JPH06115339A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH06115339A
JPH06115339A JP26865892A JP26865892A JPH06115339A JP H06115339 A JPH06115339 A JP H06115339A JP 26865892 A JP26865892 A JP 26865892A JP 26865892 A JP26865892 A JP 26865892A JP H06115339 A JPH06115339 A JP H06115339A
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JP
Japan
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solar radiation
vehicle
air
temperature
correction value
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Application number
JP26865892A
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English (en)
Inventor
Yuichi Kajino
祐一 梶野
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両内の乗員が受ける日射の入射光角度に応
じて空調制御を行い、且つ遮光部品を必要としない車両
用提供空調装置を提供することを目的とする。 【構成】 日射センサ40が日射量を検知し日射信号を
出力し、該日射信号は、マイクロコンピュータから成る
制御手段M11を構成する入射光角度検出手段M7に入
力される。そして、水平方向に対する仰角θおよび車両
の進行方向に対する方位角φが検出されると共に、補正
値演算手段M8によって前記仰角θおよび前記方位角φ
に対応する補正値αが演算される。さらに、制御信号出
力手段M9が車両受熱量Qs と前記補正値αとを乗算し
て、日射により乗員が直接受ける受熱量Qsaを求め、空
調手段M10に対し制御信号Cs を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用空調装置に係わ
り、詳しくは、車両内の乗員が受ける日射の水平方向に
対する仰角および車両の進行方向に対する方位角に応じ
て車両内の温度を調整し、所望の設定温度に近づけるた
めの空調制御を行う車両用空調装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用空調装置において、車両内
の温度を自動的に補正して所望の設定温度に近づける空
調制御が公知であり、例えば、車両内の乗員が実質的に
直接受ける日射を空調制御の対象としたものが知られて
いる。つまり、特開昭62─194925号公報、特開
平2─216402号公報等に示すように、車両の真上
あるいは後方の日射は検知せず、車両内の乗員もしくは
乗員付近に当たる日射を主として検知する日射センサが
知られている。この日射センサは、受光部の所定領域以
外の領域に光が透過できないように受光部の一部に所定
形状のコーティングや所定形状の覆い、つまり、所定形
状の機械的部品からなる遮光部品を設け、受光部が受け
る日射の入射光角度の範囲を規制させたものであり、実
質的に乗員が直接受ける日射の受熱量に応じて空調制御
を行うものである。しかし、上記構成では複雑に形状が
調整された遮光部品が必要となってしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
事実を考慮し、車両内の乗員が受ける日射の入射光角度
に応じて車両内の空調制御を行い、且つ車両に合わせて
複雑に形状が調整された遮光部品を不要とした車両用空
調装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明は、日射により車両が受ける日射を日射セン
サにて検出し、該日射に応じて前記車両内の温度を調整
して所望の設定温度に近づけるための空調制御を行う制
御手段ならびに該制御手段からの制御信号に基づいて前
記車両内の温度を調整する空調手段とを具備した車両用
空調装置において、前記日射センサは、前記日射に応じ
た日射信号を出力すると共に、該日射信号の中に水平方
向に対する前記日射の仰角および前記車両の進行方向に
対する前記日射の方位角を表す信号成分を含むセンサか
ら成り、前記制御手段はマイクロコンピュータから成
り、該制御手段内に、前記日射センサから出力された前
記日射信号によって、前記仰角および前記方位角を電気
的に検出する入射光角度検出手段、前記仰角および前記
方位角に対応して所定の補正値を電気的に決定する補正
値演算手段、および前記日射センサからの日射信号と前
記補正値演算手段によって決定された前記補正値とを演
算して前記制御信号を求め、且つ該制御信号を出力する
制御信号出力手段を具備したことを特徴としている。
【0005】
【作用】上記構成によれば、本発明の車両用空調装置
は、水平方向に対する日射の仰角と車両の進行方向に対
する日射の方位角とを表す信号成分を含むセンサを有す
る日射センサが、車両内の乗員が受ける日射受熱量を検
出し日射信号を出力する。そして、前記日射信号は入射
光角度検出手段に入力され、前記日射の仰角および方位
角が電気的に検出される。また、補正値演算手段が、前
記仰角および前記方位角を関数として空調制御のための
所定の補正値を電気的に決定する。さらに、制御信号出
力手段が、前記日射センサからの日射信号と前記補正値
演算手段によって決定された補正値とを演算して制御信
号を出力する。そして、前記制御信号を基に空調手段が
前記車両内の温度を調整する。したがって、車両に合わ
せて複雑に形状が調整された遮光部品が不要となり、調
整は制御手段内の信号処理(ソフトウェア処理)で達成
できる。
【0006】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の車両用空調
装置は、車両に合わせて複雑に形状が調整された遮光部
品が不要であり、且つ製造コストが削減できる。
【0007】
【実施例】ここで、本発明に使用される日射センサおよ
び制御手段の概要を実施例にて説明する。
【0008】本発明の日射センサは、例えば図8および
図9(図8のA─A断面図)に示すようなものを使用す
る。図において、半球状のカバー42内には基台44上
に3つの角形受光素子Sa,Sb,Scが設けてあり、
受光素子Scは水平に、受光素子Sa,Sbは車両前方
に向くX軸に対して対称位置に、水平より傾斜させてそ
れぞれ配置されている。
【0009】受光素子Sa,SbのX軸に対する角度を
例えば45°とし、受光素子の鉛直軸Zに対する傾斜角
度を例えば57.66°とする。そして、日射センサ4
0に日射があたった場合、図10に示すように、水平方
向に対する日射の仰角θ、車両の進行方向に対する日射
の方位角φ、日射量Qs は、各受光素子Sa,Sb,S
cの出力電流をia,ib,icとして、コントローラ
20(図1)の一部を構成する入射光角度検出手段M7
(図11)に入力されると共に、以下の数式1、数式
2、数式3にしたがって図2のステップ109にて演算
される。
【0010】なお、日射センサは3つの受光素子を持つ
ものに限らず日射仰角θ、車両の進行方向に対する日射
方位角φ、日射量Qs を検出できる、所謂全方位日射セ
ンサであればどのようなものでも良い。
【0011】
【数1】
【0012】
【数2】Qs =ic/sin θ
【0013】
【数3】 また、本発明の制御手段M11は、図1のコントローラ
20(マイクロコンピュータを内蔵する)の中に組み込
まれると共に、マイクロコンピュータのソフトウェアか
ら成る上記入射光角度検出手段M7、後述する補正値演
算手段M8および制御信号出力手段M9によって構成さ
れている。
【0014】上記入射光角度検出手段M7によって仰角
θおよび方位角φが検出されると、次に本発明の補正値
演算手段M8を成す予め設定された空調制御補正データ
の中から所定の補正値が、上記仰角θおよび方位角φを
関数として電気的に決定される。本実施例において前記
空調補正データは、図7に示すような仰角θと方位角φ
とを関数としたマップ上に予め入力されており、仰角θ
および方位角φの値によって補正値も変わるように設定
されている。なお、上記マップはマイクロコンピュータ
内のメモリーに記憶されている。
【0015】そして、上記補正値演算手段M8によって
決定された補正値と上記数式2で演算され求められた前
記日射量Qs とが上記制御信号出力手段M9によって演
算され、前記制御信号出力手段M9は、車両内の温度を
調整する空調手段M10に対して制御信号を出力する。
【0016】以下、本発明を具体化した一実施例を図面
に従って説明する。図1には、本発明の一実施例を成す
車両用空調装置の全体構成を示している。ダクト1の最
上流部には送風機2が配置され、送風機2の駆動により
内気または外気がダクト1内に供給される。この内気と
外気との切り替えは、内外気切替ダンパ3により行われ
る。また、ダクト1内にはエバポレータ4が配置され、
冷凍サイクルの作動により冷媒エバポレータ4に供給さ
れて冷媒の気化熱によりエバポレータ4を通過する空気
が冷却される。また、ダクト1内のエバポレータ4の下
流にはヒータコア5が配置されている。そして、図1に
おいてダクト1内でのヒータコア5の上流には第1のバ
イパス通路6が形成され、ヒータコア5の下側には第2
のバイパス通路7が形成されている。ヒータコア5に
は、エンジン冷却水が通過するチューブが複数本設けら
れており、エンジン冷却水の循環に伴いチューブが発熱
し、通過する空気との間で熱交換が行われるようになっ
ている。
【0017】さらに、第1のバイパス通路6には、エア
ミックスダンパ8が開閉可能に設けられていると共に、
第2のバイパス通路7には、エアミックスダンパ9が開
閉可能に設けられている。そして、エアミックスダンパ
8,9の開度調整にてヒータコア5の通過空気量とバイ
パス通路6,7の通過空気量との割合が調整されるよう
になっている。
【0018】また、ダクト1内のヒータコア5の下流に
は、フェイス吹出通路10、デフ吹出通路11、フット
吹出通路12が分岐され、その先端開口部がフェイス吹
出口13、デフ吹出口14、フット吹出口15となって
いる。
【0019】さらに、ダクト1には、ヒータコア5をバ
イパスする冷風バイパス通路16が設けられている。つ
まり、冷風バイパス通路16の一端は、ダクト1におけ
るエバポレータ4とヒータコア5との間に開口し、ま
た、冷風バイパス通路16の他端は、フェイス吹出通路
10に開口している。また、ダクト1内での冷風バイパ
ス通路16の上流側開口部には、冷風バイパス用ダンパ
17が設けられ、該ダンパ17の開度により、冷風バイ
パス通路16への空気供給量が調節されるようになって
いる。
【0020】フェイス吹出通路10およびデフ吹出通路
11の開口部分には、モード切替ダンパ18が開閉可能
に設けられ、該ダンパ18にてフェイス吹出通路10と
デフ吹出通路11とが選択的に開閉される。また、フッ
ト吹出通路12のダクト1側開口部分には、モード切替
えダンパ19が開閉可能に設けられ、ダンパ19にてフ
ット吹出通路12が開閉される。
【0021】また、コントローラ20には、内気センサ
21、外気センサ22、日射センサ40、温度設定器2
4からの信号が入力される。内気センサ21は車室内の
空気温度(内気温)Tr を検出し、外気センサ22は車
室外の空気温度(外気温)Tamを検出し、日射センサ4
0は日射量を表す電流値を出力する。また、温度設定器
24は車室内のインストルメントパネルに配置され、乗
員のアップ・ダウンスイッチ25の操作により設定温度
Tset をコントローラ20に対してセットできるように
なっている。コントローラ20は、これらの信号によ
り、内気温Tr と外気温Tamと日射データ(ia ,ib
,ic )と設定温度Tset とを把握する。なお、前記
ia ,ib ,ic は、図8および図9に示す日射センサ
40の受光素子Sa ,Sb ,Sc からそれぞれ出力され
る電流を表す。
【0022】さらに、コントローラ20は、エアミック
スダンパ用サーボモータ26、冷風バイパス用サーボモ
ータ27を駆動制御してエアミックスダンパ8,9、冷
風バイパス用ダンパ17の開度を制御する。また、コン
トローラ20は、ブロワ用コントローラ28を介して送
風機2を制御して風量を調整する。さらに、コントロー
ラ20は、内外気サーボモータ29、モード切替サーボ
モータ30を駆動制御して内外切替ダンパ3、モード切
替ダンパ18,19を開閉制御する。
【0023】次に、このように構成した車両用空調装置
の作用を説明する。図2には、コントローラ20内のマ
イクロコンピュータが実行する処理を示す。
【0024】コントローラ20は、ステップ101で内
気センサ21による内気温Tr 、外気センサ22による
外気温Tam、温度設定器24による設定温度Tset 、日
射センサ40からの電流値ia ,ib ,ic を読み込
み、ステップ102で日射なし条件下における目標吹出
温度TAOBを数式4に従って算出する。
【0025】
【数4】 TAOB=Kset ・Tset ─Kr ・Tr ─Kam・Tam+C ただし、Kset ;温度設定ゲイン、Kr ;内気温度ゲイ
ン、Kam;外気温度ゲイン、C;補正定数。
【0026】そして、コントローラ20は、ステップ1
03で図3に示すマップを用いて、目標吹出温度TAO
Bから日射なし条件下における基本風量VA1を決定す
る。次に、コントローラ20は、ステップ104で日射
なし条件下におけるフェイス基本目標吹出温度TVとフ
ット基本目標吹出温度TAHとを算出する。つまり、図
4に示すように、目標吹出温度TAOBに対し、フェイ
ス基本目標吹出温度TVは設定温度Tset (図4では2
5℃)以下の温度として上限値を設定する。また、フッ
ト基本目標吹出温度TAHは35℃以上として下限値を
設定する。このようにして、フェイス吹出口13から設
定温度Tset 以上の風を吹き出さず、一方、フット吹出
口15からは35℃以下の風を吹き出させないようにす
る。
【0027】そして、コントローラ20は、ステップ1
05では、日射センサ40からの信号により日射に基づ
く車両受熱量Qs を数式2を用いて演算すると共に、図
5のマップを用いて車両受熱量Qs に対応するフェイス
吹出温度低下量ΔTを決定する。
【0028】さらに、コントローラ20は、ステップ1
06でフェイス目標吹出温度TAVを算出する。つま
り、目標吹出温度TAOBとフェイス吹出温度低下量Δ
Tとを足し合わせたものをフェイス目標吹出温度TAV
(=TAOB+ΔT)とする。
【0029】コントローラ20は、ステップ107で数
式5を用いて目標吹出温度TAOBと設定温度Tset と
フット基本目標吹出温度TAHとから日射なし条件下に
おける仮吹出口モード比Pを算出する。なお、仮吹出口
モード比Pとは、基本風量VA1に対するフット風量V
AHの比(P=VAH/VA1)である。
【0030】
【数5】 P=(TAOB−Tset )/(TAH−Tset ) ここで、日射なし条件下の仮吹出口モード比Pについて
説明する。
【0031】図4に示したように、乗員のフィーリング
からフット基本目標吹出温度TAHは35℃以下の風を
吹き出さないように決め、且つ、フェイス基本目標吹出
温度TVは設定温度Tset 以上の風を吹き出さないよう
に決めている。
【0032】今、フット吹出口15から風が出ている暖
房時を想定する。フット吹出口15からの空調に必要な
必要風量VAHとフット基本目標吹出温度TAHによる
暖房能力が、基本風量VA1と目標吹出温度TAOによ
る暖房能力と平衡すると考える。ここで、フット吹出口
15からの空調に必要な必要風量VAH=P・VA1で
あるから、上記熱平衡関係を表す熱平衡式は、空気の定
圧比熱をCp 、空気の比重量をγとすると、
【0033】
【数6】 Cp ・γ・(TAOB−Tr )・VA1 =Cp ・γ・(TAH−Tr )・P・VA1 より
【0034】
【数7】P=(TAOB−Tr )/(TAH−Tr ) となる。定常状態で考え、Tr (車室内温度)=Tset
(設定温度)とすると、前記数式5が導出される。
【0035】次に、コントローラ20は、ステップ10
8で基本風量VA1と仮吹出口モード比Pとを乗算して
フット風量VAH(=P・VA1)を算出し、ステップ
109においては、コントローラ20内に組み込まれた
マイクロコンピュータから成る本発明の制御手段M11
(図10)が、ステップ105にて仰角θおよび方位角
φを演算し、その仰角θおよび方位角φに応じた日射補
正値を図7のマップから決定すると共に制御信号を出力
する。また、日射による車両受熱量増分をフェイス吹出
口13からの風で打ち消すために、日射によるフェイス
吹出口13からの増加風量DVAVを算出する。
【0036】以下に、この処理を詳細に説明する。今、
日射なし条件下を想定し、フェイス目標吹出温度TA
V、フェイス吹出風量(1─P)×VA1で空調状態が
安定していると考えると、日射有時には、日射による車
両受熱量Qs に対応した冷房能力を追加するためにフェ
イス目標吹出温度TAVを下げ、フェイス吹出口13か
らの風量増加を行う必要がある。これらの考え方で式を
表すと数式8のようになる。ここで、供給熱量とはフェ
イス吹出口からの供給熱量である。また、空気の定圧比
熱をCp 、空気の比重量をγとする。
【0037】
【数8】(日射有時の供給熱量)─(日射無時の供給熱
量)+Qs =0
【0038】
【数9】 (日射有時の供給熱量) =Cp ・γ・(TAV─Tr )・{(1─P)・VA1+DVAV}
【0039】
【数10】 (日射無時の供給熱量) =Cp ・γ・(TAV─Tr )・(1─P)・VA1 数式9,数式10より、
【0040】
【数11】 Cp ・γ・(TAV─Tr )・{(1─P)・VA1+DVAV} ─Cp ・γ・(TAV─Tr )・(1─P)・VA1+Qs =0
【0041】
【数12】 となる。
【0042】また、定常状態で上式を考え、Tr =Tse
t (車室内温度=設定温度)とすると、次のようにな
る。
【0043】
【数13】 ここで、日射補正制御として「日射による車両受熱量Q
s をフェイス吹出口13からの風で打ち消す」ことから
日射による増加風量DVAVが大きくなり、これに伴い
全体風量VAが増加し、日射条件によっては、送風機2
のモータ最大風量H1以上の目標風量VAが出力される
こととなる。このようなときには、目標風量をハード面
で達成できず熱バランスを崩し、また、送風機2のモー
タ最大風量H1になりっぱなしとなり、モータ音が乗員
フィーリングに悪影響を及ぼす。また、フェイス風量V
AVが多いため、乗員へのドラフト感も強まる。
【0044】そこで、この日射補正制御において、日射
によるフェイス増加風量算出式(数式13)中の車両受
熱量Qs は、日射により乗員が直接受ける受熱量や車体
を通して乗員が受ける受熱量等、日射によって車両に影
響を及ぼす熱負荷すべてを織り込んだ値である。
【0045】そこで、本発明の車両用空調装置によれ
ば、車両受熱量Qs すべてをフェイス吹出口13からの
風で補正するのではなく、車両受熱量Qs を日射により
乗員が直接受ける受熱量Qsaと車体を通して乗員が受け
る受熱量Qsbとに分けて考える。そして、日射の水平方
向に対する仰角θと車両の進行方向に対する方位角φと
に対応した所定の補正値αと車両受熱量Qs とを用いて
ステップ109内の補正値演算手段M8を成す演算プロ
グラムを実行してQsaを算出する。この場合、乗員のフ
ィーリングに直接影響を与える熱負荷Qsaを車両受熱量
Qs の0.2 倍ないし0.8 倍と想定している。よって、Q
saとQsbは、以下のようになる。
【0046】
【数14】 Qsa=α・Qs (α=0.2 ないし0.8 )
【0047】
【数15】 Qsb=(1─α)・Qs (α=0.2 ないし0.8 ) なお、予め図7に示すようなマップの空調補正データに
αの値を入力しておく。ここで、図7のマップ上の斜線
部は、図6の(a),(b)における斜線部、つまり、
乗員が直接日射を受けない仰角θおよび方位角φの領域
を示す。そして、図7のマップ上の斜線部では、該斜線
部以外の領域(α=0.8 に設定されている)に比べて補
正値αが小さい値、ここではα=0.2 に設定されてい
る。つまり、図7のマップ上の斜線部は乗員が直接受け
る受熱量Qsaが小さい領域を示している。
【0048】従って、「乗員のフィーリングに直接影響
を与える熱負荷Qsa(=α・Qs )をフェイス吹出口1
3からの風で補正する」という方式にする。具体的に
は、前記数式13の代わりに次式を用いる。
【0049】
【数16】 このような処理の後、コントローラ20は、図2のステ
ップ110で数式17にてフェイス風量VAVを算出す
る。
【0050】
【数17】VAV=(1─P)・VA+DVAV そして、コントローラ20は、ステップ111でフェイ
ス風量VAVとフット風量VAHを加算して全体風量V
A(=VAV+VAH)を算出する。
【0051】次に、コントローラ20は、ステップ11
2で数式18により日射補正後の吹出口モード比Sを算
出する。
【0052】
【数18】 S=VAH/VA=VAH/(VAV+VAH) コントローラ20は、この吹出口モード比SがS≦0な
らばフェイス吹出口13からの風を吹き出させるフェイ
スモードを、0<S<1ならばフェイス吹出口13とフ
ット吹出口15の両方から風を吹き出させるバイレベル
モードを、S≧1ならばフット吹出口15から風を吹き
出させるフットモードを設定する。
【0053】コントローラ20は、ステップ113でこ
のように求めた目標値(制御信号)から制御信号Cs を
求めて、これを出力し、この目標値を達成するように各
アクチュエータを駆動制御する。つまり、図1のエアミ
ックスダンパ用サーボモータ26、冷風バイパス用サー
ボモータ27、ブロワ用コントローラ28、モード切換
サーボモータ30を駆動してエアミックスダンパ8,9
の開度、冷風バイパス用ダンパ17の開度、送風機2の
風量、モード切換ダンパ18,19の開度をそれぞれ制
御する。
【0054】このように本実施例では、日射の無い状態
で設定温度Tset と車両内外気温Tr ,Tamにより非日
射時吹出風温度(目標吹出温度TAOB)を算出し、非
日射吹出風温度(TAOB)下での非日射時風量(基本
風量VA1)を決定し、日射の有る状態で検出された日
射より非日射時吹出風温度を補正して日射時吹出風温度
(フェイス目標吹出温度TAV)を算出するとともに仰
角θおよび方位角φに応じた補正値を制御手段M11内
のステップ109の実行(ソフトウェア処理)により求
め、そして、日射時吹出風温度下での熱平衡式(数式
5)により風量補正値(フェイス増加風量DVAV)を
算出し、該風量補正値により非日射時風量を補正するよ
うにしたので、乗員に冷風感を与えない日射時吹出風温
度が算出されて乗員に直接吹出風が当たっても快適さを
損なうことがない。
【0055】また、この日射時吹出風温度下での熱平衡
式により非日射時風量を補正して日射時風量を算出する
ことから車室内温度が大きく変動することが防止され
る。さらに、日射による車両受熱量Qs を乗員のフィー
リングに直接影響を与えるものと間接的に与えるものと
に分離し、前者をフェイス吹出口13からの風量で補正
することにより送風機2の大風量を抑制し、乗員のフィ
ーリングに合った日射補正制御が可能となる。
【0056】次に、その他の実施例について述べる。上
記一実施例において、乗員のフィーリングに直接影響を
与えない熱負荷Qsb(Qsb=Qs ─Qsa)を前記ステッ
プ102における目標吹出温度TAOBに反映させるこ
とにより、更に、熱バランスを保つことができる。即
ち、目標吹出温度TAOBの式を数式4に代えて次式を
用いることとする。そして、このようにする場合には、
Qs ,θ,φおよびQsaの算出はステップ109内では
なくステップ102の前段で行う必要がある。
【0057】
【数19】 TAOB=Kset ・Tset −Kr ・Tr −Kam・Tam−Kqs・Qsb+C なお、上記一実施例において、仰角θおよび方位角φに
応じた補正値をマップ上にて、乗員が直接日射を受ける
場合と直接日射を受けない場合とに分け、それぞれの補
正値をα=0.2 ないし0.8 と設定したが、これに限ら
ず、仰角θおよび方位角φに応じて補正値を0<α<1
の範囲内で種々変更することも可能である。
【0058】また、上記一実施例では、補正値αを頻繁
に変更する構成としたが、日射を直接受ける時と直接日
射を受けない時の制御を滑らかにつなぐために、これら
の制御間に一時遅れを持たせてもよい。
【0059】そのためには、数式20のように補正値の
旧の値(n−1回目の値)αOLD と今の値αNOW とから
新の値αNEW を導く。
【0060】
【数20】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用空調装置に係わる一実施例の全
体構成図である。
【図2】本発明の車両用空調装置に係わる上記実施例の
コントローラ内での処理を説明するためのフローチャー
トである。
【図3】上記一実施例における目標吹出温度TAOBと
基本風量VA1の関係を示すマップである。
【図4】上記一実施例におけるフェイス基本目標吹出温
度とフット基本目標吹出温度の算出を説明するための図
である。
【図5】上記実施例における車両受熱量Qs とフェイス
吹出温度低下量ΔTの関係を示すマップである。
【図6】上記一実施例に関連して、乗員が直接日射を受
けない入射光角度の領域を示す模式図であり、(a)は
正面図、(b)は側面図を示す。
【図7】上記一実施例の補正値演算手段を成す空調補正
データ(マップ)である。
【図8】上記一実施例に使用される日射センサの平面図
である。
【図9】上記一実施例に使用される上記日射センサの断
面図である。
【図10】上記一実施例に関連して、水平方向に対する
仰角θおよび車両Vの進行方向に対する方位角φを説明
する模式図である。
【図11】本発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
40 日射センサ 109 入射光角度検出手段M7および補正値演算手段
M8を有するステップ 109ないし113 制御信号出力手段M9を有するス
テップ 8,9 空調手段M10の一部をなすエアミックスダン
パ 20 制御手段M11を内蔵するコントローラ V 車両 Tset 設定温度 θ 日射仰角 φ 日射方位角 α 補正値 Cs 制御信号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 日射により車両が受ける日射を日射セン
    サにて検出し、該日射に応じて前記車両内の温度を調整
    して所望の設定温度に近づけるための空調制御を行う制
    御手段ならびに該制御手段からの制御信号に基づいて前
    記車両内の温度を調整する空調手段とを具備した車両用
    空調装置において、 前記日射センサは、前記日射に応じた日射信号を出力す
    ると共に、該日射信号の中に水平方向に対する前記日射
    の仰角および前記車両の進行方向に対する前記日射の方
    位角を表す信号成分を含むセンサから成り、 前記制御手段はマイクロコンピュータから成り、該制御
    手段内に、 前記日射センサから出力された前記日射信号によって、
    前記仰角および前記方位角を電気的に検出する入射光角
    度検出手段、 前記仰角および前記方位角に対応して所定の補正値を電
    気的に決定する補正値演算手段、および前記日射センサ
    からの日射信号と前記補正値演算手段によって決定され
    た前記補正値とを演算して前記制御信号を求め、且つ該
    制御信号を出力する制御信号出力手段を具備したことを
    特徴とする車両用空調装置。
JP26865892A 1992-10-07 1992-10-07 車両用空調装置 Pending JPH06115339A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003021688A (ja) * 2001-07-06 2003-01-24 Honda Motor Co Ltd 日射センサ
JP2010276421A (ja) * 2009-05-27 2010-12-09 Denso Corp 移動体用光センサ装置

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