JP4084950B2 - スライド型電気部品 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、枠体から突出したレバー部を操作することにより駆動体をスライドさせて抵抗値変化やスイッチ切換を行うことのできるスライド型電気部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のスライド型電気部品の従来例としてスライド型可変抵抗器を取り挙げ、図12を用いて説明する。
【0003】
図12はかかるスライド型可変抵抗器の分解斜視図であり、金属板からなる枠体21にその下面開口を塞ぐ絶縁基板22が枠体21の側板部の下端に突設された係止爪23を絶縁基板22の下面に折り曲げることによって固定され、これら枠体21と絶縁基板22とにより形成された本体内に駆動体24が摺動自在に保持されており、枠体21の側板部に形成された切欠部25から駆動体24のレバー部24aが外方に突出し、駆動体24の下面に固着された摺動子26が絶縁基板22の上面に形成された抵抗パターン27に摺接し、絶縁基板22の両端には抵抗パターン27に接続された端子28が支持されている。
【0004】
上記の如く構成されたスライド型可変抵抗器は、枠体21の側板部の下端に係止爪23と並んで突設された取付脚29を回路基板(図示省略)の位置決め孔に嵌合させて回路基板上に実装され、レバー部24aを矢印A方向に操作することにより、摺動子26が抵抗パターン27上を摺動し、これら摺動子26と抵抗パターン27との摺接位置に応じた抵抗値変化が端子28から取り出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来例にあっては、枠体21の側板部の下端に係止爪23と取付脚29とが所定間隔を置いて並設されているため、その間隔の分だけ係止爪23及び取付脚29の配列方向(矢印A方向)の寸法が大きくなり、小型にすることができないという欠点を有している。
【0006】
本発明は上述した従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、係止爪と取付脚との間の間隔を不要となし、小型化を図ることの可能なスライド型電気部品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のスライド型電気部品は、金属板からなる枠体と該枠体の下面開口を塞ぐ絶縁基板とにより形成された本体内に駆動体を摺動自在に保持し、該駆動体にレバー部を前記枠体に形成した切欠部から外方へ突出させて設け、前記枠体の側板部の下端を延設して取付脚とし、前記絶縁基板を前記枠体に固定する係止爪を該取付脚の側面に取付脚の延設方向と直交する方向に突出して一体に設け、前記切欠部を前記枠体の側板部に配し、前記取付脚を前記切欠部の近傍に配置し、前記係止爪を前記取付脚の前記切欠部側の側面から前記切欠部側に向かって突出させたことを最も主要な特徴としている。
【0010】
また、本発明のスライド型電気部品は、前記取付脚の延設方向と直交する方向に突出した前記係止爪の上方の側面下端が開放された前記切欠部の上端とを上下方向に対向させたことを特徴としている。
【0011】
また、本発明のスライド型電気部品は、前記取付脚を用いて前記本体を回路基板に取り付けるようにしたことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態をスライド型可変抵抗器を例として図に基づいて説明する。図1〜図11は本発明の一実施形態を説明するためのものであり、図1は本発明の一実施形態に係わるスライド型可変抵抗器の分解斜視図、図2は該スライド型可変抵抗器の平面図、図3は該スライド型可変抵抗器の左側面図、図4は該スライド型可変抵抗器の底面図、図5は図2の5−5線に沿う断面図、図6は図2の6−6線に沿う断面図、図7は該スライド型可変抵抗器に備わる枠体の右側面図、図8は該枠体の背面図、図9は該枠体の底面図である。
【0013】
図1〜図6に示すように、本実施形態に係るスライド型可変抵抗器は、金属板からなる枠体1とこの枠体1の下面開口を塞ぐ絶縁基板4とにより形成された本体内に駆動体8が摺動自在に保持され、枠体1の側板部1bに形成された切欠部3から駆動体8のレバー部8aが外方に突出されている。
【0014】
次に、このスライド型可変抵抗器を構成する各部材の具体的構成について順次説明する。
【0015】
枠体1は、金属板をフォーミングして下面を開口した四角箱状に形成され、上板部1aの左右両側に直角に折曲形成された一対の側板部1bを有し、これら側板部1bにはその下端から下方に突出するよう左右両側で5本の取り付け脚2が延設されている。図4〜図9から明らかなように、右側(レバー8aが突出する側)の側板部1bの1対の取付脚2の間には下端が開放された矩形の切欠部3が設けられ、該1対の取付脚2には、その中間部分に図6に示すように、側面に前記取付脚2の延設方向と直交する方向に突出し、互いに対向して配置される係止爪2aが各々延設される。そして、前記右側の側板部1bに位置する1対の係止爪2aは切欠部3側に突出し、切欠部3と上下方向に対向した状態で配置される。また、左側(レバー8aが突出する側の反対側)の側板部1bの両側に位置する1対の取付脚2には、図3に示すように、前記と係止爪2aと同形状の係止爪2aが各々延設されており、該両側に位置する1対の取付脚2の先端は、その板面方向の外方に直角に折り曲げられる。そして、枠体1の部品単品の状態において、該枠体1に絶縁基板4を載置すると前記係止爪2aの板面が絶縁基板4の板面と直交した状態に配置され、実使用状態においては図4に示すように係止片2aの上方の側面が絶縁基板4の底面に沿って移動するよう該係止爪2aは折り曲げられ、該係止爪2aと枠体1の両側板部1bとの下端とで絶縁基板4を挟持固定する。なお、係止爪2aと両側板部1bとの隙間が、根元部分が基板の板厚より若干小さくなり先端は大きくなるように係止爪2aはテーパー状に形成されていて、折り曲げた際に絶縁基板4をガタ無く保持することを可能としている。
【0016】
絶縁基板4は、フェノール樹脂やガラスエポキシ樹脂等の絶縁材料からなり、図1に示すように、片端について2個ずつ、両端で4個の貫通孔4aが穿設され、上面にはカーボンインク等からなる抵抗パターン5及び集電パターン6が並設されており、該絶縁基板4の両端には金属板からなる4個の端子7が各貫通孔4aに嵌挿された筒部7aを鳩目がしめすることによって支持され、この端子7のうちの3個が抵抗パターン5の両端及び集電パターン6の片端と電気的に接続されている。そして、図3,図4に示すように、この絶縁基板4は、その下面に沿って折り曲げられた係止爪2aにより枠体1の両側板部1bの下端に挟持固定され枠体1とで上記本体を形成している。
【0017】
駆動体8は、絶縁合成樹脂材で形成されてなり下面には一対の摺動片9aを備えた金属平板からなる摺動子9が固着されている。また、駆動体8の右側には、該駆動体8と一体的にレバー部8aが突設して設けられ、また、該レバー部8aには矩形の目隠し板10が一体的に設けられている。そして、図5,図6に示すように、前記駆動体8は、摺動子9の一対の摺動片9aを絶縁基板4の上面に形成された抵抗パターン5及び集電パターン6に摺接させ、右側の側板部1bに形成された切欠部3からレバー部8aを外方に突出させた状態で、上述の如く枠体1と絶縁基板4とで形成された上記本体内に摺動自在に保持され、駆動体8の何れの摺動位置においても目隠し板10が切欠部3を常時覆っている。
【0018】
本実施形態に係るスライド型可変抵抗器は上記したように構成されており、次に、その動作について説明する。図10は該スライド型可変抵抗器を回路基板に実装した状態の平面図、図11は図10の11−11線に沿う断面図である。
【0019】
このスライド型可変抵抗器は、各種電子機器、例えばビデオカメラ等の小型の携帯用電子機器において使用され、図10,図11に示すように、枠体1の右側の側板部1bの2本の取付脚2と左側の側板1bの曲折されていない1本の取付脚2とを当該機器に備わる回路基板11の3つの位置決め用切欠11aに夫々嵌入させて、正確に位置決めされた状態でこれら取付脚2を左側の側板1bの曲折された2本の取付脚2及び4個の端子7と共にリフロー半田法で半田付けすることによって該回路基板11上に表面実装された状態で用いられる。
【0020】
そして、回路基板11から端子7を介して抵抗パターン5の両端に所定電圧を引加した状態で、操作者が手指でレバー部8aを矢印A方向に操作すると、駆動体8が枠体1の両側板部1bにガイドされて上記本体内を摺動し、一対の摺動接点9aによる抵抗パターン5及び集電パターン6の導通位置が変化して、この導通位置に対応した電圧の出力信号が集電パターン6に接続された端子7から取り出され、このようにして得られた出力信号が回路基板11に伝達されて、上記電子機器の種々の設定・制御が行われる。
【0021】
しかして、上記の如く構成されたスライド型可変抵抗器にあっては、上記本体を回路基板11に位置決め固定するための取付脚2を延設して係止爪2aとしたので、従来技術のような係止爪23と取付脚29との間隔を排除することができ、その分だけ取付脚2及び係止爪2aの配列方向(矢印A方向)の寸法を小さくして小型化を図ることができる。
【0022】
また、駆動体8のレバー部8aを突出させる枠体1の右側の側板部1bの切欠部3近傍に取付脚2を配置したので、その取付脚2の係止爪2aでレバー部8aを操作する際に絶縁基板11に加わる加重を受け止めることができるため、この加重による絶縁基板11の変形や破損を防止し、抵抗パターン5及び集電パターン6と摺動片9aとの接触安定性を確保することができる。
【0023】
また、右側の側板部1bの取付脚2に係止爪2aを切欠部3側に突出するように設けたので、上記加重を充分に受け止めることができ、絶縁基板11の変形や破損を一層確実に防止することができる。
【0024】
また、係止爪2aを切欠部3と上下方向に対向させたので、レバー部8aの移動領域(切欠部3の矢印A方向の幅)の内側に係止爪2aを配置することができ、その分さらに取付脚2の配列方向(矢印A方向)の寸法を小さくすることができる。
【0025】
さらにまた、図4に示すように、レバー部8aの移動領域の内側で各係止爪2aの曲折角度を鋭角に設定したので、取付脚2の配列方向(矢印A方向)と直交する絶縁基板11の平面方向(矢印B方向)における各係止爪2aの占有スペースを小さくすることができるため、小型化をより一層促進することができるのである。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0027】
本発明のスライド型電気部品は、金属板からなる枠体と該枠体の下面開口を塞ぐ絶縁基板とにより形成された本体内に駆動体を摺動自在に保持し、該駆動体にレバー部を前記枠体に形成した切欠部から外方へ突出させて設け、前記枠体の側板部の下端を延設して取付脚とし、前記枠体に絶縁基板を固定する係止爪を該取付脚に一体に設けたので、前記取付脚と前記係止爪との間隔を不要となし、小型化を図ることが可能なる。
【0028】
また、前記切欠部を前記枠体の側板部に配し、前記取付脚を前記切欠部の近傍に配置したので、前記レバー部を操作する際に前記絶縁基板に加わる加重に起因する前記絶縁基板の変形や破損を防止することができる。
【0029】
また、前記係止爪を前記取付脚の前記切欠部側に突出させたので、前記絶縁基板の変形や破損を一層確実に防止することができる。
【0030】
また、前記係止爪と前記切欠部とを上下方向に対向させたので、前記レバー部の移動領域の内側に前記係止爪を配置させて、その分さらに小型化を図ることができる。
【0031】
また、前記取付脚を用いて前記本体を回路基板に取り付けるようにしたので、該回路基板の所定位置に前記本体を簡単かつ精度良く位置決め固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わるスライド型可変抵抗器の分解斜視図である。
【図2】該スライド型可変抵抗器の平面図である。
【図3】該スライド型可変抵抗器の左側面図である。
【図4】該スライド型可変抵抗器の底面図である。
【図5】図2の5−5線に沿う断面図である。
【図6】図2の6−6線に沿う断面図である。
【図7】該スライド型可変抵抗器に備わる枠体の右側面図である。
【図8】該枠体の背面図である。
【図9】該枠体の底面図である。
【図10】該スライド型可変抵抗器を回路基板に実装した状態の平面図である。
【図11】図10の11−11線に沿う断面図である。
【図12】従来のスライド型可変抵抗器の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 枠体
1a 上板部
1b 側板部
2 取付脚
2a 係止爪
3 切欠部
4 絶縁基板
4a 貫通孔
5 抵抗パターン
6 集電パターン
7 端子
7a 筒部
8 駆動体
8a レバー部
9 摺動子
9a 摺動片
10 目隠し板
11 回路基板
11a 位置決め用切欠

Claims (3)

  1. 金属板からなる枠体と該枠体の下面開口を塞ぐ絶縁基板とにより形成された本体内に駆動体を摺動自在に保持し、
    該駆動体にレバー部を前記枠体に形成した切欠部から外方へ突出させて設け、前記枠体の側板部の下端を延設して取付脚とし、前記絶縁基板を前記枠体に固定する係止爪を該取付脚の側面に取付脚の延設方向と直交する方向に突出して一体に設け
    前記切欠部を前記枠体の側板部に配し、前記取付脚を前記切欠部の近傍に配置し、
    前記係止爪を前記取付脚の前記切欠部側の側面から前記切欠部側に向かって突出させたことを特徴とするスライド型電気部品
  2. 前記取付脚の延設方向と直交する方向に突出した前記係止爪の上方の側面と下端が開放された前記切欠部の上端とを上下方向に対向させたことを特徴とする請求項に記載のスライド型電気部品。
  3. 前記取付脚を用いて前記本体を回路基板に取り付けるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のスライド型電気部品。
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