JP3141618B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents

車両用空気調和装置

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JP3141618B2 JP05109338A JP10933893A JP3141618B2 JP 3141618 B2 JP3141618 B2 JP 3141618B2 JP 05109338 A JP05109338 A JP 05109338A JP 10933893 A JP10933893 A JP 10933893A JP 3141618 B2 JP3141618 B2 JP 3141618B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、日射補正制御を行う車
両用空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用空気調和装置では、日
射の影響を考慮して、吹出風量または吹出風温度を可変
する日射補正制御が行われている。例えば、冷房運転
(フェイス吹出口より冷風が吹き出される)が行われる
夏場等で日射の影響を受ける時には、その日射量に応じ
て、フェイス吹出口より吹き出される吹出風量(冷風)
が増加される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の日射
補正制御は、車室内の空調状態が定常状態であるか過渡
状態であるかに係わらず、日射センサで検出された日射
量を基に日射補正制御が行われている。従って、例えば
暖房運転(フット吹出口より温風が吹き出される)が行
われる冬場等では、車室内の空調状態が過渡状態(車室
内温度と設定温度との差が大きい)の時に日射補正制御
が行われると、暖房効果が低減されることによって、車
室内温度が設定温度に達するまでの時間が長くなり、却
って快適性が損なわれることになる。つまり、車室内の
空調状態が過渡状態の時には、日射の影響がある時でも
日射補正制御を行わず、車室内温度を速やかに設定温度
に近づけた方が、乗員にとって望ましいと言える。本発
明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的
は、車室内の空調状態に応じて日射補正量を可変する車
両用空気調和装置の提供にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用空気調和
装置は、図9に示すように、車室内へ吹き出される空気
の熱量を可変する熱量可変手段100と、設定温度と内
気温との温度差が第1の温度値以下の時の車室内の空調
状態を一律に定常状態と呼び、設定温度と内気温との温
度差が前記第1の温度値より大きい第2の温度値以上の
時の車室内の空調状態を一律に過渡状態と呼ぶ時に、
室内の空調状態が定常状態であるか過渡状態であるかを
判定する空調状態判定手段110と、車室内の日射量を
検出する日射量検出手段120と、この日射量検出手段
120で検出された日射量が大きくなる程、車室内へ吹
き出される空気の熱量を小さくする日射補正量を算出す
る日射補正量算出手段130、前記空調状態判定手段1
10で車室内の空調状態が定常状態であると判定された
時には、前記日射補正量算出手段130で算出された日
射補正量を大きく設定し、前記空調状態判定手段110
で車室内の空調状態が過渡状態であると判定された時に
は、前記日射補正量算出手段130で算出された日射補
正量を小さく設定する日射補正量設定手段140と、こ
の日射補正量設定手段140で設定された日射補正量に
基づいて前記熱量可変手段100を制御する制御手段1
50とを備えた技術的手段を採用する。また、請求項1
に記載した車両用空気調和装置において、 前記日射補正
量設定手段140は、前記空調状態判定手段110で車
室内の空調状態が過渡状態であると判定された時に、日
射補正量を0とすることを技術的手段とする。
【0005】
【作用】上記構成より成る本発明の車両用空気調和装置
は、車室内の空調状態が定常状態であるか過渡状態であ
るかを判定する空調状態判定手段を備え、この空調状態
判定手段によって車室内の空調状態が定常状態であると
判定された時には、日射補正量算出手段で算出された日
射補正量が大きく設定され、空調状態判定手段によって
車室内の空調状態が過渡状態であると判定された時に
は、日射補正量算出手段で算出された日射補正量が小さ
く設定される。なお、定常状態とは、例えば、車室内温
度と設定温度との差が小さい時であり、過渡状態とは、
車室内の温度と設定温度との差が大きい時である。
【0006】
【実施例】次に、本発明の車両用空気調和装置の一実施
例を図1ないし図6を基に説明する。図1は車両用空気
調和装置の全体模式図である。本実施例の車両用空気調
和装置1は、車室内へ送風空気を導くダクト2、このダ
クト2内に空気を導入して車室内へ送る送風機3、ダク
ト2内に配された冷房用熱交換器4と暖房用熱交換器
5、およびエアコン制御装置6等を備える。ダクト2
は、その下流端が、デフロスタダクト2a、フェイスダ
クト2b、フットダクト2cに分岐されて、各ダクト2
a〜2cの先端が車室内に開口するデフロスタ吹出口
7、フェイス吹出口8、フット吹出口9とされている。
各ダクト2a〜2cの上流側開口部には、吹出口モード
に応じて各吹出口7〜9を選択的に開閉する吹出口切替
ダンパ10、11、12が設けられている。
【0007】送風機3は、ブロワケース3a、遠心式フ
ァン3b、ブロワモータ3cより成り、ブロワモータ3
cへの印加電圧(以下ブロワ電圧と言う)に応じてブロ
ワモータ3cの回転速度が決定される。ブロワ電圧は、
モータ駆動回路13を介してエアコン制御装置6からの
制御信号に基づいて制御される。ブロワケース3aに
は、車室内空気(内気)を導入する内気導入口14と車
室外空気(外気)を導入する外気導入口15とが形成さ
れるとともに、内気導入口14より導入される空気と外
気導入口15より導入される空気の導入割合いを調節す
る内外気切替ダンパ16が設けられている。
【0008】冷房用熱交換器4は、冷凍サイクル(図示
しない)の冷媒蒸発器で、ダクト2内の空気と冷温低圧
の冷媒との熱交換を行うことで、冷房用熱交換器4を通
過する空気を冷却する。暖房用熱交換器5は、ダクト2
内で冷房用熱交換器4の下流(風下)に配され、エンジ
ン冷却水を熱源として、暖房用熱交換器5を通過する空
気を加熱する。この暖房用熱交換器5は、冷房用熱交換
器4を通過した空気が暖房用熱交換器5を迂回して流れ
るバイパス路17を形成するように配されており、暖房
用熱交換器5の両面側に配された一対のエアミックスダ
ンパ18によって、暖房用熱交換器5を通過する空気量
とバイパス路17を通過する空気量との割合いが調節さ
れる。
【0009】ダクト2の外部には、ダクト2内を流れる
冷風を暖房用熱交換器5の上流(風上)から直接フェイ
スダクト2bに導くための冷風ダクト19が設けられて
いる。この冷風ダクト19は、その上流側がダクト2内
の冷房用熱交換器4と暖房用熱交換器5との間に開口
し、下流側がフェイスダクト2bのフェイス吹出口8寄
りに開口する。冷風ダクト19の上流側開口部には、ダ
クト2内から冷風ダクト19に導入される空気量を調節
する冷風ダクトダンパ20が設けられている。
【0010】エアコン制御装置6は、空調制御に係る制
御プログラムや各種の演算式等が記憶されたマイクロコ
ンピュータ(図示しない)を内蔵する。このエアコン制
御装置6は、エアコン操作パネル(図示しない)より出
力される操作信号および各センサ(後述する)からの検
出信号に基づいて、各ダンパ(内外気切替ダンパ16、
吹出口切替ダンパ10〜12、エアミックスダンパ1
8、冷風ダクトダンパ20)を駆動する各サーボモータ
21、22、23、24、およびブロワモータ3cを駆
動するモータ駆動回路13へ制御信号を出力する。
【0011】エアコン操作パネルは、車室内のインスト
ルメントパネル(図示しない)に配されて、乗員の希望
する室内温度をアップダウンスイッチ25aの操作によ
って設定する温度設定器25を備える。センサは、車室
内温度(内気温)を検出する内気センサ26、車室外温
度(外気温)を検出する外気センサ27、日射量を検出
する日射センサ28、冷房用熱交換器4の吹出空気温度
(エバ後温度)を検出するエバ後温度センサ29、およ
びエンジン冷却水の温度(冷却水温)を検出する水温セ
ンサ30等である。なお、日射センサ28は、例えば複
数の受光素子を備えるもので、日射量I、日射仰角θ、
日射方位φを検出することができる。
【0012】次に、本実施例の作動をエアコン制御装置
6の処理手順に基づいて説明する。図2〜図6はエアコ
ン制御装置6の処理手順を示すフローチャートである。
まず、温度設定器25、内気センサ26、外気センサ2
7、日射センサ28、エバ後温度センサ29、水温セン
サ30より、それぞれ設定温度Tset 、内気温Tr、外
気温Tam、日射量I、日射仰角θ、日射方位φ、エバ後
温度Te、冷却水温Twを読み込む(ステップS1)。
続いて、車室内への必要吹出温度TAOBを、下記の数
式1より算出する(ステップS2)。
【数1】TAOB=Kset ・Tset −Kr・Tr−Kam
・Tam+C なお、Kset :温度設定ゲイン、Kr:内気温度ゲイ
ン、Kam:外気温度ゲイン、C:補正定数である。
【0013】続いて、マイクロコンピュータに記憶され
たマップより、必要吹出温度TAOBの値に応じて予め
定められた仮の総風量VAを決定する(ステップS
3)。続いて、必要吹出温度TAOBが設定温度Tset
より大きいか否かを判定し(ステップS4)、判定結果
がNOの場合(TAOB≦Tset )は、必要吹出温度T
AOBを日射がない時のフェイス吹出口8の吹出風温度
TVとして設定し(ステップS5)、判定結果がYES
の場合(TAOB>Tset )は、設定温度Tset を日射
がない時のフェイス吹出口8の吹出風温度TVとして設
定する(ステップS6)。つまり、日射がない時のフェ
イス吹出口8の吹出風温度TVは、乗員が顔に当たる吹
出風によって不快感を覚えることがないように、設定温
度Tset(本実施例では25℃)を上限とするものであ
る(ステップS3参照)。
【0014】続いて、マイクロコンピュータに記憶され
たマップより、日射量Iに応じて予め定められた吹出温
度低下量ΔTを求め(ステップS7・本発明の日射補正
量算出手段)、下記の数式2より日射がある時の吹出風
温度TVSを算出する(ステップS8)。この吹出風温
度TVSは、日射を受けた乗員がフェイス吹出口8から
の吹出風で快適さを覚える温度となっている。
【数2】TVS=TV+ΔT
【0015】続いて、ステップS8で算出された吹出風
温度TVSがエバ後温度Teより小さいか否かを判定し
(ステップS9)、その判定結果がYESの場合(TV
S<Te)、つまり吹出風温度TVSが冷房用熱交換器
4で冷却された冷風の下限温度より低い場合は、エバ後
温度Teを吹出風温度TVSとして設定する(ステップ
S10)。ステップS9の判定結果がNOの場合(TV
S≧Te)は、そのままステップS11へ進む。
【0016】続いて、ステップS2で算出された必要吹
出温度TAOBをフット吹出口9の吹出風温度TAHと
して設定する(ステップS11)。続いて、このステッ
プ11で設定されたフット吹出口9の吹出風温度TAH
が、設定温度Tset より高い所定の温度TLM(本実施
例では35℃)より小さいか否かを判定し(ステップS
12)、その判定結果がYESの場合(TAH<TL
M)は、所定の温度TLMをフット吹出口9の吹出風温
度TAHとして設定する(ステップS13)。つまり、
フット吹出口9の吹出風温度TAHは、足元の冷風感を
避けるために、所定の温度TLMを下限とするものであ
る(ステップS3参照)。ステップS12の判定結果が
NOの場合(TAH≧TLM)は、そのままステップS
14へ進む。
【0017】続いて、必要吹出温度TAOBに対するフ
ット吹出口9への仮のモード比Pを決定する。まず、下
記の数式3よりPを算出し(ステップS14)、0<P
<1の時はバイレベルモード、P<0の時はP=0とし
て(ステップS15、16)、フェイス吹出口8のみを
開けるフェイスモード、P>1の時はP=1として(ス
テップS17、18)、フット吹出口9のみを開けるフ
ットモードとする。
【数3】 P=(TAOB−Tset )/(TAH−Tset ) 続いて、フット吹出口9の吹出風量VAHを下記の数式
4より算出する(ステップS19)。
【数4】VAH=P×VA
【0018】続いて、マイクロコンピュータに記憶され
たマップより、外気温Tamに応じて予め定められた温度
値T1 を求め(ステップS20)、この温度値T1 に基
づいて、車室内の空調状態を判定するための重み係数F
をマップより設定する(ステップS21・本発明の空調
状態判定手段)。ステップS20において温度値T1
は、外気温がTam1 以下の時(低外気温時)に‘a’と
なり、Tam2 (>Tam1 )以上の時(高外気温時)に
‘a’より大きい値の‘b’となり、Tam1 からTam2
の間では‘a’から‘b’までリニアに変化する。
【0019】また、ステップS21において重み係数F
は、設定温度Tset と内気温Trとの温度差が、ステッ
プS20で求められた温度値T1 以下の時に‘1’とな
り、上記温度差が温度値T2 (>T1 )以上の時に
‘0’となり、温度値T1 から温度値T2 までの間で
は、‘1’から‘0’までリニアに変化する。なお、温
度値T2 は、温度値T1 に定数αを加算した値である。
この重み係数Fは、設定温度Tset と内気温Trとの温
度差が温度値T1 以下の時に車室内の空調状態が定常状
態であることを表し、設定温度Tset と内気温Trとの
温度差が温度値T2 以上の時に車室内の空調状態が過渡
状態であることを表す。
【0020】続いて、日射がある時の風量増分DVAV
を、熱平衡式(数式5)に基づく下記の数式6より算出
する(ステップS22・本発明の日射補正量設定手
段)。熱平衡式は、日射がある時の供給熱量=日射がな
い時の供給熱量+日射による車両熱負荷増分として表さ
れ、空気の比熱をCp、比重量をγとすると、次式のよ
うになる。
【数5】Cp×γ×(TVS−Tset )×{(1−P)
×VA+DVAV}=Cp×γ×(TV−Tset )×
(1−P)×VA+Qs なお、熱負荷増分Qs(Kcal/m2・h)は、ある日射量
I´の下で、日射仰角θおよび日射方位φに依存して変
化するQsを予めマップとして持ち、マップの値にI/
I´を乗じて得る。上記の熱平衡式を変形して得られる
次式より風量増分DVAVを算出する。
【数6】
【0021】この数式6では、風量増分DVAVを算出
する際に、ステップS21で設定された重み係数Fを乗
算することにより、設定温度と内気温との温度差が温度
値T2 (>T1 )以上の時、つまり空調状態が過渡状態
である場合には、F=0となって風量増加(減少)を行
わない。続いて、フェイス吹出口8の吹出風量VAVを
下記の数式7より算出し(ステップS23)、さらに下
記の数式8より最終的な総風量VAall を求める(ステ
ップS24)。
【数7】VAV=(1−P)×VA+DVAV
【数8】VAall =VAV+VAH
【0022】続いて、吹出口切替ダンパ12、13の開
度を決定する最終的なモード比Sを下記の数式9より求
める(ステップS25)。
【数9】S=VAH/VAall続いて、マイクロコンピ
ュータに記憶されたマップより総風量VAall を実現す
るブロワ電圧VMを決定(ステップS26)した後、そ
のブロワ電圧VM、モード比S、日射がある時のフェイ
ス吹出口8の吹出風温度TVS、およびフット吹出口9
の吹出風温度TAHを出力する(ステップS27)。
【0023】続いて、ステップS25で求められたモー
ド比Sの値に応じて、エアミックスダンパ18の開度S
Wと冷風ダクトダンパ20の開度SWBを決定する(ス
テップS28)。ここで、S=0の時はフェイスモード
が設定されて、下記の数式10よりエアミックスダンパ
18の開度SWが算出される。
【数10】SW=(TVS−Te)×100/(TWD
−Te)(%) なお、TWDは固定値である。冷風ダクトダンパ20の
開度SWBは、必要吹出温度TAOBが0より小さけれ
ば全開(=100%)し、必要吹出温度TAOBが0以
上であれば全閉(=0)となる。
【0024】0<S<1の時はバイレベルモードが設定
されて、下記の数式11よりエアミックスダンパ18の
開度SWが算出され、下記の数式12より冷風ダクトダ
ンパ20の開度SWBが算出される。
【数11】SW=(TAH−Te)×100/(TWD
−Te)(%)
【数12】 S=1の時はフットモードが設定されて、上記の数式1
1よりエアミックスダンパ18の開度SWが算出され
る。冷風ダクトダンパ20の開度SWBは、フットモー
ドであることから全閉(=0)となる。
【0025】このように、本実施例では、日射がある時
に車室内が定常状態の場合は、日射補正制御が行われる
が、日射がある時でも車室内が過渡状態であると判定さ
れた場合には、車室内の温度を速やかに設定温度に近づ
けるために日射補正制御は行われない。また、空調状態
を判定するための重み係数Fを設定する場合に、外気温
を考慮する(ステップS20で外気温に応じて温度値T
1 を可変する)ことで、より乗員のフィーリングに合っ
た日射補正を行うことができる。つまり、乗員の温熱感
は、車室内の設定温度が同じでも外気温によって異なる
ため、同一の温熱感を得るためには、外気温が低い時は
暖かめにし、外気温が高い時は涼しめにする必要があ
る。そこで、外気温が低い時(Tam1 以下)には、温度
値T1 が‘b’より小さい‘a’となることから、日射
補正を行う場合の設定温度と内気温との温度差が小さく
なる。つまり、外気温が高い時(Tam2 以上)に日射補
正を行う場合より、充分に内気温が高くなってから(よ
り設定温度に近づくまで)日射補正が行われることにな
る。
【0026】〔変形例〕本実施例では、車室内の空調状
態を判定する際に、設定温度と内気温との温度差によっ
て判定したが、設定温度と内気温との温度差を演算しな
くても、内気センサ26の検出値のみに基づいて判定し
ても良い。例えば、内気センサ26の検出値がTr2
(設定温度に相当する)以上であれば定常状態であると
判定し、内気センサ26の検出値がTr1 以下であれば
過渡状態であると判定する(図7参照)。または、必要
吹出温度TAOBあるいは吹出口モード(モード比P)
と冷却水温Twに基づいて空調状態を判定しても良い。
例えば、図8に示すように、ステップS21aでモード
比Pが‘1’であるか否か(あるいはTAOBが所定値
Ta以上か否か)を判定し、その判定結果がNOの場合
(P≠1)は、ステップS21bで重み係数Fを‘1’
とする。この場合は、吹出口モードがフェイスモードか
バイレベルモードであることから、定常状態であると判
定する。ステップS21aの判定結果がYESの場合
(P=1)は、水温センサ30の検出値である冷却水温
に基づいて重み係数を設定する(ステップS21c)。
ここでは、冷却水温がTw2 以上であれば定常状態であ
ると判定し、冷却水温がTw1 (<Tw2 )以下であれ
ば過渡状態と判定する。
【0027】上記ステップS7において、吹出温度低下
量ΔTを日射量Iに応じて変更したが、熱負荷増分Qs
に応じて変更しても良い。また、エアミックスダンパ1
8によって調節された空調風に、冷風ダクト19を通っ
て導かれた冷風を混合してフェイス吹出口8の吹出風温
度を得ているが、フェイス吹出風の温度調節系を全く独
立に設けても良い。
【0028】
【発明の効果】本発明の車両用空気調和装置は、車室内
の空調状態に応じて日射補正制御を行うことができ、車
室内が過渡状態であると判定された場合は、日射がある
時でも日射補正を行わず、車室内温度を速やかに設定温
度に近づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る車両用空気調和装置の全体模式
図である。
【図2】エアコン制御装置の処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図3】エアコン制御装置の処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図4】エアコン制御装置の処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図5】エアコン制御装置の処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図6】エアコン制御装置の処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図7】本実施例の変形例に係る作動説明図である。
【図8】本実施例の変形例に係る作動説明図である。
【図9】本発明の構成を示すブロック図である(クレー
ム対応図)。
【符号の説明】
1 車両用空気調和装置 6 エアコン制御装置(空調状態判定手段、日射補正量
算出手段、日射補正量設定手段、制御手段) 18 エアミックスダンパ(熱量可変手段) 20 冷風ダクトダンパ(熱量可変手段) 28 日射センサ(日射量検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−163223(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/00 101

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)車室内へ吹き出される空気の熱量を可
    変する熱量可変手段と、 b)設定温度と内気温との温度差が第1の温度値以下の
    時の車室内の空調状態を一律に定常状態と呼び、設定温
    度と内気温との温度差が前記第1の温度値より大きい第
    2の温度値以上の時の車室内の空調状態を一律に過渡状
    態と呼ぶ時に、車室内の空調状態が定常状態であるか過
    渡状態であるかを判定する空調状態判定手段と、 c)車室内の日射量を検出する日射量検出手段と、 d)この日射量検出手段で検出された日射量が大きくな
    る程、車室内へ吹き出される空気の熱量を小さくする日
    射補正量を算出する日射補正量算出手段と、 e)前記空調状態判定手段で車室内の空調状態が定常状
    態であると判定された時には、前記日射補正量算出手段
    で算出された日射補正量を大きく設定し、前記空調状態
    判定手段で車室内の空調状態が過渡状態であると判定さ
    れた時には、前記日射補正量算出手段で算出された日射
    補正量を小さく設定する日射補正量設定手段と、 f)この日射補正量設定手段で設定された日射補正量に
    基づいて前記熱量可変手段を制御する制御手段とを備え
    た車両用空気調和装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した車両用空気調和装置に
    おいて、 前記日射補正量設定手段は、前記空調状態判定手段で車
    室内の空調状態が過渡状態であると判定された時に、日
    射補正量を0とすることを特徴とする車両用空気調和装
    置。
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