JP2816753B2 - 自動車用空調装置の空調バランス制御装置 - Google Patents

自動車用空調装置の空調バランス制御装置

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JP2816753B2
JP2816753B2 JP19202290A JP19202290A JP2816753B2 JP 2816753 B2 JP2816753 B2 JP 2816753B2 JP 19202290 A JP19202290 A JP 19202290A JP 19202290 A JP19202290 A JP 19202290A JP 2816753 B2 JP2816753 B2 JP 2816753B2
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義彦 桜井
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、車室内の左右の配風バランスを設定する
配風比調節レバーを備え、このレバーの設定状態を加味
しながら車室内の空調を自動調節する自動車用空調装置
の空調バランス制御装置に関する。
(従来の技術) 車室内の左右の日射量に応じて車室左右の配風比を変
更させる装置は、従来、例えば特公昭58−50884号公報
に示されるもの等において公知である。
これは、左右の配風比をマニュアルで設定する設定手
段を設け、この設定手段を用いて配風比の設定を左右の
どちらかに偏らせた場合に、日射量に応じて算出される
配風比をさらに乗員の好みに合わせて変えられるように
し、日射検出による空調バランスと手動設定による空調
バランスとの調節を図りつつ実際の配風比を決定するも
のである。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、オートによる車室内の温度制御には車
室内温度等の計測が必要不可欠になるが、この車室内温
度を検出する車室内温度センサ(インカーセンサー)は
一般にアシスト側の足元に設置されるので、上述の従来
の技術によれば、ドライバー側の風量を大きくするよう
にマニュアル設定してアシスト側の風量を少なくする
と、インカーセンサーの周囲の空気循環が悪くなり、そ
の部分の温度変化が遅くなって実際に望む温調にそぐわ
ない制御が行なわれてしまう欠点があった。
例えば、送風能力が大きくなる急速冷房処理から送風
能力が小さくなる安定冷房制御に移行するような場合、
ドライバー側の配風比を大きくする設定を行なうと、イ
ンカーセンサーの応答遅れのために送風量の低下する時
期が遅れてしまい、ドライバー側が冷房過多になる不具
合を生じる。
また、例えば、ドライバー側の配風比を大きくするよ
うに制定した状態で、送風量を変更する温調補正が行な
われると、一般のオートエアコンでは、左右均等に風が
出る場合を基準にてチューニングが行なわれているの
で、ドライバー側の風量変化が大きくなり過ぎ、乗員の
フィーリングを悪化させる場合もある。
このような風量変化が大きく感じる現象は、冷風を直
接ベント吹出口へ送る冷風バイパス通路を備えたものに
おいても顕著に現われる。
そこで、この発明においては、マニュアルにて左右の
配風バランスが片側寄りに設定されても、必要とする温
調制御を適切に行ない、配風比が大きくなる側の冷房過
多と風量の大きな変化を防止する自動車用空調装置の空
調バランス制御装置を提供することを課題としている。
(課題を解決するための手段) しかして、この発明の要旨とするところは、送風機に
より空調通路に吸引された空気を冷却または加熱手段を
介してその温度を調節し、車室内の左右の配風比を変更
する配風比変更手段200を介して前記空気を開かれてい
る吹出口から車室内に供給する自動車用空調装置におい
て、車室左右の配風を設定する配風比設定手段210と、
日射センサにより検出された日射信号に基づいて車室内
の日射条件を演算する日射条件演算手段220と、前記配
風比設定手段210と日射条件演算手段220とからの出力信
号に基づいて前記配風比変更手段200を駆動制御する配
風比制御手段230と、車室内の熱負荷に関連する因子を
検出する熱負荷検出手段240と、この熱負荷検出手段240
により検出された熱負荷に関連する因子に基づいて空調
機器の制御量を所定の特性パターンが得られるように決
定する制御量決定手段250と、この制御量決定手段250に
より決定された制御量により前記空調機器を駆動する駆
動手段260と、前記配風比設定手段210で設定された配風
比が所定比より不均衡に設定されたか否かを判定する判
定手段270と、この判定手段270により配風比が所定比よ
り不均衡であると判定された場合に、前記空調機器の制
御量を小さくあるいは前記特性パターンの低減開始域が
高熱負荷側へずれるように補正する補正手段280とを具
備することにある。
(作用) したがって、配風比設定手段による配風比の設定と日
射条件演算手段による日射条件とに応じて配風比変更手
段が駆動され、前記配風比設定手段で設定された配風比
が所定比より均衡である場合には、所定の特性パターン
が得られうように送風機等が駆動される。これに対し
て、設定された配風比が所定比より不均衡である場合に
は、補正手段により空調機器の制御量が小さくあるいは
低減開始域が高熱負荷側へずれる特性パターンになるよ
うに制御量が補正され、例えば、送風機であればその回
転数が小さくなり、あるいは車室内の熱負荷が高い状態
から低い状態へ移行する過程で送風機の回転落ちが早い
時期に行なわれ、そのため、上記課題を達成することが
できるものである。
(実施例) 以下、この発明の実施例を図面により説明する。
第2図において、自動車用空調制御装置は、空調ダク
ト1の最上流側にインテークドア切替装置2が設けら
れ、このインテークドア切替装置2は内気入口3と外気
入口4とが分かれた部分に内外気切替ドア5が配置さ
れ、この内外気切替ドア5をアクチュエータ6により操
作して空調ダクト1内に導入する空気を内気と外気とに
選択することにより所望の吸入モードが得られるように
なっている。
送風機7は、空調ダクト1内に空気を吸い込んで下流
側に送風するもので、この送風機7の後方にはエバポレ
ータ8が設けられている。このエバポレータ8は、コン
プレッサ9、コンデンサ10、レシーバタンク11、エクス
パンションバルブ12と共に配管結合されて冷凍サイクル
を構成しており、上述のコンプレッサ9はエンジン13に
電磁クラッチ14を介して連結され、この電磁クラッチ14
を断続することで駆動が制御されるようになっている。
前記エバポレータ8の後方には、ヒータコア15が配置
され、このヒータコア15の上流側にはエアミックスドア
16が設けられており、このエアミックスドア16の開度を
アクチュエータ17により調節することで、前記ヒータコ
ア15を通過する空気と、前記ヒータコア15をバイパスす
る空気との割合が変えられ、これにより吹出空気の温度
が制御されるようになっている。
そして、前記空調ダクト1の下流側は、デフロスト吹
出口18、ベント吹出口19及び足元吹出口20が車室32に開
口し、それぞれの吹出口にモードドア21a〜21cが設けら
れており、これらモードドア21a〜21cをアクチュエータ
22で選択的に開閉することで吹出モードが変えられるよ
うになっている。
また、モードドア21bの後流側には車室32内の右側位
置にて開口する右側吹出口23、同じく左側位置にて開口
する左側吹出口24及び中央吹出口25とが設けられてお
り、中央吹出口25は仕切り板26によって、さらに右側中
央吹出口25a及び左側中央吹出口25bに分割されている。
そして、仕切り板26の前方、即ち空調ダクト1の上流側
には配風ドア27が設けられており、この配風ドア27をア
クチュエータ28により開閉することにより、上述した右
側吹出口23及び右側中央吹出口25aからの吹出風量と、
左側吹出口24及び左側中央吹出口25bからの吹出風量を
調節できるようになっている。
また、この装置には空調ダクト1の一部をバイパスす
る冷風バイパス通路29が設けられている。具体的には、
冷風バイパス通路29は、一端が空調ダクト1のエバポレ
ータ8よりも下流側で且つエアミックスドア16よりも上
流側に、他単がベント吹出口19の手前にそれぞれ接続さ
れており、エバポレータ8を通過した空気の一部を直接
ベント吹出口19へ供給できるようになっている。そし
て、この冷風バイパス通路29を介して供給される冷風量
は、この通路29内に設けられる冷風バイパスドア30の開
度をアクチュエータ31で制御することで調節できるよう
になっている。
そして、前記アクチュエータ6,17,22,28,31、送風機
7のモータ、電磁クラッチ14は、それぞれ駆動回路46a,
46b,46c,46d,46e,46f,46gからの出力信号に基づいて制
御され、この駆動回路46a〜46gはマイクロコンピュータ
47に接続されている。
一方、左右の日射量SR1,SL1を検出する日射センサ4
8、外気の温度Taを検出する外気温度センサ49、車室内
の温度Trを検出する車室内温度センサ(インカーセンサ
ー)50、エバポレータ8の後流側の温度Teを検出するモ
ードセンサ51、乗員の頭部近傍の温度を検出する車室内
頭部温度センサ52等からの検出信号はマルチプレクタ54
によって選択されてA/D変換器55に入力され、ここでデ
ジタル信号に変換された後、前記マイクロコンピュータ
47に入力される。
さらに、マイクロコンピュータ47には操作パネル57、
頭部温度設定機58及び配風設定器59からの信号が入力さ
れるようになっている。
操作パネル57は、送風機等の空調機器の全てを自動制
御状態とするAUTOスイッチ57a、空調機器の駆動を停止
させるOFFスイッチ57b、手動により冷房サイクルを始動
するA/Cスイッチ57c、吹出モードをVENTモード、BI−L
モード、HEATモード及びDEFモードに設定するためのモ
ードスイッチ57d〜57g、送風機7の回転速度を低速(FA
N1)、中速(FAN2)、高速(FAN3)に切り替えるファン
スイッチ57h〜57j、車室内の設定温度Tdを調節するため
の温度設定器60を備えているものである。ここで、温度
設定器60は、アップダウンスイッチ60a,60bと設定温度
を表示する表示部60cとから成り、アップダウンスイッ
チ60a,60bの操作で表示部60cに示される設定温度を所定
の範囲で変えることができるようになっているものであ
る。
また、頭部温度設定器58は、例えばダイヤル58aを有
しており、このダイヤル58aを操作することで予め設定
された所定の範囲において頭部設定温度Thsを変えるこ
とができるようになっているものである。
さらに、配風設定器59は、先に説明した配風ドア27の
位置を手動設定するためのもので、配風レバー59aを中
央位置から左方向(図中「L」と記入された方向)また
は右方向(図中「R」と記入された方向)に移動するに
伴い、左側吹出口24及び左側中央吹出口25b、または右
側吹出口23及び右側中央吹出口25aからの吹出量が増大
するよう作用するものである。
次に、前記マイクロコンピュータ47の空調制御作動例
を第3図に示すフローチャートにより説明する。
マイクロコンピュータ47は、スタートステップ50より
処理を開始し、ステップ52では各センサの検出値のデー
タ入力処理を行なう。即ち、日射センサ48、外気温度セ
ンサ49、車室内温度センサ50、モードセンサ51、車室内
頭部温度センサ52からの各検出値SR1,SL1,Ta,Tr,Te,Trh
を当該マイクロコンピュータ47に入力する。
次のステップ54においては、アップダウンスイッチ60
a,60bにより操作設定された車室内温度Tsetのデータ入
力処理を行ない、ステップ56の日射一次遅延処理ルーチ
ンに進む。この日射一次遅延処理ルーチンについては当
該実施例では詳述しないが、日射量SR1,SL1の時間変化
に対する急激な立ち上がりを漸増する形に補正して例え
ばSR2,SL2とするもので、日射量の立ち上がりに伴う空
調の変化を滑らかにしようとするものである。
次のステップ58の日射方位演算ルーチン(後述す
る。)では日射方位の演算を行ない、ステップ60の日射
量演算ルーチン(後述する。)へ進む。このステップ60
の日射量演算ルーチンでは日射量Tsの演算を行ない、ス
テップ62へ進む。このステップ62の日射量二次遅延処理
ルーチンについては当該実施例では詳述しないが、ステ
ップ56における日射量補正値SR2,SL2の時間変化に対す
る急激な立ち下がりを漸次減少する形に補正して、それ
に伴う空調の変化を滑らかにしようとするものである。
そして、次のステップ64へ進み、総合信号Tの演算を
行なう。この総合信号Tの演算は、例えば前記各センサ
の検出値を(1)式を用いて行なう。
T=Tr+KaTa+KsTs+KeTe−KsetTset+C……(1) ここでKa,Ks,Ke,Ksetは利得定数、Cは演算定数であ
る。
次のステップ66は、左右配風ドアの制御量を演算する
ルーチンで、具体的内容は後述するが、その概略は、前
記日射量Tsと車室内頭部温度Trhとに基づいて左右の配
風制御の制御方式(オートかマニュアルか)を判定し、
決定した制御方式における左右配風ドア27の制御量を演
算するものである。
そして、次のステップ68では、前記ステップ66で演算
されな左右配風ドア27の制御量に基づいて駆動回路46d
へ制御信号を送り、アクチュエータ28を介して左右配風
ドア27を駆動させる。
その後、ステップ70において、前記ステップ64で演算
した総合信号Tやステップ60で演算した日射量等の熱負
荷に関連した信号をもとに空調機器の制御信号を演算
し、次のステップ72において、ステップ70で演算された
制御量に基づいて駆動回路へ制御信号を送り、空調機器
を駆動させる。
次に、前記ステップ58における日射方位演算のルーチ
ン例を第4図に基づいて説明する。
このルーチンはステップ90から処理を開始し、ステッ
プ92では右側日射センサSRが故障(ショート故障)して
いるか否かを判定し、YESであればステップ94へ進んで
日射方位を中央とし、その後リターンステップ104へ進
んでメインルーチンへ戻る。NOであればステップ96へ進
む。
ステップ96では左側日射センサSLが故障(ショート故
障)しているか否かを判定し、YESであれば前記ステッ
プ94へ進み、NOであればステップ98へ進んで右側日射セ
ンサの検出値SR1と左側日射センサの検出値SL1の大きさ
を比較し、SR1≧SL1であればステップ101へ進み、SR1
SL1であればステップ102へ進む。
前記ステップ101においては日射右方向の演算、即ち
車両進行方向に対して右方向の日射方位角度をDRとする
と、DR=K1・(SR1−SL1)/SR1(但し、K1は定数)の演
算を行なった後、リターンステップ104へ進む。
前記ステップ102では日射左方向の演算、即ち車両進
行方向に対して左方向の日射方位角度をDLとすると、DL
=K1・(SL1−SR1)/SL1(但し、K1は定数)の演算を行
なった後、リターンステップ104へ進む。
次に、ステップ60における日射量演算のルーチン例を
第5図に基づいて説明する。
このルーチンは、ステップ110から処理を開始し、ス
テップ112においては右側日射センサSRが故障(ショー
ト故障)しているか否かを判定し、YESであればステッ
プ114へ進み、NOであればステップ116へ進む。
前記ステップ114では左側日射センサSLが故障(ショ
ート故障)しているか否かを判定し、YESであればステ
ップ118へ進んで日射量(日射強度)Tsに零を設定した
後、リターンステップ132へ進む。NOであればステップ1
20へ進んで日射量Tsに左側日射センサSLの検出値SL1
設定して、前記リターンステップ132へ進む。
前記ステップ116においては、左側日射センサSLが故
障(ショート故障)しているか否かを判定し、YESであ
ればステップ122へ進み、NOであればステップ124へ進
む。
前記ステップ122では日射量Tsに右側日射センサSR
検出値SR1を設定して、前記リターンステップ132へ進
む。前記ステップ124においては右側日射センサSRの検
出値SR1と左側日射センサSLの検出値SL1の大きさを比較
し、SR1≧SL1であればステップ126へ進み、SR1<SL1
あればステップ128へ進む。
ステップ126においては、右側日射センサSRの検出値S
R1と、右側日射センサSRの検出値SR1と左側日射センサS
Lの検出値SL1との合成値(SR1+SL1)/K2(但し、K2
定数)とを比較し、(SR1+SL1)/K2≧SR1であればステ
ップ130へ進み、(SR1+SL1)/K2<SR1であれば前記ス
テップ122へ進む。一方、前記ステップ128においては左
側日射センサSLの検出値SL1と、右側日射センサSRの検
出値SR1と左側日射センサSLの検出値SL1との合成値(S
R1+SL1)/K2(但し、K2は定数)とを比較し、(SR1+S
L1)/K2≧SL1であればステップ130へ進み、(SR1
SL1)/K2<SL1であれば前記ステップ120へ進む。
前記ステップ130においては、日射量Tsに前記右側日
射センサSRの検出値SR1と左側日射センサSLの検出値SL1
との合成値(SR1+SL1)/K2を設定して前記リターンス
テップ132へ進み、前述したメインルーチンに復帰す
る。
次に、ステップ66における配風ドア制御量演算のルー
チン例を第6図に示すフローチャートに基づいて説明す
る。
このルーチンはステップ140から処理を開始し、ステ
ップ142では配風レバー59aの設定位置が左端か否かの判
定を行ない、YESであればステップ144へ進んで左側吹出
口20を全開固定としリターンステップ166へ進み、NOで
あればステップ146へ進む。
ステップ146では配風レバー39の設定位置が右端か否
かの判定を行ない、YESであればステップ148へ進んで右
側吹出口23を全開固定としリターンステップ166へ進
み、NOであればステップ150へ進む。
ステップ150では、吹出モードがベントモードである
か否かの判定を行ない、YESであればステップ154へ進
み、NOであればステップ152へ進む。このステップ152で
は、吹出モードがバイレベルモードであるか否かを判定
し、YESであれば前記ステップ154へ進み、NOであればス
テップ156へ進んで左右配風ドア27を中央に固定してリ
ターンステップ166へ進む。
前記ステップ154においては、前述した日射量Ts(こ
の日射量Tsは、従来のように左右の日射センサの検出値
の差ではなく、第5図のフローチャートの処理によって
演算される二つの日射検出値SR1,SL1の合成値であ
る。)と車室内頭部温度Trhに基づいて、車室内の左右
の配風制御をオートとするかマニュアルとするかを決定
するための演算を行なう。即ち、第7図に示すように日
射量Tsが所定量(例えば、同図では2.0)以上で、車室
内頭部温度Trhが例えば35℃以下の時〔領域(A)に属
する時〕にはオート制御とし(35℃以上の時でも日射量
Tsが比較的大きい時はオート制御)、日射量Tsが所定量
(例えば、同図では1.5)以下の時や、車室内頭部温度T
rhが比較的高く例えば35℃以上の時〔領域(B)に属す
る時〕にはマニュアル制御とする。なお、領域(C)は
不感帯である。
その後ステップ158へ進み、車室内設定温度Tsetが最
低温度(MAX COOL)に設定されているか否かを判定
し、YESであればステップ160へ進み、NOであればステッ
プ162へ進む。このステップ162においては、前記ステッ
プ154の演算結果がオート制御であるか否かを判定し、Y
ESであればステップ164へ進み、NOであれば前記ステッ
プ160へ進む。
ステップ160においては配風レバー39により左右配風
のマニュアル設定を行なう。即ち、第8図の右側に示す
ように、マニュアル設定においては、配風レバー39の設
定位置と左右の吹出口20,21の風量割合(左右配風ドア2
4の開度)は正比例関係にあり、配風レバー59aの操作で
乗員の望む配風比を設定できるようにしたものである。
このステップ160の後はリターンステップ166へ進む。
また、前記ステップ164においてはオート制御による
左右配風の制御量の演算を行なう。即ち第8図に示すよ
うに、左右の日射検出値SR1,SL1に基づいて演算された
日射方位に応じて左右の配風割合を決定する。同図にお
いて、例えば日射方位が+40゜から+60゜(−40゜から
−60゜)に変化した時、即ち、車両の右方向から日射が
さして主に運転席側に日射が当たっている場合(車両の
左方向から日射がさして主に助手席側に日射が当たって
いる場合)は、右側吹出口23及び右側中央吹出口25a
(左側吹出口24及び左側中央吹出口25b)の配風増加割
合は例えば30%であり、この制御特性は、同図の破線で
示すように、配風レバー59aの設定位置に応じて配風ド
ア27の位置を左右どちらかに移動するものである。この
ステップ164の後はリターンステップ166へ進み、前述し
たメインルーチンに復帰する。
第9図において、前記ステップ70における空調機器の
制御量演算のうち、送風機(FAN)への印加電圧を演算
するルーチン例が示されている。
このルーチンにおいては、ステップ170で送風機7が
オートモードで作動しているかマニュアルモードで作動
しているかを判定し、マニュアルモードで作動している
場合には、ステップ172へ進み、送風機7をFANスイッチ
57h〜57jの設定で決まる回転数によってマニュアル駆動
させる。
これに対して、オートモードで送風機7が作動してい
る場合には、ステップ174へ進み、配風設定器59の配風
レバー59aが右端寄りに設定されて、ドライバー側の配
風比率がアシスト側よりも増大する状態にあるか否かを
判定する。
言い換えれば、このステップ174においては、車室左
右の配風比が所定比より不均衡であるか否かを判定して
いるもので、ここにおいて所定比は、配風レバー59aの
位置がほとんど右端にある配風比を用いても、コントロ
ールレバーが中央にある配風比(1:1)を用いても差し
支えない。
ステップ174において、配風レバー59aが前記所定比を
設定する位置より左側にある場合には、ステップ176へ
進み、第10図の実線で示す予め設定された所定の特性パ
ターンが得られるように送風機7への印加電圧〔V〕が
決定される。即ち、冷房負荷または暖房負荷が所定域を
越えて大きくなるにつれて印加電圧〔V〕が徐々に増大
し、高熱負荷(高冷房負荷時または高暖房負荷時)にお
いて送風機7が高速(HI)になるようにしてあり、特に
高冷房負荷時には、急速クールダウンを実現するために
更に高速になる領域を設けてある。
これに対して、前記ステップ174で、配風レバー59aが
前記所定比を設定する位置より右側にある場合には、ス
テップ178へ進み、第10図の波線で示すように、高冷房
負荷時の特性を送風機7の制御量の低減開始域が高熱負
荷側へずれるように補正する。即ち、低減開始域を高熱
負荷側へずらす補正のやり方には、実線で示す特性パタ
ーンをそのまま図中右方向へずらす方法と、実線で示す
特性パターンの傾斜をゆるやかにする方法とが考えられ
るが、この実施例では、便宜上、その両方の方法により
送風機7の回転数の低減開始域を高冷房負荷側へずらし
ている。
尚、低減開始域の高熱負荷側への移行は、上述したい
ずれかの方法のみを利用するようにしてもよい。また、
その特性パターンは、配風比を大きく偏らせて配風量が
大きくなる側を基準にチューニングした実験結果により
導かれる。
したがって、以上のブロワ制御を用いれば、急速クー
ルダウン時に送風機7が高速で回転している状態から車
室内温度が低下して熱負荷が小さくなってくると、車室
内の右側の配風比率が所定比率より大きい場合は、所定
比率より小さい場合に比べて送風機7の回転落ちが速く
なる。このため、ドライバー側への配風量を増大したこ
とによりアシスト側の足元の空気循環が悪くなり、そこ
に取付けられているインカーセンサー50の応答が遅れれ
ばその分総合信号Tの低下が遅れるが、このような状態
においては、送風機7の回転落ちが速くなる(Tの値が
大きくても送風機7の回転数が低下する)ので、実際の
空調状態を左右の配風比が偏らない場合に当初予定され
ていたチューニング状態になるように補正することがで
きるものである。
また、温度設定器の設定変更等による温調補正が行な
われる時においても、ドライバー側の配風比率が大きく
なる場合には、その配風比率でチューニングされた適切
な送風量が得られるようになり、ドライバー側の風量の
大きさ変化を抑えることができる。
第11図において、前記ステップ70の他の演算ルーチン
例が示され、このルーチンにおいては、ステップ180,18
2,184は第9図におけるステップ170,172,174の処理と同
様であるが、ステップ184において、配風レバー59aが所
定比を設定する位置より左側にあると判定された場合に
は、ステップ186へ進み、第12図の実線で示すように、
送風機7のLOW風量領域(第10図参照)の風量レベル
(印加電圧)を日射量に比例して徐々に大きくし、日射
量が所定量α以上になれば一定のレベル(印加電圧で例
えば2V)にする。これは、車室内の温調が十分に行なわ
れて安定状態にある場合には送風機7の回転数がLOW領
域に入るので、日射による車室内の熱負荷の変動に合わ
せてこの領域の風量を調節するためである。
これに対して、ステップ184において、配風レバー59a
が所定比を設定する位置より右側にあると判定された場
合には、ステップ188へ進み、第12図の波線で示すよう
に、送風機7のLOW風量領域を、よりゆるやかな傾斜特
性が得られるように変化させ、日射量が所定量(β、但
し、α<βである)以上になれば、より小さいレベル
(印加電圧で例えば1.5V)で一定にする。
このような、送風機7のLOW風量領域を用いれば、ド
ライバー側の配風比率を大きくしても、日射時における
ドライバー側の風量変化量を適切に抑えることができる
ものである。
第13図及び第14図において、ステップ70における各空
調機器の制御量演算の更に他の実施例が示されている。
第13図において、冷風バイパスドア30とエバポレータ
吹出温度の制御例が示され、この制御は、先ず第(2)
式に基づいて頭部総合信号T3を演算する。
T3=K1・TSC−K2(Ths−25) ……(2) 但し、K1,K2は演算係数、TSCは上述した信号処理され
た日射量を表わす信号、Thsは頭部設定温度である。
そして、このT3に基づいて、第13図に示す特性が得ら
れるようにバイパスドア30とエバポレータ吹出温度の制
御が行なわれる。
その他の空調機器の制御量は、Thsに応じて第14図に
示されるように設定される。これを配風レバー59aが所
定比より均衡な状態の設定位置にある場合について具体
的に説明すると、吹出モードについては、これをH3とC3
の間では規制しないが、H3以上ではベントモード、バイ
レベルモード1,2に規制(上方吹出口の開度が大きい)
し、C3以上ではベントモード、バイレベルモード1,2,3
に規制(上方吹出口の開度が小さいところまで使用)す
る。
エアミックスドアの規制は、その上限規制が、H3とC3
の間はθ≦67%、H3以上ではθ≦75%、H5以上では
θ≦80%に規制されるが、C3以上では規制は行われな
い。また、下限規制は、H5以上のみθ≦67%に規制さ
れる。
エアミックスドアの補正は、H2とC3の間では補正なし
であるが、H2とH3の間では15%ヒート側へ、H3とH4の間
では30%ヒート側へ、H4以上では45%ヒート側へ補正が
なされる。また、C3とC4の間では15%クール側へ、C4
上では30%クール側へ補正がなされる。
エバポレータ吹出温度の規制は、H2以上ではコンプレ
ッサオンモード時にあって、エバポレータ目標吹出温度
が+12℃に固定され、H2とC5の間はオート制御による値
で規制はないが、C5以上ではエバポレータの目標吹出温
度は3℃となる。
送風機7の風量の補正は、その低速風量が、H3とC3
間では4.8Vであるが、H3の切換時には20秒間7.8Vになっ
て送風が吹き上げられ、その後5.8Vとなり、H4の切換時
は送風の急激な吹き上げを行わずに6.8Vとなり、H5の切
換時は20秒間10.5Vとなって送風が吹き上げられ、その
後7.8Vとなる。C3の切換時には20秒間7.8Vになって送風
が吹き上げられ、その後5.8Vとなり、C4の切換時は送風
の急激な吹き上げを行わずに6.8Vとなり、C5の切換時に
は20秒間10.5Vとなって送風が吹き上げられ、その後7.8
Vとなる。この吹き上げ送風は、乗員の感覚に一層訴え
るようにするためのものである。
尚、頭部温度設定機58の移動時に、例えばH3に行き過
ぎ、直ちにH2に戻されると、7.8Vまで送風機7の電圧が
上昇して風量が吹き上げられた後、4.8Vまで直ちに戻さ
れる制御が行なわれる。このような制御は、H5とH4
間、C2とC3の間及びC4とC5の間でも行なわれる(但し、
H5とH4の間、C4とC5の間では10.5Vから6.8Vに戻され
る)。
これに対して、配風レバー59aが所定比より不均衡な
状態の設定位置にある場合には、エアミックスドア16を
第14図の波線で示すように、H3とC3の間では規制しない
が、H3とH4の間では15%ヒート側へ、H4とH5の間では30
%ヒート側へ補正する。
また、送風機7の風量をH4とC4の間で4.8Vの低速風量
とし、波線で示すように、H4とC4の切換時には5.8V、H5
とC5の切換時には6.8Vとする。また、前記頭部温度設定
機58の設定の行き過ぎが直ちに戻された場合には、H2
H3の間とC2とC3の間は6.8Vから4.8Vへ、H4とH5の間とC4
とC5の間は、7.8Vよりも大きく10.5Vよりも小さい値か
ら6.8Vへ戻す制御が行なわれる。
したがって、日射量が大きくなってバイパス通路が大
きく開いた場合にThsを大きく変えても、配風比が大き
く偏って設定される場合(ドライバー側の配風比を大き
くした場合)には、風量変化量や温度変化が小さくな
り、ドライバー側の空調制御に過大な変化を与えるのを
防ぐことができる。
(発明の効果) 以上述べたように、この発明によれば、空調機器の制
御量を車室内の左右の配風比の設定が所定比より不均衡
になる場合に低減させ、あるいは低減開始域が高熱負荷
側へずれるように補正するようにしたので、インカーセ
ンサーの応答遅れがあっても、例えば送風量が低下し、
または送風量の低減開始が高熱負荷から低熱負荷への移
行過程において早期に行なわれるようになり、配風比率
を増大させた側の冷房過多を防止することができるもの
である。また、車両の片側の配風比を大きくするように
設定した場合に心配される風量の大きな変化もなくな
り、必要とする温調制御が適切に行なわれるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明を示す機能ブロック図、第2図はこの
発明の自動車用空調装置の実施例を示す概略構成図、第
3図は同上において用いられるマイクロコンピュータの
メインルーチン例を示すフローチャート、第4図は日射
方位の演算処理を表わすフローチャート、第5図は日射
量の演算処理を表わすフローチャート、第6図は配風ド
アの制御量演算処理を表わすフローチャート、第7図は
制御方式の切替特性を表わす線図、第8図は配風ドアの
開度と日射方位及び配風レバーとの関係を示す特性線
図、第9図は送風機制御例を示すフローチャート、第10
図は送風機の印加電圧の特性線図、第11図は送風機のLO
W風量領域の制御例を示すフローチャート、第12図はLOW
風量の特性線図、第13図はエバポレータの目標温度と冷
風バイパスドア開度の特性を表わす線図、第14図はThs
に基づく各空調機器の制御特性を表わす線図である。 200……配風比変更手、210……配風比設定手段、220…
…日射条件演算手段、230……配風比制御手段、240……
熱負荷検出手段、250……制御量決定手段、260……駆動
手段、270……判定手段、280……補正手段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】送風機により空調通路に吸引された空気を
    冷却または加熱手段を介してその温度を調節し、車室内
    の左右の配風比を変更する配風比変更手段を介して前記
    空気を開かれている吹出口から車室内に供給する自動車
    用空調装置において、 車室左右の配風を設定する配風比設定手段と、 日射センサにより検出された日射信号に基づいて車室内
    の日射条件を演算する日射条件演算手段と、 前記配風比設定手段と日射条件演算手段とからの出力信
    号に基づいて前記配風比変更手段を駆動制御する配風比
    制御手段と、 車室内の熱負荷に関連する因子を検出する熱負荷検出手
    段と、 この熱負荷検出手段により検出された熱負荷に関連する
    因子に基づいて空調機器の制御量を所定の特性パターン
    が得られるように決定する制御量決定手段と、 この制御量決定手段により決定された制御量により前記
    空調機器を駆動する駆動手段と、 前記配風比設定手段で設定された配風比が所定比より不
    均衡に設定されたか否かを判定する判定手段と、 この判定手段により配風比が所定比より不均衡であると
    判定された場合に、前記空調機器の制御量を小さくある
    いは前記特性パターンの低減開始域が高熱負荷側へずれ
    るように補正する補正手段と、 を具備することを特徴とする自動車用空調装置の空調バ
    ランス制御装置。
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