JP3622858B2 - 電子回路用基板プレス装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
開示技術は、電子部品の回路用等に使用されるプリント基板等の製造装置の構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
周知の如く、近年、企業は勿論、学校や家庭にワープロやコンピュータ等多種多様の所謂O・A機器の電子機器が普及するのに伴ない、小型電子回路組立用のプリント用基板の需要が増加し、複数枚の基板材料を重合させて該プリント用基板等の電子回路用基板を製造するプレス装置の生産性の向上が望まれてきている。
【0003】
ところで、かかる電子回路用基板は電子部品や回路等の精密部品を支持するものであるために製造過程においては、塵埃等の不純物の混入を絶対に避け、又、変形や損傷等が発生すること等がないようにするべく出来るだけ製造時間、搬送ライン等の工程を簡略化,短縮化をすることが製造側に強く要求されてはいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
さりながら、旧来の電子回路用基板のプレス装置にあっては、プレス装置本体に対するワークの搬入と搬出を別種の搬出入装置により行なっていたため、その分だけ搬送プロセスで基板材料やその重合材のワークに外部から塵埃等の不純物が混入する可能性が高くなり、ワークの精密度(清浄度)が低下したり、又、歪や損傷等が発生するという欠点があった。
【0005】
そして、製造工程を簡略化,短縮化するため、又、能率向上を図るべく、プレス装置本体を多段タイプにする技術も案出されてはいるが、搬送装置が多数のワークを搬送する機能を備えていなかったがために、結果的には該各ワークを個別に搬送するしかなく、搬送過程でのロスタイムが却って製造時間を延長させ、生産効率を低下させるという不都合さがあった。
【0006】
加えて、搬送装置に対する各装置との接続部に於て、干渉することなく、スムーズな該ワークの搬出入を行うことが困難である難点もあった。
【0007】
これに対処するに、出願人の先願発明の特開昭61−229430号(特公平2−56976号公報)発明の電子回路用基板のプレス装置によってはかかるネックを解消し、複数の基板材料のワークとこれを挾持する重合材の組み合せ体のワークを一度に搬出入可能であるようにし、搬送能力をアップし、装置のコンパクト化が図れるような機能を有する技術を開発した。
【0008】
しかしながら、技術の進展に伴う既存技術の問題点はかかる新開発の電子回路用基板のプレス装置にあっても、例外ではなく、上述出願人の先願発明にあっても、ローダ装置がスタッカ装置,アンスタッカ装置間にて進退自在にされ、そのワーク受け部に対するワーク搬送アームが該ワーク受け部に対応して複段で作動するように形成されていることから装置全体、就中、ローダ装置の調整操作が煩瑣であるネックがあり、その簡素化がより一層求められるようになってきた不都合さがあった。
【0009】
特に、ワーク搬送アームの変位作動は該ワークがそれ程大重量でない電子回路用基板であるのに、油圧シリンダを用いることから却って装置が大重量化し、したがって、装置の重厚長大化につながり、イニシャルコストは勿論のこと,メンテナンスコストやランニングコストが高いというデメリットがあった。
【0010】
又、ワークの基板に対するトレー板が複数種であるために、ローダ装置内のワーク取り出し,押し込み装置の位置決めが不安定でアクチュエータの作動が複雑になるきらいがあるものであった。
【0011】
例えば、先述した出願人の先願発明の特開平2−56976号公報開示の発明では、フックピンが下向きに付設されているために、ワークの引き込みに際しとり外れや落下などのトラブルにより該ワークが不整列姿勢の状態になるという不具合もあった。
【0012】
【発明の目的】
この出願の発明の目的は上述従来技術に基づく電子回路用基板プレス装置の構造上の問題点を解決すべき技術的課題とし、複数のワークを1ストロークで確実にスタッカ,アンスタッカ,プレス装置本体に対する確実な整列姿勢での搬出入が出来、ロスタイムを削減して生産効率を向上させることが可能であるうえに、搬送工程の簡略化を図り、管理制御操作がし易いようにし、結果的にコストダウンが図れ、ワークの損傷やワークへの塵埃等の不純物混入の可能性をより一層抑制することが出来、製品に対する信頼性の向上を猶促進することが出来るようにして電子部品装置製造産業における成形技術利用分野に益する優れた電子回路用基板プレス装置を提供せんとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段・作用】
上述目的に沿い先述特許請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成は、前述課題を解決するために、電子回路用基板を所定にプレス加工するに、該電子回路用基板をプレス用のトレー板に載置して搬入コンベヤに所定ピッチで載置し、該搬入コンベヤはスタッカ装置の棚間に臨まされ、該棚は油圧シリンダ等の昇降装置により下死点から所定ピッチずつ上昇して搬入コンベヤより電子回路用基板をトレー板ごと受け取って順次上昇し、全ての棚に電子回路用基板を載置したトレー板のワークを積層状態で搬入し、この間、コンベヤによりスタッカ装置に搬入されるワークは該搬入コンベヤに沿って両側に設けられたサイドローラにガイドされてスタッカ装置への整然とした積層状態を現出するようにし、該スタッカ装置の全棚にワークが積層されると、該スタッカ装置はローダ装置に対しインターフェースするようにローダパスラインまで上昇して待機状態になり、そこで、ローダ装置はスタッカのローダパスラインまでサーボモータによりレールに沿ってスタッカ装置まで移動してインターフェースする。
【0014】
そこで、インバータ制御のブレーキ付ギヤードモータによりフレームがスタッカ装置に対し前進し、フレームに設けたエアシリンダにより各棚に沿って設けたアームを介し、該アームの先端にて先端が上向きに形成されたフックピンを上昇させてワークのトレー板の端部に設けたフックピン孔に挿入し、全ての棚のフックピンが対応するトレー板のフックピン孔に一斉に挿入されると、アームはインバータ制御のブレーキ付ギヤードモータにより後退し、該フックピン、及び、フックピン孔の一度の係合を介し、スタッカ装置の全ての棚からワークを一斉に引き出してローダ装置の全ての棚に引き込みする。
【0015】
そこで、ローダ装置はサーボモータによりサイドローラ,ラックを介しレールに沿ってプレス装置本体のパスラインまで縦移動し、その間、各フックピンは対応するトレー板のフックピン孔に挿入係合した状態を維持し、それにより、ワークのローダ装置の全ての棚に於ける変位やズレを防止して整列状態になるようにし、その間、スタッカ装置は初期位置に下降して次回のワークの搬入セットに待機するようにし、ローダ装置がプレス装置本体のパスラインまで到達してインターフェースすると、フックピンはエアシリンダによりトレー板のフックピン孔から下降して自然に離脱して後退する。
【0016】
そこで、インバータ制御のブレーキ付ギヤードモータを介し垂設された押し込みバーが前進してソフトタッチ的に全てのワークの後端部を一挙に同一姿勢で押進させ、プレス装置の熱板上の所定の位置に整列状態で押し込みセットし、この間、押し込みバーはフックピンの左右に設けられることにより、ワークを平行移動的に熱板上に押し込むことが出来るようにされる。
【0017】
、この間、該熱板の端部に設けられたソリ状のガイドによりワークはスムーズに熱板上に押し込まれ、全てのトレー板の端部は該ガイドに面一にされ、正確に全ての電子回路用基板がトレー板を介し熱板状に同一位置姿勢でセッティングされ、次いで、インバータ制御のブレーキ付ギヤードモータにより押し込みバーが静かに後退し、初期位置に戻り、プレス装置本体はプレス用の熱板を介し所定のプレス動作を行う。
【0018】
而して、プレス後に再びインバータ制御のブレーキ付ギヤードモータを介しフックピンがアームを介して前進し、そのストロークエンドでエアシリンダにより上昇し、ワークのトレー板のフックピン孔に一斉に挿入係合され、インバータ制御のブレーキ付ギヤードモータにより後退し、プレス後の全てのワークが一斉にローダ装置の全ての棚に収納され、該ローダ装置はサーボモータを介しレールに沿って横移動する。
【0019】
この間、全フックピンはワークのトレー板のフックピン孔に挿入係合された状態でローダ装置のアンスタッカ装置までの横移動間に棚に対するワークの変位,ズレ等がないようにし、アンスタッカ装置のパスラインレベルに到達してインターフェースすると、上述プレスに対すると同様にインバータ制御のブレーキ付ギヤードモータによりブラケットを介して押し込みバーでローダの全棚から全ワークをアンスタッカ装置の棚に押し込み、アンスタッカ装置に於ては搬出コンベヤに対し搬入コンベヤに対すると同様にプレス後のワークを1ずつ所定ピッチで所定の次段工程へと搬出するようにした技術的手段を講じたものである。
【0020】
【発明の実施しようとする形態】
次に、この出願の発明の実施しようとする形態を実施例の態様として図面に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0021】
図1に示す形態の態様において、1はこの出願の発明の要旨を成す電子回路用基板プレス装置であり、図示しないベースには一側寄りに搬入コンベヤ2がブレーキ付ギヤードモータ駆動方式により、図示しない前段工程から図7に示す様に電子回路用基板3をトレー板4に載置したワーク5を所定ピッチで搬入されてその先部に設置されたスタッカ装置6に送給するようにされており、上記搬入コンベヤ2の各コンベヤ本体2´ ,2´ の外側には該ワーク5の縁部に当接して転動し、その送給をスムーズにガイドすることが出来るサイドローラ7,7…が配設されている。
【0022】
そして、該搬入コンベヤ2の終端にはリミットスイッチ8が設けられて図示しない所定の制御装置に電気的に接続されている。
【0023】
そして、スタッカ装置6にあっては、図1,図2,図3に示す様に、その両側のフレーム9に沿って垂下状態に油圧シリンダ10が設けられ、該油圧シリンダ10の先端部から下延するロッド11の先端には搬入コンベヤ2と同方向に沿う所定段数の棚を成すサブフレーム12,12…が一体的に昇降自在に設けられ、該各サブフレーム12には長手方向に沿って所定ピッチでローラー13,13…が回動自在に枢支されている。
【0024】
そして、上記油圧シリンダ10の伸縮により棚を成す最下段のサブフレーム12は図2に示す様に、下死点Aと上死点Bとの間に所定ピッチずつの所定の段数で順次昇降自在にされており、又、図2,3に示す様に、左右側のフレーム9,9から内延して相対的に設けた上記ローラー13,13の間に搬入コンベヤ2のコンベヤ本体2´ ,2´ が図1に示す様に在るようにし、該コンベヤ本体2´,2´ により載置されてスタッカ装置6に搬入されるワーク5をリミットスイッチ8で搬入コンベヤ2の停止位置で図示しない制御装置を介し油圧シリンダ10の縮少プロセスにより各棚を成すサブフレーム12の各ローラー13が上昇してバトンタッチ的にワーク5をコンベヤ装置2から各棚のサブフレーム12に移載することが出来るようにされている。
【0025】
尚、スタッカ装置6の両側にあっても、ガイド用のサイドローラ7,7は該サブフレーム12の外側に配列されているものである。
【0026】
そして、以上の構造は、ベース上に於て、スタッカ装置6の反対側に設けられたアンスタッカ装置15、及び、これに接続する搬出コンベヤ14についても図1に示す様に、対称的に全く同様な配置構造にされているものである。
【0027】
次に、スタッカ装置6とアンスタッカ装置15との間に所定数複数基の(当該実施例においては2基)の在来一般態様同様のプレス装置本体16,16が設けられて図7に示す様に、上下所定段数設けられたプレス用の熱板17,17…により所定の加熱プレスを行うようにされている。
【0028】
そして、該熱板17の後端部には当該図7に示す様に、断面Lの字型のガイド板18がほぼ該熱板17の幅長さに一体的に固設され、その中途部分には後述するフックピンの干渉を避けるスリット19が設けられてワーク5のトレー板4のプレス装置本体16へのスムーズな挿入を果すようにされている。
【0029】
而して、図に於いて20はローダ装置であり、スタッカ装置6にスタックされた全ワーク5…を各棚12にスタックされた状態で引き出してアンスタッカ装置15に押し込みするようにするものである。
【0030】
そして、該ローダ装置20は当該図1に示す様に、図示しないベースの両側でのスタッカ装置6、及び、アンスタッカ装置15のレベルより上位に設けられたレールフレーム21,21´ 間に渡設されたガイドレール22,22に対し、これをトラバースする方向のフレーム23が図4に示す様に、該ガイドレール22の下側に設けられたガイド24を介してレールフレーム21,21´ 間に縦行き移動自在に設けられ、該フレーム23の上面に設けられたサーボモータ25により、その駆動軸に介設した減速機26を介しピニオン27がレール22に固設されたラック28に噛み合って回動することにより縦方向に進退移動自在にされている。
【0031】
そして、フレーム23には当該図4に示す様に、側面視Uの字型のフレーム29が一対下向きに延設され、前記プレス用の熱板17,17…を上設する棚30,30…をスタッカ装置6の棚12のピッチと同一ピッチで所定段数設けられている。
【0032】
又、該フレーム23には当該図4に示す様に、略L型のフレーム31がブラケット32を介し該フレーム23の下面に設けられたガイドレール33に沿って進退動自在に設けられ、該フレーム23にブラケットを介して回動自在に設けられたボールネジ34がフレーム31に螺合してインバータ制御の進退装置としてのブレーキ付ギヤードモータ35の出力軸に連結され、該インバータ制御のブレーキ付ギヤードモータ35の回動により該フレーム31をフレーム23に沿って進退動自在にしている。
【0033】
そして、該フレーム31には前後方向のブラケット36,36,36を介し押し込みバー37を一対設けてインバータ制御のブレーキ付ギヤードモータ35の回転により所定の電子回路基板3と一体的にワーク5を載置したトレー板4の後端を軽く押進させ、該ワーク5をプレス装置本体16の各棚のプレス用の熱板17上に確実に一斉に一度に押し込み、又、当該図4に示す様に、フレーム31の外側には並行状態で昇降用のエアシリンダ38がリードスイッチ39を有して垂設され、そのロッド40の下端はブラケット41を介し押し込みバー37に平行な他のバー42が固設され、該バー42には各棚30に対応してアーム43が固設前延され、その先端には上向きのフックピン44が図7に示す様に、適宜に固設され、図7に示す様に、ワーク5のトレー板4の後端に対応的に穿設されたフックピン孔4´ に挿入されてワーク5に係合され、又、下向きに作動して離脱することが出来るようにされている。
【0034】
したがって、その間フックピン44と対応するピン孔4´ との係合によるワーク5の作動中の挙動は阻止され、電子回路基板3の著しく嫌う塵埃の付着が確実に防止される。
【0035】
尚、図6に示す様に、熱板17の後端に固設されたガイド板18の中途に設けられたスリット19にフックピン44が進退動するようにされて、該ガイド板18と干渉しないようにされている。
【0036】
尚、ローダ装置20は図1の態様において、プレス装置本体16,16に選択的にインターフェース自在にされてプレス効率を良いようにされている。
【0037】
上述構成において、前段工程で所定に処理された電子回路用基板3をプレス装置本体16にてプレスするべく、トレー板4に載置し、搬入コンベヤ2によりスタッカ装置6の各棚12に搬入するに、そのコンベヤ本体2´ ,2´ 上に所定ピッチで載置し、前送するプロセスで各ワーク5はサイドローラ7,7…によりガイドされて載置姿勢を崩すことなく、整然と所定速度で送給され、図3に示す様に、相対向する棚12,12のローラー13,13の間であってやや上部にて送給され、リミットスイッチ8に当接すると、該リミットスイッチ8の検出信号が図示しない制御装置を介し搬入コンベヤ2のサーボモータを停止し、それにより、搬入コンベヤ2の停止と共に、前述した如くスタッカ装置6の油圧シリンダ10が最下段のサブフレーム12を下死点Aより所定ピッチ上昇し、当該インターフェースレベルの該サブフレーム12のローラー13,13…をして図3に示す様にワーク5の底部に下側から軽く当接し、バトンタッチ的にこれを載置する。
【0038】
したがって、ワーク5はこのプロセスにおいて、搬入コンベヤ2よりスタッカ装置6の棚のサブフレーム12のローラー13,13…上に移載され、そこで、制御装置を介し、再びサーボモータ25が作動して搬入コンベヤ2が回転し始め、次のワーク5をして前送し、リミットスイッチ8に当接し、上述同様にして搬入コンベヤ2が停止し、油圧シリンダ10が1ステップ分縮小してサブフレーム12が上昇され、ローラー13,13…にワーク5を移載する。
【0039】
上述プロセスを反復することにより、スタッカ装置6の複段の棚を成すサブフレーム12,12…に全てのワーク5,5…が搬入され、そこで、油圧シリンダ10が縮小して最下段のサブフレーム12を上死点Bまで上げ全てのサブフレーム12,12…ごとローダ装置20への移載を行うに、インターフェースを図るべくパスラインのレベルまで上昇して待機状態になる。
【0040】
尚、最下段の棚を成すサブフレーム12の上死点Bではローダ装置20とのインターフェースがとられるものである。
【0041】
次いで、該ローダ装置20のサーボモータ25が起動し、減速機26を介しそのピニオン27がレール22に設けたラック28に噛み合って回転することにより、フレーム23が該レール22に沿って縦移動し、スタッカ装置6のパスラインまで移動変位し、図示しないリミットスイッチで停止し、その間フレーム29、及び、フレーム31も一体的に縦移動し、パスラインにインターフェースしたところでインバータ制御のブレーキ付ギヤードモータ35を介しボールネジ34が回転してフレーム31をスタッカ装置6に対し前進する。
【0042】
尚、この時点では、エアシリンダ38が伸長して各ブラケット42、及び、アーム43,43…を介し全てのフックピン44をトレー板4に対して下げた姿勢にしている。
【0043】
そして、バー42のストロークエンドが図示しないリミットスイッチにより検出され、各フックピン44がスタッカ装置6にスタックされている全ワーク5のトレー板4の前端の対応するフックピン孔4´ に位置することが検出されると(上述したスタッカ6に於ける各段の棚のサブフレーム12上に載置されているワーク5、即ち、トレー板4は全て整然と同一姿勢にされていることから、又、バー42に対する各アーム43、並びに、その先端に上向きに突出されているフックピン44は全て同一姿勢にされていることから、フックピン孔4´ に対する該フックピン44の位置決めは全て設計通りに確実に行われることになる)、そこで、エアシリンダ38が縮少し、バー41,42にアーム43,43…を介して全てのフックピン44が上昇して対応するワーク5のトレー板4のフックピン孔4´ に図7に示す様に、挿入してフックピン44と該ワーク5の係合状態が現出される。
【0044】
次いで、該トレー板4に対するリミットスイッチの検出により、全てのフックピン44の対応するフックピン孔4´ への挿入が確認されると、インバータ制御のブレーキ付ギヤードモータ35が逆回転してボールネジ34の逆転によりフレーム31が後退し、該フレーム31に一体的に設けられているエアシリンダ38、バー41,42を介し全てのアーム43,43…、即ち、全てのフックピン44,44…が後退し、全ての該ワーク5,5…をしてスタッカ装置6の全段のローダ20の各棚30の上に引き込みスタックする。
【0045】
この時点で、スタッカ装置6の油圧シリンダ10は伸長し、最下段のサブフレーム12を下側のストロークエンド、即ち、下死点Aのレベルまで下降して次回の搬入コンベヤ2からのワーク5の移載に待機する。
【0046】
そして、ローダ装置20側にあっては全フックピン44をトレー板4の対応するフックピン孔4´ に挿入した姿勢のままの状態に保持する。
【0047】
そして、スタッカ装置6からトレー板4ごとワーク5が全ての棚について引き込まれるプロセスにおいてはローダ装置20のフレーム23の外側に設けたサイドローラ7,7…により各ワーク5はガイドされて整然と該ローダ装置20の各棚30に引き込まれて移載される。
【0048】
そして、ローダ装置20の全ての棚30,30…にワーク5,5…が引き込み移載されると、サーボモータ25が作動し、減速機26を介しピニオン27がラック28に噛み合って、再び、該ローダ装置20はレール22,22に沿って縦移動し、プレス装置本体16のパスラインにインターフェースするようにされる。
【0049】
この間、エアシリンダ38は静止状態を保持してバー41,42のアーム43を介し、各フックピン44を対応するワーク5のトレー板4のフックピン孔4´に挿入係合した状態を維持してローダ装置20のプレス装置本体16への縦移動プロセスにおいて、ガタツキやズレ等が生じないようにし、各棚30の上のワーク5のセット姿勢を終始安定して保持するようにする。
【0050】
そして、ローダ装置20がプレス装置本体16のパスラインに到達すると、エアシリンダ38が伸長してバー41,42、アーム43を介し各フックピン44を下降させてワーク5のトレー板4の対応するフックピン孔4´ から離脱させてワーク5とフックピン44の係合を解除する。
【0051】
そして、各該フックピン44の低位のレベルはプレス装置本体16のプレス用の熱板17と干渉しないレベルにされる。
【0052】
そこで、インバータ制御のブレーキ付ギヤードモータ35が作動し、ボールネジ34を介しフレーム31が前進すると、ブラケット36を介し押し込みバー37が全体としてその垂立姿勢を保持しながら前進し、各ワーク5のトレー板4の後端にソフト的にタッチし、更に、インバータ制御のブレーキ付ギヤードモータ35の作動により各ワーク5を前進させてプレス装置のプレス用の熱板17上に押し込みセットする。
【0053】
このプロセスにおいて、図5に示す様に、一対の押し込みバー37,37がプレス用の熱板17のガイド18のスリット19の両側に在るために、該ワーク5は平面視的に横ズレ等なく平行状態でセット姿勢を維持して押し込まれることになる。
【0054】
このようにして、全ての該ワーク5,5…はプレス装置本体16のプレス用の各熱板17上に設計通りに設置される。
【0055】
尚、この間、図7に示す様に、押し込みバー37によって押し込まれる各ワーク5のトレー板4はプレス用の熱板17の端部に一体的に設けたLの字状のガイド板18にガイドされ、スムーズにプレス用の熱板17上に押し込み載置されることになる。
【0056】
そして、押し込みが完了すると、インバータ制御のブレーキ付ギヤードモータ35は逆回転してフレーム31,ブラケット36を介し、該押し込みバー37を後退してプレス動作完了まで待機する。
【0057】
そして、プレスが終了すると、フックピン44,44が下降姿勢である状態でインバータ制御のブレーキ付ギヤードモータ35の作動を介しフレーム31が前進してバー41,42を介しアーム43によりフックピン44を熱板17上のワーク5のトレー板4のフックピン孔4´ に位置させるようになり、スタッカ装置6に対するローダ装置20へのワーク5の移し替え,引き込みの場合と同様、プレス装置本体16の各段から該ローダ装置20の各棚30へのワーク5の引き込み移載を行う。
【0058】
そして、ローダ装置20にプレス装置本体16からの全てのワーク5,5…の移載が終了すると、サーボモータ25の作用により該ローダ装置20はアンスタッカ装置15へのパスラインまでレール22,22に沿って縦移動し、該アンスタッカ装置15にインターフェースした所で停止する。
【0059】
この間、先述同様に、該ローダ装置20にあっては、各棚30上のワーク5に対するフックピン44のトレー板4のフックピン孔4´ に対する挿入係合状態を維持し、アンスタッカ装置15までのローダ装置20の縦移動中における各ワーク5の姿勢変位やズレ等を防止するようにする。
【0060】
そして、ローダ装置20がアンスタッカ装置15にインターフェースして停止すると、エアシリンダ38を伸長し、バー41,42を介しアーム43と共に、各フックピン44を一斉に下降させて各ワーク5のトレー板4のフックピン孔4´ から一度に離反させ、次いで、インバータ制御のブレーキ付ギヤードモータ35が起動し、ボールネジ34を介しフレーム31を前進させブラケット36を介し押し込みバー37を前進させプレス装置本体16への前述したワーク5,5…の全段押し込みと同様に、ローダ装置20の各棚30上のワーク5を対応するアンスタッカ装置15の全ての棚に一斉に同一姿勢で一度に押し込み、而して、押し込み完了後、インバータ制御のブレーキ付ギヤードモータ35は逆回転して押し込みバー37を後退させる。
【0061】
そして、アンスタッカ装置15に移載されたワーク5,5…については図示しない制御装置を介しスタッカ装置6の場合と同様に、全ての棚12を1段ずつ下降させながら、搬出コンベヤ14に移載してゆき、全ワーク5,5…の搬出コンベヤ14への移載が完了すれば、全ての棚12が初期位置に上昇して次の搬出に待機状態となる。
【0062】
尚、この出願の発明の実施形態は上述実施例の態様に限るものでないことは勿論であり、例えば、サーボモータに代えてロータリーエンコーダを駆動装置に設けてストローク制御したり、起動停止等をソフトにする等種々の態様が採用可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上、この出願の発明によれば、基本的に、取り扱い中に損傷や塵埃付着等を著しく嫌う電子回路用基板のプレスを行う装置において、作業効率、及び、損傷防止,塵埃付着防止を図るべく、設定数複数枚のワークをスタッカを介しローダ装置によりプレス装置本体の熱板、及び、アンスタッカ装置に一挙に効率良く、搬出入を行うことが出来るために、極めて作業効率が良く、同一精度でプレスを行うことが出来、又、次段へ整然と搬出することが出来るという優れた効果が奏される。
【0064】
而して、所定数複数枚の電子回路用基板のワークを多段にプレス処理するために、スタッカ装置,アンスタッカ装置,プレス装置本体が大がかりにならず、1プラントとして狭小な空間スペースで済み、スタッカ装置,アンスタッカ装置、及び、プレス装置本体に電子回路用基板のワークを1枚ずつ転移する従来態様がローダ装置を介し一斉にスタッカ装置,アンスタッカ装置,プレス装置への移載がスタック状態や積層状態を保持したまま行えるという優れた効果が奏される。
【0065】
又、搬入コンベヤに於てその駆動をブレーキ付ギヤードモータによって行うために、リミットスイッチを介しワークが搬入コンベヤによりスタッカ装置にスタックされるプロセスでその搬入ストロークエンドにおいて、ソフトタッチ的に転移が行われ、上述の如く、損傷や塵埃付着を嫌う電子回路用基板のワークの転移が、これらの虞なく行えるという効果がある。したがって、電子回路等の電子部品に対する信頼が向上するという優れた効果が奏される。
【0066】
而して、ローダ装置に於てスタッカ装置,アンスタッカ装置,プレス装置に縦、横移動するに、サーボモータ等を介して行えるために各パスラインへの起動停止をソフトスタート,ソフトストップに行え、インターフェース精度を高めることが出来るという効果があり、又、ワークのトレー板や熱板に対する変位,ズレ等を防止し、損傷や塵埃を確実に防止することが出来るという優れた効果が奏される。
【0067】
又、ローダ装置からのワークのローディングやアンスタッカ装置への押し込みに際しては垂立状態の押し込みバーを用いるようにされているために、押し込みプロセスにおけるソフトストップ等の際の全ワークのワークの高精度の同一位置姿勢での押し込みが可能となり、結果的にプレス精度を高めることが出来るという優れた効果が奏される。
【0068】
又、ローダ装置へのワークの引き込みに際し、フックピンを上向きにして動作を行うために、該フックピンの下向きの場合の落下等のトラブルを防げるという効果があるうえに、ワークの引き出しから押し込みへのプロセス、或いは、ローダの横移動に際してのワークへの係合状態を保持するために、これらの移動時におけるワークのトレー板や熱板に対する変位やズレが防げ、これによってもワークの損傷や塵埃付着が防げるという優れた効果が奏される。
【0069】
又、押し込みバーはフックピンに対し設計的にその外側に位置させる等により押し込み姿勢を設計通りに行える等の優れた効果が奏される。
【0070】
而して、ローダをレールに対し吊り下げ方式にしたことによりローダの下部に各種の油圧装置等を設置出来、ローダの周囲空間に対するスペースの有効利用を図ることが出来るという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の1実施例の全体概略平面図である。
【図2】同、スタッカの側面図である。
【図3】同、スタッカの部分正面図である。
【図4】同、プーラの側面図である。
【図5】同、プーラの部分平面図である。
【図6】同、プッシャーの平面図である。
【図7】同、プッシャーの部分側面図である。
【符号の説明】
16 プレス装置本体
17 熱板
2 搬入コンベヤ
14 搬出コンベヤ
20 ローダ装置
5 ワーク
3 電子回路用基板
4 トレー板
7 サイドローラ
22 レール
37 押し込みバー
31 フレーム
38 昇降様エアシリンダ
35 進退装置
44 フックピン
42,43 ブラケット
34 ボールネジ
12 サブフレーム(棚)
17 プレス用の熱板
5 ワーク
Claims (1)
- 複段のプレス用の熱板を有するプレス装置本体に併設する搬入コンベヤと搬出コンベヤとの間にローダ装置がそれらのパスラインに移動自在に設けられ、ワークに係合するフックピンを有している電子回路用基板プレス装置において、上記搬入コンベヤと搬出コンベヤにワークに対するガイド用のサイドローラが配設され、レールに吊設されたローダ装置にはワークに対する押し込みバーを垂設したフレームが進退装置に連係され、該フレームにはフックピン作動用の昇降エアシリンダが併設され、一方ワークに対する上記フックピンがブラケットを介し上向きに付設されて該昇降用エアシリンダに連係されており、又、上記搬入コンベヤと搬出コンベヤの駆動源がブレーキ付ギヤードモータにされており、更に、上記フレームがボールネジとブレーキ付ギヤードモータによって駆動されていることを特徴とする電子回路用基板プレス装置。
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