JPH0622732B2 - 板状ワ−ク搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、電子部品配線用のプリント基板等の製造に
使用されるプレス装置用の搬送装置の構造の技術分野に
属する。

〈要旨の概要〉 而して、この発明は多段のプレス棚を有するホットプレ
ス及びコールドプレスから成るプレス装置に併設された
フレームに、各プレス棚に対応する数だけの電子回路用
プリント基板等の方形の板状ワーク支持用のバーを有す
る収納棚が上記ホットプレス側及びコールドプレス側の
それぞれに設けられている板状ワーク搬送装置におい
て、上記ホットプレス側の収納棚の各バーのレベルまで
ワークを持ち上げる供給装置及び上記コールドプレス側
の収納棚のワークを取り出す排出装置がフレームに上記
バーに干渉することなく上下動自在に支持され、ホット
プレス側のローダにはワークの両縁部に当接離反自在で
且つ押し出し用のフックを先端に有する一対の挟持アー
ムを有する搬送フレームが進退自在に設けられ、又コー
ルドプレスに形成されたワークの凹部に対し係合離反自
在な引き出し用のフックを先端に有する他の一対の引き
出しアームを有する搬送フレームがコールドプレス側の
アンローダに進退自在に設けられている板状ワーク搬送
装置に係る発明である。

〈発明が解決しようとする課題〉 周知の如く、近年、コンピュータ等電子機器の普及に伴
ない各種の電子装置用の小型回路を組み立てるために用
いられるプリント基板等の需要が増加し、複数枚の基板
材料を重合させてプリント基板を製造するプレス装置の
生産性の向上が望まれてきている。

ところで、プリント基板等の板状ワークは、プレス加工
する際に、通常複段に形成された各プレス棚に供給させ
なければならないことから、当該各工程に於けるワーク
搬送の効率の良否が直接的にプレス装置の生産性の良否
につながるものであった。

さりながら、従来技術に基づく板状ワーク搬送装置にあ
っては、多段のプレス装置に対してワークを供給する際
に１ストロークでは供給排出が出来なかったがために、
搬出入の際に要する時間がロスタイムとなり、生産性向
上のネックになるという欠点があった。

これに対処するに、ワークに形成された孔に爪を係合さ
せてワークを１ストロークで搬送する態様も採用されて
いるが、該爪がワークの孔に確実に係合するためには、
該孔を大きく形成しなければならず、その結果、係合さ
せたワークが搬送中にガタツキを起こし、セット姿勢が
変るという不都合があった。

特に、電子回路用の基板材料等の板状ワークをプレス重
合するプレス装置にあっては、当該基板の性質上、塵埃
の侵入等が許されず、クリーンな状態で迅速に搬出入す
ることが不可欠であるが、ワークをホットプレスからコ
ールドプレスへと移送させる態様を採用した場合には各
ワークをガタツキなく正確に１ストロークで搬送するこ
とが困難であるという難点があった。

加えて、生産性が低下した分だけ製品あたりの生産コス
トが上がり、コストアップにつながるという不利点もあ
った。

〈発明の目的〉 この発明の目的は上述従来技術に基づく電子回路のプリ
ント基板用等の板状ワーク搬送の問題点を解決すべき技
術的課題とし、板状ワークを１ストロークで確実に各プ
レス工程で搬送し、複段のプレス工程に於ても姿勢変化
なく供給排出出来るようにして各種製造産業におけるプ
レス技術利用分野に益する優れた板状ワーク搬送装置を
提供せんとするものである。

〈課題を解決するための手段・作用〉 上述目的に沿い先述特許請求の範囲を要旨とするこの発
明の構成は、前述課題を解決するために、各々多段のプ
レス棚を有して隣接されたホットプレスとコールドプレ
スの両プレス装置に併設されたフレームに板状ワークの
供給装置と排出装置をそれぞれ昇降自在に支持され、該
供給装置に電子回路用のプリント基板等の板状体を載置
したワークが搬入されると、該供給装置は上昇し、フレ
ームに支持されたプレス棚に対応する収納棚の各々のフ
ォーク状等のワーク支持用のバーにワークを順次持ち上
げ、持ち上げが終了すると、上記収納棚とホットプレス
のプレス棚との間に進退自在に設けられたローダに先端
にフックを有し、且つ、近接離反する搬送フレームの一
対の挾持アームがワークの両縁部を側方から近接してこ
れに当接してワークを挾持してその姿勢を維持した状態
でそのままホットプレスのプレス棚のローダがワークを
搬入し、プレス加工後該ホットプレスのプレス棚のワー
クは上記挾持アームの当該方形ワークの両縁部の押出し
用のフックの係合により押進され、次段のコールドプレ
スにそのまま搬入されてコールドプレスされ、次いで、
上記フレームに支持されたアンローダの他の搬送フレー
ムが方形ワークに近接し、その引出しアームのフックの
該ワークの凹部に対する係合を介して加工済の各ワーク
を引き込んで、他の排出装置を介して該加工済ワークを
所定に搬出するようにした技術的手段を講じたものであ
る。

〈実施例〉 次に、この発明の１実施例を図面に基づいて説明すれば
以下の通りである。

第１，２，３図に示すものは、この発明の要旨を成す板
状ワーク搬送装置 1であり、第４図に示す電子回路用プ
リント基板（以下単に基板と略称）を保持するプレート
状のワーク 2をプレス加工する防塵設備を有するライン
に設置される態様である。

而して、ベース 3状には字状のフレーム 4が設置さ
れ、その中央部には各々多段のプレス棚 5, 5…を有す
るプレス装置としてのホットプレス 6とコールドプレス
7が対向的に併設されている。

尚、第１図に示す様に、機構は正面視略面対称的に配列
されている。

そして、該ホットプレス 6とコールドプレス 7に対して
は、板状ワーク搬送装置 1により所定に重合された基板
材料が載置されたワーク 2が供給され、所定のプレス加
工がなされるようにされている。

そして、フレーム 4には第２図に示す様に、ワーク 2に
対する一対の支持用のフォーク状のバー 8， 8を有する
多段の収納棚 9， 9が各々ホットプレス 6とコールドプ
レス 7の各プレス棚 5に対応して支持されている。

又、フレーム 4の両側には各々油圧シリンダ10、スプロ
ケット11、チェーン12を介して縦レール13に沿って上下
にスライドする給排装置としての昇降コンベア14が設け
られ、収納棚 9， 9に対してワーク 2を供給、排出する
ようになっている。

又、該昇降コンベヤ14は、縦レール13にスライドするガ
イド15が付設された一対の長短の支持フレーム16、16を
有し、該支持フレーム16，16のプレス装置 6， 7寄りに
はモータ17、チェーン18、スプロケットを介して回動す
る搬送ローラ19，19…が枢支されている。

そして、第２図に示す様に、支持フレーム16の一方は短
く、他方は長く、収納棚 9のバー 8， 8と干渉しないよ
うに、その側部に延設され、長く延設された支持フレー
ム16に搬送ローラ19，19…が片持ち式に支持されて同じ
くチェーン、スプロケットにより回動するようにされて
いる。

したがって、昇降コンベア14は収納棚 9とは干渉せず、
縦レール13に沿って上下動出来るようにされている。

又、フレーム 4の上部には各昇降コンベア14，14とホッ
トプレス 6、及び、コールドプレス 7との間に横レール
20，20…が支持され、該各横レール20には各々ガイド体
21を介して搬送体としてのローダ22とアンローダ22′が
支持されている。

そして、該ローダ22とアンローダ22′のガイド体21には
各々ホットプレス 6とコールドプレス 7の上部にて支持
されたシリンダ23のロッド24がスライド自在に取り付け
られているため、該ローダ22とアンローダ22′はホット
プレス 6とコールドプレス 7に対して各々進退動するこ
とが出来るようになっている。

又、ローダ22とアンローダ22′は各々ガイド体21の下部
に付設されたレール25，25に挾持装置としての一対の逆
Ｌ字状の搬送フレーム26，26が互いに逆方向のネジが刻
設されたガイドネジを介してワーク 2の両側で近接離反
自在に支持されているものであり、各搬送フレーム26に
は収納棚 9のバー 8， 8に対応する位置にワーク 2の縁
部をこれに沿って第２図に示す様に、平行に面、又は、
線状に当接離反自在にされた挾持アーム27，27…が付設
されている。

そして、該挾持アーム27は、ホットプレス 6側のローダ
22にあっては長く、又、コールドプレス 7側のアンロー
ダ22′にあっては短く形成され、ローダ22の先端にはワ
ーク 2に係合し、該ワーク 2を保持して押進するフック
29が先端に設けられ、又、アンローダ22′側の引出しア
ーム27′にもワーク 2の該凹部28に係止して該ワーク引
込みフック29′が先端に設けられている。

又、搬送フレーム26，26は図示しない逆ネジ係合により
挾持アーム27を介し近接離反してワーク 2を挾持し、又
は、開放するようになっている。

上述構成において、図示しない装置により、基板材料が
載置されたワーク 2がホットプレス 6側の昇降コンベア
14の搬送ローラ19，19…上に供給されると、第３図に示
す様に、該搬送ローラ19，19，…上に載置されたワーク
2は油圧シリンダ10、スプロケット11、チェーン12を介
して縦レール13をスライドして上昇するガイド15に一体
の昇降コンベア14の支持フレーム16により収納棚 9の最
上段位置のバー 8，8 の部位に搬送される。

この間、支持フレーム16，16は前述した如くバー 8，8
に干渉しないように上昇する。

次いで、モータ17、チェーン18、スプロケットにより各
搬送ローラ19が回転してワーク 2を送り出し、収納棚 9
のバー 8， 8上に移送されたワーク 2は図示しないリミ
ットスイッチによりモータ17が停止することで、該バー
8， 8上の所定位置に載置され、昇降コンベア14は下降
して次の下位のバー 8，8 に対し順に再度上述動作を繰
り返し、収納棚 9の全てのバー 8， 8上にワーク 2が順
次供給される。

この間、収納棚 9の各バー 8， 8と昇降コンベア14の片
持ち側の搬送ローラ19は第２図に示す様に、互いにフォ
ーク状に配設されているため、干渉することなく、且
つ、縦レール13に対するガイド15のスライドによりスム
ーズに各ワーク 2の対応する収納棚 9への供給がなされ
る。

そして、該ワーク 2の収納棚 9への供給が終了し、図示
しないリミットスイッチ等を介して図示しないモータで
回転される逆ネジ式のガイドネジにより搬送フレーム2
6，26がワーク 2の両側方から互いに近接作動すると、
レール25に沿って互いにスムーズにスライドする各搬送
フレーム26の各挾持アーム27が全て対応するワーク 2の
縁部に平行に沿って面状、又は、線状に当接接合する。

したがって、この場合、ワーク2 が多少面方向に姿勢が
ずれていても、確実に姿勢を矯正的に修正して設計通り
に保持することが出来、又、その際、ガタツキも起こさ
ない。

そして、挾持アーム27，27により両端部を面状、又は、
線状に当接されて両側から挾持された各ワーク 2はリミ
ットスイッチ等により作動するシリンダ23のロッド24に
よって、横レール20上をローダ22ごとホットプレス 6の
各プレス棚 5に搬入供給され、ローダ22が挾持アーム2
7，27を開放させて開いた上述プロセスとは逆プロセス
で後退した後もワーク 2のプレス棚 5上での位置姿勢の
ずれが生じることなく所定にプレス加工される。

而して、ホットプレス 6によってワーク 2上の基板材料
がプレス加工されている間、収納棚 9には昇降コンベア
14により新たなワーク 2が供給される。

次いで、ホットプレス 6によりプレス加工が終了する
と、ローダ22の各挾持アーム27のフック29の前端が該ホ
ットプレス 6内の加工済ワーク 2に係合して該ワーク2
を押進することにより、加工済ワーク 2はホットプレス
6のプレス棚から対応するコールドプレス 7のプレス棚
5に確実に転移供給され、一方で新たなワーク 2がホッ
トプレス 6に供給される。

このようにして、ホットプレス 6、及び、コールドプレ
ス 7に供給されプレス加工されたワーク 2は、アンロー
ダ22′の引出しアーム27′のフック29′が対応する凹部
28に係合することにより引き出されて搬出され、アンロ
ーダ22′側の収納棚 9に載置されて昇降コンベア14によ
り該収納棚 9の下側から図示しない搬送装置に確実に排
出される。

尚、コールドプレス 7からワーク 2が搬送される際に
は、これに同期してホットプレス 6側のローダ22から上
述同様に該ホットプレス 6へ新たなワーク 2が供給され
る。

このようにして、ワーク 2がプレス加工がされている間
に板状ワーク搬送装置 1によってワーク 2を各昇降コン
ベア14を介してホットプレス 6側の収納棚 9へ供給し、
又、コールドプレス7 側の収納棚 9から搬出することに
よって、ロスタイムが少なく、塵埃の混入可能性を少な
くして効率の良いプレス加工が現出される。

尚、この発明の実施態様は上述実施例に限るものでない
ことは勿論であり、例えば、プレス装置は１基であって
も良く、ワークは基板材料に限られない等種々の態様が
採用可能である。

〈発明の効果〉 以上、この発明によれば、基本的に、各種用途に供され
る板状ワークを確実に一定の姿勢で多段式プレス装置に
搬送セットすることが出来るという優れた効果が奏され
る。

又、プレス装置に併設されたフレームワークのに収納棚
が支持され、該収納棚のワーク支持用のバーのレベルま
でワークを持ち上げる供給装置、及び、排出装置が上下
動自在に支持されていることにより、該収納棚に対する
ワークの排出入がスムースに、且つ、確実になされ、プ
レス装置に対して供給されるべきワークの姿勢を最適状
態にセット出来るという優れた効果が奏される。

更に、収納棚とプレス装置との間にワーク縁部に沿っ
て、左右両側から当接離反する一対の挾持アームを有す
る搬送フレームがローダに進退自在に設けられているこ
とにより、収納棚にセットされた状態の各ワークをして
所定のセット姿勢を乱さず、ガタツキも生じさせず、確
実に保持してプレス装置に短時間で塵埃の混入可能性を
低くして供給することが出来るという優れた効果が奏さ
れる。

更に、ワークの縁部に設けたプレス装置に対する押出し
（引込み用の凹部に係合する）フックを挾持アームの先
部に形成したことによりローダ、アンカーダのストロー
クが短くてもスムースにプレス装置間のワークの搬出入
が出来るという優れた効果が奏される。

加えて、ワークの搬送がスムースになされることから、
ロスタイムが少なくなり、その分だけ生産量がアップ
し、加工コストを低減させることができるという利点も
ある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の１実施例を示すものであり、第１図は
多段式プレス装置に併設された板状ワーク搬送装置の正
面図、第２図は第１図の部分平面図、第３図は第２図II
I−III断面図、第４図はワークの斜視図である。 5 ……プレス棚、6 ，7 ……プレス装置、 4 ……フレーム、9 ，9 ……収納棚、 1 ……板状ワーク搬送装置、 14，14……給排装置、2 ……ワーク、 27，27……挾持アーム、22……ローダ、 22′……アンローダ、26……搬送フレーム 28……凹部、29′……フック

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】多段のプレス棚を有するホットプレス及び
   コードプレスから成るプレス装置に併設されたフレーム
   に、各プレス棚に対応する数だけの電子回路用プリント
   基板等の方形の板状ワーク支持用のバーを有する収納棚
   が上記ホットプレス側及びコードプレス側のそれぞれに
   設けられている板状ワーク搬送装置において、上記ホッ
   トプレス側の収納棚の各バーのレベルまでワークを持ち
   上げる供給装置及び上記コールドプレス側の収納棚のワ
   ークを取り出す排出装置がフレームに上記バーに干渉す
   ることなく上下動自在に支持され、ホットプレス側のロ
   ーダにはワークの両縁部に当接離反自在で且つ押し出し
   用のフックを先端に有する一対の挟持アームを有する搬
   送フレームが進退自在に設けられ、又コールドプレスに
   形成されたワークの凹部に対し係合離反自在な引き出し
   用のフックを先端に有する他の一対の引き出しアームを
   有する搬送フレームがコールドプレス側のアンローダに
   進退自在に設けられていることを特徴とする板状ワーク
   搬送装置。