JP2720534B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents

車両用空気調和装置

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JP2720534B2 JP19079289A JP19079289A JP2720534B2 JP 2720534 B2 JP2720534 B2 JP 2720534B2 JP 19079289 A JP19079289 A JP 19079289A JP 19079289 A JP19079289 A JP 19079289A JP 2720534 B2 JP2720534 B2 JP 2720534B2
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孝昌 河合
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、車両用空気調和装置に関する。
〔従来の技術〕
車両用空気調和装置は、車室内温度Tr,外気温Tam,日
射量STを制御要素として、必要吹出温度Taoを演算し、
それに基づいて温度制御,風量制御,吹出口切替制御,
吸込口切替制御等の各種制御を行うようにしている。な
お、この必要吹出温度Taoは次式(1)にて算出され
る。
Tao=Kset・Tset−Kr・Tr−Kam・ Tam−Ks・ST+C …(1) ただし、Kset,Kr,Kam,Ks,Cは定数、Tsetは目標とする設
定温度である。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来、上記(1)式において、定数Kset,Kr,Kam,Ks,C
は、該車両のある車速における熱負荷を基に決定されて
いる。
しかしながら、本発明者らによると車速と日射量とに
は相互作用があり、第4図に示すように日射量によって
は、車速により熱負荷が大きく異なってしまうことが明
らかとなった。すなわち、第4図において、日射量が0
付近では車速の影響はほとんど現れないが、日射量1000
kcal/h・m2時には車速により熱負荷は大きく異なり、例
えば車速0と40km/hとでは350kcal/hの熱負荷の差があ
り、それにより車室内は設定温度から約2℃のずれが生
じてしまうことになる。式(1)に基づいて空調された
車室内温度と該車両の車速との関係を第5図の特性線B
に示す。なお、外気温30℃,日射量1000kcal/h・m2,空
調の目標とする設定温度は25℃とし、式(1)の各定数
は車速40km/h時の熱負荷を基に決定されたものとする。
第5図に示すように、車速40km/h時には車室内は設定温
度25℃に空調制御されているが、車速が40km/hから変化
すると車室内は25℃に空調制御されていない。
すなわち、車速と日射量との相互作用から、車速によ
っては車室内温度が設定温度からはずれて制御されてし
まうという問題がある。
本発明は上記問題に鑑みなされたもので、車速が変化
しても車室内温度を設定温度に制御することができる車
両用空気調和装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記目的を達成するために、第1図に示すよ
うに、 車室内へ吹出す空気流の吹出温度を調節する温度調節
手段1を備えるものに適用されて、 前記車室内の所望の温度を設定したとき同所望の温度
を温度設定信号として発生する温度設定手段2と、 前記車室内の現実の温度を検出し内気温検出信号とし
て発生する内気温検出手段3と、 車両が受ける日射量を検出し日射量検出信号として発
生する日射量検出手段4と、 前記温度設定信号、内気温検出信号及び日射量検出信
号に応じて前記吹出温度の目標値を決定し必要吹出温度
信号として発生する制御手段5と、 前記必要吹出温度信号に基づき、前記温度調節手段1
を作用させる駆動手段6と を設けてなる車両用空気調和装置において、 該車両の車速を検出し車速検出信号として発生する車
速検出手段7を具備する構成として、 前記制御手段5は、この車速検出信号の値によって前
記日射量検出信号を補正するように、前記温度設定信
号,内気温検出信号,日射量検出信号及び車速検出信号
に応じて前記吹出温度の目標値を決定するという技術的
手段を採用する。
〔作用〕
したがって上記構成において、前記制御手段5は、こ
の車速検出信号の値によって前記日射量検出信号を補正
するように、前記温度設定信号,内気温検出信号,日射
量検出信号及び車速検出信号に応じて前記吹出温度の目
標値を決定し、必要吹出温度信号として発生する。そし
て、この必要吹出温度信号に基づき、前記駆動手段6は
前記温度調節手段1を作用させ、車室内へ吹出す空気流
の吹出温度を調節する。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
第2図に本発明一実施例を適用した車両用空気調和装
置を示す。この空気調和装置のエアダクト10内には、内
外気切換ドア20,送風機30,エバポレータ40,加熱器50,エ
アミックスダンパ60および吹出口切換ドア70,80が配置
されている。内外気切換ドア20は、エアダクト10の導入
口11を開いたとき外気モードが設定され、車両の外部か
らエアダクト10内に外気を導入する。一方エアダクト10
の還流口12を開いたとき内気モードが設定され、車室13
内の空気をエアダクト10に還流させる。なお、この内外
気モードの切替は、図示しな車室内の切換スイッチある
いは制御回路90による自動切替によって行われる。
送風機30は、駆動回路31によって駆動され、導入口11
または還流口12からの空気を吸引し、その回転速度に応
じた流量Wを有する空気流としてエバポレータ40に送
る。なお、送風機30の回転速度は制御回路90あるいは、
図示しない車室内の切換スイッチによって制御される。
エバポレータ40は、電磁クラッチ41およびコンプレッ
サ42を含む冷凍サイクルにより、送風機30からの空気流
を冷却し、冷却空気流として、エアミックスダンパ60に
付与する。なお、電磁クラッチ41は、制御回路90の制御
下にて駆動されて、コンプレッサ42を車両エンジンEに
選択的に接続する。
加熱器50は、エンジンEの冷却装置から冷却水を受け
てエバポレータ40から送られる冷却空気流を温める。エ
アミックスダンパ60は、サーボモータ61のロッド62に連
結されており、そのサーボモータ61が制御回路90からの
制御信号を入力して回転しロッド62を上動或いは下動さ
せるとき、その開度Arをロッド62の上動或いは下動に応
じて減少或いは増大させるべく機能する。これにより、
エバポレータ40からの冷却空気流の一部がエアミックス
ダンパ60の開度Arに応じて加熱器50に付与され、一方エ
バポレータ40からの冷却空気流の残余の部分が、加熱器
50により温められた空気流と混合されて混合空気流とし
て吹出口切換ドア70に送られる。この場合、エアミック
スダンパ60は、ロッド62が図において上動端にあるとき
最小開度を有し、エバポレータ40からの全冷却空気流
が、直接、吹出口切換ドア70に付与されるものとする。
一方、ロッド62が下動端にあるとき、エアミックスダン
パ60は最大開度を有し、エバポレータ40からの全冷却空
気流が、加熱器50に付与されるものとする。
吹出口切換ドア70はサーボモータ71に作動的に連結さ
れており、このサーボモータ71が原点位置にあるとき、
原位置(第2図にて実線により示す)に維持されたエア
ダクト10内を流れる混合空気流をエアダクト10の吹出口
14を通して車室13内に吹出す。このことは、吹出口切換
ドア70がヒートモード下におかれていることを意味す
る。また、吹出口切換ドア70は切換ドア80と協働して前
記混合空気流をエアダクト10の吹出口15から車室13内に
吹出し、またエアダクト10の吹出口14,15から車室13内
に吹出しあるいはエアダクト10の吹出口16から車室13内
に吹出すべく機能する。このことは、切換ドア70,80が
ベントモード,バイレベルモードあるいはデフロストモ
ード下におかれることを意味する。なお、切換ドア70
は、サーボモータ71の制御回路90の指令によって回転下
動されベンモード,バイレベルモードあるいはデフロス
トモード下におかれ、また切換ドア80は、サーボモータ
81が制御回路90の指令による回転により上動または下動
してベントモード,バイレベルあるいはデフロストモー
ド下におかれる。なお、この吹出口切替によるモード設
定、あるいは前述の内外気切換モードは車室13内に設け
られたモード設定器99を乗員が設定することにより、そ
のモード設定に従って制御されたり、あるいは、制御回
路90にて自動的に制御される。
制御回路90はマイクロコンピュータから構成され、内
気温センサ91,開度センサ92,日射センサ93,外気温セン
サ94,車速センサ95,エバポレータ後方センサ96,水温セ
ンサ97,温度設定器98および前述のモード設定器99に接
続している。
内気温センサ91は車室13内に配置されており、車室13
内の現実の温度Trを検出して、この内気温Trに対応した
信号を発生する。
開度センサ92は、サーボモータ61により上下動するロ
ッド62に作動的に連結されており、エアミックスダンパ
60の現実の開度Arを検出し、この検出開度Arに対応した
信号を発生する。
日射センサ93は、車室13内に配置されており、車室13
内に入射される現実の日射量STを検出して、この日射量
STに対応した信号を発生する。
外気温センサ94は、エンジンルーム内のラジエータコ
ア(図略)前の外気導入側に配置され、車室外の現実の
外気温Tamを検出し、この外気湿Tamに対応した信号を発
生する。
車速センサ95は、一般的に用いられるものであり、車
速Vvに応じた信号を発生する。
エバポレータ後方センサ96は、エアダクト10内のエバ
ポレータ40の後方に配置され、エバポレータ40にて冷却
された空気温度Teを検出し、この空気温度Teに対応した
信号を発生する。
水温センサ97は、加熱器50の下,上あるいは側面に取
り付けられ、加熱器50に導入されるエンジンEの冷却水
の水温Twを検出し、この水温Twに対応した信号を発生す
る。
また、温度設定器98は、車室13内に設けられており、
乗員の手動操作により所望の設定温度Tsetを選定し、こ
れを温度設定信号として発生する。
また、制御回路90のマイクロコンピュータには所定の
制御プログラムが記憶されており、その制御プログラム
に従ってエアミックスダンパ60の最適な開度SWが演算さ
れ、開度センサ92からの現実の開度Arと比較され、エア
ミックスダンパ60の制御量が決定される。その制御量に
応じた制御信号によりサーボモータ61が駆動され、エア
ミックスダンパ60の開度が制御され、車室13内の温度が
調節される。
次に、上記車両用空気調和装置の作用を、第3図に示
す制御フローチャートにしたがって説明する。
第2図において図示しない空気調和装置のスイッチが
投入されると、ステップ300がスタートされる。そし
て、次のステップ301にて前述の内気温センサ91,開度セ
ンサ92,日射センサ93,外気温センサ94,車速センサ95,エ
バポレータ後方センサ96,水温センサ97,温度設定器98,
モード設定器99の各種センサ,設定器からの信号が入力
される。
次のステップ302においては、車速センサ95からの信
号により、現在の車速Vvが略40km/hであるか、許容幅α
km/hを有して(40±α)km/hの範囲内にあるか否かを判
定する。判定がYES、すなわち現在の車速Vvが略40km/h
である場合にはステップ303へ進み、車速による日射量
の補正分をΔAとして、ΔA=0と設定し、その後ステ
ップ305へ進む。
一方、ステップ302の判定がNOの場合には、車速によ
って日射量を補正するべくステップ304へ進み、ステッ
プ304にて補正分ΔAを次式(2)に基づいて演算し、
その後ステップ305へ進む。
ΔA=β(40−Vv)・ST …(2) ただし、STは日射量(kcal/min・m2),Vvは車速(km/
h),βは補正係数である。
ステップ305においては、前述の式(1)に示す公知
の演算式に基づいて必要吹出温度Taoを演算する。すな
わち、ステップ301にて入力された各種センサ,設定器
からの信号に基づいて、式(1)に設定温度Tset,車室
内温度Tr,外気温度Tam,日射量STが代入され、必要吹出
温度Taoが決定される。なお、式(1)においてKset,K
r,Kam,Ks,Cの各定数は車速40km/h時の熱負荷を基に決定
されたものである。
次のステップ306では、ステップ305にて算出した必要
吹出温度Taoに前述の補正分ΔA(ステップ303,304にて
算出)を減算し、車速によって補正したTaoに更新す
る。
さらに、次のステップ307では、公知のように、ステ
ップ306で算出した必要吹出温度Tao,およびステップ301
にて入力した水温Tw,エバポレータ後方空気温度Teとか
ら、エアミックスダンパ60の最適開度SWを算出し、前述
のように現実の開度Arによりエアミックスダンパ60の制
御量を決定する。また、公知のように、必要吹出温度Ta
oを基に、吹出モード,風量W,内外気モード等を決定す
る。そして、次のステップ308では、ステップ307での決
定に従って、内外気切換ドア20,送風機30,エアミックス
ダンパ60,吹出口切換ドア70,80の駆動制御をし、ステッ
プ301へ戻る。
以上のようにして空調制御された車室内の温度と該車
両の車速との関係を第5図の特性線Aに示す。なお、前
述のように外気温30℃,日射量1000kcal/h・m2の環境条
件とし、車室内の目標設定温度は25℃とした。第5図に
示すように、従来のもの(特性線B)のように車速の違
いによって設定温度からはずれて車室内が空調制御され
るということもなく、車速が変化しても車室内は設定温
度に制御されている。すなわち、上記一実施例では、車
速による日射量の補正分ΔAを演算し、この補正分ΔA
によって必要吹出温度Tao値に基づいて車室内を空調制
御するようにしているから、車速の影響をうけることな
く車室内を設定温度に空調制御することができる。
なお、上記一実施例においては、第3図のステップ30
2で基準となる車速40km/hにある程度範囲を許容してい
るが、これを省略し、ステップ304に示す補正分ΔAを
直接導くようにしてもよい。さらに、上記一実施例では
ステップ306で補正分ΔAによって必要吹出温度Taoを補
正するようにているが、ステップ305の必要吹出温度Tao
演算の日射量STの定数係数Ksに直接反映させるようにし
てもよい。このものは、ステップ302,303,304,306の各
ステップを省略することができ、ステップ305の演算を
次式(3)に示すものとすればよい。
Tao=Kset・Tset−Kr・Tr−Kam・Tam −{Ks+β(40−Vv)}ST+C …(3) また、上記種々の実施例において、補正係数βは外気
温30℃時を基に設定されたものであるが、これに限らず
使用環境に応じて自由に設定できるものである。また、
外気温に応じてβ値を変化させるようにしてもよい。
さらに、上記種々の実施例において定数Kset,Kr,Kam,
Ks,Cは車速40km/h時の熱負荷量を基に設定されたもので
あったが、これに限らず、例えば車速50km/h時を基準と
したものであってもよい。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明においては、車速に応じて制
御要素としての日射量を補正し、車室内へ吹出す空気流
の吹出温度の目標値を決定するようにしているから、車
速が変化しても車室内温度を設定温度に制御することが
できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本構成を示すブロック図、第2図は
本発明一実施例を適用した車両用空気調和装置の概要を
示す構成図、第3図は本発明一実施例を示す車両用空気
調和装置の制御フローチャート、第4図は車速をパラメ
ータとした熱負荷量と日射量との関係を示す特性図、第
5図は空調された車室内の温度と車速との関係を示す制
御特性図である。 1……温度調節手段,2……温度設定手段,3……内気温検
出手段,4……日射量検出手段,5……制御手段,6……駆動
手段,7……車速検出手段,10……エアダクト,60……エア
ミックスダンパ,61……サーボモータ,90……制御回路,9
1……内気温センサ,92……開度センサ,93……日射セン
サ,95……車速センサ,98……温度設定器。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車室内へ吹出す空気流の吹出温度を調節す
    る温度調節手段を備えるものに適用されて、 前記車室内の所望の温度を設定したとき同所望の温度を
    温度設定信号として発生する温度設定手段と、 前記車室内の現実の温度を検出し内気温検出信号として
    発生する内気温検出手段と、 車両が受ける日射量を検出し日射量検出信号として発生
    する日射量検出手段と、 前記温度設定信号、内気温検出信号及び日射量検出信号
    に応じて前記吹出温度の目標値を決定し必要吹出温度信
    号として発生する制御手段と、 前記必要吹出温度信号に基づき、前記温度調節手段を作
    用させる駆動手段と を設けてなる車両用空気調和装置において、 該車両の車速を検出し車速検出信号として発生する車速
    検出手段を具備し、 前記制御手段は、この車速検出信号の値によって前記日
    射量検出信号を補正するように、前記温度設定信号,内
    気温検出信号,日射量検出信号及び車速検出信号に応じ
    て前記吹出温度の目標値を決定するようにしたことを特
    徴とする車両用空気調和装置。
JP19079289A 1989-07-24 1989-07-24 車両用空気調和装置 Expired - Lifetime JP2720534B2 (ja)

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