーケース(13)に冷媒を流さない運転をすればよい。
次に、図7のデフロスト運転について説明する。
図7に示すように、冷媒回路(20)では、第1四路切換弁(35)及び第3四路切換弁(37)が第2状態に設定され、第2四路切換弁(36)が第1状態に設定される。また、空調膨張弁(61)及び冷蔵膨張弁(71)が全開される一方、冷凍膨張弁(83)及び室外膨張弁(34)の開度が適宜調節される。高段側ホットガス通路(46)の第1電磁弁(SV1)は開放され、低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は閉鎖される。この状態において、第1ノンインバータ圧縮機(31b)、第2ノンインバータ圧縮機(31c)及びブースタ圧縮機(85)が運転される。
第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)から吐出された冷媒は、各吐出管(48b,48c)を通って高圧ガス管(45)で合流し、第1四路切換弁(35)及び第2ガス管(51)から第2ガス側連絡配管(24)を通って空調回路(60)の室外熱交換器(32)へ導入され、室内空気へ放熱して凝縮する。空調ユニット(12)では、空調熱交換器(62)で加熱された室内空気が店内へ供給される。空調熱交換器(62)で凝縮した冷媒は、第2液側連絡配管(23)を流れた後、冷凍側分岐液管(21b)と第1液側連絡配管(21)へ分流する。
冷凍側分岐液管(21b)から冷凍回路(80)へ流入した冷媒は、冷媒熱交換器(81)とドレンパンヒータ(82)を通過した後、冷凍膨張弁(83)を通過する際に減圧されてから冷凍熱交換器(84)へ導入される。冷凍熱交換器(84)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。その際、冷凍熱交換器(84)では、冷媒の蒸発温度が例えば−30℃程度に設定される。冷凍ショーケース(14)では、冷凍熱交換器(84)で冷却された庫内空気が庫内へ供給され、庫内温度が例えば−20℃程度に保たれる。
冷凍熱交換器(84)で蒸発した冷媒は、吸入管(88)を通ってブースタ圧縮機(85)へ吸入される。ブースタ圧縮機(85)で圧縮された冷媒は、吐出管(98)から冷凍側分岐ガス管(22b)を通って第1ガス側連絡配管(22)へ流入する。このとき、分岐管(86)に設けられている電子膨張弁(87)の開度が制御されており、エコノマイザが機能している。そのため、ブースタ圧縮機(85)の吐出圧力は第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)の吐出圧力とほぼ同程度にまで高められている。
一方、第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)から吐出された冷媒の一部は、高段側ホットガス通路(46)から第1低圧ガス管(42)を経て第1ガス側連絡配管(22)を流れ、冷凍ユニット(14)からの冷媒と合流して冷蔵側分岐ガス管(22a)を流れる。
冷蔵側分岐ガス管(22a)を流れる冷媒は、冷蔵熱交換器(72)に流入し、庫内空気へ放熱して凝縮する。その際、冷蔵熱交換器(72)に付着した霜が融解する。冷蔵熱交換器(72)で凝縮した冷媒は、冷蔵膨張弁(71)を通過して冷蔵側分岐液管(21a)を流れた後、空調ユニット(12)からの冷媒とともに冷凍側分岐液管(21b)と第1液側連絡配管(21)へ分流する。
第1液側連絡配管(21)を流れる冷媒は、第3液管(55)からレシーバ(33)へ流入し、第4液管(56)を流れて室外膨張弁(34)で減圧される。室外膨張弁(34)で減圧された冷媒は室外熱交換器(32)へ導入され、室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(32)で蒸発した冷媒は、第1四路切換弁(35)及び第2四路切換弁(36)を通り、第2低圧ガス管(44)から第2吸入管(41b)及び第3吸入管(41c)を通って第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)へ吸入されて圧縮される。
以上のように、図7のデフロスト運転では、室外熱交換器(32)と冷凍熱交換器(84)で吸熱された熱量と、圧縮機(31b,31c)での冷媒の圧縮により得られる熱量とを用いて、冷蔵熱交換器(72)をデフロストすることができる。
なお、図7では第1ノンインバータ圧縮機(31b)と第2ノンインバータ圧縮機(31c)の2台を使った運転を示しているが、何れか一方の圧縮機のみを運転するようにしてもよい。
−実施形態1の効果−
本実施形態の冷凍装置(10)によれば、冷媒回路の他に電気ヒータなどのデフロスト機構を設けなくても冷蔵熱交換器(72)と冷凍熱交換器(84)の両方のデフロストをすることができるため、装置構成が複雑になってしまうことを防止できる。また、冷蔵熱交換器(72)と冷凍熱交換器(84)の両方を同時にデフロストするだけでなく、何れか一方のみをデフロストすることも可能である。このように各熱交換器(72,84)での個別のデフロストが可能なため、多様なデフロスト運転のパターンに対応できる。
さらに、冷蔵熱交換器を熱源として冷凍熱交換器をデフロストするようにした従来の冷凍装置では、冷蔵熱交換器と冷凍熱交換器をデフロスト運転時に吸熱と放熱のバランスがいい組み合わせにする必要があり、これが設計上の制約となる問題があったのに対して、本実施形態の冷凍装置(10)ではそのような設計上の制約はない。
また、空調熱交換器(62)で吸熱した熱量や室外熱交換器(32)で吸熱した熱量と、圧縮機構(31)での冷媒の圧縮により得られる熱量とを用いて冷蔵熱交換器(72)や冷凍熱交換器(84)をデフロストできるため、効率のよいデフロスト運転が可能である。
さらに、冷蔵熱交換器(72)や冷凍熱交換器(84)に付着した霜を電気ヒータを用いて外部から融解する場合は庫内温度が上昇しやすくなるが、本実施形態では冷蔵熱交換器(72)や冷凍熱交換器(84)に付着した霜を冷媒の熱で内部から溶かすため、庫内温度の上昇を抑えられる。
また、冷蔵熱交換器(72)と冷凍熱交換器(84)を同時にデフロストする運転パターンだけしかできない構成では、先にデフロストが終了した熱交換器でホットガスが流れ続けると庫内温度が上昇してしまうことになるが、本実施形態では各熱交換器(72,84)で個別にデフロストを行えるので、先にデフロストが終了した熱交換器がある場合はホットガスの流れを止めることにより庫内温度の上昇を確実に防止できる。
さらに、冷蔵熱交換器(72)のみのデフロストを行う運転中には、冷凍ショーケース(14)においてエコノマイザを機能させることでブースタ圧縮機(85)の吐出圧力を高めるようにしている。エコノマイザを用いないときには、室外ユニット(11)の圧縮機構(31)の吐出圧力とブースタ圧縮機(85)の吐出圧力に比較的大きな圧力差がついてしまい、ブースタ圧縮機(85)の損傷のおそれがあるが、エコノマイザを用いることによりそのような問題を防止できる。
なお、この実施形態では、冷媒回路(20)における冷媒の詳細な流れの説明は省略するが、空調を止めて冷蔵/冷凍のみを行う運転や、冷蔵/冷凍を止めて空調のみを行う運転も可能である。
《発明の実施形態2》
実施形態2の冷凍装置(10)は、図8に示すように、室外ユニット(11)の一部の構成が実施形態1とは異なる例である。具体的には、高段側ホットガス通路(46)に関する構成が実施形態1と異なっている。この実施形態2のホットガス導入通路(46)は、一端が高圧ガス管(45)に接続される一方、他端は第3四路切換弁(37)の第4ポート(P4)に接続されている。また、実施形態1では第1連通管(43a)に設けられていた逆止弁(CV1)が、この実施形態2では設けられていない。
その他の構成は実施形態1と同様である。
−運転動作−
この実施形態2においても、実施形態1と同様に冷房運転と暖房運転が可能であり、冷房運転時と暖房運転時に冷蔵熱交換器(72)と冷凍熱交換器(84)の2台または1台をデフロストすることが可能である。
冷房運転時は、図9に示すように、第1四路切換弁(35)、第2四路切換弁(36)及び第3四路切換弁(37)がそれぞれ第1状態に設定される。また、室外膨張弁(34)が全閉される一方、空調膨張弁(61)、冷蔵膨張弁(71)、及び冷凍膨張弁(83)の開度が適宜調節され、低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は閉鎖される。この状態において、DCインバータ圧縮機(31a)、第1ノンインバータ圧縮機(31b)、第2ノンインバータ圧縮機(31c)、及びブースタ圧縮機(85)が起動される。
冷媒は図2に示した状態と同様にして冷媒回路(10)を循環する。そして、室外熱交換器(32)を凝縮器とし、空調熱交換器(62)、冷蔵熱交換器(72)及び冷凍熱交換器(84)を蒸発器とする冷凍サイクルが行われる。
冷房時のデフロスト運転としては、冷蔵熱交換器(72)と冷凍熱交換器(84)の除霜を同時に行う図10のデフロスト運転と、冷凍熱交換器(84)では冷却しながら冷蔵熱交換器(72)の除霜を行う図11のデフロスト運転が可能である。
図10のデフロスト運転時は、第1四路切換弁(35)及び第2四路切換弁(36)が第1状態に設定され、第3四路切換弁(37)が第2状態に設定される。また、室外膨張弁(34)が全閉され、冷蔵膨張弁(71)及び冷凍膨張弁(83)が全開される一方、空調膨張弁(61)の開度が適宜調節される。低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は開放される。この状態において、第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)が運転される。
冷媒は、室外ユニット(10)の圧縮機構(31)から吐出された冷媒の一部が高段側ホットガス通路(46)及び第3四路切換弁(37)から第1低圧ガス管(42)を通って冷蔵ショーケース(13)と冷凍ショーケース(14)へ流れていく点を除いては、図3に示した状態と同様にして冷媒回路(10)を循環する。そして、室外熱交換器(32)、冷蔵熱交換器(72)及び冷凍熱交換器(84)を凝縮器とし、空調熱交換器(62)を蒸発器とする冷凍サイクルが行われる。
図11のデフロスト運転時は、第1四路切換弁(35)及び第2四路切換弁(36)が第1状態に設定され、第3四路切換弁(37)が第2状態に設定される。また、室外膨張弁(34)が全閉され、冷蔵膨張弁(71)が全開される一方、冷凍膨張弁(83)及び空調膨張弁(61)の開度が適宜調節される。低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は閉鎖される。この状態において、第1ノンインバータ圧縮機(31b)、第2ノンインバータ圧縮機(31c)及びブースタ圧縮機(85)が運転される。
冷媒は、室外ユニット(10)の圧縮機構(31)から吐出された冷媒の一部が高段側ホットガス通路(46)及び第3四路切換弁(37)から第1低圧ガス管(42)を通って冷蔵ショーケース(13)へ流れていく点を除いては、図4に示した状態と同様にして冷媒回路(10)を循環する。そして、室外熱交換器(32)及び冷蔵熱交換器(72)を凝縮器とし、空調熱交換器(62)及び冷凍熱交換器(84)を蒸発器とする冷凍サイクルが行われる。
暖房運転時は、図12に示すように、第1四路切換弁(35)が第2状態に、第2四路切換弁(36)及び第3四路切換弁(37)が第1状態にそれぞれ設定される。また、空調膨張弁(61)が全開される一方、室外膨張弁(34)、冷蔵膨張弁(71)、及び冷凍膨張弁(83)の開度が適宜調節される。低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は閉鎖される。この状態において、DCインバータ圧縮機(31a)、第1ノンインバータ圧縮機(31b)、第2ノンインバータ圧縮機(31c)、及びブースタ圧縮機(85)が運転される。
冷媒は、図5に示した状態と同様にして冷媒回路(10)を循環する。そして、空調熱交換器(62)を凝縮器とし、室外熱交換器(32)、冷蔵熱交換器(72)及び冷凍熱交換器(84)を蒸発器とする冷凍サイクルが行われる。
なお、室外熱交換器(32)を蒸発器にした運転では暖房能力が過剰になる場合には、図12の状態で第2ノンインバータ圧縮機(31c)を停止するとともに室外膨張弁(34)を閉鎖して、冷蔵熱交換器(72)及び冷凍熱交換器(84)において冷媒が吸熱し、空調熱交換器(62)において冷媒が放熱する状態で運転を行うとよい。
また、それでも暖房能力が余るときには、第2四路切換弁(36)を第2状態に切り換えるとともに室外膨張弁(34)を全開に切り換えて運転を行う(このとき、第2ノンインバータ圧縮機(31c)は停止させる)ことで、室外熱交換器(32)を凝縮器として用い、余る熱量を室外に放出する運転を行うとよい。
暖房時のデフロスト運転としては、冷蔵熱交換器(72)と冷凍熱交換器(84)の除霜を同時に行う図13のデフロスト運転と、冷凍熱交換器(84)では冷却しながら冷蔵熱交換器(72)の除霜を行う図14のデフロスト運転が可能である。
図13のデフロスト運転時は、第1四路切換弁(35)及び第3四路切換弁(37)が第2状態に設定され、第2四路切換弁(36)が第1状態に設定される。また、空調膨張弁(61)、冷蔵膨張弁(71)及び冷凍膨張弁(83)が全開される一方、室外膨張弁(34)の開度が適宜調節される。低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は開放される。この状態において、第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)が運転される。
冷媒は、室外ユニット(10)の圧縮機構(31)から吐出された冷媒の一部が高段側ホットガス通路(46)及び第3四路切換弁(37)から第1低圧ガス管(42)を通って冷蔵ショーケース(13)と冷凍ショーケース(14)へ流れていく点を除いては、図6に示した状態と同様にして冷媒回路(10)を循環する。そして、空調熱交換器(62)、冷蔵熱交換器(72)及び冷凍熱交換器(84)を凝縮器とし、室外熱交換器(32)を蒸発器とする冷凍サイクルが行われる。
図14のデフロスト運転時は、第1四路切換弁(35)及び第3四路切換弁(37)が第2状態に設定され、第2四路切換弁(36)が第1状態に設定される。また、空調膨張弁(61)及び冷蔵膨張弁(71)が全開される一方、冷凍膨張弁(83)及び室外膨張弁(34)の開度が適宜調節される。低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は閉鎖される。この状態において、第1ノンインバータ圧縮機(31b)、第2ノンインバータ圧縮機(31c)及びブースタ圧縮機(85)が運転される。
冷媒は、室外ユニット(10)の圧縮機構(31)から吐出された冷媒の一部が高段側ホットガス通路(46)及び第3四路切換弁(37)から第1低圧ガス管(42)を通って冷蔵ショーケース(13)へ流れていく点を除いては、図7に示した状態と同様にして冷媒回路(10)を循環する。そして、空調熱交換器(62)及び冷蔵熱交換器(72)凝縮器とし、冷凍熱交換器(84)及び室外熱交換器(32)を蒸発器とする冷凍サイクルが行われる。
−実施形態2の効果−
この実施形態2の冷凍装置(10)についても、実施形態1と同様に、装置構成が複雑になるのを抑えながら多様なデフロスト運転のパターンに対応できる。また、冷蔵熱交換器を熱源として冷凍熱交換器をデフロストするようにした従来の冷凍装置とは違って、冷蔵熱交換器と冷凍熱交換器をデフロスト運転時に吸熱と放熱のバランスがいい組み合わせにするための設計上の制約がない点も実施形態1と同様である。
さらに、空調熱交換器(62)や室外熱交換器(32)で吸熱した熱量と、圧縮機構(31)での冷媒の圧縮により得られる熱量とを用いて冷蔵熱交換器(72)や冷凍熱交換器(84)をデフロストできるため、効率のよいデフロスト運転が可能である点や、冷蔵熱交換器(72)や冷凍熱交換器(84)に付着した霜を電気ヒータを用いずに冷媒の熱で内部から溶かすため、庫内温度の上昇を抑えられる点なども実施形態1と同様である。
《発明の実施形態3》
実施形態3の冷凍装置(10)は、室外ユニット(11)に対して空調ユニット(12)と冷蔵ショーケース(13)と冷凍ショーケース(14)を1台ずつ接続する代わりに、図15に示すように、室外ユニット(11)に対して1台の空調ユニット(12)と2台の冷凍ユニット(14)を接続するようにした例である。2台の冷凍ショーケース(14)は、第1液側連絡配管(21)から分岐した2本の冷凍側分岐液管(21b)と、第1ガス側連絡配管(22)から分岐した2本の冷凍側分岐ガス管(22b)を介して室外ユニット(11)に対して並列に接続されている。つまり、この実施形態3では、冷凍熱交換器(84)とブースタ圧縮機(85)とを備えた2つの冷凍回路(80)が並列に接続されている。
その他の構成は実施形態1と同様である。
−運転動作−
この実施形態3においても、実施形態1,2と同様に冷房運転と暖房運転が可能であり、冷房運転時と暖房運転時に冷凍熱交換器(84)の2台または1台をデフロストすることが可能である。
冷房運転時は、図16に示すように、第1四路切換弁(35)、第2四路切換弁(36)及び第3四路切換弁(37)がそれぞれ第1状態に設定される。また、室外膨張弁(34)が全閉される一方、空調膨張弁(61)及び各冷凍膨張弁(83)の開度が適宜調節され、各低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は閉鎖される。この状態において、DCインバータ圧縮機(31a)、第1ノンインバータ圧縮機(31b)、第2ノンインバータ圧縮機(31c)、及び各ブースタ圧縮機(85)が起動される。
冷媒は図2に示した状態とほぼ同様にして冷媒回路(10)を循環する。そして、室外熱交換器(32)を凝縮器とし、空調熱交換器(62)及び各冷凍熱交換器(84)を蒸発器とする冷凍サイクルが行われる。
冷房時のデフロスト運転としては、2台の冷凍熱交換器(84)の除霜を同時に行う図17のデフロスト運転と、一方の冷凍熱交換器(84)では冷却しながら他方の冷凍熱交換器(84)の除霜を行う図18のデフロスト運転が可能である。
図17のデフロスト運転時は、第1四路切換弁(35)及び第2四路切換弁(36)が第1状態に設定され、第3四路切換弁(37)が第2状態に設定される。また、室外膨張弁(34)が全閉され、各冷凍膨張弁(83)が全開される一方、空調膨張弁(61)の開度が適宜調節される。高段側ホットガス通路(46)の第1電磁弁(SV1)と各低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は開放される。この状態において、第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)が運転される。
冷媒は、室外ユニット(10)の圧縮機構(31)から吐出された冷媒の一部が高段側ホットガス通路(46)から第1低圧ガス管(42)を通ってから2本の冷凍側分岐ガス管(22b)に分流し、各冷凍ショーケース(14)へ流れていく点を除いては、図3に示した状態と同様にして冷媒回路(10)を循環する。そして、室外熱交換器(32)及び各冷凍熱交換器(84)を凝縮器とし、空調熱交換器(62)を蒸発器とする冷凍サイクルが行われる。
図18のデフロスト運転は、図の上側の冷凍ショーケース(14)でデフロストを行う例である。以下の説明では、この冷凍ショーケース(14)をデフロスト側ショーケースといい、図の下側の冷凍ショーケースを冷却側ショーケースという。
図18においては、第1四路切換弁(35)及び第2四路切換弁(36)が第1状態に設定され、第3四路切換弁(37)が第2状態に設定される。また、室外膨張弁(34)が全閉される一方、冷却側ショーケースの冷凍膨張弁(83)及び空調膨張弁(61)の開度が適宜調節され、デフロスト側ショーケースの冷凍膨張弁(83)が全開される。高段側ホットガス通路(46)の第1電磁弁(SV1)は開放され、デフロスト側ショーケースの低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は開放され、冷却側ショーケースの低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は閉鎖される。この状態において、第1ノンインバータ圧縮機(31b)、第2ノンインバータ圧縮機(31c)及び冷却側ショーケースのブースタ圧縮機(85)が運転される。
冷媒は、室外ユニット(10)の圧縮機構(31)から吐出された冷媒の一部が高段側ホットガス通路(46)から第1低圧ガス管(42)を通ってからデフロスト側ショーケースの冷凍熱交換器(84)へ流れていく点を除いては、図4に示した状態と同様にして冷媒回路(10)を循環する。そして、室外熱交換器(32)及びデフロスト側ショーケースの冷凍熱交換器(84)を凝縮器とし、空調熱交換器(62)及び冷却側ショーケースの冷凍熱交換器(84)を蒸発器とする冷凍サイクルが行われる。
暖房運転時は、図19に示すように、第1四路切換弁(35)が第2状態に、第2四路切換弁(36)及び第3四路切換弁(37)が第1状態にそれぞれ設定される。また、空調膨張弁(61)が全開される一方、室外膨張弁(34)及び各冷凍膨張弁(83)の開度が適宜調節される。高段側ホットガス通路(46)の第1電磁弁(SV1)及び各低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は閉鎖される。この状態において、DCインバータ圧縮機(31a)、第1ノンインバータ圧縮機(31b)、第2ノンインバータ圧縮機(31c)、及び各ブースタ圧縮機(85)が運転される。
冷媒は、図5に示した状態とほぼ同様にして冷媒回路(10)を循環する。そして、空調熱交換器(62)を凝縮器とし、室外熱交換器(32)及び各冷凍熱交換器(84)を蒸発器とする冷凍サイクルが行われる。
なお、室外熱交換器(32)を蒸発器にした運転では暖房能力が過剰になる場合には、図19の状態で第2ノンインバータ圧縮機(31c)を停止するとともに室外膨張弁(34)を閉鎖して、各冷凍熱交換器(84)において冷媒が吸熱し、空調熱交換器(62)において冷媒が放熱する状態で運転を行うとよい。
また、それでも暖房能力が余るときには、第2四路切換弁(36)を第2状態に切り換えるとともに室外膨張弁(34)を全開に切り換えて運転を行う(このとき、第2ノンインバータ圧縮機(31c)は停止させる)ことで、室外熱交換器(32)を凝縮器として用い、余る熱量を室外に放出する運転を行うとよい。
暖房時のデフロスト運転としては、2台の冷凍熱交換器(84)の除霜を同時に行う図20のデフロスト運転と、一方の冷凍熱交換器(84)では冷却しながら他方の冷凍熱交換器(84)の除霜を行う図21のデフロスト運転が可能である。
図20のデフロスト運転時は、第1四路切換弁(35)及び第3四路切換弁(37)が第2状態に設定され、第2四路切換弁(36)が第1状態に設定される。また、空調膨張弁(61)及び各冷凍膨張弁(83)が全開される一方、室外膨張弁(34)の開度が適宜調節される。高段側ホットガス通路(46)の第1電磁弁(SV1)及び各低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は開放される。この状態において、第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)が運転される。
冷媒は、室外ユニット(10)の圧縮機構(31)から吐出された冷媒の一部が高段側ホットガス通路(46)から第1低圧ガス管(42)を通ってから2本の冷凍側分岐ガス管(22b)に分流し、各冷凍ショーケース(14)へ流れていく点を除いては、図6に示した状態と同様にして冷媒回路(10)を循環する。そして、空調熱交換器(62)及び各冷凍熱交換器(84)を凝縮器とし、室外熱交換器(32)を蒸発器とする冷凍サイクルが行われる。
図21のデフロスト運転は、図の上側の冷凍ショーケース(14)でデフロストを行う例である。このデフロスト運転時は、第1四路切換弁(35)及び第3四路切換弁(37)が第2状態に設定され、第2四路切換弁(36)が第1状態に設定される。また、冷却側ショーケースの冷凍膨張弁(83)及び室外膨張弁(34)の開度が適宜調節される一方、空調膨張弁(61)及びデフロスト側ショーケースの冷凍膨張弁(83)が全開される。高段側ホットガス通路(46)の第1電磁弁(SV1)は開放され、デフロスト側ショーケースの低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は開放され、冷却側ショーケースの低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は閉鎖される。この状態において、第1ノンインバータ圧縮機(31b)、第2ノンインバータ圧縮機(31c)及び冷却側ショーケースのブースタ圧縮機(85)が運転される。
冷媒は、室外ユニット(10)の圧縮機構(31)から吐出された冷媒の一部が高段側ホットガス通路(46)から第1低圧ガス管(42)を通ってからデフロスト側ショーケースの冷凍熱交換器(84)へ流れていく点を除いては、図7に示した状態と同様にして冷媒回路(10)を循環する。そして、空調熱交換器(62)及びデフロスト側ショーケースの冷凍熱交換器(84)を凝縮器とし、冷却側ショーケースの冷凍熱交換器(84)及び室外熱交換器(32)を蒸発器とする冷凍サイクルが行われる。
−実施形態3の効果−
この実施形態3の冷凍装置(10)についても、実施形態1,2と同様に、装置構成が複雑になるのを抑えながら多様なデフロスト運転のパターンに対応できる。特に、2台のうちのどちらの冷凍熱交換器(84)をデフロストしているときであっても、他方の冷凍熱交換器(84)では冷却できる。また、デフロスト運転時に冷蔵熱交換器と冷凍熱交換器における吸熱と放熱のバランスをとるような設計上の制約がない点も実施形態1,2と同様である。
さらに、空調熱交換器(62)や室外熱交換器(32)で吸熱した熱量と、圧縮機構(31)での冷媒の圧縮により得られる熱量とを用いて冷凍熱交換器(84)をデフロストできるため、効率のよいデフロスト運転が可能である点や、冷凍熱交換器(84)に付着した霜を電気ヒータを用いずに冷媒の熱で内部から溶かすため、庫内温度の上昇を抑えられる点なども実施形態1,2と同様である。
《発明の実施形態4》
実施形態4の冷凍装置(10)は、上記実施形態1と冷媒回路(20)の構成は基本的に同じであるが、デフロスト運転の動作を異なるようにしたものである。
この例では、冷凍熱交換器(84)のデフロスト運転中には、室外回路(30)の圧縮機構(31)の吐出冷媒をブースタ圧縮機(85)でさらに圧縮してから、冷凍熱交換器(84)にその吐出冷媒を供給するようにしている。具体的には、室外回路(30)の圧縮機構(31)の吐出冷媒は、一部が低段側ホットガス通路(89)を通って冷凍熱交換器(84)に供給され、他の一部がブースタ圧縮機(85)で圧縮されてから、低段側ホットガス通路(89)を流れる上記圧縮機構(31)からの冷媒と合流し、冷凍熱交換器(84)に供給される。
このデフロスト運転中には、冷凍熱交換器(84)で凝縮した冷媒の一部をブースタ圧縮機(85)に液インジェクションするようにしている。
この実施形態4では、ホットガス導入通路(46,89)を、室外回路(30)の圧縮機構(31)の吐出ガス冷媒をブースタ圧縮機(85)に導入する第1導入通路(96)と、ブースタ圧縮機(85)の吐出ガス冷媒を冷却熱交換器(84)へ導入する第2導入通路(97)とに分けて考えるものとする。第2導入通路(97)は、室外回路(30)の圧縮機構(31)と冷却熱交換器(84)とに接続されている(第2導入通路(97)は低段側ホットガス通路(89)を含む通路である)。一方、第1導入通路(96)は、室外回路(30)の圧縮機構(31)の吐出ガス冷媒の一部をブースタ圧縮機(85)に導入するように、第2導入通路(97)から分岐してブースタ圧縮機(85)に接続されている。また、上記第2導入通路(97)における室外回路(30)の圧縮機構(31)側には、ブースタ圧縮機(85)の吐出管(98)が接続されている。
この実施形態4において、冷媒熱交換器(81)の低圧側流路(81b)に接続された分岐管(86)は、冷凍熱交換器(84)のデフロスト運転中に冷却熱交換器(84)から流出した液冷媒の一部をブースタ圧縮機(85)に導入する液インジェクション通路(99)を構成している。
−運転動作−
実施形態4の運転動作については、冷房運転時における冷凍熱交換器(84)のデフロスト運転について説明する。
実施形態4の冷凍装置(10)では、実施形態1の図3に示したデフロスト運転(第1デフロスト運転)と、後述する図22のデフロスト運転(第2デフロスト運転)とが切り換えて行われる。この2つのデフロスト運転は、冷凍熱交換器(84)に設けられた熱交換器温度センサ(90)の検出温度に応じて切り換えられる。
この冷凍装置(10)において、通常は図3の第1デフロスト運転が行われる。この第1デフロスト運転では、上述したように、室外回路(30)の第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)が運転される一方、DCインバータ圧縮機(31a)及びブースタ圧縮機(85)が停止状態となり、冷蔵熱交換器(72)とともに冷凍熱交換器(84)のデフロストが行われる。
一方、この第1デフロスト運転では冷凍熱交換器(84)の除霜能力が不足し、冷凍熱交換器(84)の除霜に要する時間が長くなってしまう場合には、下記の第2デフロスト運転が行われる。
具体的には、上記第1デフロスト運転において、熱交換器温度センサ(90)の検出温度がなかなか所定温度まで上がらない場合には、冷凍熱交換器(84)の除霜能力が不足していると判定される。その結果、第1デフロスト運転から第2デフロスト運転へ移行する。
この第2デフロスト運転では、第1デフロスト運転と同様、冷媒回路(20)において、第1四路切換弁(35)及び第2四路切換弁(36)が第1状態に設定され、第3四路切換弁(37)が第2状態に設定される。また、室外膨張弁(34)が全閉され、冷蔵膨張弁(71)及び冷凍膨張弁(83)が全開される一方、空調膨張弁(61)の開度が適宜調節される。さらに、高段側ホットガス通路(46)の第1電磁弁(SV1)及び低段側ホットガス通路(89)の第2電磁弁(SV2)は開放される。この状態において、第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)が運転される。また、液インジェクション通路(99)である分岐管(86)の電子膨張弁(87)の開度が調整され、ブースタ圧縮機(85)が起動される。
この状態で、第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)から吐出された冷媒は、各吐出管(48b,48c)を通って高圧ガス管(45)で合流し、第1四路切換弁(35)から第1ガス管(50)を通って室外熱交換器(32)へ送られる。室外熱交換器(32)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(32)で凝縮した冷媒は、レシーバ(33)を通過して第1液側連絡配管(21)を流れた後、第2液側連絡配管(23)へ流入する。
一方、第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)から吐出された冷媒の一部は、高段側ホットガス通路(46)から第1低圧ガス管(42)を経て第1ガス側連絡配管(22)を流れ、冷蔵側分岐ガス管(22a)と冷凍側分岐ガス管(22b)とに分流する。
冷蔵側分岐ガス管(22a)を流れる冷媒は、冷蔵熱交換器(72)に流入し、庫内空気へ放熱して凝縮する。その際、冷蔵熱交換器(72)に付着した霜が融解する。冷蔵熱交換器(72)で凝縮した冷媒は、冷蔵膨張弁(71)を通過して冷蔵側分岐液管(21a)を流れ、第2液側連絡配管(23)へ流入して室外ユニット(11)からの冷媒と合流する。
冷凍側分岐ガス管(22b)を流れる冷媒は、低段側ホットガス通路(89)を含む第2導入通路(97)を通過して、一部が冷凍熱交換器(84)に流入し、他の一部が第1導入通路(96)を通ってブースタ圧縮機(85)に吸入される。
ブースタ圧縮機(85)で圧縮された冷媒は、吐出管(98)を通って低段側ホットガス通路(89)へ送られ、上記室外回路(30)の圧縮機構(31)の吐出冷媒と合流する。そして、低段側ホットガス通路(89)で合流した冷媒が冷凍熱交換器(84)へ流入する。つまり、冷凍回路(80)では、冷媒の一部がブースタ圧縮機(85)で圧縮されながら循環し、このブースタ圧縮機(80)の入力熱が冷媒に付与されることになる。
冷凍熱交換器(84)では、冷媒が庫内空気へ放熱して凝縮する。その際、冷凍熱交換器(84)に付着した霜が融解する。冷凍熱交換器(84)で凝縮した冷媒は、冷凍膨張弁(83)、ドレンパンヒータ(82)、及び冷媒熱交換器(81)を通過して冷凍側分岐液管(21b)を流れ、第2液側連絡配管(23)へ流入して室外ユニット(11)からの冷媒と合流する。
この第2デフロスト運転時は、室外回路(30)の圧縮機構(31)で圧縮した冷媒の一部をブースタ圧縮機(85)でさらに圧縮するため、このような運転を継続すると、ブースタ圧縮機(85)の吐出冷媒の温度が著しく上昇して故障の原因となるおそれがある。このため、実施形態4の冷凍装置(10)では、ブースタ圧縮機(85)の故障を未然に回避するために、液インジェクション動作が行われる。
具体的には、第2デフロスト運転時に、電子膨張弁(87)の開度が、ブースタ圧縮機(85)の吐出冷媒温度に応じて調節される。そして、例えばこの吐出冷媒温度が所定値より高い場合、電子膨張弁(87)の開度が大きくなる。その結果、冷凍熱交換器(84)で凝縮した冷媒の一部が液インジェクション通路(99)である分岐管(86)を経由してブースタ圧縮機(85)に送られる。このため、このブースタ圧縮機(85)に吸入される冷媒が冷却されるので、該ブースタ圧縮機(85)の吐出冷媒温度が異常上昇してしまうのが未然に回避される。
一方、第2液側連絡配管(23)で合流した冷媒は空調回路(60)へ供給される。その後の動作は図3の例と同じである。つまり、空調回路(60)へ流入した冷媒は、空調膨張弁(61)を通過する際に減圧されてから空調熱交換器(62)へ導入される。空調熱交換器(62)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。空調ユニット(12)では、空調熱交換器(62)で冷却された室内空気が店内へ供給される。空調熱交換器(62)で蒸発した冷媒は、第2ガス側連絡配管(24)を通って室外回路(30)へ流入し、第2ガス管(51)から第1四路切換弁(35)と第2四路切換弁(36)を順に通過した後に、第2低圧ガス管(44)から第2吸入管(41b)及び第3吸入管(41c)を通って第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)に吸入される。第1ノンインバータ圧縮機(31b)及び第2ノンインバータ圧縮機(31c)は、吸入した冷媒を圧縮して第2吐出管(48b)及び第3吐出管(48c)へ吐出する。
以上のように、図22のデフロスト運転では、室内熱交換器(62)で吸熱された熱量と、室外回路(30)の圧縮機(31b,31c)及び冷凍回路(80)のブースタ圧縮機(85)での冷媒の圧縮により得られる熱量とを用いて、冷蔵熱交換器(72)と冷凍熱交換器(84)とを同時にデフロストすることができる。また、図4と同様の運転も可能であるし、冷蔵膨張弁(71)を閉鎖して冷凍熱交換器(84)のみのデフロストを行う運転も可能である。
なお、暖房運転時における冷凍熱交換器(84)のデフロスト運転については説明を省略する。
−実施形態4の効果−
この実施形態4では、実施形態1と同様の効果が得られるのに加えて、下記の効果を奏することができる。
つまり、この実施形態4では、第1デフロスト運転と第2デフロスト運転とが切換可能であり、第1デフロスト運転で冷凍熱交換器(84)の除霜能力が不足する場合に、ブースタ圧縮機(85)も運転する第2デフロスト運転を行うようにしている。このため、実施形態4によれば、第2デフロスト運転によって冷媒に付与される熱量を増大させることができるので、冷凍熱交換器(84)のデフロスト能力を向上させることができる。したがって、この第2デフロスト運転によって冷凍熱交換器(84)を効果的に除霜することができる。
また、上記実施形態4では、第2デフロスト運転中において、ブースタ圧縮機(85)に液インジェクションをすることによって、ブースタ側圧縮機(85)の吐出冷媒温度が異常上昇してしまうことを未然に回避できるから、ブースタ圧縮機(85)を確実に保護することができる。
−実施形態4の変形例−
上記実施形態4では、液インジェクション通路(99)である分岐管(86)をブースタ圧縮機(85)の中間圧位置に接続しているが、この分岐管(86)はブースタ圧縮機(8)の吸入管である第1導入通路(96)に接続してもよい。
また、上記実施形態4では、液インジェクションを行うことで、ブースタ圧縮機(85)の吐出温度が異常上昇しないようにしているが、この液インジェクションを行う代わりに、ブースタ圧縮機(85)の運転容量を制御するようにしてもよい。このようにしても、ブースタ圧縮機(85)の吐出温度が異常上昇するのを抑えられる。
《発明の実施形態5》
実施形態5の冷凍装置(10)は、図23に示すように、実施形態1の冷凍装置(10)とは冷媒回路(20)の一部の構成が異なる例であり、ホットガス導入通路(100,102)の構成も変更している。以下、主にこの実施形態5が実施形態1と異なる点について説明する。なお、この実施形態では、センサ類は省略している。
この実施形態5では、室外ユニット(11)に関し、図1に示した高圧導入管(47)は、図示を省略しているが、冷媒回路(20)の高圧圧力を第3四路切換弁(37)の第4ポート(P4)に導入するために、実施形態1と同様に設けられている。
冷凍ショーケース(14)には、冷媒熱交換器(81)は設けられておらず、冷凍熱交換器(84)のガス側の配管(110(88))がブースタ圧縮機(85)の吸入側に接続されている。ブースタ圧縮機(85)の吐出管(98)には油分離器(120)が設けられ、この油分離器(120)とブースタ圧縮機(85)の吸入管(111)との間には、キャピラリチューブ(121)を有する油戻し管(122)が接続されている。また、ブースタ圧縮機(85)の吸入管(111)と吐出管(98)とには、ブースタ圧縮機(85)の故障時等にブースタ圧縮機(85)をバイパスするバイパス配管(125)が接続されている。このバイパス配管(125)には逆止弁(CV10)が設けられている。
この実施形態5の特徴として、ホットガス導入通路(100)は、実施形態1とは違って高段側と低段側で別々に設けられたものではなく、室外ユニット(11)の圧縮機構(31)の吐出ライン(高圧ガス管)(45)と、冷凍熱交換器(84)のガス側の配管(110)に接続された1本の配管により構成されている。このホットガス導入通路(100)には、電子膨張弁(101)が流量調整機構として設けられている。
また、ホットガス導入通路(100)を冷凍熱交換器(84)にのみ接続するのではなく、図23に破線で示すように、上記ホットガス導入通路(100)に分岐管(ホットガス導入通路)(102)を設けて冷蔵熱交換器(72)のガス側の配管(112)にも接続し、冷凍熱交換器(84)へのホットガスの流れと冷蔵熱交換器(72)へのホットガスの流れを切り換えもしくは選択できるように三方弁などの切換機構(103)を設けておくとよい。そうすると、冷蔵熱交換器(72)と冷凍熱交換器(84)の両方を同時にデフロストしたり、何れか一方のみをデフロストしたりすることが可能となる。したがって、上記各実施形態と同様に各熱交換器(72,84)での個別のデフロストが可能になり、多様なデフロスト運転のパターンに対応できる。
例えば冷凍熱交換器(84)のデフロスト運転時は、室外ユニット(11)の圧縮機構(31)から吐出された冷媒の一部がホットガス導入通路(100)を流れ、冷凍熱交換器(84)に導入される。冷凍熱交換器(84)では、付着した霜が高圧冷媒の温熱により溶かされる。冷媒は、その後、冷蔵熱交換器(72)、空調熱交換器(62)、または室外熱交換器(32)で蒸発し、上記圧縮機構(31)に吸入される。その際、電子膨張弁(101)が全開であると冷媒流量が多いために、冷凍熱交換器(84)に付着した霜がコイルの周りで一気に溶けて、その周囲で溶け残った霜の塊がコイルから商品の上に落ちてしまうことが考えられるが、上記電子膨張弁(101)の開度を調節することにより冷媒の流量を調整すると、霜をコイルの周りでゆっくりと溶かすことができるので、霜が商品の上に落ちるのを防止できる。
なお、この実施形態5における冷房運転時や暖房運転時の動作は上記各実施形態とほぼ同様であるため、ここでは説明を省略する。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、実施形態1,2では空調ユニット(12)、冷蔵ショーケース(13)、及び冷凍ショーケース(14)を1台ずつ接続した例について説明したが、空調ユニット(12)、冷蔵ショーケース(13)、及び冷凍ショーケース(14)の台数は適宜変更してもよい。
また、実施形態3では室外ユニット(11)に1台の空調ユニット(12)と2台の冷凍ショーケース(14)を接続した例を説明したが、冷凍ショーケース(14)を3台以上にしてもよい。
また、実施形態1〜3のいずれについても、店舗の空調を専用の空調機で行う場合は、各実施形態の冷凍装置(10)には空調ユニット(12)を設けなくてもよい。
さらに、上記各実施形態では室外ユニット(11)の圧縮機構(31)を3台の圧縮機(31a,31b,31c)で構成しているが、圧縮機の台数を変更してもよいし、空調ユニット(12)を設けない場合は圧縮機が1台であってもよい。
また、上記実施形態4は、実施形態1において、冷凍熱交換器(84)のデフロスト運転時にブースタ圧縮機(85)を利用することにより、デフロスト運転の効果を高めるようにしたものであるが、同様の考え方は実施形態2や実施形態3にも適用可能である。また、実施形態4では、第2デフロスト運転時に、室外ユニット(11)の圧縮機構(31)の吐出冷媒の一部を冷凍熱交換器(84)に供給し、他の一部をブースタ圧縮機(85)に供給しながら冷媒を循環させるようにしているが、上記圧縮機構(31)の吐出冷媒の全部をブースタ圧縮機(85)に供給して圧縮した後、冷凍熱交換器(84)に供給するようにしてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。