JP3002622U - パレット交換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大重量のパレットの交換を行うことができ
る、構造が簡単なパレット交換装置を提供する。 【構成】 工作機械１の前方に隣接して設けたベース２
３と、ベース２３上を工作機械１に向けて水平方向に進
退するスライドベース２５と、スライドベース２５上を
ループ状に案内されて回動する無端チェーン３１と、ベ
ース２３に対してスライドベース２５の進退動作を行わ
せるスライドベース駆動手段と、ベース２３に設けられ
無端チェーン３１をスプロケット３７を介して回動させ
るチェーン駆動手段と、無端チェーン３１と係合可能な
チェーンラック３９を取り付けたパレットＰと、ベース
２３に設けられ工作機械１との間でパレットＰを滑動さ
せるパレットガイド４１とを具備して構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本発明は、工作機械またはパレット載置台との間でパレットを水平方向に往復 移動させて交換するパレット交換装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、パレット交換装置として、旋回型パレット交換装置と往復動型パレッ ト交換装置とが知られている。前者の旋回型パレット交換装置は、１対の交換ア ームを２組と、交換アームを９０°旋回する第１シリンダ装置と、交換アームを 上下動させる第２シリンダ装置と、２組の交換アーム全体を１８０°旋回させる 第３シリンダ装置と、で構成されるものが特公平２−２０３７４号公報に示され ている。これに対して、後者の往復動型パレット交換装置は、図６に示すように 、支持台２０１上に枢支した１対の鎖車２０３に掛けた無端チェーン２０５上に 係合突起２０７を突出させ、この支持台２０１を上昇させて係合突起２０７とパ レットＰの下面に設けたその移動方向に対して直交する方向に長い長溝２１３と を係合させて、パレットＰの直線運動を行うように構成したものが特公平３−７ ２４２７号公報に示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、旋回型のパレット交換装置では、旋回軸に対して交換アームが片持ち 梁形式になるので、大重量パレットを交換することが難しいという問題点がある 。また、往復動型のパレット交換装置では、支持台の昇降用駆動手段に大型のア クチュエータが必要になるので、大重量のパレットを交換する場合は、パレット 交換装置が大きく、複雑になるという問題点がある。 よって、本考案の目的は、前述した従来の問題を解決して、構造が簡単で、大 重量のパレット交換が可能なパレット交換装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 本考案は上記課題を解決するために、工作機械またはパレット載置台に隣接し て設けたベースと、前記ベースに設けられ、前記工作機械またはパレット載置台 に向けて水平方向に進退するスライドベースと、前記スライドベース上でループ 状に案内されて回動する無端チェーンと、前記ベース上に設けられ、パレットを 水平方向に移動、案内するパレットガイドとを有し、前記無端チェーンと前記パ レットとを係合させて前記無端チェーンを回動させるとともに、前記スライドベ ースを進退させて前記工作機械またはパレット載置台との間でパレットの移載、 授受を行うパレット交換装置において、前記スライドベースの進退動作に伴う前 記無端チェーンの水平方向の進退動作によって、前記無端チェーンと係合、離脱 するチェーンラックを前記パレットに固定し、前記無端チェーンを回動させるチ ェーン駆動手段を前記ベース上に設けて、前記スライドベースのみが進退するよ うに構成する。

【０００５】

【作用】

本考案によれば、スライドベース上にチェーン駆動手段を設けることなく、ス ライドベース上の無端チェーンを工作機械またはパレット載置台に載置されたパ レットに向けて進出させ、パレットに取り付けたチェーンラックと係合させ、そ の状態で無端チェーンの回動を逆転させるとともにスライドベースを後退させて 、パレットをパレットガイド上を滑動させてパレット交換装置側へ引き込んでパ レット交換を行う。また、この無端チェーンをスプロケットを介して回動させる チェーン駆動手段を、スライドベース上ではなくベース上に設けたので、スライ ド部の重量を軽量化でき、よって、スライドベース駆動手段の負担が軽減し、そ の分、重いパレットの交換が行える。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は、本考案によるパレット交換装置の一実施例の側面図、図２は、パレッ ト交換装置が工作機械上のパレットを交換開始する初期状態（原点位置）を示す 図、図３は、パレット交換装置の無端チェーンが工作機械上のパレットに取り付 けてあるチェーンラックと係合した状態を示す図、図４は、パレット交換装置上 にパレットが移載された状態を示す図、図５は、工作機械またはパレット載置台 からパレット交換装置にパレットを移載するための動作手順を示すフローチャー ト、図６は、従来のパレット交換装置の一実施例を示す図である。

【０００７】 先ず、本実施例におけるパレット交換装置を備えた工作機械の全体構成につい て図１を参照し、説明する。マシニングセンタ１は、ベッド３の上部に前後（Ｚ 軸）移動可能にテーブル５を設けてパレットＰを着脱可能に載置している。ベッ ド３の上部後方には左右（Ｘ軸）に移動可能なコラム７が立設され、コラム７の 前面には水平形の回転主軸９を有した主軸頭１１が上下（Ｙ軸）移動可能に設け られている。テーブル５の前方には、ワーク（図示しない）が載置されるパレッ トＰを搬入、搬出するためのパレット交換装置２１が配設されている。また、テ ーブル５にはパレットＰを下降させてクランプし、アンクランプして上昇させる パレット昇降装置１３を備えている。

【０００８】 パレット交換装置２１は、ベース２３にスライドベース２５がスライドベース 駆動手段（図示しない）により進退可能に設けられおり、前記スライドベース２ ５上には垂直面内に１対のアイドラ２７にループ状に掛けられた無端チェーン３ １が、前記ベース２３に設けられたチェーン駆動手段（図示しない）によって駆 動される。このチェーン駆動手段は、前記ベース２３に設けられた減速機（図示 しない）とスプロケット３７とを介してチェーン駆動モータ（図示しない）によ って、無端チェーン３１を回動させている。ここで、チェーン駆動モータとスプ ロケット３７はベース２３に設けられているのが特徴で、チェーン駆動手段の重 量がスライドベース２５に作用しない構成になっている。 スライドベース駆動手段は、ベース２３に設けられ減速機（図示しない）とピ ニオン３３とを介してスライドベース駆動モータにより、スライドベース２５下 面に取り付けられたラック３５とピニオン３３とが噛合した状態でスライドベー ス２５を進退可能としている。

【０００９】 図２と図３と図４と図５を参照し、本考案の一実施例における工作機械からパ レット交換装置へパレットを移載する場合の動作について説明する。 ステップＳ１０１で、マシニングセンタ１のテーブル５にアンクランプされて パレット昇降装置１３により上昇位置に支持されたパレットＰへスライドベース ２５をスライドベース駆動モータのブレーキを解除し、スライドベース駆動モー タを回してスライドベース２５上の無端チェーン３１とパレットＰに取り付けら れたチェーンラック３９とが係合するまで移動させる。 次に、ステップＳ１０３で、無端チェーン３１がパレットＰに取り付けられた チェーンラック３９と係合したところで、スライドベース駆動モータを停止する 。 次いで、ステップＳ１０５で、スライドベース駆動モータをブレーキで保持す る。このときは、パレットＰは未だマシニングセンタ１のテーブル５上部にある 。 ステップＳ１０７およびステップＳ１０９で、チェーン駆動モータでスプロケ ットを介して無端チェーン３１を回動し、パレットＰをパレット交換装置２１の 略中央に移動させ、チェーン駆動モータを停止する。このとき、パレットＰはパ レット交換装置２１の略中央に保持される。

【００１０】 次に、ステップＳ１１１で、スライドベース２５をパレット交換装置２１内の 原点位置（初期位置）に戻すため、スライドベース駆動モータのブレーキを解除 して、スライドベース駆動モータをパレット搬入時とは反対に回す。 次いで、ステップＳ１１３およびステップＳ１１５で、スライドベース２５が パレット交換装置２１内の原点位置に戻ったところで、スライドベース駆動モー タをブレーキで保持する。

【００１１】 以上は、マシニングセンタ１からパレット交換装置２１へパレットＰを移載さ せる場合の動作について説明したが、パレット交換装置２１からマシニングセン タ１へパレットＰを移載する場合は、以上の説明を逆にすればよい。 また、パレット交換装置２１とパレット載置台５１との間のパレット交換につ いても、マシニングセンタ１とパレット交換装置２１との間のパレット交換の動 作と同様に行う。このパレット載置台５１は、パレット交換装置２１から移載さ れたパレットＰを所定位置に載置するだけで、パレット昇降装置１３は備えてい ない。

【００１２】 他の実施例は、搬送台車５３上にパレット交換装置２１を備え、複数台のマシ ニングセンタ１と複数台のパレット載置台５１との間を走行させるようにした無 人加工システムがある。パレット載置台５１上で新たに未加工ワークを載置した パレットをマシニングセンタ１のテーブル５上に移載する場合は、所望のパレッ ト載置台５１の方へパレット交換装置２１を備えた搬送台車５３が移動して停止 し、パレット載置台側へスライドベース２５を移動してパレットに取り付けてあ るチェーンラック３９をスライドベース２５上の無端チェーン３１と噛合させ、 無端チェーン３１を回動させて、搬送台車５３上にパレットを移載する。次に、 搬送台車５３を所定のマシニングセンタ１のところへ移動させ、搬送台車５３の パレット交換装置２１上に載置されているパレットを、まず、マシニングセンタ １のテーブル５の方へスライドベース２５を移動させ、テーブル５のパレット昇 降装置１３を上昇させておき、無端チェーン３１を回動させてパレットをパレッ トガイド４１上を滑動させ、中継台５５を介してテーブル５上に移動しスライド ベース２５を搬送台車５３側に戻して、テーブル５のパレット昇降装置１３上に 移載され、パレット昇降装置１３を下降させることによりテーブル５上にパレッ トが位置決めされる。

【００１３】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、チェーンラックを用いてパ レット交換装置側に昇降手段を有さなくても、無端チェーンとパレットが係合で きる方式にしたので、大重量パレットの交換を簡単な構成で実現させた。また、 チェーン駆動手段をスライドベース上ではなくベースに設けたので、スライドす る部分の重量を軽減でき、よって、スライドベース駆動手段の負荷が軽減される ので、その分、重いパレットの交換が可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による一実施例を示す側面図である。

【図２】パレット交換装置が工作機械上のパレットを交
換開始する初期状態を示す側面図である。

【図３】パレット交換装置の無端チェーンが工作機械上
のパレットに取り付けてあるチェーンラックと係合した
状態を示す側面図である。

【図４】パレット交換装置上にパレットが移載された状
態を示す側面図である。

【図５】工作機械またはパレット載置台からパレット交
換装置にパレットを移載するための動作手順を示すフロ
ーチャートである。

【図６】従来のパレット交換装置による一実施例の要部
を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ マシニングセンタ ５ テーブル １３ パレット昇降装置 ２１ パレット交換装置 ２３ ベース ２５ スライドベース ２７ アイドラ ２９ スライドベースガイド ３１，２０５ 無端チェーン ３３ ピニオン ３５ ラック ３７，３８ スプロケット ３９ チェーンラック ４１ パレットガイド ５１ パレット載置台 ５３ 搬送台車

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 工作機械またはパレット載置台に隣接し
   て設けたベースと、前記ベースに設けられ、前記工作機
   械またはパレット載置台に向けて水平方向に進退するス
   ライドベースと、前記スライドベース上でループ状に案
   内されて回動する無端チェーンと、前記ベース上に設け
   られ、パレットを水平方向に移動、案内するパレットガ
   イドとを有し、前記無端チェーンと前記パレットとを係
   合させて前記無端チェーンを回動させるとともに、前記
   スライドベースを進退させて前記工作機械またはパレッ
   ト載置台との間でパレットの移載、授受を行うパレット
   交換装置において、 前記スライドベースの進退動作に伴う前記無端チェーン
   の水平方向の進退動作によって、前記無端チェーンと係
   合、離脱するチェーンラックを前記パレットに固定し、 前記無端チェーンを回動させるチェーン駆動手段を前記
   ベース上に設けて、前記スライドベースのみが進退する
   ように構成したことを特徴とするパレット交換装置。
2. 【請求項２】 前記ベースが搬送台車上に設けられ、工
   作機械またはパレット載置台との間を走行してパレット
   の交換を行うように構成した請求項１に記載のパレット
   交換装置。