JP7489260B2 - ワーク搬送台車及び加工システム - Google Patents

Description

本発明は、積載された複数のワークを所定方向に沿って搬送するワーク搬送台車、及び複数のワークの加工を連続的に行う加工システムに関する。

加工システムの一例としての曲げ加工システムは、ワークの曲げ加工を行うプレスブレーキと、プレスブレーキの周辺に設けられかつプレスブレーキにワークを供給するローディング装置と備えている。曲げ加工システムは、積載された複数のワークを段取り領域から取出し領域へ所定方向に沿って搬送するワーク搬送台車を備えている、段取り領域とは、積載された複数のワークの段取りを行うための領域のことであり、取出し領域とは、ローディング装置によって複数のワークのうち最上部のワークを取り出すための領域のことである。

ワーク搬送台車は、段取り領域と取出し領域との間で所定方向に移動するスライダを備えており、スライダは、積載された複数のワークをパレットを介して載置するか又は直接載置するための載置台を有している。また、スライダの載置台の下側には、スライダを所定方向へ移動可能に支持する一対のガイド機構が配設されており、一対のガイド機構は、所定方向に直交する幅方向に離隔している。スライダの載置台の下側には、スライダを所定方向へ移動させる駆動機構が配設されている。駆動機構は、スライダの載置台の下側に設けられかつスライダを所定方向へ移動させるための電動モータを有している。駆動機構は、床の設置面の一部であってスライダの載置台の下側に設けられかつ所定方向に延びたラック部材と、電動モータの出力軸に連結されかつラック部材に噛合するピニオンを有している。

なお、本発明に関連する先行技術として特許文献１から特許文献３に示すものがある。

特開２０１９－２０６０３６号公報 特開２０１７－１２４４６９号公報 特開２０１７－１４９４９６号公報

ところで、ローディング装置によって最上部のワークの取り出しを適切に行うには、床の設置面を基準とする複数のワークの積載高さに上限があり、ワーク搬送台車において複数のワークを所定の積載高さ以下に積載する必要がある。また、スライダの載置台の下側にガイド機構及び駆動機構が配設されているため、床の設置面からスライダの載置台の上面までの上下方向の距離が長くなり、その分だけ、ワーク搬送台車における複数のワークの積載量が制限される。そのため、ワーク搬送台車に対する複数のワークの段取りの回数（頻度）が増えて、作業性について改善の余地がある。

なお、スライダの載置台に積載された複数のワークを直接載置する場合には、パレットの高さ分だけ、複数のワークの積載量を増やすことができるが、複数のワークの段取りの作業が完全な人手作業になり、作業時間が長くなる。

そこで、本発明は、前述の課題を解決するため、複数のワークの段取りの回数を減らして、作業性を向上させることができる、ワーク搬送台車及び加工システムを提供することを目的とする。

第１実施態様に係るワーク搬送台車は、加工機にワークを供給するローディング装置の周辺に設けられ、パレットに積載された複数のワークの段取り（セット）を行うための段取り領域（セット領域）と、前記ローディング装置によって複数のワークのうちの最上部のワークを取り出すための取出し領域との間で所定方向へ移動し、前記パレットを載置するための載置部が凹んで形成されたスライダ（台車本体）を備える。第１実施態様に係るワーク搬送台車は、前記スライダの前記載置部における前記所定方向に直交する幅方向の両側にそれぞれ配設され、前記スライダを前記所定方向に沿って移動可能に支持するガイド機構と、前記スライダの前記載置部の前記幅方向の少なくとも片側に配設され、前記スライダを前記所定方向へ移動させる駆動機構と、を備える。

第１実施態様では、前記スライダの前記載置部の凹み寸法は、前記パレットの高さ寸法に対応した寸法に設定されてもよい。また、第１実施態様では、前記スライダの前記載置部が床の設置面に近接してもよい。この場合には、前記スライダの前記載置部にハンドリフタの爪部材を進入させるための切欠が形成されてもよい。第１実施態様に係るワーク搬送台車は、前記スライダの前記載置部に設けられ、床の設置面を転動する補助ローラを備えてもよい。

第１実施態様では、一対の前記ガイド機構のうちの第１ガイド機構は、床の設置面の一部であって前記スライダの前記載置部の前記幅方向の一方側に設けられ、前記所定方向に延びた第１ガイドレールと、前記スライダの前記載置部の前記幅方向の一方側に設けられ、前記第１ガイドレールに前記所定方向へ移動可能に案内されるガイドブロックと、を有してもよい。一対の前記ガイド機構のうちの第２ガイド機構は、床の設置面の一部であって前記スライダの前記載置部の前記幅方向の他方側に設けられ、前記所定方向に延びた第２ガイドレールと、前記スライダの前記載置部の前記幅方向の他方側に設けられ、前記第２ガイドレール上を前記所定方向に沿って転動するガイドローラと、を有してもよい。

第１実施態様によると、前述のように、前記スライダに前記パレットを載置するための前記載置部が凹んで形成されている。前記スライダの前記載置部における前記幅方向の両側に前記ガイド機構がそれぞれ配設され、前記スライダの前記載置部の前記幅方向の片側又は両側に前記駆動機構が配設されている。そのため、床の設置面から前記スライダの前記載置部の上面までの上下方向の距離を短くして、その分だけ、前記ワーク搬送台車における複数のワークの積載量を増やすことができる。

第２実施態様に係る加工システムは、ワークの加工を行う加工機と、前記加工機にワークを供給するローディング装置と、第１実施態様に係るワーク搬送台車と、を備える。

第２実施態様によると、第１実施態様による作用と同様の作用を奏する。

本発明によれば、ワーク搬送台車に対する複数のワークの段取りの回数を減らして、作業性を向上させることができる。

図１は、本実施形態に係る曲げ加工システムの模式的な平面図である。 図２は、本実施形態に係るワーク搬送台車の左側半分を示す正面図である。 図３は、本実施形態に係るワーク搬送台車の左側半分を示す平面図である。 図４は、本実施形態に係るワーク搬送台車を示す斜視図である。 図５Ａは、本実施形態に係るワーク搬送台車の動作を示す斜視図である。 図５Ｂは、本実施形態に係るワーク搬送台車の動作を示す斜視図である。 図５Ｃは、本実施形態に係るワーク搬送台車の動作を示す斜視図である。 図５Ｄは、本実施形態に係るワーク搬送台車の動作を示す斜視図である。

以下、本実施形態について図１から図５Ｄを参照して説明する。

なお、本願の明細書及び特許請求の範囲において、「設けられる」とは、直接的に設けられることの他に、別部材を介して間接的に設けられることを含む意である。「配設される」とは、直接的に配設されることの他に、別部材を介して間接的に配設されることを含む意である。本願の明細書において、「前後方向」とは、水平方向の１つであり、ワーク搬送台車による複数のワークの搬送方向のことである。「左右方向」とは、前後方向に直交する水平方向のことであり、ワーク搬送台車又はプレスブレーキの幅方向のことである。図面中、「ＦＦ」は前方向、「ＦＲ」は後方向、「Ｌ」は左方向、「Ｒ」は右方向、「Ｕ」は上方向、「Ｄ」は下方向をそれぞれ指している。

図１に示すように、本実施形態に係る曲げ加工システム１０は、複数の板状のワーク（板金）Ｗの曲げ加工を連続的に行う加工システムである。曲げ加工システム１０は、パンチ金型（図示省略）とダイ金型（図示省略）との協働によりワークＷの曲げ加工を行う加工機としてのプレスブレーキ１２を備えている。

プレスブレーキ１２の前方周辺には、左右方向に延びたガイドフレーム１４が設けられている。ガイドフレーム１４には、プレスブレーキ１２にワークＷを供給するローディング装置としての曲げロボット１６が左右方向へ移動可能に設けられている。換言すれば、プレスブレーキ１２の前方周辺には、曲げロボット１６がガイドフレーム１４を介して左右方向へ移動可能に設けられている。曲げロボット１６は、プレスブレーキ１２にワークＷを供給する他に、ワークＷの曲げ加工を補助する。曲げロボット１６は、曲げ加工済みの製品（図示省略）をガイドフレーム１４の右前方の搬出領域ＴＡに配置された製品パレット（図示省略）に搬出する。曲げロボット１６は、例えば、特許文献２に示す公知の構成からなり、多関節のロボットアーム１８と、ロボットアーム１８の先端部に設けられかつワークＷを吸着するワーク吸着部としてのロボットハンド２０とを備えている。

曲げロボット１６の動作範囲の周囲には、ワークＷの曲げ加工の安全性を確保するための安全柵２２が設けられている。安全柵２２は、ハンドリフタＨＬ（図５Ｃ参照）又はフォークリフト（図示省略）を通過させるための複数の扉（図示省略）を有している。

曲げロボット１６の前方周辺には、複数のワークＷを段取り領域（セット領域）ＳＡから取出し領域ＧＡに所定方向である前後方向に沿って搬送するワーク搬送台車２４が設けられている。段取り領域ＳＡは、安全柵２２の外側の位置し、パレットＰに積載された複数のワークＷの段取り（セット）を行うための領域である。取出し領域ＧＡは、安全柵２２の内側に位置し、曲げロボット１６（ロボットハンド２０）によって複数のワークＷのうち最上部のワークＷを吸着して取り出すための領域である。そして、ワーク搬送台車２４の具体的な構成は、次の通りである。

図１から図４に示すように、曲げロボット１６の前方周辺には、左右方向（幅方向）に延びたベースプレート（取付プレート）２６が設置されており、ベースプレート２６の上面は、床の設置面ＩＳに相当する。ベースプレート２６の前側部分は、安全柵２２の外側に位置し、ベースプレート２６の後側部分は、安全柵２２の内側に位置する。ベースプレート２６の右側部分の前端側及び左側部分の前端側には、ハンドリフタＨＬの爪部材ＨＬａの先端側の車輪ＨＬｂを進入させるための２つの車輪用の切欠２６ｎがそれぞれ形成されている。

ベースプレート２６の左側部分の上側及び右側部分の上側には、段取り領域ＳＡと取出し領域ＧＡとの間で前後方向に移動するスライダ（台車本体）２８がそれぞれ設けられている。各スライダ２８は、パレットＰを載置するための載置部２８ａが下方向に凹んで形成されている。各スライダ２８の載置部２８ａの上面及び下面は、平坦面に形成されており、各スライダ２８の載置部２８ａの下面は、床の設置面ＩＳに相当するベースプレート２６の上面に近接している。各スライダ２８の載置部２８ａの凹み寸法は、パレットＰの高さ寸法に対応した寸法として、例えば、パレットＰの高さ寸法と同じ寸法に設定されている。また、各スライダ２８の載置部２８ａの前端側には、ハンドリフタＨＬの爪部材ＨＬａを進入させるための２つの爪部材用の切欠２８ｎが形成されており、各切欠２８ｎは、ベースプレート２６の各切欠２６ｎに整合している。

なお、各スライダ２８の載置部２８ａの凹み寸法をパレットＰの高さ寸法に対応した寸法に設定していれば、パレットＰの高さ寸法と同じ寸法に設定しなくてもよい。

各スライダ２８の載置部２８ａの左右方向（幅方向）の中央部には、ベースプレート２６の上面を転動する複数の補助ローラ３０が回転自在に設けられている。これにより、各スライダ２８をベースプレート２６に接触させることなく、各スライダ２８の載置部２８ａの下面をベースプレート２６の上面により近接させることができる。

なお、各スライダ２８の載置部２８ａの左右方向の両端側に補助ローラ３０を回転自在に設けてもよい。ベースプレート２６と各スライダ２８との間に、ベースプレート２６よりも硬い中間プレート（図示省略）、又はフラットローラ（図示省略）を介在させてもよい。

各スライダ２８の載置部２８ａの右側（幅方向の一方側）には、各スライダ２８を所定方向である前後方向へ移動可能に支持する第１ガイド機構３２が配設されている。具体的には、ベースプレート２６の上面の一部であって各スライダ２８の載置部２８ａの右側には、前後方向に延びた第１ガイドレール３４が設けられている。各スライダ２８の載置部２８ａの右側には、各第１ガイドレール３４に前後方向へ移動可能に案内されるガイドブロック３６が設けられている。各ガイドブロック３６は、各第１ガイドレール３４に対して左右方向の移動が規制されている。

各スライダ２８の載置部２８ａの左側（幅方向の他方側）には、各スライダ２８を前後方向へ移動可能に支持する第２ガイド機構３８が配設されている。具体的には、ベースプレート２６の上面の一部であって各スライダ２８の載置部２８ａの左側には、前後方向に延びた第２ガイドレール４０が設けられている。各スライダ２８の載置部２８ａの左側には、各第２ガイドレール４０上を転動するガイドローラ４２が回転自在に設けられている。

なお、各第２ガイド機構３８がガイドローラ４２を有する代わりに、各スライダ２８の載置部２８ａの左側に設けられかつ各第２ガイドレール４０に前後方向へ移動可能に案内されるガイドブロック（図示省略）を有してもよい。

各スライダ２８の載置部２８ａの右側には、各スライダ２８を前後方向へ移動させる駆動機構４４が配設されている。具体的には、各スライダ２８の載置部２８ａの右側には、移動アクチュエータとしての電動モータの１つであるギヤードモータ４６が設けられている。ベースプレート２６の上面の一部であって各スライダ２８の載置部２８ａの右側には、前後方向に延びたラック部材４８が設けられている。各ギヤードモータ４６の出力軸５０には、ラック部材４８に噛合するピニオン５２が連結されている。

なお、各駆動機構４４がギヤードモータ４６以外の電動モータ（図示省略）を有してもよい。各駆動機構４４がラック部材４８とピニオン５２を有する代わりに、前後方向に延びたボールネジ（図示省略）とボールネジに螺合したナット部材（図示省略）を有してもよい。各駆動機構４４が移動アクチュエータとしてギヤードモータ４６等の電動モータを有する代わりに、流体圧シリンダを有してよい。各スライダ２８の載置部２８ａの右側に駆動機構４４を配設する代わりに、各スライダ２８の載置部２８ａの左側又は左右両側に各スライダ２８を前後方向へ移動させる他の駆動機構（図示省略）を配設してもよい。

ベースプレート２６の上面の一部であって各スライダ２８の載置部２８ａの左側の適宜位置には、第１ストッパ（図示省略）と第２ストッパ（図示省略）が前後方向に離隔して設けられている。各第１ストッパは、各スライダ２８が段取り領域ＳＡの所定位置を越えて前方向へ移動することを阻止する。各第２ストッパは、各スライダ２８が取出し領域ＧＡの所定位置を越えて後方向へ移動することを阻止する。また、ベースプレート２６の上面の一部であって各スライダ２８の載置部２８ａの右側の適宜位置には、第１センサ（図示省略）と第２センサ（図示省略）が前後方向に離隔して設けられている。各第１センサは、各スライダ２８が段取り領域ＳＡの所定位置に位置していることを検出する。各第２センサは、各スライダ２８が取出し領域ＧＡの所定位置に位置していることを検出する。更に、ベースプレート２６の上面の一部であって各スライダ２８の載置部２８ａの右側の適宜位置には、ケーブルベア（登録商標）（図示省略）及びケーブルダクト（図示省略）が配設されている。

各スライダ２８の載置部２８ａの後部から右部にかけて、平面視Ｌ型の載置プレート５４が設けられている。各載置プレート５４には、複数のマグネットフロータ５６が立設されており、各マグネットフロータ５６は、パレットＰに積載された複数のワークＷのうちの最上部のワークＷを磁力によって浮上させる。各マグネットフロータ５６は、特許文献３に示す公知の構成からなる。また、いずれかのマグネットフロータ５６の側部には、エアセパレータ５８が設けられており、各エアセパレータ５８は、パレットＰに積載された複数のワークＷのうちの最上部のワークＷをエアの噴射圧力によって分離する。各エアセパレータ５８は、特許文献３に示す公知の構成からなる。各スライダ２８の載置部２８ａにおける各載置プレート５４の近傍には、パレットＰを突き当て可能な複数の突当ポスト６０が立設されている。

なお、各載置プレート５４を各スライダ２８の載置部２８ａに設ける代わりに、ベースプレート２６に設けてもよい。最上部のワークＷを上方向から撮像するカメラ（図示省略）を用いて最上部のワークＷを取り出す場合には、ワーク搬送台車２４の構成から複数のマグネットフロータ５６及びエアセパレータ５８を省略してもよい。

ベースプレート２６の上面には、安全柵２２の一部を開閉する複数のシャッタ（図示省略）が設けられている。各シャッタは、各スライダ２８を前後方向へ移動させる際に、段取り領域ＳＡと取出し領域ＧＡとを連通状態から遮断状態に切り替わるように構成されている。連通状態とは、段取り領域ＳＡと取出し領域ＧＡが連通した状態のことである。遮断状態とは、段取り領域ＳＡと取出し領域ＧＡが遮断した状態のことである。

続いて、曲げ加工システム１０の全体的な動作に関する作用、及びワーク搬送台車２４の特有の作用効果について説明する。

曲げ加工システム１０の全体的な動作に関する作用
図１及び図５Ａに示すように、例えば右側のスライダ２８が取出し領域ＧＡに位置した状態で、曲げロボット１６が右側のスライダ２８の載置部２８ａに載置したパレットＰに積載された最上部のワークＷを取り出す。次に、曲げロボット１６は、取り出したワークＷをプレスブレーキ１２に供給する。そして、曲げロボット１６がワークＷの曲げ加工を補助しながら、プレスブレーキ１２がパンチ金型とダイ金型との協働によりワークＷの曲げ加工を行う。更に、曲げロボット１６は、加工済みの製品を製品パレットに搬出する。前述の動作を繰り返すことにより、右側のスライダ２８の載置部２８ａに載置したパレットＰに積載された複数のワークＷの曲げ加工を連続的に行うことができる。

その間、図５Ｂに示すように、例えば左側のスライダ２８が段取り領域ＳＡに位置した状態で、ハンドリフタＨＬによって複数のワークＷを積載したパレットＰを後方向へ移動させて、左側のスライダ２８の載置部２８ａの上側に位置させる。次に、ハンドリフタＨＬの爪部材ＨＬａを下降させて、パレットＰを左側のスライダ２８の載置部２８ａに渡すことにより、パレットＰに積載された複数のワークＷの段取りを行う。更に、図５Ｃに示すように、ハンドリフタＨＬを前方向へ移動させて、左側のスライダ２８から離隔させる。そして、図５Ｄに示すように、左側のギヤードモータ４６の駆動により左側のピニオン５２（図２参照）を正方向に回転させることにより、左側のスライダ２８を段取り領域ＳＡから取出し領域ＧＡへ移動させる。これにより、左側のスライダ２８の載置部２８ａに載置したパレットＰに積載された複数のワークＷの曲げ加工の準備を行うことができる。

なお、左側のスライダ２８の載置部２８ａに載置したパレットＰに積載された複数のワークＷの曲げ加工を連続的に行う場合も、前述と同様の動作を実行する。右側のスライダ２８の載置部２８ａに載置したパレットＰに積載された複数のワークＷの曲げ加工の準備を行う場合も、前述と同様の動作を実行する。

ワーク搬送台車２４の特有の作用及び効果
ワーク搬送台車２４の構成において、前述のように、各スライダ２８にパレットＰを載置するための載置部２８ａが下方向に凹んで形成されている。各スライダ２８の載置部２８ａの凹み寸法がパレットＰの高さ寸法に対応した寸法に設定されている。各スライダ２８の載置部２８ａの右側に第１ガイド機構３２及び駆動機構４４がそれぞれ配設され、各スライダ２８の載置部２８ａの左側に第２ガイド機構３８が配設されている。そのため、床の設置面ＩＳに相当するベースプレート２６の上面から各スライダ２８の載置部２８ａの上面までの上下方向の距離を短くして、その分だけ、ワーク搬送台車２４における複数のワークＷの積載量を増やすことができる。従って、本実施形態によれば、ワーク搬送台車２４に対する複数のワークＷの段取りの回数（頻度）を減らして、作業性を向上させることができる。

また、ワーク搬送台車２４の構成において、前述のように、各スライダ２８の載置部２８ａの下面がベースプレート２６の上面に近接している。各スライダ２８の載置部２８ａの前端側に２つの爪部材用の切欠２８ｎが形成されている。そのため、各スライダ２８の載置部２８ａに対してパレットＰの受け渡しを行う際に、爪部材ＨＬａの昇降量を大きくする必要がない。従って、本実施形態によれば、爪部材ＨＬａの昇降量の小さい簡易なハンドリフタＨＬを用いて、複数のワークＷの段取りを行うことができる。

更に、ワーク搬送台車２４の構成において、前述のように、各スライダ２８の載置部２８ａの右側に、各第１ガイドレール３４に前後方向へ移動可能に案内されるガイドブロック３６が設けられている。各スライダ２８の載置部２８ａの左側に、各第２ガイドレール４０上を転動するガイドローラ４２が回転自在に設けられている。そのため、床の設置面ＩＳに相当するベースプレート２６の上面にうねり（上下方向の僅かな変形）が生じていても、そのうねりを吸収して、各スライダ２８を前後方向へ移動させることができる。従って、本実施形態によれば、ワーク搬送台車２４の動作を安定させることができる。

なお、本発明は、前述の本実施形態の説明に限られるものではなく、例えば、曲げ加工システム１０に適用した技術的思想を曲げ加工システム１０以外の加工システムに適用する等、様々な態様で実施可能である。そして、本発明に包含される権利範囲は、前述の実施形態に限定されないものである。

１０ 曲げ加工システム（加工システム）
１２ プレスブレーキ（加工機）
１４ ガイドフレーム
１６ 曲げロボット（ローディング装置）
１８ ロボットアーム
２０ ロボットハンド（ワーク吸着部）
２２ 安全柵
２４ ワーク搬送台車
２６ ベースプレート
２６ｎ 車輪用の切欠
２８ スライダ（台車本体）
２８ａ 載置部
２８ｎ 爪部材用の切欠
３０ 補助ローラ
３２ 第１ガイド機構
３４ 第１ガイドレール
３６ ガイドブロック
３８ 第２ガイド機構
４０ 第２ガイドレール
４２ ガイドローラ
４４ 駆動機構
４６ ギヤードモータ（移動アクチュエータ）
４８ ラック部材
５０ 出力軸
５２ ピニオン
５４ 載置プレート
５６ マグネットフロータ
５８ エアセパレータ
６０ 突当ポスト
Ｐ パレット
Ｗ ワーク（板金）
ＨＬ ハンドリフタ
ＨＬａ 爪部材
ＨＬｂ 車輪
ＳＡ 段取り領域
ＧＡ 取出し領域
ＴＡ 搬出領域
ＩＳ 床の設置面

Claims (7)

1. 加工機にワークを供給するローディング装置の周辺に設けられ、パレットに積載された複数のワークの段取りを行うための段取り領域と、前記ローディング装置によって複数のワークのうちの最上部のワークを取り出すための取出し領域との間で所定方向に沿って移動し、前記パレットを載置するための載置部が凹んで形成されたスライダと、
   前記スライダの前記載置部における前記所定方向に直交する幅方向の両側にそれぞれ配設され、前記スライダを前記所定方向へ移動可能に支持するガイド機構と、
   前記スライダの前記載置部の前記幅方向の少なくとも片側に配設され、前記スライダを前記所定方向へ移動させる駆動機構と、を備える、ワーク搬送台車。
2. 前記スライダの前記載置部の凹み寸法は、前記パレットの高さ寸法に対応した寸法に設定されている、請求項１に記載のワーク搬送台車。
3. 前記スライダの前記載置部が床の設置面に近接する、請求項１又は請求項２に記載のワーク搬送台車。
4. 前記スライダの前記載置部にハンドリフタの爪部材を進入させるための切欠が形成されている、請求項３に記載のワーク搬送台車。
5. 前記スライダの前記載置部に設けられ、床の設置面を転動する補助ローラを備える、請求項３又は請求項４に記載のワーク搬送台車。
6. 一対の前記ガイド機構のうちの第１ガイド機構は、
   床の設置面の一部であって前記スライダの前記載置部の前記幅方向の一方側に設けられ、前記所定方向に延びた第１ガイドレールと、
   前記スライダの前記載置部の前記幅方向の一方側に設けられ、前記第１ガイドレールに前記所定方向へ移動可能に案内されるガイドブロックと、を有し、
   一対の前記ガイド機構のうちの第２ガイド機構は、
   床の設置面の一部であって前記スライダの前記載置部の前記幅方向の他方側に設けられ、前記所定方向に延びた第２ガイドレールと、
   前記スライダの前記載置部の前記幅方向の他方側に設けられ、前記第２ガイドレール上を前記所定方向に沿って転動するガイドローラと、を有する、請求項１から請求項５のうちのいずれか１項に記載のワーク搬送台車。
7. ワークの加工を行う加工機と、
   前記加工機にワークを供給するローディング装置と、
   請求項１から請求項６のうちのいずれか１項に記載のワーク搬送台車と、を備える、加工システム。

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