JP4104236B2 - 急速冷却機の警報装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、加熱調理された食品を冷却するのに好適な急速冷却機の警報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に加熱調理された食品を、冷蔵庫,氷温冷蔵庫,冷凍庫等の冷却庫により細菌が繁殖しない低温まで急速冷却して保存し、食品の提供時に再度加熱するシステムが普及してきている。このように食品を保存温度まで冷却するにあたっては、細菌が繁殖しやすい温度帯(55〜10℃)を短時間で通過させることが重要となっている(特開平6−78732合公報参照)。
【0003】
また、食品の温度管理は温度と時間とが重要とされており(NASAで開発されたHACCP)、一般には食品の芯温を+70℃以上で2分間以上加熱した後、90分以内に0℃〜+3℃に下げることによって、細菌の繁殖が抑えられることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の方法では、食品の冷却が済んでからでないと所定時間以内に所定温度以下になったかどうか分からず、所定温度以下になっていない場合には廃棄処分しなければならない等の問題があった。
【0005】
この発明は上記の問題を解決するもので、急速冷却する食品の到達時点での温度を予測して所定時間以内に所定温度以下にならないときに警報を発するようにした急速冷却機の警報装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1は、食品を加熱調理後に所定時間以内に所定温度以下になるように急速冷却を行う急速冷却機において、急速冷却時に食品の温度を検出し、この検出温度に基づいて所定時間後の温度を予測し、この予測温度が所定温度以下に到達しない時に警報を発し、別の冷却庫に入れ換えたり、冷却能力を上昇させたりして対応を取れるようにしている。
【0007】
この発明の請求項2は、急速冷却時に食品の温度検出を複数回行いその都度所定時間後の温度を予測し、急速冷却時の冷凍負荷の変動に対して対応できるようにしている。
【0008】
この発明の請求項3は、急速冷却時に食品の温度を経過する時間で複数回検出を行い所定時間後の温度を予測し、急速冷却時に検出された温度の変化によって予測でき、予測精度を向上できるようにしている。
【0009】
この発明の請求項4は、急速冷却時に食品の温度を検出して予測される所定時間後の警報内容の温度帯を複数に分け、所定温度以下にならない場合の対応の仕方を知らせることができるようにしている。
【0010】
この発明の請求項5は、急速冷却時に食品の温度が所定時間以内に所定温度以下になったら終了を知らせ、無駄な急速冷却を継続的に行わなくても良いようにしている。
【0011】
この発明の請求項6は、急速冷却時に食品の温度が所定温度になるまでの実測値の温度を外部制御装置に記憶し、急速冷却時の温度の推移をあとで確認できるようにしている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明の一実施例を示す冷却庫の側面断面図、図2はこの発明の冷却庫の正面断面図、図3はこの発明の温度予測用の制御装置のブロック図、図4はこの発明の冷却庫内での食材の予測温度を示す特性図である。
【0013】
1は冷却庫で、この冷却庫は、前方を開口した外箱2と内箱3とこの内箱及び外箱との間の空間に充填された断熱材4とで形成される断熱本体5と、内箱3の内部に冷却室6を形成する断熱本体5の開口を閉塞する扉7とで構成されている。
【0014】
冷却室6には複数段のトレー8を備え、冷却する食品Fはトレー8に載置される。一方、断熱本体5の側部には冷却器9と上下一対の送風ファン10a、10bとが備えられている。他方、断熱本体5の上部にはコンピュータ機能を有する制御部11が備えられ、この制御部11により冷却器9及び送風ファン10a、10bの動作を制御する。
【0015】
12は温度予測用の制御装置で、この制御装置はマイクロコンピュータ13と、冷却室6内の食品Fの芯温を検出する温度センサ14と、警報を発するブザー15と警報内容を表示する表示器16とを備えた警報装置17と、食品の冷却の終了を知らせる表示灯18と、温度センサ14で検出された温度を時系列に記憶するメモリ19とで構成されている。
【0016】
マイクロコンピュータ13は温度センサ14で検出した食品Fの温度に基づいて所定時間後の食品Fの到達温度を計算する演算部を有している。
【0017】
次に、この発明に係る食材冷却方法を含む冷却庫1の使用方法について、図1を参照して説明する。
【0018】
なお、冷却庫1では予め保冷設定温度Tが設定される。この保冷設定温度Tは食材Fの氷結温度直前の温度であり、例えば+3℃に設定され、かつこの際のディファレンシャルは+2〜+4℃に設定される。保冷設定温度Tは例示であり、食材Fの種類や大きさ、氷結点等を考慮して任意に選定される。
【0019】
一方、加熱調理された食材Fは、冷却庫1に収容され、前述した温度センサ14がセットされるとともに、本発明方法に従って冷却処理が行われる。尚、加熱調理されて冷却庫1に収容される食材Fの温度は60〜80℃程度の高温状態にある。
【0020】
また、冷却庫1では冷却器9及び送風ファン10a、10bを作動させ、温度が−20℃前後で風速5〜7m/s程度の冷風を冷却室6に送り、急速冷却により食材Fを一気に冷却する。この急速冷却時に食品Fは温度センサ14によって現在の温度を計測される。そして、この計測データがマイクロコンピュータ13に入力される。最初に温度を検出してから一定時間後に温度センサ14によって2回目の温度の計測を行い、この計測データをマイクロコンピュータ13に入力し、更に、その一定時間後に温度センサ14によって3回目の温度の計測を行い、この3回目の計測データをマイクロコンピュータ13に入力し、このマイクロコンピュータで3回の計測データに基づいて所定時間経過後(所定時刻)の食品Fの冷却温度を予測する。
【0021】
そして、予測温度が所定時刻に設定温度以下に低下する場合には、表示器16に適正を表示し、運転を継続して設定温度に下がったら食品の冷却の終了を知らせる表示灯18を点灯する。
【0022】
また、予測温度が設定温度以下に低下しない場合には、警報装置17のブザー15を鳴らすとともに、この警報装置の表示器16に警報内容を表示する。警報内容は予測温度が設定温度より10℃以上高い場合に「危険」を表示し、対応策も表示する。例えば、対応策は「冷凍能力を最大にする」「冷却温度を最低にする」「食品Fの半分を別の冷却庫に入れる」「別の冷却庫に入れ換える」等を表示し、作業者に知らせることができるようにしている。
【0023】
警報内容は予測温度が設定温度より5℃以上10℃未満高い場合に、「要注意」を表示し、対応策も表示する。例えば、対応策は「冷凍能力を高くする」「冷却温度を低くする」「食品Fの一部を別の冷却庫に入れる」等を表示し、作業者に知らせることができるようにしている。
【0024】
警報内容は予測温度が設定温度より5℃未満高い場合に、「注意」を表示し、対応策も表示する。例えば、対応策は「冷凍能力を若干高くする」「冷却温度を若干低くする」等を表示し、作業者に知らせることができるようにしている。
【0025】
温度予測用の制御装置12のメモリ19には温度センサ14で検出された温度が時系列に記憶され、外部のパソコン(図示せず)等で食品Fの冷却状態を確認できるようにしている。
【0026】
以上、実施例について詳細に説明したが、この発明はこのような実施例に限定されるものではなく、細部の構成、手法、数値等において、この発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更できる。
【0027】
【発明の効果】
以上のようにこの発明の請求項1によれば、食品を加熱調理後に所定時間以内に所定温度以下になるように急速冷却を行う急速冷却機において、急速冷却時に食品の温度を検出し、この検出温度に基づいて所定時間後の温度を予測し、この予測温度が所定温度以下に到達しない時に警報を発するので、別の冷却庫に入れ換えたり、冷却能力を上昇させたりして対応を取れるようにできる。
【0028】
この発明の請求項2によれば、急速冷却時に食品の温度検出を複数回行いその都度所定時間後の温度を予測するので、急速冷却時の冷凍負荷の変動に対して対応できる。
【0029】
この発明の請求項3によれば、急速冷却時に食品の温度を経過する時間で複数回検出を行い所定時間後の温度を予測するので、急速冷却時に検出された温度の変化によって予測でき、予測精度を向上できる。
【0030】
この発明の請求項4によれば、急速冷却時に食品の温度を検出して予測される所定時間後の警報内容の温度帯を複数に分けるので、所定温度以下にならない場合の対応の仕方を知らせることができる。
【0031】
この発明の請求項5によれば、急速冷却時に食品の温度が所定時間以内に所定温度以下になったら終了を知らせるので、無駄な急速冷却を継続的に行わなくても良いようにできる。
【0032】
この発明の請求項6によれば、急速冷却時に食品の温度が所定温度になるまでの実測値の温度を外部制御装置に記憶するので、急速冷却時の温度の推移をあとで確認でき、冷却運転時の食品の異常を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す冷却庫の側面断面図である。
【図2】この発明の冷却庫の正面断面図である。
【図3】この発明の温度予測用の制御装置のブロック図である。
【図4】この発明の冷却庫内での食材の予測温度を示す特性図である。
【符号の説明】
14 温度センサ
17 警報装置
F 食材

Claims (6)

  1. 食品を加熱調理後に所定時間以内に所定温度以下になるように急速冷却を行う急速冷却機において、急速冷却時に食品の温度を検出し、この検出温度に基づいて所定時間後の温度を予測し、この予測温度が所定温度以下に到達しない時に警報を発することを特徴とする急速冷却機の警報装置。
  2. 急速冷却時に食品の温度検出を複数回行いその都度所定時間後の温度を予測することを特徴とする請求項1記載の急速冷却機の警報装置。
  3. 急速冷却時に食品の温度を経過する時間で複数回検出を行い所定時間後の温度を予測することを特徴とする請求項1記載の急速冷却機の警報装置。
  4. 急速冷却時に食品の温度を検出して予測される所定時間後の警報内容の温度帯を複数に分けたことを特徴とする請求項1記載の急速冷却機の警報装置。
  5. 急速冷却時に食品の温度が所定時間以内に所定温度以下になったら終了を知らせることを特徴とする請求項1記載の急速冷却機の警報装置。
  6. 急速冷却時に食品の温度が所定温度になるまでの実測値の温度を外部制御装置に記憶することを特徴とする請求項1記載の急速冷却機の警報装置。
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