JPH06198340A - 折曲型のノックアウト装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属製の板材を折曲げる折曲型に関し、特に
折曲げた板材を加工金型から離型させるノックアウト装
置に係わる。 【構成】 折曲型の溝内に型長さ方向に沿って所定ピッ
チでピンを立設すると共に、前記各ピンの下端部を駆動
機構に連結した回転部材で昇降自在に支持させたもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、金属板材をＶ字型に折
曲げ加工する折曲型に関し、とくに折曲げた板材を加工
金型から離型させるノックアウト装置に係わる。

【０００２】

【従来技術】金属板材を例えばＶ字型に折曲げ加工する
には、雄型と雌型を用い雌型に設けた加工溝内に板材を
雄型で押圧して折曲げる。ところで前記折曲げにおい
て、深い折曲げ成形を行うと折曲げ後に板材が金型に食
付いてしまうことがある。この食付き現象はＶ曲げの際
は雌型、絞り曲げの場合には雄型に顕著にあらわれる。
そこで前記くい付き現象を防止し、またくい付いた板材
を金型から外すためにノックアウト装置が提案されてい
る。例えば図１６に示すものは、雌型１の加工溝２内に
型長さ方向に所定のピッチで設けた穴３にピン４を立設
しこの下端部をスプリング５で支持させたもので、雄型
６がワークを溝２内に押圧して折曲げ加工をする際、ピ
ンがスプリング５の弾力に抗して下降し、折曲げ加工終
了時に前記スプリングの弾力によって上昇しワークＷを
溝２から持ち上げで離型させるものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで前記従来形の
ノックアウト装置は以下に述べるような問題点があり、
解決が望まれている。すなわちワークを金型から離型さ
せるためには所定の押圧力を要し、この押圧力を得るた
めにはかなり大きなスプリングを金型内に収納する必要
がある。そこで金型として単一型を使用する場合には、
スプリング収納スペースを比較的大きくとることができ
るが、例えば下型を用いてＶ曲げを行い、かつこの下型
に配置した補助型をもちいてヘミング加工をするような
場合、また型を複数本並設して曲げ加工を行う複合型を
使用する場合には各金型がコンパクトにできているため
十分なスプリング収納スペースを確保することができな
いという難点がある。本発明は前記従来型の難点を排除
するためになされたもので、その目的とするところは構
造簡単にして小さなスペースに収納が可能で、かつ十分
な離型力を有するノックアウト装置を提供することにあ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明のノックアウト機構は、折曲型の溝内に型長さ
方向に沿って所定ピッチでピンを立設すると共に、前記
ピンの下端部を駆動機構に連結した回転部材で昇降自在
に支持させたものである。

【０００５】前記構成のノックアウト機構は、折曲げ後
に駆動機構によってピンが溝内に突出し、溝内のワーク
を離型させる。

【０００６】

【実施例】以下図示の実施例に基づき本発明を具体的に
説明する。第１図は本発明の一実施例を示す一部破断し
た斜視図で、図中符号１０がノックアウト装置である。
ノックアウト装置１０は、ノックアウトピン１１、回動
部材１２及び駆動機構１３を主要部材とする。

【０００７】ノックアウトピン１１は、下型１４の溝１
５の溝底に型長さ方向に所定ピッチで設けた垂直穴１６
に頂部が溝底とほぼ同一面となるようにして、下端部を
回動部材１２で支持し溝内に突出可能な状態で嵌装され
ている。

【０００８】前記回動部材１２は各ノックアウトピン１
１の下側に型長さ方向と直交する方向に設けた取付け穴
１７に配設され両端部をピン１８、１８で支持されてい
る。この回動部材１２の先端側は図１及び図３に示すよ
うに四分の一が切欠かれて、平坦部１９が形成され、こ
の平坦部でノックアウトピン１１の下端部を支持し、回
動部材１２が時計方向に回転したときピン１１を押し上
げるようにしている。

【０００９】一方各回動部材１２の前記平坦部１９と反
対側には、回動部材１２を回転させる駆動機構１３が配
置されている。すなわち回動部材１２の端部に先端側に
下向きの突出部２０が形成されたほぼＬ字型のレバー２
１を固定し、このレバー２１の突出部２０を型長さ方向
に配設したスライド板２５に当接させるものである。前
記スライド板２５は図１に示すように折曲型１４に設け
た回動部材１２の取付け穴１７と直交方向に形成した取
付溝２６に嵌装され、型長さとほぼ同一長さを有し、各
回動部材１２に取付けたレバー２１に対応する箇所には
傾斜面２７が形成されると共に、前記スライド板２５の
一方端にはベッド（図示省略）に取付けたシリンダ２８
のピストンロッド２９が固定されている。前記スライド
板２５の傾斜面２７は回動部材１２を回転させるもの
で、ノックアウトピン１１が待機位置にあるときは図４
に示すようにレバー２１の突出部２０は傾斜面２７の傾
斜下端部に当接しており、シリンダ２８を作動させてピ
ストンロッド２９を伸長させるとスライド板２５が型長
さ方向にスライドし、回動部材１２に取付けたレバー２
４が傾斜面２７に沿って上昇して回動部材１２を回転さ
せるようにしている。

【００１０】つぎに前記構成のノックアウト装置１０の
作用について説明する。まず図５に示すように下型１４
上にワークＷを載置する。このとき下型１４の溝１５に
配置したノックアウトピン１１は溝底にある。ついでラ
ム３０を作動させて上型３１を下降させるとラム３０の
加圧力により上型３１と下型１４によってワークＷはＶ
形に折曲げられる（図６）。折曲げの後ラム３０を上昇
させ、ノックアウト装置１０を構成するシリンダ２８を
作動させてピストンロッド２９を伸長させるとロッドに
連結したスライド板２５が型長さ方向にスライドし、傾
斜面２７の傾斜下端部に当接している各レバー２４は、
図７に鎖線で示すように傾斜面２７に沿って上昇する。
そして前記レバー２４は回動部材１２に固定されている
ので、レバー２４の上昇と共に回動部材１２は図７に示
すように時計方向に回転し、平坦部１９で支持している
ノックアウトピン１８を押上げる。ノックアウトピン１
８は溝１５内に突出し、先端部でワークＷを押上げ溝内
からワークＷを離型させる（図８）。離型が完了する
と、シリンダ２８はピストンロッド２９を縮退してスラ
イド板２５を待機位置までスライドさせ、レバー２４を
傾斜面の下端部で支持する。これにより回動部材１２は
図６の反時計方向に回転しノックアウトピン１１を待機
位置まで下降させる。

【００１１】本実施例は前記の構成としたので、ワーク
Ｗの離型を迅速、確実に行うことができる。また構造が
簡単であり、コンパクトにまとめることができるので複
合折曲型などに適用することが出来る。。

【００１２】なお前記実施例においては、回動部材１２
の端部にレバー２１を取付け、このレバーをスライド板
２５の傾斜面２７で回転させるようにしたが、例えば図
１０に示すように回動部材１２の端部に下向きのピン３
５を固定し、このピン３５を型長さ方向に配置したラッ
ク部材３６の歯３６ａと噛合させ、前記ラック部材３６
をスライドさせて回動部材１２を回転させるようにして
もよい。

【００１３】次ぎに本発明の第２の実施例について説明
する。本実施例の装置はノックアウトピンを回動部材で
支持し、回動部材を回転させてピンを昇降させる点にお
いては前記第１の実施例と同様であるが、回動部材を回
転させる駆動機構に特徴を有している。

【００１４】本実施例のノックアウト装置４０は図１０
に示すように、ノックアウトピン４１、回動部材４２及
び駆動機構４３を主要部材とする。

【００１５】ノックアウトピン４１は、下型１４の溝４
５の溝底に型長さ方向に所定ピッチで設けた垂直穴４６
に頂部が溝底とほぼ同一面となるようにして、下端部を
回動部材４２で支持し溝内に突出状態で嵌装されてい
る。

【００１６】前記回動部材４２は各ノックアウトピン４
１の下側に型長さ方向と直交する方向に設けた取付け穴
４７に配設され両端部をピン４８、４８で支持されてい
る。この回動部材４２の先端側は図１１に示すように上
部三分の一が切欠かれて、支持溝４９が形成され、この
支持溝にノックアウトピン４１の下端部を挿入して支持
し、前記の通りピン４１の上端部が溝４５内に突出する
ようにしている。

【００１７】一方各回動部材４２の前記支持溝４９と反
対側は、図１２に示すように側部三分の一が切り欠かれ
て支持溝５０が形成され、この溝５０には後述するプラ
ンジャ５１の突出部５２が嵌合されている。

【００１８】前記プランジャ５１は回動部材４２の取付
け穴４７と直交するように設けたプランジャ取付穴５３
にスプリング５４を張設し、このスプリングの上部にス
プリングの弾力により常時上向き傾向を付与された状態
で取付けられている。そしてプランジャ５１の突出部５
２は回動部材４２の支持溝５０に嵌合され、前記スプリ
ングの弾力により回動部材４２を図１０に示すように時
計方向に回転させるべく付勢し、これによってノックア
ウトピン４１を常時溝４５内に突出させている。なお図
１０において符号５５はプランジャ５１の抜け止めであ
る。

【００１９】つぎに前記構成の本実施例のノックアウト
装置４０の作用について説明する。図１３に示すように
下型１４上にワークＷを載置する。このとき下型１４の
溝４５に配置したノックアウトピン４１は回動部材４
２、プランジャ５１を介して接続したスプリング５４の
弾力により溝内に突出している（図１３）。ついでラム
３０を作動させて上型３１を下降させるとラム３０の加
圧力により上型３１と下型１４によってワークＷは下型
１４の溝内でＶ型に折曲げられる。前記折曲げの際には
溝内に配設したノックアウトピン４１は下降するワーク
Ｗによって下向きに押し下げられ、同時に回動部材４２
を図１１に矢印で示すように反時計方向に回動させる。
前記回動部材４２の回転により回動部材４２の一方端部
の支持溝５０に突出部５２を嵌合したプランジャ５１は
下向きに押圧され、スプリング５４の弾力に抗して下降
する（図１４）。折曲げ加工完了によりラム３０を上昇
させると、上型３１は下型１４から離れワークＷ及び下
型の溝４５に配設したノックアウトピン４１への押圧力
が解除される。押圧が解除されるとスプリング５４の復
原力によってプランジャ５１は押し上げられ、同時に回
動部材４２を図１１に鎖線で示すように時計方向に回転
させ支持溝４９で支持しているノックアウトピン４１を
上昇させてワークＷを溝４５から持ち上げて離型させる
（図１５）。

【００２０】本実施例の装置はワーク折曲げ時の加圧力
をスプリングに蓄え、その反発力でノックアウトピンを
突出させる構成としたので、第１の実施例に比較して構
造が簡単となり、よりコンパクトに装置をまとめること
が出来る。

【００２１】また前記実施例においては加圧力を蓄える
ためにスプリングを用いたが、これに限定されるもので
はなく、ゴムなどの弾性体、オイルなどの圧力流体など
も利用できることはいうまでもない。

【００２２】さらに本発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、発明の趣旨を変更しない限度において種
々の修正、設計変更が可能であることはいうまでもな
い。

【００２３】

【発明の効果】本発明は前記の構成としたので、ワーク
の離型を迅速、確実に行うことが可能となる。また構造
が簡単で装置そのものをコンパクトにまとめることがで
き複合型のノックアウト装置として最適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示す一部破断した斜視
図である。

【図２】同上の一部省略した平面図である。

【図３】図２におけるＡーＡ線の断面図である。

【図４】図２におけるＢーＢ線の断面図である。

【図５】作動状態を示す図である。

【図６】作動状態を示す図である。

【図７】作動状態を示す図である。

【図８】作動状態を示す図である。

【図９】駆動機構の変形例を示す図である。

【図１０】本発明の第２の実施例を示す図である。

【図１１】図１０におけるＣーＣ線の断面図である。

【図１２】図１０におけるＤーＤ線の断面図である。

【図１３】作動状態を示す図である。

【図１４】作動状態を示す図である。

【図１５】作動状態を示す図である。

【図１６】従来型を示す図である。

【符号の説明】

１０、４０ ノックアウト装置 １１、４１ ノックアウトピン １２、４２ 回動部材 １３、４３ 駆動機構 １４ 下型 １５、４５ 溝 １６、４６ 垂直穴 １７、４７取付穴 １８、４８ ピン １９ 平坦部 ２０ 突出部 ２１ レバー ２５ スライド板 ２６ 取付溝： ２７ 傾斜面 ２８ シリンダ ２９ ピストンロッド ３０ ラム ３１ 上型 ４９、５０ 支持溝 ５１ プランジャ ５２ 突出部 ５３ プランジャ取付穴 ５４ スプリング ５５ 抜け止め

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 折曲型の溝内に型長さ方向に沿って所定
   ピッチでピンを立設すると共に、前記各ピンの下端部を
   駆動機構に連結した回転部材で昇降自在に支持したこと
   を特徴とする折曲型のノックアウト装置。
2. 【請求項２】 回転部材は各ピンの下側に配設され、共
   通の駆動機構によって型幅方向軸線回りに回動する第１
   項記載のノックアウト装置。
3. 【請求項３】 回転部材は各ピンの下側に配設され、各
   回転部材に取付けた駆動機構により型幅方向軸線回りに
   回動するノックアウト装置。