JPH0616152A - 作業車のキャビン取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単容易な作業で防振ゴムを適切に組み付け
ることのできるキャビン取付構造を提供する。 【構成】 車体１のフレーム２１とキャビン１５のフレ
ーム２４とを、外筒１７と内筒１８との間にゴム材２０
を焼付した防振ゴム１６を介在して連結するキャビン取
付構造であって、前記防振ゴム１６の内筒１８に前記キ
ャビン１５側のフレーム２４を連結するとともに、前記
防振ゴム１６の外筒１７に設けたフランジ２２と、前記
フランジ２２に対して軸心方向に螺進調整可能な締付部
材２３によって、前記車体１側のフレーム２１を挟持締
付け固定可能に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、トラクター等の作業車
のキャビン取付構造に関し、詳しくは、車体のフレーム
と、キャビンのフレームとを防振ゴムを介在して連結す
るキャビン取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のキャビン取付構造として
は、例えば図６に示すように、フランジ２２を設けた外
筒１７と、ボルト貫通孔を有する内筒１８との間にゴム
材２０を焼付して防振ゴム１６を構成し、前記車体１側
のフレーム２１に前記フランジ２２を複数のフランジ取
付ボルト２７・・で締付固定し、車体１側のフレーム２
１、防振ゴム１６、キャビン１５側のフレーム２４の三
者に亘ってボルト２５を挿通してナット２６によって挟
持締付固定していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来構成による
と、車体にキャビンを組付けるにあたって、車体側のフ
レーム、防振ゴム、キャビン側のフレームの三者に亘っ
てボルトを挿通させる際、防振ゴムの取付け誤差や、キ
ャビン側のフレームに穿設したボルト挿通用の挿通孔の
誤差等によって、キャビン側のフレームの挿通孔と、防
振ゴムのボルト挿通用の内筒とが位置ずれを起こしてボ
ルトを挿通させるのが困難になる不具合や、又、ボルト
を無理やり挿通させてキャビンを取付けると、防振ゴム
が歪んだ状態で固定されるので、防振ゴムのゴム材の弾
性力が低下し、キャビンをクッション性良く支持するこ
とができなくなる不具合があった。又、前記不具合なく
適切なボルト固定を行うには、フランジ取付ボルトの締
付けを調節しながら防振ゴムの取付け位置を調節すれば
よいが、フランジ取付ボルトは、車体側のフレームとキ
ャビンのフレームの間の狭い空間に位置しているため
に、工具を差し入れての作業が行いにくいものであっ
た。本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであっ
て、上記不具合を一掃する合理的な防振ゴムを工夫する
ことによって、簡単容易な作業でクッション性良い適切
な取付けができるキャビン取付構造を提供することを目
的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為の
本発明の特徴構成は、冒頭に記載したキャビン取付構造
において、防振ゴムの内筒に車体側のフレーム或いはキ
ャビン側のフレームの一方を連結するとともに、前記防
振ゴムの外筒に設けたフランジと、前記フランジに対し
て軸心方向に螺進調整可能な締付部材によって、前記車
体側のフレーム或いは前記キャビン側のフレームの他方
を挟持締付け固定可能に構成した点にある。

【０００５】

【作用】上記構成によると、車体とキャビンを防振ゴム
を介在させて取付けるには、防振ゴムを、防振ゴムのフ
ランジと締付部材で防振ゴム取付け側のフレームに、仮
止め状態に取付けた後、ボルトを他方のフレームと防振
ゴムの内筒に亘って挿通できるように防振ゴムの取付け
位置を調節してから、前記締付部材を螺進調節して防振
ゴム取付け側のフレームに防振ゴムを締付け固定する。
その後、他方のフレームと防振ゴムの内筒に亘って挿通
したボルトにナットを締付固定する。この場合、前記締
付部材の螺進調節およびナットの締付固定はフレーム外
で行うことができる。

【０００６】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、簡単容易な作業で防振ゴムを、その機能を充分発揮
できるよう適切に装着してキャビンを取り付けることが
できるようになった。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、本発明に係る作業車の一例として農用ト
ラクターを示している。このトラクターは、車体１の前
後に左右一対の車輪２，３を備え、前部に原動部６を設
けるとともに、車体１の後部にミッションケース７を備
え、かつ、前記原動部６を外囲するエンジンボンネット
４の後方に操縦部８を備えて構成してある。前記原動部
６は、エンジンボンネット４の内方後部にエンジン９を
配備し、このエンジン９の後部に主クラッチハウジング
１０を直結し、エンジン出力を主クラッチを介して前記
ミッションケース７に軸伝達するよう構成している。そ
して、図３に示すように、エンジン９の前方に配備した
エンジン冷却用ラジエータ１１とエンジン９との間に、
通気口５ａを備えたシュラウド５を設置するとともに、
ラジエータ１１とシュラウド５との間においてボンネッ
ト内の熱気を吸引して機外に排出する電動ファン１２を
設け、ラジエータ１１の冷却とエンジンルーム内の換気
を一挙に行えるように構成してある。

【０００８】前記操縦部８には操縦ハンドル１３および
操縦席１４をはじめとして各種の操作具を備えてあり、
この操縦部全体を覆うキャビン１５を前記車体１上に複
数の防振ゴム１６を介在させて取付けてある。前記防振
ゴム１６は、図２に示すように、フランジ２２を備えた
外筒１７と直筒状の内筒１８との間にゴム材２０を焼付
けるとともに、外周にネジを刻設した締付筒１９を内外
筒軸芯と同芯状態で前記ゴム材２０にインサート支持さ
せたものに構成してあり、次のように車体１側のフレー
ム２１とキャビン１５側のフレーム２４との間に装着さ
れる。図２に示すように、車体１側のフレーム２１に穿
設した取付孔２１ａに防振ゴム１６を係入して前記フラ
ンジ２２をフレーム２１の上面に載置し、フレーム２１
の下方に露出した前記締付筒１９に締付部材２３を螺着
することで、フレーム２１をフランジ２２と締付部材２
３とで挟持する。又、防振ゴム１６の上方にキャビン１
５側のフレーム２４を載置して、このフレーム２４およ
び防振ゴム１６を貫通するボルト２５を挿通し、このボ
ルト２５の下方突出端に大径の座がね２６ａを介してナ
ット２６を装着し、防振ゴム１６の内筒１８をキャビン
１５側のフレーム２４に締めつけ固定する。この場合、
実際の組み付けに際しては、先ず前記締付部材２３を締
付筒１９に軽く締め込んで、防振ゴム１６を車体１側の
フレーム２１の取付孔２１ａに仮止めし、次にキャビン
１５側のフレーム２４を防振ゴム１６上に載置して前記
ボルト２５が無理なく挿入できるように防振ゴム１６を
平面的に位置修正してから締付部材２３を充分締め込ん
で防振ゴム１６をフレーム２１に固定し、その後、ボル
ト２５を装着してキャビン１５の上方への外れを阻止す
る。

【０００９】（第２実施例）図４に示すように、前記外
筒１７の外周面に締付部材２３を装着するネジ１７ａを
形成することで、前例の締付筒１９を省略することがで
きる。

【００１０】（第３実施例）図５に示すように、前記外
筒１７の外周面の全長にネジ１７ａを形成して、このネ
ジ１７ａに別部品とした前記フランジ２２と締付部材２
３とを装着できるように構成することで、防振ゴム１６
自体の高さを調節して組み付けることができ、実用上の
利便性を高めることができる。

【００１１】尚、上記各実施例において、キャビン１５
側のフレーム２４に防振ゴム１６をフランジ２２と締付
部材２３とで締めつけ装着する形態にすることも可能で
ある。

【００１２】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る作業車の一例を示すトラクターの
全体側面図

【図２】キャビン防振連結部の縦断面図

【図３】トラクター前部の一部切り欠き平面図

【図４】図２に該当する第２実施例の断面図

【図５】図２に該当する第３実施例の断面図

【図６】図２に該当する従来例の断面図

【符号の説明】

１ 車体 １５ キャビン １６ 防振ゴム １７ 外筒 １８ 内筒 ２０ ゴム材 ２１ フレーム（車体側） ２２ フランジ ２３ 締付部材 ２４ フレーム（キャビン側）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体（１）のフレーム（２１）と、キャ
   ビン（１５）のフレーム（２４）とを外筒（１７）と内
   筒（１８）との間にゴム材（２０）を焼付した防振ゴム
   （１６）を介在して連結するキャビン取付構造であっ
   て、前記防振ゴム（１６）の内筒（１８）に前記車体
   （１）側のフレーム（２１）或いはキャビン（１５）側
   のフレーム（２４）の一方を連結するとともに、前記防
   振ゴム（１６）の外筒（１７）に設けたフランジ（２
   ２）と、前記フランジ（２２）に対して軸心方向に螺進
   調整可能な締付部材（２３）によって、前記車体（１）
   側のフレーム（２１）或いは前記キャビン（１５）側の
   フレーム（２４）の他方を挟持締付け固定可能に構成し
   た作業車のキャビン取付構造。