JPH0623136U - プリント基板用小形スイッチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 固定端子２８を薄板で形成し、この薄板を折
り畳んで固定接片２５と略直角に折り曲げて端子２６を
設けたことにより、可動接片３３が固定接片２５を挟持
する接触圧が大きくとれ、堅牢で接触の安定した背丈の
低いプリント基板用小形スイッチを提供することを目的
とする。 【構成】 固定端子２８を薄板で形成するとともに、こ
の薄板を折り畳んで上端を折曲部とした固定接片２５と
し、しかも固定接片２５と連なる略直角に折曲した端子
２６を設けて一体的に形成し、インサート成形により上
面に固定接片２５を側面に端子２６を突出してスイッチ
ケース２１を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プリント基板用のスイッチに係り、特にスイッチの低背化を図ると ともに固定接片と可動接片間の接触が良好で、ハンダ付け作業によるスイッチケ ース内へのフラックス侵入による接触不良を防止した生産性の良いプリント基板 用小形スイッチに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のプリント基板用小形スイッチは、図６に示すように固定接片２ と端子３を一体的に形成した固定端子４をインサート成形してスイッチケース１ を構成する。そして、このスイッチケース１内に接触機構部を配設してスイッチ を組立て、スイッチケース１の底面より突出した端子３を略直角に折曲していた 。また、固定端子４をあらかじめ端子孔を設けたスイッチケース１に挿入し、ス イッチケースの底面より加締めてスイッチケース１に固定した後、フラックスの 侵入を防止するための接着剤を塗布し、上記と同様にスイッチを組立後、端子３ を折曲していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、一層の機器の小形化が進む中で前記した従来のプリント基板用 小形スイッチは、端子３を保持するスイッチケース１内底面の肉厚を大きく取ら なければ強度的に弱く、一体的に形成した固定接片２に傾きが生じてしまい、複 数個の固定接片２が不揃いに配置されて接触障害の要因となる欠点があった。そ のため、スイッチケース１の底面の肉厚を薄くすることには限界があり、スイッ チの低背化を妨げる要因となっていた。 また、スイッチケース１の底面より突出した端子３を折曲する工程で、一体的 に形成した固定接片２にストレスを与えることから、端子３にガタが生じてしま い、性能的にも不安定であった。 特にハンダ付け作業による熱の影響で、端子３にガタが生じやすい欠点があっ た。 本考案は、上記問題点を除去し、軽薄短小にマッチした低背化を図るとともに 接触の安定したプリント基板用小形スイッチを提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記問題点を解決するために、固定接片と端子を一体的に形成した 複数の固定端子をスイッチケースに配設し、前記固定接片間を可動接片が摺動接 離して電路の開閉を行うスイッチにおいて、前記固定端子を薄板で形成するとと もに該薄板を折り畳んで上端を折曲部とした固定接片と該固定接片と連なる略直 角に折曲した端子を設けて固定端子を形成し、該固定端子をインサート成形によ り上面に固定接片を、側面に端子を突出したスイッチケースを形成したものであ る。

【０００５】

【作用】

本考案によれば、薄板を折り畳んで上端を折曲部とした固定接片とこの固定接 片と連なる端子を略直角に折曲して一体的な固定端子を形成する。そして、この ように構成した固定端子をインサート成形により上面に固定接片を、側面に端子 を突出したスイッチケースを形成する。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。 図１は本考案のプリント基板用小形スイッチの断面図、図２はその分解斜視図 、図３は本考案のプリント基板用小形スイッチの平面図である。 これらの図は、本考案をスライドスイッチに適用した実施例を示すもので、固 定端子２８は薄板でしかも固定接片２５と端子２６を一体的にして形成する。そ して、この薄板を折り畳み、上端を折曲部として固定接片２５を設け、この固定 接片２５と連なる左右どちらか一方に、略直角に折曲した端子２６を設けて固定 端子２８を形成する。 このように構成した固定端子２８を複数個一列に配設してインサート成形し、 上面に固定接片２５、側面に端子２６をそれぞれ突出してスイッチケース２１を 形成する。

【０００７】 この端子２６は、スイッチケース２１の一側面に突出させるだけでなく、スイ ッチケース２１の左右側面に突出させる等、種々の変形が考えられる。 また、端子２６の垂直部だけでなく、端子２６の板厚を平行に配置してモール ドするので、スイッチケース２１の底面のモールド部分の肉厚を薄くすることが できることになる。 このように形成されたスイッチケース２１の固定接片２５を挟持する可動接片 ３３を配設し、この可動接片３３を把手３１と一体的に形成したスライダー３０ の下面に設けた穴３２に配設する。そして、箱形で上方に開口部３７を設けた覆 蓋３６を形成し、その開口部３７より把手３１を突出させ、スイッチケース２１ の側面に設けた突起２３と覆蓋３６に設けた孔３９を凹凸関係により嵌合し、プ リント基板用小形スイッチが組立られる。 覆蓋３６より突出した把手３１を作動させることにより可動接片３３が薄板を 折り畳んで形成した固定接片２５間を挟持して摺動し、電路の開閉を行う。 固定端子２８は、フープ材又は短冊状に形成してインサート成形することによ り、その成形作業が容易となる。

【０００８】 図４は本考案の他の実施例を示すプリント基板用小形スイッチの断面図であり 、２列に固定接片４２を配設した２回路のプリント基板用小形スイッチである。 図１と同様に、固定端子４５は薄板でしかも固定接片４２と端子４３を一体的 にして形成する。そして、この薄板を折り畳み、上端を折曲部として固定接片４ ２を設け、この固定接片４２と連なる左右どちらか一方に、略直角に折曲した端 子４３を設けて固定端子４５を形成する。 このように構成した複数個の固定端子４５を、２列でしかも左右に端子４３を 突出させるように配置させてインサート成形し、上面に固定接片４２、左右の側 面に端子４３をそれぞれ突出してスイッチケース４１を構成する。 このように形成されたスイッチケース４１に固定接片４２を挟持する可動接片 ５０を設け、この可動接片５０を把手４８と一体的に形成したスライダー４７の 下面に設けた二つの穴４９にそれぞれ配設する。 そして、箱形で上方に開口部５２を設けた覆蓋５１を形成し、その開口部５２ より把手４８を突出させ、スイッチケース４１の側面に設けた突起と覆蓋５１に 設けた孔を凹凸関係により嵌合し、プリント基板用小形スイッチが組立られる。 覆蓋５１より突出した把手４８を作動させることにより可動接片５０が薄板を 折り畳んで形成した固定接片４２間を挟持して摺動し、電路の開閉を行う。 スイッチケース４１の対向する側面より端子４３を突出し、その端子４３を下 方に折曲するとともに更に外方向に折曲させて、プリント基板（図示せず）の上 面に配設する。

【０００９】 図５は本考案の固定端子の変形実施例を示す斜視図であり、上端を折曲部とし 薄板を折り畳んで固定接片６１を設け、この固定接片６１と連なり左右それぞれ 略直角に折曲した端子６２を一体的にして固定端子６３を形成している。このよ うに形成した固定端子６３を複数個設けて一組とし、フープ材６４にて形成する 。６５は固定端子６３を加工する際に、送り装置によりフープ材６４を送るため のパイロット孔である。 なお、本考案は上記の実施例に限定されるものではなく本考案の趣旨に基づい て種々の変形が可能であり、それらを本考案の範囲から排除するものではない。

【００１０】

【考案の効果】

以上、詳細に説明したように、本考案によれば、以下のような効果を奏するこ とができる。 （１）薄板を折り畳んで上端を折曲部とした固定接片とこの固定接片と連なる 略直角に折曲した端子を一体的に固定端子を形成してインサート成形したので、 薄板を折り畳んで２倍の厚さの固定接片としたため可動接片が挟持する接触圧が 大きくとれ、また、薄板の端子をインサート成形するため、スイッチケースの肉 厚を薄くすることができ、従って、接触の安定した特に背丈の低いプリント基板 用小形スイッチを提供できる。 （２）薄板を折り畳んで上端を折曲部とした固定接片とこの固定接片と連なる 略直角に折曲した端子を一体的に固定端子を形成し、インサート成形により側面 より端子を突出させてスイッチケースを構成したので、従来のようにスイッチを 組立後、端子を折曲することによるストレスが固定接片部に加わって固定接片部 が傾いたりすることが全くないため、それによる接触障害を防止でき、堅牢で性 能の安定したプリント基板用小形スイッチが得られる効果がある。 （３）薄板を折り畳んで上端を折曲部とした固定接片とこの固定接片と連なる 略直角に折曲した端子を一体的に固定端子を形成し、側面より端子を突出させて スイッチケースを構成したので、プリント基板の上面に設けた回路パターンにハ ンダ付けしてスイッチを固定する表面実装形のプリント基板用小形スイッチが容 易に提供できる。 （４）薄板の上端に折曲部を設けて折り畳んで固定接片を形成したので、先端 がアール状になるため、組立時におけるクリップ状の可動接片の挿入が極めて容 易であり、可動接片の組立不良を防止し、生産性の良いプリント基板用小形スイ ッチが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のプリント基板用小形スイッチの断面図
である。

【図２】本考案のプリント基板用小形スイッチの要部斜
視図である。

【図３】本考案のプリント基板用小形スイッチの平面図
である。

【図４】本考案の他の実施例を示すプリント基板用小形
スイッチの断面図である。

【図５】本考案の他の固定端子の要部斜視図である。

【図６】従来のプリント基板用小形スイッチの断面図で
ある。

【符号の説明】

２１，４１ スイッチケース ２５，４２ 固定接片 ２６，４３，６２ 端子 ２８，４５，６３ 固定端子 ６４ フープ材 ３３，５０ 可動接片

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定接片と端子を一体的に形成した複数
   の固定端子をスイッチケースに配設し、前記固定接片間
   を可動接片が摺動接離して電路の開閉を行うスイッチに
   おいて、前記固定端子を薄板で形成するとともに該薄板
   を折り畳んで上端を折曲部とした固定接片と該固定接片
   と連なる略直角に折曲した端子を設けて固定端子を形成
   し、該固定端子をインサート成形により上面に固定接片
   を、側面に端子を突出したスイッチケースを形成したこ
   とを特徴とするプリント基板用小形スイッチ。
2. 【請求項２】 前記固定接片と連なる略直角に折曲した
   端子を左右どちらか一方に設けた請求項１記載のプリン
   ト基板用小形スイッチ。
3. 【請求項３】 前記固定接片と連なる略直角に折曲した
   端子を左右に設けた請求項１記載のプリント基板用小形
   スイッチ。