JPH0616977B2 - パレツト搬入搬出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明はパレット交換可能なマシニングセンタに対して
複数のパレットを交換可能に提供するパレット搬入搬出
装置に関するものである。

＜従来の技術＞ 一般にマンニングセンタに使用されるパレットの貯蔵形
態として平面貯蔵方式と、立体形貯蔵方式とがある。平
面的にパレットを貯蔵するものはパレット数が多くなる
と非常に大きなフロアスペースを必要とする点で不利で
ある。立体形貯蔵方式はフロアスペースを節約する上で
は有利であり、これには可動のドラム式と固定ラック式
とがある。ドラム式のものにおいては、ドラムの外にエ
レベータを設置し、エレベータの上下とドラムの回転割
出しにより特定のパレットの出入れが行われる。ドラム
式は非常に大形でかつ大重量のドラムを回転割出しする
必要がある。固定ラック式の場合は、垂直面に沿ってパ
レットの置台が縦横に配列されるので、パレット収納数
に対するフロアスペースは最も効率が良いので、このラ
ックよりパレットを出し入れするために高価なスタッカ
クレーンが必要であり、このスタッカクレーンの走行ス
ペースを加味するとラックの占めるフロアスペースとほ
ぼ等しいスペースが必要となる。

＜発明が解決しようとする問題点＞ 上述したようにパレットストッカを回転割出しする方式
は、ワーク及びパレットを含めた可動部の重量が非常に
大きくなり割出し速度を上げることが困難な上割出位置
精度の保持も困難となる問題がある。更に収納数を増や
すためには円周方向配置数を増大させる必要があり、こ
れに伴い旋回中心に対する回転半径が大きくなり上記問
題点を益々助長せしめることとなる。

固定ラック方式においては、スタッカクレーンをラック
に沿って走行させなければならないので、走行スペース
としてのフロアスペースの増大はさけられない。

＜問題点を解決するための手段＞ 本発明はかかる問題点を解消させるべく、複数のパレッ
トを立体的に載置するパレット置台を有するパレット棚
とパレットを機外で待期させる待期ステーションとを同
心円状に配置し、このパレット棚および待期ステーショ
ンの中心位置に旋回かつ昇降可能な台を設け、この台上
に前記旋回の中心線と直交する水平方向にフォークを進
退可能に案内せしめるガイドレールを設け、このガイド
レールに案内されたフォークの一端部にパレット支持部
を設け、前記台を旋回割出しおよび昇降運動させる駆動
装置を設け、前記待期ステーションおよびパレット置台
との間でパレットを受渡しするべく前記フォークを進退
せしめるフォークシフト装置を設け、前記待期ステーシ
ョン上の待期パレットとマシンテーブル上のパレットと
を旋回によって同時に交換せしめるパレット交換装置を
備えたことを特徴とするものである。

＜作用＞ 本発明は上記の如く構成したことにより、パレット収納
数を増大させるべく円周上配列数を増やすことにより形
成される中心部のスペースに旋回と上下動可能なパレッ
ト搬入搬出装置を配置したので、フロアスペース上の効
率は最も良く、又旋回体の重量も小さくできるので、割
出し速度を上げ、しかも位置精度を高めることもでき
る。

＜実施例＞ 以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。第１図
はマシンも含めた全体構成の平面図であり、１０はマシ
ン本体をなすベッド、１１はベッド１０に摺動可能に設
けられたコラム、１２はコラム１１に上下動可能に案内
された主軸頭、１３はパレットＰを着脱可能に支持する
テーブル、１４ａは待期ステーション１４をなすパレッ
ト受台、１５はテーブル上のパレットと受台１４ａ上の
パレットを旋回動作のみにより交換するパレット交換装
置、２０はパレットの受棚を有する貯蔵棚で、各受棚は
前記受台１４ａを含む同心円状に配列され、上下方向に
も複数段にわたって受棚が設けられている。２１はロー
ディング、アンローディングステーションである。３０
はこの貯蔵棚２０の中心に設けられたパレット搬入搬出
装置、このパレット搬入搬出装置３０を第２図、第３図
により説明する。３１は基盤、この基盤３１上には環状
の歯輪３２が固定され、この歯輪３２の上面と内周面に
はローラ転動面が形成されている。３３は歯輪３２のロ
ーラ転動面にローラ４１，４２を介して旋回可能に案内
された旋回台、この旋回台３３にはモータ３４に連結さ
れたピニオン３５が回転軸承され、歯輪３２と噛合して
いる。又歯輪３２に突設されたノック穴３２ａに係入す
るノックピン３６が案内筒３７に進退可能に案内され、
これの上端にはシリンダ３８が連結されている。旋回台
３３の上面には一対のガイドポスト４３，４４が立設さ
れ、さのガイドポスト４３，４４の対向する一側面には
レール４５，４６が鉛直方向に沿って固定されている。
このレール４５，４６の両側面に当接して軸動するロー
ラ４７，４８及び内側面に当接するローラ４９，５０を
有する昇降台５１が上下動可能に案内されている。前記
ガイドポスト４３，４４の一側面にはラックバー５２，
５３が固定され、昇降台５１に軸承された回転軸５４の
両端に設けられたピニオン５５，５６が噛合している。
回転軸５４にはスプロケット５７が固着され、モータ５
８、減速機５９を介して駆動される駆動スプロケット６
０とチェン６１にて連結されている。尚６２は昇降台５
１の落下防止用のシリンダで、貯蔵棚２０の各パレット
受棚に応じた高さ位置にて図示省略のストッパと係合す
る係合部材を進退せしめるようになっている。前記昇降
台５１上には第５図、第６図に示すように水平方向に一
対のガイドレール６３が平行に支持され、各ガイドレー
ル６３，６３の内側面にはローラ６４が突設支持されて
いる。このローラ６４に案内される凹溝６５を両側面に
形成したシフトフォーク６６の下面にはラックバー６７
が固設され、これに噛合するピニオン６８は、歯車６
９，７０を介してモータ８０と連結されている。又シフ
トフォーク６６の一端上面にはパレット支持面をなシー
ト部材８１とパレット位置決め用のピン８２が突設され
ている。かかるパレット支持部はフォークを進退させた
状態において旋回中心より前進側に所定量オフセットさ
れ、受け渡しのためのストロークを小さくできるように
なっている。又、このフォーク６６の一端部は二叉状に
形成され、これの内側面には、前記待期ステーションに
設けられた２本の突起ガイド８３，８３と係合するガイ
ド面８４，８４が形成され、シフトフォーク６６が伸長
した状態でのフォークの横方向の位置決め作用をないし
ている。かかるシフトフォーク６６に支持されたパレッ
トＰを待期ステーション２１に受渡す過程を第８図によ
って説明する。シフトフォーク６６に支持されたパレッ
トＰは２点鎖線で示す高さ位置にあり、この状態でフォ
ーク６６は前進し、前進端近傍でガイド面８４が突起ガ
イド８３と係合し、横方向にずれがあってもこれによっ
て位置は矯正される。この場合待期ステーション２１の
パレット受部材９０は２点鎖線で示す下降状態にあり、
この受部材９０を実線位置まで上昇させることによりパ
レットＰは受部材９０に受渡され、同時にパレット交換
装置１５のフック１０２にパレットの係合部材９１が係
入し、パレット交換可能な状態となる。次にパレット交
換装置１５の構成を第７図〜第９図により説明する。待
期ステーション２１には前記受部材９０を昇降動作させ
るシリンダ９２が基台８９に設けられており、これのピ
ストン９３はピストンロッド９４を介してパレット受部
材９０と連結されている。受部材９０の下面にはガイド
ロッド９５が突設され案内筒９６にガイドされて回り止
め作用をなしている。受部材９０にはパレット下面に当
接する複数のローラ９７が弧状をなして軸支されてい
る。又基台８９上に載置された交換装置本体１００には
回転軸１０１が鉛直状態に軸承されており、その上端部
にはフック部材１０２が固着されている。回転軸１０１
の下方に設けられたピニオン１０３はラックピストン１
０４と噛合し、ピストンの移動によりフック部材１０２
を１８０度旋回させるようになっている。マシンテーブ
ル１３上のパレットＰは加工状態においてはパレットク
ランパ（図示省略）が下降され、第９図に２点鎖線で示
す高さ位置に支持されているが、パレット交換に備えて
パレットクランパが上昇され、フック部材１０２に係止
部材９１が係入する。かかるフック部材１０２の両端部
にパレットに突設した係止部材９１を係入させた状態で
旋回させるとテーブル１３上のパレットは待期ステーシ
ョン２１に、待期ステーション２１のパレットはテーブ
ル１３上に移送される。パレットクランパ及びパレット
受部材９０を下降させることにより、各パレットの係止
部材９１はフック部材１０２から離脱され、加工位置に
移動できるようになる。尚１０５，１０６は旋回途中に
おいてパレットの重量を支持する孤状の支持部材であ
る。

前記パレット搬入搬出装置３０の作動を説明する。パレ
ット交換によって待期ステーション２１に移されたパレ
ットは、受部材９０によって一担上昇させた後昇降台５
１上のフォーク６６を前進させ、パレットの下方に位置
させる。これより受部材９０を下降するとパレットはフ
ォーク６６上に移され、フォーク６６を後退させた後、
旋回台３３の旋回、昇降台５１の昇降動作により貯蔵棚
の２０の空いた受棚２０ａと対応させる。尚この場合、
受棚２０ａのパレット支持位置より若干高い位置に昇降
台５１は位置決めされ、フォーク６６を前進させた後、
昇降台５１をわずか下降させる。下降の途中でパレット
はフォーク６６から受棚上に支持される。フォーク６６
を後退させた後、次に加工すべきワークをセットしたパ
レットの収納位置にフォーク６６を対応させるべく旋回
台３３の旋回と昇降台５１の昇降が制御される。受棚か
らパレットを取出す場合は、フォーク６６はパレット支
持位置よりわずか下方に位置決めされ、前進させてパレ
ット下方に受部を位置させた後、昇降台５１をわずか上
昇させてフォーク６６上にパレットを支持させ、フォー
ク６６を後退させてから旋回と昇降動作させパレットを
待期ステーション１４に受渡す。ローディングステーシ
ョン２１に対しても上記と同様に旋回台３３、昇降台５
１、フォーク６６を動作させパレットの搬入搬出を行う
ことができる。

＜発明の効果＞ 以上述べたように本発明は、パレット置台を立体的にし
たことによってフロアスペースの縮小を図れるだけでな
く、マシンテーブルとの間でパレットが交換される待期
ステーションを、パレットを立体的に載置するパレット
棚と同心円状に配置した構成によって、マシンテーブル
に可及的に接近した位置にパレット棚を配置することを
可能にでき、さらなる小スペース化を図ることができる
効果がある。

しかも本願発明によれば、パレット交換装置によって、
パレット置台と同心円状に配置された待期ステーション
とマシンテーブルとの間でパレットを旋回によって同時
に交換できるため、パレット搬入搬出時間の短縮を可能
にできるばかりでなく、必要な構成部品を削減できて安
価なパレット搬入搬出装置を得ることができる効果があ
る。又、搬入搬出装置を旋回させるので複数のパレット
を貯蔵する貯蔵棚自体を旋回させるものに比べて可動部
の重量を著しく軽減でき、旋回速度、位置決め精度を高
めることが容易である等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は全体平面
図、第２図はパレット搬入搬出装置の部分断面した立面
図、第３図は昇降台の昇降機構を示す第２図Ａ矢視図、
第４図は第２図の平面図、第５図は第２図におけるＶ−
Ｖ断面矢視図、第６図は第５図におけるVI−VI断面矢視
図、第７図はパレット交換装置の平面図、第８図は第７
図のＢ矢視立面図、第９図は第７図におけるIX−IX断面
矢視図である。 １３……マシンテーブル、１４……待期ステーション、
１５……パレット交換装置、２０……パレット貯蔵棚、
２１……ローディング、アンローディングステーショ
ン、３０……パレット搬入搬出装置、３３……旋回台、
４３，４４……ガイドポスト、４５，４６……レール、
５１……昇降台、６３……ガイドレール、６６……シフ
トフォーク、８３……突起ガイド、８４……ガイド面、
９０……受部材、９３……シリンダ、１００……交換装
置本体、１０１……回転軸、１０２……フック部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のパレットを立体的に載置するパレッ
   ト置台を有するパレット棚とパレットを機外で待期させ
   る待期ステーションとを同心円状に配置し、このパレッ
   ト棚および待期ステーションの中心位置に旋回かつ昇降
   可能な台を設け、この台上に前記旋回の中心線と直交す
   る水平方向にフォークを進退可能に案内せしめるガイド
   レールを設け、このガイドレールに案内されたフォーク
   の一端部にパレット支持部を設け、前記台を旋回割出し
   および昇降運動させる駆動装置を設け、前記待期ステー
   ションおよびパレット置台との間でパレットを受渡しす
   るべく前記フォークを進退せしめるフォークシフト装置
   を設け、前記待期ステーション上の待期パレットとマシ
   ンテーブル上のパレットとを旋回によって同時に交換せ
   しめるパレット交換装置を備えたことを特徴とする工作
   機械におけるパレット搬入搬出装置。